JP3643451B2 - 複合端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、LAN等のネットワークシステムに接続されて、複数のホスト装置あるいはワークステーションによって共用される複合端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在のスキャナ装置(画像読取装置)は、ホスト側と1対1のSCSIで接続され、スキャナ装置側には操作及び表示部が何ら設けられていない。従って、スキャナ装置に付属するドライバソフトまたはユーティリティソフトで、ホスト側から読み取り条件を設定して原稿画像の読み取りを開始し、読み取った画像データを直接ホスト側に取り込むようになっている。
【0003】
一方、スキャナ装置を含む画像入出力のネットワーク化の動きは盛んであり、ネットワークを使用した画像処理システムも市場に提供されるようになっているが、ネットワーク上のサーバとしてのアプリケーションは、まだ一般的に出回っていない。
【0004】
また、プリンタとスキャナ装置とを一体化してデジタル複写機を構成し、複写機,プリンタ,スキャナ装置,さらにファクシミリ装置などの複数の機器としての機能を備えたマルチファンクション機器(複合機)も開発・販売されている。デジタル画像機器の1つの特徴として、画情報の遠隔移動があるが、具体的にネットワークを通して移動させる場合には色々な問題点があり、その解決方法は試行錯誤である。
【0005】
ネットワーク環境は今後大いに発展する分野である。既に設置されているネットワーク環境をそのまま利用し、使用環境を乱すことのない画像読み取り装置(スキャナ装置)の環境を構築することが望まれている。ホストマシンと1対1で接続して使用する現在の一般のスキャナ装置の概念から脱却し、シェアード・ユースを前提としたフロア・タイプのデジタル複写機を、ネットワーク・スキャナとして利用することが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようなネットワークを介するスキャナ装置の動作においては、従来から存在するホスト装置と隣接した環境下で画像データの取り込みを行なうスキャナの動作とは異なり、複数のユーザが共用する環境と、限られた条件の操作パネルの使用を考慮した上でのアプリケーション、操作手順を考慮しておく必要がある。
【0007】
これまでのスキャナ装置では、基本的に1対1でホストマシンに接続されている環境下での使用を前提としているため、読み取り条件の設定などは常時オンライン状態になっているホストマシンから行なうことが可能であったため、スキャナ装置上での読み取り条件の設定変更等に関わるユーザインタフェースに関しては、全くといってよいほど配慮されていなかったし、その必要も無かった。
【0008】
この発明は、ネットワークを介して画像読取装置を備えた複合端末装置を複数のホスト装置又はワークステーションによって共用するシステムのサーバマシンとして位置づけるようにし、従来のスキャナ装置では対応できない機能を新たに提供し、ネットワークスキャナ・システムとして有効に動作させ得るようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、原稿の画像を読み取る画像読取手段と、画像読取手段で読み取った画像データを蓄積する蓄積手段と、画像読取手段によって読み取った画像データ又は上記蓄積手段に蓄積した画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、ネットワークを介してホスト装置又はワークステーションと接続する手段と、これらの各手段を制御するための操作・制御手段と、上記ネットワークを介して設定された条件にしたがって、上記画像読取手段によって原稿の画像を読み取り、蓄積手段に蓄積した画像データをホスト装置又はワークステーションへ転送する手段とを備えた複合端末装置であって、上記設定された条件が装置の状態に対応していない場合に、装置の状態に対応した読み取り条件の変更内容を、読み取り解像度、読み取り領域、読み取りの階調条件のいずれか又はこれらの組み合わせのうち複数の条件について生成し、その中からユーザが選択した内容に従って上記設定された条件を変更する手段を有するものである。
【0011】
このような複合端末装置において、上記画像読取手段が、原稿面上を分割してスキャンし、読み取った画像データを分割して送出する手段を有するとよい。
さらに、読み取り条件を変更する条件設定をメニューにより選択可能にする手段を有することもできる。
