JP3643646B2 - 洗濯機 - Google Patents
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- Y02B40/00—Technologies aiming at improving the efficiency of home appliances, e.g. induction cooking or efficient technologies for refrigerators, freezers or dish washers
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
洗濯機においては、回転翼の回転による水平方向の水流のみならず、上下方向の水流を加えることにより洗いやすすぎの性能を高めることが行なわれている。例えば、従来の洗濯機では、洗濯兼脱水槽内の底壁面の回転翼周囲に吐水開口を形成すると共に、回転翼下側と洗濯兼脱水槽底壁との間の空隙からその吐水開口に連なる循環水路を設ける。回転翼が回転すると回転翼の裏羽根のポンプ作用により上昇水流が発生し、下から吸い上げられた水が循環水路を通り吐水開口から洗濯兼脱水槽内へと噴き上がることになる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の洗濯機では、洗濯兼脱水槽に吐水開口を設ける必要があるため、その構造が複雑になりコストが高くなるという問題点があった。
【０００４】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、簡単な構造で洗濯兼脱水槽内に上下方向の水流を発生させることにより、洗いやすすぎ性能が高く且つコストが安い洗濯機を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段、及び、発明の実施の形態】
上記課題を解決するために成された本発明は、洗濯兼脱水槽を内部に配置した外槽に水を溜め、該洗濯兼脱水槽の底部に設けた回転翼を回転させて洗濯物の洗いやすすぎを実行する洗濯機において、
前記回転翼の内周側の下の前記洗濯兼脱水槽の底壁面に通水開口を形成するとともに、回転翼の下面に放射状の裏羽根を設け、
前記回転翼の上面には略等回転間隔に翼体を形成し、隣接する翼体の間は、回転翼の下面と前記洗濯兼脱水槽の底壁面との空隙が狭くなる平坦部分とし、
この平坦部分の外周側に、隣接する前記裏羽根の間隔よりも小さい形状で上下方向に貫通する吐水開口を形成するとともに、
前記吐水開口の両縁端からそれぞれ両側の裏羽根に連なり、両側の裏羽根に挟まれて外周側へ向かって流れる水を前記吐水開口へ集めるリブを回転翼下面に形成することを特徴としている。
【０００６】
洗い又はすすぎ行程時に回転翼が回転されると、回転翼の裏羽根のポンプ作用により、外槽側から洗濯兼脱水槽側へ吸い上げられた水が回転翼に形成された吐水開口から噴き上がる。これにより、洗濯兼脱水槽内に強い上昇水流が生じる。回転翼自体は回転しているため、水の噴き上げ位置も回転移動し、洗濯兼脱水槽内の洗濯物に万遍なく水流が当たる。
【０００７】
吐水開口を形成する位置は回転翼の適当な箇所とすることができるが、特に回転翼上面の翼体が形成されていない平坦部分に形成すると良い。すなわち、平坦部分では回転翼下面と洗濯兼脱水槽底壁面との空隙が狭いため、吸い上げられた水の圧力が高まり、吐水開口からの水の噴上げの勢いが増すことになる。勿論、比較的複雑な形状を有する翼体部分に吐水開口を形成するよりも製造も容易である。
【０００８】
