JP3645189B2 - 義歯製作装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、義歯製作装置、たとえば各種の義歯を製作する工程において人工歯を排列する際に使用する義歯製作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の人工歯排列は、既製人工歯を使用し、1歯づつ手作業で排列するのが一 般的であった。
【0003】
特開昭59−40848号、特開平5−317336号、特開平5−317337号、特開平6−22986号及び特許第2539738号の各公報には、専用の咬合器あるいは咬合器機能を有する排列器が示されている。
【0004】
特開平7−16242号公報には、咬合採得後、咬合器に置いて蝋堤に人工歯を排列する方法において、第1、2小臼歯、第1、2大臼歯、第1、2大臼歯のうち、少なくとも隣接する2つの臼歯に跨る一体の、噛み合わせ面を有する予め成形した第1成形材を、下顎基礎床に設けた下蝋堤に直接又は中間堤を介して固定し、この第1成形材の噛み合わせ面に相当する噛み合わせ面を有する予め成形した第2成形材を載置し、その後咬合器に設けた上顎基礎床との間に上蝋堤を溶融させ硬化を待ち、第2成形材を上蝋堤に固定する人工歯排列方法が示されている。この人工歯排列方法では、前歯部の排列は行われていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の咬合器(たとえば特開昭59−40848号を除いた前述の咬合器)においては、インサイザルピン(センターピンとも呼ばれている)が人工歯排列時に正中前面にとりつけられているため、作業者が人工歯排列時に前歯部を直視できない。さらに、インスツルメントの動きがインサイザルピンのために制約される。そのため、前歯部の人工歯排列時にインサイザルピンが邪魔になり、作業が不便である。
【0006】
本発明の目的は、熟練者でなくとも、患者の歯の形と大小に応じ、一般的な排列理論に沿った排列が効率よく行える人工歯排列器及びそれを備えた義歯製作装置を提供することである。
【0007】
【問題を解決するための手段】
本発明の解決手段を例示すると、請求項1〜16に記載の人工歯排列器及び義歯製作装置である。
【0008】
(1)咬合器の所定部位に人工歯排列器が取りつけられ、その人工歯排列器が人工歯用のシフト器具を有し、そのシフト器具は、傾斜角度が調整可能になっていることを特徴とする義歯製作装置。
【0009】
(2)咬合器の所定部位に人工歯排列器が取りつけられ、その人工歯排列器が人工歯用のシフト器具を有し、そのシフト器具は、上下レベルが調整可能になっていることを特徴とする義歯製作装置。
【0010】
(3)人工歯排列器が、咬合器のインサイザルテーブルに着脱可能に取りつけられることを特徴とする前述の義歯製作装置。
【0011】
(4)人工歯排列器が、ボールジョイント式の組立体を有し、その組立体にシフト器具を取りつけることを特徴とする前述の義歯製作装置。
【0012】
(5)複数種類の人工歯モールドがシフト器具の所定位置に選択的に取りつけられるようにしたことを特徴とする前述の義歯製作装置。
【0013】
(6)人工歯モールドをシフト器具の所定位置に磁力により着脱可能に取りつけることを特徴とする前述の義歯製作装置。
【0014】
(7)義歯製作装置に取りつけて使用する人工歯排列器において、人工歯用シフト器具を設け、そのシフト器具は、傾斜角度が調整可能になっていることを特徴とする人工歯排列器。
【0015】
(8)義歯製作装置に取りつけて使用する人工歯排列器において、人工歯用シフト器具を設け、そのシフト器具は、上下レベルが調整可能になっていることを特徴とする人工歯排列器。
【0016】
(9)咬合器のインサイザルテーブルに着脱可能に取りつけられる構成になっていることを特徴とする前述の人工歯排列器。
【0017】
(10)ボールジョイント式の組立体を有し、その組立体にシフト器具を取りつける構成にしたことを特徴とする前述の人工歯排列器。
【0018】
(11)複数種類の人工歯モールドをシフト器具の所定位置に選択的に取りつけられるようにしたことを特徴とする前述の義歯製作装置。
