JP3643279B2 - 自動切手払出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、行方向ミシン目および列方向ミシン目を有する切手シートから指定枚数分の切手を切断して搬送方向の外部へ払出可能な自動切手払出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動切手払出装置は、図9に示すような切手シート1から指定枚数分の切手を切断して払出すものであり、例えば特開平11−277496号に開示されたものが知られている。この装置は図10に示すように切手シート1を行方向ミシン目3と直交する搬送(X)方向に搬送可能かつ切断位置に配設された列方向ミシン目2および行方向ミシン目3を切断可能な行方向カッターおよび列方向カッターを用いて切手シート1の先端側から指定(例えば、外部入力)された枚数分の切手4を切断して搬送方向の外部へ払出可能に形成したものである。この装置によれば、切手の販売事務の能率を向上させることができる。なお、ここでいう切手には、文言通りの切手の他、収入印紙、特許印紙も含まれる。
【0003】
具体的には、自動切手払出装置は、複数(例えば、4つ)の切手払出ユニット21を上下方向に積重ねた構成とされている。図10において、各切手払出ユニット21は、複数枚の切手シート1を収容可能な切手収容カセット22(給送ローラ22R)と,供給された切手シート1をX方向に搬送可能かつ切断位置40に停止可能な搬送手段23と、切断位置に配設された行方向ミシン目3を切断可能な行方向カッター及び列方向ミシン目2を切断可能な列方向カッターを有する切断手段30と,切手シート1から切断された指定枚数の切手4を払出口21Wから払出す払出手段27(払出ローラ27U,27D)とから形成されている。70は、ユニット制御部である。また、図示しないが各切手払出ユニット21の最下段には、切手販売代金を収容可能な自動開放型のドロワが配設されている。
【0004】
搬送手段23(搬送ローラ23U,23D)は、切手収容カセット22から取出された切手シート1をX方向に自動搬送し、その先端側が切断テーブル40に到達したところで、停止させる。検出手段24(発光器24D,受光器24U)が、行方向ミシン目3を検出したことに基づく。
【0005】
この切断テーブル40は、図11に示す如く、搬送停止された切手シート1の行方向ミシン目3に対向可能なV字形状の1本の行方向溝41と,この行方向溝41に直交する各列方向ミシン目2に対向可能なV字形状でかつ列方向ミシン目2の本数と同本数の列方向溝(図示省略)とを有する溝付きテーブルで、切手シート1の切断位置を形成する。
【0006】
切断手段30は、図10に示すガイドバー32に沿って紙面垂直方向(図11でY方向)に往復移動可能なキャリア31に装着された円盤形状(例えば、ソロバン玉形状)で双方向回転切断方式の図12に示す行方向カッター41Cと(下端)に凹凸(ギザギザ)が設けられかつ薄板部材からなる上下(昇降)動切断方式の列方向カッター42Cとを装着してなる。
【0007】
上記行方向カッター41Cは、キャリア31に図12の軸36を中心に回転自在に装着されている。また、列方向カッター42Cは、常態では内蔵されたスプリングによって上昇位置にあり、この上昇位置では列方向カッター42Cの下端部(凹凸部)が、行方向カッター41Cの下端部よりも上の位置にある。
【0008】
かくして、行方向カッター41Cによる行方向ミシン目3の切断中に、列方向カッター42Cの下端部を切手シート1に対して非接触状態に保てる。つまり、列方向ミシン目2の切断時に例えばシリンダを駆動して下降位置に切替える。
【0009】
