JP3643379B2 - メントール及びN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含む呼気新鮮化可食性組成物及びそれを製造する方法 - Google Patents

メントール及びN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含む呼気新鮮化可食性組成物及びそれを製造する方法 Download PDF

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Description

発明の背景
1.発明の分野
この発明は、苦味のない長時間持続性呼気新鮮化感覚を有する可食性組成物に関する。この可食性組成物は、メントール及びN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含む清涼化組成物を含有する。この清涼化組成物は、チューインガム組成物並びに硬質及び軟質キャンディ糖菓の如き多種多様な可食性製品に用いることができる。
2.背景の説明
チューインガム及びキャンディ糖菓製品の如き可食性組成物は、普通、消費者の呼気の魅力を高めるため及び口の中に清浄で清涼で新鮮な感じを与えるために用いられる。殆どのチューインガム及び他の糖菓製品は、フレーバーが最も強力なときの最初の2,3分間は少なくとも非本質的な呼気新鮮化を提供するが、その清涼感を30分までというような長い時間維持する能力に欠けている。
特に、チューインガムは、長時間にわたって呼気新鮮化感覚を与えることはない。幾つかのガムでは、通常の量を超えるミント系フレーバーをガムに添加して呼気新鮮化効果を達成し得るが、それらガムは普通は不快で苦いトーンを有している。かかる苦いトーンは、メントールの存在のせいである。勿論、不快トーンは、消費者には受け入れられない。より大量の風味剤も受け入れられない。というのは、フレーバーオイルがガムベースを可塑化してチューインガムのテクスチャーとコンシステンシーを変化させる傾向があるからである。これら理由のために、高レベルのミント系風味剤の単なる添加は、高い呼気新鮮化能を有する満足のゆくチューインガムを提供しないであろう。
多くの可食性組成物は、フレーバーオイルとフレーバー粉末との組み合わせを用いて、フレーバーのインパクトを高めかつ味を長時間もたせている。風味剤又は風味剤のカプセル化の如き技術も、活性剤の持続放出を提供するために用いられ、風味剤又は甘味剤の長時間又は持続的送達を達成している。
呼気新鮮化を提供するようにデザインされた可食性組成物は、しばしば、脱臭性添加剤を組み込んでいる。例えば、米国特許第2,525,072号は、臭気吸収剤として役立つ無機シリコーン及びマグネシウム粉末を含有するチューインガムを開示している。米国特許第2,922,747号は、錠剤及びチューインガム中の脱臭剤として、クロロフィル、植物油(脂質)、及びレシチンの使用を開示している。
カナダ特許第989,738号は、口の中において残留性呼気甘味を与えるための塩化セチルジメチルベンジルアンモニウム及びペパーミント油を含有するウェファースを開示している。米国特許第4,112,066号は、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムをグルコン酸銅と共にミント系風味付き錠剤中に含有する呼気新鮮化組成物を開示している。フランス特許出願第2,127,005号は、10〜2000ppmのα−ヨノン、α−メチルヨノン、シトラール、又はギ酸ゲラニルを含有する臭気をマスクするための可食性組成物を開示している。
米国特許第4,724,151号は、1)スペアミント油及びペパーミント油からなる群から選択される液体フレーバー油であって、約27〜36重量%のメントール含量を有するフレーバー油;2)ペパーミント油及びスペアミント油からなる群から選択される噴霧乾燥フレーバー油;及び3)約0.2〜約0.75重量%の量で存在する噴霧乾燥メントールを含む、向上した呼気新鮮化感覚を有するミント風味付きチューインガム組成物を開示している。このチューインガムは、新鮮なインパクトと持続性の清涼感をもたらすため、メントールと組み合わされたミント系フレーバー油の清涼感を用いている。
米国特許第4,060,091号、4,136,163号、4,150,052号、4,178,459号、4,190,643号、4,193,936号、及び4,226,988号は、神経系の冷受容体を刺激して冷感覚をもたらすN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを開示している。
米国特許第5,009,893号(Cherukuriら)は、メントール及びN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含む清涼化組成物を含有する糖菓組成物を開示している。Cherukuriらは、清涼化組成物のN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドの量が30%より低いと苦い製品ができるので、30%以上であることが重要であると教示している。Cherukuriらは、可食性組成物に低レベルのメントール(ペパーミント油中に存在するメントールを含めるように調節して全組成物の約0.77重量%)を使用することを開示しているに過ぎない。
米国特許第5,244,670号は、3−l−メントキシプロパン1,2−ジオールと上部胃腸管窮迫を緩和するための物質を含む医薬組成物を開示している。
WO93/23005は、ケタールR2R3C(O2)R1である第一清涼化成分とN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドであってもよい第二清涼化成分を含む清涼化組成物を開示している。WO93/25177は、アクリル酸アミドである第一清涼化成分とN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドである第二清涼化成分を含む清涼化組成物を開示している。
発明の要旨
本発明は、苦味のない長時間持続性呼気新鮮化感覚を有する可食性組成物に向けられている。
本発明は:
(a)糖菓増量剤;及び
(b)清涼化組成物;
を含む、苦味のない長時間持続性呼気新鮮化感覚を有する糖菓組成物であって、該清涼化組成物がメントール及びN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含み、該カルボン酸アミドが式:
Figure 0003643379
により表され得る糖菓組成物に向けられている。式中、R1及びR2は、水素及び1〜25の炭素原子を含有するアルキル基からなる群から独立に選択されることができる。但し、R1が水素であるときは、R2は6〜10の炭素原子を含有するアリール基であることができ、そしてR1とR2は、一緒になって、25までの炭素原子を含有する環式基又は複素環式基であることができる。この際、N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドは該清涼化組成物中に約0.001〜約6%の量で存在し、メントールは該清涼化組成物中に約94〜99.999%の量で存在する。
特に、本発明は:
(a)ガムベース;
(b)増量剤;及び
(c)清涼化組成物;
を含むチューインガム組成物であって、該清涼化組成物がメントール及びN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含み、該カルボン酸アミドが式:
Figure 0003643379
により表され得るチューインガム組成物に向けられている。式中、R1及びR2は、水素及び1〜25の炭素原子を含有するアルキル基からなる群から独立に選択されることができる。但し、R1が水素であるときは、R2は6〜10の炭素原子を含有するアリール基であることができ、そしてR1とR2は、一緒になって、25までの炭素原子を含有する環式基又は複素環式基であることができる。この際、N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドは該清涼化組成物中に約0.001〜約6%の量で存在し、メントールは該清涼化組成物中に約94〜99.999%の量で存在する。
この清涼化組成物は、多種多様な可食性製品に用いることができる。本発明は、清涼化組成物を製造及び使用する方法並びにそれらが用いられる可食性製品にも関する。
発明の詳細な説明
出願人は、N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドとメントールとの組み合わせが、高い初期清涼感覚並びに長時間持続性呼気新鮮化を提供するための可食性組成物に用いることができる清涼化組成物をもたらすことを発見した。N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドとメントールとの組み合わせは、この高められた清涼感覚を達成するのにシュガー及びシュガーレス製品のいずれにも用いることができる。これら清涼化成分が高められた呼気新鮮化効果を与える正確な理由は全く分からないが、それぞれの成分が極めて重大な役割を果たすことが分かっている。これら清涼化成分のうちの一方だけを存在させても、望まれる結果を与えないであろう。メントールは単独で用いても初期の高いフレーバーインパクトを有するが、そのフレーバーインパクトは使用後2,3分以内に急速に低下し、そしてメントールはフレーバーの印象を歪めてその製品を苦くする傾向がある。N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドは、いかなる初期清涼感覚も与えない。N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドとメントールとの特定量での組み合わせは、それぞれの清涼化成分の欠点を補い合う。更には、メントールとN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドとの間のこの共働作用は、メントールが可食性組成物中に高いレベルで、例えば、約0.7重量%より多い量で存在するときには全く違ったものとなる。チューインガム組成物については、メントールをより多い量で用いるのが好ましい。本発明においては、メントールをチューインガムベースの約0.7〜約2重量%の量で用いるのが好ましい。
