JP3641577B2 - 作業車のローリング制御構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機体の後部に作業装置をローリング自在に連結し、機体に対して作業装置をアクチュエータによりローリング駆動するように構成された作業車のローリング制御の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
前述のように機体の後部に作業装置をローリング駆動自在に連結した作業車としては、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサー、及びアクチュエータの作動位置を検出する位置センサーを備えることにより、傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づいて、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持されるように、アクチュエータを作動させる制御手段を備えたものがある。
これにより、地面の段部や凹凸により機体が左右に傾斜し、これに伴って作業装置が左右に傾斜しようとしても、機体に対して作業装置がローリング駆動されて、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持される。
【0003】
この場合、傾斜センサーの検出値(水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度)、及び位置センサーの検出値(アクチュエータの作動位置)に基づいて、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度を演算し、アクチュエータにより作業装置をローリング駆動するように制御手段が構成されていることがある。又、機体に対する作業装置の左右方向の傾斜角度と位置センサーの検出値との関係を、事前にマップデータとして持っておき、傾斜センサーの検出値(水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度)に基づいて、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度を設定角度に維持する為のアクチュエータの作動位置(位置センサーの検出値)を演算し、アクチュエータにより作業装置をローリング駆動するように制御手段が構成されていることがある。
前述のように傾斜センサーを作業装置に備えずに機体に備えることによって、傾斜センサーを備えていない各種の作業装置を機体の後部に連結しても、機体に備えられた傾斜センサーの検出値に基づいて、作業装置のローリング駆動が行える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術に記載の構造であると、地面の段部や凹凸により機体が左右に傾斜した場合、傾斜センサーにより水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度が検出された後に、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度が演算されたり、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度を設定角度に維持する為のアクチュエータの作動位置が演算されたりして、アクチュエータによる作業装置のローリング駆動が行われる。
【0005】
これにより、地面の段部や凹凸により機体が左右に傾斜してから、アクチュエータによる作業装置のローリング駆動が開始されるまで、若干の時間を要することがあるので、例えば機体が左右に急に傾斜したり大きく傾斜したりすると、機体の左右の傾斜に対して、アクチュエータによる作業装置のローリング駆動が少し遅れることが考えられる。
【0006】
本発明は、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサーと、アクチュエータの作動位置を検出する位置センサーとを備え、傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づいて、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持されるように、アクチュエータにより作業装置をローリング駆動するように構成された作業車のローリング制御構造において、機体の左右の傾斜に対してアクチュエータによる作業装置のローリング駆動が少し遅れると言うような状態を少なくすることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
[I]
農用トラクタ等のように前輪及び後輪を備えた作業車では一般に、右及び左の前輪を支持する前車軸ケースを、機体の前後方向の軸芯周りにローリング自在に支持したものが多くある。このような作業車において、機体の進行に伴って例えば地面の段部や凹凸に右の前輪が達して、機体に対して前車軸ケースが右方向にローリングした場合、機体が右方向に傾斜することはまだ少ない。この後、右の前輪が地面の段部や凹凸を通過して、右の後輪が地面の段部や凹凸に達すると、機体が右方向に傾斜すると言う状態になることがある。
【0008】
これにより、前車軸ケースを機体に対してローリング自在に支持した作業車において、機体に対して作業装置をローリング駆動するアクチュエータ、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサー、アクチュエータの作動位置を検出する位置センサー及び制御手段を備えた場合、前述のように機体の進行に伴って、例えば地面の段部や凹凸に右の前輪が達した際、前車軸ケースが右方向にローリングするだけで、機体が右方向に傾斜しなければ、作業装置はローリング駆動されない。
次に右の前輪が地面の段部や凹凸を通過し、右の後輪が地面の段部や凹凸に達して、機体が右方向に傾斜すると、傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づいて、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持されるように、制御手段によりアクチュエータが作動されて作業装置がローリング駆動される。
【0009】
これにより例えば図5に示すように、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度(一点鎖線B2参照)が設定角度に維持され、機体(実線B1参照)も設定角度にあった場合、例えば右の後輪が地面の段部に達して設定角度から機体(実線B1参照)が右方向に傾斜すれば、機体(実線B1参照)の右方向への傾斜に伴って、作業装置が右方向に傾斜する(一点鎖線B2参照)。
【0010】
このような状態になると、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度(一点鎖線B2参照)が設定角度に戻るように、アクチュエータにより作業装置が左方向にローリング駆動されるのであるが、前述の[発明が解決しようとする課題]に記載のように、アクチュエータによる作業装置のローリング駆動が少し遅れることがあるので、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度(一点鎖線B2参照)が、少し遅れて設定角度に戻るような状態になる。
【0011】
[II]
請求項1の特徴によると、前項[I]に記載のような作業車において、機体に対する前車軸ケースのローリングを検出するローリングセンサーが備えられており、ローリングセンサーにより機体に対する前車軸ケースのローリングが検出されると、傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づく制御手段の作動に先行して、機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向に、アクチュエータによる作業装置のローリング駆動を開始させる補助制御手段を備え、この補助制御手段によるアクチュエータの作動開始タイミングを、機体の走行速度に基いて、前記前車軸ケースのローリングが検出された後で前記傾斜センサーによる機体の傾斜が検出される少し前であるように設定してある。
【0012】
これにより請求項1の特徴によると、例えば図5に示すように、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度(二点鎖線B3参照)が設定角度に維持され、機体(実線B1参照)も設定角度にあった場合、例えば右の後輪が地面の段部に達して設定角度から機体(実線B1参照)が右方向に傾斜する状態であれば、右の後輪よりも前に右の前輪が地面の段部に達して、前車軸ケースが右方向にローリングする。
