JP3644647B2 - Conductive oxide and electrode using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、優れた電気伝導性を有する導電性酸化物、及びこの導電性酸化物を用いた電極に関する。本発明の導電性酸化物は、優れた電気伝導性を有すのみならず、可視域全域での透明性にも優れるので、光透過性が必要なディスプレイや太陽電池用の電極等として特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
可視光線領域で透明でかつ電気伝導性を有するいわゆる透明導電性材料は、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどの各種パネル型ディスプレイや太陽電池の透明電極として用いられている。さらには、冷凍ショーケースの防曇ヒーター、建物及び自動車の窓ガラスの熱線反射膜、透明物の帯電防止や電磁波遮蔽用のコーティング等としても利用されている。
【0003】
透明導電性材料としては、金属酸化物半導体が一般に用いられる。例えば、酸化スズ(SnO2 )、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、Cd2 SnO4 、CdIn2 O4 など種々提案されている。
透明導電性材料の透明性は基礎吸収端波長に関係する。基礎吸収端波長とは、材料の価電子バンドから伝導バンドへの電子遷移により生じる光吸収の始まる波長を意味する。基礎吸収端波長は分光光度計を用いて反射法や透過法により測定することができる。ITOは、この吸収端が450nm付近にあり、これより長波長側の光を吸収しない。従って、可視領域の短波長領域を除くほぼ全域にわたって透明性がある。同時に、金属に匹敵するキャリア濃度と、酸化物としては比較的大きいキャリア易動度を有し、1000S/cm以上の高い電気伝導率を有する。そのため、上記材料の中でも、ITOが広範に使われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
各種パネル型ディスプレイは、電話機、洗濯機、炊飯器、ゲーム機、携帯テレビ、コンピューター、ワードプロセッサーなどの電気製品に広く使われている。特に、ノートブック型パーソナルコンピューターやワードプロセッサーなどでは対角10インチほどの大きなパネル型ディスプレイが使用されるようになってきた。また、壁掛けテレビなどに用いるためにさらに大きなパネル型ディスプレイの開発研究が進められている。
【0005】
これまでパネル型ディスプレイ用の透明電極にも、ITOが用いられてきた。しかし前述のように、ITOは、基礎吸収端波長が450nmであって、可視領域の短波長側領域(450nm以下)での透明性が乏しい。そのため、ITO電極の膜厚が厚くなると着色を生じるので、膜厚は薄いほど好ましかった。しかし、電気抵抗を低くして消費電力を低減するという観点からは、膜厚は厚いほど好ましい。そこで、これまでは、透明性と電気抵抗の両者を考慮して適当な膜厚の透明電極が用いられてきた。
【0006】
ところが、より大きなサイズのパネル型ディスプレイ用の透明電極においては、電極平面の端から端までが長くなり、その間の電気抵抗が大きくなる。また、より高精細のディスプレイでは、透明電極の線巾が細くなり、やはり高抵抗化につながる。電気抵抗を低減するために電極膜厚を厚くすると、電極に着色が生じてしまい、実用には耐えられない。すなわち、これまで透明電極用材料として実用されているITOをそのまま用いては、透明性と電気伝導性とを共に満足する大型透明電極を得ることはできなかった。
【0007】
このような理由から、可視領域の450nm以下の短波長側領域でも透明性があり、かつ導電性の高い材料を開発することが課題となっていた。
従来、吸収端が450nmより短波長側にある材料としては、例えば、スピネル化合物であるZnGa2 O4 が報告されている。ZnGa2 O4 は、吸収端が250nmにある。しかし、電気伝導率が30S/cmと低い(日本セラミック協会93年会講演予稿集585頁)。
また、トリルチル型化合物であるCdSb2 O6 も知られている。CdSb2 O6 の吸収端は、350nmにある。しかし、これも電気伝導率が40S/cmと低い(第54回応用物理学会学術講演会講演予稿集、第2巻、502頁)。
【0008】
すなわち、従来、吸収端が450nmより短波長側にあり、しかもITOと同等かそれ以上の電気伝導率を有する材料は、知られていなかった。
そこで本発明の目的は、吸収端が450nmより短波長側にあって、かつITOと同等かそれ以上の電気伝導率を有するために、ITO膜より大きな膜厚としても着色を生じない新規な材料を提供することにある。
さらに本発明の目的は、上記の新たな材料を用いた、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び太陽電池等に有用な電極を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式Znx My Inz O(x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはアルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも1つの元素であり、比率(x:y)が1.8:1を超え8:1以下の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、かつ酸素欠損量dが0を超え、(x+3y/2+3z/2) の1×10-1倍の範囲である)で表されることを特徴とする導電性酸化物(第1の態様の酸化物)に関する。
【0010】
さらに本発明は、一般式Znx My Inz O(x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはアルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも1つの元素であり、比率(x:y)が1.8:1を超え、8:1以下の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、かつ酸素欠損量dが0から(x+3y/2+3z/2) の1×10-1倍の範囲である)で表され、かつZn、M及びInのうちの少なくとも1種の元素の一部が、他の元素で置換されており、Znと置換される元素は原子価が2価以上であり、M及びInと置換される元素は原子価が3価以上であることを特徴とする導電性酸化物(第2の態様の酸化物)に関する。
【0011】
加えて本発明は、一般式Znx My Inz O(x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはアルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも1つの元素であり、比率(x:y)が1.8:1を超え、8:1以上の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、かつ酸素欠損量dが0から(x+3y/2+3z/2) の1×10-1倍の範囲である)で表される酸化物に、陽イオンを注入したものであることを特徴とする導電性酸化物(第3の態様の酸化物)に関する。
【0012】
また本発明は、透明基板の少なくとも一方の表面の少なくとも一部に前記の本発明の第1〜第3の態様のいずれかの導電性酸化物が含まれる導電層を有する電極に関する。
以下、本発明について説明する。
【0013】
In−Ga−Znの複合酸化物及びIn−Al−Znの複合酸化物については君塚らの研究報告がある(N.Kimizuka、T.Mohri、Y.Matsui and K.Shiratori、J.Solid State Chem.、74巻、98頁、1988年)。
【0014】
君塚らはIn2 O3 、ZnO及びGa2 O3 又はAl2 O3 の粉末から固相法により未知結晶を合成し、InGaO3 (ZnO)m 及びInAlO3 (ZnO)m (いずれもm=2〜7)を得た。これらの酸化物は、それぞれZnm GaInO3+m 及びZnm AlInO3+m とも表される。
X線回折試験及び電子顕微鏡観察により、結晶構造を決定した。その結果、すべての系は6回対称性であり、mが3、5及び7の場合にはR3mの空間群を有し、mが2、4及び6の場合にはP63 /mmcの空間群を有する。InGaO3 (ZnO)m はInO1.5 層(U層)、(GaZn)O2.5 層(W層)、ZnO層(X層)及びO層(P層)からなる積層構造を有する。InAlO3 (ZnO)m では、W層が(AlZn)O2.5 層となる。
特にInGaZn5 O8 層については透過電子顕微鏡写真が示されており、明るい点で見えるW層とX層による6つの層と、暗い点で見えるU層からなる周期構造が現れている。
【0015】
上記報告では、InGaO3 (ZnO)m 及びInAlO3 (ZnO)m の結晶構造に関する研究のみが記載され、これらの結晶に関する光学的特性及び電気的特性については全く言及されていない。特に、上記結晶に導電性を付与する事に関しての記載も示唆もなく、以下で詳細に説明するように、酸素欠損や元素の置換、さらには陽イオン注入により、導電性を付与できることは記載されていない。
【0016】
本発明の第1の態様の導電性酸化物
一般式Znx My Inz O(x+3y/2+3z/2)-d 中、Mはアルミニウム及びガリウムのいずれか単独であってもよいし、Mはアルミニウム及びガリウムが共存してもよい。アルミニウム及びガリウムが共存する場合、アルミニウムとガリウムの比率には特に制限はない。但し、アルミニウムの比率が増えると結晶化温度が高くなる傾向がある。ガリウムの比率が増えると結晶化温度が低くなる傾向がある。
【0017】
比率(x:y)は1.8:1を超え、8:1以下の範囲であり、x/yが1.8未満であるとInGaZnO4 相が析出する領域となる。x/yが8を超えるとZnO結晶構造が主たる相となってしまい、本発明の導電性酸化物の有する特性が発現されない。好ましい比率(x:y)は1.8〜6.2:1の範囲であり、より好ましくは1.8〜3.2:1の範囲である。
比率(z:y)は0.4〜1.4:1の範囲であり、z/yが0.4未満ではZnGa2 O4 相等の析出が顕著となり、電気伝導性が低下する。z/yが1.4を超えるとIn2 O3 相が析出して透明性が低下する。好ましい比率(z:y)は0.6〜1.4:1の範囲であり、より好ましくは0.8〜1.2:1の範囲である。
【0018】
酸素欠損量dは、0を超え、(x+3y/2+3z/2) の1×10-1倍の範囲である。酸素欠損量dは、一般に、少ないと電気伝導性が低下し、多過ぎると可視光を吸収して透明性を低下させる原因となる。
良好な導電性を得るという観点からは、酸素欠損量dは(x+3y/2+3z/2) の3×10-5倍以上であることが好ましい。電気伝導率と可視光の透過性とを考慮すると、酸素欠損量dの範囲は、好ましくは(x+3y/2+3z/2) の1×10-3〜1×10-1倍の範囲であり、より好ましくは(x+3y/2+3z/2) の1×10-2〜1×10-1倍の範囲である。
