JP3639122B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なセグメント構造を備えた表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の表示装置として、セグメント表示方式あるいはドット表示方式を適用した液晶表示装置が知られている。
【0003】
セグメント表示方式を適用した液晶表示装置の代表例として、数字の「8」を3個の横辺と4個の縦辺との合計7個の辺で表現する、いわゆる7セグメント表示方式のものがある。この液晶表示装置は、上記7個の辺に相当する7個のセグメント電極と、これらのセグメント電極に対向するコモン電極とを備え、これらのセグメント電極とコモン電極の間に液晶が挟まれた構造を有している。これら7個のセグメント電極とコモン電極が1個の表示桁に対応しており、かかる構成の表示桁が複数組並べて配列されている。
【0004】
そして、各表示桁の個々のセグメント電極とコモン電極の間に印加される所定の駆動電圧に応じて、セグメント電極に対応する液晶部分の分子構造に捻りを発生させ、この分子構造の捻りによって光の透過を遮断することで、1つの表示桁で、数字の「0」〜「9」とアルファベットの一部、例えば「A」〜「F」等の内のいずれか1つを表示している。更に、複数の表示桁の組合せで、これらの数字とアルファベットから成る複数桁の数字等を表示するようになっている。
【0005】
ドット表示方式を適用した液晶表示装置は、多数本のストライプ状のセグメント電極とコモン電極とが直交配列されており、これらのセグメント電極とコモン電極の間に液晶が挟まれた構造を有している。これらのセグメント電極とコモン電極との交叉部分により、多数の微細な表示ドットがマトリックス状に構成されている。
【0006】
そして、各セグメント電極とコモン電極との間に印加される所定の駆動電圧に応じて、表示ドットに該当する液晶部分の分子構造に捻りを発生させ、この分子構造の捻りによって光の透過を遮断することで、微細な表示ドットを表示状態(点灯状態)にすると共に、多数の表示ドットの組合せにより様々な数字や文字等を表示するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のセグメント表示方式の液晶表示装置にあっては、上記の7個のセグメント電極で表現可能な内容が、数字とアルファベットの一部に限られるため、表示し得る情報量が極めて少ないという問題があった。
【0008】
例えば、表示すべき情報量が比較的少ない電子機器、より具体的な例として電話機等であっても、旧来では短縮ダイヤル等に登録されている電話番号を表示させるのが一般的であったために、数字が表示できれば十分であったが、近年になって短縮ダイヤルの登録件数等が増加するのに伴い、登録先(相手方)の名前等も表示する必要性が高まっている。
【0009】
こうした名前等を表示するには、上記の7セグメント表示方式の液晶表示装置では不可能であり、表現し得る情報量の不足が問題となっていた。また、電子機器における表示機能の向上を図ったり、ユーザーへの操作性の向上を提供するためにも、7セグメント表示方式の液晶表示装置の表示能力の不足が問題となっていた。
【0010】
一方、ドット表示方式の液晶表示装置では、数字やアルファベットに限らず多様な文字を表示することが可能である。しかし、これを実現するために多数の表示ドットを駆動する必要があることから、ストライプ状のセグメント電極とコモン電極の本数が極めて多くなる。このため、液晶表示装置自体の大型化を招いたり、配線が複雑になる等の問題があった。また、これらのセグメント電極とコモン電極に駆動電圧を印加するための駆動制御用LSIとの配線接続も複雑となり、装置全体としてコスト高を招く等の問題もあった。
【0011】
