JPH11139892A - ガス発生剤組成物 - Google Patents

ガス発生剤組成物

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JPH11139892A
JPH11139892A JP30514397A JP30514397A JPH11139892A JP H11139892 A JPH11139892 A JP H11139892A JP 30514397 A JP30514397 A JP 30514397A JP 30514397 A JP30514397 A JP 30514397A JP H11139892 A JPH11139892 A JP H11139892A
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英一郎 吉川
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亨 箕口
Hidefumi Sato
英史 佐藤
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大理 久保
Makoto Iwasaki
誠 岩崎
Kenjiro Ikeda
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    • C06EXPLOSIVES; MATCHES
    • C06DMEANS FOR GENERATING SMOKE OR MIST; GAS-ATTACK COMPOSITIONS; GENERATION OF GAS FOR BLASTING OR PROPULSION (CHEMICAL PART)
    • C06D5/00Generation of pressure gas, e.g. for blasting cartridges, starting cartridges, rockets
    • C06D5/06Generation of pressure gas, e.g. for blasting cartridges, starting cartridges, rockets by reaction of two or more solids

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、含窒素有機化合物系燃料の実用化
上問題となっているガス中の有害なNOx の濃度を実用
化上無視でき得るレベルまで低減させ、且つ同時に発生
するCOの濃度を極端に低減させる事のできるガス発生
剤組成物を提供する事を目的とし、更に、付随して発生
するガス中の水分(水蒸気)の存在によるエアバッグ展
開挙動変化が、外部環境、特に温度差の影響を受ける問
題をも同時に改善し得る非アジ化金属化合物系の安全な
ガス発生剤組成物を提供する事をも目的とするものであ
る。 【解決手段】 本発明は、燃料成分と酸化剤とを主要成
分とし、その他適宜添加剤を含有するガス発生剤組成物
である。そして、燃料成分が、窒素及び水素を含有せず
炭素と酸素のみから構成される環状オキソカーボン系有
機化合物の金属塩としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、エアバッグ用ガス
発生剤に関するもので、特に、発生ガス中の有害なCO
(一酸化炭素)含有量が極めて低く、且つ有害なNOx
(NO,NO2 等の窒素酸化物)の発生を理論上無視で
き、又、水分(水蒸気)の影響をも無視でき、更に、取
扱い上も安全であり、加えて、外部環境、特に温度変化
による燃焼挙動の変化の少ない理想的なガス発生剤組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のエアバッグ用ガス発生剤は、アジ
化ナトリウム,アジ化カリウムに代表されるアジ化金属
化合物を燃料成分とするものが一般的である。このガス
発生剤は、瞬時に燃焼し且つ燃焼ガス成分が実質的に窒
素のみであり、COやNOx等の有害ガスを発生させな
い事、及び燃焼温度が周囲の環境の影響、即ち、ガス発
生器の構造の影響を受け難いのでガス発生器の設計が容
易な事、等々の利点から代表的なガス発生剤として用い
られている反面、重金属との反応によって生じたアジ化
物は、衝撃や摩擦によって容易に爆発する性質を有して
おり、取扱いには最大限の注意が必要であった。又、ア
