JP3639411B2 - 投射型液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に有効表示領域外周での反射光を低減して高品質の投射画像を得るこのができる液晶モジュールおよびこの液晶モジュールを用いた投射型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビ受像機やパソコン等の情報機器のモニター、その他の各種画像表示装置用のデバイスとして液晶パネルが広く用いられている。その中でも近年、液晶表示装置を画像生成手段とした小型でかつ大画面を表示できる投射型表示装置が普及している。
【0003】
この種の液晶表示装置に用いる液晶パネルは、共通電極を形成した一方の基板(第1基板)と、画素選択用の給電電極もしくはスイッチング素子の給電電極となる駆動電極を形成した他方の基板(第2基板)との各電極形成面を対向させて貼り合わせた間隙に液晶層を挟持して構成されるのが一般的である。そして、直視型の液晶パネルでは上記第1と第2の基板として共にガラス等の透明板を用い、周縁および裏面に駆動回路基板およびバックライト(光源)を配置して液晶モジュールとし、その液晶パネルに形成した画像を第1基板の面上で観察する構成を採用している。
【0004】
これに対し、投射型液晶表示装置は、小型の液晶パネルに生成した画像で透過光あるいは反射光を制御し、制御された光を投射光学系でスクリーン上に投射し、スクリーン上に投射された画像を観察する。
【0005】
この種の投射型液晶表示装置は、その液晶パネルを構成する第1基板と第2基板を共に透明基板とした液晶モジュールを用いて、第2基板の背面から照明する形式と、第1基板を透明基板とし、第2基板として不透明のシリコン基板を用い、両者の貼り合わせ間隙に液晶層あるいは高分子分散型液晶層を挟持したものをパッケージに収納して液晶モジュールとし、第1基板側から照明光を照射する反射形式とが知られている。
【0006】
また、上記投射型液晶表示装置では、その液晶モジュールを構成する液晶パネルへの駆動電圧等の供給をフレキシブルプリント基板を介して行うようにし、駆動回路装置、光源装置、および投射光学系等を筺体に組み込んで一体装置を構成する。
【0007】
図16は従来の投射型液晶表示装置の構成例を説明するための模式図であって、反射形式の液晶モジュールを用いた投射型液晶表示装置の構成例である。
【0008】
図16において、筺体14内に液晶モジュール715、照明光源6、照明レンズ系7、反射鏡8、結像レンズ系3、光学絞り9、および投射光学系12等を収納してなる。
【0009】
光源装置6からの照射光は照明レンズ系7と反射鏡8により液晶モジュール715を構成する液晶パネル714の表面に入射する。液晶パネル714の有効表示領域には画像信号に対応して入射光を透過、または不透過にする光学像が生成されており、この光学像によって液晶パネル714に入射した光が変調され、反射した光が結像レンズ系3と光学絞り9、投射光学系12を介してスクリーン13上に拡大投射される。なお、ここでは、分かり易くするために結像レンズ系3と液晶モジュールとを分離して図示してある。
【0010】
図17は従来の投射型液晶表示装置の液晶モジュールでの反射光の光路を説明する模式図、図18は図17のA部分の要部拡大図である。
【0011】
図17において、1は遮光パネル、2は遮光層、3は結像レンズ系、701は第1基板、702は第2基板、703は液晶層、707はパッケージ、710は放熱シート、715は液晶モジュールを示す。また、図18において、1aは遮光パネルの表面、1bは同裏面、704はシール材、714は液晶パネルである。なお、図17と図18における図16と同一符号は同一部分に対応する。
【0012】
光源装置6から出射した照明光は照明レンズ系7と平面鏡8を介して液晶モジュール715を構成する液晶パネル714の第1基板701(表示面)に入射する。液晶パネル714から反射した変調光10は結像レンズ系と光学絞り9を通って図示しない投射光学系に入射し、スクリーン上に拡大投射される。
【0013】
液晶パネルに入射した光の一部は液晶パネルの周辺も照明し、この周辺で反射した光が不要光11としてスクリーンに到達し、コントラストを低下させて画質を劣化させる。
【0014】
