JP3644175B2 - 空芯コイルの電磁シールド構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング電源装置やインバータ等に組み込まれる空芯トランスや空芯インダクタ等の空芯コイルを電磁シールドする構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング電源装置やインバータ等に組み込まれる空芯コイルは、図7の(a)に示すような平面状のコイルパターン1が、図7の(b)に示すように、絶縁体2を介して積層形成されたもので、例えば、上記複数のコイルパターン1を直列に接続させることにより空芯インダクタとして機能する。また、上記複数のコイルパターン1を2グループに分け、一方のコイルパターン1のグループを一次コイル群として接続し、他方のコイルパターン1のグループを二次コイル群として接続することにより、上記空芯コイルは一次コイルと二次コイルから成る空芯トランスとして機能する。
【0003】
上記空芯コイルは、コイルパターン1が平面状であるので、薄型化できるし、上記コイルパターン1は蒸着やスパッタ等の成膜形成技術を用いて形成できるので、非常に微細に形成することが可能である。これらのことから、空芯コイルは薄型化・小型化・軽量化を図るのが容易である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記空芯コイルのコイルパターン1に電流を通電すると、コイルパターン1から磁束が発生し、この磁束が上記空芯コイルの周辺に配設されている集積回路等の機器に及ぶと、上記磁束の悪影響を受けて空芯コイルの周辺機器が誤動作する等の問題が生じる。
【0005】
そこで、例えば、空芯コイルを金属ケースで覆い、該金属ケースの内部に空芯コイルの磁束をシールドし、上記空芯コイルの磁束が上記金属ケースよりも外側に放射されるのを防止して上記磁束により空芯コイルの周辺機器が誤動作するのを回避する手段が提案されている。
【0006】
しかし、上記のように空芯コイルを金属ケースで覆った場合、上記空芯コイルの磁束によって金属ケースに渦電流が発生する。この渦電流の大きさは前記金属ケースに及ぶ磁束が多くなるに従って大きくなる。前記空芯コイルの磁束は図7の(a)に示すコイルパターン1の渦巻き中心付近で磁束密度が最も高くなることから、前記金属ケースが上記コイルパターン1の渦巻き中心に近付くに従って前記金属ケースに及ぶ磁束が多くなり、金属ケースに発生する渦電流が大きくなる。
【0007】
上記渦電流が大きくなるに従って空芯コイルのクォリティファクタQ(つまり、空芯インダクタのインダクタ効率や空芯トランスのトランス効率)が低下するという現象が生じ、この空芯コイルのクォリティファクタQの低下により空芯コイルでの電力損失が多くなる。このように低効率の空芯コイルをスイッチング電源装置やインバータ等の回路に組み込んだ場合、上記回路の電力損失を増加させるという問題が生じる。
【0008】
そこで、コイルパターン1の渦巻き中心から大きく離れ磁束密度が低い位置に金属ケースを設けて空芯コイルの効率(クォリティファクタQ)を高めることが考えられるが、空芯コイルを覆う金属ケースが大型化してしまうという問題が生じ、このように大型の金属ケースに電磁シールドされた空芯コイルをスイッチング電源装置やインバータ等の装置に組み込んだときには、上記空芯コイルを組み込んだ装置が大型化してしまうという問題がある。
【0009】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、空芯コイルの高効率化が図れ、しかも、大型化を回避した空芯コイルの電磁シールド構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明は次のような構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、平面状のコイルパターンが絶縁体を介して積層形成された空芯コイルを電磁シールド導体で覆って電磁シールドする構造であって、上記電磁シールド導体のコイルパターン対向面と該コイルパターン対向面に最も近いコイルパターンとの間の距離が前記空芯コイルのコイルパターンの外径の0.2倍以上、かつ、1.0倍以下となるように設定されている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0011】
第2の発明は、平面状のコイルパターンが絶縁体を介して積層形成された空芯コイルを電磁シールド導体で覆って電磁シールドする構造であって、上記電磁シールド導体のコイルパターン対向面と該コイルパターン対向面に最も近いコイルパターンとの間の距離が前記空芯コイルのコイルパターンの外径のほぼ0.5倍となるように設定されている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0012】