ジ化金属化合物自体が有害物質であり、更に、水や酸の
存在下では、分解して有害ガスを発生するという安全面
に大きな問題を抱えていた。
【0003】そこで、係る安全性の問題から、アジ化金
属化合物に代わる安全なガス発生剤の開発・実用化の機
運が高まり、その代替候補として、例えば特開平2−2
25159号公報,特開平2−225389号公報,特
開平3−20888号公報,特開平5−213687号
公報,特開平6−80492号公報,特開平6−239
684号公報及び特開平6−298587号公報等々
に、テトラゾール類、アゾジカルボンアミド類その他の
含窒素有機化合物を燃料成分とするガス発生剤が提案さ
れている。
【0004】一方、既存の推進薬を応用した代替候補と
しては、例えば、特開平6−219882号公報,米国
特許5531941号,米国特許5545271号,特
開平8−225388号公報及び特開平9−11819
4号公報等によって、ニトラミン(RDX),シクロテ
トラメチレンテトラニトラミン(HMX),ニトロセル
ロース等の推進薬系燃料が提案されており、又、硝酸ア
ンモニウム或いは過塩素酸アンモニウムを酸化剤成分と
して用いる方法を適用したガス発生剤等が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、含窒素
有機化合物を燃料成分として使用した場合には、これら
の化合物は、N(窒素)とC(炭素)とを主要骨格元素
として含有している関係上、NOx等の有害ガスの発生
を無視する事はできず、特に、COが同時に発生ガス中
に併生する場合は、両者の抑制を非毒性のレベルまで低
減させることは実際上困難である。
【0006】又、高いガス化率が期待できる推進薬系ガ
ス発生剤の場合は、燃料成分の耐熱性欠如による経時劣
化や発生ガス中のCO濃度が高くなる等の問題が内在
し、加えて、酸化剤として硝酸アンモニウムや過塩素酸
アンモニウムといった高ガス化率が期待できる成分を用
いると、発生ガス中の水分(水蒸気)含有量が増加する
ため、その影響が無視できなくなる。即ち、発生ガス中
の水蒸気の凝縮量の変化による有効ガス量の変化を無視
できなくなり、ガス発生器作動によるエアバッグ展開時
の外部環境、特に外気温度の影響を受け易くなって、温
度差によるエアバッグ展開挙動の変化が大きくなるとい
った問題が潜在している。
【0007】又、最近では、特開平8−40793号公
報に開示されている炭素,水素及び酸素からなる有機化
合物を燃料成分として用い、窒素を含有しない酸化剤及
び金属酸化剤等を組み合わせたガス発生剤組成物が提案
されている。この公報における実施例では、確かに窒素
由来のアンモニアやNOxといった有害ガスは発生せ
ず、有害ガスとして約3000ppmのCOしか生じて
いない結果となっているが、発生ガス中の水分(水蒸
気)の影響は理論上、無視できないレベルにあり、温度
差によるバッグ展開挙動の変化が起こり得る可能性が大
いに考えられる。
【0008】本発明は、係る含窒素有機化合物系燃料の
実用化上問題となっている発生ガス中の有害なNOxの
濃度を実用化上無視でき得るレベルまで低減させ、且つ
同時に発生するCOの濃度を極端に低減させる事のでき
るガス発生剤組成物を提供する事を目的とし、更に、付
随して発生するガス中の水分(水蒸気)の存在によるエ
アバッグ展開挙動変化が、外部環境、特に温度差の影響
を受ける問題をも同時に改善し得る非アジ化金属化合物
系の安全なガス発生剤組成物を提供する事をも目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、ガス発生剤の燃料成分として、窒素及
び水素を含有せず、炭素と酸素のみから構成される環状
オキソカーボン系有機化合物の金属塩を採用するもので
あり、好ましい環状オキソカーボン系有機化合物の金属
塩としては、次の構造式で示されるデルタ酸,スクエア
酸,クロコン酸及びロジソン酸のアルカリ金属,アルカ
リ土類金属及び遷移金属の金属塩の群から選ばれた1種
以上を用いるものである。
【0010】
【化2】
【0011】又、併用する酸化剤は、アルカリ金属,ア
ルカリ土類金属及び遷移金属の酸化物,塩素酸塩,過塩
素酸塩、硝酸塩及び過酸化物の群から選ばれる1種以上
で構成され、又、種々の目的で添加する添加剤として、
次の一般式で示されるヒドロタルサイト類や窒化珪素,
窒化アルミニウム,炭化珪素,炭化アルミニウム,アル
ミナ,二酸化珪素,クレイ,タルク及び酸化硼素からな
