JP3640283B2 - 磁気テープカセット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、上下カセットハーフと開閉蓋を備えた磁気テープカセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録媒体の高密度化等による近年の技術革新に伴い、磁気テープカートリッジ及びビデオテープレコーダー(以下、VTRという)等がコンパクトになってきている。その結果として、VTRは風景や人物等の撮影のように屋外で使用される場面が非常に多くなっている。
【0003】
このため、磁気テープカートリッジは、屋外での使用等を考慮し、耐塵埃対策として磁気テープの全面および裏面をそれぞれ覆う2枚または3枚式の蓋が実用化されている。
【0004】
図3〜図5は、カセット本体前面の開口部を開閉自在に覆う開閉蓋が3枚のリッドで構成されるDVC(デジタルビデオカセット)用磁気テープカセットの従来例を示したものである。
この磁気テープカセット1は、前面にVTR等の装置側のテープ引き出し部材挿入用の開口部2を備えたカセット本体4、カセット本体4の前面に設けられたテープガイドによって開口部2に張架された磁気テープ5と、携帯持等に開口部2に張架されている磁気テープ5が覆われるように前記カセット本体4の前面側に組み付けられた開閉蓋7とを備えた構成をなしている。
【0005】
カセット本体4は、上カセットハーフ4aと下カセットハーフ4bとで構成されている。また、開閉蓋7は、アウターリッド(前蓋)9、トップリッド(上蓋)10及びインナーリッド(後蓋)11の3枚のリッドで構成されている。
【0006】
アウターリッド9は、開口部2に張架された磁気テープ5の前面側を覆う前蓋板9aと、前蓋板9aの両側から張り出した側板部9bとを備えている。そして、側板部9bの内壁面には支軸ピン9cが突設されており、支軸ピン9cが上カセットハーフ4aの前面寄りの両側板部のピン支持孔12に回動可能に嵌合支持される。したがって、アウターリッド9は、支軸ピン9cを中心に回動自在である。
【0007】
トップリッド10は、開口部2に張架された磁気テープ5の上方を覆う上蓋板10aと、上蓋板10aの前縁側の両端を前蓋板9aの上端縁に回動自在に連結する前蓋連結部10bと、上蓋板10aの後端縁から延出した側板部10cの内側に突設されて上カセットハーフ4aの両側板部に形成されている上蓋ガイド溝13に摺動自在に係合する上蓋ガイドピン10dとを備えている。
【0008】
トップリッド10は、アウターリッド9の開蓋時には、前蓋連結部10bの支軸ピン9c回りの旋回移動に伴って、上蓋ガイドピン10dが上蓋ガイド溝13に沿って移動し、図5に示すように、カセット本体4の上面と略平行に、カセット本体4の後端側に移動する。
インナーリッド11は、開口部に張架された磁気テープ5の後面側を覆う内蓋板11aと、内蓋板11aの上縁を上蓋板10aに回動自在に連結する上蓋連結部11bと、内蓋11aの下縁側両端部から突出してカセット本体4の内側板部に形成されている内蓋ガイド溝15に係合する内蓋ガイドピン11cとを備えている。
【0009】
インナーリッド11は、アウターリッド9の開蓋時には、トップリッド10の移動に上蓋連結部11bが追従し、上蓋連結部11bの移動に伴って、内蓋ガイドピン11cが内蓋ガイド溝15上を移動する。即ち、図5に示す、インナーリッド11はトップリッド10の開蓋動作に従動して、開口部2の上方に退避する。
【0010】
上述の如き磁気テープカセット1は、VTR装置に装填されると、装置側に装備された開蓋ピン(図示せず)によってアウターリッド9の側板部9bが上方に突き上げられ、その時のアウターリッド9の開蓋動作に連動して、トップリッド10及びインナーリッド11が開蓋動作をする。VTR装置から磁気テープカセット1を取り出すには、装填時とは逆に、各リッドが閉蓋動作する。
【0011】
図6に、このような3枚リッド式の開閉蓋7を有した磁気テープカセット1の組み立て方法を示す。
