JP3646018B2 - 電動アクチュエータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、医療機関等で使用するベットや治療用の椅子等を昇降あるいは起倒駆動させるための駆動源として使用する電動アクチュエータの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、駆動ロッドを直線往復駆動させる装置としては、一般的に油圧シリンダとかエアシリンダが使用されてきた。前者の油圧シリンダはその使用に際して大掛かりな油圧ユニットを必要とし、また、後者のエアシリンダはエア配管を必要とすることはもとより、排気音が大きく、騒音の発生源となることがある等、前記2つのシリンダを例えば、医療機関等で使用するベットや治療用の椅子等を昇降あるいは起倒駆動させるための駆動源として使用するには、設置スペースをはじめ圧力油の漏れや騒音等の問題を考慮すると使用が困難であった。
【0003】
このため、近年、電動機の回転運動を直線往復運動に変換して、操作対象物と連結する駆動ロッドを直線往復駆動させる電動アクチュエータが使用されるようになってきた。前記電動アクチュエータは駆動源が電動機であるため、小形化が可能となり、狭隘な場所でも使用することができるので大変利便である。そして、前記電動アクチュエータは、電動機及び減速手段からなる駆動手段と、前記駆動手段と駆動可能に連結したねじ軸と、前記ねじ軸にナットを介して螺合した駆動ロッドとを備え、前記駆動手段の減速回転運動をねじ軸に伝達し、前記ねじ軸を右または左方向に回転させることにより、前記駆動ロッドをナットのねじ作用を利用して直線往復駆動させ、操作対象物(ベッドの背部等)を動作させるように構成されている。
【0004】
また、前記電動アクチュエータは、例えば、これを医療機関等で使用するベッドにおいて、前記ベッドの背部を起倒させたり、ベッド自体を昇降させたりする駆動源として使用するような場合、停電事故等が発生することにより、電動アクチュエータを駆動することができなくなったときでも、ベッドを使用している患者が何らかの発作等を起こした場合に、医師が迅速に処置を行えるよう、人手により駆動ロッドを後退させて、背部の傾倒操作及びベッド自体の下降操作が行えるように構成されているのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、前記電動アクチュエータを停電事故等発生時に人手により操作する場合、駆動手段と連結したねじ軸を、操作ハンドル等を連結して操作することにより回動すればよいが、前記ねじ軸を人手により回動させるには、前記駆動手段を構成する減速手段を介して電動機をも回動させなければならず、前記のように、ねじ軸側から電動機を回動させるには回転効率が非常に悪いため、多大な時間と労力が必要となり、迅速・容易に操作を行うことが難しかった。
【0006】
また、駆動手段を構成する減速手段として、ウォーム及びウォームホイールを使用した場合、前記ウォーム及びウォームホイールの特徴として、ウォーム側からはウォームホイールを回転させることができるものの、ウォームホイール側からウォームを回転させることができないという、所謂セルフロック現象が知られており、前記のように、ねじ軸側(ウォームホイール)から電動機(ウォーム)を回転させるには、前記セルフロック現象が発生しないようにウォーム及びウォームホイールの進み角等を特別に調節する必要があり、この結果、ウォーム及びウォームホイールは特殊加工したものを使用しなければならないという問題があった。
【0007】
本発明は、前記種々の問題に鑑み、停電事故時等において、多大な時間と労力を必要とすることなく、簡易に操作可能な電動アクチュエータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するために、回転運動を生じる駆動手段と、前記駆動手段による回転運動を直線運動に変換する運動変換手段と、前記運動変換手段により変換された直線運動を出力する出力手段と、前記運動変換手段の途中に設けた駆動力制御手段とを備えた電動アクチュエータにおいて、前記運動変換手段の出力手段と反対側に位置する基端側に、運動変換手段と駆動手段及び駆動力制御手段との連結を維持・解除するクラッチ機構と、前記運動変換手段の基端部を収容するカバー体に取付けられて前記クラッチ機構を操作する操作手段とを備え、前記クラッチ機構は、運動変換手段の外周面に減速手段と駆動力制御手段との間にまたがった状態で嵌着した中空円筒状のブッシュと、運動変換手段の出力手段と反対側に位置する基端部に穿孔・形成した中空部と、前記中空部と連通可能に穿孔した複数の連通孔と、前記中空部内に圧縮バネを介して摺動可能に収容される操作杆と、前記連通孔に移動可能に嵌合し、かつ、前記ブッシュの内周面に形成した係合溝に係脱可能に係合する鋼球とを備えて構成したことを特徴とする。
