JP3641843B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、特に、内燃機関の排気通路にリニア型の空燃比センサを備え、この空燃比センサの出力変化量から過度時の燃料噴射量を学習して補正する内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に過渡時には吸気管圧力の変化によって壁面付着量が変化するため、壁面付着量の変化分を補正する過渡燃料補正項を加えて燃料噴射を実行している。又、蒸発特性の悪い燃料や吸気管に固着しているデポジット量が多い程壁面付着量が増加し、過渡時における上記過渡燃料補正項を修正する必要がある。そこで、従来より内燃機関の排気系に備えられた酸素センサのリッチリーン判定によって上記壁面付着量変化を予想して上記過渡燃料補正項を学習更新する点が公知となっている。
【0003】
ところで、上記酸素センサは、理論空燃比で出力が反転するものであり、過渡時のように空燃比が大きく変化するような運転状態では特に応答性が悪くなる。この応答性を向上させるため、近年、空燃比全域に渡ってリニアに出力するリニア型酸素センサと呼ばれる空燃比センサが開発された。例えば、特開平2−67443に開示された空燃比制御装置があり、リニア型酸素センサからリニアに出力された出力値をPID制御でフィードバックすることで空燃比全域に渡り高い応答性と高精度な空燃比制御を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の特開平2−67443の空燃比制御装置では、燃料性状が変わった場合や吸気デポジットが付着した場合には過渡運転時になると空燃比が目標空燃比からずれてスパイクが発生する。このスパイク形状はフィードバック制御性能の影響を大きく受け過渡運転状態の違いにより一方向のスパイクだけで収まる場合、反対方向のスパイクが少し出る場合、大きく出る場合、振動的に数回続く場合がある。したがって従来の酸素センサを使った過渡燃料補正項を学習する技術をリニア型酸素センサの空燃比制御に適用すると燃料性状や吸気デポジットの変化による空燃比スパイクの他にフィードバックによる影響を含めた形で学習するため学習精度が悪い。この点を図を用いて以下に説明する。
【0005】
図9は加速時のリニア型酸素センサの出力波形の具体例を示す図であり、(a)は第1スパイク波形、(b)は第2スパイク波形、(c)は第3スパイク波形、(d)は第4スパイク波形を示す図である。図9の(a)は順方向スパイクのみが発生した場合を示し、(b)は順方向スパイクの他に1つの小さな逆方向スパイクが発生した場合を示し、(c)は順方向スパイクの他に1つの大きな逆方向スパイクが発生した場合を示し、(d)は振動スパイクが発生した場合を示す。このようなリニア型酸素センサの出力の変化を空燃比スパイクまたは単にスパイクと呼ぶ。本図は横軸に時間、縦軸に空燃比を示す。リニア型酸素センサの出力波形の変化について以下に説明する。時刻t0に加速が開始されたと仮定すると、内燃機関(以下機関と記す)の加速時には燃料性状やデポジットの影響を受けて機関に供給される燃料噴射量は減少するのでリニア型酸素センサの出力は時刻t1に目標空燃比よりリーン側に変化する。その変化分はフィードバック制御と壁面付着量変化とにより補正されるので時刻t2に目標空燃比となり、フィードバック制御性能により図9の(a)の場合は時刻t2以降は目標空燃比で落ち着き、図9の(b)〜(d)の場合は時刻t2以降は今度はリッチ側に変化する。図9の(b)〜(d)の場合におけるリニア型酸素センサの出力は時刻t3に目標空燃比となり、フィードバック制御性能により図9の(b)と(c)の場合は時刻t3以降は目標空燃比で落ち着き、図9の(d)の場合は時刻t3以降は今度はリーン側に変化し、時刻t4に再びリッチとなり、時刻t5に目標空燃比に収束する。機関の減速時にはリッチとリーンが上述と反対になった現象が生じる。ここで注意すべき点は、リニア型酸素センサの出力の変化から燃料性状やデポジットの影響を補正するために必要な情報は、過渡発生後の時刻t1からt2までの前半部にあり、時刻t2からt5までの後半部の情報はフィードバック制御性能によるものである。しかしながら、単にフィードバック制御と壁面付着量変化とによる補正を行うだけでは上記後半部の空燃比スパイクを含めて学習してしまうので、上記過渡燃料補正項は誤学習して更新され正確な燃料噴射制御ができないという問題が生じる。