ここで、円盤形状部材からなる行方向カッター41Cを行(Y)方向にキャリア31とともに移動させつつ行方向ミシン目3を切断しかつその後にナイフ形状の列方向カッター42Cを列方向ミシン目2に押圧しつつ切断することにより、所定枚数の切手4を切断しかつ切断された切手をX方向に払出可能である。したがって、行方向カッター41Cの行方向ミシン目3に沿った移動速度と列方向ミシン目2に列方向カッター42Cの下降速度を早くすればするほど、切手の切断高速化を図れると理解できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、列方向ミシン目2の切断の場合は、切断位置40に停止された切手4に列方向カッター42Cを下降させるので問題はない。しかし、行方向ミシン目3の切断の場合は、行方向カッター41Cを行方向ミシン目3に沿って図12(A)に示すY方向に移動させつつ行う方式であるから、図12(B)に示す如く行方向カッター41Cが左側のホームポジションから移動して来て切手4に当接した瞬間から切手4の腹を当該移動(Y)方向に押し付けつつ当該切手シート1を全体的に移動方向に引きずってしまう。
【0011】
すなわち、切手シート1は切断テーブル40の上面40Uから浮上がって(または、沈み込んで)しまうので、いわゆるジャムが発生する。つまり、円滑な切断ができない事態が発生する。行方向カッター41CのY方向への移動速度を高速化すればするほど、また行方向カッター41CとX方向における行方向ミシン目3との位置ずれが大きいほど、顕著に表れる。
【0012】
そこで、本発明は、切手シートのジャム発生を防止しつつ切手を迅速かつ円滑に切断して払出することができる自動切手払出装置を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の本発明は、連続的な行方向ミシン目および連続的な列方向ミシン目を有する切手シートを行方向ミシン目と直交する搬送方向に搬送可能かつその先端側を切断位置に停止可能に形成するとともに、切断位置に配設された各ミシン目を切断可能な行方向カッターおよび列方向カッターを用いて切手シートの先端側から指定枚数分の切手を切断可能かつ切断された切手を搬送方向の外部へ払出可能に形成し、行方向カッターを、行方向に移動可能なキャリアにそのキャリアの移動方向に対して垂直な軸を中心として回転自在に設けた円盤形状部材から形成するとともにその回転方向は常に切手シートを押し下げながら切断可能な回転方向となるようにキャリアの移動方向と同方向に回転し、切断位置において行方向カッターを回転しながら切断を開始し、キャリアを移動させながら行方向ミシン目を当該移動方向に切断可能に構成し、キャリッジ内に設けたソレノイドと、垂直な軸を下端に植設したリンクをキャリア側の支軸を中心に回動させるリンク機構とを有し、垂直な軸を中心として回転自在に設けた円盤形状部材から形成された行方向カッターの昇降をソレノイドを駆動させリンク機構のリンクを回動させることにより行うことを特徴とする自動切手払出装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図9を参照して説明する。なお、本自動切手払出装置の断面図については、図10に示すものと同様であるので、この図10についても参照する。
【0016】
図1において、切手シート1は、搬送手段23を形成する左右の上方側搬送ローラ23UL,23UR(下方側搬送ローラは図示省略)でX方向に搬送されかつその先端側が切断位置(切断テーブル40)に到達した場合に停止される。
【0017】
切断手段30の一部を形成するキャリア31は、ガイドバー32に摺動可能に装着され、往復移動手段37(モータ38,スプロケット39)によってY方向に往復移動される。このキャリア31には、図2に示す行方向カッター41Cおよび列方向カッター42Cが昇降可能に装着されている。払出手段27を形成する左右の上方側払出ローラ27UL,27UR(下方側払出ローラは図示省略)は、切断された切手4を搬送方向の払出口21Wへ払出する。
【0018】
すなわち、切手収容カセット22(図10参照)に収容された枚数分の切手4を自動切断して払出口21Wから外部へ自動払出しすることができる。なお、切手には、上記の通り、収入印紙及び特許印紙が含まれ、これらについても本発明は適応される。
【0019】
次に、切断テーブル40は、図2に示すように、搬送停止された切手シート1の行方向ミシン目3に対向可能なV字形状の1本の行方向溝41と,各列方向ミシン目2に対向可能なV字形状でかつ列方向ミシン目2の本数と同本数の列方向溝42を有する溝付きテーブルで、切手シート1の切断位置を形成する。4OUは上面である。
