JP3643704B2 - 液晶表示パネルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板面にほぼ平行な電界を加えることによって液晶を駆動するIPS方式の液晶表示パネルとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリクス型液晶ディスプレイは、カムコーダ用のディスプレイやノートパソコン用のディスプレイなど種々の分野へ利用されており、大きな市場を形成してきている。とくに、最近、パソコンやワークステーション用のモニターとしての応用展開が期待されており、対角13〜14インチ以上の画面サイズの要求が高まっている。TFT液晶ディスプレイの表示モードとしては、現状では捻れネマチック(TN)モードが主流となっているが、大画面表示用途には、特開平6−160878号公報等に記載されている基板面にほぼ平行な電界を印加し、基板面に平行に液晶分子を動かすインプレーンスイッチング(IPS)モードが、その非常に広い視野角特性により、期待を集めている。
【0003】
図3はIPSモードにおける液晶分子の動きを模式的に示す説明図であり、図3(a)は電界を印加しない場合、図3(b)は電界を印加した場合をそれぞれ示し、1はアレイ基板、2はアレイ基板1に対向して配置された対向基板、3はアレイ基板1に形成された画素電極、4は共通電極、5,6はアレイ基板1および対向基板2の外部にそれぞれ配置された偏光板、7は画素電極3および共通電極4に電圧を印加する電源、8はアレイ基板1と対向基板2間に挟持された液晶素子を示す。
【0004】
IPSモードは、上下基板に電極を持ち、基板面にほぼ垂直な電界で動作する従来のTNモードと多くの点で異なっている。
【0005】
TNモードでは、上下基板に存在する電極は、画素部の表示領域全体に形成されており、ほぼ平坦な構造をしている。一方、IPSモードでは、基板面に平行な電界を加えるために、画素電極3と共通電極4が櫛歯状に同一の基板側に形成されている。これらの電極は、通常数百nmの厚みの金属で構成されており、電極部と電極の間の表示領域には、電極の厚み分の段差が存在する。
【0006】
IPSモードのパネルにおいても、液晶の配向処理は、TNモードと同様、ポリイミドなどの配向膜を基板1,2表面に形成し、バフ布で一方向に擦るラビング処理で行われている。このラビング処理によって、液晶は一軸配向性を付与される。ラビング処理によって、液晶を配向させる場合、電極部等の段差が存在すると、段差近傍の領域が擦られ難く、この領域の一軸配向性が不完全となる。この領域を非配向領域とよぶ。TNモードにおいても、走査配線電極、信号配線電極の段差近傍には非配向領域が存在するが、この部分を対向基板に形成した遮光層(通常ブラックマトリクス)で隠しているため、画素部の表示エリアには、非配向領域が存在せず、表示上の影響は少ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、IPSモードの場合、画素部の表示エリアに櫛歯状に画素電極と共通電極が存在する。これらの電極は一般に、TFTアレイの製造プロセス上、信号配線電極および走査配線電極と同時に形成されるため、信号配線電極または走査配線電極と同じ段差をもっている。
【0008】
一般に櫛歯状に配置された画素電極と共通電極の間隔は10μm程度であり、段差近傍の非配向領域を遮光層で隠すことは、パネル開口率の点から非常に困難である。つまり、非配向領域を隠すと、開口率が非常に小さくなってしまい、実用的ではない。IPSモードは一般に、電界を加えない状態で黒表示を行うノーマリーブラック(NB)表示であるため、電極段差近傍に非配向領域が存在すると、この部分が光り抜けを起こし、コントラストを低下させる。また、非配向領域の大きさにパネル内でばらつきがあると、筋むらの表示むらを引き起こし、表示品位を著しく低下させてしまうという問題がある。
【0009】
このような非配向領域を低減する方法として、配向膜層の膜厚を大きくして、レベリング効果により電極段差を緩和する手段が考えられる。しかし、配向膜を厚く印刷すると、基板面内の膜厚むらが大きくなること、厚膜印刷のために配向膜ワニスの濃度を高めると、ワニスの安定性が悪くなることなどが問題である。
【0010】
