JP3641311B2 - デジタル情報記録方法および装置並びにデジタル情報解読方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、記録面にデジタル情報を2次元パターンとして記録するデジタル情報記録方法および解読方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
大容量のデータを記録しようとする場合には、データ管理の便宜などの観点から、データを区切ってブロック毎に記録することが一般的に行われている。このようなブロック単位で情報を記録する場合、どのようにしてブロックを区切り、または同定するかという技術が重要となる。記録面にデジタル情報を2次元パターンとして記録する場合にも、ブロック単位で情報を記録することが有効である場合が多い。
【0003】
本出願人は先に、記録面にビットに対応する行列状の枡目を仮想的に設定し、上記各枡目にそれぞれマークを付与して、記録すべきデジタル情報(以下、適宜「記録情報」という。)を2次元パターンとして記録する場合に、複数の枡目を連結してなる小ブロック毎にデータを割り当て、上記小ブロック単位で符号化および復号化を行う技術を提案した(特願平06−070911号)。また、画像データに矩形のウインドウを仮想的に設定することにより画像データをブロック単位で読み出す技術を提案した(特願平06−185858号)。さらに、記録面内での位置を示すための特定パターンを矩形ブロックに重ね又は外接させてなるセグメントを設定し、上記セグメント毎にデータを割り当て、上記セグメント単位で符号化および復号化を行う技術を提案した(特願平07−056077号)。
【0004】
これらの技術では、記録段階でブロックの大きさを一種類に定めておき、読取段階では常にそのブロックの大きさに基づいて情報記録領域を分割し、分割した各ブロック毎にデータを読み取っている。これにより、読取エラーを防止するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、デジタル情報を2次元パターンとして記録する技術では、どのような大きさのブロックを設定するかが重要なポイントとなる。
【0006】
例えば図32は、一定の大きさをもつ記録面120に、記録すべきデジタル情報をブロック単位で記録する例を表している。図32(a)に示すブロックW8の大きさでは縦方向に2個しかブロックが並ばないのに対して、図32(b)に示すように、ブロックW8の1/4の大きさのブロックW9を採用することにより、記録面120に横方向に3個、縦方向に5個、計15個のブロックW9を並べることができる。この結果、図32(a)において全ブロックW8が占める情報記録領域録123Aの面積に対して、図32(b)において全ブロックW9が占める情報記録領域123Bの面積は1.875倍に増えている。したがって、図32(b)のようにブロックの大きさを小さくしてブロックを数多く並べる方が、記録面120を有効に活用することができる。
【0007】
また、ブロック(セグメント)の大きさが小さい方が精度良く位置決めを行うことができるので、読取精度の観点からはブロックの大きさは小さい方が有利になる。
【0008】
このように、ブロックの大きさを小さくすればするほど情報記録領域の形状を設定するための自由度が大きくなり、また読取精度もよくなるわけであるが、記録容量の問題を考えると小さなブロックが必ずしも有利なわけではない。
【0009】
例えば、図33(a),(b)に示すように、大きさが異なる矩形ブロックW8,W9にそれぞれ記録面内での位置を示すための特定パターン22を重ねてセグメントG8,G9を構成する場合を考えてみる。セグメントG8,G9に設定される特定パターン22の数と大きさが同じである場合、図33(b)に示すように矩形ブロックW9の大きさが小さくなれば、セグメントG9内での特定パターン22が占める面積の割合が相対的に大きくなり、本来の記録情報を記録すべき領域121の面積が少なくなって不利になる。
【0010】
また、符号化の際に、上記小ブロックが取り得るパターン群のうち同じマーク(白または黒)が連続する個数が一定数以下であるパターン(以下「指定パターン」という。)のみを採用するような場合(特願平06−070911号)、小ブロックの大きさが小さくなればなるほど、採用可能な指定パターン数が減って、符号化の効率(以下「記録効率」という。)が悪くなる。
【0011】
このように、ブロックの大きさは、全ての場合に最適のものは存在せず、情報記録領域の面積、読取精度、記録効率などを総合的に判断して、ケース・バイ・ケースで決めるべきである。
【0012】
そこで、この発明の目的は、ビットに対応する桝目単位で平面状の記録面にデジタル情報を記録する場合に、複数の桝目を連結してなる矩形のブロックを設定し、上記ブロック毎にデータを割り当てて記録を行うデジタル情報記録方法であって、上記ブロックの大きさを、情報記録領域の面積、読取精度、記録効率などの条件に応じて任意に設定できるデジタル情報記録方法を提供することにある。
【0013】
なお、ブロックの大きさとは、ブロックの外形寸法を意味し、ブロックを構成する枡目が縦横に並ぶ個数で規定される。
【0014】
また、この発明の目的は、上記デジタル情報記録方法によって記録されたデジタル情報を、ブロックの大きさが予め分かっていなくとも正確に読み取ることができるデジタル情報解読方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のデジタル情報記録方法は、平面状の記録面に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークをそれぞれ付与して、上記記録すべきデジタル情報を上記マークからなる2次元パターンとして記録するデジタル情報記録方法であって、複数連結した桝目からなる矩形の小ブロックを設定し、上記記録面上に上記小ブロックを隙間なく複数配列して、上記2次元パターンを表現すべき情報記録領域を設定し、上記記録すべきデジタル情報を上記小ブロックの数に応じて分割して単位情報を作成し、この単位情報をそれぞれ上記小ブロックに対応させて割り当てるデジタル情報記録方法において、上記情報記録領域内の特定の位置に配置された小ブロックの内部に、この小ブロックを構成する枡目のうちの一部又は全部からなる矩形の基準ブロックを設定し、上記基準ブロックに上記小ブロックの大きさに関する情報を記録することを特徴とする。
【0016】
この請求項1のデジタル情報記録方法では、基準ブロックに小ブロックの大きさに関する情報を記録する。したがって、上記小ブロックの大きさが予め分かっていなくても、読取段階で、情報記録領域内で上記基準ブロックを探索し、上記基準ブロックの内容を読み取ることによって、上記小ブロックの大きさに関する情報を得ることができ、この小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を上記小ブロック単位で読み取ることができる。したがって、記録段階では、上記小ブロックの大きさを一種類に定める必要はなく、情報記録領域の面積、読取精度、求める記録効率などの条件を考慮して上記小ブロックの大きさを最適の大きさに設定することができる。
【0017】
請求項2に記載のデジタル情報記録方法は、請求項1に記載のデジタル情報記録方法において、上記基準ブロックを含む小ブロックを上記情報記録領域の隅に配置し、かつ上記基準ブロックを上記情報記録領域の上記隅に内接して配置することを特徴とする。
【0018】
この請求項2のデジタル情報記録方法では、記録の結果として、基準ブロックが情報記録領域の隅に内接して配置される。したがって、読取段階で、まず情報記録領域の隅を探索することにより、上記基準ブロックを容易に見つけることができる。したがって、小ブロックの大きさが予め分かっていなくても、上記基準ブロックの内容を読み取ることによって、上記小ブロックの大きさに関する情報を容易に得ることができ、この小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を上記小ブロック単位で読み取ることができる。
【0019】
