JP3646913B2 - 汚泥中の微生物不活化方法並びに微生物不活化装置および汚泥処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水処理場や各種排水処理施設等において発生する汚泥について、汚泥中の微生物を不活化する方法並びに微生物不活化装置および汚泥処理装置に係わり、特に脱水処理前の汚泥を重力沈降させることで汚泥中の固形物を濃縮する工程を含む汚泥処理方法において、該汚泥の重力沈降性が悪い場合に、汚泥の重力沈降性を高めることで、後段の凝集処理、脱水処理等の効率を改善する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
汚泥処理方法の中で、汚泥を重力濃縮槽に投入し、懸濁物質を重力沈降させることで汚泥中の固形物を濃縮する工程を含む汚泥処理方法において、汚泥中に微細な気泡が多く含まれる状態が発生することがある場合、該重力濃縮槽内の汚泥粒子の周りには微細気泡が多数付着し、汚泥が浮上することがある。汚泥が浮上すると、重力濃縮槽の底部から引き抜かれる濃縮汚泥の濃度は低下し、後段の擬集処理、及び脱水処理に悪影響を与える。
濃縮汚泥の濃度が低下する場合、凝集処理においては、一般的に汚泥中の固形物当たり凝集剤添加率が大きくなるために、必要な凝集剤の量が相対的に大きくなりコスト高である。
また、脱水処理においては、濃縮汚泥の濃度が低下する場合、一般的に脱水機の単位時間当たりの固形物処理速度が低下するために、脱水機を大型化または多数設置する必要がありコスト高である。
また、汚泥が浮上すると、重力濃縮槽の上部から排出される脱離液中の懸濁物質濃度が上昇し、系外に排出されるために、重力濃縮槽の固形物回収率は低下する。一般的に脱離液は汚泥処理プラントに隣接する水処理プラントで処理される場合が多いが、脱離液中に懸濁物質が多い場合、水処理プラント全体に悪影響を及ぼし、処理水質の低下を引き起こすことがある。
【0003】
汚泥処理システム内で汚泥中に微細な気泡が発生する原因としては種々考えられる。
物理的要因としては、温度や圧力等の変化によって汚泥中に溶存する成分が気体となって発生する場合等があり、化学的要因としては、酸性剤、アルカリ剤、酸化剤、還元剤等の種々の化学物質の添加による化学反応やそれに起因するpH変化等により揮発性物質などが発生する場合があり、生物的要因としては、好気性、嫌気性、及び絶対嫌気性環境下における各種微生物の代謝等により種々の気体が発生する場合がある。
これらの諸要因により、特に有機性汚泥を扱う場合等には、酸素、窒素、二酸化炭素、アンモニア、メタン、硫化水素、塩化水素、水素等が発生する場合がある。
【0004】
汚泥を重力濃縮槽に投入する前、及び投入後に汚泥粒子に微細気泡が多数付着する現象が生じる場合の対策としては、▲1▼原因となる微細気泡の発生が抑制される運転管理方法を検討し、気泡の発生源を取り除くか、もしくは▲2▼汚泥粒子に付着した微細気泡を汚泥粒子周辺から取り除くかである。
微細気泡の発生源を取り除く場合は、物理的または化学的処理等を施して発生源を除く必要があるが、様々な要因が重なって気泡が発生する場合が多く、気泡の発生源を完全に除くことは困難である場合が多い。
微細気泡を汚泥粒子から取り除く場合は、従来例のほとんどが、(1) 重力濃縮槽上部からのシャワリングによって浮上汚泥を落とす方法、もしくは(2) 微細気泡が付着した汚泥に撹拌機や迂流板等を用いて物理的な衝撃を与え、その衝撃で気泡を汚泥粒子から取り除く方法の2種類である。
しかし、これら従来の方法は、いずれも多少の効果はあるものの完全に気泡を取り除くことは困難であり、問題であった。
また、脱気処理の一般的な方法としては、撹拌力等の物理的な衝撃を与える方法、汚泥を薄膜状態にする方法、汚泥を真空下にさらす方法等あるが、いずれの方法も単独では脱気効果が安定しない場合が多い。
【0005】
また、別の従来例として、密閉圧力容器内に汚泥を充填した後、該容器下部に接続された汚泥ポンプの吸引力を利用して容器内を減圧状態とし、汚泥を減圧処理することにより、汚泥中に溶解しているガスを脱気させ、菌を死滅させる方法が提案されている。