本発明の目的は、このような問題を回避しながら、電極段差近傍の非配向領域を低減し、高コントラストが得られ、しかも表示品位に優れたIPSモード液晶表示パネルおよびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、ベース基板上に、マトリクス状に配置された複数の画素ごとに設けられた薄膜トランジスタを形成するとともに、所定の厚さを有する画素電極および共通電極を画素領域に形成してなるアレイ基板と、このアレイ基板に対向する対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持される液晶組成物層とを備え、前記薄膜トランジスタをオン/オフさせることにより前記基板面に略平行な電界を印加して、前記液晶組成物層に含まれる液晶分子を動作させる横電界方式の液晶表示パネルにおいて、前記アレイ基板における前記所定の厚さを有する画素電極および共通電極が形成された面に、前記画素電極および共通電極による段差を平坦化する膜が形成され、この膜の上に、前記液晶組成物層に接触する面にラビングによる配向処理が施された配向膜が形成されたことを特徴とする。この構成により、本発明の液晶表示パネルは、配線段差を緩和することができ、段差近傍の非配向領域が低減され、コントラスト、表示品位に優れたものとなる。
【0012】
また本発明は、前記画素電極および共通電極の上に、前記画素電極および共通電極による段差を平坦化する膜と前記配向膜の2層の膜が形成されたことを特徴とする。このような構成により、配線段差の平坦化および段差形状のテーパー化をより効果的に行うことができ、段差近傍の非配向領域を大幅に低減することができる。
また本発明は、前記画素電極および共通電極による段差を平坦化する膜と前記配向膜とが同一材料からなることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、ベース基板上に、マトリクス状に配置された複数の画素ごとに設けられた薄膜トランジスタを形成するとともに、所定の厚さを有する画素電極および共通電極を画素領域に形成してなるアレイ基板と、このアレイ基板に対向する対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持される液晶組成物層とを備え、前記薄膜トランジスタをオン/オフさせることにより前記基板面に略平行な電界を印加して、前記液晶組成物層に含まれる液晶分子を動作させる横電界方式の液晶表示パネルの製造方法において、前記ベース基板上に、前記薄膜トランジスタ、前記所定の厚さを有する画素電極および共通電極を形成する工程と、前記所定の厚さを有する画素電極および共通電極の上に第1の膜を形成して、前記画素電極および前記共通電極による段差を平坦化する工程と、前記第1の膜上に、前記第1の膜と同一の材料からなる配向膜を形成する工程と、前記配向膜をラビングして配向処理する工程を有することを特徴とする。このような製造方法により、段差近傍の非配向領域が低減され、コントラスト、表示品位に優れたIPS方式液晶表示パネルを実現することができる。
また本発明は、オフセット印刷を2回行うことにより、前記第1の膜および配向膜を形成することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明の実施形態のIPSモードTFT液晶パネルの画素部のアレイ形状の平面構造を示す模式図、図2は図1の断面構造を表す模式図であり、10はベース基板、11は走査電極配線、12は信号電極配線、13は共通電極配線、14は画素電極配線、15はスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)、16は蓄積容量、17,19は絶縁層、20はアレイ基板、21は上層配向膜、22は下層配向膜を示す。
【0016】
ベース基板10の表面上には走査電極配線11と共通電極配線13は交互に形成されている。共通電極配線13は走査電極配線11に平行な一本の基本線と、この基本線に対して垂直かつ両側に櫛状に延在する複数の垂直線から構成されている。また、ベース基板10の表面上には走査電極配線11と共通電極配線13を覆うように絶縁層19が形成され、その上に薄膜トランジスタ15が形成され、さらに信号電極配線12および画素電極配線14が形成される。信号電極配線12は走査電極配線11に対して垂直方向に延びる線であり、画素電極配線14は共通電極配線13の1本の垂直線に咬合するようにコ字状に形成され、画素電極配線14の一方の端部が薄膜トランジスタ15に接続され、しかも中央部が走査電極配線11に位置することにより、蓄積容量16が形成される。また、信号電極配線12が薄膜トランジスタ15に接続されている。そして、画素部全体に絶縁層17を堆積して、アレイ基板20が構成される。