長時間の呼気新鮮化と最高の全体的好ましさをもたらすのに必要なN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドの量は、清涼化組成物の約0.001〜約6重量%である。N−置換−p−メンタンカルボン酸アミド清涼化化合物の量がこのレベルを超えると、その組成物は全体的好ましさにおいて非常に望ましいものではなくなる。
更に、糖アルコールがメントールとN−置換−p−メンタンカルボン酸アミド清涼化化合物との混合物の清涼化効果を高めることが分かった。
本明細書で用いる“可食性”という用語は、身体により用いられるか又は身体においてある機能を果たしそして非消化性としても言及され得る全ての物質及び組成物を意味する。これら物質及び組成物には、吸収されるもの及び吸収されないもの並びに消化性のもの及び非消化性のものが含まれる。
本発明によれば、清涼化組成物は、メントールとN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含む。
メントール(1α,2β,5α)−5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキサノール;3−p−メンタノール;l−メントール;ペパーミントカンファー)は、式:
Figure 0003643379
により表わすことができる。l−メントールは、156.26の分子量、41〜43℃の融点を有し、ペパーミントと共に白色結晶として存在し、清涼感のある臭と味を有し、そして僅かに水に溶解性である。l−メントールは、リキュール、糖菓、香料、紙巻タバコ、のど飴、及び鼻吸入器に用いられる。
本発明の清涼化組成物に用いられるl−メントールの総量は、苦味なしに長時間持続性呼気新鮮化感覚を提供するのに有効な量である。本清涼化組成物に用いられるl−メントールの正確な量は、望まれる発散作用の度合いの如き要因に従うのみの問題である。かくして、l−メントールの量は、最終製品に望まれる結果を得るために変動させることができ、かかる変動は、過度な実験を要さずして当業者の能力の範囲内である。一般に、清涼化組成物中に普通に存在するl−メントールの総量は、約94〜約99.999重量%、より好ましくは約94〜約99.99重量%、最も好ましくは約96〜99重量%であろう。メントールの総量は、可食性組成物中に存在するフリーのメントールの量とあらゆるフレーバー油中に存在するメントールの量の和である。
本清涼化組成物は、更に、式(1):
Figure 0003643379
により表わすことができるN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含む。
式(1)において、R1及びR2は、水素及び1〜25の炭素原子を含有するアルキル基からなる群から独立に選択されることができる。R1が水素であるときは、R2は6〜10の炭素原子を含有するアリール基であることができる。これらアリール基は、置換フェニル、フェニルアルキル、ナフチル、置換ナフチル、及びピリジルからなる群から選択され得る。R1とR2は、一緒になって、25までの炭素原子を含有する環式基又は複素環式基であることもできる。本発明に用いることができるタイプのN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドは、米国特許第4,136,163号により十分に記載されており、その開示内容は参照により本明細書中に組み入れられるものとする。好ましい態様においては、N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドは、N−エチル−p−メンタン3−カルボン酸アミドである。
本発明の清涼化組成物に用いられるN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドの量は、苦味なしに長時間持続性呼気新鮮化感覚を提供するのに有効な量である。本清涼化組成物に用いられるN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドの正確な量は、望まれる発散作用の度合の如き要因に従う好みの問題である。かくして、N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドの量は、最終製品に望まれる結果を得るために変動させることができ、かかる変動は、過度な実験を要さずして当業者の能力の範囲内である。一般に、清涼化組成物中に普通に存在するN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドの量は、約0.001〜約6重量%、より好ましくは約0.01〜約6重量%、最も好ましくは約1〜約4重量%であろう。
本発明のN−置換−p−メンタンカルボン酸アミド化合物は、一般に水に不溶性であるとはいえ、これらカルボン酸アミド類は、粒状固体として可食性配合物に用いることができ、その配合物に直接に添加してもその組成物を作るのに用いられる他の固体成分とブレンドしてもよい。これらN−置換−p−メンタンカルボン酸アミド化合物は、カプセル又は(極性溶媒中に溶解させた)フレーバー油とのプレミックスの形態の如き幾つかの形態で添加してから、本発明の配合物に用いることができる。カプセル化は、清涼感覚が遅れることが望まれるときに用いることができ、非水溶性だけでなく水溶性の物質を用いて行うことができる。カプセル化は、この発明の一部を構成しない慣用的操作を用いて行うことができる。N−置換−p−メンタンカルボン酸アミド化合物を極性溶媒中でプレミックスするときは、それら溶媒を、エチルアルコール、酢酸エチル、ジエチルエーテル、イソプロピルアルコール、及びグリセリンからなる群から選択される溶媒の如き多種多様な物質から選択することができる。プレミックスの使用は、糖菓マトリックス中への化合物の均質混合物を得るために糖菓製品を製造するときに特に好ましい。グリセリンを用いるチューインガムでは、N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを単にグリセリンに予めブレンドしてからその製品に添加すればよい。同じ予備混合操作をフレーバー油を使用するときに用いることができる。かかる予備混合物は、製品中の均一な分布及び使用中の効率的な放出を高めるのに役立つ。
上で述べたように、メントールは、可食性組成物がチューインガムであるか又は高いレベルのメントールが望ましいあらゆる可食性組成物の場合には、本発明の可食性組成物中に高いレベルで存在する。例えば、l−メントールは、かかる可食性組成物中に、好ましくは約0.7〜約2重量%、より好ましくは約1〜約2重量%、最も好ましくは約1.25〜約2重量%の量で存在する。
好ましい態様においては、この清涼化組成物は、更に糖アルコールを含む。糖アルコールは、メントールとN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドとの混合物の清涼化効果を更に高める。適する糖アルコールには、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトール、PALATINIT▲R▼(イソマルト,Suddeutsch Zucker−Aktiengesellschaft)、及びそれらの混合物が含まれる。好ましい糖アルコールは、キシリトール、マンニトール、及びソルビトールである。
本発明のチューインガム組成物に用いられる糖アルコールの量は、苦味なしに長時間持続性呼気新鮮化感覚を提供するのに有効な量である。チューインガム組成物に用いられる糖アルコールの正確な量は、望まれる清涼化の度合いの如き要因に従う好みの問題である。かくして、糖アルコールの量は、最終製品に望まれる結果を得るために変動させることができ、かかる変動は、過度な実験を要さずして当業者の能力の範囲内である。一般に、チューインガム組成物中に普通に存在する糖アルコールの量は、約1〜約80量%、より好ましくは約20〜約70重量%、最も好ましくは約40〜約60重量%であろう。
本発明におけるメントールとN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドとの組み合わせは、苦味なしに長時間持続性呼気新鮮化感覚を有する清涼化組成物を提供する。この清涼化組成物は、チューインガム組成物、及び硬質及び軟質キャンディ糖菓の如き多種多様な可食性製品に用いることができる。
本発明は、清涼化組成物を製造する方法に及ぶ。そのような方法では、清涼化組成物は、メントールとN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを混和して均質混合物を形成することにより製造される。最終組成物は、糖菓分野における当業者により広く知られた標準的方法及び装置を用いて、容易に製造することができる。本発明に有用な装置は、糖菓分野において周知の混合装置を含むので、具体的な装置の選択は当業者に明らかであろう。
好ましい態様においては、本発明は、メントールとN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを混和することを含む、苦味なしに長時間持続性呼気新鮮化感覚を有する清涼化組成物を製造する方法であって、該カルボン酸アミドが式:
Figure 0003643379