【0020】
V字形状としたのは、各ミシン目2,3の円滑で正確かつ確実な切断および機械的位置調整を容易化するため、また当該各カッター41C,42Cとの協働によって搬送された切手シート1のスキュー(斜行)を補正可能とするためである。
【0021】
切断手段30は、キャリア31に図2に示す円盤形状部材(この実施形態では、ソロバン玉形状)で双方向回転切断方式の行方向カッター41Cと、下端部に凹凸部(ギザギザ)が設けられ、かつ薄板部材からなる上下(昇降)動切断方式の列方向カッター42Cとを挿着してなる。
【0022】
行方向カッター41Cは、図3に示す軸36を中心に回転自在に装着され、軸36の軸線方向に変位可能である。行方向カッター41Cの行方向溝41への馴染み性および切手シート1のスキュー補正効果の向上を図る。
【0023】
また、行方向カッター41Cにはギア36aが取付けられている。このギア36aは、中間ギア36b及び軸34を中心に取付けられたギア36cを介して、回転駆動手段を構成するカッター回転用モータ36dの軸に取付けられたモータギア36eに接続している。これにより、モータギア36eの回転が各ギア36c,36bを介して36aに伝達し、行方向カッター41Cが回転する。カッター回転用モータ36dの回転方向により、行方向カッター41Cの回転方向が決まる。ここで、説明の都合上、カッター回転用モータ36dの図示矢印方向を順方向とする。なお、ギアを用いずに、ベルトによってカッター回転用モータ36dの回転力を行方向カッター41Cに伝達するようにしてもよい。
【0024】
また、図3のリンク35の下端に植設された軸36に装着された行方向カッター41Cは、昇降手段を形成するソレノイド33を駆動(ロッド33Rを左側に引き込む。)させかつリンク35をキャリア31側の支軸34を中心に回動させることにより、下降させることができる。図3は、行方向カッター41Cが上昇位置にある状態を示す。
【0025】
列方向カッター42Cは、行方向ミシン目3の伸びる方向(図2で左右方向)に撓み変形可能である。列方向カッター42Cの列方向溝42内への馴染み性およびスキュー補正効果の向上を図る。また、この列方向カッター42Cは、図示省略した2位置型のシリンダ(上下動手段)により図2のZ方向に昇降(上下動)可能である。常態では内蔵されたスプリングによって上昇位置にあり、この上昇位置では、列方向カッター42Cの下端(凹凸部)が、行方向カッター41Cの下端部よりも上の位置にある。
【0026】
こうして、行方向カッター41Cによる行方向ミシン目3の切断中に、列方向カッター42Cの下端部を切手シート1に対して非接触状態に保つことができる。つまり、列方向ミシン目2の切断時にシリンダを駆動して下降位置に切替える。
【0027】
図4において、ユニット制御部70は、切手払出ユニット21を駆動制御可能である。また、ユニット制御部70はデータ通信回線59を介して情報管理手段としてのパーソナルコンピュータ(パソコン)50に接続され、他のユニット制御部70とはデータ通信回線79を介してデージーチェーン方式で接続されている。切手払出ユニット21の積重ね数を簡単に増大可能とするためである。
【0028】
各ユニット制御部70は、データ通信回線59(および、データ通信回線79)を介してパソコン(情報管理手段)50から送信される切手払出指令信号のうち、自己宛のユニットIDを含むもののみをキャッチ(取込み)することができる。
【0029】
上記ユニット制御部70は、CPU71、ROM72、RAM73、各ドライバ(DRV)および入出力ポート(I/O)を含み、パソコン50から送信されて来た切手払出指令信号に基づき、指定枚数の切手4を搬送・切断・払出しさせるように、当該切手払出ユニット21(23,30,27等)を駆動制御する。センサには、検出手段24(24U,24D…は図10参照)が含まれる。すなわち、各切手払出ユニット21が自己宛の切手払出指令信号を受信した場合に、指定(外部入力)された枚数の切手4を自動払出可能に形成されている。
【0030】
