JP3643362B2 - 電子データ処理アダプター - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子マネーシステム、医療診察システム、電子乗車券システムなどの各種システムで使用される電子カードを汎用のパーソナルコンピュータなどの電子データ処理装置に装着して、相互間のデータの授受を行なうディスクカートリッジ形の電子データ処理アダプターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、下記の特許文献1において図14ないし図16に示すような「電子データ処理装置のディスケットステーションに挿入可能な、交換可能プロセッサ/メモリカードを有する素子」が提案されている。図14は後述するディスクカートリッジ形ケースの概略構成図、図15はそのディスクカートリッジ形ケースの断面図、図16はそのディスクカートリッジ形ケースに挿入されるカードの平面図である。
【0003】
これらの図において101は汎用の磁気ディスクカートリッジと同じ形状で同じ寸法を有するカートリッジ形ケースで、電池102、変換器103、磁気インターフェース104、プロセッサ105、メモリ106、接点107ならびに側面が開口したカード収納空間部108(図15参照)などを有している。なお、図中の109は窪み切欠部、110はディスクドライブ装置のスピンドルが挿入される凹み状の切欠部である。 111は前記カード収納空間部108に挿入される例えばICカードなどの電子カードで、ICチップ(図示せず)を内蔵し、表面に接点112を有している。
【0004】
このカード111をカートリッジ形ケース101のカード収納空間部108に収納して、接点107,112どうしを接触させ、そのカートリッジ形ケース101を例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに装着することにより、カートリッジ形ケース101を介してパーソナルコンピュータとカード111の間でデータの相互転送を行なうことができるという便利さを有している。
【0005】
【特許文献1】
特表平6−509194号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの種システムのものを改良して、さらに使い勝手のよい電子データ処理アダプターを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため第1の本発明は、
ディスクカートリッジと同じ位置に形成され、内側に例えば平面状コイルなどからなる磁気インターフェースを有するヘッド挿入口と、
例えばコンタクトピンあるいは平面状コイルなどからなるカードインターフェースを有し、例えばICカードなどの電子カードが装着できるカード装着部と、
例えば電池などの電源部と、
前記磁気インターフェースとカードインターフェースの接続回路上に設けられた制御部と、
例えばパーソナルコンピュータなどの電子データ処理装置内にあるディスクドライブ装置の回転駆動軸により回転するハブとを備え、外形がディスクカートリッジとほぼ同じ形状をしており、
前記カード装着部に電子カードをセットして、電子データ処理装置に装着して電子データ処理装置の磁気ヘッドを前記磁気インターフェースと接触させるとともに、
前記ハブの回転を検出することで、電子カードと電子データ処理装置の間でデータの授受を行なうオンラインモードにて動作するように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
上記目的を達成するため第2の本発明は、
ディスクカートリッジと同じ位置に形成され、内側に磁気インターフェースを有するヘッド挿入口と、
カードインターフェースを有し、電子カードが装着できるカード装着部と、
電源部と、
前記磁気インターフェースとカードインターフェースの接続回路上に設けられた制御部と、
その制御部に接続された例えばLCDなどの表示部と、
電子データ処理装置内にあるディスクドライブ装置の回転駆動軸により回転するハブとを備え、外形がディスクカートリッジとほぼ同じ形状をしており、
前記ハブの回転の有無により、電子カードを電子データ処理アダプターにセットし、電子カードのデータの少なくとも一部を前記表示部に表示させるオフラインモードと、電子カードと電子データ処理装置の間でデータの授受を行なうオンラインモードの切り換えを行なうモード切り換え手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は前述のように電子データ処理アダプターに電子カードをセットすることにより、電子カードに記憶されている例えば預金残高などの少なくとも一部のデータが電子データ処理アダプターの表示部に表示できるから、電子カードの適合した専用のインターフェースを用いることなく、電子カードに記憶されているデータを簡単に確認することができる。
【0010】
また電子カードが電子データ処理アダプターを介して汎用のパーソナルコンピュータなどの電子データ処理装置に直接アクセスでき、電子カード専用のデータ書込み/読出し装置が不要である。そのため例えば、電子データ処理アダプターに電子カードをセットして電子カードに記憶されているデータ内容を表示部を見て確認した上で、電子データ処理装置にアクセスすることもできる。
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る電子データ処理システムの2つの使用態様を説明するための概略図である。この電子データ処理システムは図1に示すように、ICカード1と、形状ならびに大きさは汎用の3.5インチのフロッピー(登録商標)ディスクと同じで前記ICカード1が収納可能な外形寸法が約93mm(W)×90mm(L)×3mm(T)のディスクカートリッジ形ケース2と、例えばラップトップ形やノートブック形の汎用のパーソナルコンピュータおよび各種ワークステーションなどの電子データ処理装置3とから主に構成されている。
【0012】
図1(a)は、ICカード1をディスクカートリッジ形ケース2に収納し、それを電子データ処理装置3のディスクドライブ装置4に装着することにより、ディスクカートリッジ形ケース2を介してICカード1と電子データ処理装置3の間でデータの授受を行なうオンラインモードを概略的に示している。また図1(b)は、ICカード1をディスクカートリッジ形ケース2に収納して、両者の間でデータの授受を行なうオフラインモードを概略的に示している。