【0019】
(12)人工歯モールドをシフト器具の所定位置に磁力により着脱可能に取りつけることを特徴とする前述の義歯製作装置。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明による義歯製作装置は、既製の咬合器の一部、例えばインサイザルピン(センターピン)を取りつけるためのインサイザルテーブル部のピン用穴などに人工歯排列器を取り付けて、その人工歯排列器を使用して既製の人工歯を排列できる。
【0021】
人工歯排列器は、ボールジョイント式の組立体、たとえばフリークランプおよびサイドピンから成るユニバーサルジョイント式の組立体によってシフト器具 (たとえばシフト板)を支持する形にするのが好ましい。位置設定自由のフリークランプの先端にシフト器具(たとえばシフト板)を設置し、そのシフト板に人工歯モールドを取り付ける。好ましくは、フリークランプの先端に伸縮自由にシフト板を取り付け、シフト板に人工歯モールドを固定して、人工歯モールドに人工歯を配置する。
【0022】
必要に応じて、取り外したインサイザルピンの代わりに、咬合高径を確保するためにサイドピンを使用することも可能である。
【0023】
人工歯モールドは、各種の既製の人工歯が使用できる。前歯については、上下とも6前歯を一括して配置できる。臼歯については、上下両側共に4臼歯を一括して配置できる。
【0024】
本発明の別の種々の実施形態を説明する。
【0025】
人工歯排列器には、既製の咬合器に取り付けるための部材、たとえばフリークランプやサイドピンを設置し、フリークランプの先端にシフト板を保持するための保持部材(たとえばホルダー)を設置する。この保持部材は、シフト板を前後方向に移動できる機構にする。
【0026】
シフト板を支持する手段の一部にサイドピンを使用する場合は、咬合器の上弓下部にあてがう部材を設け、それによって咬合高径を確保するのが好ましい。
【0027】
また、人工歯排列器の左右を逆に取り付けることによって、サウスポーにも対応できる。フリークランプおよび咬合高径保持用ストッパーを180°回転させれば良い。
【0028】
シフト板は、人工歯を排列する位置の設定を行うためのもので、好ましくは、表裏の両面に正中線および前歯部位置基準線が付されている。
【0029】
シフト板に設置する人工歯モールドの固定部分に磁石を付けるのが好ましい。
【0030】
咬合器に装着した作業用石膏模型上の咬合床と人工歯モールドに装着された人工歯の基底面とに、溶解したワックスを流すことによって人工歯を固着させることができる。その際、症例によって湾曲を微調整することが可能である。
【0031】
人工歯モールドは、各種の材料、たとえばラバー(シリコンゴムその他)、金属、合成樹脂(プラスチックなど)で作ることができる。最適の形態は、前歯においては舌側面の形態に凹所を形成して、その凹所に人工歯を装填する。臼歯においては帯状に人工歯の最大豊隆部を取り囲む形状で、その部分に人工歯を挿入する。また、固定(位置決め)のため、人工歯モールドの固定部分には磁石を付している。
【0032】
本発明によれば、専用の咬合器を必須としない。既存の咬合器を使用することができる。たとえば、インサイザルテーブルを有する咬合器でテーブルが可動式のものは、テーブル取り付け部に人工排列器を取り付けることができる。固定式のものは、テーブルを囲む形態の部品を装着して、そこに人工排列器を取り付けることができる。
【0033】
歯科医師の義歯製作方法(咬合理論)によって咬合器への模型装着基準が相違するが、本発明においては、その模型装着基準にあった咬合器を使用することができる。
【0034】
本発明装置は、フレキシブルクランプに付けたシフト板によってカンペル平面であれ、フランクフルト平面であれ、その基準にあった咬合平面の角度調整が可能である。
【0035】
咬合床つきの作業模型を咬合器に装着する場合、正中や咬合平面がずれる場合があるが、フレキシブルクランプに付けたシフト板によって咬合床にある正中や咬合平面に合致させることができる。
【0036】
