JP3763544B2 - Conductive oxide and electrode using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、優れた電気伝導性を有する導電性酸化物及びこの導電性酸化物を用いた電極に関する。本発明の導電性酸化物は、可視域全域での透明性に優れるので、光透過性が必要なディスプレイや太陽電池用の電極等として特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
可視光線領域で透明でかつ電気伝導性を有するいわゆる透明導電性材料は、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどの各種パネル型ディスプレイや太陽電池の透明電極として用いられている。さらには、冷凍ショーケースの防曇ヒーター、建物及び自動車の窓ガラスの熱線反射膜、透明物の帯電防止や電磁波遮蔽用のコーティング等としても利用されている。
【0003】
透明導電性材料としては、金属酸化物半導体が一般に用いられる。例えば、酸化スズ(SnO2 )、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、Cd2 SnO4 、CdIn2 O4 など種々提案されている。透明導電性材料の透明性は基礎吸収端波長に関係する。基礎吸収端波長とは、材料の価電子バンドから伝導バンドへの電子遷移により生じる光吸収の始まる波長を意味する。基礎吸収端波長は分光光度計を用いて反射法や透過法により測定することができる。ITOは、この吸収端が450nm付近にあり、これより長波側の光を吸収しない。従って、可視領域の短波長領域を除くほぼ全域にわたって透明性がある。同時に、金属に匹敵するキャリア濃度と、酸化物としては比較的大きいキャリア移動度を有し、1000S/cm以上の高い電気伝導率を有する。そのため、上記材料の中でも、ITOが広範に使われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
各種パネル型ディスプレイは、電話機、洗濯機、炊飯器、ゲーム機、携帯テレビ、コンピューター、ワードプロセッサーなどの電気製品に広く使われている。特に、ノートブック型パーソナルコンピューターやワードプロセッサーなどでは対角10インチほどの大きなパネル型ディスプレイが使用されるようになってきた。また、壁掛けテレビなどに用いるためにさらに大きなパネル型ディスプレイの開発研究が進められている。
【0005】
これまでパネル型ディスプレイ用の透明電極にも、材料としては、ITOが用いられてきた。しかし前述のように、ITOは、基礎吸収端波長が450nmであって、可視領域の短波長側領域(450nm以下)での透明性が乏しい。そのため、ITO電極の膜厚が厚くなると着色を生じるので、膜厚は薄いほど好ましかった。しかし、電気抵抗を低くして消費電力を低減するという観点からは、膜厚は厚いほど好ましい。そこで、これまでは、透明性と電気抵抗の両者を考慮して適当な膜厚の透明電極が用いられてきた。
【0006】
ところが、より大きなサイズのパネル型ディスプレイ用の透明電極においては、電極平面の端から端までが長くなり、その間の電気抵抗が大きくなる。また、より高精細のディスプレイでは、透明電極の線巾が細くなり、やはり高抵抗化につながる。電気抵抗を低減するために電極膜厚を厚くすると、電極に着色が生じてしまい、実用には耐えられない。すなわち、これまで透明電極用材料として実用されているITOをそのまま用いては、透明性と電気伝導性とを共に満足する大型透明電極を得ることはできなかった。
【0007】
このような理由から、可視領域の450nm以下の短波長側領域でも透明性があり、かつ導電性の高い材料を開発することが課題となっていた。従来、吸収端が450nmより短波長側にある材料としては、例えば、スピネル化合物であるZnGa2 O4 が報告されている。ZnGa2 O4 は、吸収端が250nmにある。しかし、電気伝導率が30S/cmと低い(日本セラミック協会93年会講演予稿集585頁)。また、トリルチル型化合物であるCdSb2 O6 も知られている。CdSb2O6 の吸収端は、350nmにある。しかし、これも電気伝導率が40S/cmと低い(第54回応用物理学会学術講演会講演予稿集、第2巻、502頁)。
【0008】
すなわち、従来、吸収端が450nmより短波長側にあり、しかもITOと同等かそれ以上の電気伝導率を有する材料は、知られていなかった。そこで本発明の目的は、吸収端が450nmより短波長側にあって、かつITOと同等かそれ以上の電気伝導率を有するために、ITO膜より大きな膜厚としても着色を生じない新規な材料を提供することにある。さらに本発明の目的は、上記の新たな材料を用いた、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び太陽電池等に有用な電極を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の態様の酸化物は、一般式In2 Snx O3+2x-d(ただし、xは1.2以上、2.0未満の範囲であり、dは0以上、1以下の範囲である)で表されることを特徴とする導電性酸化物である。
【0010】
本発明は、一般式In2 Snx O3+2x-d(ただし、xは1.2以上、2.0以下の範囲であり、dは0以上、1以下の範囲である)で表され、InおよびSnの少なくとも一つの元素の一部がInおよびSn以外の元素と置換され、Inと置換される元素は原子価が3価以上の元素であり、Snと置換される元素は原子価が4価以上の元素であることを特徴とする導電性酸化物(第2の態様の酸化物)に関する。
【0011】
さらに本発明は、透明基板の少なくとも一方の表面の少なくとも一部に前記の本発明の導電性酸化物が含まれる層を有する電極に関する。以下、本発明について説明する。
【0012】
第1の態様の酸化物は、一般式In2 Snx O3+2x-d(ただし、xは1.2以上、2.0未満の範囲であり、dは0以上、1以下の範囲である)で表されることを特徴とする導電性酸化物である。従来、一般式In2 Snx O3+2xで表される酸化物がいくつか知られている。まず、xが0である酸化物はIn2 O3 であり、C−稀土構造を有している。C−稀土構造はよく知られた結晶構造であって、たとえば「図解ファインセラミックスの結晶化学」(F.S. ガラッソー著、加藤誠軌、植松敬三訳、アグネ技術センター刊(1984))などに記載されている。C−稀土構造を有する酸化物の組成式はA2 O3 で表され、この構造の単位格子は陰イオンが欠けた8個のホタル石構造の単位格子を組み合わせることにより得られる。
【0013】
次に、xが0よりやや大きい酸化物は、いわゆるITOである。ITOはIn2 O3 と同じくC−稀土構造を有しており、SnイオンはInイオンのサイトに置換固溶している。ITOは一般には0<x≦0.3の範囲で用いられている。xが0.3より大きい場合には、電気伝導率が小さくなってしまうためである。
【0014】
第三に、xが1であるIn2 SnO5 がファルフォロメーフ(Varfolomeev)らにより報告されている(M.Varfolomeev,Inog.Mtter.(Engl.Transl.),vol.11, p1926,(1975))。ファルフォロメーフらは、共沈法により調製したInとSnの水酸化物の混合物を900℃で反応させたのち、600℃〜700℃で加熱して試料を得、X線回折パターンを測定した。ただし、結晶構造は解析されていない。
【0015】
第四に、xが2のものとして、In2 Sn2 O7 がある。もっとも、In2 Sn2 O7 の結晶構造については、見解の異なる研究報告がなされている。まず、A.E.ソロフェバ(Solov'eva)とV.A.ザーダノフ(Zhdanov)はIn2 Sn2 O7 のX線回折パターンを調べ、Yb2 Sn2 O7 およびEu2 Sn2 O7 との比較から、In2 Sn2 O7 は格子定数10.226オングストロームのパイロクロア型結晶構造を有すると推定している。(Izvestiya Akademii Nauk SSSR, Neorganicheskie Materialy, Vol.21, No.6,pp.957−960,1985)。パイロクロア構造はよく知られた結晶構造であって、たとえば上述した「図解ファインセラミックスの結晶化学」などに詳しく説明されている。パイロクロア構造を有する結晶の組成式はA2 B2 X7 で表され、陰イオンXが不足している面心立方格子のホタル石構造であるとみなすことができる。パイロクロア構造の単位格子は立方で、単位格子の稜の長さはホタル石構造の稜の長さの2倍である。ソロフェバ(Solov'eva)らはパイロクロア構造を持つIn2 Sn2 O7 が熱的に安定であると述べている。
【0016】
しかし、ソロフェバ(Solov'eva)よりも先、ブリッセ(Brisse)らはパイロクロア構造を持つIn2 Sn2 O7 を合成しようと試みたが、Inイオンの一部をYで置換するなどの工夫を加えても、パイロクロア構造を持つIn2 Sn2 O7 は合成できなかったと報告している(Francois Brisse and Osvald Knop,Canadian Journal of Chemistry,vol.46,p859,1968)。ブリッセ(Brisse)らの検討によれば、パイロクロア構造を持つ三価イオンの半径には下限があり、Lu3+より小さな三価イオンはパイロクロア構造を形成できない。Lu3+のイオン半径は0.99オングストロームであるのに対して、In3+のイオン半径は0.92オングスロトームである。
【0017】
以上が、従来報告されている一般式In2 Snx O3+2xで与えられる酸化物の化学組成と結晶構造である。すなわち、x=0、0<x≦0.3、x=1およびx=2である酸化物が知られていた。これに対して、第1の態様の導電性酸化物は、xは1.2≦x<2.0の範囲にあり、一般式In2 Snx O3+2x(ただし、xは1.2以上、2.0未満の範囲)で表される。すなわち、本発明の導電性酸化物は、従来報告されている酸化物のうち、In2 O3 、ITO、In2 SnO5、In2 SnO7 とは、組成範囲が異なる酸化物である。