請求項3に記載のデジタル情報記録方法は、請求項1または2に記載のデジタル情報記録方法において、上記記録面内での位置を示すように特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを所定のパターンで付してなる特定パターンを設定し、上記特定パターンを上記小ブロックの各頂点に一定方向から接し又は枡目単位で重ねて配置するとともに、上記特定パターンを上記基準ブロックの各頂点に一定方向から接し又は枡目単位で重ねて配置したことを特徴とする。
【0020】
この請求項3のデジタル情報記録方法では、記録の結果として、矩形の小ブロックの各頂点に特定パターンが配置される。したがって、読取段階で、矩形の小ブロックの頂点に配置された隣り合う4つの特定パターンによって規定される範囲を、1つの小ブロックとして取り出すことが可能になる。また、上記小ブロックの頂点の4つの特定パターンの位置を基準として、上記小ブロック内の各枡目の位置を求めることが可能となる。このようにした場合、1つの特定パターンの位置を基準とする場合に比して、読取精度が高まる。また、記録の結果として、基準ブロックの各頂点にも特定パターンが配置されるので、読取段階で、矩形の基準ブロックの頂点に配置された隣り合う4つの特定パターンによって規定される範囲を、1つの基準ブロックとして取り出すことが可能になる。また、上記基準ブロックの頂点の4つの特定パターンの位置を基準として、上記小ブロックにおけるのと同様の計算方法によって、上記基準ブロック内の各枡目の位置を求めることが可能となる。さらに、上記基準ブロックを上記情報記録領域の隅に内接して配置する場合にあっては、上記情報記録領域の上記隅において、上記小ブロックの頂点の特定パターンと上記基準ブロックの頂点の特定パターンとを同じ位置に共通に設定することができる。したがって、記録面を効率的に使用することが可能となる。
【0021】
請求項4に記載のデジタル情報解読方法は、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の情報記録方法によって記録された記録情報を読み取るデジタル情報解読方法であって、上記情報記録領域内の特定の位置に配置された小ブロックの内部の上記基準ブロックを探索する工程と、上記基準ブロックに記録された上記小ブロックの大きさに関する情報を読み取る工程と、上記小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を上記小ブロック単位で読み取る工程とを有することを特徴とする。
【0022】
この請求項4のデジタル情報解読方法によれば、請求項1〜3に記載のデジタル情報記録方法によって記録された情報を読み取り、解読することができる。すなわち、小ブロックの大きさが予めわかっていなくても、情報記録領域内で上記基準ブロックを探索し、上記基準ブロックの内容を読み取ることによって、上記小ブロックの大きさに関する情報を得ることができ、この小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を上記小ブロック単位で読み取ることができる。したがって、記録段階では、上記小ブロックの大きさを一種類に定める必要はなく、情報記録領域の面積、読取精度、求める記録効率などの条件を考慮して上記小ブロックの大きさを最適の大きさに設定することができる。
【0023】
請求項5に記載のデジタル情報記録装置は、平面状の記録面に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークをそれぞれ付与して、上記記録すべきデジタル情報を上記マークからなる2次元パターンとして記録するデジタル情報記録装置であって、上記記録すべきデジタル情報を入力するためのデータ入力手段と、複数連結した桝目からなる矩形の小ブロックの大きさに関するパラメタを指示するためのパラメタ指示手段と、上記指示されたパラメタに応じた大きさを持つ小ブロックを設定するとともに、上記記録面上に上記小ブロックを隙間なく複数配列して、上記2次元パターンを表現すべき情報記録領域を設定する情報記録領域設定手段と、上記情報記録領域内の特定の位置に配置された小ブロックの内部に、この小ブロックを構成する枡目のうちの一部又は全部からなる基準ブロックを設定する基準ブロック設定手段と、上記記録すべきデジタル情報を上記小ブロックの数に応じて分割して単位情報を作成し、この単位情報をそれぞれ上記小ブロックに割り当てるとともに、上記基準ブロックに上記パラメタが表す情報を割り当てるデータ配置手段と、上記データ配置手段によって上記小ブロック、基準ブロックに割り当てられた情報に基づいて、上記記録面に印刷すべき2次元パターンを生成するパターン生成手段と、上記パターン生成手段によって生成された2次元パターンを記録面に印刷する印刷手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
この請求項5のデジタル情報記録装置では、情報記録領域設定手段が、パラメタ指示手段によって指示されたパラメタに応じた大きさを持つ小ブロックを設定するとともに、上記記録面上に上記小ブロックを隙間なく複数配列して情報記録領域を設定する。また、基準ブロック設定手段が、上記情報記録領域内の特定の位置に配置された小ブロックの内部に基準ブロックを設定し、データ配置手段が、この基準ブロックに上記パラメタが表す情報を割り当てる。したがって、上記小ブロックの大きさが予め分かっていなくても、読取段階で、情報記録領域内で上記基準ブロックを探索し、上記基準ブロックの内容を読み取ることによって、上記小ブロックの大きさに関する情報を得ることができ、この小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を上記小ブロック単位で読み取ることができる。したがって、記録段階では、上記小ブロックの大きさを一種類に定める必要はなく、情報記録領域の面積、読取精度、求める記録効率などの条件を考慮して上記小ブロックの大きさを最適の大きさに設定することができる。
【0025】
請求項6に記載のデジタル情報解読装置は、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の情報記録方法によって記録面に2次元パターンとして記録されたデジタル情報を解読するデジタル情報解読装置であって、上記記録面に記録された2次元パターンを光学的に読み取って、上記2次元パターンを表す画像情報を出力する読取手段と、上記画像情報に基づいて、上記情報記録領域内の特定の位置に存在する小ブロックの内部に設定された基準ブロックを探索する基準ブロック探索手段と、上記基準ブロックから上記小ブロックの大きさに関する情報を読み取るパラメタ認識手段と、上記パラメタ認識手段によって読み取った上記小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を小ブロック単位で読み取って、上記情報記録領域に記録されたデジタル情報を再現する情報解読手段と、上記情報解読手段が再現したデジタル情報を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】
この請求項6のデジタル情報解読装置によれば、請求項1〜3に記載のデジタル情報記録方法によって記録された情報を読み取り、解読することができる。すなわち、小ブロックの大きさが予めわかっていなくても、読取手段が出力する画像情報に基づいて、基準ブロック探索手段が上記情報記録領域内で上記基準ブロックを探索し、パラメタ認識手段が上記基準ブロックの内容を読み取ることによって、上記小ブロックの大きさに関する情報を得ることができる。そして、情報解読手段が、この小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を上記小ブロック単位で読み取って、上記情報記録領域に記録されたデジタル情報を再現する。したがって、記録段階では、上記小ブロックの大きさを一種類に定める必要はなく、情報記録領域の面積、読取精度、求める記録効率などの条件を考慮して上記小ブロックの大きさを最適の大きさに設定することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のデジタル情報記録方法および装置並びにデジタル情報解読方法および装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0028】