による表されることができる方法に向けられている。式中、R1及びR2は、水素及び1〜25の炭素原子を含有するアルキル基からなる群から独立に選択されることができる。但し、R1が水素であるときは、R2は6〜10の炭素原子を含有するアリール基であることができ、そしてR1とR2は、一緒になって、25までの炭素原子を含有する環式基又は複素環式基であることができる。この際、N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドは該清涼化組成物中に約0.001〜約6%の量で存在し、メントールは該清涼化組成物中に約94〜約99.999%の量で存在する。
製造したら、本発明の清涼化組成物は、将来の使用のために保存することも、薬学的に許容できるキャリヤ又は糖菓成分の如き慣用的な添加剤と共に有効量で配合して、食料品;飲料品;硬質及び軟質のキャンディ糖菓製品;経口投与医薬組成物;及び歯磨き剤、歯科用ローション剤、口内洗浄剤の如き衛生製品;及びチューインガムの如き多種多様な可食性組成物を製造することもできる。
可食性組成物中に用いられる本発明の清涼化組成物の量は、苦味なしに長時間持続性呼気新鮮化感覚を提供するのに有効な量である。用いられる本清涼化組成物の正確な量は、可食性組成物に用いられる薬学的に許容できるキャリヤのタイプ及び望まれる長時間持続性呼気新鮮化感覚の強さの如き要因に従う好みの問題である。かくして、清涼化組成物の量は、最終製品に望まれる結果を得るために変動させることができ、かかる変動は、過度な実験を要さずして当業者の能力の範囲内である。一般に、可食性組成物中に存在する清涼化組成物の量は、可食性組成物の約0.01〜約2重量%であろう。
本発明は、可食性組成物を製造する方法に及ぶ。そのような方法では、組成物は、有効量の本発明の清涼化組成物を薬学的に許容できるキャリヤ又は糖菓原料及び最終的に望まれる可食性組成物の他の成分を混和することにより製造される。通常は、他の成分が、当業者に周知の望まれる組成物の性質に従って、組成物に入れられるであろう。最終的な可食性組成物は、食品技術及び薬学分野において広く知られている方法を用いて容易に製造することができる。
もう一つの態様においては、本発明は、有効量の清涼化組成物を可食性組成物と混和することを含む、可食性組成物において苦味なしに長時間持続性呼気新鮮化感覚を提供する方法に向けられている。
本発明の重要な側面は、本発明の清涼化組成物が入っている、チューインガム及び風船ガム配合物を包含する改良されたチューインガム組成物、及び該チューインガム組成物を製造する方法を包含している。一般に、これら改良されたチューインガム組成物は、ガムベース、増量剤、有効量の本発明の清涼化組成物、及び風味剤の如き種々の添加剤を含有するであろう。
本チューインガム組成物は、高められた親水性を有する高いレベルのチューインガムベースを用いる低カロリーチューインガムであってもよい。これら低カロリーチューインガムは、チューインガム組成物の約50〜約85重量%、好ましくは約50〜約75重量%、より好ましくは約60〜約70重量%の量で存在するガムベースを含むであろう。低カロリー製品が望まれないときには、本チューインガム組成物は、より少ない量のチューインガムベースを含有することができる。これらチューインガムは、チューインガム組成物の約55重量%まで、好ましくは約15〜約40重量%、より好ましくは約20〜約35重量%の量で存在するガムベースを含むであろう。
本明細書で用いる場合“低カロリー組成物”という用語は、慣用的な組成物の3分の2又はそれより少ないカロリー値を有する組成物を意味する。“締まった”又は“ゴム様の”チューインガムという用語は、大きな筋肉の咀嚼力を要するチューインガム組成物又は高い弾性及び跳ね返り性を有するガム塊を提供する組成物および変形させるのが難しい組成物のことをいう。
高められた親水性を有するガムベースには、低融点蝋を含有してもよいポリ酢酸ビニルガムベースが含まれる。かかるガムベースは、そのガムベースを可塑化しそして咀嚼中に軟化させるための高いレベルの増量剤を要しない。これらガムベースをチューインガム組成物中で増量剤及び/又は増量甘味剤の代わりに普通より高いレベルで用いて、ゴム様の又は締まった咀嚼性を有さない高ベース−低増量剤−低カロリーガムを製造することができる。これらガムベースは、慣用的なガムベースよりも高い親水性を有するので、ガムベース中に普通に加えられる風味剤及び甘味剤を放出させながら咀嚼する間に大きさが大きくなるように感じられると同時に軟らかな咀嚼テクスチャーが維持される。高いレベルのかかるガムベースで製造された低カロリーチューインガム組成物は、あまり吸湿性ではない(より低い吸湿量を有する)ので慣用的な低カロリーガム組成物よりも品質が悪くならない傾向がある一方で、匹敵する堅さとテクスチャーを有する。
本発明のガムベースに用いられるエラストマー(ゴム)は、望まれるガムベースのタイプ、望まれるガム組成物のコンシステンシー、及び最終チューインガム製品を作るために組成物中に用いられる他の成分の如き種々の要因に依存して大きく変動するであろう。このエラストマーは、当該技術分野で知られている如何なる非水溶性ポリマーであってもよく、チューインガム及び風船ガムに用いられるガムポリマーが含まれる。ガムベースに適するポリマーの例には、天然及び合成のエラストマーの両方が含まれる。例えば、ガムベース組成物に適するポリマーには、チクル、天然ゴム、クラウンガム、ニスペロ(nispero)、ロシジナ(rosidinha)、ジェラトン、ペリロ(perillo)、ニガーグッタ(niger gutta)、チュニュ(tunu)、バラタ、グッタペルカ、レチカプシ(lechi capsi)、ソーバ(sorva)、グッタケイ(gutta kay)等の如き(植物起源の)天然物、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。合成エラストマーの例には、スチレン−ブタジエンコポリマー(SBR)、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、ポリエチレン等、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
ガムベース中に用いられるエラストマーの量は、用いられるガムベースのタイプ、望まれるガムベース組成物のコンシステンシー、及び最終チューインガム製品を作るためにその組成物中に用いられる他の成分の如き種々の要因に依存して大きく変動するであろう。一般に、エラストマーは、ガムベース中に、ガムベースの約0.5〜約20重量%、好ましくは約2.5〜約15重量%の量で存在するであろう。
本発明のガムベースに用いられるポリ酢酸ビニルポリマーは、中分子量を有するポリ酢酸ビニルポリマー、特定的には約35,000〜約55,000の範囲の平均分子量を有するポリ酢酸ビニルポリマーである。この中分子量ポリ酢酸ビニルポリマーは、好ましくは約35〜約55秒の粘度(Ford cup粘度計法を用いるASTM指定D1200−82)を有するであろう。この中分子量ポリ酢酸ビニルポリマーは、ガムベース中に、ガムベースの約10〜約25重量%、好ましくは約12〜約27重量%の量で存在するであろう。
この中分子量ポリ酢酸ビニルポリマーを低分子量ポリ酢酸ビニルポリマーとブレンドすることもできる。低分子量ポリ酢酸ビニルポリマーは、約12,000〜約16,000の範囲の平均分子量を有するであろう。この低分子量ポリ酢酸ビニルポリマーは、好ましくは約14〜約16秒の粘度(Ford cup粘度計法を用いるASTM指定D1200−82)を有するであろう。この低分子量ポリ酢酸ビニルポリマーは、ガムベース中に、ガムベースの約17重量%まで、好ましくは約12〜約17重量%の量で存在するであろう。
低分子量ポリ酢酸ビニルポリマーを中分子量ポリ酢酸ビニルポリマーとブレンドするときは、これらポリマーは、それぞれ約1:0.5〜約1:1.5のモル比で存在するであろう。
この中分子量ポリ酢酸ビニルポリマーを高分子量ポリ酢酸ビニルポリマーとブレンドすることもできる。高分子量ポリ酢酸ビニルポリマーは、約65,000〜約95,000の範囲の平均分子量を有するであろう。この高分子量ポリ酢酸ビニルポリマーは、ガムベース中に、ガムベースの約5重量%までの量で存在するであろう。
本発明におけるアセチル化モノグリセリドは、ポリ酢酸ビニルポリマーのように可塑剤として役立つ。アセチル化モノグリセリドのケン化価は臨界的ではないが、好ましいケン化価は278〜292、316〜331、370〜380、及び430〜470である。特に好ましいアセチル化モノグリセリドは、約400以上のケン化価を有する。かかるアセチル化モノグリセリドは、一般に、約90以上のアセチル化価(アセチル価の%)と約10以下のヒドロキシル価(Food Chemical Codex(FCC)III/P508及びAOCSの改訂版)を有する。
本ガムベース中にアセチル化モノグリセリドを用いることは、苦いポリ酢酸ビニル(PVA)可塑剤、特にトリアセチンを用いるよりも好ましい。アセチル化モノグリセリドは、ガムベース中に、ガムベースの約4.5〜約10重量%、好ましくは約5〜約9重量%の量で存在するであろう。
本発明のガムベース中の蝋は、このポリマー性エラストマー混合物を軟化してガムベースの弾性を向上させる。用いられる蝋は、約60℃以下、好ましく約45〜約55℃の融点を有するであろう。好ましい蝋は、低融点パラフィン蝋である。蝋は、ガムベース中に、ガムベースの約6〜約10重量%、好ましくは約7〜約9.5重量%の量で存在するであろう。
低融点蝋に加えて、高融点を有する蝋を、ガムベース中に、ガムベースの約5重量%までの量で用いることができる。かかる高融点蝋には、蜜蝋、植物蝋、カンデリラ蝋、カルナバ蝋、殆どの石油蝋、及びそれらの混合物が含まれる。
上に述べた成分に加えて、本ガムベースは、エラストマー溶剤、乳化剤、可塑剤、充填剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される成分の如き、種々の伝統的成分を含む。これら成分は、ガムベース中に、ガムベースの全量を100%にする量で存在する。