【0013】
次にこれらの具体的な構成ならびに使用態様例について説明する。図2ないし図9は本発明の第1の実施の形態を説明するための図で、図2はシャッタを装着する前のディスクカートリッジ形ケースの平面図、図3,図4は使用前のディスクカートリッジ形ケースの平面図ならびに底面図、図5はICカードをディスクカートリッジ形ケースに挿入する直前の状態を示す図で、ディスクカートリッジ形ケースは図3X−X線上の断面を示している。図6はICカードの平面図、図7はICカードとディスクカートリッジ形ケースと電子データ処理装置との間のデータの授受動作を説明するための図、図8はICカードとディスクカートリッジ形ケースの組み合わせで使用したときの状態を示す平面図、図9は動作説明をするための図である。
【0014】
ディスクカートリッジ形ケース2は汎用の3.5インチのフロッピー(登録商標)ディスクと同様に挿入方向前部の中央部分に長方形をしたヘッド挿入口5が設けられ、それを含むようにシャッタの移動範囲を規制する浅い凹部6が形成されている。
【0015】
この凹部6の下側にプリント配線基板(図示せず)が設置され、それに搭載されたフラット状の第1コイル7が前記ヘッド挿入口5から露呈するように配置されている。また、凹部6の図2に向かって右側端部付近には液晶表示素子(LCD)からなる表示部8が凹部6の底面から露呈するように配置されている。
【0016】
ディスクカートリッジ形ケース2の内部には電源9としての電池が交換可能に収容されている。なお、電源9としての例えばキャパシタ、ポリマーリチウム電池などの2次電池をディスクカートリッジ形ケース2の内部に格納しておき、電子データ処理アダプターの不使用時に充電器によってその2次電池を充電したり、あるいは後述のオンラインモード時にディスクドライブ装置の回転駆動力を利用してハブ22を回転して発電し、この電力により前記2次電池を充電したりすることもできる。このように電源9として2次電池を使用する場合、必ずしも電池を交換可能にする必要はない。
【0017】
また図1におけるオンラインモード(a)とオフラインモード(b)の両方において、この電池によりディスクカートリッジ形ケース2を動作してもよいし、オフラインモード(b)でのデータ表示のみ電池でディスクカートリッジ形ケース2を動作させ、オンラインモード(a)時の電源供給はディスクドライブ装置の回転駆動力を利用してハブ22の回転により発電された電力にて動作させる構成としてもよい。
【0018】
凹部6よりも挿入方向後部にICカード1とほぼ同じ大きさを有するカード収納空間10が形成されている。このカード収納空間10は図5に示すように、ディスクカートリッジ形ケース2の一方の側面にカード出入口11が設けられ、それと対向する内面がICカード1のストッパー壁12となっている。カード収納空間10に臨むように、所定本数の弾性を有するコンタクトピン13(図5参照)を備えた接触端子部14(図2参照)が設けられている。
【0019】
カード収納空間10と対向する位置には、ディスクカートリッジ形ケース2の上下方向に貫通したカード検出孔15が形成されている。本実施の形態では、3.5インチフロッピー(登録商標)ディスクのライトプロテクト孔と同じ位置にカード検出孔15が形成されている。前記カード出入口11の近傍には、ICカード1の抜き差しを簡便にするための切欠部16が設けられている。
【0020】
側面形状がコ字形をした合成樹脂製もしくは金属製のシャッタ17が、前記凹部6内にスライド可能に装着されている。シャッタ17はヘッド挿入口5とほぼ同じ大きさの開口部18を有し、開口部18の図面に向かって右側にヘッド挿入口5を覆う第1閉塞部19が、開口部18の図面に向かって左側に表示部8を覆う第2閉塞部20が、それぞれ設けられている。シャッタ17は内部に収納されたバネ部材(図示せず)により、ヘッド挿入口5ならびに表示部8を覆う方向に常に弾性付勢されている。
【0021】
図4に示すようにディスクカートリッジ形ケース2の下面のほぼ中央部にはスピンドル挿入口21が形成され、そこにキャップ状をしたハブ22が回転自在に配置されている。ハブ22は3.5インチのフロッピー(登録商標)ディスクと同様に中心部に菱形の位置決め孔23が、その近傍に長方形の駆動ピン挿入孔24が、また外周部にフランジ25がそれぞれ設けられている。フロッピー(登録商標)ディスクの場合にはフランジ25に磁気ディスクの内周部が接着されているが、本発明の場合には磁気ディスクは用いられておらず、ハブ22単体がスピンドル挿入口21に回転自在に配置されている。
【0022】
ICカード1は図6に示すようにCPUと不揮発性メモリからなるICチップ26を内蔵し、表面には複数に分割された電極27と、磁気ストライプ28と、挿入方向表示部29などを備えており、構成的には従来のものと同じである。
【0023】
ディスクカートリッジ形ケース2の構造的な特徴は前述の通りであるが、回路上は図7に示すような構成になっている。すなわち、ICカード1と接続される接触端子部14、ICカードI/F制御部30、ワークエリア、送受信バッファ、ステータスなどの機能を有する例えばBufler−RAM及びプログラム格納用ROMなどのメモリ31、中央制御部(CPU)32、クロック制御部33、電源制御部34、電源(電池)9、コイル信号変換部35、第1コイル7とアナログ信号処理部36からなるトランジューサ37、表示制御部43、表示部8などを備え、図に示すような接続関係になっている。
【0024】
前記中央制御部32は例えば、
▲1▼.ディスクドライブ装置4におけるヘッド信号との双方向通信制御、
▲2▼.前記ヘッド信号のフォーマット変換、
▲3▼.ICカード1との双方向通信制御、
▲4▼.ICカード1のコントロール処理、
▲5▼.データの書込み/読出しのステータス監視、
▲6▼.電源系の制御と監視、
などの機能を有している。
【0025】
次に本発明に係るシステムの動作について説明する。図1(a)に示すオンラインモードの場合、まず、図5に示すようにICカード1をディスクカートリッジ形ケース2のカード収納空間10に挿入し、ICカード1の先端部をストッパー壁12に当接することによりカード収納空間10内でICカード1が位置決めされ、接触端子部14と電極27とが適正に接触する。またICカード1の挿入によりディスクカートリッジ形ケース2のカード検出孔15,15が塞がれる(このカード検出孔15の閉塞状態を図8において斜線で示している)。まだこの状態のとき、ヘッド挿入口5(第1コイル7)ならびに表示部8はシャッタ17により覆われて、保護されている。