このデジタル情報記録方法では、図10に例示するように、平面状の記録面20に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録情報に応じたマークとして白又は黒(図中、黒は便宜上斜線で示している。)をそれぞれ付与する。白は0、黒は1を表している。これにより、上記記録情報を2次元パターンとして記録する。
【0029】
上記2次元パターンを表現すべき情報記録領域23は、矩形状に複数(横3個以上、縦3個以上)連結した枡目からなる小ブロックを設定し、記録面20上に上記小ブロックを複数隙間なく行列状に配列して構成する。
【0030】
例えば図1に示すように、矩形の小ブロックとして、横6個×縦6個、計36個の桝目が正方形に連結している小ブロックW1を設定する。図2に示すように、記録面20上に上記小ブロックW1を横4個×縦3個、計12個行列状に隙間なく配列して情報記録領域23を構成する。実際に記録を行う場合、記録情報を上記小ブロックW1の数に応じて分割して単位情報を作成し、この単位情報をそれぞれ小ブロックW1に対応させて割り当てる。そして、各小ブロックW1内の各桝目に対して記録情報に応じて白または黒のマークを付与する。
【0031】
ここで、図4に示すように、情報記録領域23の左上隅に配置された小ブロックW1#(符号に「#」を付して、左上隅以外に配置された小ブロックW1と区別している。以下同様。)の内部に、小ブロックの大きさに関する情報を記録するための矩形の基準ブロックUを設定する。図3に示すように、この基準ブロックUは、小ブロックW1#を構成する枡目のうちの一部、すなわち横3個×縦3個、計9個の正方形に連結した枡目(斜線で示す)からなっている。図4に示すように、この基準ブロックUは、上記小ブロックW1#の左上隅に配置される結果、情報記録領域23の左上隅に内接している。この場合、基準ブロックUには、小ブロックの大きさに関する情報として、小ブロックW1の大きさが横6個×縦6個であることを表す図7(a)に示すパターンu1を表現する。
【0032】
図5は、横4個×縦4個、計16個の桝目が正方形に連結してなる小ブロックW2を設定し、記録面20上に上記小ブロックW2を横6個×縦4個、計24個行列状に隙間なく配列して情報記録領域23を構成した例を示している。この場合も、横3個×縦3個、計9個の正方形に連結した枡目からなる基準ブロックUを、情報記録領域23の左上隅に配置された小ブロックW2#の内部に、情報記録領域23の左上隅に内接して配置する。この場合、基準ブロックUには、小ブロックの大きさに関する情報として、小ブロックの大きさが横4個×縦4個であることを表す図7(b)に示すパターンu2を表現する。
【0033】
また、図6は、横3個×縦3個、計9個の桝目が正方形に連結してなる小ブロックW3を設定し、記録面20上に上記小ブロックW3を横8個×縦6個、計48個行列状に隙間なく配列して情報記録領域23を構成した例を示している。この場合も、横3個×縦3個、計9個の正方形に連結した枡目からなる小ブロックUを、情報記録領域23の左上隅に配置された小ブロックW3#の内部に配置する。なお、この場合は、小ブロックW3#と基準ブロックUとが一致しているので、基準ブロックUは自動的に情報記録領域23の左上隅に内接した状態となる。この場合、基準ブロックUには、小ブロックの大きさに関する情報として、小ブロックの大きさが横3個×縦3個であることを表す図7(c)に示すパターンu3を表現する。
【0034】
このように、この記録方法では、小ブロックの大きさが異なる場合であっても、基準ブロックUを常に横3個×縦3個の大きさに設定し、情報記録領域23の左上隅に内接して配置する。そして、この基準ブロックUに小ブロックの大きさに関する情報、すなわち、小ブロックを構成する枡目が縦横に並ぶ個数を表すパターンu1,u2,u3を表現する。
【0035】
なお、記録面20上の桝目は仮想的に設定されたものであるから、実際に基準ブロックUの各桝目の値を読み取るためには、枡目について何らかの位置決めが必要となる。そこで、情報記録領域23の周囲の余白部分が白枡目と同等の光学的特性(ここでは明度)を持っているものと仮定して、基準ブロックUに表現するパターンu1,u2,u3として、左上隅の桝目が黒で、かつ、その桝目の右、下および右下に隣り合う桝目が白であるものを採用して、基準ブロックUの左上隅の黒桝目を孤立させている。このようにした場合、この左上隅の黒枡目を容易に認識することができ、これによって情報記録領域23を構成する桝目の大きさを知ることができる。要するに、基準ブロックU内で同じマークを持つ枡目が連続する個数を制限すれば良いのである。
【0036】
図10は、記録面20に、上述の記録方法よって実際に情報を記録した例を示している。情報記録領域23の左上隅には基準ブロックUが設定され、この基準ブロックUには上記パターンu2が表現されている。このことは、小ブロックの大きさは横4個×縦4個であることを示している。つまり、情報記録領域23は、横4個×縦4個の枡目が正方形に連結してなる小ブロックW2を横6個×縦4個、計24個行列状に配列して構成され、全体として横24個×縦16個の桝目を含んでいる。この24個の小ブロックW2のうち左上隅の小ブロックW2#を除く23個の小ブロックW2に、本来の記録情報が記録されている。これら23個の各小ブロックが表し得る情報量は、それぞれ14ビットである。
【0037】
なお、各小ブロックに記録できる情報量は、小ブロックの大きさと指定パターンの設定方法によって決まる。指定パターンとは、各枡目にそれぞれマーク(白又は黒)が付されることにより小ブロックが取り得るパターン群のうち、同じ値を表すマークが連続する個数が、行方向と列方向の少なくとも一方向で所定数(1以上の整数)である条件を満足するパターンをいう。図9に示すように、例えば正方形の小ブロックの大きさが横3個×縦3個であり、小ブロック内で同じ値の桝目が連続する個数の上限を2個とすると、とりうる指定パターン数は102通りとなり6ビットの情報を表すことができる。また、正方形の小ブロックの大きさが横4個×縦4個であり、小ブロック内で同じ値の桝目が連続する個数の上限を3個とすると、とりうる指定パターン数は22874通りとなり14ビットの情報を表すことができる。
【0038】
なお、内部に基準ブロックUを含む小ブロックであっても、そのような小ブロックを構成する枡目のうち、基準ブロックUを構成する枡目以外の残りの枡目を用いて本来の記録情報を記録することもできる。
【0039】
次に、上記記録方法によって記録された記録情報を読み取る方法について説明する。
【0040】
前提として、情報記録領域23がどのような大きさの小ブロックによって構成されているかは不明であるが、基準ブロックUは横3個×縦3個、計9個の桝目が正方形に連結したものであり、かつ情報記録領域23の左上隅に配置されていることが予め分かっているものとする。
【0041】
まず、図8(a),(b),(c)に示すように、情報記録領域23の左上隅を探索して基準ブロックUを見つけ、この基準ブロックUに記録されたパターンを読み取る。ここで、基準ブロックUに表現するパターンu1,u2,u3,…として、左上隅の桝目が黒で、かつ、その桝目の右、下および右下に隣り合う桝目が白であるパターンを採用しているので、基準ブロックUの左上隅の黒桝目を認識することによって、情報記録領域23を構成する桝目の大きさを知ることができる。したがって、各枡目の位置決めを容易に行うことができ、基準ブロックUを取り出して、基準ブロックUのパターン(各枡目の値)を読み取ることができる。
【0042】
次に、このようにして読み取った基準ブロックUのパターンに基づいて、情報記録領域23を構成する小ブロックの大きさを知る。例えば、図8(a)に示すように基準ブロックUのパターンがu1である場合は小ブロックの大きさは横6個×縦6個であり、図8(b)に示すように基準ブロックUのパターンがu2である場合は小ブロックの大きさは横4個×縦4個であり、図8(c)に示すように基準ブロックUのパターンがu3である場合は小ブロックの大きさは横3個×縦3個である。
【0043】
次に、このようにして得た小ブロックの大きさに基づいて、情報記録領域23を小ブロック毎に区切り、小ブロック単位で桝目の情報を読み取る。例えば、小ブロックの大きさが横6個×縦6個であれば、図4に示すように情報記録領域23を小ブロックW1ごとに区切り、小ブロックW1単位で桝目の情報を読み取る。小ブロックの大きさが横4個×縦4個であれば、図5に示すように情報記録領域23を小ブロックW2ごとに区切り、小ブロックW2単位で桝目の情報を読み取る。また、小ブロックの大きさが横3個×縦3個であれば、図6に示すように情報記録領域23を小ブロックW3ごとに区切り、小ブロックW3単位で桝目の情報を読み取る。