更に、周知のように、表示のちらつき(フリッカ現象)を避けるために、フレーム周波数fFRMを人間の視覚に合わせて約30Hz以上に設定しているが、ドット表示方式の液晶表示装置では、多数の表示ドットの駆動をこのフレーム周波数fFRM内で完了する必要があることから、各表示ドットの駆動時間が極めて短くなってしまい、表示される数字や文字の明暗(コントラスト)が低くなって、見づらくなるという問題があった。また、ドット表示方式の液晶表示装置では、多様な文字を表示することが可能である反面、文字がドットの集合で構成されるため、なめらかさに欠ける問題があった。
【0012】
なお、このようなドット表示方式の液晶表示装置でのコントラストの低下を改善する手段として、高コントラストの得られるSTN(super twisted nematic)型の液晶表示装置もあるが、このSTN型液晶表示装置は高価であるため、電話機等に設けられる比較的簡易な表示装置として用いるのには不適当であった。
【0013】
また、表示装置の従来例として、7セグメント表示方式とドット表示方式の液晶表示装置を取りあげて説明したが、蛍光表示管や発光ダイオード等の他の表示素子を適用した7セグメント表示方式とドット表示方式の表示装置においても、液晶表示装置と同様の問題があった。すなわち、7セグメント表示方式を適用した蛍光表示管や発光ダイオード等の表示装置においても、上述した表示し得る情報量が極めて少ないという問題があった。また、ドット表示方式の表示装置においても、表示のなめらかさに欠けるという問題があった。更に、このドット表示方式の表示装置においても、フレーム周波数fFRMを人間の視覚に合わせて約30Hz以上に設定する必要から、表示される数字や文字の明暗(コントラスト)が低くなって、見づらくなるという問題があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような上記従来の表示装置の課題を克服するために成されたものであり、複数個の表示セグメントの組み合わせにより表示を行う表示装置であって、上記複数個の表示セグメントを、上、中、下段にそれぞれ横3本ずつ配された線状の第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7,第8,第9の表示セグメントと、上記第1,第4の表示セグメントの両側に配された縦2本の線状の第10,第11の表示セグメントと、上記第4,第7の表示セグメントの両側に配された縦2本の線状の第12,第13の表示セグメントと、上記第3,第6の表示セグメントの両側に配された縦2本の線状の第14,第15の表示セグメントと、上記第6,第9の表示セグメントの両側に配された縦2本の線状の第16,第17の表示セグメントと、上記第11,第14の表示セグメントの上方に配された短い線状の第18,第19の表示セグメントと、上記第2,第5,第11,第14の表示セグメントで囲まれた領域内において、略対角線状に配された4個の傾斜した短線状の第20,第21,第22,第23の表示セグメントと、上記第6,第9,第16,第17の表示セグメントで囲まれた領域内において、略対角線状に配された4個の傾斜した短線状の第24,第25,第26,第27の表示セグメントと、上記第3,第6,第14,第15の表示セグメントで囲まれた領域内において、右から左方向に斜めに配された斜線状の第28の表示セグメントと、上記第5,第8,第13,第16の表示セグメントで囲まれた領域内において、右から左方向に斜めに配された斜線状の第29の表示セグメントを備えて構成し、上記第1ないし第29の表示セグメントにより表示桁を構成することとした。
【0015】
かかる構成によれば、各表示セグメントを適宜に組み合わせて駆動することで、数字とアルファベット文字と清音のカタカナ文字の全てと、特殊記号が表示される。また、ドット表示方式に比べてなめらかな表示が行われる。更に、ドット表示方式に比べて少数の表示セグメントを組み合わせて表示するので、フレーム周期当たりの各表示セグメントの駆動時間が長くなることから、高コントラスト且つなめらかな表示が行われる。
【0016】
また、上記表示桁に隣接して他の表示桁を備え、上記他の表示桁を、上、中、下段にそれぞれ横1本ずつ配された線状の第30,第31,第32の表示セグメント部と、上記第30,第31の表示セグメントの両側に配された縦2本の線状の第33,第34の表示セグメントと、上記第31,第32の表示セグメントの両側に配された縦2本の線状の第35,第36表示セグメントとを備えて構成することとした。