【0019】
尚、酸素欠損量とは、1モルの酸化物結晶中に含まれる酸素イオンの数を化学量論量の酸素イオンの数から差し引いた値をモル単位で示した値である。酸化物結晶中に含まれる酸素イオンの数は、例えば、酸化物結晶を炭素粉末中で加熱させて生成する二酸化炭素の量を赤外吸収スペクトルで測定することで算出することができる。また、化学量論量の酸素イオンの数は酸化物結晶の質量から算出すりことができる。
【0020】
本発明の酸化物の導電性は、伝導帯におけるキャリア電子の量が所定の範囲にあるときに良好となる。そのようなキャリア電子の量は、1×1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲である。また、好ましいキャリア電子の量は、1×1019/cm3 〜5×1021/cm3 の範囲である。
尚、キャリア電子の量は、例えば、ファンデアパウ法電気伝導率測定装置により測定することができる。
【0021】
本発明の第2の態様の導電性酸化物
本発明の第2の態様の導電性酸化物において、一般式Znx My Inz O(x+3y/2+3z/2)-d の式中、M、比率(x:y)及び比率(z:y)については、前記本発明の第1の態様の導電性酸化物と同様である。
酸素欠損量dは、0であってもよい。酸素欠損量dが0であっても、元素の置換により、導電性を付与できるからであ。また、酸素欠損量dは、多過ぎると可視光を吸収して透明性を低下させる原因となるので、(x+3y/2+3z/2) の1×10-1倍以下であることが適当である。
本発明の第2の態様の導電性酸化物においては、元素の置換により付与される導電性を考慮して酸素欠損量dは適宜決定できる。
【0022】
さらに、本発明の第2の態様の導電性酸化物においては、Zn、M及びInのうちの少なくとも1種の元素の一部が、他の元素で置換されており、Znと置換される元素は原子価が2価以上であり、M及びInと置換される元素は原子価が3価以上である。Zn、M及びInの少なくとも一つの元素の一部を他の元素と置換することにより、酸化物に電子を注入することができる。
本発明の第2の態様の導電性酸化物では、酸素欠損を導入すること以外に、金属イオンの一部を別の金属イオンで置換することによりキャリア電子が伝導帯に注入されて、導電性を発現させることができる。
【0023】
Znは2価の元素であり、これと置換可能な元素は、原子価が2価以上の元素である。原子価が高い元素程少量の置換で、より大きいキャリア注入量を与えることが可能である。置換可能な元素の原子価は通常2価、3価、4価、5価又は6価である。
原子価が2価以上の元素としては、例えば、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Cd、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Sb、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Tl、Pb、Bi、Poを挙げることができる。
【0024】
Mで表されるA1及びGa、並びにInは3価の元素であり、これらと置換可能な元素は、原子価が3価以上の元素である。原子価が高い元素程少量の置換で、より大きいキャリア注入量を与えることが可能である。置換可能な元素の原子価は通常3価、4価、5価又は6価である。
原子価が3価以上の元素としては、例えば、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Sb、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Tl、Pb、Bi、Poを挙げることができる。
【0025】
上記のようにZn、M及び/又はInの一部が上記のような元素で置換されることで、キャリア電子が伝導バンドに注入される。電気伝導性と透明性のバランスという観点から、キャリア電子の注入量は、例えば1×1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲とすることが適当であり、各元素の置換量は、電子の注入量を上記範囲になるように調整することが適当である。キャリア電子の注入量が1×1018/cm3 未満では十分な電気伝導率が得られず、1×1022/cm3 を超えると、プラズマ振動による吸収が可視領域に現れて透明性が低下する。キャリア電子の注入量は、好ましくは1×1019/cm3 〜5×1021/cm3 の範囲である。
また、置換する元素の種類によっては可視領域の光を吸収する性質を有するものもある。そこで、置換元素の置換量は、可視領域の光の平均透過率が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上となるように選ぶことが適当である。
【0026】
本発明の第3の態様の導電性酸化物
本発明の第3の態様の導電性酸化物において、一般式Znx My Inz O(x+3y/2+3z/2)-d の式中、Zn、M、比率(x:y)及び比率(z:y)については、前記本発明の第1の態様の導電性酸化物と同様である。
酸素欠損量dは、0であってもよい。酸素欠損量dが0であっても、陽イオンの注入により、導電性を付与できるからであ。また、酸素欠損量dは、多過ぎると可視光を吸収して透明性を低下させる原因となるので、(x+3y/2+3z/2) の1×10-1倍以下であることが適当である。
本発明の第3の態様の導電性酸化物においては、陽イオンの注入により付与される導電性を考慮して酸素欠損量dは適宜決定できる。
【0027】
さらに、本発明の第3の態様の導電性酸化物は、上記一般式で表される酸化物に、陽イオンを注入したものである。
本発明の第3の態様の導電性酸化物では、酸素欠損を導入すること以外に、陽イオンを注入することによりキャリア電子が伝導帯に注入されて、導電性を発現させることができる。
【0028】
本発明の第3の態様の導電性酸化物に注入される陽イオンは、一般式Znx My Inz O(x+3y/2+3z/2)-d で表される酸化物の結晶構造を破壊することなく、固溶できるものであれば特に制限はない。但し、イオン半径の小さいイオンの方が結晶格子中に固溶しやすい傾向があり、イオン半径が大きくなる程、結晶構造を破壊し易くなる傾向がある。
上記のような陽イオンとしては、例えば、H、Li、Be、B、C、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Biを挙げることができる。
【0029】
本発明の電極
本発明の電極は、透明基板の少なくとも一方の表面の少なくとも一部に前記本発明の第1、第2又は第3の態様の導電性酸化物が含まれる導電層を有する電極である。
【0030】
本発明の電極を構成する導電層は、本発明の第1、第2又は第3の態様の導電性酸化物のみからなる場合、およびこれらの酸化物と異なる結晶が共存する酸化物層であることもできる。但し、他の結晶の共存量は、導電層の透明性および導電性の点で実用上の問題が生じない範囲で選ばれる。本発明の導電性酸化物と共存させることができる酸化物としては、例えばITO、In2 O3 、SnO2 等が挙げられる。但し、これらの酸化物に限定されるものではない。
【0031】
本発明の電極における導電層の膜厚は、電極に要求される光学的特性、伝導性及び用途等を考慮して適宜決定できる。例えば、液晶パネル用電極の場合には、下限は約30nmであり、上限は約1μmである。但し、酸化物に含まれる元素の種類によっては、可視領域に一部吸収を有するものもあり、その場合には、比較的薄い膜が好ましい。また、可視領域にほとんどまたはまったく吸収を有さないものについては、膜厚を厚くすることで、より高い伝導性を得ることができる。
【0032】
透明基板としては、ガラスや樹脂などの透明な基体を挙げることがてきる。
ガラス基板は、液晶ディスプレイなどに多く用いられる。ガラス基板には、ソーダ系ガラスと低アルカリガラスがあり、一般的にはソーダ系ガラスが広く用いられている。但し、カラーディスプレイや高品質ディスプレイなどには低アルカリガラスが優れている。可視領域における透明性が高く、平面性の優れたガラスを用いることが好ましい。
【0033】
樹脂基板としては、例えば、ポリエステル基板、PMMA基板等が挙げられる。樹脂基板は、ガラス基板に比べて、軽量であること、薄いこと、可撓性があって形の自由度が高いことなどを生かした多くの用途が検討されている。例えば、電子写真用フィルム、液晶ディスプレイ、光メモリ、透明タブレントスイッチ、帯電防止フィルム、熱線反射フィルム、面発熱フィルムなどである。液晶ディスプレイには、可視領域における透明性が高いこと、平面性に優れることの他に、加工性、耐衝撃性、耐久性、組立プロセスへの適合性などを考慮して用いることが好ましい。
【0034】
また、本発明の電極は、前記透明基板上に設けた下地層上に設けることもできる。下地層としては、カラーフィルター、TFT層、EL発光層、金属層、半導体層及び絶縁体層などを挙げることができる。また、下地層は2種以上を併設することもできる。
【0035】
本発明の電極は、種々の用途に利用することができる。例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び太陽電池等の電極として好適に用いることができる。
液晶ディスプレイにはTFT型、STN型やMIM型など種々の型があるが、いずれの場合にも透明電極にはさまれた液晶に電場を加え、液晶の配向方向を制御して表示する原理を用いている。本発明の電極は、上記透明電極として用いることができる。
例えば、TFT型のカラー液晶ディスプレイの構造は、バックライト、第一の偏光板、TFT基板、液晶、カラーフィルター基板及び第二の偏光板の6つの部分からなる。液晶の配向方向を制御するためにTFT基板上とカラーフィルター基板上に透明電極を形成する必要があるが、本発明の透明電極は上述の方法によりTFT基板上にもカラーフィルター基板上にも形成することができる。本発明の透明電極は、透明性が高くかつ導電性も高いのでTFT基板上またはカラーフィルター基板上に設ける透明電極として最適である。
【0036】
また、本発明の透明電極は、ELディスプレイ用電極として用いることもできる。ELディスプレイには分散型、ルモセン構造型や二重絶縁構造型などがあるが、いずれの場合にも透明電極と背面電極の間にEL発光層を挟み込む基本構造を有し、本発明の電極は、上記の透明電極として最適である。
【0037】