本ガムベースは、エラストマー成分を軟化するのを助けるためにエラストマー溶剤を含有することができる。かかるエラストマー溶剤は、当該技術分野で公知のエラストマー溶剤を含むことができ、例えば、α−ピネン又はβ−ピネンのポリマーの如きテルピネン樹脂;ロジン及び変性ロジン、及び水素化、ダイマー化及びポリマー化ロジンの如きガムの、メチル、グリセロール及びペンタエリスリトールエステル、及びそれらの混合物がある。ここで用いるのに適するエラストマー溶剤の例には、部分的に水素化されたウッド及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッド及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッドロジンのグリセロールエステル、部分的にダイマー化されたウッド及びガムロジンのグリセロールエステル、ポリマー化されたウッド及びガムロジンのグリセロールエステル、トール油ロジンのグリセロールエステル、ウッド及びガムロジン及び部分的に水素化されたウッド及びガムロジンのグリセロールエステル、及びウッド及びガムロジンの部分的に水素化されたメチルエステル等、及びそれらの混合物が含まれる。エラストマー溶剤は、ガムベース中で、ガムベースの約2〜約15重量%、好ましくは約7〜約11重量%の量で用いることができる。
ガムベースは、非混和性成分を単一の安定な系に分散させるのに助けとなる乳化剤も含むことができる。この発明に有用な乳化剤には、モノステアリン酸グリセリル、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、モノステアリン酸プロピレングリコール等、及びそれらの混合物が含まれる。好ましい乳化剤は、モノステアリン酸グリセリルである。この乳化剤は、ガムベースの約2〜約15重量%、好ましくは約7〜約11重量%の量で用いることができる。
ガムベースは、種々の望ましいテクスチャー及びコンシステンシー特性を提供するための可塑剤又は軟化剤も含むことができる。これら成分が低分子量であるが故に、可塑剤及び軟化剤は、ガムベースの基本構造内に浸透して、それを可塑性及び低粘性にすることができる。有用な可塑剤及び軟化剤には、ラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、トリ酢酸グリセリル、レシチングリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸プロピレングリコール、アセチル化モノグリセリド、グリセリン等、及びそれらの混合物が含まれる。蝋、例えば、天然及び合成蝋;水素化植物油;ポリウレタン蝋、ポリエチレン蝋、パラフィン蝋、微結晶質蝋のような石油蝋;脂肪蝋(fatty waxes);ソルビタンモノステアレート;獣脂;プロピレングリコール、それらの混合物などをガム基剤中に加えることもできる。これら可塑剤及び軟化剤は、一般に、ガムベース中に、ガムベースの約15重量%までの量で、好ましくは約2〜約12重量%の量で用いられる。
好ましい可塑剤は水素化植物油であり、大豆油及び綿実油が含まれ、これらは単独で用いても組み合わせて用いてもよい。これら可塑剤は、ガムベースに良好なテクスチャーと柔らかい咀嚼特性を与える。これら可塑剤及び軟化剤は、一般にガムベースの約5〜約14重量%の量で、好ましくは約5〜約13.5重量%の量で用いられる。
もう一つの好ましい態様においては、この軟化剤は、市販されている合衆国薬局方(USP)グレードの如き、無水グリセリンである。グリセリンは、甘く穏やかな味を持ちショ糖の約60%の甘味を有するシロップ状液体である。グリセリンは吸湿性であるので、チューインガム組成物の全製造を通して、無水グリセリンを無水条件下に維持することが重要である。
この発明のガムベースは、充填剤及びテクスチャー剤として役立つことができる無機アジュバントの如き有効量の増量剤も含むことができる。有用な無機アジュバントには、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム等、及びそれらの混合物が含まれる。これら充填剤又はアジュバントは、ガムベース組成物中において種々の量で用いられる。好ましくは、充填剤を用いる場合、その量は、ガムベースの約15〜約40重量%、好ましくは約20〜約30重量%であろう。
着色剤、酸化防止剤、保存剤、風味剤等の如き種々の他の伝統的成分を任意にガムベース中に有効な量で含めてもよい。例えば、F.D.&C.染料として知られている二酸化チタンや食品、医薬品及び化粧品用途に適する他の染料を用いてもよい。ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、及びそれらの混合物の如き酸化防止剤を含めてもよい。チューインガム技術分野において通常の技術を有する者に知られている他の慣用的なチューインガム添加剤もこのガムベースに用いることができる。
ガムベース成分を混和する方法は臨界的なものではなく、当業者に公知の標準的な技術及び装置を用いて行われる。典型的な方法では、エラストマーをエラストマー溶剤及び/又は可塑剤及び/又は乳化剤と混和して1〜30分間かき混ぜる。ブレンドが完了した後、ポリ酢酸ビニル成分をこの混合物中に混和する。好ましくは、中分子量ポリ酢酸ビニルを場合により添加する低分子量ポリ酢酸ビニルの添加の前に混和して、エラストマー混合物内にポリ酢酸ビニルのポケットができるのを防止する。次いで、このガムベース混合物を再度1〜30分間ブレンドしながら、低融点蝋の如き残りの成分を一度に又は漸増的に混和する。
1つの態様では、本発明は、低カロリーチューインガム組成物であって、そのチューインガム組成物の約40〜約70重量%の量で存在するガムベースを含み、そのガムベースが、(a)ガムベースの約0.5〜約20重量%の量で存在するエラストマー、(b)ガムベースの約10〜約25重量%の量で存在する約35,000〜約55,000の分子量を有する中分子量ポリ酢酸ビニルポリマー、(c)ガムベースの約4.5〜約10重量%の量で存在するアセチル化モノグリセリド、(d)ガムベースの約6〜約10重量%の量で存在する約60℃以下の融点を有する蝋、及び(e)ガムベースの全量を100%にする量で存在するエラストマー溶剤、乳化剤、可塑剤、充填剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む、低カロリーチューインガム組成物に関する。
高められた親水性を有する高いレベルのチューインガムベースを用いるチューインガム組成物は、米国特許第4,872,884号により十分に説明されている。なお、その開示内容は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
高められた親水性を有しかつ低カロリーチューインガム組成物に高いレベルで用いるのに適する他のガムベースも本発明に用いることができる。一般に、これらガムベースを、チューインガム組成物の約99重量%まで、好ましくは約40〜約85重量%、より好ましくは約40〜約75重量%の量で用いることができる。高められた親水性を有する適するガムベースには、例えば、米国特許第4,698,223号に開示されたものが含まれる。なお、その開示内容は参照により本明細書に組み入れられるものとする。ガムベースを本発明の清涼化組成物及び増量剤の如き慣用的な添加剤と共に配合して、多種多様な甘いチューインガム組成物を製造する。
チューインガム組成物に用いられるガムベースの量は、用いられるガムベースのタイプ、望まれるコンシステンシー、及び最終チューインガム製品を作るために用いられる他の成分の如き要因に依存して変動するであろう。一般に、高められた親水性を有するガムベースは、チューインガム組成物中に、チューインガム組成物の約50〜約85重量%、好ましくは約50〜約75重量%、より好ましくは約60〜約70重量%の量で存在するであろう。
もう一つの態様においては、本発明は、少ない量のチューインガムベースを含有するチューインガム組成物に関する。一般に、これらチューインガム組成物中のガムベースは、チューインガム組成物の約55重量%まで、好ましくは約15〜約40重量%、より好ましくは約20〜約35重量%の量で存在するであろう。この態様では、ガムベースは、エラストマー;及びエラストマー溶剤、蝋、乳化剤、可塑剤又は軟化剤、充填剤及びテクスチャー剤として役立つことができる無機アジュバントの如き増量剤、着色剤、酸化防止剤、保存剤、風味剤等の如き種々の他の伝統的成分、及びそれらの混合物を含むであろう。これらガムベース成分の例は上で述べた。
製造したら、このガムベースを本発明の清涼化組成物及び慣用的な添加剤と共に配合して、多種多様なチューインガム組成物を製造することができる。
本チューインガム組成物は、一般に増量剤を含む。これら増量剤(キャリヤ、エキステンダー)は水溶性であってもよく、それらには、単糖類、二糖類、多糖類、糖アルコール、及びそれらの混合物;イソマルト(Suddeutsche ZuckerによりPalatinitという商品名で製造されているα−D−グルコピラノシル−1,6−マンニトールとα−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトールとのラセミ混合物);マルトデキストリン;水素化デンプン水解物;水素化ヘキソース;水素化二糖類;炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、リン酸二カルシウム、セルロースなどのミネラル、及びそれらの混合物からなるがこれらに限定されない群から選択される増量剤が含まれる。増量剤は、チューインガム組成物の約60重量%までの量で、好ましくは約25〜約60重量%の量で用いることができる。
適する糖増量剤には、キシロース、リボース、グルコース(デキストロース)、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、スクロース(砂糖)、マルトース、転化糖、部分加水分解デンプン及びコーンシロップ固形物、及びそれらの混合物の如き単糖類、二糖類、及び多糖類が含まれる。チューインガム組成物がシュガーガムであるときは、スクロースとコーンシロップ固形物の混合物が好ましい糖増量剤である。
