JP3641470B2 - アクチュエータの荷重検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する利用分野】
本発明は、アクチュエータの荷重検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば圧力調整器などには、図12に示すような減圧弁51が用いられている。この減圧弁51は、一次室52から二次室53へ流入する流体(液体、ガスなど)の流体圧を減圧調整するために設けられている。一次室52には、シート54がスプリング55に付勢されて弁(ノズル)56を閉止している。二次室53には弁56を通過した流体の二次圧力を受けるダイヤフラム57が設けられている。このダイヤフラム57には、その動きをシート54に伝達するステム58及び該ステム58を変位させるアクチュエータ59が設けられている。
【0003】
上記アクチュエータ59としては、ソレノイド、モータ又は圧電素子を用いた圧電アクチュエータが用いられる。圧電アクチュエータは、ソレノイド、モータよりも応答が早いため、圧力変動に高速対応する圧力調整器に使用されている。またアクチュエータ59に作用する圧力変動を圧力センサ61により監視ながら、制御部60はアクチュエータ59を変位させる設定圧力信号を制御している。圧力センサ61としては、機械式センサ(例えばブルドン管タイプ、ベローズタイプ、ダイヤフラムタイプなど)、電子式センサ(ピエゾ抵抗式タイプ、薄膜式タイプ、容量タイプなど)の目的に応じて様々な方式のセンサが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
圧力センサ61は、電極用メタライズペーストが印刷されたグリーンシートが圧電材料層の両側に積層されて熱間プレスにより焼成されている。このグリーンシートより引き出される信号線は、圧電材料に蓄積された電荷量を電圧値として直接検出するため、圧力センサ61の電極部に接続される電線を通じて、検出電圧のレベルがノイズに対して感度良く取り出せるか否かが問われる。センシングの感度、即ちS/N比(信号対雑音比)を向上させるためには、信号線の長さや形状(ツイストされているか)、或いはシールドの有無などの工夫が要求される。
【0005】
また、圧電材料は、分極処理されている場合或いは分極処理されていない場合のいずれの場合にも温度依存性が高く、キュリー温度近傍では駆動電圧−変位特性が不安定になる。このため、荷重検出精度を高めるためには何らかの温度補償をすることが必要となる。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、アクチュエータ部の応力変動をセンサ部の静電容量の変化を発振周波数の変化として検出し、センサ部の検出感度がノイズや温度条件に影響され難く、信号処理がし易いアクチュエータの荷重検出方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次の構成を備える。
第1の手段は、電極が形成された圧電材料層を有するアクチュエータ部とセンサ部とが絶縁材料層を介して積層されてなるアクチュエータの荷重検出方法において、前記アクチュエータ部に作用した応力変動を発振回路の一部を構成する前記センサ部の静電容量変化として検出し、該センサ部の静電容量で定まる時定数で発振する発振周波数をカウントし、サンプルホールドされたカウント値からカウンタ変化分の累積値を求めて荷重に換算することにより検出荷重を検出することを特徴とする。
【0008】
また第2の手段は、電極が形成された圧電材料層を有するアクチュエータ部とセンサ部とが絶縁材料層を介して積層されてなるアクチュエータの荷重検出方法において、前記アクチュエータ部に作用した応力変動を第1の発振回路の一部を構成する検出センサ部の静電容量変化として検出し、温度変化のみに基づく圧電材料層の応力変動を第2の発振回路の一部を構成する補償センサ部の静電容量変化として検出し、各センサ部の静電容量で定まる時定数で発振する発振周波数を各々カウントしたカウント値どうしの差分とって得られたカウント値を荷重に換算することにより検出荷重を検出することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。本実施例では、アクチュエータ部及びセンサ部に圧電材料を用いた圧電アクチュエータの荷重検出方法について説明する。