この不要光を除去するため、従来は液晶パネル714の有効表示領域外周に反射率の低い遮光層2を持つ遮光パネル1を設けている。なお、この遮光層2は、液晶パネル714の周辺に駆動回路等を設けた場合に、この部分に強い光が照射されるのを防止するという目的もある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の遮光層を反射のないものとすることは困難であり、ある程度の反射を持っている。このため、遮光層からの反射光11が有効表示領域からの反射光(変調光)10と共に光学絞り9を通過してスクリーンに達する。
【0016】
そのため、スクリーンの画像表示部分の周辺部のコントラストが低下し、所謂額縁状の明領域が形成されるという問題があった。
【0017】
さらに、遮光層からの反射光のスペクトラムをフラットにすることが困難で、上記額縁状の明領域に薄く色がつくという問題があった。すなわち、スクリーン上の画像表示領域の外周である液晶パネルからの反射光がない部分との間に、上側と下側の幅が同じでない等の不特定な幅で枠状の薄暗い色つき図形が形成され、画像の美観を著しく損なう現象が観察される。
【0019】
また、本発明の目的は、上記従来技術の諸問題を解消し、高品質の画像表示を得ることのできる投射型液晶表示装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明は、下記に記載の構成としたことに特徴がある。
【0028】
)第1基板と第2基板を貼り合わせた内面間隙に液晶層を挟持してなる液晶パネルと、前記液晶パネルの画像出射側に設置して有効表示領域外周を遮光する遮光パネルとを少なくとも有する液晶モジュールと、前記液晶パネルに照明光を照射する光源装置と、前記液晶パネルから出射する前記第2基板の内面での反射光を通過させる光学絞りと、前記光学絞りから出射する前記反射光をスクリーン上に投射する投射光学系とを備えた投射型液晶表示装置の前記液晶パネルの前記有効表示領域を囲む外周に前記第1基板に対して傾斜する傾斜面を形成し、前記傾斜面に照射する照射光の反射光を前記光学絞りから外れる方向に指向させることを特徴とする。
【0029】
)(1)の傾斜面とは反対側の面に低反射層を形成したことを特徴とする。
【0037】
また、本明細書における「遮光パネル」は、液晶パネルの有効表示領域外からの不要光が光学絞りの開口を抜けないようにする作用を持つ部材の意味で用いる。
【0038】
さらに、上記した各構成は反射型の液晶パネルに本発明を適用したものであるが、これに限るものではなく、本発明は透過型の液晶パネルにも適用できる。この場合は、液晶パネルの有効表示領域の外周を透過した光の光路が、有効表示領域を透過した光とは異なる角度で光学絞りを外れて出射するように遮光パネルの外周に上記した傾斜角を形成すればよい。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、実施例を参照して詳細に説明する。
【0040】
図1は本発明による液晶モジュールの第1実施例の構成と作用を説明する前記図17と同様の模式図、図2は図1のA部分の前記図18と同様の拡大断面図である。
【0041】
図1と図2において、1は遮光パネル、2は遮光層、3は結像レンズ系、6は光源装置、7は照明レンズ系、8は平面鏡、9は光学絞り、10は有効表示領域から出射する変調光、11は有効表示領域外周からの反射光、701は液晶パネルを構成する第1基板(透明基板)、702は同第2基板(シリコン基板)、703は液晶層(高分子分散型液晶層)、704はシール材、707はパッケージ、710は放熱シート、714は液晶パネル、715は液晶モジュールである。
【0042】
液晶パネル714は変調光10の出射側(表面)に位置する第1の基板701と裏面に位置する第2基板702の間に高分子分散型液晶層703を挟持し、シール材704で封止してある。第1基板701の内面には共通電極やカラーフィルタ等が形成され、第2基板702の内面にはTFTなどの画素選択用スイッチング素子や、これを駆動する各種の電極、および反射電極(画素電極)が形成されている。
【0043】
液晶パネル714の表面には周辺に遮光層2を形成した遮光パネル1が設置され、第2基板の裏面に放熱シート710等を介してパッケージ707に収納されて液晶モジュールを構成する。
【0044】
光源装置6から出射した照明光は液晶モジュール715の液晶パネル714に入射する。液晶パネル714には画像信号に応じた光学像が形成されており、この光学像により上記入射光が変調される。変調光10は結像レンズ系3を通して光学絞り9の開口を通過し、スクリーン(図16参照)に投射される。