第3の発明は、平面状のコイルパターンが絶縁体を介して積層形成された空芯コイルを電磁シールド導体で覆って電磁シールドする構造であって、上記電磁シールド導体のコイルパターン対向面と該コイルパターン対向面に最も近いコイルパターンとの間の距離が前記空芯コイルのコイルパターンの外径のほぼ1.0倍となるように設定されている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0013】
第4の発明は、平面状のコイルパターンが絶縁体を介して積層形成された空芯コイルを電磁シールド導体で覆って電磁シールドする構造であって、上記電磁シールド導体は、上記コイルパターン積層体の上面側に上記コイルパターンと間隙を介して対向する上側電磁シールド面と、上記コイルパターン積層体の下面側に上記コイルパターンと間隙を介して対向する下側電磁シールド面とを有し、上記上側電磁シールド面と上記コイルパターン積層体の中心との間の距離、あるいは、上記下側電磁シールド面と上記コイルパターン積層体の中心との間の距離が、上記上側電磁シールド面と下側電磁シールド面の間の距離の0.25倍以上、かつ、0.75倍以下となるように設定されている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0014】
第5の発明は、平面状のコイルパターンが絶縁体を介して積層形成された空芯コイルを電磁シールド導体で覆って電磁シールドする構造であって、上記電磁シールド導体は、上記コイルパターン積層体の上面側に上記コイルパターンに間隙を介して対向する上側電磁シールド面と、上記コイルパターン積層体の下面側に上記コイルパターンに間隙を介して対向する下側電磁シールド面とを有し、上記上側電磁シールド面と上記コイルパターン積層体の中心との間の距離、あるいは、上記下側電磁シールド面と上記コイルパターン積層体の中心との間の距離が、上記上側電磁シールド面と下側電磁シールド面の間の距離のほぼ0.5倍となるように設定されている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0015】
上記構成の発明において、例えば、電磁シールド導体のコイルパターン対向面と該コイルパターン対向面に最も近いコイルパターンとの間の距離を、空芯コイルのコイルパターンの外径の0.2倍以上に設定することにより、空芯コイルの磁束密度が最も高い位置からコイルパターン対向面が離れ、電磁シールド導体は空芯コイルの磁束の影響を殆ど受けず、このことにより、電磁シールド導体に渦電流が発生するのをほぼ抑制することができ、渦電流の発生に起因した空芯コイルのクォリティファクタ(効率)の悪化が防止される。
【0016】
その上、電磁シールド導体のコイルパターン対向面と該コイルパターン対向面に最も近いコイルパターンとの間の距離を、空芯コイルのコイルパターンの外径の1.0倍以下に設定することにより、空芯コイルの電磁シールド構造の小型化が図れる。
【0017】
また、上記電磁シールド導体の上側電磁シールド面とコイルパターン積層体の中心との間の距離、あるいは、下側電磁シールド面とコイルパターン積層体の中心との間の距離を、電磁シールド導体の上側電磁シールド面と下側電磁シールド面との間の距離の0.25倍以上かつ0.75倍以下に設定することにより、上側電磁シールド面と下側電磁シールド面は共に空芯コイルの最も磁束密度が高い位置から離れ、上記上側電磁シールド面と下側電磁シールド面の両面とも空芯コイルの磁束によって渦電流が発生するのをほぼ回避することができ、渦電流の発生に起因した空芯コイルのクォリティファクタの悪化が回避される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づき説明する。なお、以下に説明する実施形態例において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。
【0019】
この実施形態例の空芯コイルの電磁シールド構造は、図1に示すように、平面状のコイルパターン1を絶縁体2を介して積層形成した空芯コイルを電磁シールド導体である金属ケース3により覆って電磁シールドする構成を有し、上記金属ケース3は、上記コイルパターン積層体の上面側に上記コイルパターン1に間隙を介して対向するコイルパターン対向面である上側電磁シールド面4と、上記コイルパターン積層体の下面側に上記コイルパターン1に間隙を介して対向するコイルパターン対向面である下側電磁シールド面5とを有している。
【0020】
この実施形態例において特徴的なことは、上記上側電磁シールド面4と該上側電磁シールド面4に最も近いコイルパターン1との間の距離t1が、コイルパターン1の外径tdの0.2倍以上かつ1.0倍以下となるように設定され、かつ、上側電磁シールド面4とコイルパターン1の積層体の中心との間の距離t2が、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5の間の距離tcの0.25倍以上かつ0.75倍以下となるように設定されている構成としたことである。
【0021】
上記の如く、上側電磁シールド面4とコイルパターン1との間の最短距離t1と、上側電磁シールド面4とコイルパターン1の積層体の中心との間の距離t2と、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5の間の距離tcとを設定するのは次のような理由に因る。
