JP3641973B2 - マッチドダイ成形方法及びマッチドダイ成形装置 - Google Patents

マッチドダイ成形方法及びマッチドダイ成形装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融樹脂シートより板状製品を成形するマッチドダイ成形方法及びこれに使用するマッチドダイ成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなマッチドダイ成形装置としては、例えば図3〜図6に示すようなものがある。これは、第1成形面2が上側に形成された下型1と、この下型1に対し接近離隔可能に設けられて第2成形面21が下側に形成された上型20と、樹脂供給装置からの溶融樹脂シート30mを供給する供給ダイス35よりなるものである。
【0003】
下型1の成形面2には大きな凹部2aが形成され、上型20の第2成形面21には凹部2aと対応する凸部21aが形成され、両型1,20が最も接近した位置(図5及び図6参照)では、両成形面2,21の間の隙間はほゞ一定となっている。下型1内に形成された中間室6には、第1成形面2に開口する多数の細い吸引孔7(例えば孔径が0.3mmでピッチが30mm程度)と下面に開口する下側ポート8が連通され、また上型20内に形成された上側中間室26には、第2成形面21に開口する多数の細い上側吸引孔27と、上面に開口する上側ポート28が連通されている。この中間室6、吸引孔7及び下側ポート8が下側通路5を形成し、上側中間室26,上側吸引孔27及び上側ポート28が上側通路25を形成している。成形される板状製品30の意匠面(使用状態で表面側となる面)は、上型20の第2成形面21により形成される。
【0004】
供給ダイス35は、図3において紙面と直交方向に伸びる細長い形状で、下型1の上方に張り出して移動し、基材31となる溶融樹脂と表皮32となる溶融樹脂をそれぞれ供給する2本の供給管36,37を備えている。基材31及び表皮32の材料は、何れもポリオレフィン系の合成樹脂(例えばポリプロピレン)である。
【0005】
このような従来技術のマッチドダイ成形装置により板状製品30を形成する場合の説明をする。各供給管36,37から供給ダイス35に供給された溶融状態の各合成樹脂材料は、互いに接合されて一体的に重ね合わされた基材溶融樹脂層31m及び表皮溶融樹脂層32mよりなる所定幅の塑性に富んだ溶融樹脂シート30m(その厚さは、最接近状態における両成形面2,21の間の隙間より小さい)となって、供給ダイス35の下側の細長いスリット状の押出し口から押し出される。この溶融樹脂シート30mを押し出しながら供給ダイス35を、図3において右向きの水平方向に移動することにより、溶融樹脂シート30mは基材溶融樹脂層31m側を下にして、下型1の第1成形面2全体を覆うように供給される。溶融樹脂シート30mは溶融状態であって塑性に富んでいるので、図3の実線及び二点鎖線に示すように、全体としては第1成形面2に沿った形となるが、中央の大きな凹部2a及び両側の凹角部では第1成形面2から浮き上がった状態となる。
【0006】
この供給後、真空源(図示省略)からの負圧を下側ポート8を介して下型1の下側通路5に与えることにより、溶融樹脂シート30mは、図4の実線に示すように全面が下型1の第1成形面2に吸引密着される。次いで、供給ダイス35を下型1の上方から側方に完全に退避させてから、図5に示すように、上型20を最接近位置まで下降させる。この状態では、上型20の外周の突出部22が下型1の外周部の上面に当接して溶融樹脂シート30mの外周の不要部分は切断され、溶融樹脂シート30mの上側の表皮溶融樹脂層32mと上型20の第2成形面21の間には多少の隙間がある。
【0007】