このように例えば前車軸ケースが右方向にローリングすると、右の後輪が地面の段部に達して設定角度から機体(実線B1参照)が右方向に傾斜する前に、アクチュエータにより作業装置が右方向とは逆方向の左方向にローリング駆動され始める(図5の二点鎖線B3参照)。
【0013】
この後、例えば右の後輪が地面の段部に達して設定角度から機体(実線B1参照)が右方向に傾斜し、これに伴って作業装置が右方向に傾斜しても(二点鎖線B3参照)、事前にアクチュエータにより作業装置が左方向にローリング駆動されているので、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度(二点鎖線B3参照)が、設定角度から右方向に大きく外れると言うような状態にはならない。
従って、この後に水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度(二点鎖線B3参照)が設定角度に戻るように、アクチュエータにより作業装置が左方向にローリング駆動される際、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度(二点鎖線B3参照)が、遅れずに設定角度に戻るような状態になる。
【0014】
[III]
前項[II]に記載のように、例えば右の後輪が地面の段部や凹凸に達して機体が右方向に傾斜する状態において、右の後輪よりも前に右の前輪が地面の段部や凹凸に達して前車軸ケースが右方向にローリングする際、前車軸ケースのローリング速度を検出することにより、前述の地面の段部や凹凸の傾斜を推定することができる。
【0015】
【0016】
[IV]
請求項1の特徴によれば、前車軸ケースのローリング速度が低速領域、中速領域及び高速領域のうちの高速領域にあると、前述の地面の段部や凹凸が急なものであると判断されて、補助制御手段及び制御手段の作動が阻止される。前述の地面の段部や凹凸が急なものである場合、補助制御手段及び制御手段を作動させても充分に対応できないことがあるので、請求項3の特徴によれば前述の地面の段部や凹凸が急なものである場合、補助制御手段及び制御手段を無理に作動させることにより、作業装置のローリング駆動が安定しなくなると言う状態を避けることができる。
【0017】
【0018】
[VI]
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[II]に記載のように、例えば右の後輪が地面の段部や凹凸に達して機体が右方向に傾斜する状態において、右の後輪よりも前に右の前輪が地面の段部や凹凸に達して前車軸ケースが右方向にローリングする際、前車軸ケースのローリング量を検出することにより、前述の地面の段部や凹凸の高さや深さを推定することができる。
【0019】
これにより、請求項2の特徴によると、前車軸ケースのローリング量(前述の地面の段部や凹凸の高さや深さ)に応じて、補助制御手段及び制御手段の作動が許容される状態、補助制御手段の作動が阻止され制御手段の作動が許容される状態、並びに、補助制御手段及び制御手段の作動が阻止される状態のうち、適切な状態が選択されるようにすることが可能になる。
【0020】
[VII]
請求項3の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[II]に記載のように、例えば右の後輪が地面の凹凸に達して機体が右方向に傾斜する状態において、右の後輪よりも前に右の前輪が地面の凹凸に達して前車軸ケースが右方向にローリングする際、前車軸ケースがローリングした状態の時間を検出することにより、前述の地面の凹凸の長さを推定することができる。
【0021】
これにより、請求項3の特徴によると、前車軸ケースがローリングした状態の時間(前述の地面の凹凸の長さ)に応じて、補助制御手段及び制御手段の作動が許容される状態、補助制御手段の作動が阻止され制御手段の作動が許容される状態、並びに、補助制御手段及び制御手段の作動が阻止される状態のうち、適切な状態が選択されるようにすることが可能になる。
【0022】
[VIII]
請求項4の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[II]に記載のように、前車軸ケースが右又は左方向にローリングした後に機体が右又は左方向に傾斜する前に、補助制御手段によってアクチュエータにより作業装置を機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向にローリング駆動し始める場合、請求項4の特徴によると、補助制御手段の作動開始(アクチュエータにより作業装置を機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向にローリング駆動し始める時期)を、早くしたり遅くしたりすることができる。
【0023】
前項[II]に記載のように、例えば右の後輪が地面の段部や凹凸に達して機体が右方向に傾斜する状態において、右の後輪よりも前に右の前輪が地面の段部や凹凸に達して前車軸ケースが右方向にローリングする際、前車軸ケースのローリング速度を検出することにより、前述の地面の段部や凹凸の傾斜を推定することができる。
これにより、請求項4の特徴によると、前車軸ケースのローリング速度(前述の地面の段部や凹凸の傾斜)に応じて、補助制御手段の作動開始の時期を適切なものに設定することが可能になる。
【0024】
[IX]
請求項5の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項5の特徴によると、前項[VIII]に記載の請求項4の場合と同様に補助制御手段の作動開始(アクチュエータにより作業装置を機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向にローリング駆動し始める時期)を、早くしたり遅くしたりすることができる。
【0025】
前項[II]に記載のように、例えば右の後輪が地面の段部や凹凸に達して機体が右方向に傾斜する状態において、右の後輪よりも前に右の前輪が地面の段部や凹凸に達して前車軸ケースが右方向にローリングする際、前車軸ケースのローリング量を検出することにより、前述の地面の段部や凹凸の高さや深さを推定することができる。
これにより、請求項5の特徴によると、前車軸ケースのローリング量(前述の地面の段部や凹凸の高さや深さ)に応じて、補助制御手段の作動開始の時期を適切なものに設定することが可能になる。
【0026】
[X]
請求項6の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項6の特徴によると、前項[VIII]に記載の請求項4の場合と同様に補助制御手段の作動開始(アクチュエータにより作業装置を機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向にローリング駆動し始める時期)を、早くしたり遅くしたりすることができる。
【0027】
前項[II]に記載のように、例えば右の後輪が地面の凹凸に達して機体が右方向に傾斜する状態において、右の後輪よりも前に右の前輪が地面の凹凸に達して前車軸ケースが右方向にローリングする際、前車軸ケースがローリングした状態の時間を検出することにより、前述の地面の凹凸の長さを推定することができる。
これにより、請求項6の特徴によると、前車軸ケースがローリングした状態の時間(前述の地面の凹凸の長さ)に応じて、補助制御手段の作動開始の時期を適切なものに設定することが可能になる。
【0028】
[XI]
請求項7の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項10の特徴によると、前項[VIII]に記載の請求項4の場合と同様に補助制御手段の作動開始(アクチュエータにより作業装置を機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向にローリング駆動し始める時期)を、早くしたり遅くしたりすることができる。
【0029】
前項[II]に記載のように、例えば右の後輪が地面の凹凸に達して機体が右方向に傾斜する状態において、右の後輪よりも前に右の前輪が地面の凹凸に達して前車軸ケースが右方向にローリングし、前車軸ケースが元の姿勢側にローリングする際、前車軸ケースのローリング速度を検出することにより、前述の地面の凹凸の後側の傾斜を推定することができる。
これにより、請求項7の特徴によると、前車軸ケースが元の姿勢側にローリングした際のローリング速度(前述の地面の凹凸の後側の傾斜)に応じて、補助制御手段の作動開始の時期を適切なものに設定することが可能になる。
【0030】
[XII]