【0045】
液晶パネル714に入射した光の大部分は当該液晶パネルの有効表示領域に入射して、その反射光である変調光が光学絞り9を抜けてスクリーンに達するが、光源からの照明光の一部は液晶パネル714の有効表示領域の外周をも照明する。
【0046】
液晶パネル714の上面に設置されたガラス等の透明板からなる遮光パネル1の有効表示領域1a外周の前面は液晶パネルの第1基板701の平面に対して傾斜した傾斜面1cとされており、さらに遮光パネル1の裏面1bの上記傾斜面1cと対応する裏面に低反射層からなる遮光層2が形成されているため、有効表示領域の外周に入射した光の大部分は遮光層(低反射層2で吸収され、吸収されずに反射した反射光11は上記傾斜面1cによってその光路が上記光学絞り9の開口から外れる方向に指向される(図1参照)。
【0047】
すなわち、光学絞り9の開口は、液晶パネル714の有効表示領域からの変調光10の方向からの光路角の光のみを通過させるように構成されているため、反射光11は光学絞り9で遮断される。したがって、スクリーン上には有効表示領域からの変調光10のみが投射される。
【0048】
図3と図4は液晶パネル714の有効表示領域外周に傾斜面を形成して当該有効表示領域外周からの反射光を光学絞りで遮断する原理の説明図である。
【0049】
図3において、F値が1の光源系とF値が2の光学絞り(出射絞り9)を持つ反射型光学系では、入射系と出射系が2θの角度で離軸(オフアクシス)しているものとして考える(同軸(オンアクシス)ならθ=0とすればよい)。
【0050】
なお、これは、実際の光学系で存在するレンズ反射体の奥行き等を内包したものとする。
【0051】
反射面上の点Cに入射する光の角度は、C点が反射面F上にあり、その理想的な反射面に水平であるとすると、反射に寄与する光はC点上における反射面の法線Pからの角度で、θ−φからθ+φまでであり、C点が理想的に平坦な反射面であるとすれば、これは反射面Fの法線に関して反対方向に各々θ−φからθ+φまでの角度で反射する。
【0052】
便宜上、図の時計周り方向を角度の正方向にとると、−θ−φ<Θ<−θ+φのΘ方向に光が反射される。
【0053】
光学絞り9を通してスクリーン方向に出射する光は、
│φ│>│ψ│ならば、−θ−ψ<Θ<−θ+ψのΘ方向の光であり、
│ψ│>│φ│ならぱ、−θ−φ<Θ<−θ+φのΘ方向の光である。
【0054】
この反射面Fを実質的に傾けて図4に示した反射面DまたはEとすると、入射した光が反射面で反射した光が光学絞り9から全く出射しない条件を作ることができる。
【0055】
上記の反射面D、Eの接線が反射面Fとなす角υ、ωは、
|υ|,|ω|=|φ|+|ψ| 但し、υ、ω<π/2である。
【0056】
これにより、スクリーンの画像表示部分の周辺部のコントラストが低下せず、表示画像の周辺に額縁状の明領域に薄く色がつくという問題が解消され、画像の美観を損なうことがない。
【0057】
図5は本発明による液晶モジュールの第2実施例の構成と作用を説明する遮光パネルの要部断面図である。
【0058】
この実施例では、液晶パネルの上面に設置する遮光パネル1の有効表示領域外周に対応する部分に第1実施例と同様の傾斜面1cを形成すると共に、この傾斜面1cに高反射層5を設けたものである。光源装置から有効表示領域外周に入射した光は、傾斜面1cに設けた高反射層5で液晶パネルの外方に反射する。これにより、有効表示領域外周に入射した光の反射光11はスクリーンに達することがない。
【0059】
図6は本発明による液晶モジュールの第3実施例の構成と作用を説明する遮光パネルの要部断面図である。
【0060】
この実施例では、液晶パネルの第1基板701側の有効表示領域外周に傾斜面1cを形成したもので、有効表示領域外周に対応する部分に入射した光は第1基板701側に抜け、傾斜面1cと空気の界面、空気と第1基板701の界面での反射光は、それぞれ光学絞りから外れた方向の光路、遮光パネル1の外側に指向される。これにより、有効表示領域外周に入射した光の反射光11はスクリーンに達することがない。
【0061】
図7は本発明による液晶モジュールの第4実施例の構成と作用を説明する遮光パネルの要部断面図である。
【0062】
この実施例では、液晶パネルの第1基板701側の有効表示領域外周に傾斜面1cを形成すると共に、この傾斜面に低反射率層からなる遮光層2を設けたものである。
【0063】