【0017】
かかる構成によれば、上記の第1ないし第29の表示セグメントにて構成されている表示桁と、上記他の表示桁との組み合わせにより、数字とアルファベット文字と清音のカタカナ文字の全てと特殊記号のほかに、濁音と半濁音のカタカナ文字が表示される。
【0018】
また、上記の表示セグメントを、セグメント電極と、そのセグメント電極に対向配置するコモン電極と、上記セグメント電極とコモン電極間に配設された液晶とを有する液晶デバイスで構成した。また、上記のセグメント電極を4群に区分けし、上記コモン電極を、上記各群に対応して4組設ける構成とした。
【0019】
これらの構造によれば、4個のコモン駆動信号で上記の全ての文字や特殊記号の表示が行われる。更に、この僅か4個のコモン駆動信号で表示が可能になるため、フレーム周期当たりの各表示セグメントの駆動時間が長くなることから、高コントラスト且つなめらかな液晶表示が行われる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を電話機用の液晶表示装置に適用した場合の一実施の形態について、図1ないし図12を参照して説明する。なお、説明の都合上、適宜、構成要素に符号を付けることなく説明する。
【0021】
図1は、本実施形態の液晶表示装置の要部構造を示す平面図である。同図において、この液晶表示装置1は、モージュール化されており、PCB樹脂等で成形された電気回路基板2と、電気回路基板2上に重ねて配設された液晶表示部3とを備えて構成されている。
【0022】
液晶表示部3には、予め決められた特定の文字や記号等、すなわち特定化された文字パターン等を表示するための特定パターン表示領域4と、数字やアルファベット及び特殊記号等の表示内容を様々に変化させて表示するためのセグメント表示領域5が設けられている。
【0023】
電気回路基板2には、上記の表示領域4,5を表示駆動するためのコモン駆動信号C1〜C4とセグメント駆動信号S1〜S32を外部から供給するための合計36本の配線パターンが形成されており、これらの配線パターンはそれぞれ所定の外部接続端子に接続されている。
【0024】
より具体的に述べると、特定パターン表示領域4には、電話機の通話状態や動作状況等に関する「留守」、「転送」、「公衆電話」、「用件」等の特定化された文字パターンが、いわゆる黒文字や白抜き文字で表されている。また、特定化された文字パターンは、後述するセグメント電極とコモン電極によって構成されており、これらのセグメント電極とコモン電極との間にTN(twisted nematic)型液晶が充填されている。
【0025】
一方、セグメント表示領域5には、図1に示すように、第1〜第8の表示パターン(以下、各表示パターンを表示桁という)P1〜P8が左側から右側に沿って並設され、いずれの表示桁P1〜P8も、数字や文字又は記号等の特徴部分を分解してパーツ化された表示セグメントの集合として構成されている。これらのパーツ化された各表示セグメントも、後述するセグメント電極とコモン電極によって形成されており、これらの電極間にもTN型液晶が充填されている。
【0026】
第1の表示桁P1は、数字「0」の辺の部分の特徴を、横2本の線状の表示セグメントと、縦4本の若干斜めに傾斜した線状の表示セグメントとの集合として表現し得るようになっている。
【0027】
第2の表示桁P2は、図2に拡大して示すと共に、次の項目(1)〜(10)に示す合計29本の表示セグメントX1〜X29で構成されている。
【0028】
すなわち、
(1)上、中、下段にそれぞれ横3本ずつ配された線状の表示セグメントX1,X2,X3、X4,X5,X6,X7,X8,X9と、
(2)表示セグメントX1,X4の両側に配された縦2本の若干斜めに傾斜した線状の表示セグメントX10,X11と、
(3)表示セグメントX4,X7の両側に配された縦2本の若干斜めに傾斜した線状の表示セグメントX12,X13と、