【0006】
また、前述の壁面付着量変化を予想して上記過渡燃料補正項を学習更新する例えば本願出願人による特願平5−298159の内燃機関の燃料噴射制御装置は、機関の運転状態を考慮せず、機関が過度状態になっても理論空燃比とその過度状態時の空燃比との差から空燃比スパイクを検出するので、燃料挙動のバラツキや燃焼変動により空燃比センサの出力が目標空燃比に応答よく収束せずにうねりが発生している時に過渡状態になると、うねりによるオフセット量が空燃比スパイクに加算または減算され正確な空燃比スパイクの検出ができない。すなわち、うねりの影響を受けて上記過渡燃料補正項を誤学習して更新するという問題がある。
【0007】
さらに、上記内燃機関の燃料噴射制御装置は、機関の運転状態により空燃比センサから検出されたスパイクが燃料性状や吸気系のデポジットにより発生したものか否かが判らないないので、これら以外の原因、例えば急加減速時に吸入空気量が増大することにより発生するスパイクに基づいて上記過渡燃料補正項を誤学習して更新するという問題がある。
【0008】
以上のことより本発明は、機関の過度時に発生する空燃比スパイクの内、有効情報のみ用い、使用する燃料の種類(燃料性状)や吸気系のデポジット量の変化に応じて上記過渡燃料補正項を正確に学習更新して機関の過渡時に発生する排出ガスを良好に浄化する内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを主目的とする。
【0009】
本発明はまた、機関の運転状態を考慮し機関が過度状態となる直前の空燃比を基準としてこれとの差から空燃比スパイクを検出し、燃料挙動のバラツキや燃焼変動により空燃比センサの出力にうねりが発生しても、うねりの影響を受けて誤学習することなく正確に燃料噴射制御でき機関の過渡時に発生する排出ガスを良好に浄化する内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを他の目的とする。
【0010】
本発明はさらに、機関の運転状態により空燃比センサから検出されたスパイクが燃料性状や吸気系のデポジットによるものでないときは上記過渡燃料補正項の学習更新を禁止し、それゆえ正確に燃料噴射制御でき機関の過渡時に発生する排出ガスを良好に浄化する内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することをその他の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
図1は、本発明による内燃機関の燃料噴射制御装置の基本ブロック構成図である。前記問題を解決する内燃機関の燃料噴射制御装置は、内燃機関(以下、機関と記す)10の排気ガスのリッチリーンの度合いに対しリニアに出力信号を発生する空燃比センサ4を機関10の排気通路に設け、空燃比センサ4の出力に応じて燃料噴射量を補正して機関10の空燃比が所望の空燃比となるように制御する内燃機関の燃料噴射制御装置において、機関10の運転状態が過渡か否かを検出する過渡検出手段21と、過渡検出後に生じる実際の空燃比と所望の目標空燃比との差のうち、該実空燃比が該目標空燃比からずれて再び該目標空燃比に戻るまでの期間における前記差を、前記過度検出手段により前記内燃機関の運転状態が過渡であると検出された過渡状態の発生時点における前記空燃比センサの出力と該過度状態の発生時点以降の過渡状態における空燃比センサの出力とを比較して定量化する定量化手段(22)と、定量化手段22により定量化された空燃比センサ4の出力に応じて燃料噴射量を補正する過渡補正係数を学習して更新する学習手段23と、過渡検出手段21により過渡と判断されたときには学習手段23により更新された過渡補正係数に基づいて燃料噴射量を制御する燃料噴射制御手段24と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置において、学習手段23は定量化手段22により定量化された空燃比センサ4の出力と過度状態の度合いとに応じて過度補正係数の更新を禁止する。
【0014】
【作用】