【0022】
本発明者は、上記上側電磁シールド面4とコイルパターン1と間の最短間隔t1を様々に変化させて、そのコイルパターン1と上側電磁シールド面4との間隔毎に空芯コイルである空芯トランスのクォリティファクタQを求める実験を行った。
【0023】
上記クォリティファクタQは次式(1)に示すように定義した。
【0024】
Q=(2・π・f・L)/R・・・・・(1)
【0025】
ただし、上式(1)に示すfはコイルパターン1に通電する交流電流の周波数であり、Lは一次コイルのインダクタンスであり、Rは一次コイル側から見た一次コイルと二次コイルの交流抵抗値の和である。
【0026】
上記実験から本発明者は、空芯トランスのコイルパターン1の外径tdに対する上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短間隔t1の比(以下、第1の間隔比(t1/td)と記す)と、前記クォリティファクタQとの関係に着目した。
【0027】
図3と図4には本発明者が行った実験から得られた上記第1の間隔比(t1/td)とクォリティファクタQの関係が示されており、図3には上記コイルパターン1の外径tdが9.4mmである空芯トランスを用い上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短距離t1を変化させて上記最短距離t1毎に上記クォリティファクタQを求めたときの実験結果が示され、図4には上記コイルパターン1の外径tdが18.8mmである空芯トランスを用い上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短距離t1を変化させて上記最短距離t1毎にクォリティファクタQを求めたときの実験結果が示されている。
【0028】
上記図3と図4に示すように、コイルパターン1の外径tdが9.4mmである場合とコイルパターン1の外径tdが18.8mmである場合との両方とも、上記第1の間隔比(t1/td)が大きくなるに従って、つまり、上側電磁シールド面4がコイルパターン1から離れるに従って上側電磁シールド面4は磁束密度が高い位置から離れることになり、上側電磁シールド面4に及ぶ磁束が少なくなって上側電磁シールド面4に渦電流が発生するのが抑制されてクォリティファクタQが向上し、上記第1の間隔比(t1/td)がほぼ0.5以上になると、クォリティファクタQはほぼ飽和状態になっている。これら図3と図4に示されるように、コイルパターン1の外径tdが異なっていても、前記第1の間隔比(t1/td)の変化に対するクォリティファクタQの変化傾向はほぼ同様な傾向を示すことが分かる。
【0029】
さらに、本発明者は、空芯トランスの一次コイルの巻回数N1に対する二次コイルの巻回数N2の巻数比(N2/N1)を変化させて、上記同様に、上記巻数比毎にクォリティファクタQを求める実験を行ったところ、図3や図4に示すような第1の間隔比(t1/td)とクォリティファクタQとの関係が得られた。また、空芯コイルである空芯インダクタについて、上記同様の実験を行ったところ、上記同様の実験結果が得られた。
【0030】
上記のことから、第1の間隔比(t1/td)に基づいて高効率の空芯コイルを得ることができ、しかも、金属ケース3の小型化を図るための上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短距離t1を設定することができることに本発明者は気付いた。
【0031】
前記図3や図4に示すように、第1の間隔比(t1/td)が0.5以上となるように上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短距離t1を設定することにより、空芯コイルはほぼ飽和状態のクォリティファクタQを得ることができる。上記飽和状態のクォリティファクタQの80%以上のクォリティファクタQが得られれば、空芯コイルでの電力損失を非常に小さく抑えることができることから、この実施形態例では、上記飽和状態のクォリティファクタQの80%のクォリティファクタQを下限とし、この下限以上のクォリティファクタQを得るためには、図3や図4に示すように、第1の間隔比(t1/td)が0.2以上となるように上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短距離t1を設定すればよいことが分かる。
【0032】
上記最短距離t1が大きくなるに従って、つまり、上記第1の間隔比(t1/td)が大きくなるに従ってクォリティファクタQは良くなるが、上記第1の間隔比(t1/td)が1.0より大きくなると、上側電磁シールド面4が空芯コイルから大きく離れ、金属ケース3が大型化してしまうという問題が生じるので、金属ケース3の小型化を図るためには上記第1の間隔比(t1/td)が1.0以下となるように上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短間隔t1を設定する。
【0033】