患者の顎堤は、人工歯の排列に具合の良い顎骨の吸収状態ばかりではない。詰まり、人工歯が入りにくい状態のもの(吸収度合いが少なかったり、歯槽頂が高かったりする)が意外と多い。その場合、本発明装置は人工歯を人工歯モールドに挿入した状態で仮に置いてみること(試適)ができるため、基底面の削除調整を簡単に行うことができる。
【0037】
本発明によれば、熟練者でなくとも、個々の患者の歯の形と大小に応じて、一般的な咬合理論、排列理論に合わせた排列を行うことができる。
【0038】
しかも、このような人工歯排列によって、作業時間を大幅に短縮することができる。
【0039】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
【0040】
まず、図1〜2を参照して、模型装着基準を説明する。図1のCはカンペル平面(鼻聴導線)を示す。図2のFはフランクフルト平面(眼耳平面)を示す。これらのCとFとの差は約10°である。
【0041】
Cは、咬合平面にほぼ平行であるため、平均値咬合器に多く採用されている。咬合床の咬合平面を咬合器の上弓と下弓の中間位置に設定すれば良い。このようにすれば、顔面を見るとき、より自然な状態になると言われている。
【0042】
Fは、咬合器専用の器具(フェイスボウ)を使用する。患者固有のFが設定できる。しかし、咬合平面が10°の斜面となるため、人工歯の排列、特に前歯の排列(手による排列)が困難である。
【0043】
上顎中切歯の歯軸が咬合平面となす角度は、80〜85°程度と言われてい る。Cの場合は自然な角度に排列すれば良いが、Fの場合は自然感が出し難い。それは、上弓下弓の平行線となす中切歯の角度が90〜105°となるからである。
【0044】
本発明による義歯製作装置は、図1に示す水平の咬合平面と、図2に示す傾斜した咬合平面の両方に容易に対応できるものである。
【0045】
まず、図1の場合、咬合器1の所定部位に人工歯排列器2を取りつける。その人工歯排列器2は、人工歯用のシフト器具3を有する。そのシフト器具3の上下レベルを調整する。
【0046】
図2の場合も、咬合器1の所定部位に人工歯排列器2を取りつける。その人工歯排列器2が人工歯用のシフト器具3を有する。そのシフト器具3の傾斜角度を調整する。
【0047】
要するに、人工歯排列器2のシフト器具3は、上下レベルと傾斜角度の両方を調整できるのである。
【0048】
図3〜18を参照して、人工歯排列器2とその関連部材について説明する。
【0049】
人工歯排列器2が、咬合器1のインサイザルテーブル4のインサイザルピン用の穴に着脱可能に取りつけられる。
【0050】
人工歯排列器2は、好ましくは、ボールジョイント式の組立体5を有し、その組立体5にシフト器具3を取りつける。それにより、シフト器具3の上下レベル(高さレベル)の調整と傾斜角度の調整を容易に行えるようにする。
【0051】
複数種類の人工歯モールド7がシフト器具3の所定位置に選択的に取りつけられる。とくに、人工歯モールドをシフト器具の所定位置に磁力により着脱可能に固定するのが好ましい。
【0052】
図3〜5において、咬合器1は、咬合器1の側部に垂直に設置されたサイドピン11と、その上方部にネジ止めする咬合高径保持用バー12及びストッパー12aと、インサイザルピン固定部13と、そこから水平に延びている咬合器上弓14と、そこに取りつけた作業用石膏模型(上顎)15及び上顎咬合床16と、咬合器1の下方に位置するインサイザルテーブル4の受け部から水平に延びている咬合器下弓17と、そこに取りつけた作業用石膏模型18及び下顎咬合床19を有する。20は咬合平面を示す。
【0053】
図示例においては、人工歯排列器2のシフト器具2は、たとえば図5に示すように平坦な板の形になっている。シフト板3は、全体が1mm程度の厚みを有する板状になっていて、円形部3Aと直線部3Bから成っている。3Cはシフト板3の中心に延在する正中線である。3Dは円形部3Aと直線部3Bとの境界に位置する唇側位置基準線である。
【0054】