本発明による内燃機関の燃料噴射制御装置は、リニアに出力信号を発生する空燃比センサ4を使って燃料性状や吸気デポジット量が変化した場合に燃料噴射量を補正して所望の空燃比になるように制御する。そのため、過渡検出手段21により機関10の運転状態が過渡か否かを検出し、過渡検出後に生じる実際の空燃比と所望の目標空燃比との差のうち、その実空燃比が目標空燃比からずれて再び目標空燃比に戻るまでの期間における前記差を、過度検出手段21により内燃機関の運転状態が過渡であると検出された過渡状態の発生時点における空燃比センサ4の出力とその過度状態の発生時点以降の過渡状態における空燃比センサ4の出力とを比較して定量化手段22により定量化し、機関10が過渡と判断されたとき定量化された空燃比センサ4の出力に応じて燃料噴射量を補正する過渡補正係数を学習手段23により学習して更新する。そして過渡状態には、更新された過渡補正係数に基づいて燃料噴射制御手段24により燃料噴射量を制御する。それゆえ、使用する燃料の種類や吸気系のデポジット量の変化に応じて過渡補正係数を誤学習することなく正確に補正できる。
【0015】
また定量化手段22は、過度状態の発生時点における空燃比センサ4の出力と過度状態の空燃比センサ4の出力とを比較して定量化するので、燃料挙動のばらつきや燃焼変動による空燃比のうねりの影響を受けた誤学習がなくなる。
【0016】
さらに学習手段23は、過度状態の度合いと空燃比センサの出力とに応じて空燃比センサ4から検出された空燃比スパイクが燃料性状や吸気系のデポジットによるものでないときの過度補正係数の更新を禁止するので誤学習がなくなる。
【0017】
【実施例】
図2は本発明が適用される内燃機関の燃料噴射制御装置の概略構成図である。この装置には、機関10の状態検出器として、スロットル弁の開度を検出するスロットルセンサ1、気筒内に吸入される空気量から吸気管内の空気圧を測定する吸気圧センサ2および機関10からの排気ガスのリッチリーンの度合いに対しリニアに出力信号を発生するリニア型の空燃比センサ4が設けられている。制御ユニット20は、これらの状態検出器の出力信号を受けて機関10の運転状態に応じて空燃比が所望の空燃比になるように燃料噴射弁3の開弁時間を調節して機関10のインテークポートへ向けて噴射する燃料噴射量を制御する。また、制御ユニット20は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース、等からなり後述する本発明の各処理を実行する。なお、触媒5は機関10から排出される排気ガスを浄化するものである。
【0018】
また、燃料噴射制御手段24は、次式により燃料噴射時間TAUを算出し、機関10の燃焼サイクル毎に算出した燃料噴射時間TAUだけ燃料噴射弁3を開弁する。
TAU=TP(1+f(daf)+r+α)
ここで、TPは吸入空気量と機関の回転数から求められる基本噴射量、f(daf)はdafの関数で表されるフィードバック補正係数を示す。その関数の例としてf(daf)=k×daf(kはdafの係数、dafはリニア型酸素センサの出力と基準値との偏差)がある。またrは過渡と検出されたときに燃料噴射量を補正する過度補正係数、αはその他の補正係数を示す。
【0019】
図3は本発明による過渡補正係数学習初期化ルーチンを示す図である。この初期化ルーチンは本発明による過渡補正係数学習ルーチンを実行する前、例えば機関の始動時に下記の(1)〜(5)の各フラグをそれぞれ0に初期設定する。
(1)スパイク状態識別変数 afState=0
(2)スパイク検出処理実行カウンタ count=0
(3)スパイク継続カウンタ afcnt=0
(4)スパイク極値 dafmax=0
(5)スパイク検出フラグ flgSpike=0
なお、これらのフラグの説明は後述する。
【0020】
図4は本発明による過渡補正係数学習ルーチンの前半フローチャートであり、図5はその後半フローチャートであり、図6は過度補正係数更新ルーチンのフローチャートであり、図7はスパイク検出後の処理ルーチンのフローチャートである。図4から図7において3桁で示される数字はステップ番号を示す。また、これらのルーチンは所定時間周期または所定クランク角周期毎に実行される。なお、図1で説明した内燃機関の運転状態が過度か否かを判別する過渡検出手段21はステップ111の処理により行われる。機関10の過度状態の度合いの定量化はステップ123〜126の処理により行われる。過渡検出手段21が機関10の運転状態は過度であると判別したときの定量化手段22による空燃比センサ4の出力変化量の定量化はステップ201〜301の処理により行われる。学習手段23はステップ141、142および151、152の処理により行われ、定量化手段22により定量化された空燃比センサの出力変化量に応じて燃料噴射量の過度補正係数を学習更新する。燃料噴射制御手段24は学習手段23により更新された過度補正係数を用いて前述の燃料噴射時間TAUを算出して機関10の燃焼サイクル毎に算出した燃料噴射時間TAUだけ燃料噴射弁3を開弁する。