[第1実施例]
図1は第1実施例に係るアクチュエータの荷重検出回路の構成を示すブロック図、図2はセンサー部に接続された発振回路の説明図、図3は圧電アクチュエータの説明図、図4(a)(b)は駆動系及びアクチュエータ単体の荷重−変位特性のグラフ図及び駆動電圧波形のグラフ図、図5はアクチュエータの荷重検出回路を備えた圧力調整器の説明図である。
【0010】
先ず、圧電アクチュエータの構成について図3を参照して説明する。
図3において、1は圧電アクチュエータであり、電極部が形成された圧電材料層を有するアクチュエータ部2とセンサ部3とが絶縁材料よりなる絶縁材料層4を介して積層されてなる。アクチュエータ部2及びセンサ部3には、圧電セラミックスが単層若しくは複数積層されてなる。アクチュエータ部2の電極部には、外部より電界を加えるための電線5が接続されている。また、センサ部3は、圧電セラミックス(センサ用セラミックス)6が金属層3aに挟まれて形成されている。金属層3aは導電性を有する金属板若しくは金属箔などが好適に用いられる。金属層3aには圧電セラミックス6の電圧変化(静電容量の変化)に基づく信号電圧を取り出す電線3bが接続されている。センサ部3の電線3bは後述するように、当該センサ部3の有する静電容量で定まる時定数で発振する発振回路7の一部として接続されている。
【0011】
上述した圧電セラミックスには、例えばPZT(ジルコンチタン酸鉛)系の圧電材料が好適に用いられ、分極処理されたものや分極処理されていないものの何れもが用いられる。これらのうち、分極処理された圧電セラミックスは、強誘電体性セラミックスが分極処理されたものであり、外部から電界を加えることにより自発分極の方向を揃える特性を有する。そして、圧電効果として機械的応力が加わると、応力に比例した電気分極を生じて電界が発生し、電界を加えられ電気分極を起こさせると電界に比例した歪みを生ずる。
【0012】
圧電セラミックスは、熱的な条件が一定のとき圧電効果は電界及び応力により決定される。圧電定数はd,e,g、hの4つが知られているが、印加電圧に対する変位量に関するd定数、加えた力に対する出力電圧値に関するg定数が用いられる。圧電セラミックスは、外力を加えると電圧を発生し(圧電1次電圧)、電圧を印加すると変位を発生する(圧電2次効果)の両特性を有する。外力を加えると、当該外力に比例した電圧を発生するが、該発生電圧は一時的であり外力が印加され続けていても微分的に放電される。このとき圧電セラミックスに発生する電圧Vは前述したようにV=g33(L/S)・Fで与えられる(g33;出力定数、L;電極間距離、S;電極面積、F;加える力)。
【0013】
圧電セラミックス6の絶縁抵抗(内部抵抗含む)の値は有限なため、発生した電荷Qは次式にしたがって放電される。
q=Qe-t/cdR
図4(a)に示すアクチュエータ単体の荷重−変位特性によれば、アクチュエータの変位Xは次式で表現される。
X=−aF+cV …(1)
a、c;比例定数、F;発生力(荷重)、V;駆動電圧
また、駆動系(負荷)の荷重−変位特性より駆動系の変位Xは、
X=kF2/3 …(2)
k;比例係数、F2/3;非線形特性による特性(球・平面接触)
このときアクチュエータと負荷は、力の平衡状態にあることから、(1)(2)式より
kF2/3+aF−cV=0 …(3)
ここで、図4(b)に示すように、アクチュエータ部2に微小電圧を加え変位をΔx変化させた際の応力変化ΔFは(3)式をVについて微分することにより求められるので、
dF/dV=c/(2/3・kF-1/3+a)…(4)
従って、
ΔF=c/(2/3・−kF-1/3+a)ΔV …(5)
上記式(5)よりアクチュエータ部に加わった荷重を検出することが可能となる。
【0014】
このように、圧電アクチュエータ1において、アクチュエータ部2の駆動電圧に所要の検出用電圧ΔVを重畳して印加することにより(図4(b)参照)、非線形特性を有する負荷の応力変位幅ΔFを変化させて(図4(a)参照)、アクチュエータ部2の線形的変位特性だけでは検出できない範囲の応力変動をセンサ部3の電圧変動より検出できる。このとき、重畳する検出用電圧ΔVを変化させてアクチュエータ部2に作用する応力変位の幅ΔFを非線形に変化させることができるので、微細な応力変動をセンサ部3により検出可能となり、センシング感度を向上させることができる。
【0015】
