JP3643269B2 - 防音材の製造方法 - Google Patents

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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は防音材の製造方法に関し、更に詳しくは、主として軽量材質のチップ状固形物からなる原材料と熱可塑性の繊維状バインダとの混合物である処理材の、成形型内への吹き込み充填と、加熱プレスによる防音材成形とを行う防音材の製造方法に関する。
【0002】
本発明は、原材料の面からは、例えば車両の廃材よりなる非金属性シュレッダーダストを原材料としてリサイクルする防音材、又、用途の面からは、例えばダッシュサイレンサーやフロアサイレンサー等の車両用途に用いる防音材、等に特に好ましく適用される。
【0003】
【従来の技術】
嵩密度が低く、防音,防振性能の優れた自動車用ダッシュサイレンサー,フロアサイレンサー等の防音材を製造するための有力な技術の一つとして、軽量材質のチップ状固形物からなる原材料を、これに混合された熱可塑性の繊維状バインダを用いて互いに結着させつつ、防音材形状に成形する方式がある。
【0004】
この場合特に、上記軽量材質のチップ状固形物として、例えば車両の廃材より抽出された非金属性シュレッダーダストを有効に利用する場合には、経済的であると共に材料リサイクルの観点からも有意義である。
【0005】
例えば、特開平8−112584号公報には、廃自動車のシュレッダーダストに由来するウレタン,プラスチック,ゴム等の軽量材質のチップ状固形物を、繋ぎ材としての繊維状熱可塑性樹脂と混合し、この混合物を加熱,固化して所定形状の固形体とする複合材料二次加工体の製造方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような防音材の製造方法においては、防音材の成形に際して熱可塑性の繊維状バインダを溶融させるための型加熱が必要であり、成形品を型から取り出すに際しては成形品の冷却固化が必要である。
【0007】
そして従来、このような加熱/冷却の手段が必ずしも充分効率的に構成されていないため、加熱/冷却の繰り返しにタイム・ロスを生じがちであり、ひいては成形サイクル・タイムが長くなって、防音材の生産性を悪くしていた。
【0008】
そこで本発明は、軽量材質のチップ状固形物や繊維状バインダの混合物からなる処理材を成形型内へ吹き込み充填し、更に加熱プレスにより防音材形状に成形する防音材の製造方法において、上記のような加熱/冷却を効率的に行うことにより防音材の生産性を向上させることを、解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の発明)の構成は、主として軽量材質のチップ状固形物からなる原材料と熱可塑性の繊維状バインダとの混合物である処理材を、成形型内へ吹き込み充填し、更に加熱プレスにより防音材形状に成形する防音材の製造方法において、前記加熱プレス工程で処理材及び成形型に対して行われる加熱と、次いで行われる成形品取り出しのための冷却とを、成形型の上下型成形面に開口した通気孔にそれぞれ熱気又は冷気を一方向へ通気させることによって行う、防音材の製造方法である。
【0010】
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、前記第1発明における加熱のための熱気の通気と、冷却のための冷気の通気とを、互いに逆向きの一方向へ行う、防音材の製造方法である。
【0011】
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、前記第1発明又は第2発明に係る成形型が、以下(1)〜(3)のいずれかである、防音材の製造方法である。
(1)処理材の吹き込み充填と、加熱プレスによる防音材形状の成形とを行う充填成形型。
(2)処理材の吹き込み充填と、成形体に対する一応の一体性付与を目的とする軽度の加熱プレスとを行うプリフォーム成形型。
(3)プリフォーム成形型において形成されたプリフォーム成形に対して加熱プレスによる防音材形状の成形を行う本成形型。
【0012】
【発明の作用・効果】
(第1発明の作用・効果)
第1発明においては、加熱のための熱気の通気と冷却のための冷気の通気とを、プレス成形型の上下型成形面に開口した通気孔を用いて、熱気又は冷気を一方向へ通気させて行うので、熱気又は冷気が処理材の内部を透過して熱交換することとなり、迅速に加熱又は冷却される。