請求項8の特徴によると、請求項4〜7のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[II][VIII]〜[XI]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項8の特徴によると、補助制御手段によりアクチュエータを作動させる際、アクチュエータの作動速度を変更することができる。これにより、請求項8の特徴によれば、補助制御手段の作動開始が早まると、補助制御手段によるアクチュエータの作動速度が高速側に設定され、補助制御手段の作動開始が遅れると、補助制御手段によるアクチュエータの作動速度が低速側に設定されるのであり、補助制御手段の作動開始の時期に応じてアクチュエータの作動速度を適切なものに設定することが可能になる。
【0031】
【発明の実施の形態】
[1]
図1及び図2に示すように、右及び左の前輪23、右及び左の後輪24で支持された機体のミッションケース3に、上下揺動自在なトップリンク1と左右一対のロアリンク2を介して、ロータリ耕耘装置4が連結されている。ミッションケース3の上部に、油圧シリンダ5により上下に揺動駆動される一対のリフトアーム6が備えられ、一対のリフトアーム6とロアリンク2とがリフトロッド7、及び複動型の油圧シリンダ8を介して連結されて、作業車の一例である四輪駆動型式の農用トラクタが構成されている。
【0032】
図1に示すように、機体の前部下部において機体前後方向の軸芯P1周りに、前車軸ケース19が所定角度の範囲でローリング自在に支持され、前車軸ケース19の左右両端に右及び左の前輪23が操向操作自在に支持されている。ミッションケース3の右側部及び左側部に固定された後車軸ケース21が右側及び左側に延出されて、後車軸ケース21に右及び左の後輪24が支持されている。これにより、機体に対して右及び左の前輪23(前車軸ケース19)が所定角度の範囲でローリングするのであり、機体に対して右及び左の後輪24はローリングしない構造となっている。
【0033】
図3に示すように、油圧シリンダ5に対する3位置切換式の制御弁16が制御装置22により操作されて、油圧シリンダ5及びリフトアーム6によりロータリ耕耘装置4が昇降駆動される。油圧シリンダ8に対する3位置切換式の制御弁17が制御装置22により操作されて、油圧シリンダ8の伸縮作動によりロータリ耕耘装置4が、油圧シリンダ8とは反対側のロアリンク2との連結点周りにローリング駆動される。
【0034】
[2]
この農用トラクタは、ロータリ耕耘装置4を地面Gから設定高さに維持し耕耘深さを設定値に維持する昇降制御機能、機体に対するロータリ耕耘装置4の高さを設定位置に維持するポジション制御機能、並びに、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度を設定角度に維持するローリング制御機能が、制御装置22に備えられている。
【0035】
図1,2,3に示すように、ロータリ耕耘装置4に上下揺動自在に後部カバー9が備えられ、バネ18により後部カバー9が下方側に付勢されて、ロータリ耕耘装置4に対する後部カバー9の上下揺動角度を検出する耕深センサー10が備えられており、耕深センサー10の検出値が制御装置22に入力されている。これにより昇降制御機能によって、耕深センサー10の検出値が、機体に設けられたダイヤル操作式でポテンショメータ型式の耕深設定器11の設定耕耘深さとなるように、制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5によりロータリ耕耘装置4が自動的に昇降駆動される。
【0036】
図1,2,3に示すように、機体に対するリフトアーム6の上下角度を検出する角度センサー13が、リフトアーム6の基部に備えられており、角度センサー13の検出値が制御装置22に入力されている。これによりポジション制御機能によって、角度センサー13の検出値が機体に設けられたレバー操作式のポジション設定器12の目標値となるように、制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5によりリフトアーム6が上下に揺動駆動される。
【0037】
前述の昇降制御機能及びポジション制御機能において、耕深設定器11の設定耕耘深さに対応する角度センサー13の検出値と、ポジション設定器12の目標値とが比較されて、ポジション設定器12の目標値の方が高い場合、昇降制御機能及び後述するローリング制御機能が停止して(油圧シリンダ8が停止した状態)、ポジション制御機能が作動する。
これにより、ポジション設定器12の目標値に角度センサー13の検出値が一致するように、制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5によりロータリ耕耘装置4が昇降駆動される。従って、ポジション設定器12を操作することにより、耕深設定器11の設定耕耘深さに対応する角度センサー13の検出値よりも高い範囲で、ロータリ耕耘装置4を機体に対して任意の高さに昇降駆動し停止させることができる。
【0038】
次にポジション設定器12を下降側に操作して、ポジション設定器12の目標値が、耕深設定器11の設定耕耘深さに対応する角度センサー13の検出値に一致すると(又は低くなると)、ポジション制御機能が停止し、昇降制御機能及びローリング制御機能が作動する。
これにより、昇降制御手段によって耕深センサー10の検出値が耕深設定器11の設定耕耘深さとなるように、制御弁16が操作されて、油圧シリンダ5によりロータリ耕耘装置4が自動的に昇降駆動される。後述するようにローリング制御機能によって、水平面に対して左右方向に傾斜(又は水平面に平行)した設定角度に、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度が維持されるように、制御弁17が操作されて、油圧シリンダ8によりロータリ耕耘装置4がローリング駆動される。
【0039】
[3]
この農用トラクタでは、水平面に対して左右方向に傾斜(又は水平面に平行)した設定角度に、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度が維持されるように、ロータリ耕耘装置4をローリング駆動するローリング制御機能及び補助ローリング制御機能が、制御装置22に備えられている。
【0040】
図2及び図3に示すように、油圧シリンダ8の作動位置を検出するストロークセンサー14、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出する重錘式の傾斜センサー15が備えられており、ストロークセンサー14の検出値及び傾斜センサー15の検出値が制御装置22に入力されている。水平面に対して維持されるべきロータリ耕耘装置4の左右方向の設定角度を設定する傾斜設定器20が備えられている。傾斜設定器20はダイヤル式であり、水平位置から右下り側及び左下り側に、任意に且つ連続的に設定角度を設定及び変更することができるように構成されている。
【0041】
図3に示すように、機体に対する前車軸ケース19の角度(機体に対して前車軸ケース19が平行な状態から右及び左にどれだけ傾斜しているかの角度)を検出するローリングセンサー25が備えられており、ローリングセンサー25の検出値が制御装置22に入力されている。前輪23及び後輪24への伝動軸(図示せず)の回転数を検出して、機体の走行速度を検出する速度センサー26が備えられており、速度センサー26の検出値が制御装置22に入力されている。
【0042】
機体の進行に伴って地面Gの凹凸や、傾斜の繰り返し(アンジュレーション)等により、機体に対して前車軸ケース19がローリングするのであり、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度は、右及び左の後輪24によって略決まる状態となっている。これにより、機体の進行に伴って地面Gの一つの凹凸により、機体に対して前車軸ケース19がローリングした場合、機体は左右方向に傾斜することは少なく、右及び左の後輪24が前述の地面Gの凹凸に達すると、機体は左右方向に傾斜する状態となる。
【0043】
図6に示すように、ローリング制御機能(図7参照)が作動している状態において、ローリングセンサー25により機体に対して前車軸ケース19がローリングしたことが検出されると(ステップS1)、前車軸ケース19のローリング方向(ローリングする前の状態から、右方向(右の前輪23が下降し左の前輪23が上昇)にローリングしたのか、左方向(右の前輪23が上昇し左の前輪23が下降)にローリングしたのか)が検出され(ステップS2)、速度センサー26により機体の走行速度が検出されて(ステップS3)、ローリングセンサー25の検出値及び機体の走行速度に基づいて、前車軸ケース19のローリング速度が検出される(ステップS4)。
【0044】