【0017】
このアレイ基板20にオフセット印刷法を2度行って、下層配向膜21および上層配向膜22を形成する。下層配向膜21は段差平坦化能力の高い膜で形成され、上層配向膜22は、固定パターンを表示した場合の焼き付き現象が発生しにくい膜で形成されている。
【0018】
このような構成により、配向膜を2層に構成したため、配線段差を緩和することができ、段差近傍の非配向領域が低減され、コントラスト、表示品位に優れたものとなる。また、下層に段差平坦化能力が高い膜を形成することで、配線段差の平坦化および段差形状のテーパー化をより効果的に行うことができ、段差近傍の非配向領域を大幅に低減することができる。そして、上層に焼き付き現象が発生しにくい膜を形成することで、表示焼き付きが起こりにくい液晶表示パネルを製造することが可能となる。
【0019】
なお、本実施形態では、蓄積容量16は対応する1ライン前の走査電極配線11との間で形成したが、1ライン後の走査電極配線11または共通電極配線13との間で形成しても良い。
【0020】
また、液晶表示パネルおよびその製造方法において、配向膜の材質はとくに規定しない。しかし、2層構成の配向膜の内、上層の膜はラビング処理により液晶を一軸配向させることができる材料であることが必要である。例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリビニルアルコール等であるが、配向の安定性の観点から、現状ではポリイミド系の材料を使用することが望ましい。下層の膜には、上層と同じ材料を用いても、別の材料を用いてもよい。下層の膜は液晶の配向性をとくに考慮する必要はない。配向膜としてポリイミドを用いる場合、下層の膜にはポリアミック酸タイプのものを用いることが望ましい。これは、ポリアミック酸タイプのものは、一般に溶解性が高く、アルコール系などの表面エネルギーの低い溶剤を、ワニス組成として多く加えることができることから、基板面への濡れがよく、段差の平坦化能力が高いためである。また、上層の膜には、可溶性ポリイミドを用いることが好ましい。可溶性ポリイミドは、ポリアミック酸タイプに比べて溶解性が低く、段差平坦化能力には乏しいが、表示焼き付きに対しては、優れた効果を発揮する。
【0021】
2層構成配向膜はTFTアレイ基板と対向基板(通常はカラーフィルタ基板)の両方に形成しても良いが、少なくとも段差配向が問題となるTFTアレイ基板側に形成されていれば、本発明の目的は達することができる。
【0022】
また、液晶表示パネルにおける配向膜の形成方法は、とくに限定するものではない。通常、液晶パネルの量産工程において、配向膜の塗布は通常オフセット印刷法で行われているが、これに限定するものではなく、スピンコート法等の別の形成手段であってもよい。ただし、必要部分にのみに選択的に配向膜を塗布でき、回路実装部等の不要部分には配向膜を形成しないことが容易な印刷法が、工程簡略化の点では望ましい。とくに、現状の量産工法との整合性の点では、印刷法の中でも、とくにオフセット印刷法が望ましい。
【0023】
【実施例】
次に、具体的な実施例について説明する。
【0024】
まず、第1実施例として、画面の対角15.2インチ、アスペクト比16:9、解像度が縦768X横1364RGBのIPSモードTFT液晶パネルを以下のようにして作製した。
【0025】
図1,図2において走査電極配線11、共通電極配線13はアルミニウムを主成分とする金属薄膜を成膜し、図1に示す形状をフォトリソグラフ法で同一平面上に形成した。使用する金属材料は配線抵抗の低い金属が望ましいが、とくにアルミニウム系金属に限定する必要はなく、また、単層膜であっても多層膜であってもよい。次に絶縁層19としてアルミニウム膜の陽極酸化層と窒化珪素(SiNx)、半導体層としてアモルファスシリコンを積層した後、走査電極配線11上の陽極酸化層と窒化珪素層の一部を取り除き、その後スパッタリング法によりアルミニウム/チタン(Al/Ti)の2層を堆積させて薄膜トランジスタ15を形成し、ドライエッチングにより信号電極配線12および画素電極配線14を形成した。ここで、第1実施例では画素電極配線14の線幅は5μm、画素電極配線14と共通電極配線13の間隔は12μmとした。また、画素電極配線14と走査電極配線11の間で蓄積容量16を形成した。さらに、画素部全体に絶縁層17として窒化珪素(SiNx)を堆積した。このようなアレイ構成において、共通電極配線13および画素電極配線14と電極間部分の段差は、ともに約400nmである。