また、回転翼の内周側の下の洗濯兼脱水槽の底壁面に通水開口を形成し、吐水開口は回転翼の外周側に設けることが好ましい。なぜなら、内周側の通水開口を通して下から吸い上げられた水は外周側になるほど水圧が高まるため、吐水開口を外周側に設ければ、より勢いよく水を噴出することができるからである。
【０００９】
洗濯兼脱水槽内でより強い上昇水流を発生するためには、回転翼の下側において吐水開口に効率良く水を集め、その水を分散させることなく上方向への水流に変えることが望ましい。
【００１０】
このために、吐水開口は回転翼の外周側に設け、放射状の裏羽根の間隔よりも小さい形状とすると良い。これによれば、隣接する裏羽根に挟まれた水が集中して吐水開口へ向かう。更に、吐水開口の両縁端からそれぞれ両側の裏羽根に連なり、両側の裏羽根に挟まれて外周側へ向かって流れる水を前記吐水開口へ集めるリブを回転翼下面に形成すると、一層効果的に水を吐水開口へ導くことができる。
【００１６】
【発明の効果】
本発明に係る洗濯機によれば、洗い及びすすぎの際に洗濯兼脱水槽内で強い上昇水流が発生するため、洗濯物の上下の入れ替えが促進され、しかも洗濯物に強い水流が万遍なく通過する。これにより、洗いやすすぎ性能が向上する。
【００１７】
また本発明に係る洗濯機によれば、吐水開口は回転翼に一体成形され、且つ洗濯兼脱水槽には吐水開口を設ける必要がなくなるため、従来よりもコストが低くて済む。
【００１８】
【実施例】
以下、本発明に係る洗濯機の一実施例を図１〜図３を参照して説明する。
【００１９】
図１はこの実施例の洗濯機全体の構成を示す縦断面図である。機枠１０の内部には、外槽１１が４本の吊り棒（図示しない）により釣支されており、外槽１１内には、周囲に多数の脱水孔を有する洗濯兼脱水槽１２が、その底壁に設けられた回転軸１３を中心に回転自在に軸支されている。洗濯兼脱水槽１２内の底部には回転翼１４が回転自在に設けられ、動力切換機構１５により、回転翼１４と洗濯兼脱水槽１２とが一体となって回転するか、或いは、回転翼１４のみが回転するかが切り換えられる。外槽１１の底壁にはモータ１６が取り付けられ、その回転はモータプーリ１７、ベルト１８、主プーリ１９を介して動力切換機構１５へ伝達される。外槽１１の底壁後方には排水パイプ２０が接続され、その途中に電磁弁２１が設けられている。一方、機枠１０の上面後方には水道蛇口に連結された給水管２２が配設され、その途中には給水電磁弁２３が設けられている。給水管２２へ供給された水は洗剤ボックス２４を介して洗濯兼脱水槽１２内へ注がれる。
【００２０】
図２は、この洗濯機の回転翼１４の構成を示す上面図（ａ）、及びＡ−Ｂ部分の断面図（ｂ）である。回転翼１４の上面には５枚の翼体３０が略等回転間隔に形成され、隣接する翼体３０の間は外周から内周に向かって緩やかに下傾する平坦部３１となっている。その平坦部３１の内周側には、排水時に溜まった水を排出するための排水孔３２が設けられている。回転翼１４裏面には、１０枚の裏羽根（放射リブ）３３が放射状に略等回転間隔に形成されると共に、外縁の全周に渡って周リブ３４が形成されている。各平坦部３１の周リブ３４の内側には周方向に細長い吐水開口３５が設けられ、その近傍には５枚の整流板３６が形成される。各整流板３６はその縁端が吐水開口３５にせり出しているが、周リブ３４との間には隙間がある。更に、回転翼１４裏面には、裏羽根３３から吐水開口３５の縁端に連なる補助リブ３７が形成されている。なお、周リブ３４は吐水開口３５の位置している部分では他の部分よりも高い形状を有する。
【００２１】
図３は、上記回転翼１４を取り付けた洗濯兼脱水槽１２底部の縦断面図である。洗濯兼脱水槽１２の底壁４０には、外槽との間で水を通過する通水孔４１が設けられている。その底壁４０は回転翼１４の裏羽根３３の形状に対応した形状を有し、更に、回転翼１４の周リブ３４の位置の外側付近に、上方向に伸びるリブ４２が全周に渡って形成されている。この洗濯兼脱水槽１２側のリブ４２と回転翼１４側の周リブ３４とにより、回転翼１４の下から上へと抜ける、曲がりくねった狭い水路（細線矢印参照）が形成される。