本発明の電極は、透明性及び導電性が高いことから、太陽電池用電極としても優れている。太陽電池は、pn接合型、ショットキーバリア型、ヘテロ接合型、ヘテロフェイス接合型やpin型などに分類されるが、いずれの場合にも透明電極と背面電極の間に半導体や絶縁体を挟み込む基本構造を有する。太陽電池は、半導体界面の光起電力効果を利用して、光エネルギーを電気に変換する素子であるので、なるべく広いスペクトル範囲にわたって光を半導体界面に導くことが必要であり、透明電極の透明性は高くなくてはならない。また、太陽電池の透明電極は半導体界面に生成した光生成キャリアを収集して端子に導き出す機能を持つので、光生成キャリアをなるべく有効に収集するためには透明電極の導電性が高くなくてはならない。本発明の透明電極は、450nmより短波長の光を含む、可視領域全域の広いスペクトル範囲にわたって光を半導体界面に導くことができる上に導電性が高いので太陽電池用の電極として優れている。
【0038】
導電性酸化物及び電極の製造方法
本発明の第1の態様の導電性酸化物は、常法により酸化物を形成し、さらに得られた酸化物に酸素欠損を導入することにより得られる。酸化物の形成は、焼結法、薄膜法などにより行うことができる。尚、上記酸化物の形成を焼結法等により行う場合には、条件により酸化物形成の際に酸素欠損が導入されることもある。
【0039】
焼結法は、例えば原料である酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛を所望の組成になるように秤量、混合し、所望の形状に成形し、例えば1000℃〜1700℃で1〜48時間焼成することにより行うことができる。1000℃未満では反応が進行せず、本発明の導電性酸化物は得られない。1700℃を超える温度では酸化インジウム、酸化亜鉛等の蒸発が進行し、組成が大きく変動してしまうことがある。
【0040】
本発明の電極の製造は、薄膜法により製造することができる。
薄膜法の代表的なものとして、CVD法、スプレー法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、MBE法、スパッタリング法などがある。さらにCVD法として、熱CVD、プラズマCVD、MOCVD、光CVD等を挙げることができる。
【0041】
CVD法やスプレー法のような化学的手法は、真空蒸着法やスパッタリング法のような物理的手法に比べて設備は簡単であり、大型基板に適している。さらに、反応促進や特性安定化のために乾燥や焼成の工程を行うときには、350〜500℃の熱処理を必要とするので、ガラス基板上に直接製造する場合には適している。しかし、カラーフィルター、TFT素子や各種下地層の上に製造する場合には適していないことがある。
物理的手法は、基板温度が150〜300℃の低温で成膜できるため、ガラス基板上に直接製造する場合だけでなく、カラーフィルター、TFT素子や各種下地層の上に製造する場合にも適している。なかでもスパッタリング法は生産性が高く、大面積基板に均一に成膜できるなどの点で特に優れている。
【0042】
例えば、スパッタリング法は、10-4〜10-1Torrの圧力下、室温から500℃の範囲で基板を加熱して行うことが適当である。スパッタリングターゲットとしては、金属または酸化物の焼結体や混合粉成形体等を用いることができる1例えば、Zn0.66Ga0.17In0.17O1.17(x:y=3.9:1、z:y=1:1)の酸化物膜を形成する場合、同一の組成を有する焼結体や混合粉成形体等をスパッタリングターゲットとして用いることができる。
【0043】
CVD法では、金属元素の原料として、In(CH3 )3 ,In(C2 H5 )3 ,In(C5 H7 O2 )3 ,In(C11H9 O2 )3 、Ga(CH3 )3 ,Ga(C2 H5 )3 ,Zn(CH3 )2 ,Zn(C2 H5 )2 ,Al(CH3 )3 ,Al(C2 H5 )3 ,Mg(CH3 )2 ,Mg(C2 H5 )2 等の有機金属や、InCl3 、GaCl3 、ZnCl2 、AlCl3 、AlCl3 、MgCl2 等の塩化物などが利用できる。また、酸素の原料としては空気、O2 、H2 O、CO2 、N2 O等が利用できる。
【0044】
イオンプレーティング法による成膜は、原料となる金属あるいは酸化物の混合体や焼結体を抵抗加熱、高周波加熱、電子衝撃等により蒸発させ、DC放電、RF放電、電子衝撃等によりイオン化する事により行うことができる。原料として金属を用いた場合には、空気、O2 、H2 O、CO2 、N2 O等を流しながら成膜をすることにより所定の酸化物膜を得ることができる。
【0045】
真空蒸着法による成膜は、圧力10-3〜10-6Torr中で原料となる金属あるいは酸化物の混合体や焼結体を抵抗加熱、高周波加熱、電子衝撃、レーザー衝撃等により蒸発させ、基板上に膜を作製することにより行うことができる。原料として金属を用いた場合には空気、O2 、H2 O、CO2 、N2 O等を流しながら成膜をすることにより所定の酸化物膜を得ることができる。
【0046】
本発明の第1の態様の導電性酸化物(電極の導電層を含めて)の導電性は、焼結法または薄膜法により形成したZnx My Inz O(x+3y/2+3z/2) で表される酸化物に酸素欠損を導入することで得られる。一般に酸化物の酸素欠損は、例えば、酸化物から酸素を引き抜くことにより生成させることができる。酸素原子を引き抜いて酸素欠損を作る方法としては、上記酸化物を還元性雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で加熱処理するなどの方法を用いることができる。熱処理および/または還元処理は、100〜1100℃の範囲の温度で行うことが適当である。好ましい温度範囲は、300〜900℃である。
また、酸化物の焼結や成膜の際に酸素分圧を制御することで、酸素欠損を有する酸化物を形成させることもできる。
酸化物の形成の際に酸素欠損を導入し、さらに酸素を引き抜く工程を加えることで酸素欠損量を調整することもできる。
【0047】
本発明の第2の態様の導電性酸化物は、基本的には、第1の態様の導電性酸化物の場合と同様に、常法により所望の組成の酸化物を形成し、さらに得られた酸化物に、必要により酸素欠損を導入することにより得られる。酸化物の形成は、焼結法、薄膜法などにより行うことができる。尚、上記酸化物の形成を焼結法により行う場合には、条件により酸化物形成の際に酸素欠損が導入されることもある。また、薄膜法の例としては、上記第1の態様の導電性酸化物で説明した方法を同様に用いることができる。
【0048】
ゲルマニウムを置換元素として含む酸化物を焼結法で製造する場合には、例えば原料である酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウムを、例えば(Zn0.65Ge0.01)Ga0.17In0.17O1.17(x:y=3.9:1、z:y=1:1)の組成になるように混合し、所望の形状に成形し、例えば1000℃〜1700℃で1〜48時間、大気中または不活性ガス雰囲気中で焼成することにより行うことができる。
【0049】
薄膜法では、例えば、スパッタリング法で行う場合、ターゲットとして、一般式Znx My Inz O(x+3y/2+3z/2) (式中、x、y、z及びMは前記と同様である)で表され、かつZn、M及びInのうちの少なくとも1種の元素の一部が、他の元素で置換されており、Znと置換される元素は原子価が2価以上であり、M及びInと置換される元素は原子価が3価以上である酸化物を用いることが適当である。
例えば、(Zn0.65Ge0.01)Ga0.17In0.17O1.17の組成を有する層を形成する場合、同様の組成を有する焼結体または混合粉成形体等をターゲットとして用いることができる。
【0050】
さらに、酸素欠損は、本発明の第1の態様と同様に、例えば、酸化物から酸素を引き抜くことにより生成させることができる以外に、本発明の導電性酸化物の場合、例えば焼結法により製造すると、自然に酸素欠損を生じやすい。もちろん、酸素を引き抜く工程を加えることによっても、酸素欠損量を調整することができる。酸素原子を引き抜いて酸素欠損を作る方法としては、酸化物を還元性雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で加熱処理するなどの方法を用いることができる。
【0051】
本発明の第3の態様の導電性酸化物は、基本的には、第1の態様の導電性酸化物の場合と同様に、一般式Znx My Inz O(x+3y/2+3z/2) で示される所望の組成の酸化物を形成し、さらに得られた酸化物に陽イオンを注入し、必要により酸素欠損を導入することにより得られる。酸化物の形成は、焼結法、薄膜法などにより行うことができる。尚、上記酸化物の形成を焼結法により行う場合には、条件により酸化物形成の際に酸素欠損が導入されることもある。また、薄膜法の例としては、上記第1の態様の導電性酸化物で説明した方法を同様に用いることができる。
【0052】
Zn0.66Ga0.17In0.17O1.17で表される酸化物に陽イオンを注入する場合、酸素欠損量dが0の場合には、例えば、第1の態様の導電性酸化物と同様の方法により、Zn0.66Ga0.17In0.17O1.17で表される酸化物を形成した後に、適当なイオンを注入することにより製造することができる。また、酸素欠損量dが0を超える場合には、第1の態様の導電性酸化物と同様の方法により、Zn0.66Ga0.17In0.17O1.17-dで表される酸化物を形成した後に、適当なイオンを注入するか、又はZn0.66Ga0.17In0.17O1.17で表される酸化物を形成した後に、適当なイオンを注入し、さらに酸素を引き抜くことにより製造することができる。
上記手順は、第3の態様の導電性酸化物の導電層を有する電極の作成の場合も同様である。
【0053】
陽イオンの注入には、イオン注入法を用いる。イオン注入法は、固体内に不純物を導入する手段として超大規模集積回路製造工程等に用いられているものをそのまま用いることができる。注入さるべき陽イオンの元素をイオン化して数十keV以上に加速し、酸化物中に打ち込むことで、行うことができる。
【0054】
注入された陽イオンは結晶格子内に固溶し、伝導帯にキャリア電子を与えて導電性を発現させる。陽イオン注入量は、酸化物が酸素欠損を有さない場合、伝導帯への電子の注入量が1×1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲になるように選ぶことが適当である。また、酸化物が酸素欠損を有する場合には、酸素欠損により生じるキャリア電子の量と陽イオン注入により生じる電子の量との合計が上記範囲になるようにすることが適当である。
キャリア電子の量が1×1018/cm3 より小さければ、充分な電気伝導率が得られず、1×1022/cm3 より大きければプラズマ振動による吸収が可視領域に現れて透明性が劣化する。キャリア電子の量は、好ましくは1×1019/cm3 〜5×1021/cm3 の範囲である。
【0055】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0056】
実施例1〜9