これらの複合端末装置において、複数の読み取り条件を変更設定したときに、その各条件が変更された結果を合わせて表示する手段を有するのが好ましい。
【0012】
この発明は、特定のネットワーク環境ばかりでなく、各種ネットワーク環境及びマルチベンダ環境に対応することができ、これは総合デジタル画像処理システムに拡張して実施することができる。各種ネットワーク環境には、それが必要とするプロトコル対応を、各種マルチベンダ環境には、それが必要とするユーティリティ・ソフトウエアを準備すればよく、ホスト側のユーティリティ・ソフトウエアと機器側のサービス・ソフトウエアを一体で開発すれば、ソフトウエアをその都度変更する必要はなく、無変更または若干の変更で対応できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
この発明による複合端末装置を含めたネットワークシステム全体の基本構成を図2に示す。
【0014】
この図2に示すネットワークシステムは、ウインドウズ(登録商標)PC(パーソナルコンピュータ)1,マッキントッシュ(登録商標)2,UNIX(登録商標)マシン3,DOS PC マシン4等の複数台のホスト装置又はワークステーション(WS)およびファイルサーバ5等のサーバと、この発明による複合端末装置10(コントローラ部11のみを示す)をLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)6で接続し、そのLANシステムが要求するネットワーク−OS(図示しない)から構成される。ただし、ここではネットワーク−OSに関しては言及しない。
【0015】
とにかく、このネットワークシステムにおいては、物理的なLAN構成があり、何らかのネットワーク−OSが組み込まれており、それらを利用して任意のワークステーションやサーバとこの発明による複合端末装置が双方向で通信できるように構成されている。
【0016】
図2に示したウインドウズPC1のソフトウエアは図3に示すように構成されている。マッキントッシュ2のソフトウエアは図4に示すように、DOS PC マシン4のソフトウエアは図5に示すように、それぞれ構成されている。
そして、複合端末装置10のコントローラであるコントローラ部11のソフトウエアは図6に示すように構成されている。
【0017】
これらのうち、マッキントッシュ2,ファイルサーバ5,UNIXマシン3,およびDOS PC マシン4は、公知のものなので詳しい説明は省く。
また、ウィンドウズPC1の内部構成を示す図3のうち、イメージファイルハンドラーは、スキャナから送られる画像データを受け取り、プリンタへ送る画像データを送り出すユーティリティソフトである。条件ファイルハンドラーは、プリンタやスキャナに読み取り条件データを送るユーティリティソフトである。
それ以外は、公知のものであるので詳しい説明は省く。
【0018】
複合端末装置10全体は図1に示すように構成されており、大きく分けて画像読取装置であるスキャナ部12、画像形成装置であるプリンタ部13、画像処理部14、およびこれらを制御するベースエンジン・コントローラ15からなるベースエンジン部と、前述したスキャナ/プリンタ・コントローラであるコントローラ部11とに分けることが出来る。
【0019】
ベースエンジン部はそれ自体で完結した複写装置であり、ARDF(自動反転ドキュメント・フィーダ)を持つスキャナ部12と、豊富なペーパ・ハンドリング装置(給紙トレイ,両面装置,排紙装置等)を有するプリンタ部13と、スキャナ部12とプリンタ部13との間のビデオ・データの画像処理を実行する画像処理部(IPU)から構成されるエンジン部分と、この装置のマンマシンインタフェース部となる操作パネル16と、これらを制御するベースエンジン・コントローラ15から成り立つ。
【0020】
操作パネル16は、表示器,スイッチ(メカニカル・キー),タッチパネル,LCD等を有する操作部および操作パネル部からなり、ユーザと対話しながら複写機能の設定、プリンタ機能の設定、スキャナ機能の設定が可能である。さらに、スキャナ/プリンタ機能が必要とするステータス・メッセージの表示も可能である。
【0021】
ベースエンジン・コントローラ15によるエンジン部分の制御とは、スキャナ部12およびプリンタ部13の構成を確認したり(接続されているオプションの確認)、各給紙トレイの状態、両面装置の状態、排紙装置の状態、原稿給紙装置の状態などを確認したり、それらのペーパ・パスの設定をしたり、プリント/スキャンの動作に起動をかけたり、プロセスの進行状況を確認したり、エラー発生時にその状況を詳細に確認したりするといったことである。