次いで、真空源からの負圧を上側ポート28を介して上型20の上側通路25に与えて溶融樹脂シート30mと第2成形面21の間に負圧を作用させ、これと同時に下側通路5に対する負圧の付与を停止して下側ポート8を大気に連通することにより、図6に示すように、溶融樹脂シート30mは上型20側に吸引され、表皮溶融樹脂層32mは第2成形面21に密着される。そして自然放冷または強制冷却により溶融樹脂シート30mの温度を低下させて硬化させ、基材31と表皮32よりなる板状製品30となったところで、上側通路25に対する負圧の付与を停止し、上側ポート28を大気に連通してから、上型20を上昇させて板状製品30を取り出す。
【0008】
上述のように、溶融樹脂シート30mを第2成形面21に吸引密着させる(図6)のは意匠面となる表皮溶融樹脂層32mの表面を所定の形状に賦形するためであり、またそれに先立ち溶融樹脂シート30mを下型1の第1成形面2に吸引密着させるのは、前述のように第1成形面2から浮き上がった溶融樹脂シート30mの部分(図1参照)に下降中の上型20の下部が局部的に当たることにより溶融樹脂シート30m(特に意匠面側である表皮溶融樹脂層32m)の肉厚を不揃いにして成形された板状製品30の品質が低下するのを防止するためである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
溶融樹脂シート30mと第2成形面21の間に作用する負圧により、溶融樹脂シート30mが第1成形面2に密着された状態(図5)から第2成形面21に密着される状態(図6)に移る際には、溶融樹脂シート30mは強く屈曲された部分よりも平坦な部分の方が板厚方向に移動しやすい。従って溶融樹脂シート30mは、曲率の小さい平坦な部分が先に第1成形面2側から第2成形面21側に移動して密着され、曲率の大きい屈曲部30a,30b,30c,30dは、両側に連なる曲率の小さい部分が密着された後に、第1成形面2側から第2成形面21側に移動して密着される。これにより第1成形面2の凹部2aの開口側となる溶融樹脂シート30mの凸屈曲部30c,30dは表面に沿った方向に肉不足を生じ、第2成形面21に密着される際に表面に沿った方向に引き伸ばされるので、多少薄肉となる傾向を生じるが特に問題となるほどのことはない。しかしながら、凹部2aの底部側となる溶融樹脂シート30mの側部に形成される凹屈曲部30a,30bは表面に沿った方向に肉余りを生じ、第2成形面21に密着される際に表面に沿った方向に押し縮められるので、図6に示すように溶融樹脂シート30mにはこの凹屈曲部30a,30bの裏側となる部分にしわが寄せられて凸凹を生じる。このためこの付近に取り付ける部品は板状製品30の裏面から浮き上がって取付精度及び取付強度が低下し、あるいはこの凸凹に対応して板状製品30の表面につやむらや引けを生じて外観が低下するという問題を生じる。本発明はこのような問題を解決することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によるマッチドダイ成形方法は、凹部を有する第1成形面が上側に形成された下型と、この下型に対し接近離隔可能に設けられ最接近位置では第1成形面との間の隙間がほゞ一定となる第2成形面が下側に形成された上型を用いてなるマッチドダイ成形方法において、上記隙間より小さい厚さの溶融樹脂シートを第1成形面を覆うように供給し、この溶融樹脂シートを先ず第1成形面のほゞ全面に密着させ、両型を最接近位置としてから凹部の底部付近となる溶融樹脂シートを第2成形面に密着させ、次いで凹部の底部付近以外となる溶融樹脂シートを第2成形面に密着させることを特徴とするものである。上型の第2成形面に対する溶融樹脂シートの密着は、先ず凹部の底部付近となる溶融樹脂シートがその側部に形成される凹屈曲部と共に第2成形面に密着され、次いで溶融樹脂シートのそれ以外の部分が第2成形面に密着される。このように凹屈曲部は、その両側に連なる曲率の小さい部分のうち凹部の底部と反対となる側が第2成形面に密着される前に第2成形面に密着されるので、溶融樹脂シートの凹屈曲部が表面に沿った方向に押し縮められることはない。
