JP3639481B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気浄化用の触媒の昇温を促進する触媒昇温促進制御を実行する内燃機関の制御装置に関し、特に触媒昇温促進制御が正常に実行されない故障を診断する機能を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の排気系に設けられる排気浄化用の触媒は、低温では不活性状態にあり浄化作用を発揮しないため、機関始動直後においては早期にその温度を上昇させて活性化させることが望ましい。そこで、始動直後において内燃機関の吸入空気量を通常のアイドル時よりも増加させるとともに、機関回転数(回転速度)が目標回転数と一致するように、点火時期を遅角方向にフィードバック制御する手法が従来より知られている(特開平10−299631号公報)。この手法によれば、吸入空気量の増量にともなって燃料供給量も増加し、通常のアイドル時に比べて発熱量が増加して、触媒の昇温を促進することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置では、吸入空気量の増量や点火時期の遅角方向への変更が、制御装置からの指令通りに実行されないような故障については考慮されていない。そのため、そのような故障が発生した場合に、運転者が気づくのが遅れ始動直後における排気特性を悪化させるおそれがあった。
【0004】
本発明はこの点に着目してなされたものであり、吸入空気量の増量と点火時期の遅角制御とを組み合わせた触媒の昇温促進制御を実行する場合において、その昇温促進制御の不具合を早期に診断して、排気特性の悪化を最小限に抑制することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、排気系に触媒が設けられた内燃機関の吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段と、前記機関の点火時期を制御する点火時期制御手段と、前記機関の始動後吸入空気量を増量すると共に前記点火時期を前記機関の回転数が目標回転数に一致するように遅角する触媒昇温手段とを有する内燃機関の制御装置において、前記触媒昇温手段の作動中に前記吸入空気量を故障判定のために減量し、該吸入空気量減量時における前記機関回転数と、前記目標回転数との差が判定閾値より大きいとき、前記触媒昇温手段が故障していると判定する故障診断手段を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、排気系に触媒が設けられた内燃機関の吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段と、前記機関の点火時期を制御する点火時期制御手段と、前記機関の始動後吸入空気量を増量すると共に前記点火時期を前記機関の回転数が目標回転数に一致するように遅角する触媒昇温手段とを有する内燃機関の制御装置において、前記触媒昇温手段の作動中に前記吸入空気量を故障判定のために減量し、該吸入空気量減量時における前記点火時期の変化量が判定閾値より小さいとき、前記触媒昇温手段が故障していると判定する故障診断手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、触媒昇温手段の作動中に吸入空気量を故障判定のために減量し、該吸入空気量減量時における機関回転数と、目標回転数との差が判定閾値より大きいとき、触媒昇温手段が故障していると判定されるので、触媒昇温手段の不具合を早期に診断して、排気特性の悪化を最小限に抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、触媒昇温手段の作動中に吸入空気量を故障判定のために減量し、該吸入空気量減量時における点火時期の変化量が判定閾値より小さいとき、触媒昇温手段が故障していると判定されるので、触媒昇温手段の不具合を早期に診断して、排気特性の悪化を最小限に抑制することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる内燃機関(以下「エンジン」という)及びその制御装置の構成を示す図であり、例えば4気筒のエンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。スロットル弁3にはスロットル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット(以下「ECU」という)5に供給する。
【0008】
吸気管2にはスロットル弁3をバイパスする補助空気通路17が接続されており、補助空気通路17の途中には補助空気量を制御する補助空気制御弁18が設けられている。補助空気制御弁18は、ECU5に接続されており、ECU5によりその開弁量が制御される。
【0009】
燃料噴射弁6は吸気管2内に燃料を噴射するように各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されてECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。
一方、スロットル弁3の直ぐ下流には吸気管内絶対圧(PBA)センサ7が設けられており、この絶対圧センサ7により電気信号に変換された絶対圧信号はECU5に供給される。また、その下流には吸気温(TA)センサ8が取付けられており、吸気温TAを検出して対応する電気信号を出力してECU5に供給する。
【0010】
エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(TW)センサ9はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出力してECU5に供給する。
