JP3641426B2 - ガス発生剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、航空機等に搭載される人体保護のために供せられるエアバッグシステムにおいて、作動ガスとなるガス発生剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、自動車、航空機等のエアバッグシステムに用いられているガス発生剤としてアジ化ソーダが公知である。アジ化ソーダを用いたガス発生剤はその燃焼特性に関して特に問題がなく、広く実用に供せられている。しかし、アジ化ソーダは本質的に好ましくない欠点を有しており、例えば、分解爆発に対する危険性、重金属との反応による爆発性化合物の生成、大量廃棄時に心配される環境汚染問題等、当該分野の多数の特許で指摘されている。
【0003】
また、これらの問題を解決する手段としてアジ化ソーダに替わる化合物が検討されている。例えば、特公平6−57629号にはテトラゾール、トリアゾールの遷移金属錯体を含むガス発生剤組成物が開示されている。また、特開平5−254977号にはトリアミノグアニジン硝酸塩を含むガス発生剤組成物が、特開平6−239683号にはカルボヒドラジドを含むガス発生剤組成物が、特開平7−61885号には酢酸セルロースとニトログアニジンを含む窒素含有非金属化合物を含有するガス発生剤組成物が開示されている。更に、USP5125684号では15〜30%のセルロース系バインダーと共存するエネルギー物質としてニトログアニジンの使用が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
含窒素有機化合物は一般的に燃焼において、化学当量分、すなわち化合物分子中の炭素、水素、その他の元素の燃焼に必要な量の酸素を発生させるだけの酸化剤を用いる際、アジド系化合物に比べて発熱量が大きく、燃焼温度が高いという欠点を有している。エアバッグ用インフレータシステムとしてはガス発生剤の性能だけでなく、そのシステム自体が自動車の通常の運転に際して邪魔にならない程度の大きさであることが必須であるが、ガス発生剤の燃焼時の燃焼温度が高いことや発熱量が大きいことは、ガス発生器を設計する場合、除熱のための付加的な部品を必要とし、ガス発生器自体の小型化が不可能である。つまり、ガス発生剤は燃焼時に燃焼温度が低く、発熱量が小さいという特性を持つものの方が優秀である。従って、上記のような公知のガス発生剤組成物はエアバッグシステムへの応用としては未だ満足すべきものとは言えない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記した問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記(1) 〜(5) に示すガス発生剤組成物を提供するものである。
【0006】
(1) ニトログアニジンと、下記(a) 、(b) またはこれらの混合物からなる酸化剤
とを必須成分として含有することを特徴とするガス発生剤組成物。
(a) アルカリ金属またはアルカリ土類金属の硝酸塩あるいは亜硝酸塩
(b) 銅、コバルト、鉄、マンガン、ニッケル、亜鉛、モリブデンまたはビスマスから選ばれた金属の酸化物または複酸化物
(2) ニトログアニジンの含有量が20〜80重量%、酸化剤の含有量が80〜20重量%
である上記(1) 記載のガス発生剤組成物。
(3) 更に、結合剤を、組成物全量に対し5重量%以下含有することを特徴とする
上記(1) 又は(2) 記載のガス発生剤組成物。
【0007】
(4) 酸化剤が酸化銅である上記(1) 〜(3) のいずれかに記載のガス発生剤組成物。
(5) ニトログアニジンを25〜40重量%、酸化銅を75〜60重量%含有する上記(4) 記載のガス発生剤組成物。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
本発明のガス発生剤組成物中のニトログアニジンの含有量は酸化剤の種類及び酸素バランスによりその含有量は異なるが、好ましくは20〜80重量%、更に好ましくは20〜60重量%である。最も好ましくは例えば酸化剤として酸化銅を用いた時燃焼温度として2200K以下となり、発生ガス量が1.2mol/100g以上となる25〜40重量%である。
【0010】