【0011】
前項の発明は、下型内には、凹部の底部付近となる第1成形面に開口する複数の細い第1連通孔を有する第1通路と、凹部の底部付近以外となる第1成形面に開口する複数の細い第2連通孔を有し第1通路とは連通しない第2通路を形成し、上型内には第2成形面に開口する多数の細い上側吸引孔を有する上側通路を形成し、第1成形面のほゞ全面に対する溶融樹脂シートの密着は第1通路と第2通路に負圧を与えることにより行い、第2成形面に対する凹部の底部及びそれより多少外側となる溶融樹脂シートの密着は第1通路に正圧を与えることにより行い、上記以外となる溶融樹脂シートの密着は上側通路に負圧を与えることにより行うことが好ましい。
【0012】
前項の発明における第2成形面に対する凹部の底部付近以外となる溶融樹脂シートの密着は、上側通路に負圧を与えることに代えてまたはこれと共に第2通路に正圧を与えることにより行ってもよい。
【0013】
また本発明によるマッチドダイ成形装置は、凹部を有する第1成形面が上側に形成された下型と、この下型に対し接近離隔可能に設けられ最接近状態では第1成形面との間の隙間がほゞ一定となる第2成形面が下側に形成された上型よりなるマッチドダイ成形装置において、下型内に形成されて凹部の底部付近となる第1成形面に開口する複数の細い第1連通孔を有する第1通路と、下型内に形成されて凹部の底部付近以外となる第1成形面に開口する複数の細い第2連通孔を有し第1通路とは連通しない第2通路と、上型内に形成されて第2成形面に開口する多数の細い上側吸引孔を有する上側通路を備えたことを特徴とするものである。第1通路と第2通路に負圧を与えることにより先ず溶融樹脂シートは第1成形面のほゞ全面に密着され、第1通路に正圧を与えることにより凹部の底部及びそれより多少外側となる溶融樹脂シートは第1成形面から第2成形面に密着され、上側通路に負圧を与えることにより上記以外となる溶融樹脂シートも第1成形面から第2成形面に密着される。第2成形面に対する上記以外となる溶融樹脂シートの密着は、上側通路に負圧を与えることに代えてまたはこれと共に第2通路に正圧を与えることにより行ってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1及び図2により、本発明によるマッチドダイ成形方法及びこれに使用するマッチドダイ成形装置の実施の形態を説明をする。この実施の形態により製造される板状製品30は剛性のある基材31の外表面を薄い柔軟な表皮32により覆ったものであり、その厚さはほゞ一定である。
【0015】
先ずこの実施の形態によるマッチドダイ成形装置の説明をする。このマッチドダイ成形装置は下部の固定側型支持部材(図示省略)に取り付けられる下型10と、上部の可動側型支持部材(図示省略)に取り付けられる上型20を備えている。上型20及び供給ダイス35は、図3〜図6で説明した従来技術と実質的に同じであり、下型10は、その内部に形成される通路が従来技術と異なっているだけである。樹脂供給装置からの溶融樹脂シート30mを供給する供給ダイス35は、図3〜図6で説明した従来技術と実質的に同じである。
【0016】
下型10の上側となる第1成形面11には、上述した従来技術と同様な大きな凹部11aが形成され、下型10内には、平面視において凹部11aとほゞ対応する範囲に第1中間室16Aが形成され、またそれ以外の範囲には第2中間室16Bが形成されている。第1中間室16Aには、凹部11aの底部となる第1成形面11に開口する多数の細い第1通路15Aと、下型10の底面に開口する第1ポート18Aが連通され、この第1中間室16A、第1連通孔17A及び第1ポート18Aが第1通路15Aを形成している。また第2中間室16Bには、凹部11aの底部以外となる第1成形面11に開口する多数の細い第2通路15Bと、下型10の底面に開口する第2ポート18Bが連通され、この第2中間室16B、第2連通孔17B及び第2ポート18Bは、第1通路15Aとは連通されない第2通路15Bを形成している。各ポート18A,18Bには、それぞれ、真空ポンプと真空タンクと開閉弁からなる真空源、及び圧縮ポンプと圧縮タンクと開閉弁からなる圧縮空気源(何れも図示省略)が接続されている。