ECU5には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ10が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ10は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置で信号パルス(以下「CYL信号パルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角180度毎に)TDC信号パルスを出力するTDCセンサ及びTDC信号パルスより短い一定クランク角周期(例えば30度周期)で1パルス(以下「CRK信号パルス」という)を発生するCRKセンサから成り、CYL信号パルス、TDC信号パルス及びCRK信号パルスがECU5に供給される。これらの信号パルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御及びエンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。
【0011】
エンジン1の各気筒毎に設けられた点火プラグ11は、ECU5に接続されており、点火プラグ11の駆動信号、すなわち点火信号がECU5から供給される。
三元触媒16はエンジン1の排気管12に配置されており、排気ガス中のHC,CO,NOx等の成分の浄化を行う。排気管12の三元触媒16の上流側には、比例型空燃比センサ14(以下「LAFセンサ14」という)が装着されており、このLAFセンサ14は排気ガス中の酸素濃度(空燃比)にほぼ比例する検出信号を出力しECU5に供給する。
【0012】
ECU5には、エンジン1によって駆動される車両の走行速度(車速)VPを検出する車速センサ21、大気圧PAを検出する大気圧センサ22及び当該車両の自動変速機のシフト位置を検出するシフト位置センサ23が接続されており、これらのセンサの検出信号がECU5に供給される。
【0013】
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路5a、中央演算処理回路(以下「CPU」という)5b、該CPU5bで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶手段5c、前記燃料噴射弁6、点火プラグ11などに駆動信号を供給する出力回路5d等から構成される。
【0014】
CPU5bは、上述の各種エンジンパラメータ信号に基づいて、種々のエンジン運転状態を判別するとともに、該判別されたエンジン運転状態に応じて、次式(1)に基づき、TDC信号パルスに同期して開弁作動する燃料噴射弁6による燃料噴射時間TOUTを演算する。
TOUT=TI×KCMD×KLAF×K1+K2…(1)
ここに、TIは燃料噴射弁6の基本燃料噴射時間であり、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて設定されたTIマップを検索して決定される。TIマップは、マップ上のエンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに対応する運転状態において、エンジン1に供給される混合気の空燃比がほぼ理論空燃比になるように設定されている。
【0015】
KCMDは目標空燃比係数であり、エンジン回転数NE、吸気管内絶対圧PBA、エンジン水温TW等のエンジン運転パラメータに応じて設定される。目標空燃比係数KCMDは、空燃比A/Fの逆数、すなわち燃空比F/Aに比例し、理論空燃比のとき値1.0をとるので、目標当量比ともいう。
KLAFは、LAFセンサ14の検出値から算出される検出当量比KACTが目標当量比KCMDに一致するようにPID制御により算出される空燃比補正係数である。
【0016】
CPU5bはさらに、下記式(2)により点火時期IGLOGを算出する。
IGLOG=IGMAP+IGCR+IGFPI (2)
ここで、IGMAPは、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて設定されたIGマップを検索して得られる点火時期の基本値、すなわち上死点からの進角量で示される点火時期である。またIGFPIは、後述するようにエンジン1の暖機運転中の急速暖機リタード制御実行時においてエンジン回転数NEが目標回転数NEFIRと一致するように負の値に設定される遅角補正項であり、IGCRは、遅角補正項IGFPI以外の補正項である。(IGMAP+IGCR)が、急速暖機リタード制御を実行しない通常制御時の点火時期に相当する。なお、以下の説明では、急速暖機リタード制御を実行する運転モードを「FIREモード」という。
【0017】
CPU5bは上述のようにして求めた燃料噴射時間TOUTに基づいて,燃料噴射弁6を駆動する信号を燃料噴射弁6に供給するとともに、点火時期IGLOGに基づいて点火プラグ11を駆動する信号を点火プラグ11に供給する。さらにCPU5bは、エンジン運転状態に応じて補助空気制御弁18の開弁量を制御するための開弁制御量ICMDを算出し、開弁制御量ICMDに応じた駆動信号を補助空気制御弁18に供給する。CPU5bは、FIREモード(及びFIREモード終了直後の過渡状態)においては、下記式(3)により開弁制御量ICMDを算出する。補助空気制御弁18を介してエンジン1の吸入される空気量は、この開弁制御量ICMDに比例するように構成されている。
ICMD=(IFIR+ILOAD)×KIPA+IPA(3)
【0018】
ここで、IFIRはFIREモード時(及びFIREモード終了直後の過渡状態のとき)に使用されるFIREモード制御項、ILOADはエンジン1に加わる電気負荷、空調装置のコンプレッサ負荷、パワーステアリング負荷などのオンオフあるいは自動変速機がインギヤか否かに応じて設定される負荷補正項、KIPA及びIPAは共に大気圧PAに応じて設定される大気圧補正係数及び大気圧補正項である。
【0019】
図2及び3は、FIREモード及びFIREモード終了直後においてFIREモード制御項IFIRの算出を行うメインルーチンのフローチャートである。このルーチンは、CPU5bにおいてTDC信号パルスの発生に同期して実行される。
【0020】