ボールジョイント式の組立体5は、シフト板3を保持して、その上下レベルと傾斜角度を調整するための手段であり、一端がサイドピン11に装着されたテーブル21と、そのテーブル21の他端に連結された第1フリークランプ部22 と、シフト板3の直線部3Bを保持するホルダー25と、そのホルダー25に連結した、第1フリークランプ部22及び第2フリークランプ部23間に設けられた固定レバー部24とを有する。固定レバー部24のハンドル27を回転させることにより固定レバー部24、第1フリークランプ部22及び第2フリークランプ部23を所定の位置に固定する。しかるのち、ホルダー25のガイド溝に沿ってシフト板3の直線部3Bをスライド移動させて、シフト板3を所望の位置にセットする。ネジ28を回すことにより、図3に示すように、所望の位置にシフト板3を固定し、かつ、図4に示すように、シフト板3の円形部3Aの正中線3Cを咬合平面20の正中支持線29に正確に合致させて、そこでシフト板3を静止させる。
【0055】
図6は、上顎咬合床16の下面とシフト板3の上面が咬合平面20に合致し、かつ上顎咬合床16の前方端がシフト板3の唇側位置基準線3Dに合致している状態を示す。
【0056】
図7の(A)及び(B)は、上顎前歯部用の2種類の人歯モールド7の例を示している。人工歯モールド7は、複数の人工歯71を支持する支持部72と、その支持部72を固定する固定部73を有する。
【0057】
図7の(C)は、図7(B)の中心を通る断面を示す。固定部73の底には強力な磁石が外から見えるように埋め込まれている。それにより、人工歯モールド7をシフト板3の任意の位置に磁力で固定できるようになっている。
【0058】
図8においては、人工歯モールド7が磁力によりシフト板3に固定された状態で、人工歯71と上顎のワックス基礎床82との間にパラフィンワックス81が装着されている。
【0059】
図9は、複数の人工歯71がパラフィンワックス81によりワックス基礎床82に装着された状態を示す。
【0060】
図10は、上顎前歯用の人工歯71と、下顎の前歯91と、咬合平面20との関係を示す。92は、下顎排列位を示す。93はオーバーバイトを示す。94はオーバージェットを示す。オーバーバイト93とオーバージェット94は、いずれも2mmである。
【0061】
図11は、下顎前歯用の実施例を示す。上顎前歯用と比較すれば、シフト板3と、それに固定する人工歯モールド7を180度裏返しして、シフト板3の下面に人工歯モールド7を磁力で固定すればよい。
【0062】
図12は、下顎臼歯用の左側人工歯モールド96、97を例示している。この場合、磁石は、固定部98の上面に位置する。
【0063】
図13は、本発明により形成された一連の人工歯の排列の一例を示す。
【0064】
図14は、前述の人工歯排列器2を詳しく示している。サイドピン11の下端に取りつけるスタンド41は、それよりもサイズの大きい(とくに長い)別の丸棒形状のスタンド42に交換可能である。
【0065】
テーブル21には各種の穴をあけることができる。たとえば、マルチ用の穴、ホビー用の穴、ハンディ用の穴等をあける。43は、ハンディ用の穴にとりつけた固定用バーである。
【0066】
図15は、図14に示した人工歯排列器2の平面図である。
【0067】
図16は、シフト板3の直線部3Bをホルダー25のガイド溝に沿ってスライド移動させて所望の位置に固定する構造の好適な例を示している。ボール61がバネの弾性力を受けて、シフト板3の直線部3Bの角部に押しつけられるようになっている。これにより、ホルダー25のガイド溝に対するシフト板3のガタを防止している。
【0068】
図17は、図14に示した人工歯排列器の上顎排列時の状態を示す。
【0069】
図18は、図14に示した人工歯排列器の下顎排列時の状態を示す。
【0070】
図19は、本発明の別の実施例による人工歯排列器の取りつけ方を示してい る。
【0071】
図19の例においては、既成の咬合器の一部100を外側から包みこむような形でホルダー101を取りつけ、ホルダー101を既成の咬合器の一部100にネジ102により固定している。
【0072】
次は、図3〜18に示した前述の義歯製作装置を使用した義歯製作(操作)の好適な手順を説明する。
【0073】
咬合採得後の咬合床16を作業用石膏模型15と共に咬合器2に装着するまでは、通法によって行う。
【0074】