適する糖アルコール増量剤には、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトール、及びそれらの混合物が含まれる。ソルビトールとマンニトールの混合物が好ましい糖アルコール増量剤である。
マルチトールは、ノンカロリー飲料品及び食料品の製造における増量剤として有用な甘くてノンカロリーの水溶性糖アルコールであり、米国特許第3,708,396号により十分に説明されている。なお、その開示内容は参照により本明細書に組み入れられるものとする。マルチトールは、最も一般的な還元二糖類であって、デンプン及び他の天然物中に見出されるマルトースの水素化により作られる。
本チューインガム組成物は、強度甘味剤も含むことができる。強度甘味剤は、スクロースの甘味よりも実質的に強い甘味強度を有する。適する強度甘味剤の例には、ジヒドロカルコン類、モネリン、Stevia Rebaudiana(ステビオサイド類)、グリチルリチンの如き水溶性天然甘味剤、及びそれらの混合物が含まれる。適する水溶性人工甘味剤には、サッカリン及びその可溶性塩、即ちナトリウム又はカルシウムサッカリン塩、シクラメート及びその塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシド(Acesulfame)及びそのナトリウム、アンモニウム、及びカルシウム塩、特に3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(Acesulfame−K)が含まれる。
適するジペプチド基剤甘味剤には、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(Aspartame)、米国特許第3,492,131号に記載された化合物、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(Alitame)、L−アスパルチル−L−フェニルグリシン及びL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニルグリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン、及びL−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)アラニンの如きL−アスパラギン酸誘導甘味剤が含まれる。
他の適する水溶性甘味剤には、スクロースの塩素化誘導体の如き天然に存在する水溶性甘味剤から誘導されるもの、例えば、クロロデオキシスクロース及びクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体の如きクロロデオキシ糖誘導体が含まれる。クロロデオキシスクロース及びクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体の例には、1−クロロ−1'−デオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクトフラノシド、又は4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド、又は4,1'−ジクロロ−4,1'−ジデオキシガラクトスクロース;1',6'−ジクロロ−1',6'−ジデオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、又は4,1',6'−トリクロロ−4,1',6'−トリデオキシガラクトスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド、又は4,6,6'−トリクロロ−4,6,6'−トリデオキシガラクトスクロース;6,1',6'−トリクロロ−6,1',6'−トリデオキシスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、又は4,6,1',6'−テトラクロロ−4,6,1',6'−テトラデオキシガラクトスクロース;及び4,6,1',6'−テトラクロロ−4,6,1',6'−テトラデオキシスクロースが含まれるが、これらに限定されない。好ましい態様では、クロロデオキシ糖誘導体は、4,1',6'−トリクロロ−4,1',6'−トリデオキシガラクトスクロース、又はSucraloseという商品名でニュージャジー州SkillmanのMcNeil Specialty Products Campanyから市販されている4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシドである。
他の適する強度甘味剤には、タリン(talin;thaumaoccous danielli,タウマチンI及びII)の如きタンパク質基剤甘味剤が含まれる。
チューインガム組成物中に用いられる強度甘味剤の量は、チューインガムを甘くするのに有効な量である。一般に、チューインガム組成物中に普通に存在する強度甘味剤の量は、チューインガム組成物の約0.001〜約1重量%、好ましくは約0.01〜約1重量%、より好ましくは約0.05〜約0.5重量%であろう。
このガム組成物は、可塑剤、軟化剤、乳化剤、蝋、充填剤、無機アジュバント、風味剤(フレーバー、フレーバー剤)、着色剤、酸化防止剤、酸味剤、増粘剤等、及びそれらの混合物からなる群から選択される有効量の慣用的な添加剤を含むことができる。これら成分は、チューインガム組成物中に、チューインガム組成物の全量を100%にする量で存在する。これら添加剤の幾つかは、1を超える目的に役立たせることができる。例えば、シュガーレスガム組成物では、ソルビトール又は他の糖アルコールの如き甘味剤は、増量剤としても機能することができる。
ガムベースに用いるのに適すると上で述べた可塑剤、軟化剤、無機アジュバント、蝋、及び酸化防止剤も、チューインガム組成物中に用いることができる。用いることができる他の慣用的な添加剤の例には、レシチン及びモノステアリン酸グリセリルの如き乳化剤;メチルセルロース、アルギネート、カラゲナン、キサンタンガム、ゼラチン、イナゴマメ、トラガカント、ローカストビーンの如き、単独又は他の軟化剤と組み合わせて用いられる増粘剤;リンゴ酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、及びそれらの混合物の如き酸味剤;及び無機アジュバントの範疇で上に述べたものの如き充填剤が含まれる。
用いることができる風味剤には、天然及び人工の風味剤のような当業者に公知の風味剤が含まれる。これら風味剤は、合成フレーバー油及び風味付与性の芳香剤及び/又は芳香油、含油樹脂、及び植物、葉、花、果実等から誘導されるエキス、及びそれらの組み合わせから選ぶことができる。非限定的は代表的フレーバー油には、スペアミント油、シナモン油、ウインターグリーン油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、丁字油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ヒマラヤスギの葉の油、ニクズク油、ピメント油、セージの油、メース、ビターアーモンドの油、及びカッシア油が含まれる。また、有用な風味剤は、バニラのような人工、天然及び合成のフルーツフレーバー、及びレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツを含む柑橘油、及びリンゴ、セイヨウナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、キイチゴ、サクランボ、プラム、パイナップル、アンズ等を含むフルーツエッセンスである。これら風味剤は、液体でも固体でも用いることができ、個別に用いても混合して用いてもよい。広く用いられるフレーバーには、個別に用いられるか混合して用いられるかに拘らず、ペパーミント、メントール、人工バニラ、シナモン誘導体、及び種々のフルーツフレーバーのようなミントが含まれる。
他の有用な風味剤には、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール等の如きアルデヒド類及びエステル類が含まれ、それらを用いてもよい。概して、National Academy of SciencesによるChemicals Used in Food Proceeding,publication 1274,p.63−258に記載されている如きあらゆる風味剤又は食品添加剤を用いることができる。
アルデヒド風味剤の更なる例には、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(甘草、アニス)、シンナムアルデヒド(シナモン)、シトラール、即ちα−シトラール(レモン、ライム)、ネラール、即ちβ−シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトープ、即ちピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミルシンナムアルデヒド(スパイシーでフルーティーなフレーバー)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(改質剤、多くのタイプ)、デカナール(柑橘系果実)、アルデヒドC−8(柑橘系果実)、アルデヒドC−9(柑橘系果実)、アルデヒドC−12(柑橘系果実)、2−エチルブチルアルデヒド(ベリー系果実)、ヘキセナール、即ちトランス−2(ベリー系果実)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルムアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、即ちメローナル(メロン)、2,6−ジメチルオタナール(グリーン果実)、及び2−ドデセナール(柑橘類、マンダリン、サクランボ、ブドウ、イチゴショートケーキ)、それらの混合物等が含まれるが、これらに限定されない。