【0017】
下型10に対し上側から接近離隔可能に設けられた上型20の下面となる第2成形面21には、下型10の凹部11aと対応する凸部21aが形成され、両型10,20が最も接近した位置(図1及び図2参照)では、両成形面11,21の間の隙間はほゞ一定となっている。上型20内に形成された上側中間室26には、第2成形面21に開口する多数の上側吸引孔27と、上型20の上面に開口する上側ポート28が連通され、この上側中間室26、上側吸引孔27及び上側ポート28が上側通路25を形成している。上側ポート28には、真空ポンプと真空タンクと開閉弁からなる真空源(図示省略)が接続されている。上型20の第2成形面21には、板状製品30の意匠面である表皮32に転写するためのしぼ模様が形成されている。
【0018】
次にこの実施の形態によるマッチドダイ成形方法の説明をする。この実施の形態でも、上述した従来技術と同様、供給ダイス35から押し出された基材溶融樹脂層31mと表皮溶融樹脂層32mよりなる溶融樹脂シート30mは、基材溶融樹脂層31m側を下にして、下型10の第1成形面11全体を覆うように供給され、下型10の第1成形面11に全面が吸引密着されるが、この吸引密着が下型10に形成した第1通路15A及び第2通路15Bの両方に真空源からの負圧を与えることにより行われる点を除き、図3及び図4により説明した従来技術の場合と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0019】
第1成形面11への溶融樹脂シート30mの吸引密着後、供給ダイス35を下型10の上方から側方に完全に退避させてから、図1に示すように、上型20を最接近位置まで下降させる。この状態でも上述した従来技術と同様、上型20の外周の突出部22が下型10の第1成形面11外周部の上面に当接して溶融樹脂シート30mの外周の不要部分は切断され、溶融樹脂シート30mの上側の表皮溶融樹脂層32mと上型20の第2成形面21の間には多少の隙間がある。上側通路25内の上側通路25の上側ポート28は大気に連通されている。
【0020】
次いで、圧縮空気源からの正圧を第1ポート18Aを介して下型10の第1通路15Aに与える。これにより溶融樹脂シート30mは、先ず凹部11aの底部となる曲率が小さい部分が第2成形面21の凸部21aに押圧密着されてから、すぐにその両側の曲率が大きい凹屈曲部30a,30bが第2成形面21の凸部21aに押圧密着され、続いてそれより外側の曲率が小さい部分まで第2成形面21に密着されるが、これにより生じた溶融樹脂シート30mと第1成形面11の間の隙間が第2通路15Bの第2連通孔17Bの一部に達すれば(図1参照)、この隙間内の正圧が第2通路15B側に漏れて正圧が低下するので、この隙間の範囲はそれ以上拡大しなくなる。
【0021】
これに続いて、真空源からの負圧を上側ポート28を介して上型20の上側通路25に与えて溶融樹脂シート30mと第2成形面21の間に残った隙間に負圧を作用させ、これと同時に第2通路15Bに対する負圧の付与を停止して第2ポート18Bを大気に連通することにより、溶融樹脂シート30mはそれまで第1成形面11側に密着されていた部分も第2成形面21に吸引密着される。これにより溶融樹脂シート30mは、図2に示すように全面的に上型20側に吸引され、表皮溶融樹脂層32mは第2成形面21に密着されて、第2成形面21のしぼ模様が表皮溶融樹脂層32mの表面に転写される。そして自然放冷または強制冷却により溶融樹脂シート30mの温度を低下させて硬化させ、基材31と表皮32よりなる板状製品30となったところで、上側通路25に対する負圧の付与を停止し、上側ポート28を大気に連通してから、上型20を上昇させて板状製品30を取り出す。引き続いて供給ダイス35を再び下型10の上に移動させ、前述と同様に溶融樹脂シート30mを押し出して次の板状製品30の成形を開始する。