【0026】
ICカード1を収納したディスクカートリッジ形ケース2を電子データ処理装置3のディスクドライブ装置4に挿入すると、図8に示すようにディスクドライブ装置4内に設けられているシャッタ開閉ピン38によりシャッタ17が自動的に開かれ、装置内でヘッド挿入口5(第1コイル7)ならびに表示部8はシャッタ17が露出し、ディスクドライブ装置4内に設けられている磁気ヘッド39(図1ならびに図7参照)がヘッド挿入口5から挿入されて第1コイル7と接触する。この状態でICカード1と電子データ処理装置3は、ディスクカートリッジ形ケース2を介してデータ通信が可能になる。
【0027】
図9は、ICカード1,ディスクカートリッジ形ケース2,電子データ処理装置(PC)3間の信号授受ならびに動作を説明するための図である。
【0028】
まず、ステップ(以下、Sと略称)1でICカード1がディスクカートリッジ形ケース2内に挿入される。次にS2でそのディスクカートリッジ形ケース2が電子データ処理装置3(ディスクドライブ装置4)内に挿入することにより、シャッタ17が自動的に開く(S2)。ディスクカートリッジ形ケース2はシャッタ17の開き動作を検出して、ディスクカートリッジ形ケース2の電源を投入するとともに、ディスクカートリッジ形ケース2内に挿入されたICカード1に電源が供給される(S3)。シャッタ17の開き動作を検出する方法として、例えばディスクカートリッジ形ケース2内のシャッタ開閉領域の近傍またはシャッタ17を弾性付勢しているバネ部材の変位領域の近傍に、マイクロスイッチや磁気センサなどのセンサを配置して、そのセンサでシャッタ17の開き動作を検出する方法がある。
【0029】
次いでS4でICカード1からディスクカートリッジ形ケース2へ初期応答(ATR)がなされ、その応答内容が接触端子部14、ICカードI/F制御部30、中央制御部32を介してメモリ31(図7参照)の所定アドレスに記憶される。
【0030】
なお、ICカード1へ電源供給を行なう前に、ディスクドライブ装置4内にあるライトプロテクト検出用光学センサ又は機械的機構によりディスクカートリッジ形ケース2内のICカード1の有無を検出し、ICカード1の挿入を確認した後、電源をICカード1へ供給するか、又はディスクドライブ装置4内のライトプロテクト検出用センサ又は機械的機構により、ディスクカートリッジ形ケース2内のICカード1の有無を検出せずに、電源供給に対するICカード1からディスクカートリッジ形ケース2への初期応答(ATR)の有無により、ICカード1の検出を行なってもよい。
【0031】
次にS5でハブ22が回転しているか否かの判定がディスクカートリッジ形ケース2の中央制御部32でなされ、ハブ22が回転しているとオンラインモード、ハブ22が回転していないとオフラインモードと判断される。ディスクカートリッジ形ケース2が電子データ処理装置3内に挿入され、ハブ22の回転が検出されると、オンラインモードであると判断されるため、S6で電子データ処理装置(PC)3からディスクカートリッジ形ケース2に対してデータリード信号が出力され、ディスクカートリッジ形ケース2に記憶されている前記初期応答(ATR)がディスクカートリッジ形ケース2から電子データ処理装置(PC)3へ送信される(S7)。
【0032】
そしてS8で電子データ処理装置(PC)3からディスクカートリッジ形ケース2に対して読出しコマンドが出力され、ディスクカートリッジ形ケース2ではそのコマンドを受けた後にS9でICカード1に対して読出しコマンドを出力する。このコマンドに対応してS10でICカード1からディスクカートリッジ形ケース2に読出しデータが出力され、それがそのまま電子データ処理装置(PC)3へ取り込まれ(S11)、その読出しデータに基づいて電子データ処理装置(PC)3内で所望のデータ処理がなされる。オンラインモードの場合はこのようにディスクカートリッジ形ケース2を介して、ICカード1に記憶されているデータが電子データ処理装置(PC)3に読み出されたり、あるいは電子データ処理装置(PC)3のキーボード入力に基づいてデータがICカード1に書き込まれる。
【0033】
次にオフラインモード時のICカード1とディスクカートリッジ形ケース2との間の信号の授受ならびに動作を説明する。図8において、シャッタ開閉ピン38を除いて状態がオフラインモードの使用状態である。前記S1からS4までのステップはオンラインモードと同様であり、前記S5でハブ22が回転していないと判定された場合は電子データ処理装置(PC)3を使用しないオフラインモードであるとみなされ、S12でディスクカートリッジ形ケース2からICカード1に対して読出しコマンドが出力され、このコマンドに対応してS13でICカード1からディスクカートリッジ形ケース2に読出しデータが出力され、そのデータがディスクカートリッジ形ケース2の表示部8に表示され、ICカード1に記憶されているデータ(例えば電子マネーシステムにおける預金の残高など)を見ることができる。
【0034】
なお、このオフラインモードの場合はディスクカートリッジ形ケース2を電子データ処理装置(PC)3に装着しないため、シャッタ17を手動で開き、このシャッタ17の開き動作を検出してディスクカートリッジ形ケース2の電源投入及び表示部8を点灯し、シャッタ17の閉じ動作を検出して表示部8を消灯するように構成されている。
【0035】
図10ないし図12は本発明の第2の実施の形態を示す図であり、図10はディスクカートリッジ形ケース2の平面図、図11はICカード1をディスクカートリッジ形ケース2に挿入する直前の状態を示す図で、ディスクカートリッジ形ケース2は図10Y−Y線上の断面を示している。図12は、この実施の形態で使用するICカードの平面図である。
【0036】
この実施の形態で前記第1の実施の形態と相違する主な点は、ICカード1とディスクカートリッジ形ケース2の接続の構成である。すなわち本実施の形態においてICカード1に平面状の第2コイル40が設けられ、ディスクカートリッジ形ケース2にはこの第2コイル40と対応するように平面状の第3コイル41が設置されている。そしてICカード1をディスクカートリッジ形ケース2に挿入した際に前記第2コイル40と第3コイル41が接近状態(非接触または接触状態)で対向し、電磁結合により信号の伝送が行なわれる構成になっている。