上記のように、第1の間隔比(t1/td)が0.2以上、かつ、1.0以下となるように上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短間隔t1を設定することにより、高効率の空芯コイルを得ることができる上に、金属ケース3の大型化を回避できる。
【0034】
より望ましくは、第1の間隔比(t1/td)がほぼ0.5となるように上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短間隔t1を設定することである。それというのは、第1の間隔比(t1/td)がほぼ0.5となるように前記距離t1が設定される場合には、クォリティファクタQはほぼ飽和状態であり、しかも、第1の間隔比(t1/td)が1.0となるように前記距離t1が設定された場合よりも前記距離t1が半分となって金属ケース3のより小型化を図ることができるからである。
【0035】
また、本発明者は、コイルパターン1の積層体の中心と上側電磁シールド面4との間の間隔t2や、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5の間の距離tcを様々に可変して、前記クォリティファクタQを求める実験を行った。
【0036】
上記実験から本発明者は上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5の間の間隔tcに対する上側電磁シールド面4とコイルパターン1の積層体の中心との間の間隔t2の比(以下、第2の間隔比(t2/tc)と記す)と、クォリティファクタQとの関係に着目した。
【0037】
図5には本発明者が行った実験から得られた上記第2の間隔比(t2/tc)とクォリティファクタQとの関係が示され、同図の曲線Aは上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5との間の間隔tcを10.55mmに固定してコイルパターン1の積層体の中心と上側電磁シールド面4との間の距離t2を可変させた場合に前記距離t2毎に前記クォリティファクタQを求めたときの実験結果であり、曲線Bは上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5との間の間隔tcを4.55mmに固定してコイルパターン1の積層体の中心と上側電磁シールド面4との間の距離t2を可変させた場合に前記距離t2毎にクォリティファクタQを求めたときの実験結果である。
【0038】
この図5に示すように、上記曲線Aと曲線Bの両曲線共に、上記第2の間隔比(t2/tc)がほぼ0.5であるときをピークとした放物線を描くようなカーブを描いている。それというのは、第2の間隔比(t2/tc)が0.5よりも低下するに従って上側電磁シールド面4が空芯コイルの磁束密度が最も高い位置に近付いていき、上側電磁シールド面4に発生する渦電流が大きくなってクォリティファクタQを低下させ、反対に、第2の間隔比(t2/tc)が0.5よりも増加するに従って下側電磁シールド面5が磁束密度が最も高い位置に近付いていき、下側電磁シールド面5に発生する渦電流が大きくなってクォリティファクタQを低下させるからである。
【0039】
上記曲線Aと曲線Bに示すように、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5との間の間隔tcが異なっても、上記第2の間隔比(t2/tc)の変化に対するクォリティファクタQの変化傾向はほぼ同様な傾向を示すことが分かる。
【0040】
上記実験結果から上記第2の間隔比(t2/tc)に基づいて高効率の空芯コイルを得るためのコイルパターン1の積層体の中心と上側電磁シールド面4との間の距離t2と、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5の間の距離tcとを設定することができることに本発明者は気付いた。
【0041】
前述したように、ピーク(飽和状態)のクォリティファクタQの80%以上のクォリティファクタQを得ることができれば、空芯トランスでの電力損失を非常に小さく抑えることができることから、この実施形態例では、ピークのクォリティファクタQの80%を下限とし、この下限以上のクォリティファクタQを得るためには、上記第2の間隔比(t2/tc)が0.25以上、かつ、0.75以下となるようにコイルパターン1の積層体の中心と上側電磁シールド面4との間の距離t2と、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5との間の距離tcとを設定すればよいことが前記実験結果より分かる。
【0042】
上記のように、前記距離t2と距離tcを設定することにより、高効率の空芯コイルを得ることができる。
【0043】
より望ましくは、上記第2の間隔比(t2/tc)がほぼ0.5となるように、コイルパターン1の積層体の中心と上側電磁シールド面4の間の間隔t2と、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5の間の距離tcとを設定する。それというのは、図5に示すように、第2の間隔比(t2/tc)がほぼ0.5となるときにクォリティファクタQが最も高くなるからである。