【0018】
本発明の導電性酸化物の有する結晶構造は、従来報告されている一般式In2Snx O3+2xで与えられる酸化物の有する結晶構造とは異なっている。表1に、本発明の導電性酸化物の代表例であるxが1.6である酸化物と従来報告されている酸化物のX線回折パターンを、d値と回折線の相対強度によって示す。ただし、最も強い回折線の相対強度を100とし、相対強度10以下の回折線を省略した。本発明の導電性酸化物における試料の調製方法、X線回折パターンの測定方法は、参考例2に後述する。他の結晶のX線回折パターンは、JCPDSカードに記載の値であり、In2 O3 は、6−416に、In2 SnO5 は32−458に、In2 Sn2 O7 は、39−1058から引用した。
【0019】
本発明の導電性酸化物のX線回折パターンには、d=2.962と2.933、d=1.805と1.792およびd=1.540と1.532にそれぞれ対になった回折線が、d=2.545に孤立した回折線が存在する。In2 O3 のX線回折パターンにも本発明の導電性酸化物の回折線に近い位置、d=2.921、d=1.788およびd=1.525に回折線が存在するが、それぞれは孤立しており、対になっていない。In2 SnO5 のX線回折パターンには、本発明の導電性酸化物の回折線に近い位置に存在する回折線が無い。In2 SnO7のX線回折パターンにも本発明の導電性酸化物の回折線に近い位置、d=2.950、d=2.550、d=1.790およびd=1.542に回折線が存在するが、それぞれは孤立しており、対になっていない。
【0020】
このように、本発明の導電性酸化物のX線回折パターンは、従来報告されている酸化物のX線回折パターンと異なっている。すなわち、本発明の導電性酸化物の有する結晶構造は、In2 O3 の有するC−稀土型でもなく、In2 SnO5の有する構造でもなく、In2 Sn2 O7 についてソロフェバ(Solov'eva)らが主張した単純なパイロクロア型でもない。本発明の導電性酸化物は、従来報告されている酸化物とは、結晶構造が異なる新たな酸化物である。結晶構造は歪んだパイロクロア構造ではないかと推定されるが、未だ確認できていない。
【0021】
【表1】
【0022】
もっとも、本発明の導電性酸化物の有する結晶構造が、ブリッセ(Brisse)らが調製したIn2 Sn2 O7 の結晶構造と異なるか否かを判断することはできない。ブリッセ(Brisse)らは彼らの試料がパイロクロア型でないことを示したのみで、X線回折パターンなどの結晶構造に関する情報を与えなかったからである。ブリッセ(Brisse)らは、彼らが調製したIn2 Sn2 O7 の結晶構造が、C−稀土型であるのか、SnO2 の有するルチル型であるのか、C−稀土型結晶とルチル型結晶の混合物であるのか、さらにはそれ以外の結晶構造であるのかについて、まったく言及していない。
【0023】
本発明者らは、本発明の導電性酸化物が、ITOと同等以上の電気伝導率を有することを見いだした。上述したように、xが0.3より大きいITOは、電気伝導率が小さくなってしまうので用いられない。これは、C−稀土構造のInサイトに固溶するSnイオンによって伝導電子が散乱され、移動度を低下させる機構が働くためとされている。しかるに、xをさらに1.2以上とするとC−稀土構造と異なる結晶構造、すなわち本発明の導電性酸化物の結晶構造に変化するので、C−稀土構造において移動度を低下させた機構を存在しなくなる。これによって、本発明の導電性酸化物の電気伝導率は、ITOと同等以上になるのである。このため、同じ膜厚で比較するならば、ITOと同等以下の低い抵抗値を有する透明電極を作製できる。
【0024】
本発明者らは、本発明の導電性酸化物が、ITOの基礎吸収端波長よりも短波長の基礎吸収端波長を有することを見いだした。本明細書において、基礎吸収端波長とは、以下の方法によって測定した波長として定義する。すなわち、本発明の導電性酸化物またはITOのディスク状焼結体試料を調製し、表面を平滑とし、これに光を入射し、入射光強度を長波長側から掃引し、反射光強度が入射光強度の50%となる波長として定義する。反射光強度の測定は、拡散反射法による。測定器には、日立電気社製330型自記分光光度計を用い、積分球を用いる。こうして測定される基礎吸収短波長は、本発明の導電性酸化物の場合には420nmであり、ITOの場合には450nmである。すなわち、本発明の導電性酸化物の基礎吸収端波長はITOよりも30nm短波長側に存在する。このため、着色の許容限界を与える膜厚がITOに比較して厚くなって、膜厚の厚い透明電極を作製できる。
【0025】
第1の態様の導電性酸化物において、xの範囲は、1.2以上、2.0未満の範囲である。xが2.0以上になるとSnO2 結晶が多く析出し、xが1.2より小さくなるとIn2 O3 が多く析出して、本発明の導電性酸化物の単相が得られなくなる。より望ましくは、xは、1.3以上、1.8以下であり、更に望ましくは、xは1.4以上、1.7以下である。なお、xが、1.2以上、2.0未満の範囲にあっても、合成した酸化物のなかに、本発明の導電性酸化物と異なる結晶が共存することがある。共存量が、酸化物の透明性および導電性の点で実用上の問題が生じない範囲であれば、後述する電極に支障無く使用することができる。第1の態様の導電性酸化物と共存する可能性がある酸化物としては、例えばITO、In2 O3 、SnO2 等が挙げられる。但し、これらの酸化物に限定されるものではない。また、第1の態様の導電性酸化物と異なる結晶が共存する可能性は、本発明においても同様に有る。これらの場合にも、共存量が、酸化物の透明性および導電性の点で実用上の問題が生じない範囲であれば、後述する本発明の電極に支障無く使用することができる。
【0026】
一般式In2 Snx O3+2x-dで表される酸化物において重要なことは、Inイオン数とSnイオン数の比率がxで与えられる範囲にあることであり、酸素イオン数の比率がxで厳密に限定される必要はない。すなわち、酸素イオン数のInイオン数またはSnイオン数に対する比率が、一般式In2 Snx O3+2xで与えられる比率よりもやや少なくなっても良い。酸素欠陥が存在しても本発明の導電性酸化物の有する結晶構造が保たれれば、透明性と導電性が発現するからである。そのような酸素欠陥のある酸化物が、dが0を超える酸化物である。
【0027】
第1の態様の導電性酸化物において、酸素欠損量dは1以下の範囲である。この範囲の酸素欠損量であることで、電極等として良好に用いることができる。酸素欠損量dは、結晶の安定性、電気電導性と透明性のバランスという観点からは、好ましくは0.5以下の範囲である。尚、酸素欠損量とは、1モルの酸化物結晶中に含まれる酸素イオンの数を化学量論量の酸素イオンの数から差し引いた値をモル単位で示した値である。酸化物結晶中に含まれる酸素イオンの数は、例えば、酸化物結晶を炭素粉末中で加熱させて生成する二酸化炭素の量を赤外吸収スペクトルで測定することで算出することができる。また、化学量論量の酸素イオンの数は酸化物結晶の質量から算出することができる。
【0028】
一般に酸化物の酸素欠損は、例えば、酸化物から酸素を引き抜くことにより生成させることができるが、本発明の導電性酸化物の場合、例えば焼結法により製造すると、自然に酸素欠損を生じやすい。もちろん、酸素を引き抜く工程を加えることによっても、酸素欠損量を調整することができる。酸素原子を引き抜いて酸素欠損を作る方法としては、本発明の導電性酸化物を還元性雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で加熱処理するなどの方法を用いることができる。
【0029】
第1の態様の導電性酸化物は、常法により酸化物を形成することにより得られる。酸化物の形成は、焼結法、薄膜法(例えば、スパッタリング法、CVD法、MBE法、蒸着法)などにより行うことができる。焼結法は、例えば原料である酸化インジウム及び酸化スズを所望の組成になるように秤量、混合し、所望の形状に成形し、例えば1400℃〜1700℃で1〜48時間焼成することにより行うことができる。1400℃以下では酸化インジウムと酸化スズの反応が進行せず、第1の態様の導電性酸化物は得られない。1700℃以上では酸化インジウムまたは酸化スズの蒸発が進行し、組成が大きく変動してしまう。
【0030】
薄膜法は、例えばスパッタリング法の場合、xが1.6であるIn2 Sn1.6O6.2 を得ようとする場合、ターゲットとして例えばIn2 Sn1.6 O6.2 の組成を有する焼結体または混合粉成形体等を用い、10-4〜10-2Torrの圧力下、室温から500℃の範囲で基板を加熱して、石英等のガラスまたはPMMA等のプラスチック等の透明基板上などに成膜することができる。
【0031】
第1の態様の導電性酸化物の導電性は、焼結法または薄膜法により酸化物を形成した際に現れるが、dが0を超えて、酸素欠損を導入するとさらに向上する。結晶から酸素原子を引き抜いた際に酸素空孔には電子が残されるが、この電子が熱エネルギーにより励起されて、伝導バンドに注入されるからである。電子の注入量は、1×1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲とすることが適当である。即ち、上記範囲の電子の注入量となるように酸素欠損を導入することが好ましい。電子の注入量が上記範囲未満であると電気伝導性を得にくくなり、電子の注入量が上記範囲を越えると、プラズマ振動により可視光域での透明性が低下する。電子の注入量は、好ましくは1×1019/cm3 〜5×1021/cm3 の範囲である。
【0032】
本発明の導電性酸化物(第2の態様の導電性酸化物)において、xの範囲は、1.2以上、2.0以下の範囲である。xが2.0を超えるとSnO2 結晶が多く析出し、xが1.2より小さくなるとIn2 O3 が多く析出して、本発明の導電性酸化物の単相が得られなくなる。より望ましくは、xは、1.3以上、1.8以下であり、更に望ましくは、xは1.4以上、1.7以下である。また、酸素欠損量dは1以下の範囲でありこの範囲の酸素欠損量であることで、電極等として良好に用いることができる。酸素欠損量dは、結晶の安定性、電気電導性と透明性のバランスという観点からは、好ましくは0.5以下の範囲である。