【0037】
この実施の形態では第2コイル40、第3コイル41が表面に露出しているが、第2コイル40、第3コイル41の表面に薄い保護膜を設けることも可能である。
【0038】
図13は、本発明の第3の実施の形態を示すディスクカートリッジ形ケース2の平面図である。この実施の形態で前記第1の実施の形態と相違する主な点は、ディスクカートリッジ形ケース2の表面に表示用スイッチ42を設けた点である。この実施の形態の場合、シャッタ17を手動で開き、表示用スイッチ42をオンすることにより表示部8の表示がなされる構成になっている。
【0039】
オフラインでの使用を簡便にするため、シャッタ17の開成状態を保持するためのロック手段をディスクカートリッジ形ケース2に設けることもできる。
【0040】
またディスクカートリッジ形ケース2に、テンキーなどの操作スイッチを付設することも可能である。
【0041】
さらにシャッタ17にコイル7に対するクリーニング機構を設け、シャッタ17の開閉動作にともなってコイル7の表面を常にクリーンな状態にすることで、ディスクドライブ装置4の磁気ヘッド39とのコンタクトを良好な状態に保つことができる。
【0042】
図17は、本発明の第4の実施の形態を示す電子データ処理システムの動作説明図である。前記図9に示す処理フローでは、S5でハブの回転がないと判断された場合にオフラインモードと判定し、S12ならびにS13を経てS14でデータ表示を行なった。この第4の実施の形態では、S4で初期応答(ATR)があるとオフラインモード、オンラインモードに関係なくまずS15でATR内のデータを表示し、次のS5でハブの回転の有無を判断して、ハブの回転が無い場合はオフラインモードと判定して、S15に戻りデータ表示を継続する。ハブの回転が有るとオンラインモードと判定し、S16で表示データを消去してS6に進むシステムになっている。
【0043】
【発明の効果】
請求項1記載の第1の発明は前述のように、ハブの回転を検出することで自動的にオンラインモードになり、電子データ処理アダプターを介して電子カードと電子データ処理装置の間でデータの授受が行なわれ、使い勝手のよい電子データ処理アダプターを提供することができる。
【0044】
請求項2記載の第2の発明は前述のように、ハブの回転の有無により、オフラインモードまたはオンラインモードに自動的に切り換えられる。そしてオフラインモードの場合は、電子カードに記憶されているデータ(例えば電子マネーシステムにおける預金の残高など)を見ることができる。一方、オンラインモードの場合は、電子データ処理アダプターを介して電子カードと電子データ処理装置の間でデータの授受が行なわれる。以上のことから、使い勝手のよい電子データ処理アダプターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子データ処理システムの2つの使用態様を説明するための概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシャッタを装着する前のディスクカートリッジ形ケースの平面図である。
【図3】使用前のディスクカートリッジ形ケースの平面図である。
【図4】使用前のディスクカートリッジ形ケースの底面図である。
【図5】ICカードをディスクカートリッジ形ケースに挿入する直前の状態を示す図である。
【図6】ICカードの平面図である。
【図7】ICカードとディスクカートリッジ形ケースと電子データ処理装置との間のデータの授受動作を説明するための図である。
【図8】ICカードとディスクカートリッジ形ケースの組み合わせで使用したときの状態を示す平面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る電子データ処理システムの動作説明をするための図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るディスクカートリッジ形ケースの平面図である。
【図11】ICカードをディスクカートリッジ形ケースに挿入する直前の状態を示す図である。
【図12】この実施の形態で使用するICカードの平面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係るディスクカートリッジ形ケースの平面図である。
【図14】従来提案されたディスクカートリッジ形ケースの平面図である。
【図15】そのディスクカートリッジ形ケースの断面図である。
【図16】そのディスクカートリッジ形ケースに収納するカードの平面図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係る電子データ処理システムの動作説明をするための図である。
【符号の説明】
1:ICカード、2:ディスクカートリッジ形ケース、3:電子データ処理装置、4:ディスクドライブ装置、5:ヘッド挿入口、7:第1コイル、8:表示部、9:電源、10:カード収納空間、11:カード出入口、13:コンタクトピン、14:接触端子部、15:カード検出孔、17:シャッタ、18:開口部、19:第1閉塞部、20:第2閉塞部、21:スピンドル挿入口、22:ハブ、26:ICチップ、27:電極、30:ICカードI/F制御部、31:メモリ、32:中央制御部、33:周波数制御部、34:電源制御部、35:コイル信号変換部、36:アナログ信号処理部、37:トランジューサ、39:磁気ヘッド、40:第2コイル、41:第3コイル、42:表示用スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子マネーシステム、医療診察システム、電子乗車券システムなどの各種システムで使用される電子カードを汎用のパーソナルコンピュータなどの電子データ処理装置に装着して、相互間のデータの授受を行なうディスクカートリッジ形の電子データ処理アダプターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、下記の特許文献1において図14ないし図16に示すような「電子データ処理装置のディスケットステーションに挿入可能な、交換可能プロセッサ/メモリカードを有する素子」が提案されている。図14は後述するディスクカートリッジ形ケースの概略構成図、図15はそのディスクカートリッジ形ケースの断面図、図16はそのディスクカートリッジ形ケースに挿入されるカードの平面図である。