【0013】
又、熱気や冷気が、略薄板状に充填された処理材の内部を、その厚み方向へ透過することとなるので、処理材加熱/冷却の熱効率が一層良好である。更に成形型の上下型も、通気孔を通過する熱気又は冷気により、内部から効率的に加熱/冷却される。
【0014】
以上の点から、通気孔に通気される熱気又は冷気の切替えにより、防音材の成形に際しての熱可塑性繊維状バインダを溶融させるための加熱と、成形品を型から取り出すための冷却とを迅速に繰り返すことが可能となり、ひいては成形サイクル・タイムを短縮して、防音材の生産性を向上させることができる。
【0015】
(第2発明の作用・効果)
第2発明においては、熱気の通気方向と冷気の通気方向とを互いに逆向きとする(例えば、上型の通気孔から下型の通気孔へ熱気を通気させた場合は、冷気は下型の通気孔から上型の通気孔へ通気させる)ので、熱気は冷却時において相対的に温度が高かった方の型の通気孔から、冷気は加熱時において相対的に温度の低かった方の型の通気孔から、それぞれ通気されることとなる。
【0016】
従って、熱気,冷気ともに、吹き出し側の型の通気孔における無駄な熱交換が可及的に回避され、より迅速で効率的な加熱・冷却が可能となる。
【0017】
(第3発明の作用・効果)
以上の第1発明及び第2発明の加熱/冷却方式は、成形型が前記した充填成形型、プリフォーム成形型、本成形型のいずれのタイプの成形型であっても適用可能であり、それぞれに前記作用・効果を好ましく発現させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に第1発明〜第3発明の実施の形態について説明する。以下において、単に「本発明」と言うときは、第1発明〜第3発明を一括して指している。
【0019】
(原材料)
本発明に係る防音材の原材料は主として軽量材質のチップ状固形物からなる。その代表的な実施形態の一つが、車両の廃材よりなるシュレッダーダストから金属,ガラス片,ワイヤハーネス等を除外した非金属性シュレッダーダストである。特に好ましい原材料として、車両廃材から抽出したウレタン,繊維を主とする良質のシュレッダーダストを挙げることができる。
【0020】
軽量材質のチップ状固形物としては、ウレタンフォーム等のプラスチックフォームの断片が過半量を占め、その他繊維とで主体をなす。この繊維とは、車両のシート表皮等を構成していた織物の断片や繊維屑等が混入したものである。原材料中には、防音材の製造工程及び製品の品質を阻害しない限度において、金属,ガラス等の微小な断片が若干混入することも許される。
【0021】
更に、後述するように本発明に係る防音材のトリム端材や不良品を解繊・粉砕したものを原材料として再使用することもできるし、車両廃材に由来する非金属性シュレッダーダスト以外の、他の産業分野に由来する廃材を本発明の原材料としてリサイクルしても良く、場合によってはプラスチック,ゴム,木材等の新材を用いてチップ状固形物を調製し、これを原材料としても良い。
【0022】
(熱可塑性の繊維状バインダ)
熱可塑性の繊維状バインダとしては、通常は、繊維状の熱可塑性樹脂が用いられる。樹脂以外の熱可塑性材料、例えば熱可塑性ゴム等からなる繊維状バインダも用いることができる。又、防音材の加熱成形時に溶融する低融点の鞘部と、防音材の加熱成形時に溶融しない高融点の芯部とからなる芯鞘構造の繊維状バインダは、特に好ましく利用できる。
【0023】
繊維状バインダにおける繊維の形態及び繊維長は限定されない。繊維状バインダが結着すべきチップ状固形物のサイズとの関係においては、混合性の向上及びそれに伴う防音特性の均一性と言う理由から、繊維長とチップの平均粒子径が同程度の寸法であることが、より好ましい。チップ状固形物からなる原材料Xに対する繊維状バインダYの使用量は限定されないが、重量比で例えばX:Y=8:2〜9:1程度とすることができる。
【0024】
(チップ状固形物と繊維状バインダとの混合)
チップ状固形物と繊維状バインダとを混合して処理材とする工程は、公知の任意の混合装置を利用して行うことができる。
【0025】