【0044】
図6には、上記のように、上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短距離t1と、コイルパターン1の積層体の中心と上側電磁シールド面4との間の距離t2と、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5の間の距離tcとを設定して形成された金属ケース3の内部にスイッチング電源装置を構成する素子を収容した場合の一例が示されている。
【0045】
図6に示す7は主スイッチ素子であり、8は上記主スイッチ素子7をスイッチング制御する制御回路であり、10は空芯トランスであり、11は整流ダイオードであり、12は空芯インダクタであり、13は平滑コンデンサであり、14は入力端子であり、17は出力端子である。
【0046】
図6に示す例では、コイルパターン1を形成した絶縁基板が積層して空芯トランス10と空芯インダクタ12を形成し、上記空芯トランス10と空芯インダクタ12を構成している積層基板体15の表面に上記主スイッチ素子7と整流ダイオード11が実装され、上記積層基板体15の裏面に制御回路8と平滑コンデンサ13が実装され、また、上記積層基板体15に上記各素子を接続するための導体パターン(図示せず)やスルーホール16等が形成されて、スイッチング電源装置が構成されている。
【0047】
上記の如く、空芯トランス10と空芯インダクタ12を形成している積層基板体15に、スイッチング電源装置を構成する主スイッチ素子7と制御回路8と整流ダイオード11と平滑コンデンサ13を実装することにより、空芯トランス10と空芯インダクタ12を上記主スイッチ素子7等が実装されている実装基板に組み込むというアセンブリ工程を省略することができ、スイッチング電源装置の製造工程の簡略化を図ることができる。
【0048】
この場合にも、もちろん、空芯トランス10と空芯インダクタ12は、前記の如く、上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短距離t1と、コイルパターン1の積層体の中心と上側電磁シールド面4との間の距離t2と、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5の間の距離tcとを設定した金属ケース3により電磁シールドされているので、上記空芯トランス10と空芯インダクタ12を確実に電磁シールドすることができる上に、クォリティファクタQの低下を回避でき、かつ、金属ケース3の大型化を防止することができる。
【0049】
この実施形態例によれば、前記第1の間隔比(t1/td)が0.2以上かつ1.0以下となるように、上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短間隔t1が設定され、かつ、第2の間隔比(t2/tc)が0.25以上かつ0.75以下となるように、コイルパターン1の積層体の中心と上側電磁シールド面4との間の間隔t2と、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5の間の距離tcとが設定されているので、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5が共に空芯コイルの磁束密度が最も高い位置から離れ、磁束の影響を小さくすることができ、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5の両面共に渦電流の発生をほぼ抑制することができ、空芯コイルの高効率化を図ることができる。しかも、金属ケース3の大型化を防止することができる。
【0050】
なお、この発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記実施形態例では、空芯コイルを覆う電磁シールド導体は金属ケースにより構成されていたが、ケースはプラスチックで形成し、このプラスチックの表面に電磁シールド導体としての金属メッキ層を施したものでもよく、あるいはプラスチックのケースの表面に蒸着等の手段を用いて電磁シールド導体としての金属蒸着層を形成したものでもよく、さらには、プラスチックのケース表面に電磁シールド導体としての金属メッキ層や金属蒸着層が設けられたシールを貼り付けたものでもよい。
【0051】
また、空芯コイルを電磁シールド導体として機能するシールド板で覆う構成としてもよい。この場合は、シールド板は金属板で形成してもよく、又は、プラスチックの板の表面に電磁シールド導体としての金属メッキ層を施したものでもよく、あるいは、プラスチックの板の表面に蒸着等の手段を用いて電磁シールド導体としての金属蒸着層を形成したものでもよく、さらには、プラスチックの板の表面に電磁シールド導体としての金属メッキ層や金属蒸着層が設けられたシールを貼り付けたものでもよい。
【0052】
なお、空芯コイルをシールド板で覆う場合には、シールド板の上にケースが設けられる場合もあるし、設けられない場合もある。ケースが設けられる場合は、空芯コイル等を物理的に保護するために設けられる。