ベースエンジン・コントローラ15はさらに、画像処理部14およびソータやフィニッシャ,大量給紙装置などの周辺機器17の制御も行なう。
【0022】
コントローラ部11の大まかな構成を図6に示す。スキャナ/プリンタ・コントローラであるコントローラ部11は、画像読取装置であるスキャナ部12からの原稿の読み取り画像データの入力と、画像形成装置であるプリンタ部13への画像データの出力などを行なうためのビデオ・インタフェース(インタフェースA)と、ベースエンジン部の動作制御コマンドおよび操作パネル16への表示コマンド、ベースエンジン部からの状態遷移通知や操作通知をコマンド/ステータスとしてやりとりするためのコマンド/ステータス・インタフェース(インタフェースB)とによって、ベースエンジン・コントローラ15と接続される。
【0023】
また、このコントローラ部11は、ネットワーク・インタフェース・カード(NIC)によって図2に示したLAN6と接続され、プリンタ部13のデータ・ストリーム、スキャナ部12の操作・編集コマンド及び読み取り画像データそのものが転送される。そして、このコントローラ部11は、プリンタ接続インタフェースとして一般的なパラレル/シリアル・インタフェースを持っており、スキャナ接続インタフェースとしてSCSI−2インタフェースも持っている。
【0024】
従って、通常の1対1接続のプリンタ及びスキャナとしても使用できるが、これらについて公知であり、関連製品も数多く出されているので、ここでは1対1接続のインタフェースに関しては言及しない。
以下、プリンタ/スキャナのデータの入出力は全てネットワークを通して行なわれるものとして説明する。
【0025】
コントローラ部11のハード構成を図7に示す。すなわち、ASIC20と、それに接続されるハードディスク・ユニット21,SCSI−2インタフェース22,コマンド・インタフェース23,ビデオ・インタフェース24,圧縮チップ25,CPU26,ブートROM27,コードROM28,フォントROM29,ネットワークI/F30,DRAM31,EEPROM32,シリアルポート33,およびパラレルポート34によって構成されている。
そして、ページ・バッファ・メモリを中心に、スキャナデータ入出力とプリンタデータ入出力の機能がある。
【0026】
コードROM28にはプリンタ/スキャナインタフェースOSや各デバイスドライバ、アプリケーションのソフトが格納されており、ブートROM27は起動時に初期設定を行い、自己診断プログラムも格納されている。フォントROM29には各種フォントデータが格納されており、これらのソフトに従い、32ビットのCPU26がコントローラ全体を制御する。DRAM31はCPU26の作業用メモリとして利用され、EEPROM32はユーザデータの保存用に用いられる。
【0027】
ネットワークインタフェース30は、本装置がなんらかのネットワークと接続されるときのインターフェース部分となる。ハードディスクユニット21は画像データの格納場所で、圧縮チップ25によって圧縮されて格納され、その圧縮データを使用するときには圧縮チップ25で伸張して用いる。
【0028】
実際にスキャナとプリンタを制御するベースエンジンに動作命令を出したり、逆にベースエンジンからのステータス情報を受け取るのは、コマンドインタフェース23である。また、画像データのやり取りはビデオインタフェース24を通して行なわれる。
【0029】
画像データや各種命令を含めた信号のやりとりを制御するのがASIC20であり、全ての装置に直接つながっている。
SCSI−2インタフェースは本装置を1対1のスキャナとして用いるとき、シリアルポート33とパラレルポート34は、本装置を1対1のプリンタとして用いるときに、それぞれホスト用インタフェースとして用いられる。
【0030】
この複合端末装置を含むネットワークシステム上での読み取り画像データの入力操作/動作シーケンスについて、図8乃至図11のフローチャートによって説明する。
【0031】
1)ネットワーク上に接続されているワークステーション(図2に示した1〜4)上において、画像データ取り込みのための読み取り条件として個別情報を設定し、複合端末装置10へ転送する。この操作は、プリンタ部13の印刷条件を設定する時にプリンタドライバを介して行なうような操作でもよいし、専用のスキャン条件ファイル作成ユーティリティを使ったものでもよい。
【0032】
個別情報とは、例えば、使用者名,画像圧縮のフォーマット,ファイル転送サービスを受ける/受けないの設定,転送を要求する画像ファイルの選択などである。また、個別情報を設定する際に、複合端末装置10(この場合はスキャナサーバの機能を果たす)の機能を問い合わせる動作も必要である。