In2 O3 (高純度化学研究所(株)社製、純度99.99%)、Ga2 O3 (高純度化学研究所(株)社製、純度99.99%)及びZnO(高純度化学研究所(株)社製、純度99.99%)各粉末を、混合粉末中の含有金属の比率が表1の値になるように秤量した。秤量した粉末を、容量500mlのポリアミド容器に直径2ミリメートルのジルコニアビーズ200gを加え、フリッツジャパン社製遊星ボールミル装置を用いて1時間湿式混合した。分散媒にはエタノールを用いた。各混合粉をアルミナるつぼ中、大気下、1000℃で5時間仮焼した後、再び遊星ボールミル装置を用いて1時間解砕処理した。このようにして調製した假焼粉体を一軸加圧(100kg/cm2 )によって直径20ミリの円板状に成形し、大気下、1400℃で2時間焼成して焼結体を得た。この焼結体をさらにアルゴン雰囲気下、880℃で2時間熱処理した。
【0057】
電気伝導度を測定するために、円板試料の円周上の4カ所にリード線を圧着し、ファンデアパウ法電気伝導率測定装置により電気伝導率及びキャリア電子量を測定した。
また、光吸収特性を測定するために、円板試料を日立電気(株)製330形自記分光光度計に設置し、拡散反射法により、波長500nmから短波長側に掃引しながら吸光度を測定した。反射光強度が入射光強度の50%となる波長を吸収端波長とした。
酸素欠損量は、焼結体試料を粉砕、炭素粉末とよく混合、石英管状炉内に設置、真空置換ののち、Arガスを流し、600℃の加熱、排出されるArガス中の二酸化炭素の量を赤外線吸収スペクトルで測定し、化学量論量の酸素量(x+3y/2+3z/2)に対する比として算出した。
以上のようにして測定した酸素欠損量、電気伝導率、基礎吸収端波長及びキャリア電子量を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
比較例1〜4
In2 O3 、Ga2 O3 及びZnO各粉末を、混合粉末中の含有金属の比率が表2の値になるように秤量した以外は実施例1と同様にして円板試料を作製し、酸素欠損量、電気伝導率、吸収端波長及びキャリア電子量を測定した。結果を表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】
実施例10〜14
実施例1で用いたIn2 O3 、Ga2 O3 、ZnOとMgCO3 (関東化学社製、純度99.9%)及びAl2 O3 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)の各粉末を、混合粉末中の含有金属の比率が表3の値になるように秤量し、実施例1と同様の方法によって円板試料を作製した。酸素欠損量、電気伝導率、吸収端波長及びキャリア電子量を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】
実施例15〜22
In2 O3 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、Ga2 O3 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、ZnO(高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、Al2 O3 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、SnO2 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、SiO2 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、TiO2 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、V2 O5 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、GeO2 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、ZrO2 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、MoO3 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、Nb2 O5 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)及びTa2 O5 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)の各粉末を、混合粉末中の含有金属元素の比率が表4の値になるように秤量し、実施例1と同様の方法によって円板試料を作製した。これらの試料の電気伝導率、吸収端波長及びキャリア電子量を表4に示す。
【0064】
【表4】
【0065】
実施例25
実施例2で調製した假焼粉を用い、一軸加圧(100kg/cm2 )によって直径25ミリの円板成形体を作製し、大気下、1300℃で24時間焼成して焼結体を得た。焼結体の表面を研磨し、バッキングプレート上に接着剤を用いて固定し、スパッタリングターゲットとした。これを日本真空(株)製BC1457型スパッタリング装置に固定してAr/O2 比40/10のガスを装置内に導入し、180WのRFパワーを40分間入力して、500℃に加熱した石英ガラス基板上に厚み約2000オングストロームの薄膜を作製した。これを大気下、400℃〜1000℃で加熱処理したのち、アルゴン雰囲気下、880℃で2時間熱処理した。
【0066】
生成物の電気伝導率と吸収端波長とを実施例1と同様の方法により測定した。但し、この試料は焼結体ではないので、吸収端波長の測定は実施例1の装置を用いて光透過法により行い、透過率が低下し始めた波長を吸収端波長とした。以上のようにして測定した電気伝導率、吸収端波長、400nmの光に対する透過率及びキャリア電子量を表5に示す。
【0067】
実施例26
実施例25に記載した方法により薄膜を作製した。ただし、Ar雰囲気下における熱処理は施さなかったので、この段階では、薄膜は電気伝導性を示さなかった。この膜にH+ イオンを、約3μA/cm2 のドーズ速度で3×1016イオン/cm2 だけ注入したのち、実施例25と同様の方法で測定した電気伝導率、吸収端、400nmの光に対する透過率及びキャリア電子量を表5に示す。
【0068】
比較例5
Inに対してSnを5%含むITOターゲットを用い、実施例26と同様の方法により、石英ガラス基板上に厚み約2000オングストロームのITO薄膜を作製した。このITO薄膜の電気伝導率、吸収端波長、400nmの光に対する透過率を測定し、表5に示す。
実施例26の薄膜は比較例5の薄膜と同等の伝導率を持つが、吸収端波長が短波長側にある。このため、400nmの光に対する透過率が格段に高く、比較例1の薄膜に黄色の着色が明らかに認められたのに対して、実施例26の薄膜は殆ど着色して見えなかった。
【0069】
【表5】
【0070】
実施例27
実施例25のスパタッリングターゲットおよびスパタッリング装置を用い、Ar/O2 比40/10のガスを装置内に導入し、100WのRFパワーを40分間入力して300℃に加熱したカラーフィルター基板上に厚み2000オングストロームの薄膜を作製した。これを大気下、300℃で1時間加熱処理した。
実施例25と同様の方法により電気伝導率、吸収端波長、透過率(400nmにおける)及びキャリア電子量を測定し、表6に示す。
【0071】
比較例6
Inに対してSnを5%含むITOターゲットを用い、実施例27と同様の方法により、カラーフィルター基板上に厚み約2000オングストロームのITO薄膜を作製した。さらに、大気下、300℃で24時間熱処理した後、アルゴン雰囲気下、300℃で1時間熱処理した。このITO薄膜の電気伝導率、基礎吸収端波長、400nmの光に対する透過率及びキャリア電子量を測定した。結果を表6に示す。
実施例27の薄膜電極は、比較例6の薄膜電極と同等の伝導率を有していた。但し、実施例27の薄膜電極は、基礎吸収端波長が短波長側にあった。
【0072】
【表6】
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、吸収端が450nmより短波長側にあって、かつITOと同等かそれ以上の電気伝導率を有し、かつITO膜より大きな膜厚としても着色を生じない新規な導電性酸化物を提供することかできる。
さらに本発明によれば、上記導電性酸化物を用いて、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び太陽電池等に有用な電極を提供することができる。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a conductive oxide having excellent electrical conductivity, and an electrode using the conductive oxide. The conductive oxide of the present invention is not only excellent in electrical conductivity, but also excellent in transparency in the entire visible range, and is particularly useful as an electrode for a display or solar cell that requires light transmission. It is.
[0002]
[Prior art]
A so-called transparent conductive material that is transparent in the visible light region and has electrical conductivity is used as a transparent electrode for various panel displays such as liquid crystal displays and EL displays, and solar cells. Furthermore, they are also used as antifogging heaters for refrigerated showcases, heat ray reflective films on window glass of buildings and automobiles, coatings for preventing static charge on transparent materials and shielding electromagnetic waves, and the like.
[0003]
A metal oxide semiconductor is generally used as the transparent conductive material. For example, tin oxide (SnO2), Tin-doped indium oxide (ITO), Cd2SnOFour, CdIn2OFourVarious proposals have been made.
