JP3646194B2 - おにぎり用包装材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で販売されている三角形に形成されたにぎり飯を包装するためのおにぎり用包装材に関し、にぎり飯に被せた海苔等のシート状食品が食べるときまで湿らないようにするために、シート状食品をにぎり飯と隔離した状態で包装できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の三角形に形成されたおにぎりを包装するおにぎり用包装材は、縦長矩形の外装フイルムと、外装フイルムの短辺側略中央に設けられ外装フイルムを長辺方向に引き裂く引き裂き手段と、外装フイルムの内側略中央で端部が上下に重合するように配され、且つ外装フイルムの長辺側端部と接着された2枚の隔離フイルムと、外装フイルムと隔離フイルムの間に挿入されたシート状食品からなるものであった。
【0003】
そして、隔離フイルムの上側部分の上に三角に形成されたにぎり飯を置き、下側の部分でにぎり飯の裏側面と斜面に沿わせてから、上側部分のにぎり飯からはみだしている部分をにぎり飯の斜面及び裏側面に沿わせて包み、上側部分の端部を裏側面でラベル或いはテープで止めて包装していた。包装されたおにぎりの底面の両端の耳の部分は、開封するときの摘み部となっていた。
【0004】
しかしながら、包装されたおにぎりの底面の両端の耳の部分と頂部の三方の角部分が包装材の弾発力により開きやすいという問題点があった。さらに、にぎり飯をおにぎり用包装材で包んだときに、内側となる下側部分の先部が上側部分で包むときに外側に折り曲げられているため、外装フイルムを長辺方向に引き裂いて両端の耳の部分を引っ張ってにぎり飯にシート状食品を被せるときに、シート状食品が外装フイルムと隔離フイルムとの間から抜けにくく、シート状食品が破れやすいという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明では、上記従来の問題点を解決し、おにぎりの三方の角部分が開くことなくきっちりと包装でき、しかもシート状食品が引っ掛かからず、簡単ににぎり飯の上にシート状食品を被すことができるおにぎり用包装材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのため、この発明では、縦長の外装フイルム1と、外装フイルム1の短辺側略中央に設けられた外装フイルム1を長辺方向に引き裂く引き裂き手段2と、外装フイルム1の内側略中央で端部が上下に重合するように配され、且つ外装フイルム1の長辺側端部に接着された2枚の隔離フイルム3,4と、外装フイルム1と隔離フイルム3,4の間に挿入されたシート状食品5からなる本体部6と、本体部6の長辺側中央の左右端部に形成された三角形に形成されたにぎり飯Nの斜面を覆う袖部7,8とを有し、本体部6の長辺側端部に形成された接着部9を、上下端に近い部分を幅狭く、袖部7,8に近い部分を幅広くなるように形成し、さらに袖部7,8との間に切り込み部 10 を設けたおにぎり用包装材とした。
【0007】
この発明の包装材でにぎり飯Nを包装するときは、隔離フイルム3,4の上側部分に三角形に形成されたにぎり飯Nを置き、下側の部分でにぎり飯Nの裏側面と斜面に沿わせてから、上側部分をにぎり飯Nの斜面に沿わせて包み、さらに袖部7,8でにぎり飯Nの斜面を覆い、袖部7,8の先端同士を接着する。このとき、袖部7,8が外装フイルム1の端を三角にぎり飯Nの斜面に密着するように押すので、包装されたおにぎりの角部が包装材の弾発力により開くことがない。
【0008】
また、上下端に近い部分の接着部9の幅を狭く形成することにより、包装したときに本体部6の上下端の角部が折り曲げられることがないので、包装しやすくなり、袖部7,8に近い部分の接着部9の幅を幅広く形成することにより、おにぎりの底部角付近が接着部9で覆われ、充分に包装されるようになっているとともに、切り込み部 10 が、包装するときに、本体部6をにぎり飯Nに沿って折り曲げやすくなっている。
【0009】
請求項2に記載のように、請求項1記載の構成に加え、本体部6の長辺側端部に形成された接着部9を除いたシート状食品収納部の短辺方向の長さLが、略にぎり飯Nの底部を覆う長さとすることが好ましい。
【0010】
このようにすれば、隔離フイルム3,4の上ににぎり飯Nを置き、下側の部分でにぎり飯Nの裏側面と斜面に沿わせたとき、下側の部分がにぎり飯Nの斜面よりはみださず、上側部分をにぎり飯Nに沿わせて包んだときに、下側の部分が上側部分で折り曲げられることがないので、食べるときにシート状食品が簡単に抜ける。