前車軸ケース19のローリング速度が、低速領域、中速領域及び高速領域のうちの低速領域にある場合(ステップS5)、ローリング制御機能(図7参照)の作動が続行されて、後述する補助ローリング制御機能は作動しない。図7に示すようにローリング制御機能において、傾斜センサー15の検出値(水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度)が制御装置22に入力されており(ステップS201)、傾斜センサー15の検出値が変化すると(ステップS202)、ストロークセンサー14の検出値(油圧シリンダ8の作動位置)が制御装置22に入力される(ステップS203)。
【0045】
制御装置22においては、機体に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度と、ストロークセンサー14の検出値との関係が事前にマップデータとして記憶されており、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度(傾斜センサー15の検出値及びマップデータから演算可能)を、設定角度(傾斜設定器20で設定される)に維持する為の油圧シリンダ8の作動位置が、マップデータから演算され(ステップS204)。これによって、制御装置22により制御弁17が操作されて、前述の作動位置に油圧シリンダ8が作動するのであり、ロータリ耕耘装置4がローリング駆動されて、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持される(ステップS205)。
【0046】
[4]
図1に示すように、例えば右(又は左)の前輪23の前方の地面Gに比較的大きな凹部Aが存在していたとすると、機体の進行に伴って右(又は左)の前輪23が凹部Aに入り込み前車軸ケース19が右方向(又は左方向)にローリングし(機体は右方向(又は左方向)には傾斜しない)、右(又は左)の前輪23が凹部Aを通過した後に、右(又は左)の後輪24が凹部Aに入り込んで機体及びロータリ耕耘装置4が右方向(又は左方向)に傾斜すると言う状態となる。
【0047】
図6に示すように、右(又は左)の前輪23が凹部Aに入り込んで前車軸ケース19が右方向(又は左方向)にローリングした際に、前車軸ケース19のローリング速度が検出されることは(ステップS4)、凹部Aの前斜面A1の傾斜が検出されることを意味している。これにより、前車軸ケース19のローリング速度が速いと、凹部Aの前斜面A1が急斜面であることを意味しており、前車軸ケース19のローリング速度が遅いと、凹部Aの前斜面A1が緩斜面であることを意味している。
【0048】
これにより例えば図4(イ)に示すように、地面G及び機体の左右方向が水平面と平行で、傾斜設定器20の設定角度が水平面(地面G)と平行に設定され、水平面(地面G)に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度が、設定角度(水平面(地面G))に維持されるように、図7に示すローリング制御機能が作動していたとする。
【0049】
この状態で例えば右の前輪23が凹部Aに入り込んで、前車軸ケース19が右方向にローリングし(ステップS1〜S4)、前車軸ケース19のローリング速度が、低速領域、中速領域及び高速領域のうちの中速領域にある場合(ステップS5)、機体の走行速度に基づいて油圧シリンダ8の先行作動の開始タイミングが演算される(ステップS6)。この時点では図4(イ)に示すように、機体に対して前車軸ケース19が右方向にローリングするだけで、機体は右方向にはあまり傾斜しない。
【0050】
機体の進行に伴って開始タイミングに達すると(ステップS7)(凹部Aに右の後輪24が達する少し前の状態)、図7に示すローリング制御機能が停止し(ステップS8)、油圧シリンダ8の先行作動が開始される(ステップS9)。前述のように前車軸ケース19が右方向にローリングした場合、この後(右の後輪24が凹部Aに入り込むと)、機体は右方向に傾斜することになるので(機体の右の傾斜予定方向)、油圧シリンダ8が収縮作動を開始して、機体に対してロータリ耕耘装置4が左方向にローリング駆動され始める。
これにより図4(ロ)に示すように、機体は水平面(地面G)に対して平行であるのに、水平面(地面G)に対してロータリ耕耘装置4が左方向にローリング駆動され始める状態となる。
【0051】
次に機体の進行に伴って右の後輪24が凹部Aに入り込み、図4(ハ)に示すように機体が右方向に傾斜すると(ステップS10)、図7に示すローリング制御機能の作動が開始される(ステップS11)。これにより、右の後輪24が地面Gの凹部Aに入り込んで機体が右方向に傾斜した際の傾斜センサー15の検出値が、制御装置22に入力され(ステップS12)、図7に示すステップS203に移行して、この後はローリング制御機能に基づいて、図4(ニ)に示すように水平面(地面G)に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度が、設定角度(水平面(地面G))に維持されるように、油圧シリンダ8が作動される(ステップS203〜S205)。
【0052】
この場合、例えば図4(ロ)及びステップS9で油圧シリンダ8の先行作動(収縮作動)が開始されて、機体に対してロータリ耕耘装置4が左方向にローリング駆動され始めた後、図4(ハ)に示すように右の後輪24が地面Gの凹部Aに入り込み機体が右方向に傾斜した際、これに伴ってロータリ耕耘装置4が水平面(地面G)を通過して右方向に傾斜するように、ステップS6,S7の開始タイミング、及びステップS9の油圧シリンダ8の先行作動の速度が少し遅い目に設定されている。
【0053】
従って、この後に右の後輪24が凹部Aに入り込んで、機体が右方向に傾斜して、ローリング制御機能の作動が開始された際(ステップS11)、ステップS9での油圧シリンダ8の先行作動(収縮作動)が、見掛け上そのまま継続される状態となり、機体に対してロータリ耕耘装置4が左方向にローリング駆動される状態となって、図4(ハ)から図4(ニ)に示すように、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度が、設定角度(水平面(地面G))に戻される。
【0054】
[5]
前項[4]に記載のように例えば右の前輪23が凹部Aに入り込んで、前車軸ケース19が右方向にローリングした際、ステップS4において検出された前車軸ケース19のローリング速度が低速領域、中速領域及び高速領域のうちの高速領域にある場合(ステップS5)、機体の走行速度に基づいて油圧シリンダ8の停止の開始タイミング及び終了タイミングが演算される(ステップS13)。
【0055】
機体の進行に伴って開始タイミングに達すると(ステップS14)(凹部Aに右の後輪24が達する少し前の状態)、図7に示すローリング制御機能が停止して(ステップS15)、油圧シリンダ8が停止されるのであり(ステップS16)、前項[4]に記載のような油圧シリンダ8の先行作動は行われず、右の後輪24が凹部Aに入り込んでも、油圧シリンダ8は停止したままでローリング制御機能は作動を開始しない。
次に機体の進行に伴って終了タイミングに達すると(ステップS17)(右の後輪24が凹部Aを通過した状態)、ローリング制御機能が作動を開始して(ステップS18)、ステップS201に移行する。
【0056】
[発明の実施の第1別形態]
図6におけるステップS1〜S5を、図8に示すステップS21〜S25に置き換えるように構成してもよい。
図8においてステップS21,S22,S23は図6のステップS1,S2,S3と同じであるが、ステップS24においてローリングセンサー25により、前車軸ケース19のローリング量(前車軸ケース19がローリングする前の状態から、右又は左方向にどれだけの角度だけローリングしたのか)が検出される。
この場合、前車軸ケース19のローリング量は図9に示す凹部Aの深さDを意味している。
【0057】
これにより、図7に示すローリング制御機能が作動している状態において、前車軸ケース19が右又は左方向にローリングした際、ステップS24において検出された前車軸ケース19のローリング量が、小領域(図1に示す凹部Aの深さDが浅い状態)、中領域及び大領域(図1に示す凹部Aの深さDが深い状態)のうちの大領域にあると(ステップS25)、図6のステップS6に移行する。中領域にあると(ステップS25)、ステップS21に移行し、小領域にあると(ステップS25)、図6のステップS13に移行する。
【0058】
図8に示す構成において、ステップS24で検出された前車軸ケース19のローリング量に大領域であると(ステップS25)、図6のステップS13に移行し、小領域にあると(ステップS25)、図6のステップS6に移行するように構成してもよい。
【0059】
[発明の実施の第2別形態]
図6におけるステップS1〜S5を、図9に示すステップS31〜S35に置き換えるように構成してもよい。