る群から選ばれる1種以上を適宜添加したものである。 〔M2+ 1-X 3+ X (OH)2 X+〔An- x/n ・mH
2 O〕X- ここで、M2+:Mg2+,Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni
2+,Cu2+,Zn2+等の2価金属 M3+:Al3+,Fe3+,Cr3+,Co3+,In3+等の3
価金属 An-:OH- ,F- ,Cl- ,NO3 - ,CO3 2- ,S
4 2- ,Fe(CN)6 3- ,CH3 COO- ,蓚酸イオ
ン,サリチル酸イオン等のn価のアニオン
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明のガス発生剤組成物の基本構成は、燃料成
分と、これを燃焼させる酸化剤と適宜添加される添加剤
とからなる。先ず、燃料成分について説明すると、本発
明で使用する燃料成分は、窒素及び水素を含有せず、炭
素と酸素のみから構成される環状オキソカーボン系有機
化合物のアルカリ金属,アルカリ土類金属及び遷移金属
から選ばれた金属塩の1種以上であり、前述の構造式で
示されるデルタ酸,スチエア酸,クロコン酸及びロジゾ
ン酸の金属塩が代表的なものとして例示される。
【0013】これらの環状オキソカーボン系有機化合物
の金属塩の内、特に、合成上安価に製造可能なロジゾン
酸の金属塩が好ましく、その中でもカリウム塩が好まし
い。このロジゾン酸の金属塩は、耐熱性においても良好
で300℃まで安定であり、水に対して難溶性で、しか
も吸湿し難い特徴を有している。毒性の点においても特
公昭42−12413号公報に開示されている様に、ネ
ズミに対する経口的毒性(LD50)は6000mg/k
g以上を示しており、極めて毒性の低い物質である。因
みに、アジ化ナトリウムでは27mg/kgであり、代
表的な含窒素有機化合物である5−アミノテトラゾール
では2500mg/kg(マウスに対する値)である。
この事例からもわかる様に、本発明で使用する環状オキ
ソカーボン系有機化合物は、従来から使用されているア
ジ化化合物やテトラゾール系化合物に比して、安全性の
面で優れた特徴を有している事が分かる。この燃料成分
のガス発生剤中の含有量は、相対する酸化剤の種類によ
り増減するが、25〜75重量%が好ましい。又、他の
燃料成分、例えば、テトラゾール系化合物等の含窒素有
機化合物等と混合して使用する事も可能である。
【0014】次に、本発明のガス発生剤で使用する酸化
剤について説明する。本発明で使用する酸化剤として
は、アルカリ金属,アルカリ土類金属又は遷移金属の硝
酸塩,塩素酸塩,過塩素酸塩,酸化物及び過酸化物の群
から選ばれた1種以上である。又、本発明の課題の1つ
であるNOxの発生量を無視し得るレベルまで低減させ
るためには、窒素を含有していない酸化剤を使用するの
が好ましいが、燃焼挙動及びスラグの捕捉性との兼ね合
いから、少量の窒素含有酸化剤である硝酸塩を他の酸化
剤成分と混合して用いる態様もあり得る。又、酸化剤の
含有量は、ガス発生剤全体に対して25〜75重量%が
好ましい。
【0015】次に、本発明のガス発生剤で使用する添加
剤について説明する。本発明で使用する添加剤の1つ
に、次の一般式で示されるヒドロタルサイト類がある。 〔M2+ 1-X 3+ X (OH)2 X+〔An- x/n ・mH
2 O〕X- ここで、M2+:Mg2+,Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni
2+,Cu2+,Zn2+等の2価金属 M3+:Al3+,Fe3+,Cr3+,Co3+,In3+等の3
価金属 An-:OH- ,F- ,Cl- ,NO3 - ,CO3 2- ,S
4 2- ,Fe(CN)6 3- ,CH3 COO- ,蓚酸イオ
ン,サリチル酸イオン等のn価のアニオン このヒドロタルサイト類は、多孔質の物質であり、ガス
発生剤のバインダとしては極めて有効である。即ち、ヒ
ドロタルサイト類をバインダとして錠剤成形したガス発
生剤は、低い打錠圧力で成形しても、高い硬度を得る事
が可能であり、更に、このバインダを用いて成形した錠
剤は、高温・低温の繰り返しによる熱衝撃に対しても錠
剤の特性及び燃焼特性に変化がなく、従って、ガス発生
器内に装填して車両に搭載した後の経年変化が少ない安
定した性能のガス発生剤を得る事ができる。上記ヒドロ