【００２２】
外槽１１及び洗濯兼脱水槽１２内に所定量の洗剤水又はすすぎ水が満たされて回転翼１４が回転駆動されると、裏羽根３３のポンプ作用により通水孔４１を通して水が吸い上げられる。この水は、図３の太線矢印のように回転翼１４裏側を外周側へ向かって流れる。この際、回転翼１４の平坦部３１の裏側部分では、両側の裏羽根３３に挟まれて流れる水が補助リブ３７によって吐水開口３５へ集められる。この水の一部は回転翼１４の周リブ３４と洗濯兼脱水槽１２のリブ４２とにより形成されている水路へ流れ込むが、この水路は狭く抵抗が大きいため、大部分はより抵抗の小さい吐水開口３５を通り抜け上方へ噴き出す。圧力の高まった水は吐水開口３５から一気に噴出するため、洗濯兼脱水槽１２内には強い上昇水流が生まれる。また、回転翼１４は回転しているため、吐水開口３５を通過する水は吐水開口３５の一方の端に片寄ろうとするが、整流板３６に遮られて自由に移動できず、吐水開口３５から平均的に噴き上がる。
【００２３】
この吐水開口３５から得られる上昇水流は回転翼１４の回転に従って移動するから、洗濯兼脱水槽１２内の洗濯物には万遍なく下から水流が当たる。このため、洗濯物が上下に入れ替わり易くなり、洗いやすすぎのむらが少なくなる。また、強い水流が洗濯物を通過するため、洗いやすすぎ性能も向上する。
【００２４】
なお、吐水開口３５は周方向に細長い形状をしているので、洗濯物に付いているボタン等の突起物が引っ掛かりにくい。また、洗濯兼脱水槽１２内にボタン等が落ちた場合でも、整流板３６により吐水開口３５が仕切られているので、回転翼１４の裏側に入り込んでしまうことを防止できる。一方、水に糸屑が混じっている場合には、上昇水流に乗って吐水開口３５の整流板３６と周リブ３４との隙間から噴き上がり、糸屑等が整流板３６の下側に溜まって吐水開口３５の通水を悪くすることを防止できる。
【００２５】
図４は、上記実施例とは異なる構造を有する回転翼１４を取り付けた洗濯兼脱水槽１２底部の縦断面図である。回転翼１４の吐水開口３５の下側には、水を効果的に集めるために、周リブ３４から内周側に延出する案内板３８が形成されている。すなわち、回転翼１４の下側を内周側から外周側へ向かって流れる水は、この案内板３８に導かれて吐水開口３５へ向かい、吐水開口３５を通り抜けて噴き上がる。なお、この例では整流板３６は周リブ３４に連なる構造としている。
【００２６】
なお、以上説明した回転翼や洗濯兼脱水槽の構造は一例であり、本発明の趣旨に沿った形で適宜変更することができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施例による洗濯機の全体構成を示す縦断面図。
【図２】 この実施例の回転翼の上面図（ａ）及び断面図（ｂ）。
【図３】 図２の回転翼を取り付けた洗濯兼脱水槽底部の縦断面図。
【図４】 他の実施例による回転翼を取り付けた洗濯兼脱水槽底部の縦断面図。
【符号の説明】
１１…外槽
１２…洗濯兼脱水槽
１４…回転翼
３０…翼体
３１…平坦部
３３…裏羽根
３４…周リブ
３５…吐水開口
３６…整流板
３７…補助リブ
３８…案内板
４０…底壁
４１…通水孔
４２…リブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