【0026】
このアレイ基板20に下層配向膜21として、シクロブタンテトラカルボン酸と芳香族ジアミンを主成分として構成されるポリアミック酸ワニスをオフセット印刷法で塗布し、220℃で焼成してポリイミド膜を形成した。この印刷条件で平坦な基板上にポリイミド膜を形成した場合の膜厚は、約80nmであった。
【0027】
さらに、上層配向膜22として、同様にシクロブタンテトラカルボン酸と芳香族ジアミンを主成分として構成されるポリアミック酸ワニス(下層配向膜と同じ材料)をオフセット印刷法で、下層膜と同一条件で塗布し、220℃で焼成してポリイミド膜を形成した。
【0028】
次に、画素電極配線14および共通電極配線13の長手方向と10゜の角度で、レーヨンのバフ布でラビング処理を行った。このラビング処理によって、液晶分子長軸は画素電極配線14および共通電極配線13の長手方向と10゜の角度を成して配向することになる。そして、光遮光層(ブラックマトリクス)とR,G,Bの色材層から成るカラーフィルターに、アレイ基板20と同様、配向膜として、シクロブタンテトラカルボン酸と芳香族ジアミンを主成分として構成されるポリアミック酸ワニスをオフセット印刷法で塗布し、220℃で焼成してポリイミド膜を約80nmの膜厚で形成した。同様にレーヨンのバフ布によるラビングで配向処理し、周辺にシール樹脂を塗布し、平均粒子径が3μmのスペーサービーズを散布後、液晶の配向方向が上下基板で一致するように貼り合わせ、液晶を真空注入した。用いた液晶は、屈折率異方性Δnが0.090で誘電率異方性Δεが正の全フッ素系の混合液晶である。
【0029】
液晶注入後、一対の偏光板を基板の上下に互いの偏光軸を直交させ、かつ一方の偏光軸を液晶の配向方向と一致させて貼り付けた。この液晶パネルを偏光顕微鏡で観察したところ、電極段差部に非配向領域はほとんど見られなかった。このパネルに駆動回路を実装し、表示状態を調べたところ、黒表示、中間調表示、および白表示時において、ラビング筋のような配向むらは全く認められず、非常に均一な表示が得られた。また、コントラスト比もパネル全面で300:1以上を実現できた。
【0030】
次に、第2実施例として、画面の対角15.2インチ、アスペクト比16:9、解像度が縦768X横1364RGBのIPSモードTFT液晶パネルを以下のようにして作製した。なお、アレイ基板の構成および製造方法は第1実施例と同一であるため、説明は省略する。
【0031】
アレイ基板20に下層配向膜21として、シクロブタンテトラカルボン酸と芳香族ジアミンを主成分として構成されるポリアミック酸ワニスをオフセット印刷法で塗布し、220℃で焼成してポリイミド膜を形成した。この印刷条件で平坦な基板上にポリイミド膜を形成した場合の膜厚は、約80nmであった。
【0032】
さらに、上層配向膜22として、ビシクロ環構造をもつ脂肪族テトラカルボン酸と芳香族ジアミンを主成分として構成される可溶性ポリイミドワニスをオフセット印刷法で塗布し、180℃で焼成してポリイミド膜を形成した。この印刷条件で平坦な基板上にポリイミド膜を形成した場合の膜厚は、約60nmであった。
【0033】
素電極配線14および共通電極配線13の長手方向と10゜の角度で、レーヨンのバフ布でラビング処理を行った。この配向処理によって、液晶分子長軸は画素電極配線14および共通電極配線13の長手方向と10゜の角度を成して配向することになる。そして、光遮光層(ブラックマトリクス)とR,G,Bの色材層から成るカラーフィルターに、アレイ基板20と同様、配向膜として、ビシクロ環構造をもつ脂肪族テトラカルボン酸と芳香族ジアミンを主成分として構成される可溶性ポリイミドワニスをオフセット印刷法で塗布し、180℃で焼成してポリイミド膜を約80nmの膜厚で形成した。同様にレーヨンのバフ布によるラビングで配向処理し、周辺にシール樹脂を塗布し、平均粒子径が3μmのスペーサービーズを散布後、液晶の配向方向が上下基板で一致するように貼り合わせ、液晶を真空注入した。用いた液晶は、屈折率異方性Δnが0.090で誘電率異方性Δεが正の全フッ素系の混合液晶である。