上記パソコン50は、CPU、ROM、RAM、HDD(ハードディスク装置)、各インターフェイス(I/F)及び各ドライバを含み、切手販売情報入力手段(例えばキーボード)を用いて入力された切手販売情報を管理するための情報管理手段を形成する。
【0031】
また、プリンタ51は、管理ファイルに記憶された切手販売情報等を利用して集計・作成された各種データをレポートや帳票で印刷出力することができる。表示器52は、それらを表示する。
【0032】
ここにおいて、パソコン50から払出要求つまり切手払出指定信号(切手販売情報)を受信(ST10でYES)したユニット制御部70は搬送手段23を働かせて切手収容カセット22から取出された切手シート1をX方向に搬送(ST11)させ、検出手段24(図10参照)が行方向ミシン目3を検出したことを利用して、その先端側が切断位置(切断テーブル40)に到達(ST12のYES)したところで、停止させる(ST13)。
【0033】
次いで、切断手段30を、当該切手販売情報(切手払出指令信号)に基づく指定枚数の切手4を自動切断させる(ST14〜ST22)。
【0034】
詳しくは、行方向カッター41C(および、列方向カッター42C)を上昇位置に保持させた状態(図6(A)参照)で、往復移動手段37を働かせてキャリア31を行方向溝41に沿って図2のY方向に移動(ST14)させつつ、行方向カッター42Cを切断すべき切手シート1の行方向ミシン目3の所定位置に位置決めする。つまり、行方向カッター42Cが切断開始位置に到達(ST15のYES)したところで、キャリア31を停止させる(ST16)。
【0035】
そして、図3のカッター回転用モータ36dを駆動して行方向カッター41Cの回転を開始させる(ST17)。このときの回転方向は、これからキャリア31を移動させる方向に基づく。例えば、図3の実線矢印方向にキャリア31を移動させる場合には、順方向(実線矢印回転方向)に回転させ、上記実線矢印方向と反対方向にキャリア31を移動させる場合は、逆方向(実線矢印回転方向と逆方向)に回転させる。つまり、行方向カッター41Cは、切手シート1を押下げる方向に回転するので、切断が容易になり、切手シート1の浮上がり等も防止できる。
【0036】
次いで、ST18にて図3のソレノイド33を駆動して行方向カッター41Cを下降させる(図6(B)参照)。この際の切手シート1に対する行方向カッター41CのY方向における相対位置つまり切断開始位置は、行方向カッター41Cを下降させた場合に、行方向カッター41Cのキャリア31側の軸36を中心としたY方向の下流側半径分内のいずれかの部位が、当該行方向ミシン目3に当接可能な位置とされている。すなわち、キャリア31が切断開始位置に停止されたところで(または、切断開始位置に移動(到達)した時点で)、行方向カッター41Cを下降させる(ST18)と、行方向カッター41Cの軸36を中心とした移動(Y)方向の下流側半径分内のいずれかの部位を当該行方向ミシン目3に当接させることができるから、行方向カッター41Cの下降力を利用して行方向ミシン目3を切断することができ、しかも行方向カッター41Cは既に回転しているので、スムースに切断を開始させることができ、図6(B)で切手シート1の左端側に未切断個所を発生させない。
【0037】
そして、行方向カッター41Cを回転させた状態で下降させた後に、キャリア31をY方向に再び移動(ST19)させれば、当該キャリア31の移動力を利用して、切断対象切手シート1についての行方向ミシン目3をキャリア31の移動方向の上流側から下流側に切断できる。つまり、行方向カッター41Cを切手シート1を行方向溝41に押込む方向に回転させつつ、切手シート1に接触させて切断を開始し、さらにキャリア31をY方向に移動させて行方向ミシン目3を切断する。
【0038】
切断後(ST20のYES)に、ソレノイド33を逆動作させて、当該行方向カッター41Cを図6に示すように上昇位置に上昇(ST21)させ、行方向カッター41Cの回転を停止させる(ST22)。つまり、行方向カッター41Cを行方向溝41から上方に持上げ、回転も停止させる。
【0039】