風味剤は、液体で用いても乾燥した形態で用いてもよい。後者の形態で用いる場合、その油を噴霧乾燥する如き適する乾燥手段を用いることができる。また、風味剤を、セルロース、デンプン、砂糖、マルトデキストリン、アラビアガム等の如き水溶性物質の上に吸着させても、カプセル化してもよい。かかる乾燥形態を製造するための現実の技術は周知であり、この発明の一部を構成するものではない。
本発明の風味剤は、フレーバーの初期噴出及び/又はフレーバーの持続的感覚を提供するために、当該技術分野で周知の多くの異なる物理的形態で用いることができる。それらに限定されることなく、かかる物理的形態には、噴霧乾燥形態、粉末化形態、及びビーズ形態の如きフリー形態、及びカプセル化形態、及びそれらの混合物が含まれる。
風味剤又は甘味剤のカプセル化送達系は、脂肪のマトリックス又は甘味剤若しくは風味剤コアを囲む蝋を含む。脂肪は、脂肪酸、グリセリド又はポリグリセロールエステル、ソルビトールエステル、及びそれらの混合物の如き数種の慣用的な物質から選択することができる。脂肪酸の例には、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、菜種油、米糠油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、サフラワー油、及びそれらの混合物の如き水素化及び部分水素化植物油が含まれる。有用なグリセリドには、モノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドが含まれる。
有用な蝋は、天然及び合成蝋、及びそれらの混合物からなる群から選ぶことができる。非限定的な例には、パラフィン蝋、ペトロラタム、カーボワックス、微結晶質蝋、蜜蝋、カルナバ蝋、カンデリラ蝋、ラノリン、月桂樹蝋(bayberry wax)、サトウキビ蝋、鯨蝋、米糠蝋、及びそれらの混合物が含まれる。
脂肪及び蝋は、そのカプセル化された系の約10〜約70重量%で変動する量で、好ましくは約40〜約58重量%の量で、個別に用いても組み合わせて用いてもよい。組み合わせて用いるときは、脂肪と蝋は、好ましくはそれぞれ約70:10〜85:15の比率で存在する。
典型的なカプセル化された風味剤又は甘味剤送達系は、米国特許第4,597,970号及び4,722,845号に開示されている。なお、その開示内容は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
ここで用いられる風味剤の量は、普通は、最終チューインガム組成物のタイプ、個々のフレーバー、用いられるガムベース、及び望まれるフレーバーの強さの如き要因に従う好みの問題である。かくして、風味剤の量は、最終製品に望まれる結果を得るために変動させることができ、かかる変動は、過度な実験を要さずして当業者の能力の範囲内である。ガム組成物中、風味剤は、一般に、チューインガム組成物の約0.02〜約5重量%、好ましくは約0.1〜約2重量%、より好ましくは約0.8〜約1.8重量%の量で存在する。
本発明に有用な着色剤は、所望の色を生じさせるのに有効な量で用いられる。これら着色剤には、ガム組成物の約6重量%までの量で加えることができる顔料が含まれる。好ましい顔料である二酸化チタンは、ガム組成物の約2重量%まで、好ましくは約1重量%未満の量で組み入れられ得る。着色剤には、食物、薬物及び化粧品用途に適した天然の食品着色剤及び染料も含まれ得る。これら着色剤は、F.D.& C.染料及びレーキとして知られている。前述の用途に許容できる物質は、好ましくは水溶性である。好例となる非制限例には、F.D.& C.ブルー2号として知られているインジゴイド染料が含まれ、それは5,5−インジゴスズジスルホン酸の二ナトリウム塩である。同様に、F.D.& C.グリーン1号として知られる染料は、トリフェニルメタン染料を含み、それは4−〔4−(N−エチル−p−スルホニウムベンジルアミノ)ジフェニルメチレン〕−〔1−(N−エチル−N−p−スルホニウムベンジル)−δ−2,5−シクロヘキサジエンイミン〕の一ナトリウム塩である。全てのF.D.& C.着色剤の完全な詳述及びそれらの対応する化学構造は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,第3版,5巻,857−884頁に見出すことができ、その内容は参照により本明細書中に組み入れられるものとする。
ガム組成物中に用いることができる適する油脂には、ココナッツ油、パーム核油、牛脂、ラード等の如き部分水素化植物脂肪又は動物脂肪が含まれる。これら成分を用いるとき、一般に、ガム組成物の約7重量%まで、好ましくは約3.5重量%までの量で存在する。
この発明によれば、有効量の本発明の清涼化組成物が、チューインガム組成物中に混和される。上で述べたように、本発明の清涼化組成物は、メントールとN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含む。用いられる清涼化組成物の正確な量は、普通は、製造されるガム組成物の個々のタイプ、用いられる増量剤のタイプ、用いられるフレーバーのタイプ、及び望まれる呼気新鮮化感覚の強さの如き要因に従う好みの問題である。かくして、清涼化組成物の量は、最終製品に望まれる結果を得るために変動させることができ、かかる変動は、過度な実験を要さずして当業者の能力の範囲内である。一般に、チューインガム組成物中に普通に存在する清涼化組成物の量は、チューインガム組成物の約0.07〜約2重量%、好ましくは約1〜約2重量%、より好ましくは約1.25〜約2重量%の量で存在する。
本発明は、チューインガム及び風船ガム配合物の両方を包含する改良されたチューインガム組成物を製造する方法も包含する。本チューインガム組成物は、当業者により知られた標準的技術及び装置を用いて製造することができる。本発明に有用な装置は、チューインガム製造分野で周知の混合及び加熱装置を含むので、具体的な装置の選択は当業者に明らかであろう。
そのような方法では、チューインガム組成物は、ガムベースを清涼化組成物及び最終の望まれるチューインガム組成物の他の成分と混和することにより作られる。他の成分は、通常は、当業者には周知のように、望まれる組成物の性質に従って組成物中に入れられるであろう。最終的なチューインガム組成物は、食品技術及びチューインガム分野で広く知られている方法を用いて容易に製造される。
例えば、ガムベースをそのベースの物理的及び化学的組成に悪影響することなしに軟化させるのに充分高い温度に加熱する。用いられる最適温度は、用いられるガムベースの組成に依存して変動し得るが、かかる温度は、過度な実験を要さずして当業者により容易に決定される。
ガムベースは、従来通りに、約60〜約120℃の温度でそのベースを溶融させるのに充分な時間溶融される。例えば、ガムベースを、本発明の清涼化組成物、可塑剤、軟化剤、増量剤、及び/又は充填剤、着色剤、及び風味剤の如きガム組成物の残りの成分と漸増的に混和するちょうど前の約30分間これら条件下で加熱して、そのブレンド物を可塑化すると共にそのベースの堅さ、粘弾性及び二次成形適性を調整する。ガム組成物の均一な混合物が得られるまで混合を続ける。その後、そのガム組成物の混合物を所望のチューインガム形状に成形することができる。
好ましい態様においては、本発明は、苦味のない長時間持続性呼気新鮮化感覚を有するチューインガム組成物を製造する方法であって:
(1)次の成分:
(a)ガムベース;
(b)増量剤;及び
(c)清涼化組成物;
を提供する工程、この際、該清涼化組成物はメントール及びN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含み、該カルボン酸アミドは式:
Figure 0003643379
(式中、R1及びR2は、水素及び1〜25の炭素原子を含有するアルキル基からなる群から独立に選択されることができる。但し、R1が水素であるときは、R2は6〜10の炭素原子を含有するアリール基であることができ、そしてR1とR2は、一緒になって、25までの炭素原子を含有する環式基又は複素環式基であることができる。)
により表されることができ、該N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドは該清涼化組成物中に約0.001〜約6%の量で存在し、メントールは該清涼化組成物中に約94〜約99.999%の量で存在する;
(2)該ガムベースを溶融させる工程;
(3)該増量剤と該清涼化組成物を該溶融ガムベースと混和する工程;及び
(4)工程(3)からの混合物を適当な形状に成形する工程;
を含む方法に向けられている。
この清涼化組成物は、本発明の方法に従って製造される。
本発明のもう一つの重要な側面は、本発明の清涼化組成物が入っているキャンディ糖菓組成物及び該糖菓組成物を製造する方法を包含する。糖菓配合物の製造は歴史的に周知でありここ数年変化していない。キャンディ糖菓品は“硬質”糖菓又は“軟質”糖菓のいずれかとして分類されて来た。本発明の清涼化組成物は、本発明組成物を慣用的な硬質及び軟質の糖菓中に混和することによって、その糖菓中に組み入れることができる。
硬質キャンディ糖菓は、慣用的な手段によって加工及び配合することができる。一般に、硬質糖菓は、非晶質状態又はガラス状態に保たれた砂糖と他の炭水化物増量剤との混合物から構成されるベースを有する。この形態は、一般に約0.5%〜約1.5%の水分を有する砂糖の固体シロップと考えられる。そのような材料は、通常は、最終組成物の約92重量%までの砂糖、約55重量%までのコーンシロップ、及び約0.1〜約5重量%の水を含有する。シロップ成分は、一般にスクロース及びコーンシロップから製造されるが、他の物質を含んでもよい。風味剤、甘味剤、酸味剤、着色剤などの更なる成分を加えることもできる。