【0021】
最初に、図4を参照しつつ過渡補正係数学習ルーチンの前半フローチャートを説明する。先ず空燃比センサ4の出力信号を読み取り空燃比レジスタafにその読み取ったデータAFを書き込む(ステップ101)。次に、吸気圧センサ2の出力信号から読み取った今回の吸気圧データpmと、前回の吸気圧データpmold の差、すなわち吸気圧差分 dpmをdpm=pm-pmoldから算出して記憶し、pmold をpmで更新する(ステップ102)。ステップ103では、フューエルカット中かエバポパージ中かを判別し、YESのときはこの過渡補正係数学習ルーチンから除外してステップ161へ進み、変数の終了処理を実行し( ステップ161)て終了し、NOのときはステップ104へ進む。ステップ161の変数の終了処理では、count=0 、afcnt=0 、dafmax=0、flagSpike=0 の設定を行う。これは afStateフラグの値のみをそのまま保持し他のフラグを初期化することに相当する。
【0022】
ステップ104において、スパイク検出処理実行カウンタ countの値が0か所定回数CNT か、またはその中間かを判別し、( i ) countの値が0のときはステップ111へ、( ii) 0とCNT の中間のときはステップ121へ、(iii) CNT のときはステップ131へそれぞれ進む。
【0023】
( i ) count の値が0のとき、すなわちスパイク検出処理をまだ実行していないとき、機関の運転状態が加速状態であると判別する加速判別値ACCEL および減速状態であると判別する減速判別値DECEL と吸気圧差分dpm の値とを比較し(ステップ111)、前述の吸気圧差分dpm がdpm >ACCEL のときは加速状態とみなし加減速識別変数 state=2と設定し(ステップ112)てステップ115へ進む。dpm <DECEL のときは減速状態とみなし加減速識別変数 state=1と設定し(ステップ113)てステップ115へ進む。DCCEL ≦dpm ≦AECEL のときは state=0と設定し(ステップ114)て終了する。ステップ115では、スパイク検出処理を実行するため次の変数設定を行う。すなわち、count=1 、dpmmax=0、afref=af、flgSpike=1と設定する。ここで、count はスパイク検出処理の実行回数を示し、dpmmaxは加速状態と判別されたときはdpm の最大値を示し減速状態と判別されたときはdpm の最小値を示す。afref は空燃比スパイクを計算するための基準空燃比を示し、flgSpikeは加減速検出時にセットされ、加減速後の最初のスパイク検出後にクリアされるスパイク検出フラグフラグを示す。
【0024】
( ii) count の値が0とCNT の中間のとき、すなわち加減速が一度検出されてcount の値が1になるとステップ121でflgSpikeを判定しスパイク検出済みのとき(flgSpike=0)は countをカウントアップし(ステップ128)て終了する。スパイク未検出のとき(flgSpike=1)は機関の運転状態が定常・減速・加速の何れであるかを判別する(ステップ122)。state=1 の減速状態のときは吸気圧差分dpm の最小値を検出し dpmmax に記憶する( ステップ123、124)。 state=2の加速状態のときはdpm の最大値を検出しdpmmaxに記憶する(ステップ125、126)。state=0 の定常状態のときはそのままステップ127へ進む。ステップ127では、加減速検出時点の基準の空燃比A/F(=afref) と今回の空燃比A/F(=af)との差から求められる空燃比スパイクdaf=af-afrefを計算してステップ201へ進む。なお、基準の空燃比afref は例えば加減速検出時点の空燃比である。定量化手段22は、このようにステップ127により過渡状態直前の空燃比センサ出力の平均値afref とその過渡状態の時の空燃比センサ出力値afとを比較するのでうねりの影響を受けない。次に、過渡補正係数学習ルーチンの前半に属する過渡補正係数更新ルーチンを図6を参照しつつ以下に説明する。