【0044】
このようにして、小ブロックの大きさが予め分かっていなくても、情報記録領域23に記録された情報を読み取ることができる。
【0045】
なお、基準ブロックUに記録される小ブロックの大きさは重要であるから、図11に示すように、情報記録領域23の四隅に配置された小ブロックW1#の内部にそれぞれ基準ブロックUを設定しても良い。このようにした場合、左上隅の基準ブロックUが汚れ等により潰れたとしても、右上隅、左下隅、右下隅に残っている基準ブロックUによって小ブロックの大きさを知ることができる。各基準ブロックUは、探索の便宜上、情報記録領域23の隅に内接するように配置するのが望ましい。
【0046】
また、上述の実施形態では、小ブロックや基準ブロックの形状を正方形としたが、これに限られるものではなく、矩形であれば良い。例えば、図12に示すように、横6個×縦3個、計18個の枡目が長方形に連結してなる小ブロックW4を設定し、この小ブロックW4を横4個×縦6個、計24個行列状に配列して情報記録領域23を構成し、左上隅に配置された小ブロックW4の内部に横3個×縦3個、計9個の枡目が正方形に連結してなる基準ブロックUを設定することもできる。
【0047】
次に、上述の記録方法において、記録面内での位置を示すように特定の形状に連結した複数の枡目にマーク(白又は黒)を所定のパターンで付してなる特定パターンを設定し、この特定パターンを小ブロックの各頂点に配置するとともに、基準ブロックの各頂点に配置する場合について説明する。
【0048】
図14に示すように、特定パターン22として、黒が付された1個の枡目からなる中心部41と、その周囲を環状に取り囲む白が付された8個の枡目からなる第1環状部42と、さらにその周囲を環状に取り囲む黒が付された16個の枡目からなる第2環状部43とで構成されるパターンを設定する。この特定パターン22は、横5個×縦5個、計25個の枡目を含む正方形のブロックに表現される。
【0049】
図13に示すように、横24個×縦24個の桝目が連結してなる正方形の小ブロックW5を設定し、この小ブロックW5の右下隅に上記特定パターン22を内接させて配置する。このように小ブロックW5に特定パターン22を付加したものを情報セグメントG1と呼ぶこととする。図15に示すように、記録面20上にこの情報セグメントG1を横2個×縦3個隙間なく行列状に配列して矩形の情報記録領域23を設定する。さらに、読み取りの便宜のために、情報記録領域23の上辺23a、左辺23bに沿って、各小ブロックW5の頂点に左上方向から接するように特定パターン22を付加する。この結果、全体として、情報記録領域23を構成する小ブロックW5の各頂点の左上に特定パターン22を配置した状態となる。なお、情報記録領域23の左上隅に配置された情報セグメントG1には、符号に「#」を付して、左上隅以外に配置された情報セグメントG1と区別している(以下同様。)。また、図13では、1つの情報セグメントG1の上、左上、左に隣接する情報セグメントに配置された(または情報記録領域23の上辺、左辺に沿って付加された)特定パターン22を併せて示している。
【0050】
また、図16に示すように、情報セグメントG1の大きさに関する情報を記録するための、横8個×縦8個の桝目が連結してなる正方形の基準ブロックU#を設定する。この基準ブロックU#の右下隅に上記特定パターン22を内接させて配置する。すなわち、基準ブロックU#の右下隅の頂点に左上方向から接するように特定パターン22を付加する。また、基準セグメントUGの残りの3つの頂点にも、それぞれ左上方向から接するように特定パターン22を付加している。このように基準ブロックU#の各頂点の左上に特定パターン22を付加したものを基準セグメントUGと呼ぶこととする。
【0051】
図17に示すように、この基準セグメントUGを構成する基準ブロックU#を、情報記録領域23の左上隅の情報セグメントG1#の内部に、左上隅に内接した形で配置する。この結果、左上隅の情報セグメントG1#の左上の頂点に付加された特定パターン22と、基準ブロックUGの左上の頂点に付加された特定パターン22とを同じ位置に共通に配置することになる。したがって、記録面20を効率的に使用することができる。なお、図18は、図15に示した情報記録領域23に、このようにして基準セグメントUGを配置したときの、特定パターン22の全体的配置を示している。
【0052】
また、図19の場合は、横16個×縦16個の桝目が連結してなる正方形の小ブロックW6に、上述のように特定パターン22を付加して情報セグメントG2を構成している。この情報セグメントG2を横3個×縦4個行列状に配列して情報記録領域23を設定している。そして、上記基準セグメントUGを構成する基準ブロックU#を、情報記録領域23の左上隅の情報セグメントG2#の内部に、左上隅に内接した形で配置している。図20の場合は、横8個×縦8個の桝目が連結してなる正方形の小ブロックW7に、上述のように特定パターン22を付加して情報セグメントG3を構成している。この情報セグメントG2を横6個×縦8個行列状に配列して情報記録領域23を設定している。そして、上記基準セグメントUGを構成する基準ブロックU#を、情報記録領域23の左上隅の情報セグメントG3#の内部に、左上隅に内接した形で配置している。なお、この場合は、情報セグメントG3#と基準セグメントUGとが一致しているので、基準セグメントUGは自動的に情報記録領域23の左上隅に内接した状態となる。
【0053】
いずれの場合も、基準セグメントUGを構成する64個の桝目のうち、特定パターン22に用いられている25個の桝目を除く39個の桝目を用いて、情報セグメントの大きさについての情報を記録する。
【0054】
図21は、この記録方法を実施するためのデジタル情報記録装置の概略構成を示している。このデジタル情報記録装置は、データ入力手段としてのデータ入力装置82と、パラメタ指示手段としてのパラメタ指示装置88と、情報記録領域設定手段、基準ブロック設定手段、データ配置手段およびパターン生成手段としての情報記録装置81と、印刷手段としての印刷装置83とを備えている。
【0055】
データ入力装置82は、例えばキーボード、データベースなどによって構成され、各種データを読み込むことができる。パラメタ指示装置88もまた、例えばキーボード、データベースなどによって構成され、データをどのように記録するかに関するパラメタを指示することができる。なお、データ入力装置82とパラメタ指示装置88とを共通にして一つの装置とすることもできる。情報記録装置81は、入力部84と、データ変換部85と、出力部86と、データ変換(コード化)アルゴリズム87とを備えている。印刷装置83は、必要な精度に応じて例えばドットプリンタ、レーザープリンタなどによって構成されている。
【0056】
このデジタル情報記録装置は、図23に示すフローにしたがって、記録すべき各種データを記録面20に記録することができる。
【0057】
▲1▼まず、入力装置82が各種データを読み込み(S51)、読み込んだデータを情報記録装置81の入力部84へ渡す。
【0058】
▲2▼次に、パラメタ指示装置88が情報セグメント(小ブロック)の大きさに関するパラメタを読み込み(S52)、読み込んだパラメタを情報記録装置81の入力部84へ渡す。このとき、パラメタは、データごとに操作者がいちいち設定してもよいし、または、予めデータベースに設定しておき、それを読み出すようにしてもよい。
【0059】
▲3▼情報記録装置81では入力部84を介してデータを受けたデータ変換部85が、データ変換(コード化)アルゴリズム86に基づいて次の処理を行う。
【0060】
まず、データの大きさと情報セグメントの大きさに合わせて情報記録領域23の大きさを決定する(S54)。情報記録領域23の大きさは、記録情報と、情報セグメントの大きさと、付加される特定パターン22の数によって決まる。情報記録領域23の横幅を一定の大きさにするとか、情報記録領域23の形状を正方形にするなどの制約が加わる場合もある。なお、予め記録情報の大きさが決まっている場合には、この工程は必要ない。
【0061】