かかる糖菓は、火炎調理器(fire cooker)、真空調理器、及び高速常圧調理器とも呼ばれている掻き取り表面調理器(scraped−surface cookers)が関与する方法の如き慣用的な方法によって定型的に製造することができる。
火炎調理器は、キャンディベースをつくる伝統的な方法を含む。この方法では、所望量の炭水化物増量剤をその増量剤が溶解するまで釜の中で加熱することによって水中に溶かす。次いで、追加の増量剤を加えて最終温度が145℃〜156℃に達するまで調理を継続してもよい。次いで、バッチを冷却してプラスチック様塊に仕上げて、風味剤、着色剤などの添加剤を入れる。
高速常圧調理器は、熱交換器表面を用いて、熱交換器表面上でキャンディの薄膜を広げることを含む。キャンディは165℃〜170℃に2,3分間加熱される。次いで、そのキャンディを100℃〜120℃まで急速に冷却し、風味剤、着色剤などの添加剤を入れることができるプラスチック様塊に仕上げる。
真空調理器では、炭水化物増量剤を125℃〜132℃に煮沸し、減圧にして特別な加熱をせずに余分の水を沸騰させて除去する。調理が完了すると、塊は半固体となってプラスチック様コンシステンシーを有するようになる。この時点で、風味剤、着色剤、及び他の添加剤を定型的な桟械混合操作でその塊の中に混和する。
硬質糖菓の慣用的な製造中に風味剤、着色剤及び他の添加剤を均一に混合するために必要とされる最適な混合は、材料の均質な分散を得るのに要する時間によって決定される。普通は、4〜10分の混合時間が許容可能であることを見出した。
キャンディ塊を適当に焼いたら、それを加工できる小片へと切断するか又は所望の形状に成形してもよい。所望の最終製品の形状及び大きさに依存して、様々な成形技術を用いることができる。硬質糖菓の組成及び製造に関する一般的な考案は、H.A.Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Volume I(1980),Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.p.339−469において見出すことができる。なお、この開示内容は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
本発明による有用な装置は、糖菓製造分野において周知の調理装置及び混合装置を含むので、具体的な装置の選択は当業者には明らかであろう。
対照的に、圧縮錠剤糖菓剤は粒状材料を含み、加圧下で構造体へと成形される。これら糖菓剤は、一般に、その組成物の約95重量%までの量の砂糖、及び結合剤及び滑沢剤のような典型的な錠剤賦形剤並びに風味剤、着色剤などを含む。
硬質キャンディ糖菓と同様に、この発明には軟質キャンディ糖菓を用いてもよい。ヌガーの如き軟質糖菓の製造は、2つの主成分、即ち(1)コーンシロップのような高沸点シロップと(2)卵アルブミン、ゼラチン、大豆誘導化合物のような植物性タンパク質、牛乳タンパク質のようなシュガーレス牛乳誘導化合物、及びそれらの混合物から一般に製造される比較的軽いテクスチャーのフラッペを組み合わせるような慣用的な方法を含む。このフラッペは一般的に比較的軽くて、例えば、約0.5〜約0.7g/ccの範囲の密度で有り得る。
軟質糖菓の高沸点シロップ又は“ボブシロップ(bob syrup)”は、比較的粘稠でフラッペ成分より高い密度を有し、しばしば、かなりの量の炭水化物増量剤を含む。慣用的には、最終ヌガー組成物は、撹拌下でフラッペに“ボブシロップ”を添加して基礎ヌガー混合物を作ることによって製造される。その後、風味剤、追加の炭水化物増量剤、着色剤、保存剤、医薬品、それらの混合物などの更なる成分をやはり撹拌下で添加することができる。ヌガー糖菓の組成及び製造に関する一般的な考察は、B.W.Minifie,Chocolate,Cocoa and Confectionery:Science and Technology,2nd edition,AVI Publishing Co.,Inc.,Westport,Conn.(1980),p.424−425において見出される。なお、その開示内容は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
軟質糖菓を製造するための手順は公知の手順を含む。一般に、フラッペ成分を最初に製造し、その後にシロップ成分を少なくとも約65℃、好ましくは少なくとも約100℃の温度で撹拌下にゆっくりと添加する。これら成分の混合物を混合し続けて均一混合物を形成し、その後、その混合物を80℃未満の温度まで冷却する。その時点で風味剤を加えても良い。その混合物をそれが取り出し易くなりかつ適当な糖菓形状へと成形し易くなるまで更に追加の時間混合する。
この発明によれば、有効量の本発明の清涼化組成物を硬質及び軟質糖菓に混和することができる。上で述べたように、本発明の清涼化組成物は、メントール及びN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含む。用いられる清涼化組成物のの正確な量は、普通は、製造される糖菓の個々のタイプ、用いられる増量剤又はキャリヤのタイプ、用いられる風味剤のタイプ、及び望まれる呼気新鮮化感覚の強さの如き要因に従う好みの問題である。かくして、清涼化組成物の量は、最終製品に望まれる結果を得るために変動させることができ、かかる変動は、過度な実験を要さずして当業者の能力の範囲内である。一般に、硬質又は軟質キャンディ糖菓中に普通に存在する清涼化組成物の量は、該糖菓の約0.01〜約2重量%、好ましくは約0.1〜約2重量%、より好ましくは約0.25〜約2重量%であろう。
本発明は、改良されたキャンディ糖菓を製造する方法に及ぶ。清涼化組成物は、当業者により知られた標準的方法及び装置を用いて、他の慣用的な硬質又は軟質糖菓組成物中に入れることができる。本発明に有用な装置は、糖菓製造分野において周知の混合及び加熱装置を含むので、具体的な装置の選択は当業者に明らかであろう。
そのような方法では、組成物は、本発明の清涼化組成物を最終的に望まれる組成物の他の成分と一緒に糖菓組成物中に混和することにより製造される。他の成分は、通常は、当業者に周知の望まれる組成物の性質に従って、その組成物に入れられるであろう。最終的な糖菓組成物は、食品技術及び薬学分野において広く知られている方法を用いて容易に製造することができる。その後、その糖菓混合物を望ましい糖菓形状に成形することができる。
清涼化組成物を個々の用途に適する種々のテクスチャーを与える慣用的な成分と配合することができる。かかる成分は、シュガー及びシュガーレスの硬質及び軟質キャンディ糖菓、錠剤、タフィー、ヌガー、咀嚼キャンディ、チューインガムなどの形態であっても良い。許容できる成分は、多種多様な材料から選択することができる。かかる材料には、希釈剤、結合剤及び接着剤、滑沢剤、崩壊剤、増量剤、保湿剤、緩衝剤、及び吸着剤が含まれるが、これらに限定されない。かかるキャンディ糖菓及びチューインガム製品の製造は周知である。
この出願の全体を通して、種々の刊行物に言及した。これら刊行物の開示内容は、技術の現状をより充分に説明するために、参照により本明細書中に組み入れられるものとする。
本発明は、有効な請求の範囲を限定することを意図しない以下の実施例により更に説明される。これら実施例並びに明細書及び請求の範囲における全ての部及びパーセントは、特に断らない限り、最終組成物の重量を基準とするものである。
実施例1〜19
これら実施例は、本発明に従って製造された清涼化組成物と慣用的な清涼化組成物との比較を示すものである。
実施例1〜8の清涼化組成物は、以下の表1に記載した配合を有した。これら配合は、ペパーミント油からの50%メントール寄与率を包含するように計算された。
Figure 0003643379
実施例1〜8の清涼化組成物を糖菓増量剤中に入れて、慣用的な製造方法に従う組成物を作った。具体的には、清涼化組成物を慣用的なコーンシロップ/砂糖混合物中に入れてから、慣用的な非SBRチューインガムベースに加えた。専門の味覚パネルが、1分及び5分におけるこれらガム組成物の相対的呼気新鮮化感覚(清涼化)、苦味、及び全体的好ましさをランダムな順番で評価し、それら結果をプールして平均化した(0〜100の等級;0は呼気が新鮮ではない;100は呼気が非常に新鮮である)。味覚パネルからの結果を表1に示す。
実施例1(対照)では、メントールは、組成物中に1.3重量%の総合レベルで存在した。残りの実施例では、メントールは、表1に示した比率に従う量で存在した。表1は、実施例3〜6の清涼化組成物が、向上した呼気新鮮化感覚を有したことを示している。メントールが組成物中に1.3重量%のような高いレベルで存在するとき、メントールとN−エチル−p−メンタン3−カルボン酸アミドの相乗的作用は、メントールが低いレベルで存在するときとは全く相違する。メントールが組成物中に1.3重量%のレベルで存在すると、最も長い呼気新鮮化と最も高い全体的好ましさが、N−エチル−p−メンタン3−カルボン酸アミドが清涼化組成物中に約0.001〜約6重量%、より好ましくは約0.01〜約6重量%、最も好ましくは約1〜約4重量%の量で存在するときに起こることが分かった。N−エチル−p−メンタン3−カルボン酸アミドの量が6%を超えると、その糖菓製品は全体的好ましさが非常に望ましくなくなる。
米国特許第5,009,893号(Cherukuriら)の表1及び2に開示された清涼化組成物は、以下の表2における実施例9〜19に記載した配合を有する。これら配合は、ペパーミント油からの50%メントール寄与率を包含するように修正されている。これら清涼化組成物も、Cherukuriらによりチューインガム配合物中に加えられた。
Figure 0003643379
検算すると、N−エチル−p−メンタン3−カルボン酸アミド清涼化化合物についての最適レベルが8〜12%であるという米国特許第5,009,893号(Cherukuriら)に記載された範囲(実施例11及び12を参照のこと)は、0.001〜6%という本発明のN−エチル−p−メンタン3−カルボン酸アミド清涼化化合物についての最適範囲から外れていることが分かる。