これらの操作を行うのは、ワークステーション上の条件ファイルハンドラーである。
【0033】
2)1)で作成されユーザの個別情報(パーソナル・ファイル)にID(ファイル名)をつけ、ネットワークを介して複合端末装置10側でこれを受けると、ユーザIDと一緒にパーソナル・ファイルとして登録する。
複合端末装置10側において、ユーザは自分のパーソナル・ファイルの情報から読み取り条件を選択し、スキャン操作を開始するが、この時の装置の状態が必ずしもユーザが望む条件になっているとは限らない。
【0034】
例えば、コントローラ上のフレームメモリの空きスペースが、設定された読み取り条件には不足していることが考えられる。特に、ネットワーク上で複数のユーザが共有する複合端末装置においては、他のアプリケーションとの同時動作も予想されるのでメモリの空きは常に変動している。このような状態において、従来の装置では「メモリが足りません」などのメッセージを表示して動作不能である事を表現していたが、この時ユーザにはいくつかの選択肢があり、複合端末装置10ではこのような場合の対処をよりユーザフレンドリに行なえるようにしている。以下、その手順を示す。
【0035】
3)設定された読み取り条件で、メモリ容量が十分であれば通常の読み取り動作に移行するが、その説明は省略する。設定された読み取り条件ではメモリ容量が十分でない状態においては、複合端末装置10が操作パネル16上に、ユーザが選択し得る読み取り条件変更選択メニュー(たとえば図12に示すような画面)を表示し、ユーザに選択を促す。
【0036】
4)ユーザが3)で現われた読み取り条件変更選択メニューの中からメニューを選択すると、選択されたメニューに応じた画面が表示される。例えば、読み取り解像度を変更するメニュー(Change Resolution to ×××dpi)を選択すると、図13に示すようなパーソナルファイルの画面が表示される。そこにX解像度及びY解像度の自動変更設定値が表示される(図示の例ではX解像度及びY解像度をいずれも200dpiに変更する)。
【0037】
5)自動設定解像度で読み取る場合、ユーザはこの表示を確認してOKボタンを押すだけで、図10のBへ進んで読み取り動作に移行する。
自動設定解像度で読み取らない場合は、ユーザが許容範囲内の解像度を操作パネル16の操作部から入力すると、変更後の読み取り条件(この場合は解像度)をパネル上に表示する。ユーザがその表示を確認して、OKボタンを押すと、図10のBへ進んで読み取り動作に移行する。
【0038】
6)読み取り動作に移行すると、複合端末装置はスキャナ部12にスキャン条件を設定し、準備が終わるとユーザに対して原稿をセットするように促す。たとえば、図14に示すような画面において、「ステータス:スキャナ・レディ」,「メッセージ:スタートキーを押して下さい」といった表示を行なう。
そこで、図10における4番目のステップに示すように、ユーザが読み取るべき原稿をスキャナ部12の読取台にセットしてスタートキーを押すと、指定された条件でスキャナ部12による原稿の読み取りを開始する。
【0039】
7)複合端末装置10内のコントローラ部11はスキャンしたデータを1回の読み取り単位ごとに画像データを圧縮し、ファイル名を付けて装置内の記憶装置(例えば、図7に示したハードディスク・ユニット21)に一旦格納する。
【0040】
8)ページ・バッファ・メモリが次の読み取り範囲のデータを蓄積できる容量があれば、引き続きスキャン動作をする。容量が不十分であれは、2次メモリにデータを移動するまでスキャンを待つ。
【0041】
9)セットされた全原稿の読み取りが完了すると、読み取りが完了したことをユーザに通知すると同時に、自動生成された読み取り画像データファイル(スキャン済イメージファイル)のファイル名を知らせる。例えば、図14に示すような画面において、「ステータス:スキャン完了」,「メッセージ:ファイル名××××××」といった表示を行なう。
【0042】
10)そして、読み取り結果を確認したい場合は、読み取り結果確認処理(図11にその詳細を示す)を実行した後、その必要がない場合は直ちに、図2に示したネットワーク上に接続されている各ワークステーション1〜4へ画像ファイルを送信して、処理を終了する。
【0043】
したがって、各ワークステーション上で複合端末装置10から転送された画像データ(スキャン済イメージファイル)を使用することができる。この操作は、画像データを取り扱うアプリケーションソフトウェア上から、スキャナドライバを介して行なうような操作でもよいし、専用の画像データ転送ユーティリティを使ったものでもよい。少なくとも複合端末装置10側では、各ワークステーション側が要求する転送フォーマットに合わせることが必要である。