【0053】
上記のように、電磁シールド導体は、金属板、金属メッキ層、金属蒸着層等により形成されるが、金属メッキ層や金属蒸着層は金属板よりは導体の厚みが薄くなる。しかしながら、空芯コイルの駆動周波数が高周波になるほど電磁波が導体に浸透する深さ、すなわち、スキン・デップス(Skin Depth)が薄くなる。したがって、電磁シールド導体と金属メッキ層や金属蒸着層のような薄い層によって形成した場合であっても十分な電磁シールド効果が得られる。
【0054】
また、上記コイルパターン1は円形状であったが、図2の(a)に示す楕円形状や、図2の(b)に示す四角形状等、円形状以外の形状にコイルパターン1を形成してもよい。上記図2の(a)や(b)に示すように、コイルパターン1が楕円形や四角形である場合には、最も短いコイルパターン1の外径が上記実施形態例に示したコイルパターン1の外径tdに対応し、このコイルパターン1の外径tdに基づいた第1の間隔比(t1/td)により上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短距離t1が設定される。
【0055】
さらに、上記実施形態例では、コイルパターン1の外径tdに対する上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短距離t1の比(第1の間隔比(t1/td))が0.2以上かつ1.0以下となるように、上側電磁シールド面4とコイルパターン1の間の最短距離t1が設定されていたが、コイルパターン1の外径tdに対する下側電磁シールド面5と該下側電磁シールド面5に最も近いコイルパターン1との間の距離t3の比(t3/td)が0.2以上かつ1.0以下となるように、下側電磁シールド面5と該下側電磁シールド面5に最も近いコイルパターン1の間の距離t3を設定してもよい。
【0056】
さらに、上記実施形態例では、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5との間の距離tcに対するコイルパターン1の積層体の中心と上側電磁シールド面4との間の距離t2の比(t2/tc)が0.25以上かつ0.75以下となるように、コイルパターン1の積層体の中心と上側電磁シールド面4の間の距離t2と、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5の間の距離tcとが設定されていたが、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5との間の距離tcに対するコイルパターン1の積層体の中心と下側電磁シールド面5との間の距離t4の比(t4/tc)が0.25以上かつ0.75以下となるように、コイルパターン1の積層体の中心と下側電磁シールド面5の間の距離t4と、上側電磁シールド面4と下側電磁シールド面5の間の距離tcとを設定してもよい。
【0057】
【発明の効果】
この発明によれば、電磁シールド導体のコイルパターン対向面と該コイルパターン対向面に最も近いコイルパターンとの間の距離が空芯コイルのコイルパターンの外径の0.2倍以上、かつ、1.0倍以下となるように設定されているので、電磁シールド導体によって空芯コイルの電磁シールドを確実に行うことができるのはもちろんのこと、空芯コイルの磁束密度が最も高くなる位置から電磁シールド導体のコイルパターン対向面が離れ、磁束によって電磁シールド導体に渦電流が発生するのをほぼ抑制することができ、このことにより、空芯コイルはほぼ最高のクォリティファクタを得ることができる。しかも、電磁シールド導体の大型化を防止することができる。
【0058】
上記のように、空芯コイルの高効率化を図ることができることから、空芯コイルでの電力損失が低減し、空芯コイルが組み込まれるスイッチング電源装置やインバータ等の回路の電力損失の増加を抑制することができる。また、電磁シールド導体の大型化を防止できるので、空芯コイルが組み込まれるスイッチング電源装置やインバータ等の装置の大型化を回避することが容易となる。
【0059】
また、上記コイルパターン対向面と該コイルパターン対向面に最も近いコイルパターンとの間の距離がコイルパターンの外径のほぼ0.5倍となるように設定されている場合には、空芯コイルはほぼ最高のクォリティファクタを得ることができる上に、上記コイルパターン対向面と該コイルパターン対向面に最も近いコイルパターンとの間の距離がコイルパターンの外径のほぼ1.0倍となるように設定されている場合よりもコイルパターン対向面と該コイルパターン対向面に最も近いコイルパターンとの間の距離が半分になるという如く、電磁シールド導体のより小型化を図ることができる。
【0060】
さらに、上記コイルパターン対向面と該コイルパターン対向面に最も近いコイルパターンとの間の距離がコイルパターンの外径のほぼ1.0倍となるように設定されている場合には、空芯コイルの磁束の影響がコイルパターン対向面に殆ど及ばず、コイルパターン対向面の渦電流の発生が抑制され、空芯コイルはより高効率のクォリティファクタを得ることができる。
【0061】