図9においてステップS31,S32,S33は、図6のステップS1,S2,S3と同じであるが、ステップS34においてローリングセンサー25及びタイマー(図示せず)により、前車軸ケース19のローリングした状態の時間(前車軸ケース19が右又は左方向にローリングしてから元の状態に戻るまでの時間)が検出される。この場合、前車軸ケース19のローリングした状態の時間は図1に示す凹部Aの底部A2の長さLを意味している。
【0060】
これにより、図7に示すローリング制御機能が作動している状態において、前車軸ケース19が右又は左方向にローリングした際に、ステップS34において検出された前車軸ケース19のローリングした状態の時間が、短領域(図1に示す凹部Aの底部A2の長さLが短い状態)、中領域及び長領域(図 に示すの凹部Aの底部A2の長さLが長い状態)のうちの長領域にあると(ステップS35)、図6のステップS6に移行する。中領域にあると(ステップS35)、ステップS31に移行し、短領域にあると(ステップS35)、図6のステップS13に移行する。
【0061】
図9に示す構成において、ステップS24で検出された前車軸ケース19のローリングした状態の時間が長領域にあると(ステップS35)、図6のステップS13に移行し、短領域にあると(ステップS35)、図6のステップS6に移行するように構成してもよい。
【0062】
[発明の実施の第3別形態]
図6のステップS1〜S18、図8のステップS21〜S25及び図9のステップS31〜S35に代えて、図10に示すように構成してもよい。
図10に示すように、ローリング制御機能(図7参照)が作動している状態において、ローリングセンサー25により機体に対して前車軸ケース19がローリングしたことが検出されると(ステップS41)、前車軸ケース19のローリング方向が検出され(ステップS42)、速度センサー26により機体の走行速度が検出されるのであり(ステップS43)、ローリングセンサー25の検出値及び機体の走行速度に基づいて、前車軸ケース19のローリング速度が検出され(ステップS44)、機体の走行速度に基づいて油圧シリンダ8の先行作動の開始タイミングが演算される(ステップS45)。
【0063】
ステップS44で検出された前車軸ケース19のローリング速度が低速領域、中速領域及び高速領域のうちの中速領域にある場合(ステップS46)、この後に行われる油圧シリンダ8の先行作動の速度が中速に設定される(ステップS47)。ステップS44で検出された前車軸ケース19のローリング速度が高速領域にあると(ステップS46)、ステップS45で演算された開始タイミングが少し早いものに変更されて(ステップS48)、この後に行われる油圧シリンダ8の先行作動の速度が高速に設定される(ステップS49)。ステップS44で検出された前車軸ケース19のローリング速度に低速領域にあると(ステップS46)、ステップS45で演算された開始タイミングが少し遅いものに変更されて(ステップS50)、この後に行われる油圧シリンダ8の先行作動の速度が低速に設定される(ステップS51)。
【0064】
機体の進行に伴ってステップS45,S48,S50で演算された開始タイミングに達すると(ステップS52)(例えば図1に示す凹部Aに右又は左の後輪24が達する少し前の状態)、図7に示すローリング制御機能が停止し(ステップS53)、ステップS47,S49,S51で設定された先行作動の速度に基づいて、油圧シリンダ8の先行作動が開始される(ステップS54)。次に機体の進行に伴って例えば図1に示す凹部Aに右又は左の後輪24が入り込み、機体が右又は左方向に傾斜すると(ステップS55)、図7に示すローリング制御機能の作動が開始される(ステップS56)。これにより、機体が右又は左方向に傾斜した際の傾斜センサー15の検出値が、制御装置22に入力され(ステップS57)、図7のステップS203に移行して、この後はローリング制御機能に基づいて、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度が、設定角度に維持されるように、油圧シリンダ8が作動される(ステップS203〜S205)。
【0065】
図10に示す構成において、ステップS46で検出された前車軸ケース19のローリング速度が、高速領域にあるとステップS50に移行し、低速領域にあるとステップS48に移行するように構成してもよい。
前述の[発明の実施の形態]の図6に示す構成において、ステップS6を図10のステップS45〜S51に置き換えてもよい。これにより図6に示す構成において、油圧シリンダ8の先行作動が行われる前車軸ケース19のローリング速度が中速領域にある場合に、中速領域での前車軸ケース19のローリング速度に応じて、開始タイミング及び油圧シリンダ8の先行作動の速度が設定される。
前述の[発明の実施の第1別形態]の図8のステップS25(前車軸ケース19のローリング量が大領域にある場合)、及び前述の[発明の実施の第2別形態]の図9のステップS35(前車軸ケース19のローリングした状態の時間が長領域にある場合)から、図6のステップS6に移行する際、前述の図10のステップS46〜S51が行われるように構成してもよい。
【0066】
[発明の実施の第4別形態]
図10におけるステップS41〜S46を、図11に示すステップS61〜S66に置き換えるように構成してもよい。
図11においてステップS61,S62,S63,S65は、図10のステップS41,S42,S43,S45と同じであるが、ステップS64においてローリングセンサー25により、前車軸ケース19のローリング量(前車軸ケース19がローリングする前の状態から、右又は左方向にどれだけの角度だけローリングしたのか)が検出される。この場合、前車軸ケース19のローリング量は図1に示す凹部Aの深さDを意味している。
【0067】
これにより図7に示すローリング制御機能が作動している状態において、前車軸ケース19が右又は左方向にローリングした際、ステップS64において検出された前車軸ケース19のローリング量が、小領域(図1に示す凹部Aの深さDが浅い状態)、中領域及び大領域(図1に示す凹部Aの深さDが深い状態)のうちの大領域にあると(ステップS66)、図10のステップS48に移行する。
中領域にあると(ステップS66)、図10のステップS47に移行して、小領域にあると(ステップS66)、図10のステップS50に移行する。
【0068】
図11に示す構成において、ステップS64で検出された前車軸ケース19のローリング量が大領域にあると(ステップS66)、図10のステップS50に移行し、小領域にあると(ステップS66)、図10のステップS48に移行するように構成してもよい。
前述の[発明の実施の第3別形態]に記載のように、[発明の実施の形態]の図6のステップS6を図10のステップS45〜S51に置き換えた場合、前車軸ケース19のローリング速度ではなく、図11のステップS64,S66のように前車軸ケース19のローリング量に基づいて、図10のステップS47,S48,S50に移行するように構成してもよい。これにより、図6に示す構成において、油圧シリンダ8の先行作動が行われる前車軸ケース19のローリング速度が中速領域にある場合に、中速領域での前車軸ケース19のローリング量に応じて、開始タイミング及び油圧シリンダ8の先行作動の速度が設定される。
【0069】
前述の[発明の実施の第1別形態]の図8のステップS25(前車軸ケース19のローリング量が大領域にある場合)、及び前述の[発明の実施の第2別形態]の図9のステップS35(前車軸ケース19のローリングした状態の時間が長領域にある場合)から、図6のステップS6に移行する際、前述のように前車軸ケース19のローリング量に応じて、開始タイミング及び油圧シリンダ8の先行作動の速度が設定されるように構成してもよい。
【0070】
[発明の実施の第5別形態]
図10におけるステップS41〜S46を、図12に示すステップS71〜S76に置き換えるように構成してもよい。
図12においてステップS71,S72,S73,S75は、図10のステップS41,S42,S43,S45と同じであるが、ステップS74においてローリングセンサー25及びタイマー(図示せず)により、前車軸ケース19のローリングした状態の時間(前車軸ケース19が右又は左方向にローリングしてから元の状態に戻るまでの時間)が検出される。この場合に、前車軸ケース19のローリングした状態の時間は図1に示す凹部Aの底部A2の長さLを意味している。
【0071】
これにより図7に示すローリング制御機能が作動している状態において、前車軸ケース19が右又は左方向にローリングした際、ステップS74において検出された前車軸ケース19のローリングした状態の時間が、短領域(図1に示す凹部Aの底部A2の長さLが短い状態)、中領域及び長領域(図1に示す凹部Aの底部A2の長さLが長い状態)のうちの長領域にあると(ステップS76)、図10のステップS48に移行する。中領域にあると(ステップS76)、図10のステップS47に移行し、短領域にあると(ステップS76)、図10のステップS50に移行する。