次に、記録面20に対して予め定められた位置(情報セグメントの四隅と基準セグメントの四隅)に特定パターン22を配置する(S55)。図18の例では、記録面20上に、情報セグメントG1の四隅(頂点)に接するように、縦横16桝目おきに格子状に特定パターン22を配置する。これにより、情報記録領域23が設定される。これとともに、基準セグメントUGの四隅(頂点)に接するように、左上隅の特定パターン22に対して右に8桝目離れた位置、下に8桝目離れた位置、右に8桝目離れた位置から下に8桝目離れた位置にそれぞれ特定パターン22を配置する。これにより、基準セグメントUGが設定される。
【0062】
次に、情報記録領域23内で本来の記録情報を表す桝目21に対して、予め定められたマッピングに従って、データおよび指示されたパラメタのビット情報を配する(S56)。
【0063】
すなわち、データ入力装置82によって入力されたデータ(ビット情報)は、図13に示した情報セグメントG1の枡目のうち、特定パターン22に使用されている枡目以外の枡目に記録する。例えば1段目の左上隅の桝目から右に向かってアドレス番地1,2,…,24、2段目の左端から右に向かってアドレス番地25,26,…,48と順次対応させることによりマッピングを行い、各枡目毎にビット情報を記録することができる。また、パラメタ指示装置88によって指示されたパラメタ(ビット情報)は、図16に示した基準セグメントUGの枡目のうち、特定パターン22に使用されている枡目以外の枡目に記録する。なお、必要に応じて、図17に示した左上隅の情報セグメントG1#の枡目のうち、基準セグメントUGや右下隅の特定パターン22に使用されている枡目以外の桝目に、データのビット情報を記録してもかまわない。
【0064】
▲4▼そして、情報記録装置81の出力部86から渡された記録情報を、印刷装置83が記録面20に印刷する(S57)。
【0065】
このように、このデジタル情報記録装置によれば、記録担体の記録面20にデジタル情報を記録することができる。
【0066】
次に、上述の如く特定パターンを小ブロックの各頂点に配置するとともに、基準ブロックの各頂点に配置して記録された記録情報(2次元パターン)を読み取る方法について説明する。
【0067】
そのような記録情報は読取装置によって光学的に読み取られ、図24に示すように、記録情報に対応した白黒の画素からなるビットマップデータが得られる。なお、図24では、簡単のため枡目を省略して、特定パターン22、仮想的に設定された基準セグメントUGおよび情報セグメントG1の境界線のみを示している。さらに各特定パターン22を区別するために、a00−a46,d01,d10,d11の番号を用いている。解読はこのビットマップデータに対して行うものとする。各特定パターン22は図14に示したパターンであることが予め分かっているものとする。
▲1▼まず、特定パターンを探索する。
【0068】
特定パターンを探索する場合、まずビットマップデータの中から情報記録領域23に相当する矩形領域を判別し、その四隅を調べる。この例では、四隅に特定パターンa00,a06,a40,a46が配置されているため、その四隅の特定パターンa00,a06,a40,a46を検出する。
【0069】
各特定パターン22は図14に示したパターンであることが予め分かっているため、四隅の特定パターンa00,a06,a40,a46を分析することにより情報記録領域23に仮想的に設定された桝目のおよその大きさを知ることができる。
【0070】
続いて、基準セグメントUGの四隅に配置された特定パターンのうち、a00以外の残りの特定パターンd01,d10,d11の探索を行う。
【0071】
すなわち、左上隅の特定パターンa00から情報記録領域23の辺に沿って、右方向に8桝目離れた位置に特定パターンd01が、下方向に8桝目離れた位置の特定パターンd10が、それぞれ出現することを予想する。この予想位置近傍を調べて特定パターン22と一致する形状(パターン)を探す。さらに、既知の特定パターンa00,d01,d10の位置をもとに、基準セグメントUGの四隅に配置されたいもう1つの特定パターンd10を探索する。一般に図27に示すように、3つの座標c00,c01,c10が既知であれば、その3つの座標と平行四辺形を構成するもう1つの座標c11は、3つの座標c00,c01,c10からベクトルの合成を用いて求めることができる(ベクトルc00→c01とベクトルc00→c10を合成したものがベクトルc00→c11と等しい。)。したがって、既知の特定パターンa00,d01,d10の位置をもとに、もう1つの特定パターンd11の位置を予想し、その予想位置近傍を調べることにより、特定パターンd11を見つけることができる。
【0072】
▲2▼次に、探索した特定パターン22の位置(位置情報)を求める。
【0073】
図28は、図14に示した特定パターン22を読み取って得られたビットマップデータを例示している。この特定パターン22の位置は中心部41の位置によって示すことができ、中心部41の位置はその重心の位置によって代表させることが望ましい。
【0074】
図28のビットマップデータにおける中心部41の重心位置は、中心部41を構成する全ての黒ビットの位置を調べてそれらを平均すれば求めことができる。平均によって重心位置を求める場合、平均に用いるサンプルの数が多ければ多いほど正しい重心位置が求められる。特定パターン22は上下左右に対して対称な形状をしているため、第1環状部42の重心位置も中心部41の重心位置と一致するはずである。そのため、図28のビットマップデータにおいて、中心部41を構成する全ての黒ビットの位置と、第1環状部42を構成する全ての白ビットの位置とをそれぞれ平均することによって、中心部41の重心位置を精度良く求めることができる。なお、さらに第2環状部43の情報を利用することも考えられるが、第2環状部43の外側に隣接する本来の記録情報を表す桝目の値が黒の場合、第2環状部43の枡目と本来の記録情報を表す領域21との境界を見分けることが難しいため、第2環状部43の情報を利用することはあまり実用的でない。
【0075】
▲3▼次に、基準セグメントUGについて、情報セグメントの大きさに関する情報を表す桝目の値を得る。
【0076】
その方法を図29を用いて説明する。図29は、情報記録領域23のうち隣り合う4個の特定パターン22を含む領域(M行N列の桝目を含む領域)を模式的に示している。
【0077】
図29において、左上(0行0列目)の特定パターン22の位置をP00、右上(0行N列目)の特定パターン22の位置をP0N、左下(M行0列目)の特定パターン22の位置をPM0、右下(M行N列目)の特定パターン22の位置をPMNとし、これら4個の特定パターン22に囲まれた領域内のm行n列目(m,nは任意の整数)の桝目の位置をPmnとする。
【0078】
P00とP0Nとをn:(N−n)に内分した点をP0n、PM0とPMNとをn:(N−n)に内分した点をPMn、P00とPM0とをm:(M−m)に内分した点をPm0、P0NとPMNとをm:(M−m)に内分した点をPmNとすると、求める桝目Pmnの位置は、P0nとPMnとを結ぶ直線L1と、Pm0とPmNとを結ぶ直線L2との交点として表される。直線L1と直線L2との交点Pmnは、直線L1をm:(M−m)に内部した点または直線L2をn:(N−n)に内分した点としても表される。上記4個の特定パターン22の位置P00,P0N,PM0,PMNを用いて、これら4個の特定パターン22に囲まれた領域内の枡目の位置Pmnを表すと、
【数1】
となる。
【0079】
このようにして目的の枡目の位置Pmnを求めて、求めた枡目の値を得ることができる。
【0080】
この方法によって基準セグメントUGの情報を調べることにより、情報記録領域23を構成する情報セグメントの大きさを知ることができる。情報セグメント(小ブロック)の大きさが、例えば図17に示した情報セグメントG1のように横24個×縦24個である場合、特定パターン22が情報記録領域23全体にわたって横24桝目、縦24桝目おきに格子状に配置されていると判断できる。
【0081】
▲4▼次に、情報記録領域23の四辺に沿って配置された残りの特定パターン22を探索する。
【0082】
図24で、情報記録領域23の上辺に沿った特定パターン22を探索するものとすると、まず特定パターンa01を探し、順次右へ向かってa02,a03と探していく。例えば特定パターンa01を探す場合、特定パターンが横24桝目ピッチで現れることが予め分かっているため、a00からa06の方向に向かって24桝目分進んだ位置に特定パターンa01が現れることが予想される。そこで、その予想位置近傍を調べて、特定パターン22と一致する形状(パターン)を探す。この操作を繰り返すことにより、情報記録領域23の上辺に沿った特定パターン22を順次見つけることができる。同様にして、情報記録領域23の他の三辺に沿った特定パターン22も順次見つけることができる。