(4)表示セグメントX3,X6の両側に配された縦2本の若干斜めに傾斜した線状の表示セグメントX14,X15と、
(5)表示セグメントX6,X9の両側に配された縦2本の若干斜めに傾斜した線状の表示セグメントX16,X17と、
(6)表示セグメントX11,X14の上方に配された短い線状の表示セグメントX 18,X19と、
(7)表示セグメントX2,X5,X11,X14で囲まれた領域内において、略対角線状に配された4個の傾斜した短線状の表示セグメント部X20,X21,X22,X23と、
(8)表示セグメントX6,X9,X16,X17で囲まれた領域内において、略対角線状に配された4個の傾斜した短線状の表示セグメントX24,X25,X26,X27と、
(9)表示セグメントX3,X6,X14,X15で囲まれた領域内において、右から左方向に斜めに配された斜線状の表示セグメント部X28と、
(10)表示セグメントX5,X8,X13,X16で囲まれた領域内において、右から左方向に斜めに配された斜線状の表示セグメントX29と、
によって構成され、いずれの表示セグメントX1〜X29の表示形状も、透明電極で成形されたセグメント電極のパターン形状によって特定されている。
【0029】
次に、第3の表示桁P3は、数字の「8」を3個の横辺と4個の縦辺との合計7個の辺で表現する、いわゆる7セグメント表示方式と同様の表示セグメントで構成されている。すなわち、図2に拡大して示すと共に、次の項目(11)〜(13)に示す合計7本の表示セグメントX30〜X36で構成されている。
【0030】
(11)上、中、下段にそれぞれ横1本ずつ配された線状の表示セグメントX30,X31,X32と、
(12)表示セグメントX30,X31の両側に配された縦2本の若干斜めに傾斜した線状の表示セグメントX33,X34と、
(13)表示セグメントX31,X32の両側に配された縦2本の若干斜めに傾斜した線状の表示セグメントX35,X36と、
によって構成され、いずれの表示セグメントX30〜X36の表示形状も、透明電極で成形されたセグメント電極のパターン形状によって特定されている。
【0031】
また、第4,第6の表示桁P4,P6は、第2の表示桁P2と同じ構成からなり、第5,第7,第8の表示桁P5,P7,P8は、第3の表示桁P3と同じ構成となっている。更に、第3の表示桁P3と第4の表示桁P4との間の上方近傍に、逆三角状の「ダッシュ」と呼ばれる表示セグメントP9が配設されている。
【0032】
そして、これらの表示桁P1〜P8を構成している上記の表示セグメントと表示セグメントP9の表示形状も、透明電極から成るセグメント電極の形状によって特定化されている。更に、これらのセグメント電極の裏面側に対向配置されたコモン電極との間にTN型液晶が充填された構造を有することで、上記の特定パターン表示領域4とセグメント表示領域5とを備えた液晶表示部3が構成されている。
【0033】
図3は、特定パターン表示領域4とセグメント表示領域5の一部縦断面構造を模式的に示す縦断面図である。同図において、透明な表面ガラス板6と裏面ガラス板7とが対向配置され、表面ガラス板6の内側面には、上記の特定化された文字パターンと表示セグメントに相当するセグメント電極8a,8b…が透明電極の蒸着によって成形され、裏面ガラス板6の内側面には、セグメント電極8a,8b…に対向するコモン電極9a,9b…が透明電極の蒸着によって成形されている。
【0034】
これらのセグメント電極8a,8b…とコモン電極9a,9b…は、それぞれ配向膜10,11で覆われており、配向膜10,11の間にTN型液晶12が充填され、更に、TN型液晶12の漏洩防止用のシール部材13,14と保護用のスペーサ部材15が設けられている。裏面ガラス板7の裏面には、裏面偏光板16と反射板17が積層され、表面ガラス板6の表面(液晶表示部3の表示面側)には、表面偏光板18が積層されている。
【0035】