The transparency of the transparent conductive material is related to the fundamental absorption edge wavelength. The fundamental absorption edge wavelength means a wavelength at which light absorption caused by electronic transition from a valence band to a conduction band of a material starts. The fundamental absorption edge wavelength can be measured by a reflection method or a transmission method using a spectrophotometer. ITO has an absorption edge near 450 nm, and does not absorb light on the longer wavelength side. Therefore, there is transparency over almost the entire region except the short wavelength region in the visible region. At the same time, it has a carrier concentration comparable to that of metal, a relatively high carrier mobility as an oxide, and a high electric conductivity of 1000 S / cm or more. For this reason, ITO is widely used among the above materials.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Various panel-type displays are widely used in electrical products such as telephones, washing machines, rice cookers, game machines, portable TVs, computers, and word processors. In particular, notebook personal computers, word processors, and the like have come to use large panel type displays with a diagonal of about 10 inches. In addition, research on the development of larger panel displays for use in wall-mounted televisions is underway.
[0005]
Until now, ITO has also been used for transparent electrodes for panel-type displays. However, as described above, ITO has a fundamental absorption edge wavelength of 450 nm and has poor transparency in the short wavelength side region (450 nm or less) of the visible region. For this reason, coloration occurs when the thickness of the ITO electrode is increased. Therefore, the thinner the thickness, the better. However, from the viewpoint of reducing electric resistance by reducing electric resistance, a thicker film is preferable. So far, a transparent electrode having an appropriate film thickness has been used in consideration of both transparency and electrical resistance.
[0006]
However, in a transparent electrode for a panel display of a larger size, the length from the end to the end of the electrode plane becomes longer, and the electric resistance therebetween increases. Further, in a higher definition display, the line width of the transparent electrode becomes narrower, which also leads to higher resistance. If the electrode film thickness is increased in order to reduce the electrical resistance, the electrode is colored and cannot be practically used. That is, it has not been possible to obtain a large transparent electrode that satisfies both transparency and electrical conductivity by using ITO that has been practically used as a transparent electrode material.
[0007]
For these reasons, it has been a challenge to develop a material that is transparent and has high conductivity even in a short wavelength region of 450 nm or less in the visible region.
Conventionally, as a material having an absorption edge shorter than 450 nm, for example, ZnGa, which is a spinel compound, is used.2OFourHas been reported. ZnGa2OFourHas an absorption edge at 250 nm. However, the electrical conductivity is as low as 30 S / cm (Japan Ceramic Society 93rd Conference Lecture Proceedings, page 585).
Further, CdSb which is a tolyltyle type compound2O6Is also known. CdSb2O6The absorption edge of is at 350 nm. However, this also has a low electrical conductivity of 40 S / cm (Proceedings of the 54th JSAP Scientific Lecture, Volume 2, page 502).
[0008]
That is, conventionally, a material having an absorption edge shorter than 450 nm and an electric conductivity equal to or higher than that of ITO has not been known.
Accordingly, an object of the present invention is to provide a novel material that does not cause coloring even when the film thickness is larger than that of an ITO film because the absorption edge is on the shorter wavelength side than 450 nm and has an electric conductivity equal to or higher than that of ITO. Is to provide.
A further object of the present invention is to provide an electrode useful for a liquid crystal display, an EL display, a solar cell and the like using the above-mentioned new material.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to the general formula ZnxMyInzO(x + 3y / 2 + 3z / 2) -d(Wherein M is at least one element of aluminum and gallium, the ratio (x: y) is in the range of more than 1.8: 1 and less than or equal to 8: 1, and the ratio (z: y) is 0. 1 × 10 of (x + 3y / 2 + 3z / 2) in the range of 4 to 1.4: 1 and the oxygen deficiency d exceeds 0.-1It is related to the conductive oxide (the oxide of the first embodiment).
[0010]
Furthermore, the present invention relates to the general formula ZnxMyInzO(x + 3y / 2 + 3z / 2) -d(Wherein M is at least one element of aluminum and gallium, the ratio (x: y) is in the range of more than 1.8: 1 and not more than 8: 1, and the ratio (z: y) is 1 × 10 in the range of 0.4 to 1.4: 1 and oxygen deficiency d from 0 to (x + 3y / 2 + 3z / 2)-1And a part of at least one element of Zn, M and In is substituted with another element, and the element substituted for Zn has a valence of 2 As described above, the element substituted for M and In relates to a conductive oxide (oxide of the second aspect) characterized in that the valence is three or more.
[0011]
In addition, the present invention relates to the general formula ZnxMyInzO(x + 3y / 2 + 3z / 2) -d(Wherein M is at least one element of aluminum and gallium, the ratio (x: y) is in the range of more than 1.8: 1 and 8: 1 or more, and the ratio (z: y) is 1 × 10 in the range of 0.4 to 1.4: 1 and oxygen deficiency d from 0 to (x + 3y / 2 + 3z / 2)-1The present invention relates to a conductive oxide (oxide of the third aspect), which is obtained by implanting cations into an oxide represented by
[0012]
The present invention also relates to an electrode having a conductive layer in which at least a part of at least one surface of a transparent substrate contains the conductive oxide according to any one of the first to third aspects of the present invention.
The present invention will be described below.
[0013]
There are research reports by Kimizuka et al. Regarding In-Ga-Zn composite oxide and In-Al-Zn composite oxide (N. Kimizuka, T. Mohri, Y. Matsui and K. Shiratori, J. Solid State Chem. 74, 98, 1988).
[0014]
Kimizuka et al. In2OThree, ZnO and Ga2OThreeOr Al2OThreeAn unknown crystal was synthesized from the powder of InGaO by a solid phase method.Three(ZnO)mAnd InAlOThree(ZnO)m(Both m = 2 to 7) were obtained. These oxides are each ZnmGaInO3 + mAnd ZnmAlInO3 + mIt is also expressed.
The crystal structure was determined by X-ray diffraction test and electron microscope observation. As a result, all systems are 6-fold symmetric, have a space group of R3m when m is 3, 5 and 7, and P6 when m is 2, 4 and 6.Three/ Mmc space group. InGaOThree(ZnO)mIs InO1.5Layer (U layer), (GaZn) O2.5It has a laminated structure consisting of a layer (W layer), a ZnO layer (X layer) and an O layer (P layer). InAlOThree(ZnO)mThen, the W layer is (AlZn) O.2.5Become a layer.
Especially InGaZnFiveO8The transmission electron micrograph is shown about the layer, and the periodic structure which consists of six layers by W layer and X layer which can be seen by a bright spot, and U layer which can be seen by a dark spot has appeared.
[0015]
In the above report, InGaOThree(ZnO)mAnd InAlOThree(ZnO)mOnly studies on the crystal structure of are described, and no mention is made of the optical and electrical properties of these crystals. In particular, there is no description or suggestion of imparting conductivity to the crystal, and as described in detail below, it is described that conductivity can be imparted by oxygen deficiency, element substitution, and further cation implantation. Not.
[0016]
Conductive oxide according to the first aspect of the present invention
General formula ZnxMyInzO(x + 3y / 2 + 3z / 2) -dAmong them, M may be either aluminum or gallium alone, and M may be coexistent with aluminum and gallium. When aluminum and gallium coexist, the ratio of aluminum and gallium is not particularly limited. However, as the aluminum ratio increases, the crystallization temperature tends to increase. As the gallium ratio increases, the crystallization temperature tends to decrease.
[0017]
When the ratio (x: y) is in the range of more than 1.8: 1 and 8: 1 or less, and x / y is less than 1.8, InGaZnOFourThis is the region where the phase precipitates. When x / y exceeds 8, the ZnO crystal structure becomes the main phase, and the characteristics of the conductive oxide of the present invention are not exhibited. A preferred ratio (x: y) is in the range of 1.8 to 6.2: 1, more preferably in the range of 1.8 to 3.2: 1.
The ratio (z: y) is in the range of 0.4 to 1.4: 1, and when z / y is less than 0.4, ZnGa2OFourPrecipitation of phases and the like becomes prominent, and electrical conductivity decreases. When z / y exceeds 1.4, In2OThreeThe phase is precipitated and the transparency is lowered. A preferred ratio (z: y) is in the range of 0.6 to 1.4: 1, more preferably in the range of 0.8 to 1.2: 1.
[0018]
Oxygen deficiency d exceeds 0 and is (x + 3y / 2 + 3z / 2) 1 × 10-1Double the range. In general, when the oxygen deficiency d is small, the electrical conductivity is lowered, and when it is too large, the visible light is absorbed and the transparency is lowered.
From the viewpoint of obtaining good conductivity, the oxygen deficiency d is 3 × 10 (x + 3y / 2 + 3z / 2).-FiveIt is preferable that it is twice or more. Considering the electrical conductivity and the visible light transmission, the range of the oxygen deficiency d is preferably 1 × 10 (x + 3y / 2 + 3z / 2).-3~ 1x10-1More preferably 1 × 10 of (x + 3y / 2 + 3z / 2)-2~ 1x10-1Double the range.
[0019]
The oxygen deficiency is a value obtained by subtracting the number of oxygen ions contained in one mole of oxide crystal from the stoichiometric number of oxygen ions in mole units. The number of oxygen ions contained in the oxide crystal can be calculated, for example, by measuring the amount of carbon dioxide produced by heating the oxide crystal in carbon powder using an infrared absorption spectrum. The number of stoichiometric oxygen ions can be calculated from the mass of the oxide crystal.