図6に示すように、予めアウターリッド9、トップリッド10及びインナーリッドを仮組しておく。そして、上カセットハーフ4aの前面寄りの両側板部のピン支持孔12にアウターリッド9の支軸ピン9cを嵌合させるとともに上カセットハーフ4aに装備された上蓋ガイド溝13にトップリッド10の上蓋ガイドピン10dを挿入し、3枚のリッド9,10,11を上カセットハーフ4aに組み付けた状態にする。次いで上カセットハーフ4aと下カセットハーフ4bとの組み付けをねじで螺着することにより行っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示すように上カセットハーフ4aの前面寄りの両側板部のピン支持孔12にアウターリッド9の支軸ピン9cを嵌合させるのは水平方向の運動であり、上カセットハーフ4aに装備された上蓋ガイド溝13にトップリッド10の上蓋ガイドピン10dを挿入するのはガイド溝13の挿入部13aが傾斜しているため傾斜方向の運動である。したがって水平方向と傾斜方向の運動を同時にしなければならないので、ガイドピン10dのガイド溝13への挿入が円滑に行えず、組立に手間がかかり、生産性の向上が難しいという問題があった。
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することにあり、組立が容易で、生産性を向上させることができる磁気テープカセットを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、
上下カセットハーフと、
アウターリッド、トップリッド及びインナーリッドからなる開閉蓋と、
前記トップリッドの側板内側に突設されたガイドピンを案内すべく前記上カセットハーフの両側板部に設けられたガイド溝とを備えた磁気テープカセットにおいて、
前記ガイド溝は、前記上カセットハーフ端部において開放されており、その開放部分の底面は、前記ガイドピンが略水平方向から前記開放部分に挿入できるように前記磁気テープカセット前方に延出していることを特徴とする磁気テープカセットよって解決される。
【0014】
本発明によれば、上カセットハーフのガイド溝は、前記上カセットハーフ端部において開放されており、その開放部分の底面は、ガイドピンが略水平方向から前記開放部分に挿入できるように磁気テープカセット前方に延出していることにより、水平移動させる動作で前記ガイドピンを前記ガイド溝へ挿入できるから、前記ガイドピンのガイド溝への挿入が円滑に行える。
したがって、磁気テープカセットの組立が容易になるとともに生産性を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。 図1は、本発明の第一実施形態に係る磁気テープカセット30の上カセットハーフ35を示す側面図である。
本実施形態の磁気テープカセット30は、従来の磁気テープカセットと略同様に構成されているので、本発明の要旨以外の部分の説明は省略し、同様な構成については同一符号を付して説明する。
【0016】
図1に示すように、磁気テープカセット30には、上カセットハーフ35の両側板部に上蓋ガイド溝36が形成されている。上蓋ガイド溝36には,上カセットハーフ35の端部において開放された傾斜部36aが設けられており、その傾斜部36aの底面は、上蓋ガイドピン10dが略水平方向から傾斜部36aに挿入できるように磁気テープカセット30の前方に延出しており、その先端部には誘い込み部36bが設けられている。誘い込み部36bは、傾斜部36aの開口側の上端面の略下方に設けられている。
なお、誘い込み部36bは、テーパ面であることが好ましい。
【0017】
図2に、本実施形態の3枚リッド式の開閉蓋7を有した磁気テープカセット30の組み立て方法を示す。
図2に示すように、従来と同様アウターリッド9、トップリッド10及びインナーリッドを予め仮組しておく。そして、上カセットハーフ35の前面寄りの両側板部のピン支持孔37にアウターリッド9の支軸ピン9cを嵌合させるとともに上カセットハーフ35の両側板に形成された上蓋ガイド溝36にトップリッド10の上蓋ガイドピン10dを挿入し、3枚のリッド9,10,11を上カセットハーフ35に組み付けた状態にする。
この際、上蓋ガイド溝36には、上カセットハーフ35の端部において開放された傾斜部36aが設けられており、その傾斜部36aの底面は、上蓋ガイドピン10dが略水平方向から傾斜部36aに挿入できるように磁気テープカセット30の前方に延出しているので、上カセットハーフ35のピン支持孔37にアウターリッド9の支軸ピン9cを嵌合させる運動と、上カセットハーフ35の上蓋ガイド溝36にトップリッド10の上蓋ガイドピン10dを挿入させる運動は共に水平方向の運動となり、上蓋ガイドピン10dの上蓋ガイド溝13への挿入が円滑に行える。また、誘い込み部36bは、上蓋ガイド溝36にトップリッド10の上蓋ガイドピン10dを挿入しやすくなるように案内する。