しかしながら、本発明者らがこの従来例を検討したところ、汚泥中に溶解しているガスを脱気させる効果はあるもののその効果は小さく、完全に気泡を取り除くことは出来ず、また菌を死滅させる効果も小さかった。
すなわち、密閉圧力容器内の汚泥を該容器下部に接続された汚泥ポンプの吸引力を利用して容器内を減圧状態とし脱気処理した後、脱気処理した汚泥を重力濃縮槽に投入したところ、汚泥中にはまだまだ微細な気泡が含まれる場合が多く、汚泥が浮上する傾向が認められ、しかも、重力濃縮槽における静置時間の経過とともに気泡の増加が認められ、より汚泥が浮上しやすくなる傾向があることを確認できた。
この従来例ではバッチ方式により、容器内に汚泥を充填した後、弁を閉状態として該容器内を密閉し、該容器下部に接続された弁を開状態として汚泥ポンプの吸引力を利用して容器内を減圧にしている。このため、吸引の初期段階に排出される汚泥は減圧にさらされることなしに容器外部に排出され、更には、汚泥液の液表面部や上層部は減圧にさらされたとしても、汚泥液の中・下層部は減圧にさらされることなしに、すなわち、減圧による脱気効果や菌の死滅効果を受けることなしに容器外部に排出されるためと推定できる。このように、この従来例では汚泥全体を均一に減圧にさらすことが出来ないという問題点を有している。
このため、汚泥を単に密閉容器内で減圧脱気処理しただけでは、菌を死滅させる効果は小さく、重力濃縮槽における静置時間の経過とともに微生物の代謝等による気体が発生したものと考えられる。また、汚泥中に溶解しているガスを脱気させる効果も小さいことがわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の前記問題点を解決することを目的とする。
すなわち、汚泥を重力濃縮槽に投入し懸濁物質を重力沈降させることで汚泥中の固形物を濃縮する工程を有する汚泥処理方法において、汚泥中に微細な気泡が多く含まれる状態が発生し、該微細気泡が汚泥粒子に多数付着することにより、汚泥の沈降性が悪くなり、さらには汚泥が浮上することがある場合に、汚泥を重力濃縮する前段階及び/又は重力濃縮工程中に、汚泥中の微細気泡を完全に除去する汚泥処理方法および汚泥処理装置を提供することを課題とする。
特に、重力濃縮工程の静置時間において、微生物の代謝等による気体が発生しないように、汚泥中の微生物を不活性化する方法並びに微生物不活化装置および汚泥処理装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明の汚泥中の微生物不活化方法並びに微生物不活化装置および汚泥処理装置により解決された。すなわち、
1. 少なくとも濃縮工程を有する微生物含有汚泥の処理に際し、該濃縮工程に先立ち及び/又は工程中に、減圧乃至真空条件下において回転する円板上の中央に被処理汚泥を供給し、該回転する円板の遠心力により該汚泥を円板上で薄膜とし、該円板の端部より該汚泥を飛散させて真空容器の内壁面に衝突せしめ、該内壁面上で該汚泥を薄膜状態で流下せしめて、該汚泥中の微生物を真空にさらして不活性化することを特徴とする汚泥中の微生物不活化方法、
2. 前記被処理汚泥を減圧乃至真空状態の容器内部へ連続的に供給し、被処理汚泥を連続的に薄膜真空処理し、前記容器下部に設けた処理汚泥排出口より容器外へ連続的に排出し、これら操作を連続的におこなうことを特徴とする前項1記載の汚泥中の微生物不活化方法、
3. 微生物含有汚泥中の微生物不活化装置であって、
内部を減圧乃至真空状態に保持する鉛直壁を有する真空容器と、
該真空容器上部に開口し前記真空容器内部を減圧乃至真空状態に保持する真空排気手段と、
該真空容器内で水平に回転し汚泥を前記鉛直壁に遠心放射する、辺縁部に障壁又は多孔壁又は突起部を有しない、回転板と、
該真空容器上部に開口し前記回転板中央部に汚泥を供給する汚泥供給手段と、該鉛直壁を降下した汚泥を補集し排出する汚泥排出手段を該真空容器底部に備えたことを特徴とする微生物不活化装置、
4. 前項3の微生物不活化装置が配備されると共に、少なくとも濃縮機構を有することを特徴とする汚泥処理装置、
である。
【0008】