【0022】
上述した実施の形態によれば、溶融樹脂シート30mは、先ず凹部11aの底部となる曲率が小さい部分が第2成形面21の凸部21aに押圧密着されてから、すぐにその両側の曲率が大きい凹屈曲部30a,30bが第2成形面21の凸部21aに押圧密着される。すなわち凹屈曲部30a,30bは、その両側に連なる曲率の小さい部分のうち凹部11aの底部と反対となる側が第2成形面21に密着される前に第2成形面21に密着されるので、この密着により溶融樹脂シート30mの凹屈曲部30a,30bが表面に沿った方向に押し縮められることはない。従って、板状製品30の凹屈曲部30a,30bの裏側にしわが寄せられて凸凹を生じることはないので、この付近に取り付ける部品は板状製品30の裏面にぴったり取り付けられて取付精度及び取付強度は向上し、またこの凹屈曲部30a,30bとなる板状製品30の表面につやむらや引けを生じて外観が低下することもない。
【0023】
また上述した実施の形態では、下型10内に第1通路15Aと、これとは連通しない第2通路15Bを形成し、上型20内に上側通路25を形成し、これら各通路に負圧または正圧を所定の順序で与えて第1成形面11及び第2成形面21に対する溶融樹脂シート30mの密着を制御して上述したような成形を行っているので、このような成形にための制御を容易かつ確実に行うことができる。
【0024】
上述した実施の形態では、溶融樹脂シート30mのうち第1通路15Aからの正圧により第2成形面21に密着されない部分の密着は、上側通路25に負圧を与えることにより行っているが、この密着は、上側通路25に負圧を与える代わりに第2通路15Bに正圧を与えるようにして行ってもよいし、上側通路25に負圧を与えると同時に第2通路15Bに正圧を与えるようにして行ってもよい。
【0025】
また上述した実施の形態では、シート状の溶融樹脂30mは基材溶融樹脂層31mと表皮溶融樹脂層32mよりなる2枚重ねとしたが、この2枚の間に発泡剤が混練されて発泡層となる中間溶融樹脂層を加えた3枚重ねとしてもよいし、これと逆にシート状の溶融樹脂をただ1枚の溶融樹脂層により形成してもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明のマッチドダイ成形方法によれば、下型の凹部の底部付近に形成される溶融樹脂シートの凹屈曲部は、その両側に連なる曲率の小さい部分のうち凹部の底部と反対となる側が第2成形面に密着される前に第2成形面に密着されるので、溶融樹脂シートの凹屈曲部となる部分が表面に沿った方向に押し縮められることはない。従って、この部分となる板状製品の裏側にしわが寄せられて凸凹を生じることはないので、この付近に取り付ける部品は板状製品の裏面にぴったり取り付けられて取付精度及び取付強度は向上し、またこの凹屈曲部となる板状製品の表面につやむらや引けを生じて外観が低下することもない。
【0027】
前項の発明において、下型内に第1通路と、これとは連通しない第2通路を形成し、上型内に上側通路を形成し、これら各通路に負圧または正圧を所定の順序で与えて第1成形面及び第2成形面に対する溶融樹脂シートの密着を制御するようにした2つの発明によれば、このような密着の制御を容易かつ確実に行うことができる。
【0028】
また本発明のマッチドダイ成形装置によれば、第1通路、第2通路及び上側通路に負圧または正圧を所定の順序で与えて、下型の第1成形面上に供給した溶融樹脂シートの第1成形面及び第2成形面に対する密着を制御するすることができる。従って本発明により成形される板状製品は、前各項の発明と同様、凹屈曲部となる部分の裏側に凸凹が生じないようにして、この付近に取り付ける部品の取付精度及び取付強度を向上させ、またこの凹屈曲部となる板状製品の表面につやむらや引けを生じて外観が低下しないようにすることができ、しかも前述した密着の制御を容易かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるマッチドダイ成形方法及びマッチドダイ成形装置の一実施形態の、上型の凹部の底部付近となる溶融樹脂シートを上型の第2成形面に密着させた状態を示す断面図である。