【0010】
また、前記運動変換手段には、ブッシュの内周面と対応する部位において複数箇所に凹溝を凹設し、かつ、前記各凹溝にはゴム製のOリングを嵌合することにより、クラッチ機構の動作時、前記ブッシュとの間で所定の制動力を発生させる補助制動手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
更に、前記クラッチ機構と操作手段との間には、運動変換手段の基端部を収容するカバー体の内周面にシール部材を介して嵌着したシールブッシュと、前記シールブッシュの内周面にシール部材を介して摺動可能に嵌挿したシールピンと、前記シールピンを所定方向に押圧・付勢する圧縮バネとにより構成したシール手段を介在させたことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、運動変換手段の基端側に簡素な構成のクラッチ機構を備え、前記クラッチ機構を操作手段にて操作することにより、迅速・容易に運動変換手段と駆動手段及び駆動力制御手段との連結を解除し、運動変換手段(ねじ軸)のみを回動させて出力手段(駆動ロッド)を後退させることがができるので、大変利便である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図11によって説明する。図1は本発明の電動アクチュエータAの縦断側面図を示すもので、図1において、1は前記電動アクチュエータAの駆動手段であり、駆動源として回転運動を発生する電動機2と、前記電動機2の下側(図1の下方)において、電動機2の回転出力を、例えば、縦方向から横方向に変換して減速出力する減速手段3とを備えて構成されている。前記減速手段3は、例えば、図4で示すように、電動機2の回転子軸2a先端部に形成したウォーム4と、このウォーム4と噛合するウォームホイール5とからなり、前記電動機2の回転を所定の速度に減速させる。
【0014】
6は中空筒状のケーシングで、内部には減速手段3及び運動変換手段7を水平方向に直線状に配置して収納するとともに、開口部6a(図1の右側)には、中空円筒状の固定筒8の基端部が取外し可能に螺着されている。また、前記開口部6aと反対側に位置する開口端6b(図1の左側)上には、電動機2が直立状態で取付けられている。
【0015】
次に、前記運動変換手段7の構成について説明する。前記運動変換手段7は、図1に示すように、先端側に同一リードの台形ねじを螺設することによりねじ部9aを形成し、かつ、基端側に前記ねじ部9aより小径な支持部9bを形成して構成したねじ軸9と、前記ねじ軸9のねじ部9aに螺合するナット10を介して、前記ねじ軸9と駆動結合した中空円筒状の駆動ロッド11(出力手段)とによって概略構成されている。前記駆動ロッド11は、駆動手段1によりねじ軸9を所定方向に回転させると、前記ナット10のねじ作用によって直線方向(図1の左右方向)に進退し、駆動ロッド11の先端部に連結した操作対象物を動作させる。
【0016】
前記ねじ軸9の支持部9bには、図1,5で示すように、その右端側において、ねじ部9aとの間にカラー12を介在させた状態でスラスト軸受13が取付けられており、また、そのほぼ中央にはラジアル軸受14が、ケーシング6内に嵌着した軸受筐15に挿入・固定した状態で支持されており、更に、前記スラスト軸受13と軸受筐15との間には、駆動力制御手段16が配置されている。なお、図1において、17は前記軸受筐15がケーシング6内から抜脱するのを阻止するための止輪等からなる固定部材である。また、18は前記ケーシング6の開口端6b(図1の左側)に被着したカバー体18で、前記ねじ軸9の支持部9bは、前記カバー体18に設けた軸受部18aとラジアル軸受14とによって回転自在に支持される。
【0017】
次に、前記駆動力制御手段16について説明する。前記駆動力制御手段16は、図1,5で示すように、軸受筐15とスラスト軸受13との間に取付けたホルダー19と、前記ホルダー19に圧入・固定したワンウェイクラッチ20と、前記ホルダー19の左端部に止着したブレーキシュー21と、前記軸受筐15の右端側に前記ブレーキシュー21と常時摺接する状態で取付けた金属製のブレーキディスク22とを備えて構成されている。なお、前記ブレーキディスク22は、図5で示すように、その外周の一部に突設形成した係合突起22aを、ケーシング6内周面の前記係合突起22aと対応する位置に形成した係合溝6cに係合させることにより、回動不能となして取付けられている。
【0018】
そして、前記ワンウェイクラッチ20は、回転する対象物(本例ではねじ軸9)に対して、一方向は対象物と一体となって回転し、他方向は対象物を自由に回転させるように構成されているので、本例ではワンウェイクラッチ20を図1に示すねじ軸9に取付ける場合は、駆動ロッド11の進出方向にねじ軸9を回転させようとするときはこれを自由に回転させ、逆に、ねじ軸9を駆動ロッド11の後退方向に回転させようとするときはねじ軸9と一体となって回転するように取付けられている。