そして、それぞれ対向するセグメント電極8a,8b…とコモン電極9a,9b…にセグメント駆動信号とコモン駆動信号が印加されるのに応じて、TN型液晶12の一部分の分子構造に捻りを生じさせ、その捻りが生じた液晶部分で、表示面側から入射する光の透過を阻止することにより、各表示桁P1〜P8と特徴パターンP9によっていわゆる黒文字表示が行われる。
【0036】
図4は、特定パターン表示領域4内の特定化された文字パターンに相当するセグメント電極と、セグメント表示領域5内の表示桁P1〜P8を構成する上記の表示セグメントと、表示セグメントP9に相当するセグメント電極に対して、セグメント駆動信号S1〜S32を供給するための配線パターンを模式的に示している。
【0037】
また、図5は、セグメント電極に対向配置されたコモン電極に対してコモン駆動信号C1〜C4を印加するための配線パターンを模式的に示している。なお、図5において、コモン駆動信号C1を供給するための配線パターンが破線で、コモン駆動信号C2を供給するための配線パターンが1点鎖線で、コモン駆動信号C3を供給するための配線パターンが点線で、コモン駆動信号C4を供給するための配線パターンが2点鎖線で、それぞれ示されている。
【0038】
そして、多数のセグメント電極を4群に区分けし、各群に対応するコモン電極をコモン駆動信号C1〜C4で別々に駆動するようになっている。
【0039】
ここで、上述したセグメント電極を4群に区分し、各群に対応させてセグメント電極が配設されることで駆動表示が行われる構成について、図2に示した第2の表示桁P2を代表して説明する。図2において、第2の表示桁P2は、セグメント駆動信号S1〜S8とコモン信号C1〜C4によって駆動されるようになっている。
【0040】
第1のコモン信号C1が印加される第1のコモン電極(図示略)は、表示セグメントX12,X7,X8,X9,X27,X24に設けられている各セグメント電極の裏面側に、TN型液晶を介して対向配置されており、図中の破線で示されている配線パターンに接続されている。
【0041】
第2のコモン信号C2が印加される第2のコモン電極(図示略)は、表示セグメントX10,X13,X29,X16,X24,X25,X26に設けられている各セグメント電極の裏面側に、TN型液晶を介して対向配置されており、図中の1点鎖線で示されている配線パターンに接続されている。
【0042】
第3のコモン信号C3が印加される第3のコモン電極(図示略)は、表示セグメントX1,X4,X11,X5,X14,X6,X28,X15に設けられている各セグメント電極の裏面側に、TN型液晶を介して対向配置されており、図中の点線で示されている配線パターンに接続されている。
【0043】
第4のコモン信号C4が印加される第4のコモン電極(図示略)は、表示セグメントX2,X3,X18,X19,X20,X21,X22,X23に設けられている各セグメント電極の裏面側に、TN型液晶(図示略)を介して対向配置されており、図中の2点鎖線で示されている配線パターンに接続されている。
【0044】
このように、各表示セグメントX1〜X29を構成しているセグメント電極は、第1〜第4のコモン電極に対応させて4群に区分けされている。更に、各表示セグメントX1〜X29を構成しているセグメント電極に、図中の実線で示されている配線パターンを介してセグメント駆動信号S1〜S8が印加される。
【0045】
そして、各群に対応する第1〜第4のコモン駆動信号C1〜C4とセグメント駆動信号S1〜S8とで、表示セグメントX1〜X29を選択駆動し、選択されたセグメント電極に対応する液晶部分の分子構造に捻りを発生させることにより、所望の表示セグメントを表示させるようになっている。
【0046】
なお、説明は割愛するが、残余の表示桁P1,P3〜P8と、表示セグメントP9及び特定化された文字パターンについても、同様に上記の第1〜第4のコモン電極に対応させて区分けされている。
【0047】
次に、かかる構造を有する液晶表示装置の作用を図6及び図7に示す波形図を参照して説明する。図6において、(a)〜(d)は、コモン駆動信号C1〜C4の電圧波形を示し、(e)〜(h)は、セグメント駆動信号S1〜S32の内の4つのセグメント駆動信号Sn1〜Sn4に関する電圧波形を代表して示している。