【0003】
これらの図において101は汎用の磁気ディスクカートリッジと同じ形状で同じ寸法を有するカートリッジ形ケースで、電池102、変換器103、磁気インターフェース104、プロセッサ105、メモリ106、接点107ならびに側面が開口したカード収納空間部108(図15参照)などを有している。なお、図中の109は窪み切欠部、110はディスクドライブ装置のスピンドルが挿入される凹み状の切欠部である。 111は前記カード収納空間部108に挿入される例えばICカードなどの電子カードで、ICチップ(図示せず)を内蔵し、表面に接点112を有している。
【0004】
このカード111をカートリッジ形ケース101のカード収納空間部108に収納して、接点107,112どうしを接触させ、そのカートリッジ形ケース101を例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに装着することにより、カートリッジ形ケース101を介してパーソナルコンピュータとカード111の間でデータの相互転送を行なうことができるという便利さを有している。
【0005】
【特許文献1】
特表平6−509194号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの種システムのものを改良して、さらに使い勝手のよい電子データ処理アダプターを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため第1の本発明は、
ディスクカートリッジと同じ位置に形成され、内側に例えば平面状コイルなどからなる磁気インターフェースを有するヘッド挿入口と、
例えばコンタクトピンあるいは平面状コイルなどからなるカードインターフェースを有し、例えばICカードなどの電子カードが装着できるカード装着部と、
例えば電池などの電源部と、
前記磁気インターフェースとカードインターフェースの接続回路上に設けられた制御部と、
例えばパーソナルコンピュータなどの電子データ処理装置内にあるディスクドライブ装置の回転駆動軸により回転するハブとを備え、外形がディスクカートリッジとほぼ同じ形状をしており、
前記カード装着部に電子カードをセットして、電子データ処理装置に装着して電子データ処理装置の磁気ヘッドを前記磁気インターフェースと接触させるとともに、
前記ハブの回転を検出することで、電子カードと電子データ処理装置の間でデータの授受を行なうオンラインモードにて動作するように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
上記目的を達成するため第2の本発明は、
ディスクカートリッジと同じ位置に形成され、内側に磁気インターフェースを有するヘッド挿入口と、
カードインターフェースを有し、電子カードが装着できるカード装着部と、
電源部と、
前記磁気インターフェースとカードインターフェースの接続回路上に設けられた制御部と、
その制御部に接続された例えばLCDなどの表示部と、
電子データ処理装置内にあるディスクドライブ装置の回転駆動軸により回転するハブとを備え、外形がディスクカートリッジとほぼ同じ形状をしており、
前記ハブの回転の有無により、電子カードを電子データ処理アダプターにセットし、電子カードのデータの少なくとも一部を前記表示部に表示させるオフラインモードと、電子カードと電子データ処理装置の間でデータの授受を行なうオンラインモードの切り換えを行なうモード切り換え手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は前述のように電子データ処理アダプターに電子カードをセットすることにより、電子カードに記憶されている例えば預金残高などの少なくとも一部のデータが電子データ処理アダプターの表示部に表示できるから、電子カードの適合した専用のインターフェースを用いることなく、電子カードに記憶されているデータを簡単に確認することができる。
【0010】
また電子カードが電子データ処理アダプターを介して汎用のパーソナルコンピュータなどの電子データ処理装置に直接アクセスでき、電子カード専用のデータ書込み/読出し装置が不要である。そのため例えば、電子データ処理アダプターに電子カードをセットして電子カードに記憶されているデータ内容を表示部を見て確認した上で、電子データ処理装置にアクセスすることもできる。
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る電子データ処理システムの2つの使用態様を説明するための概略図である。この電子データ処理システムは図1に示すように、ICカード1と、形状ならびに大きさは汎用の3.5インチのフロッピー(登録商標)ディスクと同じで前記ICカード1が収納可能な外形寸法が約93mm(W)×90mm(L)×3mm(T)のディスクカートリッジ形ケース2と、例えばラップトップ形やノートブック形の汎用のパーソナルコンピュータおよび各種ワークステーションなどの電子データ処理装置3とから主に構成されている。
【0012】
図1(a)は、ICカード1をディスクカートリッジ形ケース2に収納し、それを電子データ処理装置3のディスクドライブ装置4に装着することにより、ディスクカートリッジ形ケース2を介してICカード1と電子データ処理装置3の間でデータの授受を行なうオンラインモードを概略的に示している。また図1(b)は、ICカード1をディスクカートリッジ形ケース2に収納して、両者の間でデータの授受を行なうオフラインモードを概略的に示している。
【0013】
次にこれらの具体的な構成ならびに使用態様例について説明する。図2ないし図9は本発明の第1の実施の形態を説明するための図で、図2はシャッタを装着する前のディスクカートリッジ形ケースの平面図、図3,図4は使用前のディスクカートリッジ形ケースの平面図ならびに底面図、図5はICカードをディスクカートリッジ形ケースに挿入する直前の状態を示す図で、ディスクカートリッジ形ケースは図3X−X線上の断面を示している。図6はICカードの平面図、図7はICカードとディスクカートリッジ形ケースと電子データ処理装置との間のデータの授受動作を説明するための図、図8はICカードとディスクカートリッジ形ケースの組み合わせで使用したときの状態を示す平面図、図9は動作説明をするための図である。
【0014】