[0020]
The conductivity of the oxide of the present invention is good when the amount of carrier electrons in the conduction band is within a predetermined range. The amount of such carrier electrons is 1 × 1018/ CmThree~ 1x10twenty two/ CmThreeRange. The preferred amount of carrier electrons is 1 × 1019/ CmThree~ 5x10twenty one/ CmThreeRange.
The amount of carrier electrons can be measured by, for example, a van der Pauw electric conductivity measuring device.
[0021]
Conductive oxide of the second aspect of the present invention
In the conductive oxide of the second aspect of the present invention, the general formula ZnxMyInzO(x + 3y / 2 + 3z / 2) -dIn the formula, M, the ratio (x: y), and the ratio (z: y) are the same as those of the conductive oxide of the first aspect of the present invention.
The oxygen deficiency d may be zero. This is because even if the oxygen deficiency d is 0, conductivity can be imparted by element substitution. Further, if the oxygen deficiency d is too large, it absorbs visible light and lowers the transparency, so 1 × 10 of (x + 3y / 2 + 3z / 2)-1It is appropriate that it is less than double.
In the conductive oxide of the second aspect of the present invention, the oxygen deficiency d can be appropriately determined in consideration of the conductivity imparted by the substitution of elements.
[0022]
Furthermore, in the conductive oxide according to the second aspect of the present invention, an element in which at least one element out of Zn, M, and In is substituted with another element, and is substituted with Zn. Has a valence of 2 or more, and the element substituted for M and In has a valence of 3 or more. By replacing a part of at least one element of Zn, M, and In with another element, electrons can be injected into the oxide.
In the conductive oxide according to the second aspect of the present invention, in addition to introducing oxygen vacancies, carrier electrons are injected into the conduction band by substituting a part of metal ions with another metal ion, and thus conductive. Can be expressed.
[0023]
Zn is a divalent element, and an element that can be substituted for it is an element having a valence of 2 or more. It is possible to give a larger carrier injection amount with a smaller amount of substitution for an element having a higher valence. The valence of the substitutable element is usually divalent, trivalent, tetravalent, pentavalent or hexavalent.
Examples of elements having a valence of 2 or more include Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Cd, Al, Si, Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Zn, Ga, and Ge. Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, Rh, Pd, In, Sn, Sb, La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb , Lu, Hf, Ta, W, Re, Os, Ir, Pt, Tl, Pb, Bi, and Po.
[0024]
A1 and Ga represented by M, and In are trivalent elements, and elements that can be substituted for these are elements having a valence of 3 or more. It is possible to give a larger carrier injection amount with a smaller amount of substitution for an element having a higher valence. The valence of the substitutable element is usually trivalent, tetravalent, pentavalent or hexavalent.
Examples of the element having a valence of 3 or more include Al, Si, Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Ga, Ge, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, and Rh. , Pd, In, Sn, Sb, La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu, Hf, Ta, W, Re, Os, Ir , Pt, Tl, Pb, Bi, Po.
[0025]
As described above, a part of Zn, M, and / or In is substituted with the element as described above, whereby carrier electrons are injected into the conduction band. From the viewpoint of balance between electrical conductivity and transparency, the amount of carrier electrons injected is, for example, 1 × 10.18/ CmThree~ 1x10twenty two/ CmThreeThe amount of substitution of each element is suitably adjusted so that the amount of injected electrons falls within the above range. Carrier electron injection amount is 1 × 1018/ CmThreeIf it is less than 1, sufficient electrical conductivity cannot be obtained, and 1 × 10twenty two/ CmThreeIf it exceeds, absorption due to plasma vibration appears in the visible region, and transparency is lowered. The amount of carrier electrons injected is preferably 1 × 1019/ CmThree~ 5x10twenty one/ CmThreeRange.
Some elements to be substituted have the property of absorbing light in the visible region. Therefore, the substitution amount of the substitution element is appropriately selected so that the average light transmittance in the visible region is 70% or more, preferably 80% or more, more preferably 90% or more.
[0026]
Conductive oxide of the third aspect of the present invention
In the conductive oxide of the third aspect of the present invention, the general formula ZnxMyInzO(x + 3y / 2 + 3z / 2) -dIn the formula, Zn, M, the ratio (x: y) and the ratio (z: y) are the same as those in the conductive oxide of the first aspect of the present invention.
The oxygen deficiency d may be zero. This is because even when the amount of oxygen deficiency d is 0, conductivity can be imparted by cation implantation. Further, if the oxygen deficiency d is too large, it absorbs visible light and lowers the transparency, so 1 × 10 of (x + 3y / 2 + 3z / 2)-1It is appropriate that it is less than double.
In the conductive oxide of the third aspect of the present invention, the oxygen deficiency d can be appropriately determined in consideration of the conductivity imparted by cation implantation.
[0027]
Furthermore, the conductive oxide of the third aspect of the present invention is obtained by implanting cations into the oxide represented by the above general formula.
In the conductive oxide of the third aspect of the present invention, in addition to introducing oxygen vacancies, carrier electrons can be injected into the conduction band by injecting cations, and conductivity can be developed.
[0028]
The cation implanted into the conductive oxide of the third aspect of the present invention has the general formula ZnxMyInzO(x + 3y / 2 + 3z / 2) -dThere is no particular limitation as long as it can be dissolved without destroying the crystal structure of the oxide. However, ions having a small ion radius tend to be dissolved in the crystal lattice, and the larger the ion radius, the easier it is to destroy the crystal structure.
Examples of such cations include H, Li, Be, B, C, Na, Mg, Al, Si, K, Ca, Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, and Cu. Zn, Ga, Ge, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, Rh, Pd, Ag, Cd, In, Sn, Sb, Cs, Ba, La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu, Hf, Ta, W, Re, Os, Ir, Pt, Au, Hg, Tl, Pb, Bi.
[0029]
Electrode of the present invention
The electrode of the present invention is an electrode having a conductive layer in which at least a part of at least one surface of the transparent substrate contains the conductive oxide of the first, second, or third aspect of the present invention.
[0030]
The conductive layer that constitutes the electrode of the present invention is an oxide layer that includes only the conductive oxide of the first, second, or third aspect of the present invention, and that crystals different from these oxides coexist. You can also. However, the coexistence amount of other crystals is selected within a range that does not cause a practical problem in terms of transparency and conductivity of the conductive layer. Examples of the oxide that can coexist with the conductive oxide of the present invention include, for example, ITO, In2OThree, SnO2Etc. However, it is not limited to these oxides.
[0031]
The film thickness of the conductive layer in the electrode of the present invention can be appropriately determined in consideration of the optical characteristics, conductivity, use, etc. required for the electrode. For example, in the case of a liquid crystal panel electrode, the lower limit is about 30 nm and the upper limit is about 1 μm. However, depending on the type of element contained in the oxide, there are some that have partial absorption in the visible region. In that case, a relatively thin film is preferable. For those that have little or no absorption in the visible region, higher conductivity can be obtained by increasing the film thickness.
[0032]
Examples of the transparent substrate include transparent substrates such as glass and resin.
Glass substrates are often used for liquid crystal displays and the like. Glass substrates include soda-based glass and low alkali glass, and soda-based glass is generally widely used. However, low alkali glass is excellent for color displays and high-quality displays. It is preferable to use a glass having high transparency in the visible region and excellent flatness.
[0033]
Examples of the resin substrate include a polyester substrate and a PMMA substrate. Resin substrates are being studied for many uses that take advantage of their light weight, thinness, flexibility, and high degree of freedom of shape as compared to glass substrates. For example, an electrophotographic film, a liquid crystal display, an optical memory, a transparent tabular switch, an antistatic film, a heat ray reflective film, and a surface heating film. In addition to high transparency in the visible region and excellent flatness, the liquid crystal display is preferably used in consideration of processability, impact resistance, durability, suitability for assembly processes, and the like.
[0034]
Moreover, the electrode of this invention can also be provided on the base layer provided on the said transparent substrate. Examples of the underlayer include a color filter, a TFT layer, an EL light emitting layer, a metal layer, a semiconductor layer, and an insulator layer. Two or more underlayers can be provided side by side.
[0035]
The electrode of the present invention can be used for various applications. For example, it can be suitably used as an electrode for liquid crystal displays, EL displays, solar cells and the like.
There are various types of liquid crystal displays such as TFT type, STN type and MIM type. In either case, the principle of displaying by controlling the alignment direction of the liquid crystal by applying an electric field to the liquid crystal sandwiched between transparent electrodes. Used. The electrode of the present invention can be used as the transparent electrode.
For example, the structure of a TFT-type color liquid crystal display is composed of six parts: a backlight, a first polarizing plate, a TFT substrate, a liquid crystal, a color filter substrate, and a second polarizing plate. In order to control the alignment direction of the liquid crystal, it is necessary to form transparent electrodes on the TFT substrate and the color filter substrate, but the transparent electrode of the present invention is formed on the TFT substrate and the color filter substrate by the above method. can do. The transparent electrode of the present invention is optimal as a transparent electrode provided on a TFT substrate or a color filter substrate because of its high transparency and high conductivity.