ステップS1では図5に示すFIREモード判別処理を実行する。FIREモード判別処理では、FIREモードへの移行またはFIREモードの継続を許可すること「1」で示すFIREモードフラグFFIREONの設定などの処理が行われる。
ステップS2では、FIREモードフラグFFIREONが「1」であるか否かを判別し、FFIREON=0であってFIREモードへの移行またはFIREモードの継続が許可されていないときは、ステップS26(図3)に進み、FFIREON=1であってFIREモードへの移行またはFIREモードの継続が許可されているときは、FIREモード終了直後の過渡制御実行中であることを「1」で示す過渡制御フラグFFIRQUITを「0」に設定し(ステップS3)、故障判定の実施を指示することを「1」で示す故障判定実施フラグFDETが「1」であるか否かを判別する(ステップS4)。この故障判定実施フラグFDETは、後述する図13の故障判定処理で設定されるものであり、FIREモード開始時点から所定遅延時間TMFIREDLYが経過した時点で「1」に設定される。
【0021】
FIREモード開始当初はFDET=0であるので、後述するステップS9でインクリメントされるカウンタkを「0」に設定し(ステップS5)、図7に示すIFIR算出サブルーチンを実行する(ステップS6)。そして、ステップS6で算出されたFIREモード制御項IFIRが、エンジン水温TWに応じて設定されるエンジン水温制御項ITW(エンジン水温制御項ITWは、FIREモード以外のアイドル運転中などにおいて補助空気制御弁18の制御に使用される制御項である)から下限値設定用所定値DIFIRL(例えば空気量100リットル/minに相当する値)を減算した下限値(ITW−DIFIRL)以下か否かを判別し(ステップS7)、IFIR>ITW−DIFIRLであるときは、直ちに、またIFIR≦ITW−DIFIRLであるときは、FIREモード制御項IFIRをその下限値(ITW−DIFIRL)に設定して(ステップS8)、本処理を終了する。
【0022】
ステップS4でFDET=1となると、ステップS9以下に進み、初めに吸入空気量を減量すべく開弁制御量ICMDのFIREモード制御項IFIRを漸減する処理を行い、次いでFIREモード制御項IFIRをほぼ元の値に戻す漸増処理を行う。後述する図13の故障判定処理では、漸減処理が終了した時点で故障判定ステップが実行される。
【0023】
先ずステップS9では、カウンタkを「1」だけインクリメントし、次いでそのカウンタkの値が減量終了判定値kDEND以上か否かを判別する(ステップS10)。k<kDENDである間は、所定減量値DADECだけFIREモード制御項IFIRをデクリメントし(ステップS11)、減量処理の終了を「1」で示す減量終了フラグFADECENDを「0」に設定して(ステップS12)、本処理を終了する。k≧kDENDとなると、ステップS10からステップS13に進んで、カウンタkの値が減量終了判定値kDENDをより大きいか否かを判別し、k=kDENDであるときは、減量終了フラグFADECENDを「1」に設定して(ステップS14)、本処理を終了する。このフラグFADECENDが「1」となると、図13の処理で故障判定のステップが実行される。
【0024】
次回からはステップS13の答が肯定(YES)となるので、ステップS15に進んで、FIREモード制御項IFIRを所定増量値DAINCだけインクリメントし、次いでカウンタkの値が増量終了判定値kIENDに達したか否かを判別する(ステップS16)。k<kIENDである間は直ちに本処理を終了し、k=kIENDとなると、故障判定実施フラグFDETを「0」に戻して(ステップS17)、本処理を終了する。FDET=0となると、ステップS4からステップS5以下に進む処理に戻り、FIREモードが終了するまで繰り返す。
【0025】
図3のステップS26では、エンジン水温制御項ITWが、上限初期値IFIRINIH(例えば吸入空気量600リットル/min相当の値)より小さいか否かを判別し、ITW<IFIRINIHであるときは、図7のステップS64で使用する初期値IFIRINIをエンジン水温制御項ITWに設定する一方(ステップS27)、ITW≧IFIRINIHであるときは、初期値IFIRINIを上限初期値IFIRINIHに設定する(ステップS28)。
【0026】
続くステップS29では、図7のステップS63で更新され、ステップS65で使用される減算補正値IFIRDECを「0」に設定し、次いで過渡制御フラグFFIRQUITが「1」か否かを判別し(ステップS31)、FFIRQUIT=1であって過渡制御中は、直ちにステップS35に進む。またFFIRQUIT=0であって過渡制御中でないときは、前回FIREモードフラグFFIREONが「1」であったか否かを判別し(ステップS32)、前回FFIREON=1であってFIREモード終了直後であるときは、過渡制御フラグFFIRQUITを「1」に設定して(ステップS33)、ステップS35に進む。
【0027】
ステップS32で前回FFIREON=0であったときは、図5のステップS50でインクリメントされ、FIREモードの継続回数をカウントするFIREモードオンカウンタCFIRONを「0」に設定すると共に(ステップS34)、過渡制御フラグFFIRQUITを「0」に設定して(ステップS39)、本処理を終了する。
【0028】
ステップS35では、点火時期IGLOGの遅角補正項IGFPIが、過渡制御の終了判定用閾値IGFPIQH(例えば−3度)より大きいか否かを判別し、IGFPI>IGFPIQHであって遅角補正量IGFPIの絶対値が小さい(遅角量が小さい)ときは、過渡制御を終了すべく前記ステップS39に進む。
【0029】
ステップS35でIGFPI≦IGFPIQHであるときは、エンジン水温TWに応じて図4に示すDFIRQUテーブルを検索し、過渡制御減算値DFIRQUを算出する(ステップS36)。DFIRQUテーブルは、エンジン水温TWが増加するほど過渡制御減算値DFIRQUが減少するように設定されており、同図中のDFIRQUmax,DFIRQUmin及びTWDF0,TWDF1は、それぞれ例えば吸入空気量5リットル/min相当の値,2リットル/min相当の値、及び28℃,62℃に設定される。