【0019】
従って、駆動ロッド11を後退させる方向にねじ軸9を駆動手段1の電動機2により回動させるときは、前記ワンウェイクラッチ20を固定したホルダー19をねじ軸9と一体的に回動させることにより、前記ホルダー19に止着したブレーキシュー21とブレーキディスク22との間に制動力を発生させながらねじ軸9の回動を行うもので、この場合、ねじ軸9には所定の制動力が付与されるため、その回動が大きく抑制されることになる。
【0020】
次に、図5において、23は前記ねじ軸9の支持部9bに嵌着した金属製の中空円筒状のブッシュで、駆動力制御手段16のワンウェイクラッチ20と、減速手段3のウォームホイール5との間にまたがって配置されており、前記ウォームホイール5,ワンウェイクラッチ20及びラジアル軸受14はブッシュ23を介してねじ軸9の支持部9bに取付けられている。なお、前記ブッシュ23の左端(図5の左端)内周面には、後述する鋼球29が係合する係合溝23aが、図8で示すように、所定の角度間隔及び長さ寸法で、例えば、3ヶ所に形成されている。24は前記ウォームホイール5を複数箇所においてブッシュ23に締着・固定するための止ねじである(図5には1ヶ所のみ図示)。
【0021】
図5,7において、25は前記ねじ軸9の支持部9b基端(図5の左側)内部に、所定の深さ寸法で穿孔・形成した中空部で、その深さ方向(図5の右方向)の中央付近には段部25aが設けられている(図7参照)。また、前記中空部25の段部25aと先端部(図5の右端)との中間位置には、前記中空部25の内,外を連通する連通孔25bが、図7で示すように所定の角度間隔で例えば、3ヶ所に穿孔されている。
【0022】
図5,6において、26は前記中空部25内に摺動可能に挿通される操作杆で、その長さ方向のほぼ中央には鍔部26aが形成されている。前記鍔部26aの右側(図5の右方向)には、第1,第2の膨出部26b,26c及び凹陥部26dが形成されており、前記第1の膨出部26bと凹陥部26dとは、図5,6で示すように、所定の傾斜角度を有する斜面26eによって連結されている。26fは前記鍔部26aの左側(図5の左方向)に形成した操作ピンである。
【0023】
27は前記中空部25に設けた段部25aと操作杆26の鍔部26aとの間に介挿した圧縮バネで、図5で示すように、操作杆26の第1の膨出部26bとねじ軸9の連通孔25bとを合致させた状態で前記操作杆26を、中空部25の開口端(図5の左端)に嵌着した止輪等からなる固定部材28側に、常時押圧・付勢している。29は前記ねじ軸9の連通孔25bに嵌合した鋼球で、ブッシュ23内周面に形成した係合溝23aと係脱可能に係合することにより、ねじ軸9と前記ブッシュ23に取付けた駆動手段1(ウォームホイール5)及び駆動力制御手段16とを連結する。
【0024】
そして、図5で示すように、操作杆26を圧縮バネ27を介して中空部25内に挿通するとともに、前記中空部25の内,外を連通する連通孔25bに鋼球29を嵌合し、前記鋼球29をブッシュ23の内周面に形成した係合溝23aと係脱可能に係合させることにより、ねじ軸9と駆動手段1及び駆動力制御手段16とを連結したり、前記連結を解除したりするクラッチ機構30を構成する。
【0025】
31は前記クラッチ機構30を操作するための操作手段で、図1,2,5で示すように、ケーシング6の開口端6b(図5の左端)に止着したカバー体18の筒状部18bに、ねじ等の締付部材を用いて締着・固定した支持枠体32と、前記支持枠体32に枢支軸33を介して回動可能に取付けた操作レバー34と、前記操作レバー34の下端部に取付けた引張ワイヤー35とを備えて構成されており、前記引張ワイヤー35は、電動アクチュエータAを駆動源として使用する機器(例えば、ベッド等)の所定位置まで引出される。
【0026】
前記操作レバー34は、図1,5で示すように、常時クラッチ機構30を構成する操作杆26の操作ピン26fに当接した状態となっており、前記操作杆26を必要に応じて操作レバー34によって操作することにより、クラッチ機構30を動作させ、ねじ軸9と駆動手段1及び駆動力制御手段16とを連結したり、前記連結を解除したりすることができる。
【0027】
次に、36はねじ軸9の支持部9bのブッシュ23内周面と対応する部位に設けた補助制動手段で、図5,7で示すように、前記ブッシュ23の内周面と対応するねじ軸9の支持部9bの外周面に凹溝37を複数箇所(図5,7においては4ヶ所)周設し、この複数の凹溝37にそれぞれゴム製のOリング38を嵌着することにより構成されており、クラッチ機構30を動作させ、駆動手段1及び駆動力制御手段16との連結を解除してねじ軸9を回転させる際、前記Oリング38がブッシュ23内周面と摺接しながら回転することにより、ねじ軸9に制動力を付与する。