しかし、特に好ましい方法は、圧縮状態に拘束されたチップ状固形物と繊維状バインダとの粗混合物もしくは積層体を、例えば周面に針状突起を有する回転シリンダーのような掻取り用突起部材により少量ずつ掻取ると言う解繊混合処理によって混合する方法である。とりわけ、チップ状固形物を上下層とし繊維状バインダを中間層とする積層体の状態で、圧縮状態に拘束して少量ずつ掻取る方法が好ましい。これらの方法による場合は、チップ状固形物と、強制的に細かく解繊された繊維状バインダとが、極めて細かくかつ均一に分散して混合するため、後の加熱プレス工程においてチップ状固形物がより均一かつ良好に結着される。
【0026】
上記のように混合された処理材は、次に述べるように、まずプリフォーム成形型において本成形の前処理としてのプリフォーム成形を受け、次いで本成形型へ搬入されて加熱プレス下に目的とする防音材の形状に本成形される。
【0027】
(成形型)
上記のように混合された処理材は成形型へ吹き込み充填されるが、その成形型の構成形態としては、処理材の吹き込み充填と加熱プレスによる防音材形状の成形とを共に行う充填成形型が単独に用いられる場合と、処理材の吹き込み充填を行うプリフォーム成形型及びそれにより形成されたプリフォーム成形体に対してライン下流側で加熱プレスによる防音材形状の成形を行う本成形型を組合わせて用いる場合とがある。
【0028】
プリフォーム成形型と本成形型を組合わせて用いる構成形態の場合、プリフォーム成形型では防音材形状の成形を行う必要がないために、その成形面を単なる平坦形状に設定することができるので、処理材の均一な密度での吹き込み充填を迅速に行うことができる、と言う利点がある。
【0029】
処理材は前記充填成形型あるいはプリフォーム成形型へ吹き込み充填される。その際、混合された処理材を直ちにこれらの成形型に吹き込み充填しても良いし、一旦ホッパー等に集積してから、必要量を吹き込み充填に供するようにしても良い。ホッパー等の供給口には処理材の供給量を調節可能な供給口開度調節機構を設けても良い。
【0030】
充填成形型、プリフォーム成形型及び本成形型はいずれも、上型と下型からなり、プレス操作と型開きとが可能な成形型である。そして、プリフォーム成形型は、その上下型の成形面が単なる平坦面又は厚肉部や薄肉部を設定するための比較的緩徐な凹部や凸部を伴う実質的な平坦面とされているが、充填成形型と本成形型とは、その上下型の成形面が防音材形状に対応した所定の複雑形状とされている。
【0031】
一方、処理材の吹き込み充填が行われる充填成形型及びプリフォーム成形型は、一般的には、実施例において例示するように、特定部分(通常は、上型の中央部)にエアの吹き込み口を設け、型の側面周囲は型開きスペースを覆うようにメッシュ板で取り囲んだ構成となっており、処理材を型内に止めると共に吹き込みエアをメッシュ板より逃がすようになっている。
【0032】
処理材の加熱プレスと冷却したプレス品の取り出しとを行うための加熱冷却機能は、充填成形型と本成形型において必須であり、プリフォーム成形型においては必須ではない。しかしプリフォーム成形型においても、プリフォーム成形体に本成形型への移行時の一体性を与えるために、少なくとも軽度の加熱プレスを行い得る加熱冷却機能を備えさせることが好ましい。
【0033】
処理材の充填成形型又はプリフォーム成形型への吹き込み充填は、例えばブロアー等の送風機で発生させた圧送気体に処理材を乗せて吹き込む方法による。前記したように、プリフォーム成形型への吹き込みの方が、その上下成形面が平坦であるため、処理材を型のエア抜き部近傍部分より吹き込み口近傍部分に向かって順次迅速かつ均一に充填できる。
【0034】
なお、処理材の充填の進行に伴って吹き込み抵抗が漸次増大するが、その際、処理材が吹き込み抵抗の増大に基づく圧縮変形により、充填圧のキャビティー端部への伝達を遮断し、結果的にキャビティーの中央部へ向かう程処理材の充填密度が高まると言う不具合を招く懸念がある。これに対しては、成形型への吹き込み風量を、吹き込み抵抗の増大に対応して低減させるように制御することが有効である。
【0035】
かかる吹き込み風量の低減の制御には、各種の方法が可能であるが、(1)吹き込み抵抗の増大を適宜なセンサで経時的に検知し、検知した値に基づいて吹き込み風量の調節手段をフィードバック制御する方法、又は、(2)同一条件の実施形態における経時的な吹き込み抵抗の増大値と、これに対応すべき吹き込み風量の低減値との標準的なデータを予め取得しておき、このデータに基づいて前記調節手段を見込み制御する方法、が特に好ましい。
【0036】