【0030】
続くステップS37では、FIREモード制御項IFIRを過渡制御減算値DFIRQUだけデクリメントし、次いでFIREモード制御項IFIRがエンジン水温制御項ITWから下限値設定用所定値DIFIRLを減算して得られる下限値以下か否かを判別し(ステップS38)、IFIR>ITW−DIFIRLであるときは直ちに、またIFIR≦ITW−DIFIRLであるときは、前記ステップS39を実行して、本処理を終了する。
【0031】
以上のように図3に示す処理では、FIREモード制御項IFIRの初期値IFIRINIの設定(ステップS26〜S28)、FIREモード終了直後の過渡制御(ステップS31〜S38)、及び後述する制御で使用するパラメータの初期化(ステップS29,S34)が実行される。過渡制御により、FIREモードで増加した吸入空気量が、徐々に通常制御の値に戻される。
【0032】
図5は、図2のステップS1で実行されるFIREモード判別処理のフローチャートであり、ステップS41では、指定された故障が既に検知されているか否かを判別し、検知されていなければエンジン1が始動中(クランキング中)であるか否かを判別する(ステップS42)。ステップS41またはS42の答が肯定(YES)のときは、エンジン水温TWに応じて図6(a)に示すTFIRENDテーブルを検索し、後述するステップS46で参照されるFIREモード終了時間TFIRENDを算出する(ステップS43)。TFIRENDテーブルは、エンジン水温TWが高くなるほどFIREモード終了時間TFIRENDが短くなるように設定されており、図中のTFIRENDmax及びTFIRENDminは、それぞれ例えば50秒及び2秒に設定され、TW0及びTW1はそれぞれ例えば−10℃及び75℃に設定される。
【0033】
続くステップS44では、FIREモードを終了すべきことを「1」で示す終了フラグFFIRENDを「0」に設定し、次いでFIREモードフラグFFIREONを「0」設定して(ステップS56)、本処理を終了する。
ステップS41及びS42の答が共に否定(NO)であるときは、終了フラグFFIRENDが「1」であるか否かを判別し(ステップS45)、FFIREND=1であるときは、直ちに前記ステップS56に進む一方、FFIREND=0であるときは、始動完了時点(クランキング終了時点)からの経過時間を計測するアップカウントタイマTM20TCRの値がステップS43で算出したFIREモード終了時間TFIRENDを越えたか否かを判別する(ステップS46)。そして、TM20TCR>TFIRENDであるときは、FIREモードを終了させるべく終了フラグFFIRENDを「1」に設定して(ステップS48)、前記ステップS56に進む。
【0034】
ステップS46でTM20TCR≦TFIRENDであるときは、終了フラグFFIRENDを「0」に設定し(ステップS47)、エンジン回転数NEが所定下限回転数NEFIRL(例えば700rpm)以上か否かを判別する(ステップS49)。NE<NEFIRLであるときは、前記ステップS56に進み、NE≧NEFIRLであるときは、FIREモードオンカウンタCFIRONを「1」だけインクリメントし(ステップS50)、カウンタCFIRONの値に応じて図6(b)に示すKMFIRテーブルを検索し、図7の処理で使用する継続時間補正係数KMFIRを算出する(ステップS51)。KMFIRテーブルは、カウンタCFIRONの値が増加するにしたがって補正係数KMFIRが増加し、カウンタCFIRONの値がさらに増加すると補正係数KMFIRが減少するように設定されており、図中のKMFIRmax、KMFIRmin及びn1は、例えばそれぞれ2.625,1.0及び2000に設定される。
【0035】
続くステップS52では、吸気温TAに応じて図6(c)に示すKTAFIRテーブルを検索し、図7の処理で使用する吸気温補正係数KTAFIRを算出する。KTAFIRテーブルは、吸気温TAが増加ほど補正係数KTAFIRが増加するように設定されており、図中のKTAFIRmax、KTAFIRmin及びTA0,TA1は、例えばそれぞれ2.0,1.0及び−10℃、80℃に設定される。
【0036】
続くステップS53では、車速VPが所定車速VFIRH(例えば5km/h)以上か否かを判別し、VP<VFIRHであるときは、エンジン1がアイドル状態にあることを「1」で示すアイドルフラグFIDLEが「1」であるか否かを判別する(ステップS54)。そして、VP≧VFIRHであって車両走行中であるとき、またはFIDLE=0であってアイドル状態でないときは、前記ステップS56に進み、FIREモードフラグFFIREONを「0」に設定する。一方、VP<VFIRHでありかつエンジン1がアイドル状態にあるときは、FIREモードフラグFFIREONを「1」に設定して(ステップS55)、本処理を終了する。
【0037】
図7は、図2のステップS14におけるIFIR算出サブルーチンのフローチャートであり、ステップS61では、失火発生を検出しているか否かを判別する。失火発生は、クランク角30°毎に発生するCRK信号パルスの発生間隔の変動に基づいて公知の手法で検出される。失火発生が検出されていないときは、点火時期IGLOGが、下限値IGLGG(例えば−20deg)にはりつき判定値IGFIRDEC(例えば1度)を加算した値以上か否かを判別する(ステップS62)。そして、失火が発生しておらず且つIGLOG≧IGLGG+IGFIRDECであるときは直ちに、また失火発生検出時またはIGLOG<IGLGG+IGFIRDECであって点火時期IGLOGが下限値IGLGG近傍に張り付いているときは、後述するステップS65で使用される減算補正値IFIRDEC(<0)を所定量DIFIRDECだけデクリメントして(ステップS63)、ステップS64に進む。
【0038】
ステップS64では、下記式(4)により、FIREモード制御項IFIRの基本値IFIRBSを算出する。