すなわち、従来行っていた上蓋ガイドピン10dを上蓋ガイド溝へ挿入するための傾斜方向の運動と、上カセットハーフ35のピン支持孔37にアウターリッド9の支軸ピン9cを嵌合させる水平方向の運動を同時に行う必要がない。
したがって、磁気テープカセットの組立が容易になるとともに生産性を向上させることができる。
【0018】
【発明の効果】
以上のように本発明は、上カセットハーフのガイド溝は、前記上カセットハーフ端部において開放されており、その開放部分の底面は、ガイドピンが略水平方向から前記開放部分に挿入できるように磁気テープカセット前方に延出しているので、水平移動させる動作で前記ガイドピンを前記ガイド溝へ挿入でき、前記ガイドピンのガイド溝への挿入が円滑に行える。
したがって、磁気テープカセットの組立が容易になるとともに生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるにおける磁気テープカセットの上カセットハーフの側面図である。
【図2】本発明の一実施形態における磁気テープカセットの組立方法を示す。
【図3】従来の3枚リッド式の磁気テープカセットの組立状態の斜視図である。
【図4】図3に示した磁気テープカセットの蓋が閉じている状態を示す要部断面図である。
【図5】図3に示した磁気テープカセットの蓋が開いた状態を示す要部断面図である。
【図6】従来の磁気テープカセットの組立方法を示す
【符号の説明】
1 磁気テープカセット
2 開口部
4 カセット本体
4a 上カセットハーフ
4b 下カセットハーフ
5 磁気テープ
7 開閉蓋
9 アウターリッド
9a 前蓋板
9b 側板部
9c 支軸ピン
10 トップリッド
10a 上蓋板
10b 前蓋連結部
10c アーム部
10d 上蓋ガイドピン
11 インナーリッド
11a 内蓋板
11b 連結部
11c 内蓋ガイドピン
12 ピン支持孔
13 上蓋ガイド溝
13a 挿入部
15 内蓋ガイド溝
30 磁気テープカセット
35 上カセットハーフ
36 上蓋ガイド溝
36a 傾斜部
36b 誘い込み部
37 ピン支持孔
Claims (1)
- 上下カセットハーフと、
アウターリッド、トップリッド及びインナーリッドからなる開閉蓋と、
前記トップリッドの側板内側に突設されたガイドピンを案内すべく前記上カセットハーフの両側板部に設けられたガイド溝とを備えた磁気テープカセットにおいて、
前記ガイド溝は、前記上カセットハーフ端部において開放されており、その開放部分の底面は、前記ガイドピンが略水平方向から前記開放部分に挿入できるように前記磁気テープカセット前方に延出していることを特徴とする磁気テープカセット。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP14543697A JP3640283B2 (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 磁気テープカセット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14543697A JP3640283B2 (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 磁気テープカセット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10334637A JPH10334637A (ja) | 1998-12-18 |
JP3640283B2 true JP3640283B2 (ja) | 2005-04-20 |
Family
ID=15385208
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14543697A Expired - Fee Related JP3640283B2 (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 磁気テープカセット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3640283B2 (ja) |
-
1997
- 1997-06-03 JP JP14543697A patent/JP3640283B2/ja not_active Expired - Fee Related
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