【0048】
また、図6中の(i)は、完全に表示を行わない場合(全消灯時)のセグメント駆動信号S1〜S32の電圧波形を示し、同図中の(j)は、全表示を行う場合(全点灯時)のセグメント駆動信号S1〜S32の電圧波形を示している。なお、(i)と(j)において、セグメント駆動信号S1〜S32の全てを電圧波形Snで示している。
【0049】
コモン駆動信号C1〜C4とセグメント駆動信号S1〜S32は、1/4デューティ,1/3バイアス方式に基づいて生成されている。すなわち、図6に示すように、フレーム周期TFRMの1/4の期間τ1〜τ4に同期して、各駆動信号C1〜C4,S1〜S32の電圧レベルが変化し、更に、各電圧レベルは4値の電圧によって決められている。
【0050】
そして、コモン駆動信号C1の電圧レベルとそれに対応する同図(e)のセグメント駆動信号Sn1の電圧レベルが共に大きく変化すると(期間τ1)、これらの駆動信号C1,Sn1が印加されるコモン電極とセグメント電極間の液晶部分に、図7に示すような高電圧が掛かるため、液晶部分の分子構造に捻りが発生し、その分子構造の捻りによって光の透過を阻止することで、そのセグメント電極に該当する表示セグメントが表示される。
【0051】
また、コモン駆動信号C2が期間τ2、コモン駆動信号C3が期間τ3、コモン駆動信号C4が期間τ4においてそれぞれの電圧レベルが大きく変化し、且つコモン駆動信号C2〜C4に対応する図6(f)〜(g)のセグメント駆動信号Sn2〜Sn4の電圧レベルが共に大きく変化する場合にも、それぞれのセグメント駆動信号Sn2〜Sn4で選択されたセグメント電極に該当する表示セグメントが表示されることとなる。
【0052】
かかる駆動方法によって実現される表示内容の一例が図8〜図12に示されている。
【0053】
図8は、表示桁P2,P4,P6によって表示されたアルファベト「A」〜「Z」の形状を示しており、図9は、表示桁P2,P4,P6によって表示された特殊記号の形状を示している。図10は、表示桁P2,P4,P6によって表示された清音のカタカナ文字の形状を示している。図11は、表示桁P2とP3、表示桁P4とP5、又は表示桁P6とP7とのそれぞれの組み合わせによって表された、濁音と半濁音のカタカナ文字の形状を示している。また、図12は、数字「0」〜「9」の形状と、複数の表示桁P1〜P8を組み合わせた場合の表示例を示している。
【0054】
このように、本実施形態によれば、新規な構造の表示セグメントを適用したことで、数字とアフファベット文字及びカタカナ文字の全てと、特殊記号を表現することができる。また、これらの文字の組み合わせによって、複雑な表示を行うことができる。例えば、単なる数字に限らず、カタカナ文字による日本人の加入者名や、アフファベット文字による外国人の加入者名や、様々なメッセージを表示することができる。したがって、表示し得る情報量を大幅に向上させた液晶表示装置を提供することができる。また、ドット表示方式に較べて、なめらかな表示が可能である。また、セグメント電極の形状を、数字、アルファベット、カタカナ、特殊記号を表示することに特化した電極形状としたため、視認性の向上が可能となっている。
【0055】
更に、上記の僅か4個のコモン駆動信号C1〜C4と32個のセグメント駆動信号S1〜S32との合計36個の駆動信号によって表示を行うので、これらの駆動信号を供給するための配線パターン数の大幅低減による装置の小型化、装置構造の簡素化等が可能となっている。
【0056】
また、従来の表示方式の液晶表示装置で問題となっていたコントラストの低下に関しては、本実施形態では、上述した少ないセグメント駆動信号S1〜S32によって1フレーム分の表示が可能であるため、1フレーム周期TFRMにおける各セグメント電極の駆動時間を長くすることができる。このため、本実施形態によれば、表示される数字や文字の明暗(コントラスト)を高くすることができ、鮮明な表示を可能にする。
【0057】