【0083】
情報記録領域23の四辺に隣接していない中央部近傍の特定パターンa11〜a15,a21〜a25,a31〜a35は、情報記録領域23内に特定パターンが格子状に並んでいることを利用して位置を予想し、予想位置近傍を調べて、特定パターンと一致する形状を探すことによって見つけることができる。
【0084】
ここで、中央部近傍の特定パターンa11〜a15,a21〜a25,a31〜a35を探索する方法として次の2通りの方法が考えられる。
【0085】
第1の探索法は、図25に示すように、左右の対応する特定パターン22同士を結ぶ直線と上下の対応する特定パターン22同士を結ぶ直線との交点を求め、この交点の位置から中央部近傍の特定パターン22を探す方法である。すなわち、左辺に沿った特定パターンa10,a20,a30と右辺に沿った特定パターンa16,a26,a36とを対応させて直線で結ぶとともに、上辺に沿った特定パターンa01,a02,a03,a04,a05と下辺に沿った特定パターンa41,a42,a43,a44,a45とを対応させて直線で結び、これらの直線の交点b11〜b15,b21〜b25,b31〜b35を求める。この交点b11〜b15,b21〜b25,b31〜b35付近に特定パターンa11〜a15,a21〜a25,a31〜a35が現れると予想する。そして、予想位置近傍を調べて、特定パターン22と一致する形状を探す方法である。例えば、特定パターンa12を探す場合には、a10,a16を結ぶ直線と、a02,a42を結ぶ直線との交点b12を予想位置として設定し、その位置近傍を調べて特定パターンa12を見つける。
【0086】
第2の探索法は、図26に示すように、既知の隣り合う3つの特定パターン22を利用して近傍の特定パターン22の位置を予想する方法である。
【0087】
例えば特定パターンa00,a01,a10の座標を利用して特定パターンa11の位置を予想し、その予想位置近傍を調べて、特定パターンと一致する形状を探す(図27で説明した方法である。)。この新たに得た特定パターンa11の座標と特定パターンa01,a02の座標を利用して特定パターンa12の探索を行う。このようにして、逐次的に中央部近傍の特定パターンa11〜a15,a21〜a25,a31〜a35を探すことができる。
【0088】
▲5▼最後に情報セグメントの四隅に配置された特定パターン22の位置(位置情報)を求め、情報セグメントG1の情報を表す桝目の値を得る。
【0089】
特定パターン22の位置情報は、図28を用いて既に説明した求め方によって求める。また、情報セグメントG1の桝目の値は、図29を用いて既に説明した方法によって求める。
【0090】
図22はこの発明の一実施例のデジタル情報解読装置の概略構成を示している。このデジタル情報解読装置は、読取手段としての読取装置92と、探索手段、パラメタ認識手段および情報解読手段としての情報解読装置91と、出力手段としての出力装置93を備えている。読取装置92は、必要な読取精度に応じて、例えばイメージスキャナ、CCD(チヤージ・カップルド・デバイス)カメラなどによって構成され、紙などの記録面20に印刷された記録情報を読み取ることができる。
【0091】
情報解読装置91は、入力部94と、データ変換部95と、出力部96と、データ変換(解読)アルゴリズム97とを備えている。入力部94は、読取装置92からのデータを入力情報として受けとり、データ変換部95へ渡す。なお、一般的には、読取装置92から入力部94に渡される入力情報はビットイメージである。データ変換部95は、入力部94から受け取った入力情報を、データ変換(解読)アルゴリズム97に基づいて解読し、出力情報として出力部96へ渡す。出力部96は、データ変換部95から受け取った出力情報を出力装置93へ出力する。出力装置93は、例えばディスプレイ、データベースなどによって構成され、読み取った情報を表示または格納する。
【0092】
ここで、図21中のデータ変換(コード化)アルゴリズム87と、図22中のデータ変換(解読)アルゴリズム97とは、互いに逆の変換を行う。したがって、図21の記録装置によって記録面20に印刷された記録情報を図22の解読装置によって読み取ることができ、元のデータと同じものを得ることができる。
【0093】
このデジタル情報解読装置は、図30に示すフローにしたがって、記録担体の記録面20に記録された情報を読み出すことができる。
【0094】
前提として、情報記録領域23がどのような大きさの情報セグメントによって構成されているかは不明であるものとする。図17に示したように、基準セグメントUGを構成する基準ブロックU#は、横8個×縦8個の枡目が正方形に連結したものでであり、情報記録領域23の左上隅に内接しているものとする。また、この基準ブロックU#の各頂点に、それぞれ左上から接するように特定パターン22が配置されているものとする。
【0095】
▲1▼まず、読取装置92が記録担体の記録面20に記録された情報を読み取り(S61)、情報解読装置91の入力部94へ渡す。
【0096】
▲2▼情報解読装置91では入力部94を介してデータを受けたデータ変換部95が、データ変換(解読)アルゴリズム96に基づいて次の処理を行う。
【0097】
まず、図24に示したようなビットマップデータから、情報記録領域23内の四隅に配置された特定パターン22を探索して抽出する(S62)。
【0098】
次に、四隅の特定パターン22の情報をもとに、1つの桝目の大きさを決定する(S63)。
【0099】
次に、左上隅に配置された基準セグメントUGの四隅に配置された4つの特定パターンa00,d01,d10,d11を抽出する(S64)。このとき、基準セグメントUGの大きさが横8個×縦8個の枡目であることを利用して、特定パターン22の探索を行うことができる。
【0100】
次に、抽出された特定パターンa00,d01,d10,d11の位置情報をもとに、基準セグメントUGの桝目の位置を決める(S65)。そして、、基準セグメントUGの情報を読み出し、情報セグメントG1の大きさについての情報を得る。情報セグメントG1の大きさについての情報とは、情報セグメントG1の大きさが例えば横24桝目×縦24個の桝目であるといった情報である。
【0101】
次に、情報セグメントG1の大きさについての情報をもとに、残りの特定パターン22を抽出する(S67)。
【0102】
次に、抽出された特定パターンの位置についての情報(位置情報)をもとに、情報セグメントG1における本来の記録情報を表す桝目の位置を決める(S68)。
【0103】
次に、予め定められたマッピングに従って、そのような桝目21に記録された情報を読み出す(S69)。ここで、予め定められたマッピングとは、各枡目とビット情報と対応づけのことである。
【0104】
▲3▼そして、情報記録装置91の出力部96から渡された出力情報を、出力装置93が出力する(S70)。
【0105】
このように、このデジタル情報解読装置によれば、情報セグメント(小ブロック)の大きさが予め分かっていなくても、記録面20に記録されたデジタル情報を解読することができる。
【0106】
なお、基準セグメントUGに記録される情報セグメントの大きさは重要であるから、図31に示すように、情報記録領域23の四隅に配置された情報セグメントG1の内部にそれぞれ基準セグメントUGを設定しても良い。このようにした場合、左上隅の基準セグメントUGが汚れ等により潰れたとしても、右上隅、左下隅、右下隅に残っている基準セグメントUGによって情報セグメントの大きさを知ることができる。各基準セグメントUGを構成する基準ブロックU#は、探索の便宜上、情報記録領域23の隅に内接するように配置するのが望ましい。
【0107】
また、上述の実施形態では、情報セグメントを構成する小ブロックや基準セグメントを構成する基準ブロックの形状を正方形としたが、これに限られるものではなく、矩形であれば良い。