有効表示領域外周に対応する部分に入射した光は傾斜面1cに形成した遮光層(低反射層2で反射されても、その反射光11の光路は光学絞りから外れた方向に指向される。これにより、有効表示領域外周に入射した光はスクリーンに達することがない。
【0064】
図8は本発明による液晶モジュールの第5実施例の構成と作用を説明する遮光パネルの要部断面図である。
【0065】
この実施例では、液晶パネルの第1基板701側の有効表示領域外周に傾斜面1cを形成すると共に、この傾斜面に高反射率層からなる遮光層2を設けたものである。
【0066】
有効表示領域外周に対応する部分に入射した光は傾斜面1cに形成した遮光層(高反射層2で反射され、その反射光11の光路は光学絞りから外れた方向に指向される。これにより、有効表示領域外周に入射した光はスクリーンに達することがない。
【0067】
図9は本発明による液晶モジュールの第6実施例の構成と作用を説明する遮光パネルの説明図であって、(a)は要部断面図、(b)は遮光パネルの全体上面図である。
【0068】
この実施例では、液晶パネルの有効表示領域にガラス等の透明板1dを設置し、この透明板1dを囲む外周に液晶パネルの第1基板701の平面に対して傾斜する低反射率の遮光枠2aを設置し、当該遮光枠2aからの反射光11を有効表示領域の外側に指向させる。なお、この遮光枠2aを高反射率層としてもよい。
これにより、有効表示領域外周に入射した光はスクリーンに達することがない。
【0069】
なお、本発明は、以上説明した第2〜第6実施例の構成に限定されるものではなく、これらの構成を組合せることもでき、また特許請求の範囲に記載の技術思想から逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0070】
次に、本発明に使用される液晶モジュールとその製造方法の一例について説明する。
【0071】
図10は本発明による液晶モジュールの全体構成例の説明図であって、(a)は一部破断した平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面である。
【0072】
図10に示したように、この種の液晶モジュールは、第1基板701と第2基板702の間に高分子分散型液晶層703を挟持し、両基板をシール材704で接着してなる液晶パネルを、樹脂を好適とするパッケージ707のキャビティ内に収納し、その一端縁に信号および電力を給電するためのフレキシブルプリント基板(FPC)709の一端を接続すると共に、遮光パネル1で封止して上記キャビティを密閉して構成される。
【0073】
パッケージ707の背面には金属製の放熱板711が、その周辺を当該パッケージ本体707の下部4辺に埋設した状態で設置され、液晶パネルは放熱板711との間に比較的弾性を有する放熱シート710を介して収納される。したがって、液晶パネルの背面は放熱シート710により放熱板711に密着し、放熱効果が十分に得られる構造となっている。
【0074】
パッケージ707のキャビティ内部に収納した液晶パネルは、その第1基板701の裏側で接着材706により当該パッケージ707の底部内周に形成された段部716(図11)に固定され、また、遮光パネル713を接着材でパッケージ707とFPC709を固定するためのスペーサ712に固定される。なお、スペーサ712はFPC709に図示しない接着材で固定されている。
【0075】
図11は図10に示した本発明による液晶モジュールの構造を説明する展開斜視図である。
【0076】
図11において、液晶パネル714は、樹脂製のパッケージ707と、このパッケージ707の裏面に周縁を埋設した金属板からなる放熱板711、および遮光パネル713とで構成されるキャビティ内に収納される。遮光パネル713の内面には図1で説明した遮光層2(図中点線で示す)が形成されている。
【0077】
すなわち、液晶パネル714は、その底面を弾性を有する放熱シート710を介して放熱板711に接するようにその第1基板701の周縁下面をパッケージ707のキャビティ内周に形成された段部716に接着材で固定され、FPC709を接続した後、スペーサ712を取り付け、遮光パネル713をシール材で接着してキャビティ内を気密状態に保つ。
【0078】
図12は高分子分散型液晶を用いた液晶表示装置の表示動作を説明する模式図であって、(a)は非表示状態を、(b)は表示状態を示す。
【0079】