【0025】
(iii) スパイク検出処理を所定回数CNT だけ実行したとき(count=CNT )、ステップ131では、スパイク検出フラグflgSpikeを判定し、加減速検出後にスパイクが検出されたとき(flagSpike=0 )はスパイクの極値dafmaxが所定値DAFMAXより大か否かを判別し(ステップ132)、加減速検出後のスパイク未検出のとき(flagSpike=1 )は変数の終了処理を実行し(ステップ161)て終了する。ステップ131のflagSpike=1 の場合はスパイクがCNT 回継続していることを表すがこのようなスパイクは燃料性状や吸気系のデポジット変化によるものとは考えられないので過度補正係数の更新処理ルーチンを終了することを意味する。次いでステップ132で、その判別結果がYESのときは、学習の指標sum としてスパイク継続時間afcnt とスパイクの極値dafmaxの積 afcnt×dafmaxを計算し(ステップ133)てステップ134へ進み、判別結果がNOのときは変数の終了処理を実行し(ステップ161)て終了する。ステップ132は、スパイクの極値dafmaxが所定値DAFMAXより小さいときには、このスパイクは燃料性状や吸気系のデポジット変化によるものとは考えられないので過度補正係数の更新処理ルーチンを終了することを意味する。学習手段23は、このようにステップ131、132により空燃比センサ4の出力変化量に応じて過渡補正係数の学習更新を禁止する。
【0026】
図8は本発明による学習指標と更新幅の関係を示すマップであり、(A)は加速時のマップ、(B)は減速時のマップである。下記の処理ステップ141、142、151、152においてこれらのマップは使用される。ステップ134において、過渡の度合いを表す加速最大値または減速最小値dpmmaxが( i ) 所定の加速範囲内 ACCmin <dpmax <ACCmaxのとき、図8の(A)で示すマップ1からsum に対応する過度補正係数の更新幅DRを求め(ステップ141)て更新する(ステップ142)。dpmmaxの値が( ii) 所定の減速範囲内DECmax<dpmax <DECminのとき、図8の(B)で示すマップ2からsum に対応する過度補正係数の更新幅DR' を求め(ステップ151)て更新する(ステップ152)。ステップ142または152の後、変数の終了処理を実行し(ステップ161)て終了する。dpmmaxの値が (iii)前記所定範囲内でないとき、更新処理を実行せず変数の終了処理を実行し(ステップ161)て終了する。
【0027】
このように学習手段23は、ステップ134により過渡の度合いに応じて、例えば急加減速時のような吸入空気量の先読み誤差が大きくなることが原因で空燃比スパイクが発生したときに過度補正係数の学習更新を禁止する。
【0028】
次に、図5を参照しつつ過渡補正係数学習ルーチンの後半フローチャートを説明する。ステップ201において、スパイクdaf の値が、( i ) |daf |≦ DAFであるスパイクなしか、( ii) daf>DAF であるリーンスパイクか、または(iii) daf <-DAFであるリッチスパイクかの何れかを判別する。
【0029】
( i ) のスパイクなしと判別されたとき、スパイク状態識別フラグafState が0あるいは1または2かを判別し( ステップ211)、afState が0(ストイキ)と判別されたときはステップ301へ進む。afState が1(リッチ)または2(リーン)と判別されたときは図7に示すスパイク検出後の処理ルーチンを実行し(ステップ212)、afState を0(ストイキ)に設定し(ステップ213)てステップ301へ進む。ステップ301では、カウンタcount を1つカウントアップして終了する。
【0030】