次に、アクチュエータの荷重検出回路の構成について図1及び図2を参照して説明する。図1において、センサ部3は当該センサ部3の有する静電容量で定まる時定数で発振する発振回路7の一部として接続されている。アクチュエータ部2に作用した応力変動を当該センサ部3の静電容量変化として検出し、発振回路7の発振周波数を周波数カウンタによりカウントし、累積カウント値の変化分を求めて荷重に換算することにより検出荷重を検出する。以下、この荷重検出方法に詳述する。
【0016】
アクチュエータ1のセンサ部3(圧電セラミック(検出用セラミック)6が金属層3により挟み込まれたもの)は発振回路7に接続されている。この発振回路7は圧電セラミック6の静電容量C、外部抵抗RA,RB、ダイオードD1,D2及び発振専用IC8により構成される。
【0017】
また、発振専用IC8は、図2に示すように、コンパレータ9、10、フリップフロップ11、分圧抵抗回路12及びトランジスタQ1で構成されている。発振回路7は、印加電圧が0V−5V間で発振するようになっている。発振回路7には、電源電圧Vcc(5V)が印加され、外部抵抗RA及びダイオードD1を通じて圧電セラミック6に通電し、該圧電セラミック6に電気分極が発生(静電容量が発生)して機械的な歪みが発生する。また、圧電セラミック6に蓄積された静電電荷は、コンパレータ9及びコンパレータ10が閾値電圧(1/3・Vcc、2/3・Vcc)を検出してフリップフロップ11の出力がONになったときトランジスタQ1へゲートパルスが印加されて該トランジスタQ1がONすることにより、ダイオードD2、外部抵抗RBを通じて放電されるようになっている。このとき、発振専用IC8の発振周波数fはRA=RB=Rとすると、f=1.443/3RC(Hz)で与えられる。尚、発振回路7としては、CR発振回路のほかにも、LC発振回路やウイーンブリッジ発振回路などであっても良い。
【0018】
図1において、発振専用IC8の発振信号は、制御部(マイクロコンピュータ)13の周波数カウンタ14によりカウントされ、前回カウント値(Z-1)との変化分(差分)が求められる。アクチュエータ部2へ作用する応力変動によりセンサ部3の圧電セラミックス6に発生する静電容量がC変化した場合には、発振する時定数(CRの値)が変化するため周波数カウンタ14のよるカウント値が変化する。そして、内部演算部25(図5参照)でサンプルホールドされたカウント値の変化分の累積値が算出されて該累積値に荷重換算係数(実際の荷重値へ変換するための基準値)が乗算されて検出荷重が算出される。
【0019】
図1に示すアクチュエータの荷重検出回路を圧力調整器15に応用した例を図5に示す。本実施例は、圧力調整器15の使用環境が指定されている場合(温度補償がない場合)の適用例である。圧力調整器15は一次室16から二次室17へ流入する流体(液体、ガスなど)の流体圧を減圧調整する。一次室16には、シート18がスプリング19に付勢されて弁20を閉止している。二次室17には弁20を通過した流体の二次圧力を受けるダイヤフラム21が設けられている。このダイヤフラム21には、その動きをシート18に伝達するステム22及び該ステム22を締結系23を介して変位させる圧電アクチュエータ1が設けられている。締結系23は、アクチュータ部2の応力変位特性が非線形特性となるように締結されている。締結系23としては、球体の他に例えばコイルバネ、皿バネ等が用いられる。アクチュエータ部2の駆動電圧に所要の検出用電圧を重畳して印加することにより、センサ部3の応力検出範囲を非線形に変化させて微細な応力変動を検出するようになっている。
【0020】
制御部(マイコン)13は、設定入力部24より応力(圧力)設定値が入力されると、内部演算部25でセンサ部3の出力と合わせて駆動電圧値に変換し、電力増幅部26で必要な駆動電圧値をアクチュエータ部2に印加する。これにより、アクチュエータ部2は厚さ方向に変位を生じさせ、ステム22を押し下げるようになっている。このとき、アクチュエータ部2が厚さ方向に変位すると変位量に応じてセンサ部3の静電容量が変位し、センサ部3に接続する発振回路7の発振周波数変化が周波数カウンタ14でカウントされる。このサンプルホールドされたカウント値の変化量は内部演算部25へフィードバックされて変化分の累積値に加算処理される。そして、カウンタ変化分の累積値に荷重換算係数が乗算されて検出荷重が検出されるようになっている。尚、電力増幅部26は電圧増幅を行う回路でも良いが、電圧を印加するパルス幅を制御するパルス幅変調(PWM)制御回路であっても良い。