この上昇(ST21)と同時的にあるいは必要によってキャリア31を行方向ミシン目3の方向に微動させつつ列方向カッター42Cと切断対象の列方向ミシン目2との位置調整をした後に、列方向カッター42Cを下降させる(ST23)。すなわち、列方向カッター42Cを列方向溝42に当該列方向ミシン目2を押込みつつ、列方向ミシン目2を切断する。列方向ミシン目2を切断しかつ切断後(ST24のYES)にシリンダ(図示省略)を上昇位置に切替えて、列方向カッター42Cを列方向溝42から持ち上げて上昇位置に戻す(ST25)。
【0040】
こうして、行方向ミシン目3および列方向ミシン目2で切断された指定枚数の切手4は、払出手段27によって払出口21Wへ向けて払出しされる(ST26)。つまり、切手4の後端部がワンウエイクラッチを有する図1の上方側払出ローラ27UL,27UR(下流側払出ローラは図示省略)で係止された状態で、払出しされる。その先端部を係員が引張ることにより、当該切手4を払出口21Wから外部に取出せる。
【0041】
この際、ドロワが自動開放される。したがって、切手販売代金の授受および金銭の保管管理が確実である。なお、払出後に、切手払出完了信号をデータ通信回線59を介してパソコン50側へ出力することもできる。
【0042】
このような構成の本実施の形態の自動切手払出装置によれば、切手シート1を行方向ミシン目3と直交するX方向に搬送可能かつその先端側を切断位置40に停止可能に形成し、切断位置40に配設された各ミシン目5、2を切断可能な行方向カッター41Cおよび列方向カッター42Cを用いて切手シート1の先端側から指定枚数分の切手を切断可能かつ切断後切手をX方向の外部へ払出可能に形成し、さらに行方向に移動可能なキャリア31にその移動方向に対して垂直な軸36を中心として回転自在に設けた円盤形状部材から形成し、切断位置において行方向カッター41Cを回転しながら切断を開始し、キャリア31を移動させながら行方向ミシン目3を当該移動方向に切断可能に構成したので、行方向ミシン目3の切断開始位置において、行方向カッター41Cの回転によって確実に切断し、キャリア31の移動によりさらに円滑に切断していくことができる。これにより、切手シート1の浮上り等が生じないので、ジャム発生を防止できる。したがって、切手シート1のジャム発生を防止しつつ切手シートを迅速かつ円滑に切断することができるとともに、これにより所定枚数の切断後切手を正確に払出することができる。
【0043】
また、行方向カッター41Cの回転方向は、キャリア31の移動方向に応じて、常に切手シート1を押下げながら切断可能な回転方向にしたので、切手シート1の浮上り等の防止効果をより一層高めることができる。
【0044】
また、行方向カッター41Cの昇降手段が、ソレノイド33を駆動(ロッド33Rを左側に引き込む。)させかつリンク35をキャリア31側の支軸34を中心に回動させることにより、下降させることができるリンク機構から形成されているので、昇降動作を迅速に行えかつ昇降運動を行方向ミシン目3の切断に有効利用できる。
【0045】
さらに、搬送手段23を形成する左右の上方側搬送ローラ23UL,23UR(下方側搬送ローラは図示省略)および払出手段27を形成する左右の上方側払出ローラ27UL,27UR(下方側払出ローラは図示省略)が行方向溝41をX方向に挟みかつY方向に長く形成されているので、行方向ミシン目3および列方向ミシン目2の切断を安定して行える。
【0046】
なお、本実施の形態においては、行方向カッター41Cを下降させる前に、行方向カッター41Cを回転させているが、これに限られることはなく、切手シート1に接触する前に、行方向カッター41Cを回転させるようにすればよい。例えば、行方向カッター41Cを下降しながら、同時期に行方向カッター41Cを回転させてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、切手シートを行方向ミシン目と直交する搬送方向に搬送可能かつその先端側を切断位置に停止可能に形成し、行方向カッターおよび列方向カッターを用いて切手シートの先端側から各ミシン目を切断しつつ指定枚数分の切手を搬送方向の外部へ払出可能に形成し、さらに行方向カッターを、行方向に移動可能なキャリアにその移動方向に対して垂直な軸を中心として回転自在に設けた円盤形状部材から形成し、切断位置において行方向カッターを回転しながら切断を開始し、キャリアを移動させながら行方向ミシン目を当該移動方向に切断可能に構成した自動切手払出装置であるから、行方向ミシン目の切断開始位置において、行方向カッターの回転によって確実に切断し、キャリアの移動によりさらに円滑に切断していくことができる。