( ii) のリーンスパイクと判別されたとき、スパイク状態識別フラグafState が0か1か2かを判別し( ステップ221)、第一にafState が0(ストイキ)と判別されたときはリーンスパイクが発生し始めたことを意味するのでスパイク継続カウンタafcnt を1に設定してスパイク極値dafmaxに初期値daf を設定する(ステップ222)。次いでafState を2に設定し(ステップ225)、カウンタcount を1つカウントアップし(ステップ301)て終了する。第二にafState が1(リッチ)と判別されたときは、スパイクがリッチからリーンに遷移した状態、すなわちリッチスパイクが終了したことを意味するのでスパイク検出後の処理を実行する(ステップ223)。次いでステップ225、301を実行して終了する。第三にafState が2(リーン)と判別されたときは、リーンスパイクが継続しているのでスパイク継続カウンタafcnt の値を1 つカウントアップする(ステップ224)。次いでスパイクdaf の値とスパイク極値dafmaxと比較(daf >dafmax)し(ステップ226)、daf >dafmaxのときはリーンスパイクの最大値を設定し(ステップ227)てステップ301を実行して終了し、daf ≦dafmaxのときはステップ301を実行して終了する。
【0031】
(iii) のリッチスパイクと判別されたとき、スパイク状態識別フラグafState が0か1か2かを判別し( ステップ231)、第一にafState が0(ストイキ)と判別されたときは、リッチスパイクが発生し始めたことを意味するのでスパイク継続カウンタafcnt を1に設定してスパイク極値dafmaxに初期値daf を設定する(ステップ232)。次いでafState を1に設定し(ステップ235)、カウンタcount を1つカウントアップし(ステップ301)て終了する。第二にafState が2(リーン)と判別されたときは、スパイクがリーンからリッチに遷移した状態、すなわちリーンスパイクが終了したことを意味するのでスパイク検出後の処理を実行する(ステップ233)。次いでステップ235、301を実行して終了する。第三にafState が1(リッチ)と判別されたときは、リッチスパイクが継続しているのでスパイク継続カウンタafcnt の値を1 つカウントアップする(ステップ234)。次いでスパイクdaf の値とスパイク極値dafmaxと比較(daf <dafmax)し(ステップ236)、daf <dafmaxのときはリーンスパイクの最大値を設定し(ステップ237)てステップ301を実行して終了し、daf ≧dafmaxのときはステップ301を実行して終了する。
【0032】
最後に、スパイク検出後の処理ルーチンを図7のフローチャートを参照しつつ説明する。スパイク継続カウンタafcnt の値と所定値AFCNT の値とを比較し(ステップ501)、 afcnt>AFCNT のときは有効なスパイクとみなし加減速後にクリアされるスパイク検出フラグ flgSpike を0にクリアする(ステップ502)。 afcnt≦AFCNT のときはノイズの発生とみなしスパイク継続カウンタ afcntを0とし、かつスパイク極値 dafmax を0とする(ステップ503)。
【0033】
本発明の定量化手段22は、過渡状態と判別される前半部分の空燃比センサ4の出力のみをステップ201〜301の処理により読み取り、読み取ったデータを用いてステップ141、142、151、152により過渡補正係数を算出する。すなわち、燃料性状、吸気系のデポジット変化によるものとは考えられないスパイク後半部分の空燃比センサ4の出力を読み取ることなく過渡補正係数を算出するので誤学習されない。
【0034】
本実施例の定量化手段22は、目標となる理論空燃比と過度状態の空燃比センサの出力とを比較して空燃比センサの出力を定量化するのでなく、ステップ127の処理により、過度状態の発生時点の空燃比センサの出力と過度状態時の空燃比センサの出力とを比較して空燃比センサの出力を定量化する。それゆえ、燃料挙動のばらつきや燃焼変動による空燃比のうねりの影響を受けずに空燃比スパイクを定量化することができる。
【0035】