プリフォーム成形型と本成形型とを組合わせて用いる場合、本成形型はプリフォーム成形型に対してライン下流側に設置され、両者の間にはプリフォーム成形体の移行手段が設けられる。かかる移行手段の種類は任意であって、例えば駆動式のベルトコンベア,ローラーコンベア等であっても良いが、移行時のプリフォーム成形体の形状をより良好に維持するためには、プリフォーム成形体の先端側部分を把持して本成形体内へ引き込む牽引式クランプのような手段が、より好ましい。駆動式コンベアと牽引式クランプを併用しても良い。そしてプリフォーム成形体は一応の一体性を付与されているため、このような移行操作に対して形状を維持して追従できる。
【0037】
(成形型の加熱冷却機能)
充填成形型、プリフォーム成形及び本成形型に設けられる加熱冷却機構は、成形サイクル時間の短縮のために、次のように構成される。
【0038】
即ち、成形対象物である処理材が、吹き込み充填されたチップ状固形物と繊維状バインダからなる気体透過の容易な材料であり、かつ全体として略薄板状に充填されていることから、加熱用の熱気又は冷却用の冷気を略薄板状に充填された処理材に対してその厚み方向へ透過させる方式とする。
【0039】
より具体的には、成形型の上下型に多数の通気孔を貫通させて、それら通気孔の一端を成形面に開口させると共に、他端は上下の成形型にそれぞれ付設した加熱冷却箱A,Bに連通させ、型の加熱時には熱気を、型の冷却時には冷気を、それぞれ一方の加熱冷却箱A/Bから他方の加熱冷却箱B/Aへ一方向に通気させる。この方式により、充填された処理材及び成形型の上下型を迅速に加熱又は冷却させることができる。
【0040】
更に好ましくは、加熱時の熱気の通気方向と、冷却時の冷気の通気方向とを逆方向に設定する。即ち、型の加熱時には加熱冷却箱Aから型通気孔を経由して加熱冷却箱Bに熱気を送り、型の冷却時には逆に加熱冷却箱Bから型通気孔を経由して加熱冷却箱Aに冷気を送を送る。この方法により、熱気又は冷気が吹き出し側の型の通気孔通過時において型との熱交換を可及的に低減されるので、その温度をなるべく維持したまま処理材に到達でき、より迅速に加熱・冷却することが可能となる。
【0041】
(成形ラインの構成)
これらの成形型のライン構成としては、一基の処理材吹き込み装置に対して一の基成形ライン(充填成形型、又は、プリフォーム成形型+本成形型)を配置しても良いが、一基の処理材吹き込み装置に対して複数の成形ラインを分岐型に配置して、一基の成形ラインにおける処理材の充填が行われている間に、他の成形ラインでは既に充填された処理材の成形を行う、と言う生産効率の良いシステムとすることもできる。
【0042】
(その他の工程)
上記の成形を経た防音材は、次いで端材を切除するトリム工程で仕上げられる。トリム工程は、プリフォーム,本成形工程と一連に配することもできる。この工程で生じるトリム端材(あるいは、たまたま生じた成形不良品)は、これをまず解繊し、ついでシュレッダー処理することにより、本発明におけるチップ状固形物の原材料として、良好に再生できる。
【0043】
【実施例】
以下において、工程のフローの一例を概念化して示す図1に基づいて、本発明の一実施例を説明する。この実施例は、前記プリフォーム成形型と本成形型とを組合わせて用いる形態であるが、前記充填成形型を単独に用いる形態においても、成形型に関する実質的な相違点を除き、同様の実施例を構成可能である。
【0044】
図1に示す3基の原料供給サイト1,2,3は、積層体を構成して搬送するためのベルトコンベア4の搬送面上に、その搬送方向の上流側から下流側に向かって順次位置しており、いずれも搬送ベルト1a,2a,3aと、針状突起を有する対の回転シリンダ1b,2b,3bと、ホッパ1c,2c,3cとを備えている。
【0045】
そして上流側の原料供給サイト1と下流側の原料供給サイト3には、平均粒径が5mm程度の非金属性シュレッダーダスト(プラスチックフォーム材、非フォームプラスチック材、ゴム材の断片等からなる)の集合体5が供給され、中間の原料供給サイト4には、平均繊維長10mmの芯鞘構造のポリエステル短繊維からなる未解繊状態の繊維状バインダの集合体6が供給される。
【0046】
本実施例において、非金属性シュレッダーダストの集合体5(X)の合計供給量と、繊維状バインダの集合体6(Y)の供給量との比率は、重量比でX:Y=9:1程度としている。
【0047】