操作パネル16のパネル上には、例えば図15に示すようにスキャン済イメージファイルの一覧を表示することができる。
【0044】
図8のフローにおいて読み取り解像度を変更しない場合は、図9のAへ進み、読み取り範囲を変更するか否かを判断する。
ここで、ユーザが図12に示した読み取り条件変更メニュー上の「読み取り範囲の変更(Change Scane Area)」を選ぶと、一旦プレスキャンを行ない、パネル上に原稿面と入力可能な範囲を表示し(例えば図14に示すような画面で)、読み取り範囲を自動変更設定する。その自動設定された読み取り範囲に変更して読み取りを行なう場合には、その読み取り条件(この場合読み取り範囲)を確認してOKボタンを押すと、前述した図10のBからの読み取り動作に移行する。
【0045】
読み取り範囲をさらに変更したい場合には、ユーザは入力したい場所の中心を表示された画面上でタッチして範囲を指定することができる。それによって、変更後の読み取り範囲をパネル上に表示する。その読み取り条件(この場合読み取り範囲)を確認してOKボタンを押すと、前述した図10のBからの読み取り動作に移行する。
【0046】
読み取り範囲を変更しない場合は、ユーザは読み取り階調を変更するか否かを判断する。
ここで、ユーザが図12に示した「読み取り階調の変更(Change Gray Scale)」を選ぶと、読み取り階調を自動変更設定して表示する。その自動設定された階調に変更して読み取りを行なう場合には、許容範囲内の階調設定を操作パネル16の操作部から入力する。するとその変更後の読み取り条件(この場合は読み取り階調)をパネル上に表示する。その読み取り条件(この場合読み取り階調)を確認してOKボタンを押すと、前述した図10のBからの読み取り動作に移行する。
【0047】
読み取り階調も変更しない場合は、分割読み取りに必要な時間を操作パネル16のパネル上に表示する。
そして、図10のCへ進み、分割スキャン動作で読み取るか否かを判断して、分割スキャン動作で読み取らない場合は処理を終了する。
分割スキャン動作で読み取る場合は、変更後の読み取り条件をパネル上に表示し、読み取り条件(この場合は分割スキャン)を確認してOKボタンを押すと、前述した読み取り動作を開始する。
【0048】
ここで、図10における読み取り結果確認処理について、図11によって説明する。
まず、操作パネル16上において、スキャン済イメージファイルを作り、図15に示すようにその一覧を表示する。そのスキャン済イメージファイルの表示キーのいずれかをタッチすると、そのタッチによって選択されたファイルの画像データがパネルに表示される。
【0049】
そして、再読み取りする場合は、再読み取りファイルを指定し、同じ原稿の再読み取りを行なって、そのスキャン済イメージデータファイルを作り、パネル上にその画像データを表示する。その後、再読み取りしない場合は印刷するファイルがあるか否かを判断し、なければそのまま図10のフローへリターンするが、印刷するファイルがあれば、印刷できるファイルを表示し、それをタッチパネルで指定すると、その指定されたファイルの画像データを印刷した後、図10のフローへリターンする。
【0050】
次に、読み取り条件の自動設定の具体例を説明する。読み取り条件は、その時点でスキャナ部12に割り当てられているメモリ容量によって決定される。
例えば、400dpi,8bit/Pixel,10inch×10inchの条件が与えられると、
16,000,000byteのメモリ領域が必要になる。このとき複合端末装置10のスキャナ部12で使用できるメモリ容量が4,000,000byte しかないとすると(マルチファンクション機では、例えばプリンタやFAXアプリケーションが動作中などに起こり得る)、この時次のように読み取り条件の変更を行なうことにより、使用可能なメモリの範囲内で動作を継続することができる。
【0051】
(1) 解像度を200dpi に変更する。
(2) 階調条件を2bit/Pixel に変更する。
(3) 読み取り範囲を5inch×5inch に変更する。
【0052】
複合端末装置10としては、これらのうちのどれを選んでもよいし、またこれらを組み合わせてもよいので、メニューを表示してユーザに選択させることもできる。しかし、読み取り領域や階調を変更するユーザに比べて、解像度を変更する場合が多いようなので、これをデフォルトにしておけば、装置として自動変更設定できることになる。