咬合器2のインサイザルテーブル部分4のインサイザルピン固定部13からインサイザルピン(センターピン)を取り外し、人工歯排列器2をそのインサイザルテーブル部分4のインサイザルピン固定部13に取り付け、サイドピン11に付属している咬合高径保持用バー12を上弓14の下部に対して位置決めし、ストッパー12aで固定する。
【0075】
一般的な咬合理論に沿って既製の人工歯71を排列する。排列は、▲1▼上顎前歯部、▲2▼下顎前歯部、▲3▼下顎臼歯部、▲4▼上顎臼歯部の順で行う。以下、これらの排列手順を説明する。
【0076】
▲1▼上顎前歯部の排列
1)まず、任意の位置決めが可能なフリークランプ22、23の先端に設置しているホルダー25のガイド溝にシフト板3の直線部3Bをいれる。その際、円形部3Aを咬合床16側にする。
【0077】
2)下顎の咬合床19を取り外し、ワックス基礎床82に置き換えておく。
【0078】
3)フリークランプ22、23の固定レバー部24を、ハンドル27を回すことにより緩め、上顎の咬合床82の正中線とシフト板3の正中線3Cを一致さ せ、なおかつ、咬合床82の正中指示線と咬合平面20との交点をシフト板3の唇側位置基準線3Dに一致させる。位置決定後、ハンドル27を回すことにより固定レバー部24を締める(図6)。
【0079】
4)上顎の咬合床16の前歯部を削除するか、あるいは外して、ワックス基礎床82に置き換える。
【0080】
5)選択した上顎前歯用の人工歯モールド7(図7のA)の凹所に人工歯71の舌側面を合わせて挿入する(図7のB)。固定は、その凹所に設定したワックス溜まりに予め少量のユーティリティーワックスを置いておけば、より確実に行える。
【0081】
既製の人工歯71は、前臼歯と同様に、メーカーによって各種の形態やサイズがあるが、それらに対応する人工歯モールドがある。
【0082】
6)シフト板3の上(上面が咬合平面20に一致)に人工歯71を挿入した人工歯モールド7を設置する。両側の中切歯唇側切端をシフト板3の唇側位置基準線3Dに合わせ、かつ、正中部を正中線3Cに合わせて設置する。そして、上顎のワックス基礎床82と人工歯71の基底面とをパラフィンワックス81で固着する(図8)。これによって、上顎の6前歯が1ブロックで排列されたことになる。
【0083】
7)ワックス硬化後に人工歯モールド7を取り外して、上顎前歯部の排列を終える(図9)。
【0084】
▲2▼下顎前歯部の排列
1)下顎前歯用人工歯モールド7に上顎前歯と同じ手順で下顎前歯人工歯9を挿入して、固定する。
【0085】
図10は上顎前歯に対しての一般的な下顎前歯の切端の位置(オーバージェット94、オーバーバイト93共に2mmの位置)を示すものであるが、術者の任意の位置に排列することが可能である。排列は、6下顎前歯を1ブロックとしてフリーハンドで行う。
【0086】
2)排列位置を決定した後、上顎前歯と同様にして、下顎のワックス基礎床82に固着する。
【0087】
▲3▼下顎臼歯部の排列
1)図11に示すように、フリークランプ22、23を操作し、シフト板3の底面を下顎中切歯の切端部と図10のA点(臼後三角の1/2〜2/3の位置)とを結ぶ下顎排列位に(正中部で)一致させる。
【0088】
2)図12は、下顎臼歯用人工歯モールド96、97を示すものであるが、これに選択した既製人工歯を左側、右側とも挿入し、図11に示すようにシフト板3の底面に設置する。設置位置は、上方(咬合両側)から観察し、歯槽頂線に合致させる。
【0089】
3)シフト板3は、先端が円形になっており、かつ、臼歯用人工歯モールドの磁石部は左右が衝突しないように配置されている。そのため、狭窄歯列や、ワイドな歯列にも対応できる。
【0090】
4)設置後、人工歯91の基底面と下顎ワックス基礎床82とを溶解したパラフィンワックス81で固着する。パラフィンワックス81の硬化後、人工歯モールド96、97とシフト板3を取り外す。
【0091】
▲4▼上顎臼歯部の排列
1)上顎臼歯用人工歯モールド7に下顎臼歯と同じ手順で上顎臼歯人工歯を挿入して、固定する。下顎臼歯人工歯と咬合するように排列湾曲を調整する。そのようにすれば、既に排列されている下顎臼歯人工歯の上に乗せるだけで(排列 は、4上顎臼歯を1ブロックとしてフリーハンドで行う)良好な咬合状態とな る。
【0092】