実施例20〜35
これら実施例は、本発明に従って製造された糖アルコールを糖菓組成物中に含有する清涼化組成物と慣用的な清涼化組成物との比較を示すものである。
表1の実施例1〜8における通りに製造されそして表3に記載した配合を有する実施例20〜35の清涼化組成物を糖菓増量剤中に入れて、慣用的な糖菓製造技術に従って組成物を作った。
Figure 0003643379
専門の味覚パネルが、1分及び5分におけるこれら組成物の相対的呼気新鮮化感覚(清涼化)、苦味、及び全体的好ましさをランダムな順番で評価し、それら結果をプールして平均化した(0〜100の等級;0は呼気が新鮮ではない;100は呼気が非常に新鮮である)。味覚パネルからの結果を表3に示す。
実施例35(対照)は、組成物中に1.0重量%のレベルで存在するメントールのみを含有した。実施例34(対照)はキシリトールを含有せず、実施例32(対照)はN−エチル−p−メンタン3−カルボン酸アミドを含有せず、そして実施例30(対照)はメントールを含有しなかった。残りの実施例では、メントールとN−エチル−p−メンタン3−カルボン酸アミドが、組成物中に、表3に記載した比率に従う量で存在した。比較例20と21、22と23、24と25は、清涼化組成物中のキシリトールの量が4%から16%に増加すると、呼気新鮮化組成物についての全体的好ましさが高まることを示している。実施例33及び34は、清涼化組成物中のキリシトールの量が0%から20%に増加すると、呼気新鮮化組成物についての全体的好ましさが高まることを示している。
このように本発明を説明してきたが、同じ方法を多くのやり方に変化させ得ることは自明であろう。かかる変法は、本発明の精神及び範囲を逸脱するものとみなすべきではなく、かかる全ての変更が次の請求の範囲に包含されることを意図するものである。

Claims (26)

  1. 苦味のない長時間持続性呼気新鮮化感覚を有するチューインガム組成物であって:
    (a)ガムベース;
    (b)増量剤;及び
    (c)清涼化組成物;
    を含み、該清涼化組成物がメントール及びN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含み、該カルボン酸アミドが式:
    Figure 0003643379
    (式中、R1及びR2は、水素及び1〜25の炭素原子を含有するアルキル基からなる群から独立に選択されることができる。但し、R1が水素であるときは、R2は6〜10の炭素原子を含有するアリール基であることができ、そしてR1とR2は、一緒になって、25までの炭素原子を含有する環式基又は複素環式基であることができる。)
    により表されることができ、該N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドが該清涼化組成物中に0.001〜6%の量で存在し、メントールが該清涼化組成物中に94〜99.999%の量でかつ該チューインガム組成物の0.7〜2重量%の量で存在するチューインガム組成物。
  2. N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドがN−エチル−p−メンタン3−カルボン酸アミドである、請求項1のチューインガム組成物。
  3. 清涼化組成物がチューインガム組成物中にチューインガム組成物の0.7〜2重量%の量で存在する、請求項1のチューインガム組成物。
  4. N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドが清涼化組成物の0.01〜6%重量の量で存在する、請求項1のチューインガム組成物。
  5. N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドが清涼化組成物の1〜4%重量の量で存在する、請求項4のチューインガム組成物。
  6. メントールが清涼化組成物の94〜99.999重量%の量で存在する、請求項1のチューインガム組成物。
  7. メントールが清涼化組成物の96〜99重量%の量で存在する、請求項6のチューインガム組成物。
  8. メントールがチューインガム組成物の1〜2重量%の量で存在する、請求項のチューインガム組成物。
  9. メントールがチューインガム組成物の1.25〜2重量%の量で存在する、請求項8のチューインガム組成物。
  10. 清涼化組成物がチューインガム組成物の1〜2重量%の量で存在する、請求項3のチューインガム組成物。
  11. 清涼化組成物がチューインガム組成物の1.25〜2重量%の量で存在する、請求項10のチューインガム組成物。
  12. 甘味剤を更に含む、請求項1のチューインガム組成物。
  13. 糖アルコールを更に含む、請求項12のチューインガム組成物。
  14. 苦味のない長時間持続性呼気新鮮化感覚を有する糖菓組成物であって:
    (a)糖菓増量剤;及び
    (b)清涼化組成物;
    を含み、該清涼化組成物がメントール及びN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含み、該カルボン酸アミドが式:
    Figure 0003643379
    (式中、R1及びR2は、水素及び1〜25の炭素原子を含有するアルキル基からなる群から独立に選択されることができる。但し、R1が水素であるときは、R2は6〜10の炭素原子を含有するアリール基であることができ、そしてR1とR2は、一緒になって、25までの炭素原子を含有する環式基又は複素環式基であることができる。)
    により表されることができ、該N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドが該清涼化組成物中に0.001〜6%の量で存在し、メントールが該清涼化組成物中に94〜99.999%の量でかつ該糖菓組成物の0.7〜2重量%の量で存在する糖菓組成物。
  15. N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドがN−エチル−p−メンタン3−カルボン酸アミドである、請求項14の糖菓組成物。
  16. 清涼化組成物が糖菓組成物中に糖菓組成物の0.01〜2重量%の量で存在する、請求項14の糖菓組成物。
  17. 清涼化組成物が糖菓組成物中に糖菓組成物の0.1〜2重量%の量で存在する、請求項14の糖菓組成物。
  18. 清涼化組成物が糖菓組成物中に糖菓組成物の0.25〜2重量%の量で存在する、請求項17の糖菓組成物。
  19. メントールが清涼化組成物の94〜99.999重量%の量で存在する、請求項15の糖菓組成物。
  20. メントールが清涼化組成物の96〜99重量%の量で存在する、請求項19の糖菓組成物。
  21. N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドが清涼化組成物の0.01〜6%重量の量で存在する、請求項14の糖菓組成物。
  22. N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドが清涼化組成物の1〜4%重量の量で存在する、請求項21の糖菓組成物。
  23. 甘味剤を更に含む、請求項14の糖菓組成物。
  24. 糖アルコールを更に含む、請求項23の糖菓組成物。
  25. 苦味のない長時間持続性呼気新鮮化感覚を有するチューインガム組成物を製造する方法であって:
    (1)次の成分:
    (a)ガムベース;
    (b)増量剤;及び
    (c)清涼化組成物;
    を提供する工程、この際、該清涼化組成物はメントール及びN−置換−p−メンタンカルボン酸アミドを含み、該カルボン酸アミドは式:
    Figure 0003643379
    (式中、R1及びR2は、水素及び1〜25の炭素原子を含有するアルキル基からなる群から独立に選択されることができる。但し、R1が水素であるときは、R2は6〜10の炭素原子を含有するアリール基であることができ、そしてR1とR2は、一緒になって、25までの炭素原子を含有する環式基又は複素環式基であることができる。)
    により表されることができ、該N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドが該清涼化組成物中に0.001〜6%の量で存在し、メントールが該清涼化組成物中に94〜99.999%の量でかつ該チューインガム組成物の0.7〜2重量%の量で存在する;
    (2)該ガムベースを溶融させる工程;
    (3)該増量剤と該清涼化組成物を該溶融ガムベースと混和する工程;及び
    (4)工程(3)からの混合物を適当な形状に成形する工程;
    を含む方法。
  26. 苦味のない長時間持続性呼気新鮮化感覚を有する糖菓組成物を製造する方法であって、清涼化組成物を糖菓増量剤と混和することを含み、該清涼化組成物が:
    (a)メントール及びN−置換−p−メンタンカルボン酸アミド;
    を含み、該カルボン酸アミドが式:
    Figure 0003643379
    (式中、R1及びR2は、水素及び1〜25の炭素原子を含有するアルキル基からなる群から独立に選択されることができる。但し、R1が水素であるときは、R2は6〜10の炭素原子を含有するアリール基であることができ、そしてR1とR2は、一緒になって、25までの炭素原子を含有する環式基又は複素環式基であることができる。)
    により表されることができ、該N−置換−p−メンタンカルボン酸アミドが該清涼化組成物中に0.001〜6%の量で存在し、メントールが該清涼化組成物中に94〜99.999%の量でかつ該糖菓組成物の0.7〜2重量%の量で存在する方法。
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