JP3644879B2 - 多孔質低誘電率シリコン系絶縁膜をシリル化処理する方法 - Google Patents
多孔質低誘電率シリコン系絶縁膜をシリル化処理する方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、論理処理やメモリーなどの大規模集積回路装置の多層配線等において、配線間寄生容量を低減するために必要不可欠な低誘電率膜のうち、究極の低誘電率が得られることから、今後多用される多孔質低誘電率シリコン系絶縁膜を安定化するためにシリル化処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大規模集積回路装置の多層配線等において、配線間寄生容量を低減するために使用する低誘電率シリコン系絶縁膜は、例えば、一般的な方法の一つは、有機シランを使用したスピンオングラス(spin on glass )法と呼ばれるSOG膜として形成し、後の熱処理により膜中からCH3 などの有機基を脱離除去して膜自体の密度を低下させ多孔質の低誘電率膜としている。
【0003】
この膜では、未結合手が多数存在するため、ここに空気中の水分が吸着してしまい、不安定性の原因となる。この問題を解決するため、シリル化と呼ばれる表面処理が行われる。シリル化は、電子吸引性の原子をSi−X結合として持つ反応性に富むシリコン化合物により−OH、−COOHなどのグループ中の活性水素をR3 Si−基で置換して多孔質膜の安定化を計るものであって、反応が容易に起こり、室温ないし若干の加熱下で生じさせることが出来る。
【0004】
シリル化剤は、基本的に、クロロシラン類、シリルアミン類、またはシリルアミド類の3つのタイプに分けられる。クロロシラン類の代表は、トリメチルクロルシラン(TMCS:Me3 SiCl)である。TMCSを用いると、LSI中に存在するアルミニウムの配線が塩素のためエッチングされてしまうため使用することは出来ない。シリルアミド類は、アミノ酸のシリル化に主に用いられている。
【0005】
LSI中の絶縁膜では、シリコン系が中心であるため、シリコンが大気中の水分と反応して表面がSi−OHとなっている。このOHが膜の劣化を引き起こし、LSIの不安定性の原因となっている。したがって、配線のアルミニウムを劣化させることなくOHを効率的に除去することが重要であるのでシリルアミン類が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の多孔質シリコン系絶縁膜のシリル化法は、上記のように、メチル基を用いて表面の安定化を行っている。しかしながら、メチル基のCH結合は、LSIの作製工程でレジスト除去のために用いられる酸素プラズマやオゾン耐性がない。
したがって、最終的に、誘電率を上げてしまうSiO2 やSiN膜等の保護膜をさらに導入しなければ、多孔質膜の表面処理としては効果を十分発揮できない。
【0007】
これに対して、CF結合は、理論計算および初期的な実験結果から、耐プラズマ性および耐熱性に優れることが示されている。また、CH結合に比べてCF結合は誘電率が低いことが知られているので、多孔質化して膜密度を下げた試料にシリル化処理を行っても、CH結合を有するものに比べて誘電率の上昇を低く抑えることが出来る。
本発明は、より安定な多孔質シリコン系絶縁膜表面を得るシリル化処理方法の開発を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、メチル基に変えて、CF−Si結合を有する気体または液体の状態にあるシリコン系原料を表面処理剤として用いて、多孔質シリコン系絶縁膜を改質、保護する方法である。
【0009】
すなわち、本発明は、反応室中に飽和またはCCの二重もしくは三重結合を含む不飽和構造のCF−Si結合を有するフッ化炭素含有有機ケイ素からなるシリコン系原料のガスまたは液体を導入して、多孔質低誘電率シリコン系絶縁膜をシリル化処理する方法である。
【0010】
CF−Si結合を有するシリコン系原料としては、(Cn Fm )3 SiX(Xは、アミノ基またはハロゲン元素)または((Cn Fm )3 Si)2 NH(ただし、nは、1以上の整数、mは、2n+1)などを使用できる。これらの原料は、使用状態で気体または液体の状態にあるものである。
【0011】
また、本発明は、上記の方法により形成されたシリル化表面を有する膜を層間絶縁膜として有することを特徴とする半導体装置である。
【0012】