【0033】
本発明の導電性酸化物(第2の態様の導電性酸化物)では、酸素欠損を導入すること以外に、金属イオンの一部を別の金属イオンで置換することによりキャリア電子が伝導帯に注入されて、導電性を向上させることができる。即ち、本発明の導電性酸化物(第2の態様の導電性酸化物)では、InおよびSnの少なくとも一つの元素の一部をInおよびSn以外の元素と置換する。Inと置換できる元素は原子価が3価以上の元素であり、Snと置換できる元素は原子価が4価以上の元素である。
【0034】
インジウムは原子価が3価の元素であり、これと置換可能な元素は原子価が3価以上の元素である。原子価が高いほど少量の置換で、より大きいキャリア注入量を与えることが可能である。置換可能な元素の原子価は通常3価〜6価の範囲である。原子価が3価以上の元素としては、例えばAl、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Sn、Sb、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Tl、Pb、Bi、Poを挙げることができる。
【0035】
Snは原子価が4価の元素であり、これと置換可能な元素は原子価が4価以上の元素である。原子価が高いほど少量の置換で、より大きいキャリア注入量を与えることが可能である。置換可能な元素の原子価は通常4価〜6価の範囲である。原子価が4価以上の元素としては、例えば、Si、Ti、V、Cr、Mn、Ge、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Sb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Pb、Poを挙げることができる。
【0036】
In及び/またはSnの一部が上記のような元素で置換されることで、キャリア電子が伝導バンドに注入される。キャリア電子の伝導バンドへの注入は、上述のように酸素欠損の導入によっても生じる。従って、本発明の酸化物(第2の態様の酸化物)においては、元素の置換又は元素の置換と酸素欠損によってキャリア電子が伝導バンドに注入される。電子の注入量は、1×1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲とすることが適当であり、各元素の置換量又は元素の置換量と酸素欠損量とは、電子の注入量が上記範囲になるように調整することが適当である。電子の注入量は、好ましくは1×1019/cm3 〜5×1021/cm3 の範囲である。また、置換する元素の種類によっては可視領域の光を吸収する性質を有するものもある。そこで、透明電極として用いる際の置換元素の種類及び置換量は、可視領域の光の平均透過率が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上となるように選ぶことが適当である。
【0037】
本発明の導電性酸化物(第2の態様の導電性酸化物)は、例えば以下の方法により製造できる。焼結法の場合には例えば原料である酸化インジウム、酸化スズと酸化ジルコニウムを例えば(In1.99Zr0.01)Sn1.6 O6.2 の組成になるように混合し、所望の形状に成形し、例えば1400℃〜1700℃で1〜48時間、大気中または不活性ガス雰囲気中で焼成することにより行うことができる。また、薄膜法では、例えば、スパッタリング法の場合、ターゲットとして例えば(In1.99Zr0.01)Sn1.6 O6.2 の組成を有する焼結体または混合粉成形体等を用い、10-4〜10-2Torrの圧力下、室温から500℃の範囲で基板を加熱して、例えば、石英等のガラスまたはPMMA等のプラスチック等の基体上に成膜することができる。
【0038】
さらに、酸素欠損は、第1の態様と同様に、例えば、酸化物から酸素を引き抜くことにより生成させることができるが、本発明の導電性酸化物の場合、例えば焼結法により製造すると、自然に酸素欠損を生じやすい。もちろん、酸素を引き抜く工程を加えることによっても、酸素欠損量を調整することができる。酸素原子を引き抜いて酸素欠損を作る方法としては、本発明の導電性酸化物を還元性雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で加熱処理するなどの方法を用いることができる。
【0039】
本発明の他の態様は、透明基板の少なくとも一方の表面の少なくとも一部に前記本発明の導電性酸化物(第2の態様の導電性酸化物)が含まれる層を有する電極に関する。導電性酸化物が含まれる層の膜厚は、電極に要求される光学的特性、伝導性及び用途等を考慮して適宜決定でき、液晶パネル用電極の場合には、例えば下限は約50nmであり、上限は約1μmである。但し、酸化物に含まれる元素の種類によっては、可視領域に一部吸収を有するものもあり、その場合には、比較的薄い膜が好ましい。また、可視領域にほとんどまたはまったく吸収を有さないものについては、膜厚を厚くすることで、より高い伝導性を得ることができ、このとき着色の問題を生じない。
【0040】
さらに本発明の電極を構成する酸化物層は、本発明の導電性酸化物(第2の態様の導電性酸化物)のみからなる場合の外に、この酸化物と異なる結晶が共存する酸化物層であることもできる。他の結晶の共存量が、酸化物の透明性および導電性の点で実用上の問題が生じない範囲であれば、本発明の電極に支障無く使用することができる。本発明の導電性酸化物と共存する可能性がある酸化物としては、例えばITO、In2 O3 、SnO2 等が挙げられる。但し、これらの酸化物に限定されるものではない。
【0041】
透明基板としては、ガラスや樹脂などの透明な基体を挙げることができる。ガラス基板は、液晶ディスプレイなどに多く用いられる。ガラス基板には、ソーダ系ガラスと低いアルカリガラスがあり、一般的にはソーダ系ガラスが広く用いられているが、カラーディスプレイや高品質ディスプレイなどには低いアルカリガラスが優れている。可視領域における透明性が高く、平面性の優れたガラスを用いることが好ましい。樹脂基板としては、例えば、ポリエステル基板、PMMA基板等が挙げられる。樹脂基板は、ガラス基板に比べて、軽量であること、薄いこと、可撓性があって形の自由度が高いことなどを生かした多くの用途が検討されている。例えば、電子写真用フィルム、液晶ディスプレイ、光メモリ、透明タブレントスイッチ、帯電防止フィルム、熱線反射フィルム、面発熱フィルムなどである。液晶ディスプレイには、可視領域における透明性が高いこと、平面性に優れることの他に、加工性、耐衝撃性、耐久性、組立プロセスへの適合性などを考慮して用いることが好ましい。
【0042】
また、本発明の電極は、前記透明基板上に設けた下地層上に設けることもできる。下地層としては、カラーフィルター、TFT層、EL発光層、半導体層及び絶縁体層などを挙げることができる。また、下地層は2種以上を併設することもできる。
【0043】
本発明の電極の製造は、薄膜法により、以下のようにして行うことができる。製造方法の代表的なものとして、CVD法、スプレー法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、MBE法、スパッタリング法などがある。CVD法やスプレー法のような化学的手法は、真空蒸着法やスパッタリング法のような物理的手法に比べて設備は簡単であり、大型基板に適している。しかし、反応促進や特性安定化のために乾燥や焼成の工程を行うときには、350〜500℃の熱処理を必要とするので、ガラス基板上に直接製造する場合には適しているが、カラーフィルター、TFT素子や各種下地層の上に製造する場合には適していないことがある。物理的手法は、基板温度が150〜300℃の低温で成膜できるため、ガラス基板上に直接製造する場合だけでなく、カラーフィルター、TFT素子や各種下地層の上に製造する場合にも適している。なかでもスパッタリング法は生産性が高く、大面積基板に均一に成膜できるなどの点で特に優れている。
【0044】
本発明の電極は、種々の用途に利用することができる。例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び太陽電池等の電極として好適に用いることができる。液晶ディスプレイにはTFT型、STN型やMIM型など種々の型があるが、いずれの場合にも透明電極にはさまれた液晶に電場を加え、液晶の配向方向を制御して表示する原理を用いている。本発明の電極は、上記透明電極として用いることができる。例えば、TFT型のカラー液晶ディスプレイの構造は、バックライト、第一の偏光板、TFT基板、液晶、カラーフィルター基板及び第二の偏光板の6つの部分からなる。液晶の配向方向を制御するためにTFT基板上とカラーフィルター基板上に透明電極を形成する必要があるが、本発明の透明電極は上述の方法によりTFT基板上にもカラーフィルター基板上にも形成することができる。本発明の透明電極は、透明性が高くかつ導電性も高いのでTFT基板上またはカラーフィルター基板上に設ける透明電極として最適である。
【0045】
また、本発明の透明電極は、ELディスプレイ用電極として用いることもできる。ELディスプレイには分散型、ルモセン構造型や二重絶縁構造型などがあるが、いずれの場合にも透明電極と背面電極の間にEL発光層を挟み込む基本構造を有し、本発明の電極は、上記の透明電極として最適である。
【0046】
本発明の電極は、透明性及び導電性が高いことから、太陽電池用電極としても優れている。太陽電池は、pn接合型、ショットキーバリア型、ヘテロ接合型、ヘテロフェイス接合型やpin型などに分類されるが、いずれの場合にも透明電極と背面電極の間に半導体や絶縁体を挟み込む基本構造を有する。太陽電池は、半導体界面の光起電力効果を利用して、光エネルギーを電気に変換する素子であるので、なるべく広いスペクトル範囲にわたって光を半導体界面に導くことが必要であり、透明電極の透明性は高くなくてはならない。また、太陽電池の透明電極は半導体界面に生成した光生成キャリアを収集して端子に導き出す機能を持つので、光生成キャリアをなるべく有効に収集するためには透明電極の導電性が高くなくてはならない。本発明の透明電極は、450nmより短波長の光を含む、可視領域全域の広いスペクトル範囲にわたって光を半導体界面に導くことができる上に導電性が高いので太陽電池用の電極として優れている。