【0072】
図12に示す構成において、ステップS74で検出された前車軸ケース19のローリングした状態の時間が長領域にあると(ステップS75)、図10のステップS50に移行し、短領域にあると(ステップS76)、図10のステップS48に移行するように構成してもよい。
【0073】
前述の[発明の実施の第3別形態]に記載のように、[発明の実施の形態]の図6のステップS6を図10のステップS45〜S51に置き換えた場合、前車軸ケース19のローリング速度ではなく、図12のステップS74,S76のように前車軸ケース19がローリングした状態の時間に基づいて、図10のステップS47,S48,S50に移行するように構成してもよい。これにより、図6に示す構成において、油圧シリンダ8の先行作動が行われる前車軸ケース19のローリング速度が中速領域にある場合に、中速領域での前車軸ケース19のローリングした状態の時間に応じて、開始タイミング及び油圧シリンダ8の先行作動の速度が設定される。
【0074】
前述の[発明の実施の第1別形態]の図8のステップS25(前車軸ケース19のローリング量が大領域にある場合)、及び前述の[発明の実施の第2別形態]の図9のステップS35(前車軸ケース19のローリングした状態の時間が長領域にある場合)から、図6のステップS6に移行する際、前述のように前車軸ケース19のローリングした状態の時間に応じて、開始タイミング及び油圧シリンダ8の先行作動の速度が設定されるように構成してもよい。
【0075】
[発明の実施の第6別形態]
図10におけるステップS41〜S46を、図13に示すステップS81〜S87に置き換えるように構成してもよい。
図13に示すように、ローリング制御機能(図7参照)が作動している状態において、例えば図1に示すような凹部Aに右又は左の前輪23が入り込んで、ローリングセンサー25により機体に対して前車軸ケース19が右又は左方向にローリングしたことが検出されると(ステップS81)、前車軸ケース19のローリング方向が検出され(ステップS82)、速度センサー26により機体の走行速度が検出される(ステップS83)。
【0076】
次に右又は左の前輪23が凹部Aから出て、前車軸ケース19が逆方向にローリングすると(ステップS84)、ローリングセンサー25の検出値及び機体の走行速度に基づいて、前車軸ケース19のローリング速度が検出され(ステップS85)、機体の走行速度に基づいて油圧シリンダ8の先行作動の開始タイミングが演算される(ステップS86)。この場合、前車軸ケース19のローリング速度が速いと、凹部Aの後斜面A3が急斜面であることを意味しており、前車軸ケース19のローリング速度が遅いと、凹部Aの後斜面A3が緩斜面であることを意味している。
【0077】
これにより図7に示すローリング制御機能が作動している状態において、右又は左の前輪23が凹部Aから出た際の前車軸ケース19のローリング速度が、低速領域、中速領域及び高速領域のうちの高速領域にあると(ステップS87)、図10のステップS48に移行する。中速領域にあると(ステップS87)、図10のステップS47に移行し、低速領域にあると(ステップS87)、図10のステップS50に移行する。
【0078】
図13に示す構成において、ステップS85で検出された前車軸ケース19のローリング速度が高速領域にあると(ステップS87)、図10のステップS50に移行し、低速領域にあると(ステップS87)、図10のステップS48に移行するように構成してもよい。
【0079】
前述の[発明の実施の第3別形態]に記載のように、[発明の実施の形態]の図6のステップS6を図10のステップS45〜S51に置き換えた場合、凹部Aの前斜面A1の傾斜による前車軸ケース19のローリング速度ではなく、図13のステップS85,S87のように凹部Aの後斜面A3の傾斜による前車軸ケース19のローリング速度に基づいて、図10のステップS47,S48,S50に移行するように構成してもよい。これにより、図6に示す構成において、油圧シリンダ8の先行作動が行われる前車軸ケース19のローリング速度(凹部Aの前斜面A1に傾斜によるもの)が中速領域にある場合に、凹部Aの後斜面A3の傾斜による前車軸ケース19のローリング速度に応じて、開始タイミング及び油圧シリンダ8の先行作動の速度が設定される。
【0080】
前述の[発明の実施の第1別形態]の図8のステップS25(前車軸ケース19のローリング量が大領域にある場合)、及び前述の[発明の実施の第2別形態]の図9のステップS35(前車軸ケース19のローリングした状態の時間が長領域にある場合)から、図6のステップS6に移行する際、前述のように凹部Aの後斜面A3の傾斜による前車軸ケース19のローリング速度に応じて、開始タイミング及び油圧シリンダ8の先行作動の速度が設定されるように構成してもよい。
【0081】
[発明の実施の第7別形態]
ロータリ耕耘装置4に換えてプラウ装置(図示せず)を作業装置として、トップリンク1及びロアリンク2に連結するように構成してもよい。
図7のステップS203,S204,S205において、ストロークセンサー14の検出値(油圧シリンダ8の作動位置)に基づいて、機体に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度を検出し、機体に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度と、傾斜センサー15の検出値とにより、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度を検出して、水平面に対するロータリ耕耘装置4の左右方向の傾斜角度が、傾斜設定器20の設定角度に維持されるように、油圧シリンダ8を作動させるように構成してもよい。
【0082】
【発明の効果】
請求項1の特徴によると、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサー、アクチュエータの作動位置を検出する位置センサーを備え、傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づいて、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持されるように、アクチュエータにより作業装置をローリング駆動する制御手段を備えた作業車のローリング制御構造において、前車軸ケースがローリング自在に支持された構造を有効に利用し、機体が傾斜する前に、アクチュエータにより作業装置を機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向にローリング駆動し始める補助制御手段を備えることにより、機体が傾斜してから、水平面に対する作業装置の左右方向の傾斜角度を、遅れずに設定角度に戻すことができるようになって、作業装置のローリング駆動性能を向上させることができた。
【0083】
【0084】
請求項1の特徴によると、前車軸ケースのローリング速度が高速領域にある場合のように、補助制御手段及び制御手段を無理に作動させることにより、作業装置のローリング駆動が安定しなくなると言う状態の場合に、補助制御手段及び制御手段の作動を阻止することによって、作業装置のローリング駆動が安定しなくなると言う状態を避けて、作業装置のローリング駆動性能を向上させることができた。
【0085】
【0086】
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項2の特徴によると、前車軸ケースのローリング量に応じて、補助制御手段及び制御手段の作動が許容される状態、補助制御手段の作動が阻止され制御手段の作動が許容される状態、並びに、補助制御手段及び制御手段の作動が阻止される状態のうち、適切な状態が選択されるようにすることが可能になって、作業装置のローリング駆動性能を向上させることができた。
【0087】
請求項3の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項3の特徴によると前車軸ケースがローリングした状態の時間に応じて、補助制御手段及び制御手段の作動が許容される状態、補助制御手段の作動が阻止され制御手段の作動が許容される状態、並びに、補助制御手段及び制御手段の作動が阻止される状態のうち、適切な状態が選択されるようにすることが可能になって、作業装置のローリング駆動性能を向上させることができた。
【0088】
請求項4の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項4の特徴によると、前車軸ケースのローリング速度に応じて、補助制御手段の作動開始の時期を適切なものに設定することが可能になり、作業装置のローリング駆動性能を向上させることができた。