本発明において、酸化剤としては、上記(a) 、(b) またはこれらの混合物が用いられる。(a) のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の硝酸塩あるいは亜硝酸塩としては、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸ストロンチウムなどの硝酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸ストロンチウムなどの亜硝酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が挙げられる。また、(b) の銅、コバルト、鉄、マンガン、ニッケル、亜鉛、モリブデンまたはビスマスから選ばれた金属の酸化物または複酸化物としては、具体的には、CuO、Cu2O、Co2O3 、CoO、Co3O4 、Fe2O3 、FeO、Fe3O4、MnO2 、Mn2O3、Mn3O4、NiO、ZnO、MoO3、CoMoO4、Bi2MoO6、Bi2O3等が挙げられる。これらの酸化剤の中では酸化銅が最も好ましい。
【0011】
本発明に用いられる酸化剤は上記のものをどのように組み合わせて用いても良いが、ガス発生剤組成物中の酸化剤の含有量は好ましくは80〜20重量%、更に好ましくは80〜40重量%である。最も好ましくは例えば酸化剤として酸化銅を用いた時、燃焼温度として2200K以下となり、発生ガス量が1.2mol/100g以上となる75〜60重量%である。
【0012】
本発明のガス発生剤組成物は更に結合剤を含有していてもよい。本発明に用いられる結合剤としてはシリカ、アルミナ、二硫化モリブデン等の無機結合剤、または微結晶性セルロース、ポバール、高分子オリゴマー等の有機結合剤が挙げられる。本発明のガス発生剤組成物中の結合剤の含有量は5重量%以下であることが好ましい。
【0013】
ニトログアニジンと上記酸化剤とを含有する本発明のガス発生剤組成物は、これまでに開示されたガス発生剤組成物と比較すると全体的に燃焼温度が低く、総発熱量が小さい傾向が見られる。特に、ニトログアニジンとCuOを組み合わせた組成はこれらの点で非常に優れており、最も重要な組成である。また、この組成は酸素バランスを変化させることにより、燃焼速度、圧力指数を変化させることができる。ここで圧力指数とは、燃焼速度r(mm/sec)=a×pn (ここで、aはガス発生剤を構成する物質と初期温度に依存する定数、pは測定圧力(kgf/cm2)を示す)で表した時の指数nを意味する。上記組成は酸素バランスをプラス側に変化させるに従い、nの値が0に近づいて行くという性質を有しており、これは燃焼の安定性という観点から見て特に好ましいものである。
【0014】
本発明のガス発生剤組成物は好ましくは粉末状で混合することにより得られ、混合は必要により水等の存在下湿式法で行うこともできる。また本発明のガス発生剤組成物は必要により顆粒状、ペレット状、ディスク状等の適当な形状に成型して使用することができる。また、燃焼速度の遅い組成においては押出成型法により成型して使用することもできる。
【0015】
本発明のガス発生剤組成物は自動車、航空機等に搭載される人体保護のために供せられるエアバッグシステム用のガス発生剤組成物として特に有用である。
本発明のガス発生剤組成物に含まれるニトログアニジンはエアバッグシステムに要求される長期経時安定性を有し、且つ燃焼特性も優れている。
【0016】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0017】
実施例1〜5及び比較例1〜7
表1に、本発明の実施例としてニトログアニジンを含むガス発生剤組成物の理論燃焼温度を示した。また、比較例として、特公平6−57629号に開示された5−アミノテトラゾール(5−AT)の遷移金属錯体を含むガス発生剤組成物(比較例1、2)、特開平5−254977号に開示されたトリアミノグアニジン硝酸塩を含むガス発生剤組成物(比較例3)、特開平6−239683号に開示されたカルボヒドラジドを含むガス発生剤組成物(比較例4)、特開平7−61885号に開示された酢酸セルロースと窒素含有非金属化合物を含むガス発生剤組成物(比較例5、6、7)の理論燃焼温度を示した。
【0018】
【表1】
【0019】
実施例6〜14
ニトログアニジンとCuOを含むガス発生剤組成物はその混合比を変えることで燃焼温度、燃焼速度、ガス発生剤組成物ペレットの密度、発生ガス量を変化させることができた。表2にそのデータを示した。燃焼速度は70kgf/cm2 の圧力下で測定した。
【0020】
【表2】
【0021】
以上の結果が示す通り、本発明のガス発生剤組成物はこれまでに開示されたガス発生剤組成物に比べて、燃焼温度において特に優れており、ガス発生器を小型化し、エアバッグシステムへ適用する道が開かれた。
Claims (2)
- ニトログアニジンを 25 〜 40 重量%、酸化銅を 75 〜 60 重量%含有することを特徴とするガス発生剤組成物。
- 更に、結合剤を、組成物全量に対し5重量%以下含有することを特徴とする請求項1記載のガス発生剤組成物。
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