上記本発明の汚泥中の微生物不活化方法並びに微生物不活化装置および汚泥処理装置により、汚泥中の微生物を不活性化し、かつ該汚泥中の微細気泡を完全に除去することにより、汚泥の濃縮効率を高め、後段の凝集処理、及び脱水処理の処理性能を高めることができるという効果が得られる。
特に、上記本発明の薄膜真空脱気および汚泥の容器内壁面への衝突による汚泥中の微生物不活化方法は、汚泥中の微生物を死滅させることはできないものの、汚泥中の微生物を、ほぼ24〜48時間程度の間、不活性化することができる。このため、この微生物が不活性化されている間に、濃縮工程(好ましくは重力濃縮工程)を終了させれば、濃縮工程中は微生物の代謝等による新たな気体の発生を抑制でき、汚泥の濃縮効率を高め、後段の凝集処理、及び脱水処理の処理性能を著しく高めることができるという顕著な効果が得られる。
【0009】
さらに、上記するように、真空ポンプにより容器内部を減圧乃至真空状態に保ちながら、定量ポンプによって被処理汚泥を連続的に供給し、被処理汚泥を連続的に薄膜真空処理し、薄膜真空処理された処理汚泥を排出ポンプにより容器下部に設けた処理汚泥排出口より容器外へ連続的に排出することにより、汚泥の薄膜真空処理を連続的に行えるという効果を奏する。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の汚泥処理方法では、多数の微細な気泡が周囲に付着することで重力沈降性が悪くなった状態の汚泥粒子を多く含む汚泥を濃縮槽(好ましくは重力濃縮槽)に投入するに先立ち及び/又は濃縮工程(好ましくは重力濃縮工程)中に、薄膜真空処理で被処理汚泥中の気体成分を脱気処理することで、微細な気泡を汚泥粒子から引き離し、汚泥粒子の沈降性を高めるようにする。
特に、上記本発明の汚泥中の微生物不活化方法では、汚泥を薄膜状態で真空にさらすこと及び汚泥を容器内壁面へ衝突させることにより、汚泥中の微生物を不活性化することができる。この微生物が不活性化されている間に、濃縮工程を終了させれば、濃縮工程中は微生物の代謝等による新たな気体が発生せず、汚泥粒子の沈降性を著しく高めることができる。
【0011】
本発明の汚泥中の微生物不活化方法並びに微生物不活化装置および汚泥処理装置を図1を用いて説明する。
図1は本発明の汚泥中の微生物不活化方法を実施するための微生物不活化装置(以下、「薄膜真空脱気装置」ともいう)の一実施態様を示す模式図である。
真空容器1の容器上部に設けた真空排気口2より真空ポンプ3を用いて真空容器1の内部を真空状態とする。真空ポンプ3としては水封式真空ポンプを用いることが好ましい。また、真空ポンプ3を用いて、真空容器1の内部を−500〜−700mmHgの真空状態とすることが好ましい。このような真空状態とすることにより、汚泥中の気体成分の除去および微生物の不活性化を効率よく行うことができる。
【0012】
容器内部を真空状態とし、バルブ7を開いて、真空容器1の容器上部に設けた汚泥供給口4より定量ポンプ5を用いて原汚泥6(被処理汚泥)を真空状態の容器内部へ供給する。
容器内部へ供給された原汚泥6は、供給配管により、真空容器1内で回転する円板8上の中央部に供給される。円板8はモーター9により回転されている。円板8は周速15〜25m/secで回転することが望ましく、特に周速を21〜22m/secとすることが極めて望ましい。
供給された原汚泥6は、回転する円板8の遠心力により円板上で薄膜となり、円板8の端部より飛散して真空容器1の内壁面に衝突し、内壁面上を薄膜状態で流下する。
【0013】
このように、(1) 被処理汚泥を、真空容器内で回転する円板の遠心力により薄膜状態で真空にさらし、(2) 被処理汚泥を、該回転する円板の遠心力により該円板の端部より飛散させて容器内壁面に衝突させることにより衝撃が与えられ、更に(3) 被処理汚泥を、内壁面上を薄膜状態で流下させることにより薄膜状態で真空にさらされる。このように真空にさらされること及び物理的な衝撃を与えることにより、汚泥中の微生物が不活化される。
【0014】
本発明の処理方法では、該薄膜真空脱気装置内部において、汚泥粒子は回転する円板の回転力(遠心力)により物理的な衝撃を受けるとともに、真空容器内の壁面において薄膜状態にされる。この薄膜状態の汚泥は、容器内で真空にさらされるために、非常に微細な気泡までが完全に除去される。