2)その位置で上顎臼歯人工歯基底面と上顎ワックス基礎床82とを溶解したパラフィンワックス81で固着する。
【0093】
3)以上で人工歯排列を終える。
【0094】
4)人工歯排列器2を取り外し、咬合器1のインサイザルピン固定部13にインサイザルピン71を取り付ける(図13)。
【0095】
5)これ以降の歯肉形成、咬合調整(削合)、フラスコ埋没、レジン重合、研磨作業は通法のとおりに行い、義歯完成となる。
【0096】
なお、本発明は、前述の形態および固定の方法などに限定されない。たとえ ば、シフト板3は、円形部3Aの代りに、T字形、馬蹄形などにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】模型装着基準におけるカンペル平面(鼻聴導線)と咬合平面との関係を示す。
【図2】模型装着基準におけるフランクフルト平面(眼耳平面)と咬合平面との関係を示す。
【図3】本発明の好適な1つの実施例による義歯製作装置を示す。とくに所望の位置にシフト板を固定している状態を示す。
【図4】図3に示した義歯製作装置において、とくに、シフト板の円形部の正中線を咬合平面の正中支持線に正確に合致させている状態を示す。
【図5】図3に示した義歯製作装置において、とくに、人工歯排列器のシフト器具を示す。
【図6】図3に示した義歯製作装置において、とくに、上顎咬合床の下面とシフト板の上面が咬合平面に合致し、かつ上顎咬合床の前方端がシフト板の唇側位置基準線に合致している状態を示す。
【図7】(A)(B)は、上顎前歯部用の2種類の人歯モールドの例を示す。(C) は、(B)の中心を通る断面図である。
【図8】図3に示した義歯製作装置において、とくに、人工歯モールドが磁力によりシフト板に固定された状態を示す。
【図9】図3に示した義歯製作装置において、とくに、複数の人工歯がパラフィンワックスによりワックス基礎床に装着された状態を示す。
【図10】図3に示した義歯製作装置において、とくに、上顎前歯用の人工歯と、下顎の前歯と、咬合平面との関係を示す。
【図11】図3に示した義歯製作装置において、とくに、下顎前歯用の使用例を示す。
【図12】図3に示した義歯製作装置において、とくに、下顎臼歯用の左側人工歯モールドの例を示す。
【図13】本発明により形成された一連の人工歯の排列の一例を示す。
【図14】図3に示した義歯製作装置において、とくに、人工歯排列器を詳しく示す。
【図15】図14に示した人工歯排列器の平面図である。
【図16】図14に示したシフト板の直線部をホルダーのガイド溝に固定する内部構造を示す。
【図17】図14に示した人工歯排列器の上顎排列時の状態を示す。
【図18】図14に示した人工歯排列器の下顎排列時の状態を示す。
【図19】本発明の別の実施例による、咬合器への人工歯配列器の取りつけ方を示す。Aは正面図、Bは側面から見た断面図である。
【符号の説明】
1 咬合器
2 人工歯排列器
3 シフト器具
3A 円形部
3B 直線部
3C 正中線
3D 唇側位置基準線
4 インサイザルテーブル
5 組立体
7 人工歯モールド
11 サイドピン
13 インサイザルピン固定部
14 咬合器上弓
16 上顎咬合床
17 咬合器下弓
18 作業用石膏模型
19 下顎咬合床
20 咬合平面
21 テーブル
22 第1フリークランプ部
24 固定レバー部
25 ホルダー
27 ハンドル
28 ネジ
29 正中支持線
61 ボール
71 人工歯
72 支持部
73 固定部
81 パラフィンワックス
82 ワックス基礎床
91 前歯
93 オーバーバイト
94 オーバージェット
96、97 下顎臼歯用人工歯モールド
98 固定部
100 咬合器の一部
101 ホルダー
102 ネジ
129 ストッパー

Claims (16)

  1. 咬合器の所定部位に人工歯排列器が取りつけられ、その人工歯排列器が人工歯用のシフト器具を有し、そのシフト器具は、傾斜角度が調整可能になっており、複数の人工歯を支持する支持部と、その支持部を固定する固定部を有する複数種類の人工歯モールドが、シフト器具の所定位置に選択的に取りつけられることを特徴とする義歯製作装置。