【0047】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0048】
参考例1〜4
In2 O3 (高純度化学研究所(株)社製、純度99.99%)及びSnO2(高純度化学研究所(株)社製、純度99.99%)各粉末を、混合粉末中の含有金属の比率が表2の値になるように秤量し、容量500mlのポリアミド容器に直径2ミリメートルのジルコニアビーズ200gを加え、フリッツジャパン社製遊星ボールミル装置を用いて1時間湿気混合した。分散媒にはエタノールを用いた。各混合粉をアルミナるつぼ中、大気下、1000℃で5時間仮焼した後、再び遊星ボールミル装置を用いて1時間解砕処理した。このようにして調製した假焼粉体を一軸加圧(100kg/cm2 )によって直径20ミリの円板状に成形し、大気下、1400℃〜1700℃で2時間焼成して焼結体を得た。
【0049】
参考例2の試料のX線回折パターンを図1に記す。測定に用いたX線回折装置はマックサイエンス(株)社製MXP18装置であり、Cuターゲットを用い、50kv、200mAの電力によってX線を発生、2θ−θモードで測定した。図1には、回折線が明瞭に現れており、試料が結晶性を有することが明らかであった。MXP18装置に付属しているX線回折パターンの検索プログラムを用いて、試料のX線回折パターンを、In2 O3 、In2 SnO5 及びパイロクロア型とされるIn2 Sn2 O7 のX線回折パターンと比較した。試料のX線回折ターンがいずれとも対応しないこと、すなわち、試料がいずれの結晶の構造とも異なる新たな結晶構造を有することを確認した。また、参考例1、3および4の試料についても同様に、X線回折パターンを測定した。参考例1の試料には、本発明の導電性酸化物の他に、若干量のIn2 O3 が混入していた。参考例3および4の試料には若干量のSnO2 が混入していた。
【0050】
導電性を確認するために、円板試料の円周上の4カ所に藤倉化成(株)製導電性樹脂材料K−1058を塗布し、850℃に保存した電気炉のなかで6分加熱して電極を形成した。この電極にリード線を半田付けし、ファンデアパウ法電気伝導率測定装置により電気伝導率を測定した。また、光吸収特性を測定するために、円板試料を日立電気(株)製330形自記分光光度計に設置し、拡散反射法により、波長500nmから短波長側に掃引しながら吸光度を測定した。反射光強度が入射光強度の50%となる波長を吸収端波長とした。酸素欠損量は、焼結体試料を粉砕、炭素粉末とよく混合、石英管状炉内に設置、真空置換ののち、Arガスを流し、600℃の加熱、排出されるArガス中の二酸化炭素の量を赤外線吸収スペクトルで測定して、算出した。以上のようにして測定した酸素欠損量、電気伝導率及び基礎吸収端波長を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
実施例5〜27
In2 O3 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、SnO2 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、Nb2 O5 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、Sb2 O5 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、SiO2 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、TiO2 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、V2 O5 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、GeO2 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、ZrO2 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)、MoO3 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)及びTa2O5 (高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)の各粉末を、混合粉末中の含有金属元素の比率が表3の値になるように秤量し、参考例1と同様の方法によって円板試料を作製した。これらの試料の電気伝導率と基礎吸収端波長を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
参考例28〜31
参考例1〜4で調製した假焼粉を用い、一軸加圧(100kg/cm2 )によって直径25ミリの円板成形体を作製、大気下、1400〜1700℃で2時間焼成して焼結体を得た。焼結体の表面を研磨し、バッキングプレート上に接着剤を用いて固定、スパッタリングターゲットとした。これを日本真空(株)製BC1457型スパッタリングターゲット装置に固定してAr/O2 比40/10のガスを装置内に導入し、180WのRFパワーを40分間入力して、500℃に加熱した石英ガラス基板上に厚み約2000オングストロームの薄膜を作製した。これを大気下、400℃〜1000℃で加熱処理したのち、構造解析を参考例1で使用したX線回折装置により行って本発明の導電性酸化物の結晶構造が生成したことを確認した。参考例1と同様の方法により電気伝導率と基礎吸収端波長を測定した。但し、この試料は焼結体ではないので、基礎吸収端波長の測定は参考例1の装置を用いて光透過法により行い、透過率が50%となった波長を基礎吸収端波長とした。以上のようにして測定した電気伝導率、基礎吸収端波長及び400nmの光に対する透過率は表4の値となった。
【0055】
比較例1
Snを5%含むITOターゲットを用い、参考例29〜32と同様の方法により、石英ガラス基板上に厚み約2000オングストロームのITO薄膜を作製した。このITO薄膜の電気伝導率、基礎吸収端波長および400nmの光に対する透過性を測定し、表4に示す。参考例28〜31の薄膜は比較例1の薄膜と同等の伝導率を持つが、吸収端波長が短波長側にある。このため、400nmの光に対する透過率が格段に高く、比較例1の薄膜に黄色の着色が明らかに認められたのに対して、参考例28〜31の薄膜は殆ど着色して見えなかった。
【0056】
【表4】
【0057】
参考例32〜35及び比較例2
参考例28〜31のスパタッリングターゲットおよびスパタッリング装置を用い、Ar/O2 比40/10のガスを装置内に導入し、100WのRFパワーを40分間入力して350℃に加熱したカラーフィルター基板上に厚み2000オングストロームの薄膜を作製した。これを大気下、350℃で24時間加熱処理したのち、構造解析を参考例1で使用したX線回折装置により行って導電性酸化物の結晶構造が生成したことを確認した。参考例28〜31と同様の方法により電気伝導率、基礎吸収端波長と透過率(400nmにおける)を測定した。参考例32〜35の薄膜電極は、比較例2の薄膜電極と同等の伝導率を有していた。但し、参考例32〜35の薄膜電極は、基礎吸収端波長が短波長側にあった。
【0058】
【表5】
【0059】
【発明の効果】
本発明の導電性酸化物及び電極は、可視域全域で高い透明性を有し、かつ電気伝導性も高く、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び太陽電池等の電極として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例2の試料のX線回折パターン。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a conductive oxide having excellent electrical conductivity and an electrode using the conductive oxide. Since the conductive oxide of the present invention is excellent in transparency in the entire visible region, it is particularly useful as an electrode for a display or a solar cell that requires light transmission.
[0002]
[Prior art]
A so-called transparent conductive material that is transparent in the visible light region and has electrical conductivity is used as a transparent electrode for various panel displays such as liquid crystal displays and EL displays, and solar cells. Furthermore, they are also used as anti-fogging heaters for refrigeration showcases, heat ray reflective films on window glass of buildings and automobiles, coatings for preventing static charges and shielding electromagnetic waves, and the like.