【0028】
なお、図2において、39,39はケーシング6の軸方向と直交する方向に、前記ケーシング6と一体的に形成して突設した電動アクチュエータAの枢支軸で、中心部には電動アクチュエータAを枢支するためのねじ孔等の取付孔40,40が穿設されている。また、図1において、41は駆動ロッド11の先端に設けた取付孔である。
【0029】
次に、電動アクチュエータAの動作について説明する。図11に電動アクチュエータAの使用可能な適用例を示す。電動アクチュエータAは使用に際して、そのケーシング6に設けた枢支軸39を所定の固定場所に設けた支持座42に当接し、この支持座42から枢支軸39の取付孔40に枢支ピン43を挿着して、電動アクチュエータAを支持座42に回動自在に枢支する。また、電動アクチュエータAの駆動ロッド11の先端部は、操作対象物(例えば、ベッドの背部等)Bの連結金具44に、駆動ロッド11先端の取付孔41を利用して枢軸45を挿入することにより駆動可能に連結する。
【0030】
つづいて、前記操作対象物Bを電動アクチュエータAを駆動することにより、図11に実線で示す倒伏状態(水平状態)から、枢支部46を中心として、2点鎖線で示すように所定角度傾斜させる場合について説明する。前記電動アクチュエータAの駆動手段1を構成する電動機2を起動すると、前記電動機2の回転は減速手段3にて所定の速度に減速された状態で、前記減速手段3のウォームホイール5を嵌着したねじ軸9に伝達され、前記ねじ軸9を駆動ロッド11が進出する方向に回動させる。
【0031】
このとき、ねじ軸9と駆動手段1及び駆動力制御手段16とを連結するクラッチ機構30は、図5及び図9(a)で示すように、ねじ軸9の連通孔25bと合致する位置に操作杆26の第1の膨出部26bが存在しており、前記連通孔25bに嵌合する鋼球29の頂部が連通孔25bから突出し、ブッシュ23内周面に形成した係合溝23aと係合して、ねじ軸9と前記ブッシュ23に取付けた駆動手段1及び駆動力制御手段16との連結状態を維持しているので、前記駆動手段1の減速回転はねじ軸9に良好に伝達され、前記ねじ軸9を回動させることができる。
【0032】
前記ねじ軸9の回動により、ねじ軸9と螺合するナット10は、ねじ作用により図3で示すように、ねじ軸9の先端側に移動して、前記ナット10に取付けた駆動ロッド11を固定筒8から徐々に進出させ、その先端部に連結した操作対象物Bの連結金具44を図11の左方向に押動し、前記操作対象物Bを枢支部46を中心として、図11に実線で示す倒伏(水平)状態から、図11に2点鎖線で示すように所定角度傾斜させる。
【0033】
なお、前記のように、ねじ軸9を回動して駆動ロッド11を進出させる場合、前記ねじ軸9は、ワンウェイクラッチ20の機能により制動力を受けないように設定されているので、前記ねじ軸9は円滑に回動させることができる。また、駆動ロッド11の進出を途中で停止したとき(駆動手段1を停止させたとき)、駆動ロッド11は操作対象物Bに加わる荷重により、ねじ軸9を逆方向に回動させようとするが、駆動力制御手段16を構成するブレーキシュー21がブレーキディスク22に、前記荷重により押圧された状態で摺接して制動力が発生するので、駆動ロッド11は前記制動力を受けて逆行することなく停止する。
【0034】
次に、操作対象物Bを図11に2点鎖線で示す傾斜状態から、図11に実線で示すように水平な状態に倒伏させる場合について説明する。この場合、電動アクチュエータAの駆動手段1を構成する電動機2を先程とは逆方向に起動(回転)させればよく、前記電動機2を起動し、その回転を減速手段3により所定の速度に減速させた状態でねじ軸9に伝達して、前記ねじ軸9を駆動ロッド11を後退させる方向に回動させると、ねじ軸9に螺合するナット10は、ねじ作用により図1で示すように、ねじ軸9の基端側に移動して、前記ナット10に取付けた駆動ロッド11を徐々に後退させ、その先端部に連結した操作対象物Bの連結金具44を図11の右方向に引動し、前記操作対象物Bをその枢支部46を中心として図11に2点鎖線で示す傾斜状態から、図11に実線で示すように水平な状態に倒伏させる。
【0035】
前記操作対象物Bを、駆動ロッド11を後退させることにより、図11に実線で示すように倒伏させる際、前記駆動ロッド11には操作対象物Bの全荷重が加わってこれを急速に後退させようとする。しかし、駆動ロッド11に加わる荷重はナット10を介してねじ軸9に伝達され、前記ねじ軸9を図1において左方向に押動し、ブレーキシュー21をブレーキディスク22側に強固に押圧するとともに、ねじ軸9に付設したワンウェイクラッチ20はホルダー19をねじ軸9と一体的に回動させ、前記ホルダー19に止着したブレーキシュー21とブレーキディスク22との間に制動力を発生させるので、駆動ロッド11は操作対象物Bの全荷重を受けても急速に後退せず、制動力が加えられた状態で後退して、操作対象物Bを円滑・安全に倒伏させることができる。