【0108】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1のデジタル情報記録方法では、基準ブロックに小ブロックの大きさに関する情報を記録するので、上記小ブロックの大きさが予め分かっていなくても、読取段階で、情報記録領域内で上記基準ブロックを探索し、上記基準ブロックの内容を読み取ることによって、上記小ブロックの大きさに関する情報を得ることができる。そして、この小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を上記小ブロック単位で読み取ることができる。したがって、記録段階では、上記小ブロックの大きさを一種類に定める必要はなく、情報記録領域の面積、読取精度、求める記録効率などの条件を考慮して上記小ブロックの大きさを最適の大きさに設定することができる。
【0109】
請求項2に記載のデジタル情報記録方法では、記録の結果として、基準ブロックが情報記録領域の隅に内接して配置されるので、読取段階で、まず情報記録領域の隅を探索することにより、上記基準ブロックを容易に見つけることができる。したがって、小ブロックの大きさが予め分かっていなくても、上記基準ブロックの内容を読み取ることによって、上記小ブロックの大きさに関する情報を容易に得ることができ、この小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を上記小ブロック単位で読み取ることができる。
【0110】
請求項3に記載のデジタル情報記録方法では、記録の結果として、矩形の小ブロックの各頂点に特定パターンが配置されるので、読取段階で、矩形の小ブロックの頂点に配置された隣り合う4つの特定パターンによって規定される範囲を、1つの小ブロックとして取り出すことが可能になる。また、上記小ブロックの頂点の4つの特定パターンの位置を基準として、上記小ブロック内の各枡目の位置を求めることができる。このようにした場合、1つの特定パターンの位置を基準とする場合に比して、読取精度を高めることができる。また、記録の結果として、基準ブロックの各頂点にも特定パターンが配置されるので、読取段階で、矩形の基準ブロックの頂点に配置された隣り合う4つの特定パターンによって規定される範囲を、1つの基準ブロックとして取り出すことができる。また、上記基準ブロックの頂点の4つの特定パターンの位置を基準として、上記小ブロックにおけるのと同様の計算方法によって、上記基準ブロック内の各枡目の位置を求めることができる。さらに、上記基準ブロックを上記情報記録領域の隅に内接して配置する場合にあっては、上記情報記録領域の上記隅において、上記小ブロックの頂点の特定パターンと上記基準ブロックの頂点の特定パターンとを同じ位置に共通に設定することができ、したがって、記録面を効率的に使用することができる。
【0111】
請求項4に記載のデジタル情報解読方法によれば、請求項1〜3に記載のデジタル情報記録方法によって記録された情報を読み取り、解読することができる。すなわち、小ブロックの大きさが予めわかっていなくても、情報記録領域内で上記基準ブロックを探索し、上記基準ブロックの内容を読み取ることによって、上記小ブロックの大きさに関する情報を得ることができ、この小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を上記小ブロック単位で読み取ることができる。したがって、記録段階では、上記小ブロックの大きさを一種類に定める必要はなく、情報記録領域の面積、読取精度、求める記録効率などの条件を考慮して上記小ブロックの大きさを最適の大きさに設定することができる。
【0112】
請求項5に記載のデジタル情報記録装置では、情報記録領域設定手段が、パラメタ指示手段によって指示されたパラメタに応じた大きさを持つ小ブロックを設定するとともに、上記記録面上に上記小ブロックを隙間なく複数配列して情報記録領域を設定する。また、基準ブロック設定手段が、上記情報記録領域内の特定の位置に配置された小ブロックの内部に基準ブロックを設定し、データ配置手段が、この基準ブロックに上記パラメタが表す情報を割り当てる。したがって、上記小ブロックの大きさが予め分かっていなくても、読取段階で、情報記録領域内で上記基準ブロックを探索し、上記基準ブロックの内容を読み取ることによって、上記小ブロックの大きさに関する情報を得ることができ、この小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を上記小ブロック単位で読み取ることができる。したがって、記録段階では、上記小ブロックの大きさを一種類に定める必要はなく、情報記録領域の面積、読取精度、求める記録効率などの条件を考慮して上記小ブロックの大きさを最適の大きさに設定することができる。
【0113】
請求項6に記載のデジタル情報解読装置によれば、請求項1〜3に記載のデジタル情報記録方法によって記録された情報を読み取り、解読することができる。すなわち、小ブロックの大きさが予めわかっていなくても、読取手段が出力する画像情報に基づいて、基準ブロック探索手段が上記情報記録領域内で上記基準ブロックを探索し、パラメタ認識手段が上記基準ブロックの内容を読み取ることによって、上記小ブロックの大きさに関する情報を得ることができる。そして、情報解読手段が、この小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を上記小ブロック単位で読み取って、上記情報記録領域に記録されたデジタル情報を再現する。したがって、記録段階では、上記小ブロックの大きさを一種類に定める必要はなく、情報記録領域の面積、読取精度、求める記録効率などの条件を考慮して上記小ブロックの大きさを最適の大きさに設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 情報記録領域を埋めるための小ブロックとして、横6個×縦6個、計36個の桝目が正方形に連結したものを示す図である。
【図2】 図1の小ブロックを記録面に横方向、縦方向に行列状に並べることによって矩形の情報記録領域を構成した例を示す図である。
【図3】 図1の小ブロックの左上隅に、横3個×縦3個、計9個の桝目を正方形に連結してなる基準ブロックを配置した例を示す図である。
【図4】 図2の情報記録領域の左上隅の小ブロックの内部に、情報記録領域の左上隅に内接するように基準ブロックを配置した例を示す図である。
【図5】 図4の変形例であり、情報記録領域を埋めるための小ブロックとして、横4個×縦4個、計16個の桝目が正方形に連結したものを使用し、情報記録領域の左上隅の小ブロックの内部に、情報記録領域の左上隅に内接するように基準ブロックを配置した例を示す図である。
【図6】 図4の別の変形例であり、情報記録領域を埋めるための小ブロックとして、横3個×縦3個、計9個の桝目が正方形に連結したものを使用し、情報記録領域の左上隅の小ブロックに、小ブロックと同じ大きさを持つ基準ブロックを配置した例を示す図である。
【図7】 基準ブロックのパターンを例示する図である。
【図8】 情報記録領域の左上隅に配置された基準ブロックのパターンが、情報記録領域を区切る小ブロックの大きさおよび形状の情報を表していることを示す図である。
【図9】 正方形の小ブロックで、一辺を構成する桝目の数に応じて、小ブロックが本来取り得る白黒パターン数と、小ブロック内で横方向および縦方向に同じ値の桝目が連続する個数が制限された場合に小ブロックがとりうる指定パターン数とを示す図である。
【図10】 この発明の一実施形態の記録方法によって記録面にデジタル情報を2次元パターンとして表現した例を示す図である。
【図11】 図4の変形例であり、情報記録領域の四隅の小ブロックの内部に、それぞれ情報記録領域の隅に内接するように基準ブロックを配置した例を示す図である。
【図12】 図4のさらに別の変形例であり、情報記録領域を埋めるための小ブロックとして、横6個×縦3個、計18個の桝目が長方形に連結したものを使用した例を示す図である。
【図13】 横24個×縦24個の桝目で構成される矩形ブロックの右下隅に特定パターンを内接させて配置することによって構成した情報セグメントを示す図である。
【図14】 特定パターンを示す図である。
【図15】 図13の情報セグメントを並べて構成した情報記録領域の例を示す図である。
【図16】 横8個×縦8個の桝目で構成される矩形ブロックの右下隅に特定パターンを内接させて配置することによって構成した基準セグメントを示す図である。
【図17】 図13の情報セグメントの内部に、図16の基準セグメントを左上隅に内接するように配置した例を示す図である。