また、解像度の条件を300dpi以上として、それ以下の場合は領域を削るか階調条件を落とすといった設定も可能である。いずれにしても、これらは演算により容易に求めることができる。
【0053】
メモリの容量不足の場合の他に、読み取り条件を自動変更する場合の例としては、パーソナルファイルの内容を参照して、同一グループとみなされるファイルのスキャン条件が1つだけ異なっていた場合などに、複合端末装置側からユーザに確認して、自動変更するようなことも考えられる。
【0054】
最後に、補足説明として全体のソフトウェア構成を図16に示し、その概要をを述べる。
最下層には、ハードウエア・インタフェースをドライブするドライバと呼ばれるソフトウエア群がある。それらは、組み込み型リアルタイム/マルチタスクOSのもとで制御され、不定期に発生する複数のタスク群を遅延させることなくスケジューリングして実行させる。
【0055】
ここでいうタスクとは、文字を表示する、ファイルをハードディスクに書き込む、などのプログラムが行なう小さな仕事のことある。マルチタスクとは、複数のタスクをスケジューリングして行なうことができることを指す。
ここでスケジューリングするとは、時間ごとに別のタスクを行なったりして、全体として要求される時間内に全ての仕事を終わらせるように、仕事を配分することである。
【0056】
また、組み込み型OS上には、メモリ/タイマ等の共通なハードウエア資産を効率よく使用するためのマネージャ・ソフトウエア群、各アプリケーションで共通に使用できるシステム・ユーティリティ・ソフトウエア群がある。
【0057】
ドライバ群,マネージャ群,ユーティリティ群は、実アプリケーションに対してインタフェースを用意されており、プリンタ/スキャナの実アプリケーションによって使用される。NICドライバ,ディスクドライバは、各々NIC,HDDと各アプリケーションまたはユーティリティ間でデータの交換を実施する。
【0058】
ホストドライバは、プリンタ用のパラレル/シリアル・インタフェースと、スキャナ用SCSIを含み、機器側とホスト側でデータの交換を行なう。エンジンドライバは、複写機エンジンとステータスの交換、ペーパハンドリングの設定、プリント/スキャンの起動、操作パネルとの通信等を実施する。
【0059】
プリンタ・ドライバは、プリンタ・ビデオ・データの出力制御(DMAの設定やスムージングの設定等)を、また、スキャナ・ドライバは、スキャナ・ビデオ・データの入力制御(DMAの設定,データ圧縮方式設定,スキャン・モードの設定等)を実施する。
【0060】
メモリ・マネージャは、RAMを管理するものであり、物理的な1つのメモリを各タスクやアプリケーション要求に応じて提供したり解放したりして、ダイナミックにメモリを割り当て、効率よく限られたメモリを使用するためのものである。
【0061】
ファイル・マネージャは、HDD(2次メモリ)を効率よく管理するものであり、ファイル・リストの管理とファイル名称の登録・削除とリストと実記憶領域の連鎖制御を実施するソフトウエアである。
【0062】
タイマは、各タスクおよびアプリケーション等が共通に使用でき、必要に応じてタイマの使用条件を引き渡す。
フォント・マネージャーは、各プリンタ言語が必要とするフォント・データを要求に応じて提供するものである。データ圧縮やイメージ回転等もスキャナ・プリンタでの画像処理に共通に使用できるソフト群である。この他にも色々な共通に使用可能なソフト群があるが、これらについては説明を省略する。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したきたように、この発明による複合端末装置は、装置の状態に対応した読み取り条件を自動設定する手段を有しているので、装置の動作条件が許容する範囲内でユーザを待たせることなく画像入力の作業を行なうことが可能になる。
【0064】
また、原稿読み取り時の解像度を自動設定する手段を有するようにすれば、ユーザが許容できる範囲での解像度を装置上のパネルで再設定して動作を完了させることができる。
さらに、原稿面上をスキャンする範囲を指定できる手段を設ければ、ユーザが許容できる範囲でのスキャン範囲をパネルで再設定して、読み取り動作を完了させることができる。
【0065】
あるいは、原稿面上を分割してスキャンして、画像データを分割して送出する手段を設ければ、ユーザの設定条件を変えることなく、分割スキャンして読み取り動作を完了させることができる。
読み取り時の階調条件を指定できる手段を設ければ、ユーザが許容できる範囲での階調条件を装置上のパネルで再設定して、読み取り動作を完了させることができる。