ディスクカートリッジ形ケース2は汎用の3.5インチのフロッピー(登録商標)ディスクと同様に挿入方向前部の中央部分に長方形をしたヘッド挿入口5が設けられ、それを含むようにシャッタの移動範囲を規制する浅い凹部6が形成されている。
【0015】
この凹部6の下側にプリント配線基板(図示せず)が設置され、それに搭載されたフラット状の第1コイル7が前記ヘッド挿入口5から露呈するように配置されている。また、凹部6の図2に向かって右側端部付近には液晶表示素子(LCD)からなる表示部8が凹部6の底面から露呈するように配置されている。
【0016】
ディスクカートリッジ形ケース2の内部には電源9としての電池が交換可能に収容されている。なお、電源9としての例えばキャパシタ、ポリマーリチウム電池などの2次電池をディスクカートリッジ形ケース2の内部に格納しておき、電子データ処理アダプターの不使用時に充電器によってその2次電池を充電したり、あるいは後述のオンラインモード時にディスクドライブ装置の回転駆動力を利用してハブ22を回転して発電し、この電力により前記2次電池を充電したりすることもできる。このように電源9として2次電池を使用する場合、必ずしも電池を交換可能にする必要はない。
【0017】
また図1におけるオンラインモード(a)とオフラインモード(b)の両方において、この電池によりディスクカートリッジ形ケース2を動作してもよいし、オフラインモード(b)でのデータ表示のみ電池でディスクカートリッジ形ケース2を動作させ、オンラインモード(a)時の電源供給はディスクドライブ装置の回転駆動力を利用してハブ22の回転により発電された電力にて動作させる構成としてもよい。
【0018】
凹部6よりも挿入方向後部にICカード1とほぼ同じ大きさを有するカード収納空間10が形成されている。このカード収納空間10は図5に示すように、ディスクカートリッジ形ケース2の一方の側面にカード出入口11が設けられ、それと対向する内面がICカード1のストッパー壁12となっている。カード収納空間10に臨むように、所定本数の弾性を有するコンタクトピン13(図5参照)を備えた接触端子部14(図2参照)が設けられている。
【0019】
カード収納空間10と対向する位置には、ディスクカートリッジ形ケース2の上下方向に貫通したカード検出孔15が形成されている。本実施の形態では、3.5インチフロッピー(登録商標)ディスクのライトプロテクト孔と同じ位置にカード検出孔15が形成されている。前記カード出入口11の近傍には、ICカード1の抜き差しを簡便にするための切欠部16が設けられている。
【0020】
側面形状がコ字形をした合成樹脂製もしくは金属製のシャッタ17が、前記凹部6内にスライド可能に装着されている。シャッタ17はヘッド挿入口5とほぼ同じ大きさの開口部18を有し、開口部18の図面に向かって右側にヘッド挿入口5を覆う第1閉塞部19が、開口部18の図面に向かって左側に表示部8を覆う第2閉塞部20が、それぞれ設けられている。シャッタ17は内部に収納されたバネ部材(図示せず)により、ヘッド挿入口5ならびに表示部8を覆う方向に常に弾性付勢されている。
【0021】
図4に示すようにディスクカートリッジ形ケース2の下面のほぼ中央部にはスピンドル挿入口21が形成され、そこにキャップ状をしたハブ22が回転自在に配置されている。ハブ22は3.5インチのフロッピー(登録商標)ディスクと同様に中心部に菱形の位置決め孔23が、その近傍に長方形の駆動ピン挿入孔24が、また外周部にフランジ25がそれぞれ設けられている。フロッピー(登録商標)ディスクの場合にはフランジ25に磁気ディスクの内周部が接着されているが、本発明の場合には磁気ディスクは用いられておらず、ハブ22単体がスピンドル挿入口21に回転自在に配置されている。
【0022】
ICカード1は図6に示すようにCPUと不揮発性メモリからなるICチップ26を内蔵し、表面には複数に分割された電極27と、磁気ストライプ28と、挿入方向表示部29などを備えており、構成的には従来のものと同じである。
【0023】
ディスクカートリッジ形ケース2の構造的な特徴は前述の通りであるが、回路上は図7に示すような構成になっている。すなわち、ICカード1と接続される接触端子部14、ICカードI/F制御部30、ワークエリア、送受信バッファ、ステータスなどの機能を有する例えばBufler−RAM及びプログラム格納用ROMなどのメモリ31、中央制御部(CPU)32、クロック制御部33、電源制御部34、電源(電池)9、コイル信号変換部35、第1コイル7とアナログ信号処理部36からなるトランジューサ37、表示制御部43、表示部8などを備え、図に示すような接続関係になっている。
【0024】
前記中央制御部32は例えば、
▲1▼.ディスクドライブ装置4におけるヘッド信号との双方向通信制御、
▲2▼.前記ヘッド信号のフォーマット変換、
▲3▼.ICカード1との双方向通信制御、
▲4▼.ICカード1のコントロール処理、
▲5▼.データの書込み/読出しのステータス監視、
▲6▼.電源系の制御と監視、
などの機能を有している。
【0025】
次に本発明に係るシステムの動作について説明する。図1(a)に示すオンラインモードの場合、まず、図5に示すようにICカード1をディスクカートリッジ形ケース2のカード収納空間10に挿入し、ICカード1の先端部をストッパー壁12に当接することによりカード収納空間10内でICカード1が位置決めされ、接触端子部14と電極27とが適正に接触する。またICカード1の挿入によりディスクカートリッジ形ケース2のカード検出孔15,15が塞がれる(このカード検出孔15の閉塞状態を図8において斜線で示している)。まだこの状態のとき、ヘッド挿入口5(第1コイル7)ならびに表示部8はシャッタ17により覆われて、保護されている。
【0026】
ICカード1を収納したディスクカートリッジ形ケース2を電子データ処理装置3のディスクドライブ装置4に挿入すると、図8に示すようにディスクドライブ装置4内に設けられているシャッタ開閉ピン38によりシャッタ17が自動的に開かれ、装置内でヘッド挿入口5(第1コイル7)ならびに表示部8はシャッタ17が露出し、ディスクドライブ装置4内に設けられている磁気ヘッド39(図1ならびに図7参照)がヘッド挿入口5から挿入されて第1コイル7と接触する。この状態でICカード1と電子データ処理装置3は、ディスクカートリッジ形ケース2を介してデータ通信が可能になる。
【0027】
図9は、ICカード1,ディスクカートリッジ形ケース2,電子データ処理装置(PC)3間の信号授受ならびに動作を説明するための図である。