[0036]
The transparent electrode of the present invention can also be used as an EL display electrode. The EL display includes a dispersion type, a lumocene structure type, and a double insulation structure type. In any case, the EL display has a basic structure in which an EL light emitting layer is sandwiched between a transparent electrode and a back electrode. It is most suitable as the transparent electrode.
[0037]
The electrode of the present invention is excellent as a solar cell electrode because of its high transparency and conductivity. Solar cells are classified into pn junction type, Schottky barrier type, heterojunction type, heteroface junction type, pin type, etc. In any case, a semiconductor or an insulator is sandwiched between a transparent electrode and a back electrode. Has a basic structure. Solar cells are devices that convert light energy into electricity using the photovoltaic effect at the semiconductor interface, so it is necessary to guide light to the semiconductor interface over as wide a spectral range as possible. Must be expensive. In addition, since the transparent electrode of the solar cell has the function of collecting the photogenerated carriers generated at the semiconductor interface and leading them to the terminal, the conductivity of the transparent electrode must be high in order to collect the photogenerated carriers as effectively as possible. Don't be. The transparent electrode of the present invention is excellent as an electrode for a solar cell because it can guide light to a semiconductor interface over a wide spectral range of the entire visible region including light having a wavelength shorter than 450 nm and has high conductivity.
[0038]
Conductive oxide and electrode manufacturing method
The conductive oxide of the first aspect of the present invention can be obtained by forming an oxide by a conventional method and further introducing oxygen vacancies into the obtained oxide. The oxide can be formed by a sintering method, a thin film method, or the like. When the oxide is formed by a sintering method or the like, oxygen vacancies may be introduced during oxide formation depending on conditions.
[0039]
In the sintering method, for example, raw materials such as indium oxide, gallium oxide, aluminum oxide, and zinc oxide are weighed and mixed so as to have a desired composition, and formed into a desired shape, for example, 1 to 48 at 1000 ° C. to 1700 ° C. This can be done by baking for a period of time. If it is less than 1000 degreeC, reaction does not advance and the electroconductive oxide of this invention is not obtained. When the temperature exceeds 1700 ° C., evaporation of indium oxide, zinc oxide or the like proceeds and the composition may fluctuate greatly.
[0040]
The electrode of the present invention can be manufactured by a thin film method.
Typical thin film methods include CVD, spraying, vacuum deposition, ion plating, MBE, and sputtering. Furthermore, examples of the CVD method include thermal CVD, plasma CVD, MOCVD, and photo CVD.
[0041]
Chemical methods such as CVD and spraying have simpler equipment than physical methods such as vacuum deposition and sputtering, and are suitable for large substrates. Furthermore, when a drying or firing process is performed for promoting the reaction or stabilizing the characteristics, a heat treatment at 350 to 500 ° C. is required, which is suitable for direct production on a glass substrate. However, it may not be suitable for manufacturing on color filters, TFT elements or various underlayers.
The physical method enables film formation at a low substrate temperature of 150 to 300 ° C., so it is suitable not only for manufacturing directly on a glass substrate but also for manufacturing on a color filter, TFT element or various underlayers. ing. Among these, the sputtering method is particularly excellent in that the productivity is high and the film can be uniformly formed on a large area substrate.
[0042]
For example, the sputtering method is 10-Four-10-1It is appropriate to heat the substrate in the range of room temperature to 500 ° C. under a Torr pressure. As a sputtering target, a sintered body of metal or oxide or a mixed powder molded body can be used. 1 For example, Zn0.66Ga0.17In0.17O1.17When an oxide film of (x: y = 3.9: 1, z: y = 1: 1) is formed, a sintered body or a mixed powder molded body having the same composition can be used as a sputtering target. .
[0043]
In the CVD method, In (CHThree)Three, In (C2HFive)Three, In (CFiveH7O2)Three, In (C11H9O2)Three, Ga (CHThree)Three, Ga (C2HFive)Three, Zn (CHThree)2 , Zn (C2HFive)2, Al (CHThree)Three, Al (C2HFive)Three, Mg (CHThree)2, Mg (C2HFive)2Organic metals such as InClThree, GaClThreeZnCl2AlClThreeAlClThreeMgCl2Chlorides such as can be used. Moreover, as a raw material of oxygen, air, O2, H2O, CO2, N2O etc. can be used.
[0044]
In the film formation by ion plating, a metal or oxide mixture or sintered body as a raw material is evaporated by resistance heating, high frequency heating, electron impact, etc., and ionized by DC discharge, RF discharge, electron impact, etc. Can be performed. When metal is used as a raw material, air, O2, H2O, CO2, N2A predetermined oxide film can be obtained by forming a film while flowing O or the like.
[0045]
Film formation by vacuum deposition is performed at a pressure of 10-3-10-6It can be carried out by evaporating a metal or oxide mixture or sintered body as a raw material in Torr by resistance heating, high-frequency heating, electron impact, laser impact or the like, and forming a film on the substrate. When metal is used as a raw material, air, O2, H2O, CO2, N2A predetermined oxide film can be obtained by forming a film while flowing O or the like.
[0046]
The conductivity of the conductive oxide of the first aspect of the present invention (including the conductive layer of the electrode) is determined by Zn formed by a sintering method or a thin film method.xMyInzO(x + 3y / 2 + 3z / 2)It is obtained by introducing oxygen vacancies into the oxide represented by In general, oxygen deficiency in an oxide can be generated by, for example, extracting oxygen from the oxide. As a method for extracting oxygen atoms and generating oxygen vacancies, a method of heat-treating the oxide in a reducing atmosphere or an inert gas atmosphere can be used. The heat treatment and / or reduction treatment is suitably performed at a temperature in the range of 100 to 1100 ° C. A preferred temperature range is 300-900 ° C.
In addition, an oxide having oxygen deficiency can be formed by controlling the oxygen partial pressure during oxide sintering or film formation.
It is also possible to adjust the amount of oxygen vacancies by adding a process of introducing oxygen vacancies during the formation of oxide and further extracting oxygen.
[0047]
The conductive oxide of the second aspect of the present invention is basically obtained by forming an oxide having a desired composition by a conventional method, as in the case of the conductive oxide of the first aspect. If necessary, oxygen vacancies are introduced into the oxide. The oxide can be formed by a sintering method, a thin film method, or the like. When the oxide is formed by a sintering method, oxygen vacancies may be introduced during oxide formation depending on conditions. Further, as an example of the thin film method, the method described in the conductive oxide of the first aspect can be used in the same manner.
[0048]
In the case of manufacturing an oxide containing germanium as a substitution element by a sintering method, for example, indium oxide, gallium oxide, zinc oxide, and germanium oxide, which are raw materials, are used, for example (Zn0.65Ge0.01) Ga0.17In0.17O1.17(X: y = 3.9: 1, z: y = 1: 1) are mixed and molded into a desired shape, for example, at 1000 ° C. to 1700 ° C. for 1 to 48 hours in the atmosphere or It can be performed by firing in an inert gas atmosphere.
[0049]
In the thin film method, for example, when the sputtering method is used, the general formula Zn is used as a target.xMyInzO(x + 3y / 2 + 3z / 2)(Wherein, x, y, z, and M are the same as those described above), and a part of at least one of Zn, M, and In is substituted with another element; It is appropriate to use an oxide having a valence of 2 or more for the element substituted for Zn and an oxide having a valence of 3 or more for the element to be substituted for M and In.
For example, (Zn0.65Ge0.01) Ga0.17In0.17O1.17When forming a layer having the above composition, a sintered body or a mixed powder molded body having the same composition can be used as a target.
[0050]
Furthermore, in the case of the conductive oxide of the present invention, the oxygen deficiency can be generated by, for example, extracting oxygen from the oxide, as in the first aspect of the present invention. When produced, oxygen vacancies tend to occur naturally. Of course, the oxygen deficiency can also be adjusted by adding a step of extracting oxygen. As a method for extracting oxygen atoms and generating oxygen vacancies, a method of heat-treating an oxide in a reducing atmosphere or an inert gas atmosphere can be used.
[0051]
The conductive oxide of the third aspect of the present invention basically has the general formula Zn as in the case of the conductive oxide of the first aspect.xMyInzO(x + 3y / 2 + 3z / 2)Is obtained by forming an oxide having a desired composition represented by the following formula, injecting cations into the obtained oxide, and introducing oxygen vacancies as necessary. The oxide can be formed by a sintering method, a thin film method, or the like. When the oxide is formed by a sintering method, oxygen vacancies may be introduced during oxide formation depending on conditions. Further, as an example of the thin film method, the method described in the conductive oxide of the first aspect can be used in the same manner.
[0052]
Zn0.66Ga0.17In0.17O1.17In the case where the cation is implanted into the oxide represented by the following formula, when the oxygen deficiency d is 0, for example, by the same method as the conductive oxide of the first aspect, Zn0.66Ga0.17In0.17O1.17After forming an oxide represented by the following formula, it can be manufactured by implanting appropriate ions. In addition, when the oxygen deficiency d exceeds 0, Zn is formed by the same method as that for the conductive oxide of the first aspect.0.66Ga0.17In0.17O1.17-dAfter forming an oxide represented by the following, suitable ions are implanted, or Zn0.66Ga0.17In0.17O1.17After forming an oxide represented by the following formula, it can be manufactured by implanting appropriate ions and extracting oxygen.