[0003]
A metal oxide semiconductor is generally used as the transparent conductive material. For example, tin oxide (SnO 2 ), Tin-doped indium oxide (ITO), Cd 2 SnO Four , CdIn 2 O Four Various proposals have been made. The transparency of the transparent conductive material is related to the fundamental absorption edge wavelength. The fundamental absorption edge wavelength means a wavelength at which light absorption caused by electronic transition from a valence band to a conduction band of a material starts. The fundamental absorption edge wavelength can be measured by a reflection method or a transmission method using a spectrophotometer. ITO has an absorption edge near 450 nm, and does not absorb light on the longer wave side. Therefore, there is transparency over almost the entire region except the short wavelength region in the visible region. At the same time, it has a carrier concentration comparable to that of metal, a relatively high carrier mobility as an oxide, and a high electric conductivity of 1000 S / cm or more. For this reason, ITO is widely used among the above materials.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Various panel-type displays are widely used in electrical products such as telephones, washing machines, rice cookers, game machines, portable TVs, computers, and word processors. In particular, notebook personal computers, word processors, and the like have come to use large panel type displays with a diagonal of about 10 inches. In addition, research on the development of larger panel displays for use in wall-mounted televisions is underway.
[0005]
Until now, ITO has been used as a material for transparent electrodes for panel-type displays. However, as described above, ITO has a fundamental absorption edge wavelength of 450 nm and has poor transparency in the short wavelength side region (450 nm or less) of the visible region. For this reason, coloration occurs when the thickness of the ITO electrode is increased. Therefore, the thinner the thickness, the better. However, from the viewpoint of reducing electric resistance by reducing electric resistance, a thicker film is preferable. So far, a transparent electrode having an appropriate film thickness has been used in consideration of both transparency and electrical resistance.
[0006]
However, in a transparent electrode for a panel display of a larger size, the length from the end to the end of the electrode plane becomes longer, and the electric resistance therebetween increases. Further, in a higher definition display, the line width of the transparent electrode becomes narrower, which also leads to higher resistance. If the electrode film thickness is increased in order to reduce the electrical resistance, the electrode is colored and cannot be practically used. That is, it has not been possible to obtain a large transparent electrode that satisfies both transparency and electrical conductivity by using ITO that has been practically used as a transparent electrode material.
[0007]
For these reasons, it has been a challenge to develop a material that is transparent and has high conductivity even in a short wavelength region of 450 nm or less in the visible region. Conventionally, as a material having an absorption edge shorter than 450 nm, for example, ZnGa, which is a spinel compound, is used. 2 O Four Has been reported. ZnGa 2 O Four Has an absorption edge at 250 nm. However, the electrical conductivity is as low as 30 S / cm (Japan Ceramic Association 93rd Conference Lecture Proceedings, page 585). Further, CdSb which is a tolyltyle type compound 2 O 6 Is also known. CdSb 2 O 6 The absorption edge of is at 350 nm. However, this also has a low electrical conductivity of 40 S / cm (Proceedings of the 54th JSAP Scientific Lecture, Volume 2, page 502).
[0008]
That is, conventionally, a material having an absorption edge shorter than 450 nm and an electric conductivity equal to or higher than that of ITO has not been known. Accordingly, an object of the present invention is to provide a novel material that does not cause coloring even when the film thickness is larger than that of an ITO film because the absorption edge is on the shorter wavelength side than 450 nm and has an electric conductivity equal to or higher than that of ITO. Is to provide. A further object of the present invention is to provide an electrode useful for a liquid crystal display, an EL display, a solar cell and the like using the above-mentioned new material.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
Oxide of the first aspect Is the general formula In 2 Sn x O 3 + 2x-d Where x is in the range of 1.2 or more and less than 2.0, and d is in the range of 0 or more and 1 or less. Is .
[0010]
The present invention Is the general formula In 2 Sn x O 3 + 2x-d (Where x is in the range of 1.2 or more and 2.0 or less, d is in the range of 0 or more and 1 or less), and a part of at least one element of In and Sn is In and Sn Conductive oxidation characterized in that an element substituted with an element other than In and an element substituted with In is an element having a valence of 3 or more, and an element substituted with Sn is an element having a valence of 4 or more Product (the oxide of the second embodiment).
[0011]
Furthermore, the present invention relates to an electrode having a layer in which at least a part of at least one surface of a transparent substrate contains the conductive oxide of the present invention. The present invention will be described below.
[0012]
First aspect The oxide of the general formula In 2 Sn x O 3 + 2x-d (Wherein x is in the range of 1.2 or more and less than 2.0, and d is in the range of 0 or more and 1 or less). Conventional, general formula In 2 Sn x O 3 + 2x Several oxides represented by the formula are known. First, the oxide whose x is 0 is In 2 O Three And has a C-rare earth structure. C-rare earth structure is a well-known crystal structure. For example, “Crystal Chemistry of Illustrated Fine Ceramics” (FS Garassau, Makoto Kato, translation by Keizo Uematsu, published by Agne Technology Center (1984)) Are listed. The composition formula of the oxide having C-rare earth structure is A 2 O Three The unit cell of this structure is obtained by combining eight unit cells of fluorite structure lacking anions.
[0013]
Next, the oxide whose x is slightly larger than 0 is so-called ITO. ITO is In 2 O Three And has a C-rare earth structure, and Sn ions are substituted and dissolved in In ion sites. ITO is generally used in the range of 0 <x ≦ 0.3. This is because when x is larger than 0.3, the electrical conductivity becomes small.
[0014]
Third, In where x is 1 2 SnO Five Have been reported by Varforomeev et al. (M. Varformomev, Inog. Mter. (Engl. Transl.), Vol. 11, p 1926, (1975)). Farforomef et al. Measured a X-ray diffraction pattern by reacting a mixture of In and Sn hydroxides prepared by coprecipitation at 900 ° C. and then heating at 600 ° C. to 700 ° C. to obtain a sample. did. However, the crystal structure has not been analyzed.
[0015]
Fourth, assuming that x is 2, In 2 Sn 2 O 7 There is. However, In 2 Sn 2 O 7 Regarding the crystal structure of, research reports with different views have been made. First, A. E. Solov'eva and V.S. A. Zhdanov is In 2 Sn 2 O 7 X-ray diffraction pattern of Yb 2 Sn 2 O 7 And Eu 2 Sn 2 O 7 From the comparison with In 2 Sn 2 O 7 Is estimated to have a pyrochlore crystal structure with a lattice constant of 10.226 angstroms. (Izvestia Akademii Nauk SSSR, Neoganichesky Material, Vol. 21, No. 6, pp. 957-960, 1985). The pyrochlore structure is a well-known crystal structure, and is described in detail, for example, in the above-mentioned “Crystal chemistry of illustrated fine ceramics”. The composition formula of a crystal having a pyrochlore structure is A 2 B 2 X 7 It can be considered that the fluorite structure has a face-centered cubic lattice in which the anion X is insufficient. The unit cell of the pyrochlore structure is cubic, and the length of the unit cell edge is twice the length of the edge of the fluorite structure. Solov'eva and others have a pyrochlore structure. 2 Sn 2 O 7 States that it is thermally stable.
[0016]
However, before Solov'eva, Brisse et al. 2 Sn 2 O 7 However, even if a device such as substituting Y for a part of In ions is added, In has a pyrochlore structure. 2 Sn 2 O 7 (Francois Brisse and Osvald Knop, Canadian Journal of Chemistry, vol. 46, p859, 1968). According to the study of Brisse et al., There is a lower limit to the radius of trivalent ions having a pyrochlore structure, and Lu 3+ Smaller trivalent ions cannot form a pyrochlore structure. Lu 3+ In contrast to the ionic radius of 0.99 angstroms, In 3+ Has an ion radius of 0.92 angstrom.
[0017]
The above is the general formula In reported so far. 2 Sn x O 3 + 2x The chemical composition and crystal structure of the oxide given by That is, oxides with x = 0, 0 <x ≦ 0.3, x = 1 and x = 2 have been known. On the contrary, First aspect In the conductive oxide, x is in the range of 1.2 ≦ x <2.0, and the general formula In 2 Sn x O 3 + 2x (Where x is in the range of 1.2 or more and less than 2.0). That is, the conductive oxide of the present invention is an Indium oxide that has been reported so far. 2 O Three , ITO, In 2 SnO Five , In 2 SnO 7 Are oxides having different composition ranges.
[0018]
The crystal structure of the conductive oxide of the present invention has a conventionally reported general formula In. 2 Sn x O 3 + 2x It differs from the crystal structure of the oxide given by Table 1 shows the X-ray diffraction patterns of oxides having x of 1.6, which is a representative example of the conductive oxide of the present invention, and oxides that have been reported so far, in terms of d value and relative intensity of diffraction lines. . However, the relative intensity of the strongest diffraction line was set to 100, and diffraction lines with a relative intensity of 10 or less were omitted. A sample preparation method and an X-ray diffraction pattern measurement method in the conductive oxide of the present invention will be described later in Reference Example 2. X-ray diffraction patterns of other crystals are the values described in the JCPDS card, and In 2 O Three 6-416, In 2 SnO Five 32-458, In 2 Sn 2 O 7 Quoted from 39-1058.