【0028】
まず、ステップ(以下、Sと略称)1でICカード1がディスクカートリッジ形ケース2内に挿入される。次にS2でそのディスクカートリッジ形ケース2が電子データ処理装置3(ディスクドライブ装置4)内に挿入することにより、シャッタ17が自動的に開く(S2)。ディスクカートリッジ形ケース2はシャッタ17の開き動作を検出して、ディスクカートリッジ形ケース2の電源を投入するとともに、ディスクカートリッジ形ケース2内に挿入されたICカード1に電源が供給される(S3)。シャッタ17の開き動作を検出する方法として、例えばディスクカートリッジ形ケース2内のシャッタ開閉領域の近傍またはシャッタ17を弾性付勢しているバネ部材の変位領域の近傍に、マイクロスイッチや磁気センサなどのセンサを配置して、そのセンサでシャッタ17の開き動作を検出する方法がある。
【0029】
次いでS4でICカード1からディスクカートリッジ形ケース2へ初期応答(ATR)がなされ、その応答内容が接触端子部14、ICカードI/F制御部30、中央制御部32を介してメモリ31(図7参照)の所定アドレスに記憶される。
【0030】
なお、ICカード1へ電源供給を行なう前に、ディスクドライブ装置4内にあるライトプロテクト検出用光学センサ又は機械的機構によりディスクカートリッジ形ケース2内のICカード1の有無を検出し、ICカード1の挿入を確認した後、電源をICカード1へ供給するか、又はディスクドライブ装置4内のライトプロテクト検出用センサ又は機械的機構により、ディスクカートリッジ形ケース2内のICカード1の有無を検出せずに、電源供給に対するICカード1からディスクカートリッジ形ケース2への初期応答(ATR)の有無により、ICカード1の検出を行なってもよい。
【0031】
次にS5でハブ22が回転しているか否かの判定がディスクカートリッジ形ケース2の中央制御部32でなされ、ハブ22が回転しているとオンラインモード、ハブ22が回転していないとオフラインモードと判断される。ディスクカートリッジ形ケース2が電子データ処理装置3内に挿入され、ハブ22の回転が検出されると、オンラインモードであると判断されるため、S6で電子データ処理装置(PC)3からディスクカートリッジ形ケース2に対してデータリード信号が出力され、ディスクカートリッジ形ケース2に記憶されている前記初期応答(ATR)がディスクカートリッジ形ケース2から電子データ処理装置(PC)3へ送信される(S7)。
【0032】
そしてS8で電子データ処理装置(PC)3からディスクカートリッジ形ケース2に対して読出しコマンドが出力され、ディスクカートリッジ形ケース2ではそのコマンドを受けた後にS9でICカード1に対して読出しコマンドを出力する。このコマンドに対応してS10でICカード1からディスクカートリッジ形ケース2に読出しデータが出力され、それがそのまま電子データ処理装置(PC)3へ取り込まれ(S11)、その読出しデータに基づいて電子データ処理装置(PC)3内で所望のデータ処理がなされる。オンラインモードの場合はこのようにディスクカートリッジ形ケース2を介して、ICカード1に記憶されているデータが電子データ処理装置(PC)3に読み出されたり、あるいは電子データ処理装置(PC)3のキーボード入力に基づいてデータがICカード1に書き込まれる。
【0033】
次にオフラインモード時のICカード1とディスクカートリッジ形ケース2との間の信号の授受ならびに動作を説明する。図8において、シャッタ開閉ピン38を除いて状態がオフラインモードの使用状態である。前記S1からS4までのステップはオンラインモードと同様であり、前記S5でハブ22が回転していないと判定された場合は電子データ処理装置(PC)3を使用しないオフラインモードであるとみなされ、S12でディスクカートリッジ形ケース2からICカード1に対して読出しコマンドが出力され、このコマンドに対応してS13でICカード1からディスクカートリッジ形ケース2に読出しデータが出力され、そのデータがディスクカートリッジ形ケース2の表示部8に表示され、ICカード1に記憶されているデータ(例えば電子マネーシステムにおける預金の残高など)を見ることができる。
【0034】
なお、このオフラインモードの場合はディスクカートリッジ形ケース2を電子データ処理装置(PC)3に装着しないため、シャッタ17を手動で開き、このシャッタ17の開き動作を検出してディスクカートリッジ形ケース2の電源投入及び表示部8を点灯し、シャッタ17の閉じ動作を検出して表示部8を消灯するように構成されている。
【0035】
図10ないし図12は本発明の第2の実施の形態を示す図であり、図10はディスクカートリッジ形ケース2の平面図、図11はICカード1をディスクカートリッジ形ケース2に挿入する直前の状態を示す図で、ディスクカートリッジ形ケース2は図10Y−Y線上の断面を示している。図12は、この実施の形態で使用するICカードの平面図である。
【0036】
この実施の形態で前記第1の実施の形態と相違する主な点は、ICカード1とディスクカートリッジ形ケース2の接続の構成である。すなわち本実施の形態においてICカード1に平面状の第2コイル40が設けられ、ディスクカートリッジ形ケース2にはこの第2コイル40と対応するように平面状の第3コイル41が設置されている。そしてICカード1をディスクカートリッジ形ケース2に挿入した際に前記第2コイル40と第3コイル41が接近状態(非接触または接触状態)で対向し、電磁結合により信号の伝送が行なわれる構成になっている。
【0037】
この実施の形態では第2コイル40、第3コイル41が表面に露出しているが、第2コイル40、第3コイル41の表面に薄い保護膜を設けることも可能である。
【0038】
図13は、本発明の第3の実施の形態を示すディスクカートリッジ形ケース2の平面図である。この実施の形態で前記第1の実施の形態と相違する主な点は、ディスクカートリッジ形ケース2の表面に表示用スイッチ42を設けた点である。この実施の形態の場合、シャッタ17を手動で開き、表示用スイッチ42をオンすることにより表示部8の表示がなされる構成になっている。
【0039】
オフラインでの使用を簡便にするため、シャッタ17の開成状態を保持するためのロック手段をディスクカートリッジ形ケース2に設けることもできる。
【0040】
またディスクカートリッジ形ケース2に、テンキーなどの操作スイッチを付設することも可能である。