タルサイト類の内、特開平5−879号公報に開示さ
れ、次の化学式:Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H
2 Oで表される合成ヒドロタルサイトが、価格面及び入
手の容易性の面から特に好ましい。このヒドロタルサイ
ト類の添加量は、ガス発生剤全体に対して、2〜8重量
%が好ましい。
【0016】他の添加剤としては、特開昭49−875
83号公報及び米国特許4386979号に開示されて
いるアルミナ,二酸化珪素,クレイ,タルク,酸化硼素
或いは本発明の出願人に係る特願平8−359158号
に記載されている窒化珪素,窒化アルミニウム,炭化珪
素及び炭化アルミニウムの群からなるスラグ補集成分か
ら選ばれた1種以上がある。これらの成分は、前記特願
平8−359158号,特開昭49−87583号公報
或いは米国特許4386979号に開示されている様
に、前記燃料成分及び酸化剤由来のアルカリ金属,アル
カリ土類金属或いは遷移金属等由来の燃焼残渣物である
スラグ成分を、より効率的に捕捉する能力を有してい
る。このスラグ捕集成分の添加量は、ガス発生剤全体に
対して、0.5〜10重量%が好ましい。
【0017】ここで特に好ましい添加剤の組合せ組成と
しては、合成ヒドロタルサイト及び窒化珪素,二酸化珪
素或いはクレイである。合成ヒドロタルサイトは、前述
の通り、ガス発生剤のバインダとして極めて有効であ
り、又、窒化珪素,二酸化珪素或いはクレイといった珪
素化合物は、前述の燃料成分及び酸化剤由来のスラグ成
分に対して、高い捕集能力を有している。
【0018】次に本発明のガス発生剤は、顆粒、錠剤或
いはディスク状に成形して使用されるのが一般的であ
る。特に錠剤或いはディスクを成形する際には、粉体の
流動性を改善する目的で、例えばステアリン酸系の金属
塩,二硫化モリブデン,窒化硼素或いはグラファイト等
が添加されるが、ガス発生剤の燃焼の際に水蒸気の影響
を無視するためには、水素を含有しない二硫化モリブデ
ン,窒化硼素或いはグラファイトをガス発生剤全体に対
して0.05〜1.0重量%添加するのが好ましい。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。以
下の実施例において、調合されたガス発生剤の特性は、
1リットルタンクテストにより評価した。この1リット
ルタンクテストは、点火具が着脱自在に取付可能に構成
されている内容積1リットルのステンレス製容器内に圧
力センサを取付け、この容器中に、調製したガス発生剤
ペレットを装填し、点火具によって着火させ、点火具の
点火電流が流れてから圧力が発生するまでの着火時間を
測定すると共に、発生圧力を測定するものである。発生
ガスの分析は、ステンレス製容器の下部に設けてあるボ
ールバルブから着火後すばやくテドラーバッグにガスを
捕集し、検知管により成分濃度を測定した。尚、点火具
はZWPP型スクイブ(ジルコニウム/タングステン/
過塩素酸カリウム)と1.0グラムの伝火薬(ボロン/
硝石)を用いた。又この1リットルタンクテストで得ら
れた特性を示すグラフの典型例を第1図に示す。図1に
おいて、t1は着火時間であり、Pmax は最高圧力であ
り、tPmax −t1は最高圧力到達時間(tPmax )か
ら着火時間(t1)を差し引いた時間を示している。
【0020】〔実施例1〕燃料成分として、環状オキソ
カーボン系有機化合物の1種であるロジゾン酸二カリウ
ム塩を44.0%(重量%。以下同じ)と、酸化剤とし
ての硝酸ストロンチウムを50.2%と、バインダとし
ての合成ヒドロタルサイトを2.9%とスラグ捕集成分
としてのクレイを2.9%と、各々V型混合機により乾
式混合しこの混合粉末に対して0.1%の二硫化モリブ
デンを添加混合して回転式打錠機でプレス成形し、直径
6mm、厚さ2mm、重量115mgのガス発生剤の錠
剤を得た。成形後、この錠剤を110℃で12時間熱処
理を行った。得られた錠剤25gを1リットルタンク内
に装填し、燃焼試験を実施した。得られた試験結果の
内、燃焼特性を図2に示し、燃焼ガス中の有害成分の分
析値を図3に示す。
【0021】〔実施例2〕燃料成分としてのロジゾン酸
二カリウム塩を45.3%と、酸化剤としての硝酸スト
ロンチウム27.0%及び過塩素酸カリウム22.1%
と、バインダとしての合成ヒドロタルサイトを2.8%
と、スラグ捕集成分としてのクレイ2.8%を、各々V
型混合機により乾式混合し、この混合粉末に対して0.