[0019]
In the X-ray diffraction pattern of the conductive oxide of the present invention, d = 2.962 and 2.933, d = 1.805 and 1.792, and d = 1.540 and 1.532 were paired, respectively. There is an isolated diffraction line at d = 2.545. In 2 O Three In the X-ray diffraction pattern, there are diffraction lines at positions near the diffraction line of the conductive oxide of the present invention, d = 2.921, d = 1.788, and d = 1.525. And not paired. In 2 SnO Five In the X-ray diffraction pattern, there is no diffraction line that exists near the diffraction line of the conductive oxide of the present invention. In 2 SnO 7 Also in the X-ray diffraction pattern, there are diffraction lines at positions near the diffraction line of the conductive oxide of the present invention, d = 2.950, d = 2.550, d = 1.790, and d = 1.542. But each is isolated and not paired.
[0020]
Thus, the X-ray diffraction pattern of the conductive oxide of the present invention is different from the conventionally reported X-ray diffraction patterns of oxides. That is, the crystal structure of the conductive oxide of the present invention is In 2 O Three C-rare earth type 2 SnO Five Not the structure of In 2 Sn 2 O 7 It is not a simple pyrochlore type that Solov'eva et al. The conductive oxide of the present invention is a new oxide having a crystal structure different from that of conventionally reported oxides. Although the crystal structure is presumed to be a distorted pyrochlore structure, it has not been confirmed yet.
[0021]
[Table 1]
[0022]
However, the crystalline structure of the conductive oxide of the present invention is the Ins prepared by Brisse et al. 2 Sn 2 O 7 It cannot be determined whether or not the crystal structure is different. Brisse et al. Only showed that their samples were not pyrochlore type, and did not give information on crystal structures such as X-ray diffraction patterns. Brisse et al. Reported that the In 2 Sn 2 O 7 Whether the crystal structure of C-rare earth is SnO 2 No mention is made of whether it is a rutile type, a mixture of a C-rare earth type crystal and a rutile type crystal, or any other crystal structure.
[0023]
The present inventors have found that the conductive oxide of the present invention has an electric conductivity equal to or higher than that of ITO. As described above, ITO with x greater than 0.3 is not used because its electrical conductivity is reduced. This is because conduction electrons are scattered by Sn ions dissolved in the In site of the C-rare earth structure, and a mechanism for lowering the mobility works. However, when x is further increased to 1.2 or more, the crystal structure is different from that of the C-rare earth structure, that is, the crystal structure of the conductive oxide of the present invention. Therefore, there is a mechanism that reduces the mobility in the C-rare earth structure. No longer. Thereby, the electrical conductivity of the conductive oxide of the present invention is equal to or higher than that of ITO. For this reason, if it compares by the same film thickness, the transparent electrode which has a low resistance value equivalent to or less than ITO can be produced.
[0024]
The present inventors have found that the conductive oxide of the present invention has a fundamental absorption edge wavelength shorter than the fundamental absorption edge wavelength of ITO. In this specification, the fundamental absorption edge wavelength is defined as a wavelength measured by the following method. That is, a disk-shaped sintered body sample of the conductive oxide or ITO of the present invention was prepared, the surface was smoothed, light was incident thereon, the incident light intensity was swept from the long wavelength side, and the reflected light intensity was incident The wavelength is defined as 50% of the light intensity. The reflected light intensity is measured by a diffuse reflection method. As a measuring instrument, a 330 type self-recording spectrophotometer manufactured by Hitachi, Ltd. is used, and an integrating sphere is used. The basic absorption short wavelength measured in this way is 420 nm in the case of the conductive oxide of the present invention and 450 nm in the case of ITO. That is, the fundamental absorption edge wavelength of the conductive oxide of the present invention is 30 nm shorter than ITO. For this reason, the film thickness which gives the tolerance limit of coloring becomes thick compared with ITO, and a thick transparent electrode can be produced.
[0025]
First aspect In the conductive oxide of x, the range of x is 1.2 or more and less than 2.0. When x becomes 2.0 or more, SnO 2 When a large amount of crystals precipitate and x is smaller than 1.2, In 2 O Three As a result, a single phase of the conductive oxide of the present invention cannot be obtained. More preferably, x is 1.3 or more and 1.8 or less, and more preferably, x is 1.4 or more and 1.7 or less. Even if x is in the range of 1.2 or more and less than 2.0, crystals synthesized different from the conductive oxide of the present invention may coexist in the synthesized oxide. If the amount of coexistence is within a range that does not cause practical problems in terms of transparency and conductivity of the oxide, it will be described later. electrode Can be used without any problem. First aspect Examples of oxides that may coexist with the conductive oxides include ITO and In 2 O Three , SnO 2 Etc. However, it is not limited to these oxides. Also, First aspect The possibility of coexistence of different crystals with the conductive oxide of The present invention There is also the same. Also in these cases, if the coexistence amount is within a range that does not cause a practical problem in terms of transparency and conductivity of the oxide, it can be used for the electrode of the present invention described later without any trouble.
[0026]
General formula In 2 Sn x O 3 + 2x-d What is important in the oxide represented by is that the ratio of the number of In ions to the number of Sn ions is in the range given by x, and the ratio of the number of oxygen ions need not be strictly limited to x. That is, the ratio of the number of oxygen ions to the number of In ions or the number of Sn ions is expressed by the general formula In 2 Sn x O 3 + 2x It may be slightly less than the ratio given by. This is because transparency and conductivity are exhibited if the crystal structure of the conductive oxide of the present invention is maintained even in the presence of oxygen defects. Such an oxide having an oxygen defect is an oxide in which d exceeds 0.
[0027]
First aspect In the conductive oxide, the oxygen deficiency d is in the range of 1 or less. When the amount of oxygen deficiency is within this range, it can be used favorably as an electrode or the like. The oxygen deficiency d is preferably in the range of 0.5 or less from the viewpoint of the stability of the crystal and the balance between electrical conductivity and transparency. The oxygen deficiency is a value obtained by subtracting the number of oxygen ions contained in one mole of oxide crystal from the stoichiometric number of oxygen ions in mole units. The number of oxygen ions contained in the oxide crystal can be calculated, for example, by measuring the amount of carbon dioxide produced by heating the oxide crystal in carbon powder using an infrared absorption spectrum. In addition, the number of stoichiometric oxygen ions is calculated from the mass of the oxide crystal. Ru be able to.
[0028]
In general, oxygen vacancies in oxides can be generated, for example, by extracting oxygen from the oxides. However, in the case of the conductive oxide of the present invention, oxygen vacancies tend to occur naturally when produced by, for example, a sintering method. . Of course, the oxygen deficiency can also be adjusted by adding a step of extracting oxygen. As a method for extracting oxygen atoms to form oxygen vacancies, a method of heat-treating the conductive oxide of the present invention in a reducing atmosphere or an inert gas atmosphere can be used.
[0029]
First aspect The conductive oxide is obtained by forming an oxide by a conventional method. The oxide can be formed by a sintering method, a thin film method (for example, sputtering method, CVD method, MBE method, vapor deposition method) or the like. The sintering method is performed, for example, by weighing and mixing raw materials such as indium oxide and tin oxide so as to have a desired composition, forming into a desired shape, and firing, for example, at 1400 ° C. to 1700 ° C. for 1 to 48 hours. be able to. Below 1400 ° C, the reaction of indium oxide and tin oxide does not proceed, First aspect No conductive oxide can be obtained. When the temperature is 1700 ° C. or higher, evaporation of indium oxide or tin oxide proceeds and the composition greatly fluctuates.
[0030]
In the thin film method, for example, in the case of the sputtering method, x is 1.6. 2 Sn 1.6 O 6.2 For example, In 2 Sn 1.6 O 6.2 10 using a sintered body or a mixed powder molded body having a composition of 10 -Four -10 -2 The substrate can be heated in the range of room temperature to 500 ° C. under a Torr pressure to form a film on a transparent substrate such as a glass such as quartz or a plastic such as PMMA.
[0031]
First aspect The conductivity of the conductive oxide appears when the oxide is formed by a sintering method or a thin film method, but is further improved when d exceeds 0 and oxygen vacancies are introduced. This is because when oxygen atoms are extracted from the crystal, electrons remain in the oxygen vacancies, but these electrons are excited by thermal energy and injected into the conduction band. The injection amount of electrons is 1 × 10 18 / Cm Three ~ 1x10 twenty two / Cm Three It is appropriate to set the range. That is, it is preferable to introduce oxygen vacancies so that the amount of injected electrons is in the above range. When the injection amount of electrons is less than the above range, it is difficult to obtain electrical conductivity. When the injection amount of electrons exceeds the above range, the transparency in the visible light region is reduced due to plasma vibration. The injection amount of electrons is preferably 1 × 10 19 / Cm Three ~ 5x10 twenty one / Cm Three Range.