【0021】
また、本実施例では、アクチュエータ部2の駆動電圧に所要の検出用電圧を重畳して印加することにより締結系23の応力検出範囲を変化させて、アクチュエータ部2に作用した応力変化をセンサ部3の電圧変動より検出するようになっている。この検出用電圧としては、検出対象とする応力範囲にもよるが1V〜5V程度の電圧(固定値)が用いられる。
【0022】
以上のように、センサ部3が所定の時定数で発振する発振回路7に接続され、アクチュエータ部2に作用した応力変動を当該センサ部3の静電容量変化として検出し、発振回路7の発振周波数を周波数カウンタ14によりカウントすることにより、累積カウント値の変化分を求めて荷重に換算して検出荷重を算出するので、センサ部3のセンシングの感度が外部のノイズに影響され難く、かつ制御部13によるデジタル信号処理がし易い。また、荷重検出センサとして圧力調整器15に組み込んだ際の制御部13の構成や制御動作を簡略化することができる。
【0023】
[第2実施例]
次にアクチュエータの荷重検出方法の他例について説明する。
図6は第2実施例にかかる温度補償を行うアクチュエータの荷重検出回路の構成を示すブロック図、図7は温度補償を行うアクチュエータの荷重検出回路を備えた圧力調整器の説明図、図8は分極処理された圧電材料の荷重−発振周波数特性の温度変化によるばらつきを示すグラフ図、図9は分極処理されていない圧電材料の荷重−発振周波数特性の温度変化によるばらつきを示すグラフ図、図10は温度補償を行った分極処理された圧電材料の荷重−発振周波数の差分特性のグラフ図、図11は温度補償を行った分極処理されていない圧電材料の荷重−発振周波数特性のグラフ図である。
【0024】
圧電セラミックスの発振周波数は、異なる温度条件下では異なる荷重−発振周波数特性を示す。図8及び図9は分極処理された圧電セラミックスと分極処理されていない圧電セラミックスの荷重−発振周波数特性の温度条件(−20℃、0℃、25℃、50℃、70℃)によるばらつきを示す。これらのグラフ図より、圧電アクチュエータ1が使用環境(温度環境)を問われずにセンサ部3の検出精度を維持するためには温度補償する必要がある。
【0025】
温度補償を行うアクチュエータの荷重検出回路の構成について図6を参照して説明する。具体的には、図1と同様にアクチュエータ部2に作用した応力変動を静電容量の変化として検出する検出センサ部3を備えるほかに、温度変化のみに基づく変動分を静電容量変化として検出する温度補償用の補償センサ部27を備えている。各センサ部には金属層3aに挟まれた圧電セラミックス(センサ用セラミックス)6が設けられている。検出センサ部3は当該検出センサ部3の静電容量で定まる時定数で発振する第1の発振回路28の一部として接続され、補償センサ部27は当該補償センサ部27の静電容量で定まる時定数で発振する第2の発振回路29の一部として接続されている。
【0026】
アクチュエータ部2に作用した応力変動を検出センサ部3の静電容量変化とし、温度変化に基づく補償センサ部27の静電容量変化として各々検出し、第1、第2の発振回路28、29の発振周波数を第1、第2の周波数カウンタ30、31により各々カウントする。第1の周波数カウンタ30によりカウントされたカウント値から第2の周波数カウンタ31によりカウントされたカウント値を減算することで荷重に対応するカウント値を算出する。制御部13の内部演算部25(図7参照)はこのサンプルホールドされた荷重に対応するカウント値に荷重換算係数を乗じて検出荷重を算出する。
【0027】
また、第1、第2の発振回路28、29を構成する発振専用IC8は、図2と同様でコンパレータ9、10、フリップフロップ11、分圧抵抗回路12及びトランジスタQ1で構成されている。第1、第2の発振回路28、29は、印加電圧が0V−5V間で発振するようになっている。
【0028】
次に、図6に示すアクチュエータの荷重検出回路を圧力調整器15に応用した例を図7に示す。本実施例は、圧力調整器15の使用環境を選ばない場合(温度補償がある場合)の適用例である。圧力調整器15の基本構成は図5と同様であり、同一部材には同一番号を付して説明を援用する。圧力調整器15は一次室16から二次室17へ流入する流体(液体、ガスなど)の流体圧を減圧調整する。二次室17内に温度補償用の補償センサ部27が設けられている点が異なっている。