【図2】 図1に示す実施の形態の、凹部の底部付近以外となる溶融樹脂シートも第2成形面に密着させた状態を示す断面図である。
【図3】 従来技術によるマッチドダイ成形方法及びマッチドダイ成形装置の一例の、下型上に溶融樹脂シートを供給している状態を示す断面図である。
【図4】 図3に示す従来技術の、下型上に供給した溶融樹脂シートを第1成形面に吸引密着した状態を示す断面図である。
【図5】 図4において、上型20を下降させて下型10に最接近させた状態を示す断面図である。
【図6】 図5において、溶融樹脂シートを上型の第2成形面に密着させた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10…下型、11…第1成形面、11a…凹部、15A…第1通路、15B…第2通路、17A…第1連通孔、17B…第2連通孔、20…上型、21…第2成形面、25…上側通路、27…上側吸引孔、30m…溶融樹脂シート。

Claims (4)

  1. 凹部を有する第1成形面が上側に形成された下型と、この下型に対し接近離隔可能に設けられ最接近位置では前記第1成形面との間の隙間がほゞ一定となる第2成形面が下側に形成された上型を用いてなるマッチドダイ成形方法において、前記隙間より小さい厚さの溶融樹脂シートを前記第1成形面を覆うように供給し、この溶融樹脂シートを先ず前記第1成形面のほゞ全面に密着させ、前記両型を最接近位置としてから前記凹部の底部付近となる前記溶融樹脂シートを前記第2成形面に密着させ、次いで前記凹部の底部付近以外となる前記溶融樹脂シートを前記第2成形面に密着させることを特徴とするマッチドダイ成形方法。
  2. 前記下型内には、前記凹部の底部付近となる前記第1成形面に開口する複数の細い第1連通孔を有する第1通路と、前記凹部の底部付近以外となる前記第1成形面に開口する複数の細い第2連通孔を有し前記第1通路とは連通しない第2通路が形成され、前記上型内には前記第2成形面に開口する多数の細い上側吸引孔を有する上側通路が形成され、前記第1成形面のほゞ全面に対する前記溶融樹脂シートの密着は前記第1通路と第2通路に負圧を与えることにより行い、前記第2成形面に対する前記凹部の底部付近となる前記溶融樹脂シートの密着は前記第1通路に正圧を与えることにより行い、前記第2成形面に対する前記凹部の底部付近以外となる前記溶融樹脂シートの密着は前記上側通路に負圧を与えることにより行うことを特徴とする請求項1に記載のマッチドダイ成形方法。
  3. 前記第2成形面に対する前記凹部の底部付近以外となる前記溶融樹脂シートの密着は、前記上側通路に負圧を与えることに代えてまたはこれと共に前記第2通路に正圧を与えることにより行うことを特徴とする請求項2に記載のマッチドダイ成形方法。
  4. 凹部を有する第1成形面が上側に形成された下型と、この下型に対し接近離隔可能に設けられ最接近状態では前記第1成形面との間の隙間がほゞ一定となる第2成形面が下側に形成された上型よりなるマッチドダイ成形装置において、前記下型内に形成されて前記凹部の底部付近となる前記第1成形面に開口する複数の細い第1連通孔を有する第1通路と、前記下型内に形成されて前記凹部の底部付近以外となる前記第1成形面に開口する複数の細い第2連通孔を有し前記第1通路とは連通しない第2通路と、前記上型内に形成されて前記第2成形面に開口する多数の細い上側吸引孔を有する上側通路を備えたことを特徴とするマッチドダイ成形装置。
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