【0011】
請求項3に記載のように、請求項1又は2記載の構成に加え、本体部6を構成する外装フイルム1と2枚の隔離フイルム3,4が一枚のフイルムを折り曲げて形成したものとすることが好ましい。
【0012】
このようにすれば、おにぎり用包装材製造機にかけるフイルムロールが、従来のおにぎり用包装材製造機では外装フイルムと2枚の隔離フイルムの3つ必要であったが、この発明では隔離フイルム3,4をフイルムの両端を折り曲げることにより形成しているので、おにぎり用包装材製造機にかけるフイルムロールが一つになる。そのため、包装材製造機にかけるフイルムロールの数が減り、フイルムロールの掛け替え作業が減る。
【0013】
請求項4に記載のように、請求項1,2又は3記載の構成に加え、袖部7,8が本体部6と別体に設けられたものであり、本体部6の接着部9の中央部分9aに接着されて形成されたものとすることが好ましい。
【0014】
このようにすれば、袖部7,8を外装フイルム1と一体に形成した場合に比べ、使用するフイルム材料が少なくなる。
【0015】
請求項5に記載のように、請求項4記載の構成に加え、袖部7,8が不透明なフイルムからなるものとすることが好ましい。
【0016】
このようにすれば、包装したときに外装フイルム1の重なり部分が袖部7,8により隠されて見えなくなるだけでなく、袖部7,8に印刷を施して製造年月日や原材料等の表示部とすることができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、この発明のおにぎり用包装材の隔離フイルム側より見た正面図、図2は、図1のA−A断面図である。
【0019】
この発明のおにぎり用包装材は、図1に示すように、略縦長略矩形の外装フイルム1と、外装フイルム1の短辺側略中央に設けられた外装フイルム1を長辺方向に引き裂く引き裂き手段2と、外装フイルム1の内側略中央で端部が上下に重合するように配され、且つ外装フイルム1の長辺側端部と接着された2枚の隔離フイルム3,4と、外装フイルム1と隔離フイルム3,4の間に挿入されたシート状食品5からなる本体部6と、本体部6の長辺側中央の左右端部に形成された三角にぎり飯の斜面を覆う袖部7,8とからなる。
【0020】
外装フイルム1は、透明で湿気を通さないフイルムからなるものであり、短辺側略中央に引き裂き手段2である二つの切欠き2a,2aとカットテープ2bを設けている。上下端の短辺側の幅は、最小幅部分で約80mm、最大幅部分で95mmであり、従来のもの(約145mm)に比べて短く、左右の接着部を除くシート状食品収納部の長さLが、三角おにぎりの底面の一辺の長さ(約75mm)と略等しくなっている。さらに、長辺側の長さは、三角おにぎりの表面と裏面と底面を覆う長さ(約180mm)となっている。
【0021】
外装フイルム1と隔離フイルム3,4は、図2及び図3に示すように、一枚のフイルムを折り曲げて形成したものであり、隔離フイルム3,4の端部は外装フイルム1の内側略中央で上下に重合するようになっている。
【0022】
そして、図4に示すように、フイルムの左右の端部を一定の幅(約10mm)で接着したのち、上下端に近い部分を幅狭く、袖部に近い部分を幅広くなるように四方の接着部9・・9を斜めにカットし、さらに袖部7,8の接着部との間にV字形の切り込み部10を設けている(図5参照)。さらに、外装フイルム1の上下端部は、引き裂き手段2を設けた部分を除き、隔離フイルム3,4と接着されている。接着部9の幅を上下端に近い部分を幅狭く形成しているのは、包装したときに、接着部9の上下端に近い部分が、三角おにぎりの斜面からはみだして折れ曲がらないようにするためであり、袖部に近い部分を幅広くなるように形成しているのは、三角おにぎりの底部の角部が、露出しにくいようにするためである。
【0023】
外装フイルム1と隔離フイルム3,4の間にはシート状食品5が挿入され、本体部6を形成している。尚、シート状食品5は、フイルムの左右を折り曲げるときに挿入される。
【0024】
袖部7,8は、不透明なフイルムからなり、三角おにぎりの斜面部分を覆う長さを有しており、その幅は三角おにぎりの幅(約40mm)と略等しくなっている。さらに、袖部7,8は、接着部9の中央部分9aに溶着されている。
【0025】