洗濯機においては、回転翼の回転による水平方向の水流のみならず、上下方向の水流を加えることにより洗いやすすぎの性能を高めることが行なわれている。例えば、従来の洗濯機では、洗濯兼脱水槽内の底壁面の回転翼周囲に吐水開口を形成すると共に、回転翼下側と洗濯兼脱水槽底壁との間の空隙からその吐水開口に連なる循環水路を設ける。回転翼が回転すると回転翼の裏羽根のポンプ作用により上昇水流が発生し、下から吸い上げられた水が循環水路を通り吐水開口から洗濯兼脱水槽内へと噴き上がることになる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の洗濯機では、洗濯兼脱水槽に吐水開口を設ける必要があるため、その構造が複雑になりコストが高くなるという問題点があった。
【０００４】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、簡単な構造で洗濯兼脱水槽内に上下方向の水流を発生させることにより、洗いやすすぎ性能が高く且つコストが安い洗濯機を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段、及び、発明の実施の形態】
上記課題を解決するために成された本発明は、洗濯兼脱水槽を内部に配置した外槽に水を溜め、該洗濯兼脱水槽の底部に設けた回転翼を回転させて洗濯物の洗いやすすぎを実行する洗濯機において、
前記回転翼の内周側の下の前記洗濯兼脱水槽の底壁面に通水開口を形成するとともに、回転翼の下面に放射状の裏羽根を設け、
前記回転翼の上面には略等回転間隔に翼体を形成し、隣接する翼体の間は、回転翼の下面と前記洗濯兼脱水槽の底壁面との空隙が狭くなる平坦部分とし、
この平坦部分の外周側に、隣接する前記裏羽根の間隔よりも小さい形状で上下方向に貫通する吐水開口を形成するとともに、
前記吐水開口の両縁端からそれぞれ両側の裏羽根に連なり、両側の裏羽根に挟まれて外周側へ向かって流れる水を前記吐水開口へ集めるリブを回転翼下面に形成することを特徴としている。
【０００６】
洗い又はすすぎ行程時に回転翼が回転されると、回転翼の裏羽根のポンプ作用により、外槽側から洗濯兼脱水槽側へ吸い上げられた水が回転翼に形成された吐水開口から噴き上がる。これにより、洗濯兼脱水槽内に強い上昇水流が生じる。回転翼自体は回転しているため、水の噴き上げ位置も回転移動し、洗濯兼脱水槽内の洗濯物に万遍なく水流が当たる。
【０００７】
吐水開口を形成する位置は回転翼の適当な箇所とすることができるが、特に回転翼上面の翼体が形成されていない平坦部分に形成すると良い。すなわち、平坦部分では回転翼下面と洗濯兼脱水槽底壁面との空隙が狭いため、吸い上げられた水の圧力が高まり、吐水開口からの水の噴上げの勢いが増すことになる。勿論、比較的複雑な形状を有する翼体部分に吐水開口を形成するよりも製造も容易である。
【０００８】
また、回転翼の内周側の下の洗濯兼脱水槽の底壁面に通水開口を形成し、吐水開口は回転翼の外周側に設けることが好ましい。なぜなら、内周側の通水開口を通して下から吸い上げられた水は外周側になるほど水圧が高まるため、吐水開口を外周側に設ければ、より勢いよく水を噴出することができるからである。
【０００９】
洗濯兼脱水槽内でより強い上昇水流を発生するためには、回転翼の下側において吐水開口に効率良く水を集め、その水を分散させることなく上方向への水流に変えることが望ましい。
【００１０】
このために、吐水開口は回転翼の外周側に設け、放射状の裏羽根の間隔よりも小さい形状とすると良い。これによれば、隣接する裏羽根に挟まれた水が集中して吐水開口へ向かう。更に、吐水開口の両縁端からそれぞれ両側の裏羽根に連なり、両側の裏羽根に挟まれて外周側へ向かって流れる水を前記吐水開口へ集めるリブを回転翼下面に形成すると、一層効果的に水を吐水開口へ導くことができる。
【００１６】
【発明の効果】