【0066】
変更する条件設定を装置上でメニュー選択できるようにすれば、ユーザが許容できる条件変更を、装置上のパネルで容易に再設定して読み取り動作を完了させることができる。
さらに、複数の読み取り条件を変更設定したときに、それらの条件が変更された結果を合わせて表示するようにすれば、ユーザが変更した条件を装置上のパネルで確認した上で読み取り動作を完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による複合端末装置のハード構成を示すブロック図である。
【図2】この発明による複合端末装置を含めたネットワークシステム全体の基本構成を示すブロック図である。
【図3】図2におけるウインドウズPCのソフトウエア構成を示すブロック図である。
【図4】図2におけるマッキントッシュのソフトウエア構成を示すブロック図である。
【図5】図2におけるDOSPCマシンのソフトウエア構成を示すブロック図である。
【図6】図2における複合端末装置のコントローラ部のソフトウエア構成を示すブロック図である。
【図7】図1におけるコントローラ部11のハード構成を示すブロック図である。
【図8】この発明による複合端末装置を含むネットワークシステム上での読み取り画像データの入力操作/動作シーケンスを説明するためのフロー図である。
【図9】同じくその続きのフロー図である。
【図10】同じくその続きのフロー図である。
【図11】図10における読み取り結果確認処理の詳細を示すフロー図である。
【図12】図1における操作パネル16の表示部に示すメニュ表示画像の例を示す図である。
【図13】同じく読み取り解像度を変更する際の表示画面の例を示す図である。
【図14】同じくステータス及びメッセージ表示画面の例を示す図である。
【図15】同じくスキャン済イメージファイルの一覧表示画面の例を示す図である。
【図16】コントローラ部11のソフトウェア構成図である。
【符号の説明】
1:ウインドウズPC 2:マッキントッシュ
3:UNIXマシン 4:DOSPCマシン
5:ファイルサーバ 6:LAN
10:複合端末装置 11:コントローラ部
12:スキャナ 13:プリンタ部
14:画像処理部
15:ベースエンジン・コントローラ
16:操作パネル 17:周辺機器
Claims (4)
- 原稿の画像を読み取る画像読取手段と、画像読取手段で読み取った画像データを蓄積する蓄積手段と、画像読取手段によって読み取った画像データ又は前記蓄積手段に蓄積した画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、ネットワークを介してホスト装置又はワークステーションと接続する手段と、これらの各手段を制御するための操作・制御手段と、前記ネットワークを介して設定された条件にしたがって、前記画像読取手段によって原稿の画像を読み取り、前記蓄積手段に蓄積した画像データを前記ホスト装置又はワークステーションへ転送する手段とを備えた複合端末装置であって、
前記設定された条件が装置の状態に対応していない場合に、装置の状態に対応した読み取り条件の変更内容を、読み取り解像度、読み取り領域、読み取りの階調条件のいずれか又はこれらの組み合わせのうち複数の条件について生成し、その中からユーザが選択した内容に従って前記設定された条件を変更する手段を有することを特徴とする複合端末装置。 - 請求項1に記載の複合端末装置において、前記画像読取手段が、原稿面上を分割してスキャンし、読み取った画像データを分割して送出する手段を有することを特徴とする複合端末装置。
- 請求項1に記載の複合端末装置において、読み取り条件を変更する条件設定をメニューにより選択可能にする手段を有することを特徴とする複合端末装置。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の複合端末装置において、複数の読み取り条件を変更設定したときに、その各条件が変更された結果を合わせて表示する手段を有することを特徴とする複合端末装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29289496A JP3643451B2 (ja) | 1996-04-04 | 1996-11-05 | 複合端末装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8-82847 | 1996-04-04 | ||
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