1重量%の二硫化モリブデンを添加混合して回転式打錠
機でプレス成形し、直径6mm、厚さ2mm、重量11
5mgのガス発生剤の錠剤を得た。成形後、この錠剤を
110℃で12時間、熱処理を行った。得られた錠剤2
5gを1リットルタンク内に装填し、燃焼試験を実施し
た。得られた試験結果の内、燃焼特性を図2に示し、燃
焼ガス中の有害成分の分析値を図3に示す。
【0022】〔実施例3〕燃料成分としてのロジゾン酸
二カリウム塩を47.8%と、酸化剤としての過塩素酸
カリウムを46.6%と、バインダとしての合成ヒドロ
タルサイトを2.8%と、スラグ捕集成分としてのクレ
イを2.8%とを各々V型混合機により乾式混合し、こ
の混合粉末に対して0.1重量%の二硫化モリブデンを
添加混合して回転式打錠機でプレス成形し、直径6m
m、厚さ2mm、重量115mgのガス発生剤の錠剤を
得た。成形後、この錠剤を110℃で12時間、熱処理
を行った。得られた錠剤25gを1リットルタンク内に
装填し、燃焼試験を実施した。得られた試験結果の内、
燃焼特性を図2に示し、燃焼ガス中の有害成分の分析値
を図3に示す。
【0023】
【比較例】比較例として、特開平5−117070号に
開示されている実施例の組成と同一の組成を用いた。即
ち、燃料成分としての5−アミノテトラゾールを31.
1%と、酸化剤としての硝酸ストロンチウムを55.4
%と、スラグ捕集成分としてのクレイ7.5%及び炭酸
カリウム6.0%とを各々V型混合機により乾式混合
し、この混合粉末に対して0.3%のステアリン酸マグ
ネシウムを添加混合して回転式打錠機でプレス成形し、
直径6mm、厚さ2mm、重量124mgのガス発生剤
の錠剤を得た。成形後、この錠剤を110℃で12時
間、熱処理を行った。得られた錠剤10gを1リットル
タンク内に装填し、燃焼試験を実施した。得られた試験
結果の内、燃焼特性を図2に示し、燃焼ガス中の有害成
分の分析値を図3に示す。
【0024】図2から明らかな様に、本発明のガス発生
剤によれば、最高圧力(Pmax )は60atm前後と従
来のアミノテトラゾール系ガス発生剤の35atm程度
に比べて非常に高い値を示しており、エアバッグの速や
かな展開が期待できる事を意味している。又、着火時間
(t1)は、両者に殆ど差異はない。一方、最高圧力到
達時間(tPmax −t1)は、前記比較例に比して、本
発明のものは総じて大きな値を示しているが、実用上は
全く問題はない。従って図2からは、本発明のガス発生
剤組成物は、実用上は全く問題ない燃焼特性を示してい
る事が分かる。
【0025】次に、燃焼ガス中の有害ガス成分の含有量
を示す図3によると、本発明のガス発生剤の燃焼ガス中
には、有害な塩化水素(HCl)やアンモニア(N
3 )を全く含まず、又、一酸化炭素(CO)や窒素酸
化物(NO,NO2 )の含有量は無視し得るレベルであ
る。これは、安全なガス発生剤として認知されているテ
トラゾール系ガス発生剤でも、COで800ppm,N
Ox(NO,NO2 )で900ppmも含有されている
事を考慮すると、本発明のガス発生剤の安全性のレベル
の高さが理解されよう。これらの有害ガスの発生量が少
ない理由としては、先ず、NOx及びアンモニアについ
ては、本発明の上記燃料成分は、窒素を含有していない
ので、この窒素由来のNOxやアンモニアが生成し得な
い。但し、酸化剤として硝酸塩やアンモニウム塩を使用
した場合(実施例1,2)には、多少の生成が認められ
るが、無視し得るレベルとなる。一方、COについて
は、燃料成分中に含有されている炭素由来の生成ガス
(不完全燃焼ガス)であるが、本発明の燃料成分は、炭
素と酸素からなる環状オキソカーボン系有機化合物であ
るので、従来の燃料成分に比して多量の酸素を保有して
いる事から、不完全燃焼が生じ難い燃焼条件となってお
り、COの生成も極めて低いレベルに止まっている。
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかな様に、本発明の
ガス発生剤によれば、従来の各種ガス発生剤に比して、
種々の顕著な効果を期待できるものである。先ず、本発
明のガス発生剤組成物で使用する燃料成分は、窒素及び
水素を含まず、炭素と酸素のみからなる環状オキソカー
ボン系有機化合物の金属塩を用いているので、窒素由来
の主たる有害ガスであるNOx或いはアンモニアは基本
的には生成せず、酸化剤としての硝酸塩由来の窒素から
これらが生成した場合でも、その生成量は極めて低く、
事実上無視し得るレベルでしか発生しない。
【0027】同時に、水素由来の発生ガスである水分