【0036】
なお、このとき、ねじ軸9と駆動手段1及び駆動力制御手段16とを連結するクラッチ機構30は、図5及び図9(a)で示すように、ねじ軸9の連通孔25bと合致する位置に操作杆26の第1の膨出部26bが存在しており、前記連通孔25bに嵌合する鋼球29の頂部が連通孔25bから突出し、ブッシュ23内周面に形成した係合溝23aと係合して、ねじ軸9と前記ブッシュ23に取付けた駆動手段1及び駆動力制御手段16との連結状態を維持しているので、前記駆動手段1の減速回転はねじ軸9に良好に伝達され、前記ねじ軸9を回動させることができるとともに、駆動力制御手段16も、ねじ軸9と一体的に回動して制動力を発生させるので、操作対象物Bを安全に倒伏させることができる。
【0037】
次に、停電事故等が発生したとき等に、操作対象物Bを手動により、図11に2点鎖線で示すように所定角度で傾斜させた状態から、実線で示すように水平な状態に倒伏させる場合について説明する。この場合、操作手段31を介してクラッチ機構30を操作することにより、容易に駆動ロッド11を後退させることが可能となる。
【0038】
即ち、図5において、操作手段31の引張ワイヤー35を図の右方向に引動することにより、操作レバー34を枢支軸33を中心として反時計方向に回動させ、前記操作レバー34に当接する操作杆26の操作ピン26fを図の右方向に押動する。この結果、前記操作杆26は、圧縮バネ27の弾性力に抗して、図10で示すように、その凹陥部26dがねじ軸9の連通孔25bと合致する位置まで移動する。
【0039】
前記のように操作杆26が押動され、前記操作杆26の凹陥部26dとねじ軸9の連通孔25bとが合致すると、前記連通孔25bに嵌合されている鋼球29は、操作杆26の第1の膨出部26bによる支持から解放されて凹陥部26dに移動し、ブッシュ23に形成した係合溝23aとの係合が解除される(図9(b)及び図10参照。ただし、ねじ軸9の下部側に穿孔した連通孔25bに嵌合する鋼球29は、凹陥部26dと係合溝23aとの高さ位置の関係から、凹陥部26d側へ移動可能な状態で係合溝23aと係合している)。
【0040】
この結果、前記ねじ軸9は、ブッシュ23との係合が解除される、即ち、前記ブッシュ23に取付けた駆動手段1の減速手段3を構成するウォームホイール5及びねじ軸9の後退時に制動力を発生する駆動力制御手段16との連結が解除されることとなり、ねじ軸9のみを容易に回動させることができる。
【0041】
前記のように、ねじ軸9とウォームホイール5及び駆動力制御手段16との連結が解除されると、前記ねじ軸9は、駆動ロッド11→ナット10を介して伝達される操作対象物Bの荷重によって徐々に回動を開始する(図9(b)における時計方向)。このとき、図9(b)で示すように、ねじ軸9下部側の連通孔25bに嵌合する鋼球29は、操作杆26の凹陥部26dとブッシュ23に形成した係合溝23aとの高さ位置の関係から、係合溝23aに係合しているものの、操作杆26の第1の膨出部26bによる支持からは解放された状態であり、ねじ軸9が回動を開始すると、図9(c)で示すように、係合溝23aとの係合が解除され、かつ、ブッシュ23の内周面に押圧されて凹陥部26d側に移動するので、ねじ軸9の回動には何等支障をきたすことなく、良好にねじ軸9を回動させることができる。
【0042】
また、前記ねじ軸9は、駆動力制御手段16との連結が解除されていることにより、操作対象物Bの荷重が加わると、急速に回動しようとするが、前記ねじ軸9の支持部9bのブッシュ23内周面と対応する部位に、補助制動手段36が設けてあるので、前記補助制動手段36のゴム製のOリング38が前記ブッシュ23内周面と摺接し、ブッシュ23との間に摩擦力を発生することにより、所定の制動力を受けながら回動させることができる。
【0043】
前記ねじ軸9が回動を開始すると、ねじ軸9と螺合するナット10は、ねじ作用によりねじ軸9の基端側に移動して、前記ナット10に取付けた駆動ロッド11を徐々に後退させ、その先端部に連結金具44を介して連結した操作対象物Bを、枢支部46を中心として図11に2点鎖線で示す傾斜状態から、図11に実線で示すように水平な状態に倒伏させる。
【0044】
前記のように、本発明においては、停電事故等が発生することにより電動アクチュエータAを駆動することができなくなった場合でも、操作手段31を介して電動アクチュエータAのクラッチ機構30を操作することにより、容易にねじ軸9と駆動手段1及び駆動力制御手段16との連結を解除して、ねじ軸9を回動させることが可能となり、この結果、操作対象物Bに加わる荷重を利用してねじ軸9を回動させることにより駆動ロッド11を後退させ、操作対象物Bを図11に2点鎖線で示す所定角度傾斜した状態から、実線で示すように水平な状態に倒伏させることができる。