[0032]
Of the present invention Conductive oxide (Conductive oxide of the second aspect) The range of x is 1.2 or more and 2.0 or less. When x exceeds 2.0, SnO 2 When a large amount of crystals precipitate and x is smaller than 1.2, In 2 O Three As a result, a single phase of the conductive oxide of the present invention cannot be obtained. More preferably, x is 1.3 or more and 1.8 or less, and more preferably, x is 1.4 or more and 1.7 or less. The oxygen deficiency d is in the range of 1 or less, and the oxygen deficiency in this range can be used favorably as an electrode. The oxygen deficiency d is preferably in the range of 0.5 or less from the viewpoint of the stability of the crystal and the balance between electrical conductivity and transparency.
[0033]
Of the present invention Conductive oxide (Conductive oxide of the second aspect) Then, in addition to introducing oxygen vacancies, by replacing a part of metal ions with another metal ion, carrier electrons are injected into the conduction band, so that conductivity can be improved. That is, Of the present invention Conductive oxide (Conductive oxide of the second aspect) Then, a part of at least one element of In and Sn is replaced with an element other than In and Sn. An element that can be substituted for In is an element having a valence of 3 or more, and an element that can be substituted for Sn is an element having a valence of 4 or more.
[0034]
Indium is a trivalent element, and an element that can be substituted for this is an element having a trivalent or higher valence. The higher the valence, the larger the carrier injection amount can be given with a small amount of substitution. The valence of the substitutable element is usually in the range of trivalent to hexavalent. Examples of the element having a valence of 3 or more include Al, Si, Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Ga, Ge, Y, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, Rh, Pd, Sn, Sb, La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu, Hf, Ta, W, Re, Os, Ir, Pt, Tl, Pb, Bi, Po can be mentioned.
[0035]
Sn is a tetravalent element, and an element that can be substituted for this is an element having a valence of 4 or more. The higher the valence, the larger the carrier injection amount can be given with a small amount of substitution. The valence of the substitutable element is usually in the range of 4 to 6. Examples of elements having a valence of 4 or more include Si, Ti, V, Cr, Mn, Ge, Zr, Nb, Mo, Tc, Ru, Rh, Pd, Sb, Hf, Ta, W, Re, and Os. , Ir, Pt, Pb, and Po.
[0036]
By replacing a part of In and / or Sn with the above elements, carrier electrons are injected into the conduction band. The carrier electrons are injected into the conduction band by introducing oxygen vacancies as described above. Therefore, Of the present invention Oxide (Oxide of the second aspect) , Carrier electrons are injected into the conduction band by element substitution or element substitution and oxygen deficiency. The injection amount of electrons is 1 × 10 18 / Cm Three ~ 1x10 twenty two / Cm Three The amount of substitution of each element or the amount of substitution of elements and the amount of oxygen deficiency are suitably adjusted so that the amount of injected electrons falls within the above range. The injection amount of electrons is preferably 1 × 10 19 / Cm Three ~ 5x10 twenty one / Cm Three Range. Some elements to be substituted have the property of absorbing light in the visible region. Therefore, the type and amount of substitution element used as a transparent electrode are appropriately selected so that the average transmittance of light in the visible region is 70% or more, preferably 80% or more, more preferably 90% or more. It is.
[0037]
Of the present invention Conductive oxide (Conductive oxide of the second aspect) Can be produced, for example, by the following method. In the case of the sintering method, for example, raw materials such as indium oxide, tin oxide and zirconium oxide are converted into (In 1.99 Zr 0.01 ) Sn 1.6 O 6.2 The composition can be mixed so as to have the following composition, molded into a desired shape, and fired at 1400 ° C. to 1700 ° C. for 1 to 48 hours in the air or in an inert gas atmosphere. In the thin film method, for example, in the case of the sputtering method, for example, (In 1.99 Zr 0.01 ) Sn 1.6 O 6.2 10 using a sintered body or a mixed powder molded body having a composition of 10 -Four -10 -2 The substrate can be heated in the range of room temperature to 500 ° C. under a Torr pressure, and can be formed on a substrate such as glass such as quartz or plastic such as PMMA.
[0038]
In addition, oxygen deficiency First aspect Similarly, for example, oxygen can be generated by extracting oxygen from the oxide. However, in the case of the conductive oxide of the present invention, oxygen deficiency tends to occur naturally when manufactured by a sintering method, for example. Of course, the oxygen deficiency can also be adjusted by adding a step of extracting oxygen. As a method for extracting oxygen atoms to form oxygen vacancies, a method of heat-treating the conductive oxide of the present invention in a reducing atmosphere or an inert gas atmosphere can be used.
[0039]
In another aspect of the present invention, at least a part of at least one surface of the transparent substrate is Of the present invention Conductive oxide (Conductive oxide of the second aspect) The present invention relates to an electrode having a layer containing. The film thickness of the layer containing the conductive oxide can be appropriately determined in consideration of the optical characteristics, conductivity, usage, etc. required for the electrode. In the case of an electrode for a liquid crystal panel, for example, the lower limit is about 50 nm. Yes, the upper limit is about 1 μm. However, depending on the type of element contained in the oxide, there are some that have partial absorption in the visible region. In that case, a relatively thin film is preferable. For those that have little or no absorption in the visible region, higher conductivity can be obtained by increasing the film thickness without causing a coloring problem.
[0040]
Furthermore, the oxide layer constituting the electrode of the present invention is Of the present invention Conductive oxide (Conductive oxide of the second aspect) Outside of the case consisting only of the this It can also be an oxide layer in which crystals different from oxides coexist. As long as the coexisting amount of other crystals is in a range that does not cause a practical problem in terms of transparency and conductivity of the oxide, the electrode can be used without any problem. Examples of the oxide that may coexist with the conductive oxide of the present invention include, for example, ITO, In 2 O Three , SnO 2 Etc. However, it is not limited to these oxides.
[0041]
Examples of transparent substrates include transparent substrates such as glass and resin. so wear. Glass substrates are often used for liquid crystal displays and the like. There are soda glass and low alkali glass as glass substrates. Generally, soda glass is widely used, but low alkali glass is excellent for color displays and high quality displays. It is preferable to use a glass having high transparency in the visible region and excellent flatness. Examples of the resin substrate include a polyester substrate and a PMMA substrate. Resin substrates are being studied for many uses that take advantage of their light weight, thinness, flexibility, and high degree of freedom of shape as compared to glass substrates. For example, an electrophotographic film, a liquid crystal display, an optical memory, a transparent tabular switch, an antistatic film, a heat ray reflective film, and a surface heating film. In addition to high transparency in the visible region and excellent flatness, the liquid crystal display is preferably used in consideration of processability, impact resistance, durability, suitability for assembly processes, and the like.
[0042]
Moreover, the electrode of this invention can also be provided on the base layer provided on the said transparent substrate. Examples of the base layer include a color filter, a TFT layer, an EL light emitting layer, a semiconductor layer, and an insulator layer. Two or more underlayers can be provided side by side.
[0043]
The electrode of the present invention can be produced by a thin film method as follows. Typical manufacturing methods include CVD, spraying, vacuum deposition, ion plating, MBE, and sputtering. Chemical methods such as CVD and spraying have simpler equipment than physical methods such as vacuum deposition and sputtering, and are suitable for large substrates. However, when a drying or firing process is performed for promoting the reaction or stabilizing the characteristics, a heat treatment at 350 to 500 ° C. is required. Therefore, it is suitable for direct production on a glass substrate. It may not be suitable for manufacturing on TFT elements or various underlayers. The physical method enables film formation at a low substrate temperature of 150 to 300 ° C., so it is suitable not only for manufacturing directly on a glass substrate but also for manufacturing on a color filter, TFT element or various underlayers. ing. Among these, the sputtering method is particularly excellent in that the productivity is high and the film can be uniformly formed on a large area substrate.
[0044]
The electrode of the present invention can be used for various applications. For example, it can be suitably used as an electrode for liquid crystal displays, EL displays, solar cells and the like. There are various types of liquid crystal displays such as TFT type, STN type and MIM type. In either case, the principle of displaying by controlling the alignment direction of the liquid crystal by applying an electric field to the liquid crystal sandwiched between transparent electrodes. Used. The electrode of the present invention can be used as the transparent electrode. For example, the structure of a TFT-type color liquid crystal display is composed of six parts: a backlight, a first polarizing plate, a TFT substrate, a liquid crystal, a color filter substrate, and a second polarizing plate. In order to control the alignment direction of the liquid crystal, it is necessary to form a transparent electrode on the TFT substrate and the color filter substrate. The transparent electrode of the present invention is formed on the TFT substrate and the color filter substrate by the above method. can do. The transparent electrode of the present invention is optimal as a transparent electrode provided on a TFT substrate or a color filter substrate because of its high transparency and high conductivity.