【0029】
制御部(マイコン)13は、設定入力部24より応力(圧力)設定値が入力されると、内部演算部25でセンサ部3の出力と合わせて駆動電圧値に変換し、電力増幅部26で必要な駆動電圧値をアクチュエータ部2に印加する。これにより、アクチュエータ部2は厚さ方向に変位を生じさせ、ステム22を押し下げるようになっている。このとき、アクチュエータ部2が厚さ方向に変位すると変位量に応じて圧電セラミックス6を用いたセンサ部3の静電容量が変化し、第1の発振回路28の発振周波数が変化して第1の周波数カウンタ30でカウントされる。また、二次室13の温度変化により生じた補償センサ部27の静電容量の変化が第2の発振回路29の発振周波数変化として第2の周波数カウンタ31でカウントされる。これらのサンプルホールドされたカウント値が内部演算部25へフィードバックされてサンプリングされた荷重検出用のカウント値と温度補償用のカウント値との差分をとって荷重に対応するカウント値を求める演算処理が行なわれる。そして、このカウント値と荷重換算係数が乗算されて温度補償された検出荷重が検出される。
【0030】
温度補償された場合の分極処理された圧電セラミックスと分極処理されていない圧電セラミックスの荷重−発振周波数の差分特性を図10及び図11に示す。分極処理された圧電セラミックスは、荷重が大きくなるほど静電容量が減少し、発振周波数fの値が大きくなることが分かる。また、分極処理されていない圧電セラミックスは、荷重が大きくなるほど静電容量が増大し、発振周波数fの値が小さくなることが分かる。何れの場合にも、温度条件の変化にかかわらず荷重の変化が発振周波数の変化として検出可能であることが判明した。これらのグラフ図から分かるように、センサ部3の温度補償を行うことにより、温度条件の異なる環境下においても、荷重検出精度をほぼ一定に維持することができ、荷重検出センサとしての汎用性や検出精度を向上させることができる。
【0031】
以上、本発明の好適な実施例について述べてきたが、本発明は上述した各実施例に限定されるのものではなく、センサ部3には圧電材料層が1層でも良いが、電圧レベルを上げたい場合には、圧電材料層を複数層設けても良い。アクチュエータ1は、アクチュエータ部2とセンサ部3とが積層されて熱間プレスにより焼成されて一体化されていても良く、或いは各々別個に作成されたアクチュエータ部2とセンサ部3とが積層されて接着剤により接合されて若しくはボルト止めされて一体化されていても良い。
【0032】
また、アクチュエータの制御方法は圧力調整器に限らず、例えば半導体装置に接着剤塗布用のディスペンサや防振用の製品などの微細な圧力変動を検出することが要求される他の装置や製品などに応用しても良い等、法の精神を逸脱しない範囲で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係るアクチュエータの荷重検出方法によれば、上述したように、アクチュエータ部に作用した応力変動を発振回路の一部を構成する前記センサ部の静電容量変化として検出し、該センサ部の静電容量で定まる時定数で発振する発振周波数をカウントし、サンプルホールドされたカウント値からカウンタ変化分の累積値を求めて荷重に換算することにより検出荷重を検出するようにしたので、センサ部のセンシングの感度が外部のノイズに影響され難く、かつ制御部によるデジタル信号処理がし易い。また、荷重検出センサとして圧力調整器などに組み込んだ際の制御部の構成や制御動作を簡略化することができる。
また、アクチュエータ部に作用した応力変動を第1の発振回路の一部を構成する検出センサ部の静電容量変化として検出し、温度変化のみに基づく圧電材料層の応力変動を第2の発振回路の一部を構成する補償センサ部の静電容量変化として検出し、各センサ部の静電容量で定まる時定数で発振する発振周波数を各々カウントしたカウント値どうしの差分とって得られた荷重に対応するカウント値を荷重に換算することにより検出荷重を検出する場合には、センサ部の温度補償を行うことにより温度条件の異なる環境下においても、荷重検出精度をほぼ一定に維持することができ、荷重検出センサとしての汎用性や検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るアクチュエータの荷重検出回路の構成を示すブロック図である。