【0034】
液晶注入後、一対の偏光板を基板の上下に互いの偏光軸を直交させ、かつ一方の偏光軸を液晶の配向方向と一致させて貼り付けた。この液晶パネルを偏光顕微鏡で観察したところ、電極段差部に非配向領域はほとんど見られなかった。このパネルに駆動回路を実装し、表示状態を調べたところ、黒表示、中間調表示、および白表示時において、ラビング筋のような配向むらは全く認められず、非常に均一な表示が得られた。また、コントラスト比もパネル全面で300:1以上を実現できた。
【0035】
さらに、この液晶表示パネルは、配向膜の上層に可溶性ポリイミドを用いたことにより、固定パターンを表示した場合の焼き付き現象が起こりにくく、同一パターンを30分表示した後、全面に同一の輝度となる信号を加えた場合、表示焼き付き現象は観察されなかった。
【0036】
次に、本実施例に対する比較例を示す。
【0037】
第1比較例として画面の対角15.2インチ、アスペクト比16:9、解像度が縦768X横1364RGBのIPSモードTFT液晶パネルを以下のようにして作製した。なお、アレイ基板の構成および製造方法は第1実施例と同一であるため、説明は省略する。
【0038】
アレイ基板20に配向膜として、シクロブタンテトラカルボン酸と芳香族ジアミンを主成分として構成されるポリアミック酸ワニスをオフセット印刷法で塗布し、220℃で焼成してポリイミド膜を約80nmの膜厚で1層のみ形成した。
【0039】
素電極配線14および共通電極配線13の長手方向と10゜の角度で、レーヨンのバフ布でラビング処理を行った。この配向処理によって、液晶分子長軸は画素電極配線14および共通電極配線13の長手方向と10゜の角度を成して配向することになる。そして、光遮光層(ブラックマトリクス)とR,G,Bの色材層から成るカラーフィルターに、アレイ基板20と同様、配向膜として、シクロブタンテトラカルボン酸と芳香族ジアミンを主成分として構成されるポリアミック酸ワニスをオフセット印刷法で塗布し、220℃で焼成してポリイミド膜を形成した。この印刷条件で平坦な基板上にポリイミド膜を形成した場合の膜厚は、約80nmであった。
【0040】
同様にレーヨンのバフ布によるラビングで配向処理し、周辺にシール樹脂を塗布し、平均粒子径が3μmのスペーサービーズを散布後、液晶の配向方向が上下基板で一致するように貼り合わせ、液晶を真空注入した。用いた液晶は、屈折率異方性Δnが0.090で誘電率異方性Δεが正の全フッ素系の混合液晶であった。
【0041】
液晶注入後、一対の偏光板を基板の上下に互いの偏光軸を直交させ、かつ一方の偏光軸を液晶の配向方向と一致させて貼り付けた。この液晶パネルを偏光顕微鏡で観察したところ、電極段差部に非配向領域が観察された。このパネルに駆動回路を実装し、表示状態を調べたところ、黒表示、中間調表示時において、ラビング方向に沿った筋むらが観察された。また、コントラスト比も非配向領域の光漏れが原因して、パネル全面で200:1以下であった。
【0042】
第2比較例として画面の対角15.2インチ、アスペクト比16:9、解像度が縦768X横1364RGBのIPSモードTFT液晶パネルを以下のようにして作製した。なお、アレイ基板の構成および製造方法は第1実施例と同一であるため、説明は省略する。
【0043】
アレイ基板20に配向膜として、シクロブタンテトラカルボン酸と芳香族ジアミンを主成分として構成されるポリアミック酸ワニスをオフセット印刷法で塗布し、220℃で焼成してポリイミド膜を約150nmの膜厚で1層のみ形成した。
【0044】
素電極配線14および共通電極配線13の長手方向と10゜の角度で、レーヨンのバフ布でラビング処理を行った。この配向処理によって、液晶分子長軸は画素電極配線14および共通電極配線13の長手方向と10゜の角度を成して配向することになる。そして、光遮光層(ブラックマトリクス)とR,G,Bの色材層から成るカラーフィルターに、アレイ基板20と同様、配向膜として、シクロブタンテトラカルボン酸と芳香族ジアミンを主成分として構成されるポリアミック酸ワニスをオフセット印刷法で塗布し、220℃で焼成してポリイミド膜を形成した。この印刷条件で平坦な基板上にポリイミド膜を形成した場合の膜厚は、約150nmであった。
【0045】