本実施例の学習手段は、ステップ131、132の処理により、燃料性状や吸気系デポジットの変化が原因で発生した空燃比スパイクかどうかを判別して過渡補正係数の更新を実行・禁止しているため誤学習を防げる。また、ステップ134の処理により、急加減速時の吸入空気量の先読み誤差が大きくなることが原因で発生する空燃比スパイクを除外することができるため、燃料性状や吸気系デポジットの変化に対して正確に学習できる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、内燃機関の排気通路にリニア型空燃比センサを備え、使用する燃料の種類や吸気系のデポジット量の変化に応じて過渡補正係数を誤学習することなく正確に補正できるので、使用する燃料の種類や吸気系のデポジット量の変化に対する空燃比制御性能の悪化を防ぎ、機関の過渡時の排出ガスを良好に浄化する内燃機関の燃料噴射制御装置が提供できる。
【0037】
また本発明によれば、定量化手段が過度状態の発生時点の空燃比センサの出力と過度状態の空燃比センサの出力とを比較して定量化するので、燃料挙動のばらつきや燃焼変動による空燃比のうねりの影響を受けた誤学習がなくなり、過渡時の排出ガスの浄化性が向上する。
【0038】
さらに本発明によれば、定量化手段により定量化された空燃比センサの出力と過度状態の度合いとに応じて、学習手段による過度補正係数の学習更新を禁止するので、空燃比センサから検出されたスパイクが燃料性状や吸気系のデポジットの変化によるものでないときの学習を除外でき、過渡時の排出ガスの浄化性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による内燃機関の燃料噴射制御装置の基本ブロック構成図である。
【図2】本発明が適用される内燃機関の燃料噴射制御装置の概略構成図である。
【図3】本発明による過渡補正係数学習初期化ルーチンを示す図である。
【図4】本発明による過渡補正係数学習ルーチンの前半フローチャートである。
【図5】本発明による過渡補正係数学習ルーチンの後半フローチャートである。
【図6】本発明による過度補正係数更新ルーチンのフローチャートである。
【図7】本発明によるスパイク検出後の処理ルーチンのフローチャートである。
【図8】本発明による学習指標と更新幅のマップであり、(A)は加速時のマップ、(B)は減速時のマップである。
【図9】加速時のリニア型酸素センサの出力波形の具体例を示す図であり、(a)は第1スパイク波形、(b)は第2スパイク波形、(c)は第3スパイク波形、(d)は第4スパイク波形を示す図である。
【符号の説明】
1…スロットルセンサ
2…吸気圧センサ
3…燃料噴射弁
4…空燃比センサ
5…触媒
10…内燃機関
20…制御ユニット
21…過渡検出手段
22…定量化手段
23…学習手段
24…燃料噴射制御手段

Claims (2)

  1. 内燃機関(10)の排気ガスのリッチリーンの度合いに対しリニアに出力信号を発生する空燃比センサ(4)を該内燃機関の排気通路に設け、該空燃比センサの出力に応じて燃料噴射量を補正して該内燃機関の空燃比が所望の空燃比となるように制御する内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記内燃機関の運転状態が過渡か否かを検出する過渡検出手段(21)と、
    過渡検出後に生じる実際の空燃比と所望の目標空燃比との差のうち、該実空燃比が該目標空燃比からずれて再び該目標空燃比に戻るまでの期間における前記差を、前記過度検出手段により前記内燃機関の運転状態が過渡であると検出された過渡状態の発生時点における前記空燃比センサの出力と該過度状態の発生時点以降の過渡状態における空燃比センサの出力とを比較して定量化する定量化手段(22)と、
    前記定量化手段により定量化された前記空燃比センサの出力に応じて前記燃料噴射量を補正する過渡補正係数を学習して更新する学習手段(23)と、
    前記過渡検出手段により過渡と判断されたときには前記学習手段により更新された前記過渡補正係数に基づいて前記燃料噴射量を制御する燃料噴射制御手段(24)と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記学習手段(23)は、前記定量化手段により定量化された前記空燃比センサの出力と前記過度状態の度合いとに応じて前記過度補正係数の更新を禁止する請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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