【0045】
しかも、ねじ軸9と駆動手段1及び駆動力制御手段16との連結を解除した状態で、ねじ軸9を回動させて駆動ロッド11を後退させる場合、前記ねじ軸9は急速に回動することなく、補助制動手段36により所定の制動力を受けながら回動して、駆動ロッド11を後退させることができるので、その先端部に連結した操作対象物Bを安全に倒伏動作させることができる。
【0046】
次に、前記ねじ軸9と駆動手段1及び駆動力制御手段16との連結を復帰させる場合は、図10において、引張ワイヤー35の引動を解除することにより、操作レバー34による操作杆26の操作ピン26fの押圧を解除する。
【0047】
これにより、前記操作杆26は圧縮バネ27の弾性力により図10の左方向に押圧・付勢されて原位置に復帰する。このとき、操作杆26の凹陥部26dに位置している鋼球29は、前記凹陥部26dと第1の膨出部26bとを連結する斜面26eを利用することにより、容易に第1の膨出部26b上に移動して連通孔25bから突出し、図5で示すように、ブッシュ23に形成した係合溝23aと係合して、ねじ軸9と前記ブッシュ23に取付けた駆動手段1及び駆動力制御手段16とを連結する。
【0048】
前記のように、凹陥部26dに存在している鋼球29は、操作杆26が原位置に復帰する際、前記凹陥部26dと第1の膨出部26bとを連結する斜面26eを利用することにより、凹陥部26dと第1の膨出部26bとの段差の影響を受けることなく、前記第1の膨出部26b上にスムーズに移動して連通孔25bから突出し、容易にブッシュ23内周面の係合溝23aと係合させることができる。
【0049】
なお、ねじ軸9と駆動手段1及び駆動力制御手段16との連結を復帰させる際、前記ねじ軸9の連通孔25bとブッシュ23内周面の係合溝23aとが合致していない場合は、操作レバー34による操作杆26の押圧を解除した状態で、駆動手段1の電動機2を起動して減速手段3を取付けたブッシュ23を回動させることにより、前記ブッシュ23内周面の係合溝23aと連通孔25bとを合致させればよく、この結果、前記連通孔25bに嵌合している鋼球29は、連通孔25bから突出してブッシュ23内周面の係合溝23aと係合し、ねじ軸9と駆動手段1及び駆動力制御手段16との連結を復帰させる。
【0050】
次に、図12により、本発明の第2実施例について説明する。なお、図12で示す第2実施例において、図5,10で示す第1実施例と同一部材は同一符号により説明する。第1実施例と第2実施例との相違点は、操作手段31とクラッチ機構30との間にシール手段50を介在させた点にある。
【0051】
図12において、51は前記シール手段50の一方を構成するシールブッシュで、ケーシング6の開口端6b(図12の左側)に被着したカバー体18の筒状部18b内に、前記筒状部18bの内周面との間にOリング等からなるシール部材52を介挿した状態で嵌着されている。前記シールブッシュ51は、前記カバー体18の筒状部18b内に突出するねじ軸9の支持部9b基端を収容する収容部51aと、後述するシールピン53が嵌合する嵌合部51bとを備えて構成されている。
【0052】
53は前記シール手段50の他方を構成するシールピンで、シールブッシュ51の嵌合部51bに、前記嵌合部51bの内周面との間にOリング等からなるシール部材54を介挿した状態で摺動可能に嵌挿されている。前記シールピン53の一方端(図12の左端)には、操作手段31の操作レバー34と当接する押圧ピン53aが突設されており、また、他方端側(図12の右側)には、操作杆26の操作ピン26fを押圧する押圧部53bが突出形成されている。
【0053】
55はシールブッシュ51の嵌合部51bと、シールピン53の他方端側に凹設した凹部53cとの間に介挿した圧縮バネで、前記シールピン53は、この圧縮バネ55の弾性力により、その一部(図12の左側)を嵌合部51bに嵌合させた状態で、カバー体18の筒状部18b開口端側(図12の左側)に止着した止輪等からなる固定部材56側にワッシャ57を介して押圧・付勢される。
【0054】
次に、第2実施例の動作について説明する。図12(a)で示す状態において、引張ワイヤー35を図の右方向に引動し、操作レバー34を枢支軸33を中心として反時計方向に回動させると、前記操作レバー34と押圧ピン53aを介して当接しているシールピン53が、圧縮バネ55の弾性力に抗して図の右方向に移動する。
【0055】
前記シールピン53の移動により、シールピン53の他方端側に突出形成した押圧部53bは、シールブッシュ51の嵌合部51b内に突出する操作杆26の操作ピン26fと当接してこれを押圧し、圧縮バネ27の弾性力に抗して操作杆26を、図12(a)の右方向に移動させる。
【0056】