シート状食品5は、本実施例では具体的には焼き海苔を使用しているが、勿論焼き海苔に限定するものではなく、シート状に形成された食品であれば任意のものに変更することもできる。シート状に形成された食品とは、具体的には、ゼラチンでシート状に形成された昆布や鰹節以外にも、薄焼き卵、畳鰯等が挙げられる。シート状食品5の幅は、従来のものに比べ、2/3の寸法となっている。
【0026】
このおにぎり用包装材の製造方法について簡単に説明すると、ロールに巻かれた幅205mmのフイルムの両側を55mmずつ折り曲げて外装フイルム1と隔離フイルム3,4とし、その間にシート状食品5を挿入してから、サイドシーラーで左右を均等な幅(約10mm)で接着して接着部を形成し、その後ダイカッターで接着部9の形状を整える。次に、エンドシーラーで上下の端部を接着してから一枚毎に切断し、本体部6を形成する。最後に、別のフイルムロールから供給された袖部7,8を接着部9の中央部分9aに溶着し、おにぎり用包装材が完成する。
【0027】
このように、この発明では、外装フイルム1と隔離フイルム3,4が一つのフイルムで構成されているので、外装フイルム1と隔離フイルム3,4を別々のフイルムロールを使用して形成する場合に比べておにぎり用包装材製造機にかけるフイルムロールの数が減り、フイルムロールを交換する手間が少なくなる。
【0028】
以上のようにして製造されたおにぎり用包装材を、隔離フイルム3,4側を上向けにして置き、その上側部分に三角に形成されたにぎり飯Nを置き(図6参照)、本体部6の下側の部分でにぎり飯Nの裏側面と斜面に沿わせてから、本体部6の上側部分をにぎり飯Nの斜面に沿わせて包み、さらに袖部7,8で三角にぎり飯Nの斜面を覆い、袖部7,8の先端同士を合わせて熱接着する。このとき、袖部7,8が、本体部6のにぎり飯Nの斜面に沿って折り曲げた部分を、にぎり飯Nの斜面に密着するように押すので、おにぎりの角部が開かず、きっちりと包装される。
【0029】
図7はおにぎりの包装された状態であり、便宜上透明な状態で示しているが、袖部7,8は不透明なフイルムからなるものであるので、おにぎりの斜面に折り込んだ部分が見えず、外観の良いものとなる。さらに、袖部7,8は、品質補償期間、栄養成分、原材料の表示としても使用できる。
【0030】
この表示は、印刷により表示しても良いし、ラベルを貼り付けることにより表示しても良い。
【0031】
このようにして包装されたおにぎりを食べるときは、カットテープ2bを引いて外装フイルム1を二分し、二分された外装フイルム1の一方を引くと、隔離フイルム3も一緒に抜け、シート状食品5が三角に形成されたにぎり飯Nの半分に被さる。
【0032】
次におにぎりを持ちかえて、二分された他方の外装フイルム1を引くと、隔離フイルム4も一緒に抜け、シート状食品5がにぎり飯N全体に被さる。
【0033】
以上が実施例であり、接着部9の幅を、上下端に近い部分を幅狭く形成し、袖部に近い部分を幅広く形成したものとしたが、同一幅としても実施できる。
【0034】
また、使用するフイルムを引き裂き方向性を有する易カットフイルムとすれば、カットテープは省略して実施することができる。また、カットテープに代えて、カット糸を使用することもできる。
【0035】
またさらに、カットテープを引きやすくするために、隔離フイルム3,4のカットテープの上端との重なり部分に切欠き3a,4aを設けることもできる。
【0036】
またさらに、袖部7,8を本体部6と別体とした実施例を示したが、幅広のフイルムを使用すれば、外装フイルム1と袖部7,8を同一のフイルムからなるものとして実施することもできる。
【0037】
【発明の効果】
この発明のおにぎり用包装材では、上述のように構成されており、袖部7,8が本体部6の端をにぎり飯Nの斜面に密着するように押すので、おにぎりの角部が包装材の弾発力により開くことがなく、きっちりと包装でき、包装されたにぎり飯Nが殆ど外気に触れることがないので、衛生的なものになる。さらに、本体部6の幅が従来のおにぎり用包装材に比べて狭く、間に挿入されたシート状食品の幅が従来のものに比べ約2/3であるので、安価に製造できるという効果もある。
【0038】
また、本体部6の長辺側端部に形成された接着部9を、上下端に近い部分を幅狭く形成することにより、包装したときに本体部6の上下端の角部が折り曲げられることがないので、包装しやすくなり、袖部7,8に近い部分の接着部9の幅を幅広く形成することにより、おにぎりの底部角付近が接着部9で覆われ、充分に包装されるようになり、より外気に接する部分が少なくなるので、衛生的になる。切り込み部 10 は、包装するときに、本体部6をにぎり飯Nに沿って折り曲げやすくなり、包装が容易になる。