これらの集合体5,6は、それぞれ前記搬送ベルト1a,2a,3aによって回転シリンダ1b,2b,3bに送られ、そこでシュレッダーダストの集合体5はほぐされ(個別のチップ状固形物に分解され)、又、未解繊状態の集合体6は粗解繊されて、それぞれ前記ホッパ1c,2c,3cに供給され、ベルトコンベア4の搬送面上に順次堆積され、3層の積層体7を構成する。
【0048】
次に、積層体7は、ベルトコンベア4により同期回転(いわゆる連れ回り)する対の回転ローラ8,8間に送られる。対の回転ローラ8,8間のクリアランスは積層体7の堆積厚さよりかなり小さく設定されているため、回転ローラ8,8間を通過する際の積層体7は圧縮状態で拘束されている。
【0049】
そして回転ローラ8,8による送り出し方向のすぐ先には、ほとんど隙間なく隣接する状態で、周面に多数の針状突起を有する回転シリンダ9が設置されて、図の矢印方向へ回転している。このため、積層体7は、回転ローラ8,8間を通過した直後、未だその拘束を解除されていない状態において、回転シリンダ9の針状突起により順次少量ずつ掻取られて行く。従って、中間層の繊維状バインダが少量ずつ強制的に千切られて細かく解繊された状態で掻取られると同時にその上下層のチップ状固形物も少量ずつ掻取られるため、個々のチップ状固形物に対して解繊された繊維状バインダがまとわり着き、掻取られて下方に集積される解繊混合処理材10においてはチップ状固形物と解繊された繊維状バインダが極めて細かくかつ均一に分散して混合している。
【0050】
解繊混合処理材10は、集積槽11に仮集積され、次いで、例えば吹き込み風量の大小や集積槽11に設けた開閉弁等の適宜な供給量制御手段(図示省略)等によりコントロールされて、必要量ずつが成形装置へ送られ、充填工程及び成形工程に供される。
【0051】
成形装置は、前記集積槽11に接続されたブロア12、これに続くメインダクト13、メインダクト13から切替弁14を介して分岐した2本の分岐ダクト15,16、分岐ダクト15,16の各末端に設けた2基の成形サイト17,18(成形サイト18は成形サイト17と同一の構成であるため、図示及び詳しい説明を省略する)、及び前記切替弁14に対してダクトを以て接続された冷熱風送出機19からなる。
【0052】
成形サイト17において、平坦な成形面を備えたプリフォーム成形型20と、実際の防音材の形状に対応した成形面を備えた本成形型21とが、プリフォーム成形体24の適宜な移行手段(前記参照)を介して、ライン方向に沿って順次設けられている。
【0053】
これらのプリフォーム成形型20と本成形型21はそれぞれ、型開き可能でかつプレス成形作動のできる上型と下型からなっている。そして、図2に示すように、プリフォーム成形型20においては、上記分岐ダクト15,16が連通された上型22aに図示省略の吹き込み口が設けられ、更に上型22aと下型22bの側面周囲は、型開きスペースを覆う金属メッシュ板23で取り囲まれて、解繊混合処理材10を型内に止めると共にエアを逃がすようになっている。上型22aと下型22bの成形面もメッシュ板で構成しても良い。
【0054】
次に、図3に示すように、本成形型21は、その上型21aと下型21bにそれぞれ、成形面21dに開口した多数の通気孔21cを備えている。これらの通気孔21cは、上型21aと下型21bにそれぞれ付設した加熱冷却箱A,Bに連通されている。図示はしないが、前記プリフォーム成形型20も、これと同様の構成加熱冷却機能を備えている。
【0055】
そして加熱プレスのための加熱時には、加熱冷却箱Aから通気孔21cを経由して、かつ成形対象である解繊混合処理材中を厚み方向に透過して、加熱冷却箱Bに熱気を送り、成形体取り出しのための冷却時には、加熱冷却箱Bから逆の経路で加熱冷却箱Aに冷気を送る、と言う方法により、処理材及び/又は型を迅速にしかも良好な熱効率のもとに加熱・冷却するようになっている。
【0056】
なお、プリフォーム成形型20における加熱プレスは比較的軽度に、即ち繊維状バインダの若干の熱溶融によりチップ状固形物が互いに軽度に結着され、プリフォーム成形体24に対して、型間移動の操作に耐える程度の一応の一体性が与えられる程度に行われる。一方、本成形型20においては、充分なプレス圧と加熱とを以て、本成形体25の成形が行われる。
【0057】