そして、図12(b)で示すように、前記操作杆26が、その凹陥部26dとねじ軸9の連通孔25bとが合致する位置まで移動すると、前記連通孔25bに嵌合している鋼球29が凹陥部26dに移動し、ブッシュ23に形成した係合溝23aとの係合が解除される。この結果、前記ねじ軸9は、ブッシュ23に取付けた駆動手段1及び駆動力制御手段16との連結が解除され、自由に回動させることが可能となり、停電事故が発生した場合等においても、電動アクチュエータAを駆動源としている機器を、容易に動作させることができる。
【0057】
また、前記ねじ軸9と駆動手段1及び駆動力制御手段16との連結を復帰させる場合は、図12(b)において、引張ワイヤー35の引動を解除することにより、操作レバー34によるシールピン53の押圧を解除する。
【0058】
これにより、前記シールピン53は圧縮バネ55の弾性力により図12(b)の左方向に押圧・付勢されて原位置に復帰する。また、これに伴って、操作杆26も圧縮バネ27の弾性力により図12(b)の左方向に移動する。このとき、操作杆26の凹陥部26dに位置している鋼球29は、前記凹陥部26dと第1の膨出部26bとを連結する斜面26eを利用することにより、容易に第1の膨出部26b上に移動して連通孔25bから突出し、図12(a)で示すように、ブッシュ23に形成した係合溝23aと係合して、ねじ軸9と前記ブッシュ23に取付けた駆動手段1及び駆動力制御手段16とを連結する。
【0059】
前記のように、第2実施例においては、ねじ軸9の支持部9b基端が突出するカバー体18の筒状部18b内に、シールブッシュ51及びシールピン53からなるシール手段50を設けるとともに、操作レバー34により前記シールピン53を介して操作杆26を操作することにより、前記カバー体18の筒状部18b内の気密性を保った状態で、良好にねじ軸9と駆動手段1及び駆動力制御手段16との連結の解除及び復帰を行うことができる。
【0060】
また、前記カバー体18の筒状部18b内は、前記シール手段50によって、良好に気密性を保つことが可能となり、この結果、例えば、電動アクチュエータAを備えたベッド等の機器を洗浄するような場合においても、前記電動アクチュエータAをベッド等から取外すことなく、水分のケーシング6内への浸入を防いだ状態で洗浄することができるとともに、塵埃等の侵入も合わせて防ぐことができる。
【0061】
なお、本発明の電動アクチュエータAは、操作対象物Bを水平な状態から所定の角度傾斜させたり、傾斜した状態から水平な状態に戻したりする場合に使用する例により説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、操作対象物Bを昇降させる場合等にも使用することができることはいうまでもない。また、本発明において、駆動手段1を構成する電動機2は、ケーシング6の開口端6b上に直立状態で取付けるようにした例により説明したが、これに限定することなく、例えば、電動機をケーシングの上側において、前記ケーシングと平行に配置し、前記電動機の回転をウォーム及びウォームホイールからなる減速手段と、この減速手段の出力側に設けた一対の傘歯車等を介してねじ軸に伝達し、前記ねじ軸を回転させるようにしてもよい。
【0062】
更に、操作手段31を構成する引張ワイヤー35の途中に、前記引張ワイヤー35の引動操作を維持するための係止手段を設け、一旦引動操作を行った後は引張ワイヤー35から手を離しても、ねじ軸9と駆動手段1及び駆動力制御手段16との連結解除状態を維持できるようにしてもよい。
【0063】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、運動変換手段を構成するねじ軸の支持部基端側に、前記ねじ軸と駆動手段及び駆動力制御手段との連結を維持・解除するクラッチ機構と、前記クラッチ機構を操作する操作手段を設けたので、前記クラッチ機構及び操作手段は、電動アクチュエータのデッドスペースを有効利用して設けることが可能となり、この結果、電動アクチュエータを大形化することなく構成することができる。
【0064】
また、前記クラッチ機構は、ねじ軸の外周面に減速手段と駆動力制御手段との間にまたがった状態で嵌着したブッシュと、前記ねじ軸の基端に穿孔・形成した中空部と、前記中空部に摺動可能に嵌挿される操作杆と、前記中空部の内,外を連通する連通孔と、前記連通孔に移動可能に嵌合し、かつ、前記ブッシュ内周面に形成した係合溝と係脱可能に係合する鋼球とによって簡素に構成されており、操作手段の操作レバーに取付けた引張ワイヤーにより前記操作レバーを操作して、操作杆を動作させることにより、連通孔に嵌合した鋼球とブッシュ内周面の係合溝との係合を解除させ、ねじ軸と前記ブッシュに取付けた駆動手段及び駆動力制御手段との連結を解除することができるので、従来のように、多大な時間と労力を必要とすることなく、容易にねじ軸を回動させて駆動ロッドを後退させることができる。
【0065】