[0045]
The transparent electrode of the present invention can also be used as an EL display electrode. The EL display includes a dispersion type, a lumocene structure type, and a double insulation structure type. In any case, the EL display has a basic structure in which an EL light emitting layer is sandwiched between a transparent electrode and a back electrode. It is most suitable as the transparent electrode.
[0046]
The electrode of the present invention is excellent as a solar cell electrode because of its high transparency and conductivity. Solar cells are classified into pn junction type, Schottky barrier type, heterojunction type, heteroface junction type, pin type, etc. In any case, a semiconductor or an insulator is sandwiched between a transparent electrode and a back electrode. Has a basic structure. Solar cells are devices that convert light energy into electricity using the photovoltaic effect at the semiconductor interface, so it is necessary to guide light to the semiconductor interface over as wide a spectral range as possible. Must be expensive. In addition, since the transparent electrode of the solar cell has the function of collecting the photogenerated carriers generated at the semiconductor interface and leading them to the terminal, the conductivity of the transparent electrode must be high in order to collect the photogenerated carriers as effectively as possible. Don't be. The transparent electrode of the present invention is excellent as an electrode for a solar cell because it can guide light to a semiconductor interface over a wide spectral range of the entire visible region including light having a wavelength shorter than 450 nm and has high conductivity.
[0047]
【Example】
Next, the present invention will be described in more detail with reference to examples.
[0048]
Reference Examples 1-4
In 2 O Three (Purity Research Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%) and SnO 2 (High-purity chemical laboratory Co., Ltd., purity 99.99%) Each powder was weighed so that the ratio of the metal contained in the mixed powder was the value shown in Table 2, and placed in a polyamide container with a capacity of 500 ml with a diameter of 2 200 g of millimeter zirconia beads were added and moisture mixed for 1 hour using a planetary ball mill apparatus manufactured by Fritz Japan. Ethanol was used as a dispersion medium. Each mixed powder was calcined in an alumina crucible in the atmosphere at 1000 ° C. for 5 hours, and then pulverized again using a planetary ball mill apparatus for 1 hour. The baked powder thus prepared is uniaxially pressed (100 kg / cm 2 ) To form a disk shape having a diameter of 20 mm and fired in the atmosphere at 1400 ° C. to 1700 ° C. for 2 hours to obtain a sintered body.
[0049]
The X-ray diffraction pattern of the sample of Reference Example 2 is shown in FIG. The X-ray diffractometer used for the measurement was an MXP18 apparatus manufactured by Mac Science Co., Ltd., and a Cu target was used to generate X-rays with 50 kv and 200 mA power, and measurement was performed in 2θ-θ mode. In FIG. 1, the diffraction lines clearly appear, and it was clear that the sample had crystallinity. Using the X-ray diffraction pattern search program attached to the MXP18 device, the X-ray diffraction pattern of the sample 2 O Three , In 2 SnO Five And In, which is a pyrochlore type 2 Sn 2 O 7 To the X-ray diffraction pattern. It was confirmed that none of the X-ray diffraction turns of the sample corresponded, that is, the sample had a new crystal structure different from the structure of any crystal. Similarly, X-ray diffraction patterns were measured for the samples of Reference Examples 1, 3, and 4. In the sample of Reference Example 1, in addition to the conductive oxide of the present invention, a slight amount of In 2 O Three Was mixed. The samples of Reference Examples 3 and 4 contain a slight amount of SnO 2 Was mixed.
[0050]
In order to confirm the electrical conductivity, the conductive resin material K-1058 manufactured by Fujikura Kasei Co., Ltd. was applied to four locations on the circumference of the disk sample, and heated in an electric furnace stored at 850 ° C. for 6 minutes. An electrode was formed. A lead wire was soldered to this electrode, and the electrical conductivity was measured with a van der Pauw electrical conductivity measuring device. In addition, in order to measure the light absorption characteristics, a disk sample was placed in a Hitachi type 330 type self-recording spectrophotometer, and the absorbance was measured by sweeping from a wavelength of 500 nm to a short wavelength side by a diffuse reflection method. . The wavelength at which the reflected light intensity was 50% of the incident light intensity was defined as the absorption edge wavelength. The amount of oxygen deficiency is determined by crushing the sintered body sample, mixing well with carbon powder, placing in a quartz tube furnace, vacuuming, flowing Ar gas, heating at 600 ° C., carbon dioxide in the Ar gas discharged The amount was calculated by measuring with an infrared absorption spectrum. Table 2 shows the oxygen deficiency, electrical conductivity, and fundamental absorption edge wavelength measured as described above.
[0051]
[Table 2]
[0052]
Examples 5-27
In 2 O Three (Purity Research Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), SnO 2 (High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), Nb 2 O Five (High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), Sb 2 O Five (High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), SiO 2 (High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), TiO 2 (High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), V 2 O Five (High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), GeO 2 (Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), ZrO 2 (High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%), MoO Three (High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%) and Ta 2 O Five Weigh each powder of (Purity 99.99%, manufactured by High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd.) so that the ratio of the metal elements contained in the mixed powder is the value shown in Table 3, reference A disk sample was prepared in the same manner as in Example 1. Table 3 shows the electrical conductivity and fundamental absorption edge wavelength of these samples.
[0053]
[Table 3]
[0054]
reference Examples 28-31
Using the baked powder prepared in Reference Examples 1 to 4, uniaxial pressure (100 kg / cm 2 ) To produce a disk shaped body having a diameter of 25 mm and fired at 1400 to 1700 ° C. for 2 hours in the air to obtain a sintered body. The surface of the sintered body was polished, fixed on a backing plate using an adhesive, and used as a sputtering target. This is fixed to a BC1457 type sputtering target device manufactured by Nippon Vacuum Co., Ltd. and Ar / O 2 A gas having a ratio of 40/10 was introduced into the apparatus, and an RF power of 180 W was input for 40 minutes to produce a thin film having a thickness of about 2000 angstroms on a quartz glass substrate heated to 500 ° C. After heat-treating this at 400 ° C. to 1000 ° C. in the atmosphere, the structural analysis was performed with the X-ray diffractometer used in Reference Example 1 to confirm that the crystalline structure of the conductive oxide of the present invention was produced. Electrical conductivity and fundamental absorption edge wavelength were measured by the same method as in Reference Example 1. However, since this sample is not a sintered body, the fundamental absorption edge wavelength was measured by the light transmission method using the apparatus of Reference Example 1, and the wavelength at which the transmittance was 50% was defined as the fundamental absorption edge wavelength. The electrical conductivity, the fundamental absorption edge wavelength, and the transmittance with respect to 400 nm light measured as described above were the values shown in Table 4.
[0055]
Comparative Example 1
Using an ITO target containing 5% Sn, reference In the same manner as in Examples 29 to 32, an ITO thin film having a thickness of about 2000 angstroms was produced on a quartz glass substrate. The ITO thin film was measured for electrical conductivity, fundamental absorption edge wavelength, and transmittance for 400 nm light, and is shown in Table 4. reference The thin films of Examples 28 to 31 have the same conductivity as the thin film of Comparative Example 1, but the absorption edge wavelength is on the short wavelength side. For this reason, the transmittance with respect to light of 400 nm is remarkably high, and yellow coloring was clearly recognized in the thin film of Comparative Example 1, reference The thin films of Examples 28 to 31 were hardly colored and could not be seen.
[0056]
[Table 4]
[0057]
reference Examples 32-35 and Comparative Example 2
reference Using the spatalling target and spatalling apparatus of Examples 28-31, Ar / O 2 A gas having a ratio of 40/10 was introduced into the apparatus, and a thin film having a thickness of 2000 angstroms was formed on a color filter substrate heated to 350 ° C. by inputting 100 W of RF power for 40 minutes. This was heat-treated at 350 ° C. for 24 hours in the atmosphere, and then the structural analysis was performed with the X-ray diffractometer used in Reference Example 1. Conductive oxide It was confirmed that a crystal structure of reference Electrical conductivity, fundamental absorption edge wavelength and transmittance (at 400 nm) were measured in the same manner as in Examples 28 to 31. reference The thin film electrodes of Examples 32-35 had the same conductivity as the thin film electrode of Comparative Example 2. However, reference In the thin film electrodes of Examples 32-35, the fundamental absorption edge wavelength was on the short wavelength side.
[0058]
[Table 5]
[0059]
【The invention's effect】
The conductive oxide and electrode of the present invention have high transparency in the entire visible range and high electrical conductivity, and are useful as electrodes for liquid crystal displays, EL displays, solar cells and the like.
[Brief description of the drawings]
[Figure 1] reference X-ray diffraction pattern of the sample of Example 2.
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