次に、上記プリフォーム成形型20の適部には、解繊混合処理材の吹き込み充填の進行に伴う吹き込み抵抗の増大をセンシングする図示省略の吹き込み抵抗センサーが設けられ、これで検知された吹き込み抵抗値がブロア12にフィードバックされて、ブロア12からの吹き込み風量を、吹き込み抵抗の増大に対応して漸次低減させるようになっている。
【0058】
このため、結果的に吹き込み抵抗が一定のレベルに保たれ、吹き込み抵抗が漸次増大してもプリフォーム成形型20への解繊混合処理材の充填密度の均一性が確保される。
【0059】
なお、解繊混合処理材はブロア12の作用により気体圧送されて、切替弁14を介して2基の成形サイト17,18のいずれかへ吹き込まれる。従って、例えば成形サイト17においてプリフォーム成形及び本成形が行われている時に、他方の成形サイト18においてプリフォーム成形型22への解繊混合処理材の吹き込みを行うことが可能になる。
【0060】
こうして切替弁14を有効に利用しつつ、複数の成形型においてプロセスのフェーズが異なる同時進行状態で搬送/充填工程及び加熱・冷却を伴う成形工程を繰り返すことにより、成形型の遊び時間を低減させ、成形サイクルを向上させることができる。
【0061】
プリフォーム成形体24は、本成形型21において、上記プリフォーム成形型における場合と同様に、熱気・冷気の交互でかつ逆方向への一方向通気と言う加熱・冷却機構のもとに必要な加熱圧縮を受けて、実際の防音材の形状に対応した成形・固化を受け、本成形体25として図示省略のトリム型にてトリミングされ、防音材26とトリム端材27とに分かれる。なお、本成形型21におけるプレス成形の際に同時にトリミングを行うことも可能であり、これによって製造効率が一層向上する。
【0062】
上記トリム端材27は、再生サイト28に投入して、針状突起を有する対の回転シリンダ29によりチップ状固形物を結着している繊維状バインダを解繊し、次いで簡略図示するシュレッダー30に投入して、例えば5mm程度の平均粒径のチップ状固形物に復元することにより、良好なチップ状固形物原材料として再使用できる。但し、トリム端材27を再生サイト28で解繊処理せずにシュレッダーに投入しても、良好なチップ状固形物原材料とはならない。
【0063】
又、上記製造工程で生じえる防音材の不良品も、トリム端材27と同様の上記の処理により、良好なチップ状固形物原材料として再使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の工程のフローを示す図である。
【図2】実施例の吹き込み成形型の構成を示す図である。
【図3】実施例の本成形型の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1,2,3 原料供給サイト
4 ベルトコンベア
5,6 集合体
7 積層体
10 解繊混合処理材
17,18 成形サイト
20 プリフォーム成形型
21 本成形型
21a,22a 上型
21b,22b 下型
21c 通気孔
A,B 加熱冷却箱
24 プリフォーム成形体
25 本成形体
27 トリム端材
28 再生サイト

Claims (3)

  1. 主として軽量材質のチップ状固形物からなる原材料と熱可塑性の繊維状バインダとの混合物である処理材を、成形型内へ吹き込み充填し、更に加熱プレスにより防音材形状に成形する防音材の製造方法において、
    前記加熱プレス工程で処理材及び成形型に対して行われる加熱と、次いで行われる成形品取り出しのための冷却とを、成形型の上下型成形面に開口した通気孔にそれぞれ熱気又は冷気を一方向へ通気させることによって行うことを特徴とする防音材の製造方法。
  2. 前記加熱のための熱気の通気と、前記冷却のための冷気の通気とを、互いに逆向きの一方向へ行うことを特徴とする請求項1に記載の防音材の製造方法。
  3. 前記成形型が、以下(1)〜(3)のいずれかであることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の防音材の製造方法。
    (1)前記処理材の吹き込み充填と、前記加熱プレスによる防音材形状の成形とを行う充填成形型。
    (2)前記処理材の吹き込み充填と、成形体に対する一応の一体性付与を目的とする軽度の加熱プレスとを行うプリフォーム成形型。
    (3)プリフォーム成形型において形成されたプリフォーム成形に対して前記加熱プレスによる防音材形状の成形を行う本成形型。
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