(水蒸気)を全く生成しないので、エアバッグの展開時
に、環境温度(モジュール温度)による水蒸気の凝縮度
合いによって、エアバッグの展開挙動が変化を受ける虞
れは皆無となり、環境温度に影響を受けない安定したエ
アバッグの展開挙動を実現する事が可能となる。
【0028】又、本発明に係る前記燃料成分中の炭素に
由来するCOの発生量も、従来から安全と認知されてい
るテトラゾール系ガス発生剤よりも著しく少量しか生成
しないので、その安全性は、飛躍的に向上する事にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】1リットルタンクテストにおける時間(t)と
タンク内圧力(P)との関係を示すP−t線図である。
【図2】1リットルタンクテストにおける各実施例と比
較例の燃焼特性を示す表である。
【図3】1リットルタンクテストにおける各実施例と比
較例の燃焼ガス中の有害成分の分析値を示す表である。
【符号の説明】
max 最高圧力 t1 着火時間 tPmax −t1 最高圧力到達時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 箕口 亨 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内センサー・テクノロ ジー株式会社姫路テクニカルセンター内 (72)発明者 佐藤 英史 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内 (72)発明者 久保 大理 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内 (72)発明者 岩崎 誠 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内 (72)発明者 池田 健二郎 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料成分と酸化剤とを主要成分とし、そ
    の他適宜添加剤を含有するガス発生剤組成物であって、
    前記燃料成分が、窒素及び水素を含有せず炭素と酸素の
    みから構成される環状オキソカーボン系有機化合物の金
    属塩である事を特徴とするガス発生剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記燃料成分が、次の構造式で示される
    デルタ酸,スクエア酸,クロコン酸及びロジゾン酸の4
    種の環状オキソカーボン系有機化合物のアルカリ金属,
    アルカリ土類金属又は遷移金属の金属塩の群から選ばれ
    た1種以上である請求項1に記載のガス発生剤組成物。 【化1】
  3. 【請求項3】 前記酸化剤がアルカリ金属,アルカリ土
    類金属及び遷移金属の酸化物,塩素酸塩,過塩素酸塩,
    硝酸塩の過酸化物の群から選ばれる少なくとも1種以上
    である請求項1又は2に記載のガス発生剤組成物
  4. 【請求項4】 前記添加剤成分が、次の一般式で表され
    るヒドロタルサイト類或いは窒化珪素,窒化アルミニウ
    ム,炭化珪素,炭化アルミニウム,アルミナ,二酸化珪
    素,クレイ,タルク及び酸化硼素からなる群から選ばれ
    る少なくとも1種以上である請求項1乃至3のいずれか
    に記載のガス発生剤組成物 〔M2+ 1-X 3+ X (OH)2 X+〔An- x/n ・mH
    2 O〕X- ここで、M2+:Mg2+,Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni
    2+,Cu2+,Zn2+等の2価金属 M3+:Al3+,Fe3+,Cr3+,Co3+,In3+等の3
    価金属 An-:OH- ,F- ,Cl- ,NO3 - ,CO3 2- ,S
    4 2- ,Fe(CN)6 3- ,CH3 COO- ,蓚酸イオ
    ン,サリチル酸イオン等のn価のアニオン
  5. 【請求項5】 前記ヒドロタルサイト類が、 化学式:Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 Oで表
    される合成ヒドロタルサイト、又は、 化学式:Mg6 Fe2 (OH)16CO3 ・4H2 Oで表
    されるピロウライトである請求項4に記載のガス発生剤
    組成物
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