【0015】
特に、微生物の生物学的代謝によって微細な気泡が発生する場合において、薄膜層内部の微生物が真空下にさらされることにより、微生物に与えるダメージが大きく、微生物の活性が大きく低下し、脱気処理後の発生ガス量がきわめて少なくなる。
例えば、酸発酵に関与する通性嫌気性菌やメタン発酵に関与するメタン生成菌などは、本薄膜真空脱気装置による脱気処理後に生物活性度が極度に低下し、炭酸ガスおよびメタンガス等の発生量がきわめて少なくなる。その状態は少なくとも24時間以上は継続することが実験により判明した。
【0016】
次に、真空容器1の底部に溜まった汚泥は、真空容器1の下部に設けた汚泥排出口10より汚泥排出ポンプ11を用いて容器外部へ処理汚泥12として連続的に排出される。
前述したように、本発明の処理方法では、真空ポンプ3により容器内部を真空状態に保ちながら、定量ポンプ5によって一定量の被処理汚泥を供給し、薄膜真空処理された一定量の処理汚泥を汚泥排出ポンプ11により容器外へ排出することにより、汚泥の薄膜真空処理が連続的に行うことができる。
【0017】
本発明の汚泥処理方法により、汚泥粒子の周囲に付着する微細気泡が取り除かれ、微生物の活性度が低下した汚泥は、重力濃縮槽において良好な沈降性を示し、重力濃縮槽の底部から引き抜かれる沈降濃縮汚泥(“沈降汚泥”ともいう)の濃度は高くなる。
沈降濃縮汚泥の濃度が高くなると、汚泥の凝集性が改害され、固形物当たりの凝集剤の添加率が低下し、凝集剤使用コストが低下する。
同時に、脱水性も改善されるため、汚泥処理システム全体の処理効率が高まることになる。
本発明の微生物不活化方法、微生物不活化装置および汚泥処理装置は、下水処理場や各種排水処理施設等において発生する汚泥に適用することができ、また、海域・陸水域の底泥にも適用することができる。
【0018】
【実施例】
次に、本発明の汚泥中の微生物不活化方法並びに微生物不活化装置および汚泥処理装置を、実際の処理施設に組み込んで運転した結果の一例について詳細に説明する。
本実施例は、複数の下水処理場で発生する汚泥をパイプラインを介して1つの汚泥処理場に送泥することにより、集約的に汚泥処理を行っている施設における例である。
該施設に送泥されてくる汚泥は、有機性の汚泥であり、汚泥の一部は長距離にわたるパイプラインで送られるために、その間に主として嫌気性微生物の代謝による発酵が進行し種々のガスが発生し易い環境が作られている。
また、圧送ポンプにより幾分加圧された状態で運ばれていることから、発生ガスの一部は汚泥中に溶存している。そのために、該施設の重力濃縮槽に投入された直後には大気開放されて圧力が低下した分の分圧でガスが発生し易い。
さらに、重力濃縮槽に投入された後においても、活性が残っている微生物の代謝作用により連続的にガスが発生しつづけるため、汚泥が常時浮上する状態が生じている。
この状態の重力濃縮槽の固形物回収率は約50%であった。
【0019】
実施例では、重力濃縮槽に投入する前の汚泥に対して、本発明に従い薄膜真空脱気装置による脱気処理を行うことにより連続的に汚泥を脱気し、脱気処理後の汚泥を直接重力濃縮槽に投入する方式を取ることとした。
【0020】
表1に、該汚泥処理施設において、本発明の汚泥処理方法を採用した場合(実施例)の処理成績と、本発明の汚泥処理方法を採用していない場合(比較例)の処理成績とを示す。
【0021】
【表1】
【0022】
本発明の汚泥処理方法を採用していない比較例では、重力濃縮槽において、汚泥の浮上が発生するために、重力濃縮槽の底部から引き抜かれる、沈降濃縮汚泥の濃度が低く0.15〜1.76%であった。
そして、重力濃縮槽の上部から排出される、脱離液の濃度は0.68〜3.19%であり、沈降汚泥濃度よりも高かった。つまり、本発明の汚泥処理方法を採用していない比較例においては、重力濃縮槽は濃縮槽としての機能を全く果たしていないことになる。
この比較例では、沈降汚泥の引き抜き量(重力濃縮槽の底部から引き抜かれる沈降汚泥の量)を大きくし、高速で脱水処理を行うことにより、重力濃縮槽の固形物回収率を高める運転を行ってきたが、回収率は25.8〜63.4%で非常に悪い状態であった。引き抜き汚泥濃度が低いことから、脱水前の凝集工程における凝集剤添加率は比較的高く0.72〜1.20wt/wt%(対SS)である。