【0089】
請求項5の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項5の特徴によると、前車軸ケースのローリング量に応じて、補助制御手段の作動開始の時期を適切なものに設定することが可能になり、作業装置のローリング駆動性能を向上させることができた。
【0090】
請求項6の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項6の特徴によると前車軸ケースがローリングした状態の時間に応じて、補助制御手段の作動開始の時期を適切なものに設定することが可能になり、作業装置のローリング駆動性能を向上させることができた。
【0091】
請求項7の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項7の特徴によると、前車軸ケースが元の姿勢側にローリングした際のローリング速度に応じて、補助制御手段の作動開始の時期を適切なものに設定することが可能になって、作業装置のローリング駆動性能を向上させることができた。
【0092】
請求項8の特徴によると、請求項4〜7のうちのいずれか一つの場合と同様に請求項4〜7の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項8の特徴によれば、補助制御手段の作動開始が早まると、補助制御手段によるアクチュエータの作動速度が高速側に設定され、補助制御手段の作動開始が遅れると、補助制御手段によるアクチュエータの作動速度が低速側に設定されると言うように、補助制御手段の作動開始の時期に応じてアクチュエータの作動速度を適切なものに設定することが可能になって、作業装置のローリング駆動性能を向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 農用トラクタ及びロータリ耕耘装置の全体側面図
【図2】 農用トラクタの後部及びロータリ耕耘装置の斜視図
【図3】 昇降制御機能、ポジション制御機能及びローリング制御機能のブロック図
【図4】 ローリング制御機能において機体及びロータリ耕耘装置の状態を示す背面図
【図5】 ローリング制御機能において水平面に対する機体及びロータリ耕耘装置の左右方向の傾斜角度の状態を示す図
【図6】 補助ローリング制御機能の制御の流れを示す図
【図7】 ローリング制御機能の制御の流れを示す図
【図8】 発明の実施の第1別形態において補助ローリング制御機能に関する制御の流れを示す図
【図9】 発明の実施の第2別形態において補助ローリング制御機能に関する制御の流れを示す図
【図10】 発明の実施の第3別形態において補助ローリング制御機能に関する制御の流れを示す図
【図11】 発明の実施の第4別形態において補助ローリング制御機能に関する制御の流れを示す図
【図12】 発明の実施の第5別形態において補助ローリング制御機能に関する制御の流れを示す図
【図13】 発明の実施の第6別形態において補助ローリング制御機能に関する制御の流れを示す図
【符号の説明】
4 作業装置
8 アクチュエータ
14 位置センサー
15 傾斜センサー
19 前車軸ケース
23 前輪
25 ローリングセンサー
P1 軸芯
Claims (8)
- 機体の後部に作業装置をローリング自在に連結し、機体に対して前記作業装置をローリング駆動するアクチュエータと、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサーと、前記アクチュエータの作動位置を検出する位置センサーとを備えて、
前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づいて、水平面に対する前記作業装置の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持されるように、前記アクチュエータを作動させる制御手段を備えると共に、
右及び左の前輪を支持する前車軸ケースを機体前後方向の軸芯周りにローリング自在に支持し、機体に対する前記前車軸ケースのローリングを検出するローリングセンサーを備えて、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出されると、前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づく前記制御手段の作動に先行して、機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向に、前記アクチュエータによる前記作業装置のローリング駆動を開始させる補助制御手段を備え、この補助制御手段によるアクチュエータの作動開始タイミングを、機体の走行速度に基いて、前記前車軸ケースのローリングが検出された後で前記傾斜センサーによる機体の傾斜が検出される少し前であるように設定してあるとともに、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出された際、前記前車軸ケースのローリング速度が低速領域、中速領域及び高速領域のうちの高速領域にあると、前記補助制御手段及び制御手段の作動が阻止されるように構成してある作業車のローリング制御構造。 - 機体の後部に作業装置をローリング自在に連結し、機体に対して前記作業装置をローリング駆動するアクチュエータと、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサーと、前記アクチュエータの作動位置を検出する位置センサーとを備えて、
前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づいて、水平面に対する前記作業装置の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持されるように、前記アクチュエータを作動させる制御手段を備えると共に、
右及び左の前輪を支持する前車軸ケースを機体前後方向の軸芯周りにローリング自在に支持し、機体に対する前記前車軸ケースのローリングを検出するローリングセンサーを備えて、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出されると、前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づく前記制御手段の作動に先行して、機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向に、前記アクチュエータによる前記作業装置のローリング駆動を開始させる補助制御手段を備え、この補助制御手段によるアクチュエータの作動開始タイミングを、機体の走行速度に基いて、前記前車軸ケースのローリングが検出された後で前記傾斜センサーによる機体の傾斜が検出される少し前であるように設定してあるとともに、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出された際、前記前車軸ケースのローリング量に応じて、前記補助制御手段及び制御手段の作動が許容される状態、前記補助制御手段の作動が阻止され前記制御手段の作動が許容される状態、並びに、前記補助制御手段及び制御手段の作動が阻止される状態のうちの何れかが選択されるように構成してある作業車のローリング制御構造。 - 機体の後部に作業装置をローリング自在に連結し、機体に対して前記作業装置をローリング駆動するアクチュエータと、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサーと、前記アクチュエータの作動位置を検出する位置センサーとを備えて、
前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づいて、水平面に対する前記作業装置の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持されるように、前記アクチュエータを作動させる制御手段を備えると共に、