【図18】 図15の情報記録領域の左上隅の情報セグメントの内部に、情報記録領域の左上隅に内接するように基準セグメントを配置した例を示す図である。
【図19】 図18の変形例であり、情報セグメントを構成する小ブロックの大きさを横16個×縦16個の桝目で構成した例を示す図である。
【図20】 図18の別の変形例であり、情報セグメントを構成する小ブロックの大きさが横8個×縦8個の桝目で構成した例を示す図である。
【図21】 この発明の一実施形態のデジタル情報記録装置のブロック構成を示す図である。
【図22】 この発明の一実施形態のデジタル情報解読装置のブロック構成を示す図である。
【図23】 この発明の一実施形態のデジタル情報記録方法の処理フローを概略的に説明する図である。
【図24】 一実施形態のデジタル情報解読方法を説明する図であり、記録面から光学的に読み取った画像情報を模式的に表す図である。
【図25】 情報記録領域の外周に沿った特定パターンの位置に基づいて、情報記録領域の中央近傍の特定パターンを探索する第1の探索方法を説明する図である。
【図26】 情報記録領域の外周に沿った特定パターンの位置に基づいて、情報記録領域の中央近傍の特定パターンを探索する第2の探索方法を説明する図である。
【図27】 既知の3つの座標を利用して、平行四辺形を構成するもう1つの座標をベクトルの合成を用いて求める方法を説明する図である。
【図28】 図14の特定パターンを読取装置で光学的に読み取って得られたビットマップデータを示す図である。
【図29】 4つの特定パターンの位置に基づいて、情報記録領域内の任意の桝目の位置を算出する方法を説明する図である。
【図30】 この発明の一実施形態のデジタル情報記録方法の処理フローを概略的に説明する図である。
【図31】 図18の変形例であり、情報記録領域の四隅の情報セグメントの内部に、それぞれ情報記録領域の隅に内接するように基準セグメントを配置した例を示す図である。
【図32】 一定の大きさを持つ記録面に対してブロック単位で記録情報を印刷する例を示す図である。
【図33】 セグメントに対して1個の特定パターンが設定される場合に、セグメントを構成する桝目の数が小さくなると、セグメントに占める特定パターンの割合が大きくなることを示す図である。
【符号の説明】
20 記録面
21 本来の情報を記録すべき領域
22,a00,…,a46,d01,d10,d11 特定パターン
23 情報記録領域
G1,G1#,G2,G2#,G3,G3# 情報セグメント
U,U# 基準ブロック
UG 基準セグメント
W1,W1#,W2,W2#,…,W4,W4#,
W5,W6,…,W9 小ブロック
Claims (6)
- 平面状の記録面に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークをそれぞれ付与して、上記記録すべきデジタル情報を上記マークからなる2次元パターンとして記録するデジタル情報記録方法であって、
複数連結した桝目からなる矩形の小ブロックを設定し、
上記記録面上に上記小ブロックを隙間なく複数配列して、上記2次元パターンを表現すべき情報記録領域を設定し、
上記記録すべきデジタル情報を上記小ブロックの数に応じて分割して単位情報を作成し、この単位情報をそれぞれ上記小ブロックに対応させて割り当てるデジタル情報記録方法において、
上記情報記録領域内の特定の位置に配置された小ブロックの内部に、この小ブロックを構成する枡目のうちの一部又は全部からなる矩形の基準ブロックを設定し、
上記基準ブロックに上記小ブロックの大きさに関する情報を記録することを特徴とするデジタル情報記録方法。 - 請求項1に記載のデジタル情報記録方法において、
上記基準ブロックを含む小ブロックを上記情報記録領域の隅に配置し、かつ上記基準ブロックを上記情報記録領域の上記隅に内接して配置することを特徴とするデジタル情報記録方法。 - 請求項1または2に記載のデジタル情報記録方法において、
上記記録面内での位置を示すように特定の形状に連結した複数の桝目に上記マークを所定のパターンで付してなる特定パターンを設定し、
上記特定パターンを上記小ブロックの各頂点に一定方向から接し又は枡目単位で重ねて配置するとともに、上記特定パターンを上記基準ブロックの各頂点に一定方向から接し又は枡目単位で重ねて配置したことを特徴とするデジタル情報記録方法。 - 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の情報記録方法によって記録された記録情報を読み取るデジタル情報解読方法であって、
上記情報記録領域内の特定の位置に配置された小ブロックの内部の上記基準ブロックを探索する工程と、
上記基準ブロックに記録された上記小ブロックの大きさに関する情報を読み取る工程と、
上記小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を上記小ブロック単位で読み取る工程とを有することを特徴とするデジタル情報解読方法。 - 平面状の記録面に、ビットに対応する行列状の桝目を仮想的に設定し、上記各桝目に記録すべきデジタル情報に応じた光学的に認識可能なマークをそれぞれ付与して、上記記録すべきデジタル情報を上記マークからなる2次元パターンとして記録するデジタル情報記録装置であって、
上記記録すべきデジタル情報を入力するためのデータ入力手段と、
複数連結した桝目からなる矩形の小ブロックの大きさに関するパラメタを指示するためのパラメタ指示手段と、
上記指示されたパラメタに応じた大きさを持つ小ブロックを設定するとともに、上記記録面上に上記小ブロックを隙間なく複数配列して、上記2次元パターンを表現すべき情報記録領域を設定する情報記録領域設定手段と、
上記情報記録領域内の特定の位置に配置された小ブロックの内部に、この小ブロックを構成する枡目のうちの一部又は全部からなる基準ブロックを設定する基準ブロック設定手段と、
上記記録すべきデジタル情報を上記小ブロックの数に応じて分割して単位情報を作成し、この単位情報をそれぞれ上記小ブロックに割り当てるとともに、上記基準ブロックに上記パラメタが表す情報を割り当てるデータ配置手段と、
上記データ配置手段によって上記小ブロック、基準ブロックに割り当てられた情報に基づいて、上記記録面に印刷すべき2次元パターンを生成するパターン生成手段と、
上記パターン生成手段によって生成された2次元パターンを記録面に印刷する印刷手段とを備えたことを特徴とするデジタル情報記録装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の情報記録方法によって記録面に2次元パターンとして記録されたデジタル情報を解読するデジタル情報解読装置であって、
上記記録面に記録された2次元パターンを光学的に読み取って、上記2次元パターンを表す画像情報を出力する読取手段と、
上記画像情報に基づいて、上記情報記録領域内の特定の位置に存在する小ブロックの内部に設定された基準ブロックを探索する基準ブロック探索手段と、
上記基準ブロックから上記小ブロックの大きさに関する情報を読み取るパラメタ認識手段と、
上記パラメタ認識手段によって読み取った上記小ブロックの大きさに関する情報に基づいて、上記情報記録領域に記録された情報を小ブロック単位で読み取って、上記情報記録領域に記録されたデジタル情報を再現する情報解読手段と、
上記情報解読手段が再現したデジタル情報を出力する出力手段とを備えたことを特徴とするデジタル情報解読装置。
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JP00489796A JP3641311B2 (ja) | 1996-01-16 | 1996-01-16 | デジタル情報記録方法および装置並びにデジタル情報解読方法および装置 |
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JPH09198460A JPH09198460A (ja) | 1997-07-31 |
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- 1996-01-16 JP JP00489796A patent/JP3641311B2/ja not_active Expired - Fee Related
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