ここで、KMFIR及びKTAFIRは、図5のステップS51及びS52で算出された継続時間補正係数及び吸気温補正係数であり、IFIRINIは、図3のステップS27またはS28で設定される初期値である。継続時間補正係数KMFIRは、時間経過(カウント値CFIRONの増加)に伴って、図6(b)に示すように変化するので、基本的には、吸入空気量は、FIREモードの開始時点から徐々に増加し、その後徐々に減少し、次いでほぼ一定の値を維持するように制御される(図14(a)参照)。ただし、故障判定モードでは(時刻t11〜t13)では、FIREモード制御項IFIRの漸減処理及び漸増処理が実行される。
【0039】
続くステップS65では、ステップS64で算出した基本値IFIRBSにステップS63で更新される減算補正値IFIRDECを加算することにより、FIREモード制御項IFIRを算出する。減算補正値IFIRDEC(<0)を加算することにより、失火発生検出時または点火時期IGLOGの下限値貼り付き時は、吸入空気量が減少方向に補正され、未燃燃料の排出量が増加すること、または点火時期IGLOGの遅角補正が不能となる(エンジン回転数NEを目標回転数NEFIRに一致させられなくなる)事態を回避することができる。
【0040】
図8は、点火時期制御処理のフローチャートであり、この処理はCPU5bでTDC信号パルスの発生に同期して実行される。
ステップS71では、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて基本点火時期IGMAPを算出し、次いで遅角補正項IGFPI以外の補正項IGCRを算出する(ステップS72)。ステップS73では、図9に示すフィードバック(FB)制御実施条件判断処理を実行する。この処理は、検出したエンジン回転数NEがFIREモード目標回転数NEFIRに一致するように点火時期を制御するフィードバック制御の実施条件を判定し、実施条件が成立するときフィードバック制御フラグFFIRENEFBを「1」に設定する。
【0041】
ステップS74では、フィードバック制御フラグFFIRENEFBが「1」であるか否かを判別し、FFIRENEFB=0であるときは、遅角補正項IGFPIを「0」に設定する一方(ステップS75)、FFIRENEFB=1であって実施条件が成立するときは、エンジン回転数NEに応じて遅角補正項IGFPIの設定を行うフィードバック制御を実行する(ステップS76)。
ステップS77では、前記式(2)により点火時期IGLOGを算出し、本処理を終了する。
【0042】
図9は、図8のステップS73において実行されるFB制御実施条件判断処理のフローチャートである。ステップS91では、FIREモードフラグFFIREONが「1」であるか否かを判別し、FFIREON=0であってFIREモードでないときは、過渡制御フラグFFIRQUITが「1」であるか否かを判別する(ステップS103)。そして、FFIRQUIT=0であって過渡制御中でもないときは、フィードバック制御フラグFFIRENEFB及びフィードバック制御時の目標回転数を増加させないことを「1」で示す目標回転数フラグFNOENEFIR(図12,ステップS131参照)をともに「0」に設定して(ステップS105)、本処理を終了する。
【0043】
ステップS103でFFIRQUIT=1であって過渡制御中であるときは、スロットル弁開度θTHが所定開度θTHFIR(例えば0.88deg)以上か否かを判別する(ステップS104)。θTH<θTHFIRであってスロットル弁がほぼ全閉状態にあるときは、直ちに本処理を終了し、θTH≧θTHFIRであるときは、前記ステップS105に進む。ステップS104から直ちに本処理を終了する場合には、FIREモードフラグFFIREON=0であってもFFIRENEFB=1が維持され、フィードバック制御が継続される。
【0044】
ステップS91でFFIREON=1であるときは、過渡制御フラグFFIRQUITが「1」であるか否かを判別し(ステップS92)、FFIRQUIT=1であるときは、フィードバック制御フラグFFIRENEFBを「0」に設定して(ステップS94)、ステップS95に進む。またFFIRQUIT=0であるときは、フィードバック制御フラグFFIRENEFBが既に「1」に設定されているか否かを判別し(ステップS93)、FFIRENEFB=1であるときは直ちに本処理を終了し、FFIRENEFB=0であるときは、ステップS95に進む。
【0045】
ステップS95では、始動完了(クランキング終了)後の経過時間を計測するアップカウントタイマTM01ACRの値が所定時間T1STFIR(例えば1msec)以下か否かを判別し、TM01ACR≦T1STFIRであって始動直後であるときは、フィードバック制御開始判定用加算値NEFPIST、目標回転数補正用加算値DNEFIR、及びフィードバック制御開始判定用カウント値CFNEFBSTを、それぞれ第1の値NEFPI1(例えば200rpm)、DNEF1(例えば1rpm)及びCFNEFB1(例えば200)に設定する一方(ステップS96)、TM01ACR>T1STFIRであるときは、フィードバック制御開始判定用加算値NEFPIST、目標回転数補正用加算値DNEFIR、及びフィードバック制御開始判定用カウント値CFNEFBSTを、それぞれ第2の値NEFPI2(例えば200rpm)、DNEF2(例えば12rpm)及びCFNEFB2(例えば2)に設定する(ステップS97)。
【0046】
続くステップS98では、エンジン回転数NEが通常制御時の目標回転数NOBJにフィードバック制御開始判定用加算値NEFPISTを加算した値以上か否かを判別し、NE<NOBJ+NEFPISTであるときは、FIREモードオンカウンタCFIRONの値がフィードバック制御開始判定用カウント値CFNEFBST以上か否かを判別する(ステップS99)。その結果、ステップS98,S99の答がともに否定(NO)であってエンジン回転数NEが低く且つFIREモード継続時間が短いときは、フィードバック制御を実行しないこととして直ちに本処理を終了する。
【0047】