【0041】
さらにシャッタ17にコイル7に対するクリーニング機構を設け、シャッタ17の開閉動作にともなってコイル7の表面を常にクリーンな状態にすることで、ディスクドライブ装置4の磁気ヘッド39とのコンタクトを良好な状態に保つことができる。
【0042】
図17は、本発明の第4の実施の形態を示す電子データ処理システムの動作説明図である。前記図9に示す処理フローでは、S5でハブの回転がないと判断された場合にオフラインモードと判定し、S12ならびにS13を経てS14でデータ表示を行なった。この第4の実施の形態では、S4で初期応答(ATR)があるとオフラインモード、オンラインモードに関係なくまずS15でATR内のデータを表示し、次のS5でハブの回転の有無を判断して、ハブの回転が無い場合はオフラインモードと判定して、S15に戻りデータ表示を継続する。ハブの回転が有るとオンラインモードと判定し、S16で表示データを消去してS6に進むシステムになっている。
【0043】
【発明の効果】
請求項1記載の第1の発明は前述のように、ハブの回転を検出することで自動的にオンラインモードになり、電子データ処理アダプターを介して電子カードと電子データ処理装置の間でデータの授受が行なわれ、使い勝手のよい電子データ処理アダプターを提供することができる。
【0044】
請求項2記載の第2の発明は前述のように、ハブの回転の有無により、オフラインモードまたはオンラインモードに自動的に切り換えられる。そしてオフラインモードの場合は、電子カードに記憶されているデータ(例えば電子マネーシステムにおける預金の残高など)を見ることができる。一方、オンラインモードの場合は、電子データ処理アダプターを介して電子カードと電子データ処理装置の間でデータの授受が行なわれる。以上のことから、使い勝手のよい電子データ処理アダプターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子データ処理システムの2つの使用態様を説明するための概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシャッタを装着する前のディスクカートリッジ形ケースの平面図である。
【図3】使用前のディスクカートリッジ形ケースの平面図である。
【図4】使用前のディスクカートリッジ形ケースの底面図である。
【図5】ICカードをディスクカートリッジ形ケースに挿入する直前の状態を示す図である。
【図6】ICカードの平面図である。
【図7】ICカードとディスクカートリッジ形ケースと電子データ処理装置との間のデータの授受動作を説明するための図である。
【図8】ICカードとディスクカートリッジ形ケースの組み合わせで使用したときの状態を示す平面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る電子データ処理システムの動作説明をするための図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るディスクカートリッジ形ケースの平面図である。
【図11】ICカードをディスクカートリッジ形ケースに挿入する直前の状態を示す図である。
【図12】この実施の形態で使用するICカードの平面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係るディスクカートリッジ形ケースの平面図である。
【図14】従来提案されたディスクカートリッジ形ケースの平面図である。
【図15】そのディスクカートリッジ形ケースの断面図である。
【図16】そのディスクカートリッジ形ケースに収納するカードの平面図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係る電子データ処理システムの動作説明をするための図である。
【符号の説明】
1:ICカード、2:ディスクカートリッジ形ケース、3:電子データ処理装置、4:ディスクドライブ装置、5:ヘッド挿入口、7:第1コイル、8:表示部、9:電源、10:カード収納空間、11:カード出入口、13:コンタクトピン、14:接触端子部、15:カード検出孔、17:シャッタ、18:開口部、19:第1閉塞部、20:第2閉塞部、21:スピンドル挿入口、22:ハブ、26:ICチップ、27:電極、30:ICカードI/F制御部、31:メモリ、32:中央制御部、33:周波数制御部、34:電源制御部、35:コイル信号変換部、36:アナログ信号処理部、37:トランジューサ、39:磁気ヘッド、40:第2コイル、41:第3コイル、42:表示用スイッチ
Claims (2)
- ディスクカートリッジと同じ位置に形成され、内側に磁気インターフェースを有するヘッド挿入口と、
カードインターフェースを有し、電子カードが装着できるカード装着部と、
電源部と、
前記磁気インターフェースとカードインターフェースの接続回路上に設けられた制御部と、
電子データ処理装置内にあるディスクドライブ装置の回転駆動軸により回転するハブとを備え、外形がディスクカートリッジとほぼ同じ形状をしており、
前記カード装着部に電子カードをセットして、電子データ処理装置に装着して電子データ処理装置の磁気ヘッドを前記磁気インターフェースと接触させるとともに、
前記ハブの回転を検出することで、電子カードと電子データ処理装置の間でデータの授受を行なうオンラインモードにて動作するように構成されていることを特徴とする電子データ処理アダプター。 - ディスクカートリッジと同じ位置に形成され、内側に磁気インターフェースを有するヘッド挿入口と、
カードインターフェースを有し、電子カードが装着できるカード装着部と、
電源部と、
前記磁気インターフェースとカードインターフェースの接続回路上に設けられた制御部と、
その制御部に接続された表示部と、
電子データ処理装置内にあるディスクドライブ装置の回転駆動軸により回転するハブとを備え、外形がディスクカートリッジとほぼ同じ形状をしており、
前記ハブの回転の有無により、電子カードを電子データ処理アダプターにセットし、電子カードのデータの少なくとも一部を前記表示部に表示させるオフラインモードと、電子カードと電子データ処理装置の間でデータの授受を行なうオンラインモードの切り換えを行なうモード切り換え手段とを備えたことを特徴とする電子データ処理アダプター。
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