これにより、切手シートの浮上り等が生じないので、ジャム発生を防止できる。したがって、切手シート1のジャム発生を防止しつつ切手シートを迅速かつ円滑に切断することができるとともに、これにより所定枚数の切断後切手を正確に払出することができる。
【0048】
また、他の本発明によれば、行方向カッターの回転方向は、キャリアの移動方向に応じて、常に切手シートを押下げながら切断可能な回転方向にしたので、切手シートの浮上り等の防止効果をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す切断手段を中心とした外観斜視図である。
【図2】本実施形態において切断テーブルの構成を示す外観斜視図である。
【図3】本実施形態において行方向カッターの構成を説明するための図である。
【図4】本実施形態においてユニット制御部等の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態において切手シート搬送動作・行方向ミシン目切断動作・列行方向ミシン目切断動作・払出動作等を説明するためのフロチャートである。
【図6】本実施形態において切断開始位置と行方向カッターの下降動作を説明するための図である。
【図7】本実施形態において行方向ミシン目の切断動作を説明するための図である。
【図8】本実施形態において行方向カッターの上昇動作を説明するための図である。
【図9】切手シートを説明するための図である。
【図10】従来の自動切手払出装置を説明するための図である。
【図11】従来の自動切手払出装置における行方向ミシン目の切断動作を説明するための図である。
【図12】従来の自動切手払出装置における行方向ミシン目切断動作の際の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1…切手シート
2…列方向ミシン目
3…行方向ミシン目
4…切手
21…切手払出ユニット
22…切手収容カセット
23…搬送手段
30…切断手段
31…キャリア
36…軸
40…切断テーブル(切断位置)
41…行方向溝
41C…行方向カッター
42…列方向溝
42C…列方向カッター
27…払出手段
50…パーソナルコンピュータ
70…ユニット制御部
X…切手シートの搬送方向
Y…キャリアの往復移動方向

Claims (1)

  1. 連続的な行方向ミシン目および連続的な列方向ミシン目を有する切手シートを行方向ミシン目と直交する搬送方向に搬送可能かつその先端側を切断位置に停止可能に形成するとともに、切断位置に配設された各ミシン目を切断可能な行方向カッターおよび列方向カッターを用いて切手シートの先端側から指定枚数分の切手を切断可能かつ切断された切手を搬送方向の外部へ払出可能に形成し、
    前記行方向カッターを、行方向に移動可能なキャリアにそのキャリアの移動方向に対して垂直な軸を中心として回転自在に設けた円盤形状部材から形成するとともにその回転方向は常に切手シートを押し下げながら切断可能な回転方向となるように前記キャリアの移動方向と同方向に回転し、切断位置において前記行方向カッターを回転しながら切断を開始し、前記キャリアを移動させながら行方向ミシン目を当該移動方向に切断可能に構成し、
    前記キャリッジ内に設けたソレノイドと、前記垂直な軸を下端に植設したリンクをキャリア側の支軸を中心に回動させるリンク機構とを有し、前記垂直な軸を中心として回転自在に設けた円盤形状部材から形成された前記行方向カッターの昇降を前記ソレノイドを駆動させ前記リンク機構の前記リンクを回動させることにより行うことを特徴とする自動切手払出装置。
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