また、ステップS98でNE≧NOBJ+NEFPISTであるときは、目標回転数フラグFNOENEFIRを「1」に設定し(ステップS101)、ステップS99でCFIRON≧CFNEFBSTであるときは、目標回転数フラグFNOENEFIRを「0」に設定して(ステップS100)、ステップS102に進む。これにより、フィードバック制御開始時のエンジン回転数NEが高いとき(NE≧NOBJ+NEFPIST)は、FIREモード目標回転数NEFIRの算出に使用される目標回転数加算値ENEFIRが「0」に設定される(図12及び図10のステップS117,S118参照))。
ステップS102では、フィードバック制御フラグFFIRENEFBを「1」に設定するとともに、FIREモードオンカウンタCFIRONの値を記憶値CFRPISTとして記憶する。
【0048】
図10は、図8のステップS76で実行されるフィードバック制御処理のフローチャートである。ステップS111では、目標回転数加算値ENEFIRを設定する処理(図12)を実行して、加算値ENEFIRの設定を行う。
ステップS112では、自動変速機のシフト位置SFTがニュートラルNまたはパーキングPからドライブDまたはリバースR(インギヤ状態)にまたはその逆に変化したか否かを判別し、変化したときは、ステップS115で参照されるダウンカウントタイマtmINGFIRに所定時間TINGFIR(例えば3秒)を設定してスタートさせ(ステップS113)、フィードバック制御のI項IIGFIR及び遅角補正項IGFPIをともに前回値保持として(ステップS114)、本処理を終了する。
【0049】
ステップS112でシフト位置の変化が無いときは、ステップS113でスタートしたタイマtmINGFIRの値が「0」か否かを判別し(ステップS115)、tmINGFIR>0である間は、前記ステップS114に進む。tmINGFIR=0となると、シフト位置SFTがドライブDまたはリバースR(インギヤ状態)か否かを判別し(ステップS116)、インギヤ状態でないときは、下記式(5)によりFIREモード目標回転数NEFIRを算出して(ステップS117)、ステップS121に進む。
NEFIR=NOBJ+ENEFIR (5)
ここでNOBJは、通常の(FIREモード以外の)アイドル状態における目標回転数であり、ENEFIRは、ステップS111で算出される目標回転数加算値である。
【0050】
ステップS116でシフト位置SFTがドライブDまたはリバースRであるとき、すなわちインギヤ状態のときは、下記式(6)によりFIREモード目標回転数NEFIRを算出する(ステップS118)。
NEFIR=NOBJ+ENEFIR−DNEFIRDR (6)
ここで、DNEFIRDRは、例えば300rpmに設定されるインギヤ時補正値である。
【0051】
続くステップS119では、FIREモード目標回転数NEFIRが下限値NEIGFIRL(例えば730rpm)以下か否かを判別し、NEFIR>NEIGFIRLであるときは直ちに、またNEFIR≦NEIGFIRLであるときは目標回転数NEFIRをその下限値NEIGFIRLに設定して(ステップS120)、ステップS121に進む。
【0052】
ステップS121では、点火時期IGLOGに応じて図11に示すKIIGFIRテーブルを検索し、積分項ゲインKIIGFIRを算出する。KIIGFIRテーブルは、点火時期IGLOGが増加する(進角する)ほど積分項ゲインKIIGFIRが増加するように設定されている。図11においてKIIGFIRmax,KIIGFIRmin及びIGLOG1,IGLOG2は、それぞれ例えば0.063,0.016及び−10度、12度に設定される。
【0053】
続くステップS122では、エンジン回転数NE、FIREモード目標回転数NEFIR及び積分項ゲインKIIGFIRを下記式(7)に適用して、加算値IIGFTMPを算出する。
IIGFTMP=KIIGFIR×(NEFIR−NE) (7)
続くステップS123では、積分項の前回値IIGFIR(n−1)に加算値IIGFTMPを加算することにより積分項(今回値)IIGFIRを算出し、次いで下記式(8)により比例項PIGFIRを算出する(ステップS124)。
PIGFIR=KPIGFIR×(NEFIR−NE) (8)
【0054】
次いで積分項IIGFIR及び比例項PIGFIRを加算して遅角補正項IGFPIを算出し(ステップS125)、本処理を終了する。
以上のように図10の処理により、エンジン回転数NEがFIREモード目標回転数NEFIRに一致するように遅角補正項IGFIRを算出するフィードバック制御が実行される。
【0055】
図12は、図10のステップS111で実行されるENEFIR設定処理のフローチャートである。ステップS131では、目標回転数フラグFNOENEFIRが「1」であるか否かを判別し、FNOENEFIR=1であって目標回転数を増加させないときは、目標回転数加算値ENEFIRを「0」に設定して(ステップS134)、本処理を終了する。
【0056】
FNOENEFIR=0であるときは、下記式(9)により加算値ENEFIRを算出する(ステップS132)。
ENEFIR=NEFPIST−DNEFIR×(CFIRON−CFIRPIST)(9)
ここでNEFPIST及びDNEFIRは、図9のステップS96またはS97で設定されるフィードバック制御開始判定用加算値及び目標回転数補正用加算値であり、CFIRONはFIREモードオンカウンタの値、CFIRPISTは、図9のステップS102で記憶した記憶値である。すなわち、(CFIRON−CFIRPIST)は、フィードバック制御の開始時点からの経過時間に対応するカウント値である。したがって式(9)及び式(5)または(6)によりFIREモード目標回転数NEFIRは、フィードバック制御開始当初は、(NOBJ+NEFPIST)に等しく、時間経過に伴って漸減し、最終的には通常の目標回転数NOBJに一致するように設定される(図14(c)参照)。
【0057】
続くステップS133では、加算値ENEFIRが0以下か否かを判別し、ENEFIR≦0であるときは前記ステップS134に進み、ENEFIR>0であるときは、直ちに本処理を終了する。
【0058】