凝集性が良くないことが起因して脱水性も悪く、脱水ケーキのケーキ含水率は81.7〜84.2wt/wt%であった。
【0023】
一方、本発明の汚泥処理方法を採用した実施例では、該汚泥処理方法を採用した直後から該汚泥処理施設の処理効率は格段に向上した。
重力濃縮槽の投入汚泥の濃度は比較例のそれとほとんど変化は無かったにもかかわらず、重力濃縮槽の底部から引き抜かれる、沈降汚泥濃度は2.56〜3.61%まで上昇し、重力濃縮槽の上部から排出される、脱離液の濃度は0.03〜0.10%まで低下した。
そして、本発明の汚泥処理方法を採用した結果、重力濃縮槽としての本来の性能が回復したことにより固形物回収率は96.7〜99.1%まで改善された。また、重力濃縮槽の底部から引き抜かれる、引き抜き汚泥の濃度が上昇したことにより、凝集性、脱水性は大幅に改善され、凝集剤添加率と脱水ケーキ含水率は、それぞれ、0.45〜0.57wt/wt%(対SS)、74.5〜78.9wt/wt%と良好な成績を示した。
【0024】
【発明の効果】
実施例の結果からも明らかなように、本発明は、汚泥を重力濃縮槽に投入し懸濁物質を重力沈降させることで汚泥中の固形物を濃縮する工程を有する汚泥処理方法および汚泥処理装置において、汚泥中に微細な気泡が多く含まれる状態が発生し、該微細気泡が汚泥粒子に多数付着することにより、汚泥の沈降性が悪くなり、さらには汚泥が浮上することがある場合に、汚泥を重力濃縮する前段階及び/又は重力濃縮工程中に、汚泥中の微細気泡を完全に除去し、しかも汚泥中の微生物を不活性化する汚泥中の微生物不活化方法並びに微生物不活化装置および汚泥処理装置を提供することを課題とする。
本発明の汚泥中の微生物不活化方法並びに微生物不活化装置および汚泥処理装置により、汚泥中の微生物を不活性化することができ、かつ汚泥中の微細気泡を完全に除去することができ、重力濃縮工程における汚泥の濃縮効率を高めることができるという効果を奏し、後段の凝集処理及び脱水処理の処理性能を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚泥中の微生物不活化方法を実施するための微生物不活化装置の一実施態様を示す模式図である。
【符号の説明】
1:真空容器
2:真空排気口
3:真空ポンプ
4:汚泥供給口
5:定量ポンプ
6:原汚泥
7:バルブ
8:円板
9:モーター
10:汚泥排出口
11:汚泥排出ポンプ
12:処理汚泥
Claims (4)
- 少なくとも濃縮工程を有する微生物含有汚泥の処理に際し、該濃縮工程に先立ち及び/又は工程中に、減圧乃至真空条件下において回転する円板上の中央に被処理汚泥を供給し、該回転する円板の遠心力により該汚泥を円板上で薄膜とし、該円板の端部より該汚泥を飛散させて真空容器の内壁面に衝突せしめ、該内壁面上で該汚泥を薄膜状態で流下せしめて、該汚泥中の微生物を真空にさらして不活性化することを特徴とする汚泥中の微生物不活化方法。
- 前記被処理汚泥を減圧乃至真空状態の容器内部へ連続的に供給し、被処理汚泥を連続的に薄膜真空処理し、前記容器下部に設けた処理汚泥排出口より容器外へ連続的に排出し、これら操作を連続的におこなうことを特徴とする請求項1記載の汚泥中の微生物不活化方法。
- 微生物含有汚泥中の微生物不活化装置であって、
内部を減圧乃至真空状態に保持する鉛直壁を有する真空容器と、
該真空容器上部に開口し前記真空容器内部を減圧乃至真空状態に保持する真空排気手段と、
該真空容器内で水平に回転し汚泥を前記鉛直壁に遠心放射する、辺縁部に障壁又は多孔壁又は突起部を有しない、回転板と、
該真空容器上部に開口し前記回転板中央部に汚泥を供給する汚泥供給手段と、
該鉛直壁を降下した汚泥を補集し排出する汚泥排出手段を該真空容器底部に備えたことを特徴とする微生物不活化装置。 - 前記請求項3の微生物不活化装置が配備されると共に、少なくとも濃縮機構を有することを特徴とする汚泥処理装置。
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