図中、703は高分子マトリクス中に液晶分子739を分散した高分子分散型液晶(PDLC)で、印加電圧に応じて光を散乱する状態から透過する状態に変化する。
【0080】
第2基板702にはスイッチング素子であるTFT740と反射画素電極738が、一方の基板701には共通電極である透明電極730が形成されていて、(a)に示すように、第1基板701の透明電極730と第2基板702の反射画素電極738の間に電圧を印加してない状態では、液晶分子739はそれぞれ不規則な方向に配列している。この状態では高分子マトリクスと液晶分子739とに屈折率の差が生じ、入射光741は液晶層703で散乱する。742は散乱光を示す。
【0081】
一方、同図(b)に示すように、第1基板701の透明電極730と第2基板702の反射画素電極738の間にTFT740の選択で電圧を印加した状態では、液晶分子739が一定方向に配向する。この液晶分子739が一定方向に配向したときの屈折率と高分子マトリクスの屈折率を合わせておくと、入射光741は散乱せずに液晶層703を透過して反射画素電極738に到達し、この反射画素電極738で正反射して第1基板701からこの反射光が出射する。743にこの反射光を示す。
【0082】
この動作原理を用い、反射画素電極738をスイッチング素子であるTFT740で選択することにより、画像を表示する。
【0083】
次に、本発明による液晶表示装置に用いる液晶パネルの第2基板(駆動基板)の製造方法の一例を説明する。
【0084】
図13、図14、図15は本発明による液晶パネルの第2基板(シリコン基板:スイッチング側基板)の製造方法の一例を説明する工程図である。
【0085】
工程(図13の(a)):半導体素子と同様に、シリコンウエハ基板500に洗浄等の前処理を行う。
【0086】
工程(図13のb):このシリコンウエハ基板500に、例えばイオン打ち込み法を用いて不純物をドープしてNウエル層501とPウエル層502を設ける。
【0087】
工程(図13の(c)):Nウエル層501、Pウエル層502の両端に、例えばイオン打ち込み法を用いて、それぞれNMOSのチャンネルストッパ503とPMOSのチャンネルストッパ504を形成し、その上を酸化してLOCOS505を設ける。
【0088】
工程(図13の(d)):基板の表面を酸化し、その上に例えばディポジション法を用いてポリシリコン層506を形成し、そのポリシリコン表面をリン処理する。その上に例えばフォトレジスト膜を塗布、感光、除去し、ドライエッチングを行い、Nウエル層、Pウエル層上の各々にゲート電極507を形成する。
【0089】
工程(図14のa):高耐圧NMOS、PMOSに各々、例えばイオン打ち込み法を用いて拡散層オフセット508を設け、低耐圧NMOSにN+拡散層509、PMOSにP+拡散層510を設ける。
【0090】
工程(図14の(b)):基板の表面に、例えばディポジション法を用いて酸化シリコン層を形成し第1の絶縁膜511とし、その上に例えばフォトレジスト膜を塗布、感光、除去し、エッチングを行い、第1のコンタクトホール512を形成する。
【0091】
工程(図14の(c)):第1のコンタクトホール512を設けた第1の絶縁膜511をマスクとして用い、例えばイオン打ち込み法を用いてコンタクト部513を形成する。
【0092】
工程(図14の(d)):第1のコンタクトホール512の形成部分を含んで絶縁膜の全域に、例えばスパッタ法で金属膜を形成し、その上に例えばフォトレジスト膜を塗布、感光、除去し、ドライエッチングを行い、第1層目の配線514及び第1層目の電極515を形成する。
【0093】
工程(図15の(a)):基板の表面に例えばディポジション法を用いて、酸化シリコン層を形成し第2の絶縁膜516とし、その上に例えばフォトレジスト膜を塗布、感光、除去し、エッチングを行い、第2のコンタクトホール517を形成する。さらに、第2のコンタクトホール517の形成部分を含んで絶縁膜の全域に、例えばスパッタ法で金属膜を形成し、その上に例えばフォトレジスト膜を塗布、感光、除去し、ドライエッチングを行い、第2層目の配線518及び遮光膜519を形成する。
【0094】
工程(図15の(b)):基板の表面に、例えばディポジション法を用いて有機SOG層を形成して第3の絶縁膜520とし、CMP法を用いて研磨し平坦化する
工程(図15の(c)):平坦化した有機SOGの第3の絶縁膜520上に、例えばフォトレジスト膜を塗布、感光、除去し、エッチングを行い、第3のコンタクトホール521を形成し、その上に例えばスパッタ法でアルミ膜を形成し、その上にフォトレジスト膜を塗布、感光、除去し、ドライエッチングを行い、反射画素電極522を形成する。