本発明に係る洗濯機によれば、洗い及びすすぎの際に洗濯兼脱水槽内で強い上昇水流が発生するため、洗濯物の上下の入れ替えが促進され、しかも洗濯物に強い水流が万遍なく通過する。これにより、洗いやすすぎ性能が向上する。
【００１７】
また本発明に係る洗濯機によれば、吐水開口は回転翼に一体成形され、且つ洗濯兼脱水槽には吐水開口を設ける必要がなくなるため、従来よりもコストが低くて済む。
【００１８】
【実施例】
以下、本発明に係る洗濯機の一実施例を図１〜図３を参照して説明する。
【００１９】
図１はこの実施例の洗濯機全体の構成を示す縦断面図である。機枠１０の内部には、外槽１１が４本の吊り棒（図示しない）により釣支されており、外槽１１内には、周囲に多数の脱水孔を有する洗濯兼脱水槽１２が、その底壁に設けられた回転軸１３を中心に回転自在に軸支されている。洗濯兼脱水槽１２内の底部には回転翼１４が回転自在に設けられ、動力切換機構１５により、回転翼１４と洗濯兼脱水槽１２とが一体となって回転するか、或いは、回転翼１４のみが回転するかが切り換えられる。外槽１１の底壁にはモータ１６が取り付けられ、その回転はモータプーリ１７、ベルト１８、主プーリ１９を介して動力切換機構１５へ伝達される。外槽１１の底壁後方には排水パイプ２０が接続され、その途中に電磁弁２１が設けられている。一方、機枠１０の上面後方には水道蛇口に連結された給水管２２が配設され、その途中には給水電磁弁２３が設けられている。給水管２２へ供給された水は洗剤ボックス２４を介して洗濯兼脱水槽１２内へ注がれる。
【００２０】
図２は、この洗濯機の回転翼１４の構成を示す上面図（ａ）、及びＡ−Ｂ部分の断面図（ｂ）である。回転翼１４の上面には５枚の翼体３０が略等回転間隔に形成され、隣接する翼体３０の間は外周から内周に向かって緩やかに下傾する平坦部３１となっている。その平坦部３１の内周側には、排水時に溜まった水を排出するための排水孔３２が設けられている。回転翼１４裏面には、１０枚の裏羽根（放射リブ）３３が放射状に略等回転間隔に形成されると共に、外縁の全周に渡って周リブ３４が形成されている。各平坦部３１の周リブ３４の内側には周方向に細長い吐水開口３５が設けられ、その近傍には５枚の整流板３６が形成される。各整流板３６はその縁端が吐水開口３５にせり出しているが、周リブ３４との間には隙間がある。更に、回転翼１４裏面には、裏羽根３３から吐水開口３５の縁端に連なる補助リブ３７が形成されている。なお、周リブ３４は吐水開口３５の位置している部分では他の部分よりも高い形状を有する。
【００２１】
図３は、上記回転翼１４を取り付けた洗濯兼脱水槽１２底部の縦断面図である。洗濯兼脱水槽１２の底壁４０には、外槽との間で水を通過する通水孔４１が設けられている。その底壁４０は回転翼１４の裏羽根３３の形状に対応した形状を有し、更に、回転翼１４の周リブ３４の位置の外側付近に、上方向に伸びるリブ４２が全周に渡って形成されている。この洗濯兼脱水槽１２側のリブ４２と回転翼１４側の周リブ３４とにより、回転翼１４の下から上へと抜ける、曲がりくねった狭い水路（細線矢印参照）が形成される。
【００２２】
外槽１１及び洗濯兼脱水槽１２内に所定量の洗剤水又はすすぎ水が満たされて回転翼１４が回転駆動されると、裏羽根３３のポンプ作用により通水孔４１を通して水が吸い上げられる。この水は、図３の太線矢印のように回転翼１４裏側を外周側へ向かって流れる。この際、回転翼１４の平坦部３１の裏側部分では、両側の裏羽根３３に挟まれて流れる水が補助リブ３７によって吐水開口３５へ集められる。この水の一部は回転翼１４の周リブ３４と洗濯兼脱水槽１２のリブ４２とにより形成されている水路へ流れ込むが、この水路は狭く抵抗が大きいため、大部分はより抵抗の小さい吐水開口３５を通り抜け上方へ噴き出す。圧力の高まった水は吐水開口３５から一気に噴出するため、洗濯兼脱水槽１２内には強い上昇水流が生まれる。また、回転翼１４は回転しているため、吐水開口３５を通過する水は吐水開口３５の一方の端に片寄ろうとするが、整流板３６に遮られて自由に移動できず、吐水開口３５から平均的に噴き上がる。