同様にレーヨンのバフ布によるラビングで配向処理し、周辺にシール樹脂を塗布し、平均粒子径が3μmのスペーサービーズを散布後、液晶の配向方向が上下基板で一致するように貼り合わせ、液晶を真空注入した。用いた液晶は、屈折率異方性Δnが0.090で誘電率異方性Δεが正の全フッ素系の混合液晶である。
【0046】
液晶注入後、一対の偏光板を基板の上下に互いの偏光軸を直交させ、かつ一方の偏光軸を液晶の配向方向と一致させて貼り付けた。この液晶パネルを偏光顕微鏡で観察したところ、電極段差部に非配向領域はほとんど観察されなかった。しかし、このパネルに駆動回路を実装し、表示状態を調べたところ、中間調表示時において、配向膜の膜厚分布に起因する表示むらが観察され、著しく表示品位を低下させた。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液晶表示パネルおよびその製造方法によれば、電極段差近傍の非配向領域を低減でき、高コントラスト表示が可能で、表示むらの少ない高品位のIPS方式液晶表示パネルを容易に実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の液晶表示パネルのTFTアレイの画素部の形状を示す平面模式図
【図2】本発明の実施形態の液晶表示パネルのTFTアレイの画素部の形状を示す断面模式図
【図3】IPS方式における液晶分子の動きを表す模式図
【符号の説明】
11 走査電極配線
12 信号電極配線
13 共通電極配線
14 画素電極配線
15 薄膜トランジスタ(TFT)
16 蓄積容量
17,19 絶縁層(SiNx
20 アレイ基板
21 下層配向膜
22 上層配向膜

Claims (5)

  1. ベース基板上に、マトリクス状に配置された複数の画素ごとに設けられた薄膜トランジスタを形成するとともに、所定の厚さを有する画素電極および共通電極を画素領域に形成してなるアレイ基板と、このアレイ基板に対向する対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持される液晶組成物層とを備え、前記薄膜トランジスタをオン/オフさせることにより前記基板面に略平行な電界を印加して、前記液晶組成物層に含まれる液晶分子を動作させる横電界方式の液晶表示パネルにおいて、前記アレイ基板における前記所定の厚さを有する画素電極および共通電極が形成された面に、前記画素電極および共通電極による段差を平坦化する膜が形成され、この膜の上に、前記液晶組成物層に接触する面にラビングによる配向処理が施された配向膜が形成されたことを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 前記画素電極および共通電極の上に、前記画素電極および共通電極による段差を平坦化する膜と前記配向膜の2層の膜が形成されたことを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
  3. 前記画素電極および共通電極による段差を平坦化する膜と前記配向膜とが同一材料からなることを特徴とする請求項2記載の液晶表示パネル。
  4. ベース基板上に、マトリクス状に配置された複数の画素ごとに設けられた薄膜トランジスタを形成するとともに、所定の厚さを有する画素電極および共通電極を画素領域に形成してなるアレイ基板と、このアレイ基板に対向する対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持される液晶組成物層とを備え、前記薄膜トランジスタをオン/オフさせることにより前記基板面に略平行な電界を印加して、前記液晶組成物層に含まれる液晶分子を動作させる横電界方式の液晶表示パネルの製造方法において、前記ベース基板上に、前記薄膜トランジスタ、前記所定の厚さを有する画素電極および共通電極を形成する工程と、前記所定の厚さを有する画素電極および共通電極の上に第1の膜を形成して、前記画素電極および前記共通電極による段差を平坦化する工程と、前記第1の膜上に、前記第1の膜と同一の材料からなる配向膜を形成する工程と、前記配向膜をラビングして配向処理する工程とを有することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  5. オフセット印刷を2回行うことにより、前記第1の膜および配向膜を形成することを特徴とする請求項4記載の液晶表示パネルの製造方法。
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