電磁シールド導体の上側電磁シールド面とコイルパターン積層体の中心との間の距離、あるいは、電磁シールド導体の下側電磁シールド面とコイルパターン積層体の中心との間の距離が、上記上側電磁シールド面と下側電磁シールド面の間の距離の0.25倍以上、かつ、0.75倍以上に設定されているものにあっては、上記同様に、空芯コイルの電磁シールドを確実に行うことができるのはもちろんのこと、電磁シールド導体の上側電磁シールド面と下側電磁シールド面が共に空芯コイルの磁束密度が最も高い位置から離れ、上記上側電磁シールド面と下側電磁シールド面の両面に上記磁束による渦電流の発生をほぼ抑制することができ、空芯コイルはほぼ最高のクォリティファクタを得ることができる。その上、電磁シールド導体の大型化を防止することができる。
【0062】
また、電磁シールド導体の上側電磁シールド面とコイルパターン積層体の中心との間の距離、あるいは、電磁シールド導体の下側電磁シールド面とコイルパターン積層体の中心との間の距離が、上記上側電磁シールド面と下側電磁シールド面の間の距離のほぼ0.5倍に設定されている場合には、上側電磁シールド面と下側電磁シールド面の両面とも渦電流の発生が抑制され、空芯コイルはより高効率のクォリティファクタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る一実施形態例を示す説明図である。
【図2】コイルパターンのその他の形状を示す説明図である。
【図3】コイルパターンの外径tdが9.4mmである場合に第1の間隔比(t1/td)の変化に対するクォリティファクタQの変化傾向の一例を示すグラフである。
【図4】コイルパターンの外径tdが18.8mmである場合に第1の間隔比(t1/td)の変化に対するクォリティファクタQの変化傾向の一例を示すグラフである。
【図5】第2の間隔比(t2/tc)とクォリティファクタQとの関係例を上側電磁シールド面と下側電磁シールド面との間の間隔毎に示すグラフである。
【図6】空芯コイルの電磁シールド構造の一例を示す説明図である。
【図7】空芯コイルの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 コイルパターン
2 絶縁体
3 金属ケース
4 上側電磁シールド面
5 下側電磁シールド面
10 空芯トランス
11 空芯インダクタ
Claims (5)
- 平面状のコイルパターンが絶縁体を介して積層形成された空芯コイルを電磁シールド導体で覆って電磁シールドする構造であって、上記電磁シールド導体のコイルパターン対向面と該コイルパターン対向面に最も近いコイルパターンとの間の距離が前記空芯コイルのコイルパターンの外径の0.2倍以上、かつ、1.0倍以下となるように設定されていることを特徴とする空芯コイルの電磁シールド構造。
- 平面状のコイルパターンが絶縁体を介して積層形成された空芯コイルを電磁シールド導体で覆って電磁シールドする構造であって、上記電磁シールド導体のコイルパターン対向面と該コイルパターン対向面に最も近いコイルパターンとの間の距離が前記空芯コイルのコイルパターンの外径のほぼ0.5倍となるように設定されていることを特徴とする空芯コイルの電磁シールド構造。
- 平面状のコイルパターンが絶縁体を介して積層形成された空芯コイルを電磁シールド導体で覆って電磁シールドする構造であって、上記電磁シールド導体のコイルパターン対向面と該コイルパターン対向面に最も近いコイルパターンとの間の距離が前記空芯コイルのコイルパターンの外径のほぼ1.0倍となるように設定されていることを特徴とする空芯コイルの電磁シールド構造。
- 平面状のコイルパターンが絶縁体を介して積層形成された空芯コイルを電磁シールド導体で覆って電磁シールドする構造であって、上記電磁シールド導体は、上記コイルパターン積層体の上面側に上記コイルパターンと間隙を介して対向する上側電磁シールド面と、上記コイルパターン積層体の下面側に上記コイルパターンと間隙を介して対向する下側電磁シールド面とを有し、上記上側電磁シールド面と上記コイルパターン積層体の中心との間の距離、あるいは、上記下側電磁シールド面と上記コイルパターン積層体の中心との間の距離が、上記上側電磁シールド面と下側電磁シールド面の間の距離の0.25倍以上、かつ、0.75倍以下となるように設定されていることを特徴とする空芯コイルの電磁シールド構造。
- 平面状のコイルパターンが絶縁体を介して積層形成された空芯コイルを電磁シールド導体で覆って電磁シールドする構造であって、上記電磁シールド導体は、上記コイルパターン積層体の上面側に上記コイルパターンに間隙を介して対向する上側電磁シールド面と、上記コイルパターン積層体の下面側に上記コイルパターンに間隙を介して対向する下側電磁シールド面とを有し、上記上側電磁シールド面と上記コイルパターン積層体の中心との間の距離、あるいは、上記下側電磁シールド面と上記コイルパターン積層体の中心との間の距離が、上記上側電磁シールド面と下側電磁シールド面の間の距離のほぼ0.5倍となるように設定されていることを特徴とする空芯コイルの電磁シールド構造。
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