図14は、上述した吸入空気量制御及び点火時期制御を説明するためのタイムチャートであり、同図(a)(b)及び(c)はそれぞれ補助空気制御弁18の開弁制御量ICMD,点火時期IGLOG及びエンジン回転数NEの推移を示している。
【0059】
図示例では、時刻t0に始動(クランキング)を開始し、時刻t1に自立運転を開始すると、直ちにFIREモードに移行する。エンジン回転数NEが増加し、時刻t2において点火時期のフィードバック制御の実行条件が成立し、フィードバック制御が開始される。FIREモード目標回転数NEFIRは、上記したように当初は(NOBJ+NEFPIST)に等しく、その後通常制御の目標回転数NOBJまで漸減される。
【0060】
開弁制御量ICMDは、FIREモードに移行すると徐々に増加させてから減少させるように制御される。時刻t11において故障判定実行フラグFDETが「1」に設定され、故障判定モードに移行して吸入空気量の漸減処理が開始され、時刻t12に漸減処理が終了すると、故障判定処理(図13)の判定ステップ(S149,S150)が実行される。その後吸入空気量の漸増処理が実行され、時刻t13に吸入空気量がほぼ元のレベルに戻り、故障判定モードを終了する(故障判定実行フラグFDETが「0」に戻される)。時刻t4にFIREモードを終了した直後は、過渡制御により吸入空気量を徐々に減少させるように制御される。
【0061】
遅角補正項IGFPIは、同図(b)に破線で示すように推移し、点火時期IGLOGは、通常制御値(IGMAP+IGCR)より遅角側に制御される。時刻t11に故障判定モードに移行すると、最初は吸入空気量の減量に伴って遅角補正項IGFPIが増加し(遅角量が減少し)、時刻t12以後は吸入空気量の増量に伴って遅角補正項IGFPRIが減少する(遅角量が増加する)。これにより、点火時期IGLOGも同様に推移する。時刻t13になると故障判定モードが終了し、遅角補正項IGFPIもほぼ元の水準に戻る。その後時刻t3においてシフト位置SFTがニュートラルNからインギヤ状態に移行すると、エンジン負荷が増加するため、遅角補正項IGFPIが増加し(遅角量が減少し)エンジンの出力トルクを増加させつつ、エンジン回転数NEを目標回転数NEFIR(=NOBJ)に維持するように制御される。時刻t4以後は、徐々に通常制御値に移行するように制御される。
エンジン回転数NEは、時刻t2〜t4の間は、フィードバック制御により目標回転数NEFIRに一致するように制御される。図示例では、時刻t4の直後に当該車両が発進する場合を示しており、車速VPが徐々に増加していく。
【0062】
図13は、FIREモードの動作が正常に実行されない故障を判定する故障判定処理のフローチャートであり、この処理は所定時間毎に、あるいはTDC信号パルスの発生に同期してCPU5bで実行される。
ステップS141では、始動モード、すなわちクランキング中であるか否かを判別し、クランキング中であるときは、ディレイダウンカウントタイマtmFIREDLYに所定遅延時間TMFIREDLY(例えば2秒)をセットしてスタートさせ(ステップS143)、故障判定実行フラグFDETを「0」に設定し(ステップS145)、点火時期IGLOGを記憶値IGLOGSTとして記憶して(ステップS146)、本処理を終了する。ここで、所定遅延時間TMFIREDLYは、エンジン回転数NEの変化が小さい期間に判定を実行するために、例えばFIREモード目標回転数NEFIRが通常の目標回転数NOBJと一致する時点以後にステップS147以下が実行されるように設定される(図14(a)(c)参照)。
【0063】
ステップS141で始動モードでない、すなわち始動完了後であるときは、FIREモードフラグが「1」であるか否かを判別し(ステップS142)、FFIREON=0であってFIREモードでないときは、前記ステップS143に進む。FFIREON=1であるときは、ステップS143でスタートしたタイマtmFIREDLYの値が「0」であるか否かを判別し(ステップS144)、tmFIREDLY>0である間は、前記ステップS145に進む。
【0064】
tmFIREDLY=0となると、図2のステップS12またはS14で設定される減量終了フラグFADECENDが「1」であるか否かを判別し、FADECEND=0である間は、直ちに本処理を終了する。そしてFADECEND=1となると、ステップS149及びS150の故障判定ステップを実行する。すなわち、エンジン回転数NEと通常制御の目標回転数NOBJとの偏差の絶対値が判定閾値DNEACT(例えば100rpm)より大きいか否かを判別し(ステップS149)、|NE−NOBJ|>DNEACTであるときは、エンジン回転数NEが目標回転数NOBJと一致するように点火時期を制御するフィードバック制御が正常に実行されていない故障が発生していると判定し、FIREモードの動作が正常に行われない故障が発生していることを「1」で示す故障フラグFFIRENGを「1」に設定する(ステップS152)。
【0065】
ステップS149で|NE−NOBJ|≦DNEACTであるときは、今回の点火時期IGLOGと、ステップS146で記憶した故障判定モードに入る直前の点火時期IGLOGSTとの偏差(=IGLOG−IGLOGST)が、判定閾値DIGACTより小さいか否かを判別する(ステップS150)。制御系が正常であれば、図14に示すように、吸入空気量の減量に伴って点火時期IGLOGは進角方向に変化するので、ステップS150の答は否定(NO)となり、故障フラグFFIRENGを「0」に設定して(ステップS151)、本処理を終了する一方、IGLOG−IGLOGST<DIGACTであるときは、点火時期IGLOGが正常に進角方向に変化していないので、故障が発生していると判定して前記ステップS152に進む。
【0066】
図15は、故障が発生している場合の点火時期IGLOG、エンジン回転数NE、故障判定タイマtmFIREの値の推移を示すタイムチャートであり、同図(a)の補助空気制御弁18の開弁制御量ICMDは、図14に示す場合と同様に推移している。図15(a)に示すように開弁制御量ICMDを制御しても、実際の吸入空気量が増加せず、エンジン回転数NEが徐々に減少していく故障が発生していると、開弁制御量ICMDを故障判定モード(時刻t11〜t12)において、漸減させる処理を実行しても、点火時期IGLOGは、ほぼ一定値に維持され、またエンジン回転数NEは目標回転数NOBJ±DNEACTの正常範囲からはずれているので、故障発生と判定される。