The above procedure is the same in the case of creating an electrode having a conductive layer of a conductive oxide of the third aspect.
[0053]
An ion implantation method is used for the cation implantation. As the ion implantation method, those used in the ultra-large scale integrated circuit manufacturing process or the like as means for introducing impurities into the solid can be used as they are. This can be done by ionizing the cation element to be implanted, accelerating it to several tens of keV or more, and implanting it into the oxide.
[0054]
The injected cations dissolve in the crystal lattice and give carrier electrons to the conduction band to develop conductivity. When the oxide does not have oxygen vacancies, the amount of cations injected is 1 × 1018/ CmThree~ 1x10twenty two/ CmThreeIt is appropriate to select so that it falls within the range. In the case where the oxide has oxygen vacancies, it is appropriate that the sum of the amount of carrier electrons generated by oxygen vacancies and the amount of electrons generated by cation implantation falls within the above range.
The amount of carrier electrons is 1 × 1018/ CmThreeIf it is smaller, sufficient electrical conductivity cannot be obtained and 1 × 10twenty two/ CmThreeIf it is larger, absorption due to plasma vibration appears in the visible region, and transparency is deteriorated. The amount of carrier electrons is preferably 1 × 1019/ CmThree~ 5x10twenty one/ CmThreeRange.
[0055]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples.
[0056]
Examples 1-9
In2OThree(High Purity Chemical Research Co., Ltd., purity 99.99%), Ga2OThree(High-purity chemical laboratory Co., Ltd., purity 99.99%) and ZnO (High-purity chemical laboratory Co., Ltd., purity 99.99%) Each powder, the ratio of the metal contained in the mixed powder Were weighed so that the values in Table 1 were obtained. The weighed powder was mixed with 200 g of zirconia beads having a diameter of 2 millimeters in a polyamide container having a capacity of 500 ml and wet-mixed for 1 hour using a planetary ball mill apparatus manufactured by Fritz Japan. Ethanol was used as a dispersion medium. Each mixed powder was calcined in an alumina crucible in the atmosphere at 1000 ° C. for 5 hours, and then pulverized again using a planetary ball mill apparatus for 1 hour. The baked powder thus prepared is uniaxially pressed (100 kg / cm2) To form a disk shape having a diameter of 20 mm and fired at 1400 ° C. for 2 hours in the air to obtain a sintered body. This sintered body was further heat-treated at 880 ° C. for 2 hours under an argon atmosphere.
[0057]
In order to measure the electrical conductivity, lead wires were pressure-bonded at four locations on the circumference of the disk sample, and the electrical conductivity and the amount of carrier electrons were measured with a van der Pauw electrical conductivity measuring device.
In addition, in order to measure the light absorption characteristics, a disk sample was placed in a Hitachi type 330 type self-recording spectrophotometer, and the absorbance was measured while sweeping from a wavelength of 500 nm to a short wavelength side by a diffuse reflection method. . The wavelength at which the reflected light intensity was 50% of the incident light intensity was defined as the absorption edge wavelength.
The amount of oxygen deficiency is determined by crushing the sintered body sample, mixing well with carbon powder, placing in a quartz tube furnace, vacuuming, flowing Ar gas, heating at 600 ° C., carbon dioxide in the Ar gas discharged The amount was measured by infrared absorption spectrum and calculated as the ratio of stoichiometric amount to oxygen amount (x + 3y / 2 + 3z / 2).
Table 1 shows the oxygen deficiency, electrical conductivity, fundamental absorption edge wavelength, and carrier electron content measured as described above.
[0058]
[Table 1]
[0059]
Comparative Examples 1-4
In2OThree, Ga2OThreeA disk sample was prepared in the same manner as in Example 1 except that each powder of ZnO and ZnO was weighed so that the ratio of the metal contained in the mixed powder was the value shown in Table 2, and the oxygen deficiency, electrical conductivity, absorption The edge wavelength and the amount of carrier electrons were measured. The results are shown in Table 2.
[0060]
[Table 2]
[0061]
Examples 10-14
In used in Example 12OThree, Ga2OThreeZnO and MgCOThree(Kanto Chemical Co., Inc., purity 99.9%) and Al2OThreeEach powder of high purity chemical laboratory (purity 99.99%) was weighed so that the ratio of the contained metal in the mixed powder was the value shown in Table 3, and the same method as in Example 1 was used. A disk sample was prepared. Table 3 shows the amount of oxygen deficiency, electrical conductivity, absorption edge wavelength, and amount of carrier electrons.
[0062]
[Table 3]
[0063]
Examples 15-22
In2OThree(High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), Ga2OThree(Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), ZnO (High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), Al2OThree(Purity Research Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), SnO2(High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), SiO2(High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), TiO2(High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), V2OFive(High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), GeO2(Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), ZrO2(High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), MoOThree(High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), Nb2OFive(High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%) and Ta2OFiveA method similar to that of Example 1 was prepared by weighing each powder of High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd. (purity: 99.99%) so that the ratio of the metal elements contained in the mixed powder was the value shown in Table 4. A disk sample was prepared. Table 4 shows the electrical conductivity, absorption edge wavelength, and carrier electron content of these samples.
[0064]
[Table 4]
[0065]
Example 25
Using the baked powder prepared in Example 2, uniaxial pressure (100 kg / cm2) To produce a disk shaped body having a diameter of 25 mm and fired at 1300 ° C. for 24 hours in the air to obtain a sintered body. The surface of the sintered body was polished and fixed on a backing plate using an adhesive to obtain a sputtering target. This is fixed to a BC1457 type sputtering apparatus manufactured by Nippon Vacuum Co., Ltd. and Ar / O2A gas having a ratio of 40/10 was introduced into the apparatus, and an RF power of 180 W was input for 40 minutes to produce a thin film having a thickness of about 2000 angstroms on a quartz glass substrate heated to 500 ° C. This was heat-treated at 400 ° C. to 1000 ° C. in the atmosphere, and then heat-treated at 880 ° C. for 2 hours in an argon atmosphere.
[0066]
The electrical conductivity and absorption edge wavelength of the product were measured by the same method as in Example 1. However, since this sample is not a sintered body, the absorption edge wavelength was measured by the light transmission method using the apparatus of Example 1, and the wavelength at which the transmittance began to decrease was defined as the absorption edge wavelength. Table 5 shows the electrical conductivity, absorption edge wavelength, transmittance with respect to 400 nm light, and the amount of carrier electrons measured as described above.
[0067]
Example 26
A thin film was prepared by the method described in Example 25. However, since the heat treatment was not performed in an Ar atmosphere, the thin film did not exhibit electrical conductivity at this stage. H on this membrane+About 3 μA / cm of ions23 × 10 at a dose rate of16Ion / cm2Table 5 shows the electrical conductivity, absorption edge, transmittance for 400 nm light, and carrier electron amount measured by the same method as in Example 25.
[0068]
Comparative Example 5
Using an ITO target containing 5% Sn with respect to In, an ITO thin film having a thickness of about 2000 angstroms was formed on a quartz glass substrate by the same method as in Example 26. Table 5 shows the measured electrical conductivity, absorption edge wavelength, and transmittance for 400 nm light of the ITO thin film.
The thin film of Example 26 has the same conductivity as the thin film of Comparative Example 5, but the absorption edge wavelength is on the short wavelength side. For this reason, the transmittance with respect to light of 400 nm was remarkably high, and the yellow color was clearly recognized in the thin film of Comparative Example 1, whereas the thin film of Example 26 was hardly colored.
[0069]
[Table 5]
[0070]
Example 27
Using the spatalling target and spatalling apparatus of Example 25, Ar / O2A gas having a ratio of 40/10 was introduced into the apparatus, and a thin film having a thickness of 2000 angstroms was formed on a color filter substrate heated to 300 ° C. by inputting 100 W of RF power for 40 minutes. This was heat-treated at 300 ° C. for 1 hour in the atmosphere.
Electrical conductivity, absorption edge wavelength, transmittance (at 400 nm) and carrier electron content were measured in the same manner as in Example 25 and are shown in Table 6.
[0071]
Comparative Example 6
Using an ITO target containing 5% Sn with respect to In, an ITO thin film having a thickness of about 2000 angstroms was formed on the color filter substrate by the same method as in Example 27. Further, after heat treatment at 300 ° C. for 24 hours in the air, heat treatment was performed at 300 ° C. for 1 hour in an argon atmosphere. The ITO thin film was measured for electrical conductivity, fundamental absorption edge wavelength, transmittance for 400 nm light, and carrier electron content. The results are shown in Table 6.
The thin film electrode of Example 27 had the same conductivity as the thin film electrode of Comparative Example 6. However, the thin film electrode of Example 27 had a fundamental absorption edge wavelength on the short wavelength side.
[0072]
[Table 6]
[0073]
【The invention's effect】
According to the present invention, a novel conductivity that has an absorption edge shorter than 450 nm, has an electric conductivity equal to or higher than that of ITO, and does not cause coloring even when the film thickness is larger than that of the ITO film. Oxides can be provided.
Furthermore, according to the present invention, an electrode useful for a liquid crystal display, an EL display, a solar cell, or the like can be provided using the conductive oxide.
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