【図2】センサー部に接続された発振回路の説明図である。
【図3】圧電アクチュエータの説明図である。
【図4】駆動系及びアクチュエータ単体の荷重−変位特性のグラフ図及び駆動電圧波形のグラフ図である。
【図5】アクチュエータの荷重検出回路を備えた圧力調整器の説明図である。
【図6】第2実施例にかかる温度補償を行うアクチュエータの荷重検出回路の構成を示すブロック図である。
【図7】温度補償を行うアクチュエータの荷重検出回路を備えた圧力調整器の説明図である。
【図8】分極処理された圧電材料の荷重−発振周波数特性の温度変化によるばらつきを示すグラフ図である。
【図9】分極処理されていない圧電材料の荷重−発振周波数特性の温度変化によるばらつきを示すグラフ図である。
【図10】温度補償を行った分極処理された圧電材料の荷重−発振周波数の差分特性のグラフ図である。
【図11】温度補償を行った分極処理されていない圧電材料の荷重−発振周波数特性のグラフ図である。
【図12】従来のアクチュエータを用いた圧力調整器の説明図である。
【符号の説明】
1 圧電アクチュエータ
2 アクチュエータ部
3 センサ部
3a 金属層
3b、5 電線
4 絶縁材料層
6 圧電セラミックス
7 発振回路
8 発振専用IC
9、10 コンパレータ
11 フリップフロップ
12 分圧抵抗回路
13 制御部
14 周波数カウンタ
15 圧力調整器
16 一次室
17 二次室
18 シート
19 スプリング
20 弁
21 ダイヤフラム
22 ステム
23 締結系
24 設定入力部
25 内部演算部
26 電力増幅部
27 補償センサ部
28 第1の発振回路
29 第2の発振回路
30 第1の周波数カウンタ
31 第2の周波数カウンタ
Claims (6)
- 電極が形成された圧電材料層を有するアクチュエータ部とセンサ部とが絶縁材料層を介して積層されてなるアクチュエータの荷重検出方法において、
前記アクチュエータ部に作用した応力変動を発振回路の一部を構成する前記センサ部の静電容量変化として検出し、該センサ部の静電容量で定まる時定数で発振する発振周波数をカウントし、サンプルホールドされたカウント値からカウンタ変化分の累積値を求めて荷重に換算することにより検出荷重を検出することを特徴とするアクチュエータの荷重検出方法。 - 前記センサ部の静電容量で定まる時定数で発振する発振回路の発振周波数を周波数カウンタによりカウントし、当該カウント値と前回カウント値の差分を変化分の累積値に加算することをサンプルホールドされた範囲で繰り返してカウンタ変化分の累積値を求めることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータの荷重検出方法。
- 前記圧電材料層は予め分極処理されている圧電セラミック若しくは分極処理されていない圧電セラミックであることを特徴とする請求項1又は2記載のアクチュエータの荷重検出方法。
- 電極が形成された圧電材料層を有するアクチュエータ部とセンサ部とが絶縁材料層を介して積層されてなるアクチュエータの荷重検出方法において、
前記アクチュエータ部に作用した応力変動を第1の発振回路の一部を構成する検出センサ部の静電容量変化として検出し、温度変化のみに基づく圧電材料層の応力変動を第2の発振回路の一部を構成する補償センサ部の静電容量変化として検出し、各センサ部の静電容量で定まる時定数で発振する発振周波数を各々カウントしたカウント値どうしの差分とって得られたカウント値を荷重に換算することにより検出荷重を検出することを特徴とするアクチュエータの荷重検出方法。 - 前記検出センサ部の静電容量で定まる時定数で発振する第1の発振回路の発振周波数を第1の周波数カウンタでカウントし、前記補償センサ部の静電容量で定まる時定数で発振する第2の発振回路の発振周波数を第2の周波数カウンタによりカウントし、第1の周波数カウンタでカウントされた荷重検出用のカウント値から第2の周波数カウンタでカウントされた温度補償用のカウント値を減算したカウント値を求めて荷重に換算することを特徴とする請求項4記載のアクチュエータの荷重検出方法。
- 前記圧電材料層は予め分極処理されている圧電セラミック若しくは分極処理されていない圧電セラミックであることを特徴とする請求項4又は5記載のアクチュエータの荷重検出方法。
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