【００２３】
この吐水開口３５から得られる上昇水流は回転翼１４の回転に従って移動するから、洗濯兼脱水槽１２内の洗濯物には万遍なく下から水流が当たる。このため、洗濯物が上下に入れ替わり易くなり、洗いやすすぎのむらが少なくなる。また、強い水流が洗濯物を通過するため、洗いやすすぎ性能も向上する。
【００２４】
なお、吐水開口３５は周方向に細長い形状をしているので、洗濯物に付いているボタン等の突起物が引っ掛かりにくい。また、洗濯兼脱水槽１２内にボタン等が落ちた場合でも、整流板３６により吐水開口３５が仕切られているので、回転翼１４の裏側に入り込んでしまうことを防止できる。一方、水に糸屑が混じっている場合には、上昇水流に乗って吐水開口３５の整流板３６と周リブ３４との隙間から噴き上がり、糸屑等が整流板３６の下側に溜まって吐水開口３５の通水を悪くすることを防止できる。
【００２５】
図４は、上記実施例とは異なる構造を有する回転翼１４を取り付けた洗濯兼脱水槽１２底部の縦断面図である。回転翼１４の吐水開口３５の下側には、水を効果的に集めるために、周リブ３４から内周側に延出する案内板３８が形成されている。すなわち、回転翼１４の下側を内周側から外周側へ向かって流れる水は、この案内板３８に導かれて吐水開口３５へ向かい、吐水開口３５を通り抜けて噴き上がる。なお、この例では整流板３６は周リブ３４に連なる構造としている。
【００２６】
なお、以上説明した回転翼や洗濯兼脱水槽の構造は一例であり、本発明の趣旨に沿った形で適宜変更することができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施例による洗濯機の全体構成を示す縦断面図。
【図２】 この実施例の回転翼の上面図（ａ）及び断面図（ｂ）。
【図３】 図２の回転翼を取り付けた洗濯兼脱水槽底部の縦断面図。
【図４】 他の実施例による回転翼を取り付けた洗濯兼脱水槽底部の縦断面図。
【符号の説明】
１１…外槽
１２…洗濯兼脱水槽
１４…回転翼
３０…翼体
３１…平坦部
３３…裏羽根
３４…周リブ
３５…吐水開口
３６…整流板
３７…補助リブ
３８…案内板
４０…底壁
４１…通水孔
４２…リブ
Claims (1)
- 洗濯兼脱水槽を内部に配置した外槽に水を溜め、該洗濯兼脱水槽の底部に設けた回転翼を回転させて洗濯物の洗いやすすぎを実行する洗濯機において、
前記回転翼の内周側の下の前記洗濯兼脱水槽の底壁面に通水開口を形成するとともに、回転翼の下面に放射状の裏羽根を設け、
前記回転翼の上面には略等回転間隔に翼体を形成し、隣接する翼体の間は、回転翼の下面と前記洗濯兼脱水槽の底壁面との空隙が狭くなる平坦部分とし、
この平坦部分の外周側に、隣接する前記裏羽根の間隔よりも小さい形状で上下方向に貫通する吐水開口を形成するとともに、
前記吐水開口の両縁端からそれぞれ両側の裏羽根に連なり、両側の裏羽根に挟まれて外周側へ向かって流れる水を前記吐水開口へ集めるリブを回転翼下面に形成することを特徴とする洗濯機。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13094796A JP3643646B2 (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 洗濯機 |
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