【0095】
工程(図15の(d)):反射画素電極522を形成した上に、例えばディポジション法で保護膜523を形成する。
【0096】
このようにして第2の基板3が製造され、高分子分散型液晶層を塗布した第1基板と貼り合わせられて液晶パネルが製作される。
【0097】
液晶パネルは前記図10で説明した液晶モジュールに組み立てられ、反射型の液晶モジュールが完成する。
【0098】
なお、上記の例では、高分子分散型液晶層を用いた反射型液晶パネルについて説明したが、本発明は、通常の液晶層を第1基板と第2基板に挟持させたもの、あるいは透過型液晶パネルを用いた液晶モジュールにも同様に適用できる。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スクリーンの周辺のコントラストを低下させ、表示画像の外周に色つけが生じることがなく、高品質の画像表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶モジュールの第1実施例の構成と作用を説明する模式図である。
【図2】図1のA部分の拡大断面図である。
【図3】液晶パネルの有効表示領域外周に傾斜面を形成して当該有効表示領域外周からの反射光を光学絞りで遮断する原理の説明図である。
【図4】液晶パネルの有効表示領域外周に傾斜面を形成して当該有効表示領域外周からの反射光を光学絞りで遮断する原理の図3に続く説明図である。
【図5】本発明による液晶モジュールの第2実施例の構成と作用を説明する遮光パネルの要部断面図である。
【図6】本発明による液晶モジュールの第3実施例の構成と作用を説明する遮光パネルの要部断面図である。
【図7】本発明による液晶モジュールの第4実施例の構成と作用を説明する遮光パネルの要部断面図である。
【図8】本発明による液晶モジュールの第5実施例の構成と作用を説明する遮光パネルの要部断面図である。
【図9】本発明による液晶モジュールの第6実施例の構成と作用を説明する遮光パネルの要部断面図である。
【図10】本発明による液晶モジュールの全体構成例の説明図である。
【図11】図10に示した本発明による液晶モジュールの構造を説明する展開斜視図である。
【図12】高分子分散型液晶を用いた液晶表示装置の表示動作を説明する模式図である。
【図13】本発明による液晶パネルの第2基板の製造方法の一例を説明する工程図である。
【図14】本発明による液晶パネルの第2基板の製造方法の一例を説明する図13に続く工程図である。
【図15】本発明による液晶パネルの第2基板の製造方法の一例を説明する図14に続く工程図である。
【図16】従来の投射型液晶表示装置の構成例を説明するための模式図である。
【図17】従来の投射型液晶表示装置の液晶モジュールでの反射光も光路を説明する模式図である。
【図18】図17のA部分の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 遮光パネル
2 遮光層
3 結像レンズ系
6 光源装置
7 照明レンズ系
8 平面鏡
9 光学絞り
10 有効表示領域から出射する変調光
11 有効表示領域外周からの反射光
701 液晶パネルを構成する第1基板
702 同第2基板
703 液晶層
704 シール材
707 パッケージ
710 放熱シート
714 液晶パネル
715 液晶モジュール。

Claims (1)

  1. 第1基板と第2基板を貼り合わせた内面問隙に液晶層を挟持してなる液晶パネルと、
    前記液晶パネルの画像出射側に設置して有効表示領域外周を遮光する遮光枠を有する透明板とを少なくとも有する液晶モジュールと、
    前記液晶パネルに照明光を照射する光源装置と、
    前記液晶パネルから出射する前記第2基板の内面での反射光を通過させる光学絞りと、
    前記光学絞りから出射する前記反射光をスクリーン上に投射する投射光学系とを備えた投射型液晶表示装置であって、
    前記透明板に設けられる遮光枠を前記液晶パネルの前記有効表示領域を囲む外周に対応して前記第1基板に対して傾斜する低反射率の遮光枠として形成し、
    前記遮光枠で反射した反射光を前記光学絞りから外れる方向に指向させることを特徴とする投射型液晶表示装置。
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