【0039】
請求項2に記載のように、請求項1記載の構成に加え、本体部6の長辺側端部に形成された接着部9を除いたシート状食品収納部の短辺方向の長さLが、略にぎり飯Nの底部を覆う長さとすれば、にぎり飯Nを包んだときに、本体部6の下側の部分が上側部分で折り曲げられることがないので、食べるときにシート状食品が引っ掛からず簡単に抜け、食べやすいものとなる。
【0040】
請求項3に記載のように、請求項1又は2記載の構成に加え、本体部6を構成する外装フイルム1と2枚の隔離フイルム3,4が一枚のフイルムを折り曲げて形成したものとすれば、おにぎり用包装材製造機にかけるフイルムロールの数が減り、その結果フイルムロールの掛け替え作業が減り、作業効率が良くなるという効果がさらに加わる。
【0041】
請求項4に記載のように、請求項1,2又は3記載の構成に加え、袖部7,8が本体部6と別体に設けられたものであり、本体部6の接着部9の中央部分9aに接着されて形成されたものとすれば、袖部7,8を外装フイルム1と一体に形成した場合に比べ、使用するフイルム材料が少なくなり、安価になる。
【0042】
請求項5に記載のように、請求項4記載の構成に加え、袖部7,8が不透明なフイルムからなるものとすれば、包装したときに外装フイルム1の重なり部分が袖部7,8により隠されて見えなくなり、外観が良くなるだけでなく、袖部7,8に印刷を施して製造年月日や原材料等の表示部とすることができるようになり、従来必要であったラベルが不要となり、生産効率が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のおにぎり用包装材の隔離フイルム側より見た正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】この発明のおにぎり用包装材の本体部を製造する工程を説明する説明図である。
【図4】この発明のおにぎり用包装材の本体部を製造する工程を説明する説明図である。
【図5】この発明のおにぎり用包装材の本体部を製造する工程を説明する説明図である。
【図6】この発明のおにぎり用包装材を使用して包装するときの手順を示す説明図である。
【図7】この発明のおにぎり用包装材を使用しておにぎりを包装した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
L シート状食品収納部の短辺方向の長さ
N にぎり飯
1 外装フイルム
2 引き裂き手段
3,4 隔離フイルム
5 シート状食品
6 本体部
7,8 袖部
9 接着部
9a 中央部分
10 切り込み部
Claims (5)
- 縦長の外装フイルム(1)と、外装フイルム(1)の短辺側略中央に設けられた外装フイルム(1)を長辺方向に引き裂く引き裂き手段(2)と、外装フイルム(1)の内側略中央で端部が上下に重合するように配され、且つ外装フイルム(1)の長辺側端部に接着された2枚の隔離フイルム(3,4)と、外装フイルム(1)と隔離フイルム(3,4)の間に挿入されたシート状食品(5)からなる本体部(6)と、本体部(6)の長辺側中央の左右端部に形成された三角形に形成されたにぎり飯(N)の斜面を覆う袖部(7,8)とを有し、本体部(6)の長辺側端部に形成された接着部(9)を、上下端に近い部分を幅狭く、袖部(7,8)に近い部分を幅広くなるように形成し、さらに袖部(7,8)との間に切り込み部( 10 )を設けたことを特徴とするおにぎり用包装材。
- 本体部(6)の長辺側端部に形成された接着部(9)を除いたシート状食品収納部の短辺方向の長さ(L)が、略にぎり飯(N)の底部を覆う長さであることを特徴とする請求項1記載のおにぎり用包装材。
- 本体部(6)を構成する外装フイルム(1)と2枚の隔離フイルム(3,4)が一枚のフイルムを折り曲げて形成したものであることを特徴とする請求項1又は2記載のおにぎり用包装材。
- 袖部(7,8)が本体部(6)と別体に設けられたものであり、本体部(6)の接着部(9)の中央部分( 9a )に接着されて形成されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載のおにぎり用包装材。
- 袖部(7,8)が不透明なフイルムからなるものであることを特徴とする請求項4記載のおにぎり用包装材。
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