窒素ガス等の不活性なガスの乾燥雰囲気中へ多孔質低誘電率シリコン系絶縁膜を形成した基板を置き、ここへ、シリル化原料をガス状にして供給することによってシリル化処理することができる。または、シリル化を行える液中へ多孔質低誘電率シリコン系絶縁膜を形成した基板を短時間浸漬するすることによってシリル化処理することができる。
【0013】
本発明の方法におけるシリル化反応は、容易に起こり、膜内部まで効率よく生じる。これは、従来のヘキサメチルジシラザンを用いたシリル化において、FTIR測定時にSi−CH3 結合に起因する大きなピークが観測されることから、表面だけでなく膜内部においてもこの結合が生じていることが分かる。
【0014】
本発明の方法においては、多孔質化したシリコン系絶縁膜表面に形成されているSi−OH結合のOH部分を低温でSiCF3 に置き換える。
【0015】
本発明によれば、耐熱性および耐オゾン性があるシリル化膜の形成を低温で実現できる。Si−CF3 結合を有する膜では、FTIR測定の結果からSi−CH3 を含む膜に比べて耐熱性が500℃以下から700℃まで向上した。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下にその実施の形態を説明する。
実施形態1
図1は、ガス状雰囲気でシリル化を行う装置の概略説明図である。液体のシリル化原料はシリル化原料容器10に保持する。シリル化原料の蒸気を運ぶための窒素ガスなどのキャリアガスを供給管2から導入する。キャリアガスの流量は流量制御装置3によって制御する。キャリアガスとシリル化原料の蒸気の供給管系にはバルブ7,8,9を設ける。反応室1において、多孔質化したシリコン系絶縁膜が形成してある基板4に(Cn Fm )3 Si基を反応させる。基板4はヒータ5によって加熱する。反応室1の下方の排気口6から排気する。
【0017】
実施形態2
図2は、ガス雰囲気でシリル化を行う装置である。シリル化原料ガス9を窒素ガスなどのキャリアガスとともに供給管2から導入する。キャリアガスの流量は流量制御装置3によって制御する。キャリアガスとシリル化原料の蒸気の供給管系にはバルブ7,8を設ける。反応室1において、多孔質化したシリコン系絶縁膜が形成してある基板4に(Cn Fm )3 Si基を反応させる。基板4はヒータ5によって加熱する。反応室1の下方の排気口6から排気する。
【0018】
実施形態3
図3は、液体状態でシリル化を行う装置である。液体のシリル化剤2は反応容器1内に保持する。シリル化剤2はヒータ4で必要に応じて加熱する。反応容器1内において、多孔質化したシリコン系絶縁膜が形成してある基板に(Cn Fm )3 Si基を反応させる。
【0019】
図4は、多孔質化したシリコン系絶縁膜中および膜表面にSi−CF3 結合が形成された場合に、耐熱性が700℃まであることを示すFTIR波形を示す。(a)は、Si−CF3 結合を含むものであり、(b)は、参考として示したSi−CH3 結合のみを含むものである。(b)では、500℃以上でSi−CH3 のピークが減少しているのに対して、(a)では、700℃までSi−CF3 のピークがほぼ同じに保たれている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態の一つのガス状雰囲気でシリル化を行う方法の概略説明図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態の一つのガス雰囲気でシリル化を行う方法の概略説明図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態の一つの液体状態でシリル化を行う方法の概略説明図である。
【図4】図4は、多孔質化したシリコン系絶縁膜中および膜表面にSi−CF3 結合が形成された場合に、耐熱性が700℃まであることを示すFTIR波形を示すグラフである。
Claims (3)
- 反応室中に飽和またはCCの二重もしくは三重結合を含む不飽和構造のCF−Si結合を有するフッ化炭素含有有機ケイ素からなるシリコン系原料のガスまたは液体を導入して、多孔質低誘電率シリコン系絶縁膜をシリル化処理する方法。
- CF−Si結合を有するシリコン系原料は、(Cn Fm )3 SiX(Xは、アミノ基またはハロゲン元素)または((Cn Fm )3 Si)2 NH(ただし、nは、1以上の整数、mは、2n+1)であることを特徴とする請求項1に記載のシリル化処理する方法。
- 請求項1または2に記載された方法により形成されたシリル化表面を有する膜を層間絶縁膜として有することを特徴とする半導体装置。
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