  2. 咬合器の所定部位に人工歯排列器が取りつけられ、その人工歯排列器が人工歯用のシフト器具を有し、そのシフト器具は、上下レベルが調整可能になっており、複数の人工歯を支持する支持部と、その支持部を固定する固定部を有する複数種類の人工歯モールドが、シフト器具の所定位置に選択的に取りつけられることを特徴とする義歯製作装置。
  3. 人工歯排列器が、咬合器のインサイザルテーブルに着脱可能に取りつけられることを特徴とする請求項1又は2に記載の義歯製作装置。
  4. 人工歯排列器が、ボールジョイント式の組立体を有し、その組立体にシフト器具を取りつけることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の義歯製作装置。
  5. 咬合器の所定部位に人工歯排列器が取りつけられ、その人工歯排列器が人工歯用のシフト器具を有し、そのシフト器具は、傾斜角度が調整可能になっており、複数の人工歯を支持する支持部と、その支持部を固定する固定部を有する人工歯モールドが、シフト器具の所定位置に磁力により着脱可能に取りつけられることを特徴とする義歯製作装置。
  6. 咬合器の所定部位に人工歯排列器が取りつけられ、その人工歯排列器が人工歯用のシフト器具を有し、そのシフト器具は、上下レベルが調整可能になっており、複数の人工歯を支持する支持部と、その支持部を固定する固定部を有する人工歯モールドが、シフト器具の所定位置に磁力により着脱可能に取りつけられることを特徴とする義歯製作装置。
  7. 人工歯排列器が、咬合器のインサイザルテーブルに着脱可能に取りつけられることを特徴とする請求項5又は6に記載の義歯製作装置。
  8. 人工歯排列器が、ボールジョイント式の組立体を有し、その組立体にシフト器具を取りつけることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の義歯製作装置。
  9. 義歯製作装置に取りつけて使用する人工歯排列器において、人工歯用シフト器具を設け、そのシフト器具は、傾斜角度が調整可能になっており、複数の人工歯を支持する支持部と、その支持部を固定する固定部を有する複数種類の人工歯モールドが、シフト器具の所定位置に選択的に取りつけられることを特徴とする人工歯排列器。
  10. 義歯製作装置に取りつけて使用する人工歯排列器において、人工歯用シフト器具を設け、そのシフト器具は、上下レベルが調整可能になっており、複数の人工歯を支持する支持部と、その支持部を固定する固定部を有する複数種類の人工歯モールドが、シフト器具の所定位置に選択的に取りつけられることを特徴とする人工歯排列器。
  11. 咬合器のインサイザルテーブルに着脱可能に取りつけられる構成になっていることを特徴とする請求項9または10に記載の人工歯排列器。
  12. ボールジョイント式の組立体を有し、その組立体にシフト器具を取りつける構成にしたことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の人工歯排列器。
  13. 義歯製作装置に取りつけて使用する人工歯排列器において、人工歯用シフト器具を設け、そのシフト器具は、傾斜角度が調整可能になっており、複数の人工歯を支持する支持部と、その支持部を固定する固定部を有する人工歯モールドが、シフト器具の所定位置に磁力により着脱可能に取りつけられることを特徴とする人工歯排列器。
  14. 義歯製作装置に取りつけて使用する人工歯排列器において、人工歯用シフト器具を設け、そのシフト器具は、上下レベルが調整可能になっており、複数の人 工歯を支持する支持部と、その支持部を固定する固定部を有する人工歯モールドが、シフト器具の所定位置に磁力により着脱可能に取りつけられることを特徴とする人工歯排列器。
  15. 咬合器のインサイザルテーブルに着脱可能に取りつけられる構成になっていることを特徴とする請求項13または14に記載の人工歯排列器。
  16. ボールジョイント式の組立体を有し、その組立体にシフト器具を取りつける構成にしたことを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の人工歯排列器。
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