右及び左の前輪を支持する前車軸ケースを機体前後方向の軸芯周りにローリング自在に支持し、機体に対する前記前車軸ケースのローリングを検出するローリングセンサーを備えて、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出されると、前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づく前記制御手段の作動に先行して、機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向に、前記アクチュエータによる前記作業装置のローリング駆動を開始させる補助制御手段を備え、この補助制御手段によるアクチュエータの作動開始タイミングを、機体の走行速度に基いて、前記前車軸ケースのローリングが検出された後で前記傾斜センサーによる機体の傾斜が検出される少し前であるように設定してあるとともに、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出された際、前記前車軸ケースがローリングした状態の時間に応じて、前記補助制御手段及び制御手段の作動が許容される状態、前記補助制御手段の作動が阻止され前記制御手段の作動が許容される状態、並びに、前記補助制御手段及び制御手段の作動が阻止される状態のうちの何れかが選択されるように構成してある作業車のローリング制御構造。 - 機体の後部に作業装置をローリング自在に連結し、機体に対して前記作業装置をローリング駆動するアクチュエータと、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサーと、前記アクチュエータの作動位置を検出する位置センサーとを備えて、
前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づいて、水平面に対する前記作業装置の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持されるように、前記アクチュエータを作動させる制御手段を備えると共に、
右及び左の前輪を支持する前車軸ケースを機体前後方向の軸芯周りにローリング自在に支持し、機体に対する前記前車軸ケースのローリングを検出するローリングセンサーを備えて、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出されると、前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づく前記制御手段の作動に先行して、機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向に、前記アクチュエータによる前記作業装置のローリング駆動を開始させる補助制御手段を備え、この補助制御手段によるアクチュエータの作動開始タイミングを、機体の走行速度に基いて、前記前車軸ケースのローリングが検出された後で前記傾斜センサーによる機体の傾斜が検出される少し前であるように設定してあるとともに、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出された際、前記前車軸ケースのローリング速度に応じて、前記補助制御手段の作動開始が早まったり遅れたりするように構成してある作業車のローリング制御構造。 - 機体の後部に作業装置をローリング自在に連結し、機体に対して前記作業装置をローリング駆動するアクチュエータと、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサーと、前記アクチュエータの作動位置を検出する位置センサーとを備えて、
前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づいて、水平面に対する前記作業装置の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持されるように、前記アクチュエータを作動させる制御手段を備えると共に、
右及び左の前輪を支持する前車軸ケースを機体前後方向の軸芯周りにローリング自在に支持し、機体に対する前記前車軸ケースのローリングを検出するローリングセンサーを備えて、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出されると、前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づく前記制御手段の作動 に先行して、機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向に、前記アクチュエータによる前記作業装置のローリング駆動を開始させる補助制御手段を備え、この補助制御手段によるアクチュエータの作動開始タイミングを、機体の走行速度に基いて、前記前車軸ケースのローリングが検出された後で前記傾斜センサーによる機体の傾斜が検出される少し前であるように設定してあるとともに、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出された際、前記前車軸ケースのローリング量に応じて、前記補助制御手段の作動開始が早まったり遅れたりするように構成してある作業車のローリング制御構造。 - 機体の後部に作業装置をローリング自在に連結し、機体に対して前記作業装置をローリング駆動するアクチュエータと、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサーと、前記アクチュエータの作動位置を検出する位置センサーとを備えて、
前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づいて、水平面に対する前記作業装置の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持されるように、前記アクチュエータを作動させる制御手段を備えると共に、
右及び左の前輪を支持する前車軸ケースを機体前後方向の軸芯周りにローリング自在に支持し、機体に対する前記前車軸ケースのローリングを検出するローリングセンサーを備えて、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出されると、前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づく前記制御手段の作動に先行して、機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向に、前記アクチュエータによる前記作業装置のローリング駆動を開始させる補助制御手段を備え、この補助制御手段によるアクチュエータの作動開始タイミングを、機体の走行速度に基いて、前記前車軸ケースのローリングが検出された後で前記傾斜センサーによる機体の傾斜が検出される少し前であるように設定してあるとともに、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出された際、前記前車軸ケースがローリングした状態の時間に応じて、前記補助制御手段の作動開始が早まったり遅れたりするように構成してある作業車のローリング制御構造。 - 機体の後部に作業装置をローリング自在に連結し、機体に対して前記作業装置をローリング駆動するアクチュエータと、水平面に対する機体の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサーと、前記アクチュエータの作動位置を検出する位置センサーとを備えて、
前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づいて、水平面に対する前記作業装置の左右方向の傾斜角度が設定角度に維持されるように、前記アクチュエータを作動させる制御手段を備えると共に、
右及び左の前輪を支持する前車軸ケースを機体前後方向の軸芯周りにローリング自在に支持し、機体に対する前記前車軸ケースのローリングを検出するローリングセンサーを備えて、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出されると、前記傾斜センサーの検出値及び位置センサーの検出値に基づく前記制御手段の作動に先行して、機体の右又は左の傾斜予定方向とは逆方向に、前記アクチュエータによる前記作業装置のローリング駆動を開始させる補助制御手段を備え、この補助制御手段によるアクチュエータの作動開始タイミングを、機体の走行速度に基いて、前記前車軸ケースのローリングが検出された後で前記傾斜センサーによる機体の傾斜が検出される少し前であるように設定してあるとともに、
前記ローリングセンサーにより機体に対する前記前車軸ケースのローリングが検出されてから、前記前車軸ケースが元の姿勢側にローリングする際、前記前車軸ケースの元の姿勢側へのローリング速度に応じて、前記補助制御手段の作動開始が早まったり遅れたりするように構成してある作業車のローリング制御構造。 - 前記補助制御手段の作動開始が早まると、前記補助制御手段による前記アクチュエータの作動速度が高速側になり、前記補助制御手段の作動開始が遅れると、前記補助制御手段による前記アクチュエータの作動速度が低速側になるように構成してある請求項4〜7のうちの何れか一つに記載の作業車のローリング制御構造。
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