更に、操作杆の第1の膨出部と凹陥部とは、所定の傾斜角度を有する斜面によって連結されているので、ねじ軸と駆動手段及び駆動力制御手段との連結を復帰させる場合は、前記操作杆が圧縮バネの弾性力により原位置に復帰する際に、ねじ軸の連通孔に嵌合し、かつ、前記凹陥部の位置にある鋼球を、前記斜面を利用することにより、前記操作杆の第1の膨出部と凹陥部との段差の影響を受けることなく、スムーズに第1の膨出部上に移動させて前記連通孔から突出させ、ブッシュ内周面に形成した係合溝に係合させることが可能となり、この結果、ねじ軸と駆動手段及び駆動力制御手段とを円滑、かつ、確実に連結させることができる。
【0066】
また、ねじ軸のブッシュ内周面と対応する部位には、凹溝と該凹溝に嵌合したOリングからなる補助制動手段を設けたので、クラッチ機構を動作させて、ねじ軸と駆動手段及び駆動力制御手段との連結を解除した状態で駆動ロッドを後退させる場合、前記駆動ロッドがその先端部に連結した操作対象物に加わる荷重により急速に後退しようとしても、前記Oリングとブッシュとを摺接させて所定の制動力を発生させた状態でねじ軸を回動させることができるので、前記駆動ロッドをの先端部に連結した操作対象物を、安全に動作させることが可能となる。
【0067】
更に、クラッチ機構と操作手段との間に、シール手段を介在させたことにより、ケーシング内への塵埃の侵入を確実に防ぐことができるとともに、例えば、電動アクチュエータを駆動源として備えたベッド等の機器を洗浄するような場合でも、前記電動アクチュエータをベッド等から取外すことなく、水分がケーシング内に浸入するのを良好に防いだ状態で洗浄することができるため、利便である。しかも、前記クラッチ機構は、操作手段を操作することにより、シール手段のシールピンを介して気密性を保った状態で良好に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動アクチュエータにおいて、駆動ロッドを後退させた状態を示す縦断側面図である。
【図2】電動アクチュエータの平面図である。
【図3】本発明の電動アクチュエータにおいて、駆動ロッドを進出させた状態を示す縦断側面図である。
【図4】駆動手段の要部を切り欠いて示す断面図である。
【図5】クラッチ機構の要部を切り欠いて示す断面図である。
【図6】操作杆の斜視図である。
【図7】ねじ軸の要部を切り欠いて示す斜視図である。
【図8】ブッシュの斜視図である。
【図9】クラッチ機構の動作を説明するための要部切欠断面図である。
【図10】クラッチ機構を操作した状態を示す要部切欠断面図である。
【図11】電動アクチュエータの適用例を示す説明図である。
【図12】本発明の第2実施例を示す要部切欠断面図である。
【符号の説明】
1 駆動手段
9 ねじ軸
11 駆動ロッド
16 駆動力制御手段
30 クラッチ機構
31 操作手段
36 補助制動手段
50 シール手段
A 電動アクチュエータ
Claims (3)
- 回転運動を生じる駆動手段と、前記駆動手段による回転運動を直線運動に変換する運動変換手段と、前記運動変換手段により変換された直線運動を出力する出力手段と、前記運動変換手段の途中に設けた駆動力制御手段とを備えた電動アクチュエータにおいて、前記運動変換手段の出力手段と反対側に位置する基端側に、運動変換手段と駆動手段及び駆動力制御手段との連結を維持・解除するクラッチ機構と、前記運動変換手段の基端部を収容するカバー体に取付けられて前記クラッチ機構を操作する操作手段とを備え、前記クラッチ機構は、運動変換手段の外周面に減速手段と駆動力制御手段との間にまたがった状態で嵌着した中空円筒状のブッシュと、運動変換手段の出力手段と反対側に位置する基端部に穿孔・形成した中空部と、前記中空部と連通可能に穿孔した複数の連通孔と、前記中空部内に圧縮バネを介して摺動可能に収容される操作杆と、前記連通孔に移動可能に嵌合し、かつ、前記ブッシュの内周面に形成した係合溝に係脱可能に係合する鋼球とを備えて構成したことを特徴とする電動アクチュエータ。
- 前記運動変換手段には、ブッシュの内周面と対応する部位において複数箇所に凹溝を凹設し、かつ、前記各凹溝にはゴム製のOリングを嵌合することにより、クラッチ機構の動作時、前記ブッシュとの間で所定の制動力を発生させる補助制動手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の電動アクチュエータ。
- 前記クラッチ機構と操作手段との間には、運動変換手段の基端部を収容するカバー体の内周面にシール部材を介して嵌着したシールブッシュと、前記シールブッシュの内周面にシール部材を介して摺動可能に嵌挿したシールピンと、前記シールピンを所定方向に押圧・付勢する圧縮バネとにより構成したシール手段を介在させたことを特徴とする請求項1記載の電動アクチュエータ。
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