【0067】
以上のように本実施形態では、FIREモード制御(三元触媒16の昇温促進制御)実行時に補助空気制御弁18の開弁制御量ICMDを漸減させて、吸入空気量を減量し、そのときのエンジン回転数NE及び/または点火時期IGLOGに基づいて、FIREモードにおける制御が正しく実行されているか否かを判定するようにしたので、例えば補助空気制御弁18が開弁制御量ICMDに対応した開弁動作を行わないといった故障を迅速に検出することができ、触媒の昇温促進制御の不具合を早期に診断して、排気特性の悪化を最小限に抑制することができる。
【0068】
本実施形態では、補助空気通路17及び補助空気制御弁18が吸入空気量制御手段の一部を構成し、ECU5が吸入空気量制御手段の一部、点火時期制御手段、触媒昇温手段及び故障診断手段を構成する。より具体的には、図2,3,5及び7の処理が吸入空気量制御手段に相当し、図8,9,10及び12の処理が点火時期制御手段に相当し、図7の処理及び図10の処理が触媒昇温手段に相当し、図2のステップSS4,S5及びS9〜S17並びに図13の処理が故障診断手段に相当する。
【0069】
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、吸入空気量の減量が完了した時刻t12において直ちに故障判定ステップ(図13,ステップS149,S150)を実行するようにしたが、減量が完了した時点から制御系が安定する時間だけ待機し、その後に故障判定ステップを実行するようにしてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1に記載の発明によれば、触媒昇温手段の作動中に吸入空気量を故障判定のために減量し、該吸入空気量減量時における機関回転数と、目標回転数との差が判定閾値より大きいとき、触媒昇温手段が故障していると判定されるので、触媒昇温手段の不具合を早期に診断して、排気特性の悪化を最小限に抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、触媒昇温手段の作動中に吸入空気量を故障判定のために減量し、該吸入空気量減量時における点火時期の変化量が判定閾値より小さいとき、触媒昇温手段が故障していると判定されるので、触媒昇温手段の不具合を早期に診断して、排気特性の悪化を最小限に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。
【図2】補助空気制御弁の制御量(IFIR)を算出するメインルーチンのフローチャートである。
【図3】補助空気制御弁の制御量(IFIR)を算出するメインルーチンのフローチャートである。
【図4】図3の処理の使用するテーブルを示す図である。
【図5】触媒昇温促進制御を実行するか否かを判別する処理のフローチャートである。
【図6】図5の処理で使用するテーブルを示す図である。
【図7】補助空気制御弁の制御量(IFIR)を算出するサブルーチンのフローチャートである。
【図8】点火時期制御を実行するメインルーチンのフローチャートである。
【図9】点火時期のフィードバック制御の実施条件を判断する処理のフローチャートである。
【図10】点火時期のフィードバック制御を実行する処理のフローチャートである。
【図11】図10の処理で使用するテーブルを示す図である。
【図12】触媒昇温促進制御における目標エンジン回転数の加算値(ENEFIR)を設定する処理のフローチャートである。
【図13】故障判定を行う処理のフローチャートである。
【図14】触媒昇温促進制御実行時の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図15】触媒昇温促進制御が正常に実行されないときの動作例を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 吸気管
5 電子コントロールユニット(吸入空気量制御手段、点火時期制御手段、触媒昇温手段、故障診断手段)
11 点火プラグ
17 補助空気通路(吸入空気量制御手段)
18 補助空気制御弁(吸入空気量制御手段)
Claims (2)
- 排気系に触媒が設けられた内燃機関の吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段と、前記機関の点火時期を制御する点火時期制御手段と、前記機関の始動後吸入空気量を増量すると共に前記点火時期を前記機関の回転数が目標回転数に一致するように遅角する触媒昇温手段とを有する内燃機関の制御装置において、
前記触媒昇温手段の作動中に前記吸入空気量を故障判定のために減量し、該吸入空気量減量時における前記機関回転数と、前記目標回転数との差が判定閾値より大きいとき、前記触媒昇温手段が故障していると判定する故障診断手段を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 排気系に触媒が設けられた内燃機関の吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段と、前記機関の点火時期を制御する点火時期制御手段と、前記機関の始動後吸入空気量を増量すると共に前記点火時期を前記機関の回転数が目標回転数に一致するように遅角する触媒昇温手段とを有する内燃機関の制御装置において、
前記触媒昇温手段の作動中に前記吸入空気量を故障判定のために減量し、該吸入空気量減量時における前記点火時期の変化量が判定閾値より小さいとき、前記触媒昇温手段が故障していると判定する故障診断手段を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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