更にまた、上記の各セグメント電極の駆動時間を長くすることができるため、TN型液晶を適用した場合でも鮮明な表示が可能となり、低コストの液晶表示装置を提供することができる。
【0058】
尚、液晶表示装置の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、上記の液晶による各表示セグメントの代わりに、蛍光表示管や発光ダイオードその他のエレクトロルミネッセンスを適用した表示装置も含むものである。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の表示装置によれば、新規な配列構造で少数の表示セグメントから成る表示桁を適用して、数字とアフファベット文字及びカタカナ文字の全てと、特殊記号を表現するようにしたので、従来のセグメント表示方式に較べて、表示し得る情報量を大幅に向上させることができる。また、各表示セグメントを、数字、アルファベット、カタカナ、特殊記号を表示することに特化した構造としたため、視認性を向上させることができる。
【0060】
更に、ドット表示方式に比べて少数の表示セグメントを組み合わせて表示するので、フレーム周期当たりの各表示セグメントの駆動時間が長くなることから、高コントラスト且つなめらかな表示が可能である。
【0061】
また、液晶表示装置にした場合には、4個のコモン駆動信号で上記の全ての文字や特殊記号の表示を行うようにしたので、フレーム周期当たりの各表示セグメントの駆動時間が長くなり、高コントラスト且つなめらかな液晶表示が可能となる。更に、上記の各表示セグメントの駆動時間を長くすることができるため、TN型液晶を適用した場合でも鮮明な表示が可能となり、低コストの液晶表示装置を提供することができる。また、液晶表示装置にした場合にも、各表示セグメントを、数字、アルファベット、カタカナ、特殊記号を表示することに特化した構造としたため、視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の液晶表示装置の要部構造を示す平面図である。
【図2】表示桁P2及びP3の構造を拡大して示す説明図である。
【図3】図1に示す液晶表示装置の一部縦断面構造を模式的に示す縦断面図である。
【図4】セグメント電極にセグメント駆動信号を供給するための配線パターンを示す説明図である。
【図5】コモン電極にコモン駆動信号を供給するための配線パターンを示す説明図である。
【図6】セグメント駆動信号とコモン駆動信号の電圧波形を示す波形図である。
【図7】セグメント駆動信号とコモン駆動信号によって液晶に掛かる電圧波形を示す波形図である。
【図8】第2の表示桁P2によって表わされるアルファベットの表示例を示す説明図である。
【図9】第2の表示桁P2によって表わされる特殊記号の表示例を示す説明図である。
【図10】第2の表示桁P2によって表わされる清音のカタカナの表示例を示す説明図である。
【図11】第2,第3の表示桁P2,P3の組み合わせで表わされる濁音と半濁音のカタカナの表示例を示す説明図である。
【図12】複数個の表示桁で表わされる数字の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…液晶表示装置
5…セグメント表示領域
8a,8b…セグメント電極
9a,9b…コモン電極
12…TN型液晶
P2…第2の表示桁
P3…第3の表示桁
X1〜X36…表示セグメント
Claims (9)
- 複数個の表示セグメントの組み合わせにより表示を行う表示装置であって、
前記複数個の表示セグメントは、
上、中、下段にそれぞれ横3本ずつ配された線状の第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7,第8,第9の表示セグメントと、
前記第1,第4の表示セグメントの両側に配された縦2本の線状の第10,第11の表示セグメントと、
前記第4,第7の表示セグメントの両側に配された縦2本の線状の第12,第13の表示セグメントと、
前記第3,第6の表示セグメントの両側に配された縦2本の線状の第14,第15の表示セグメントと、
前記第6,第9の表示セグメントの両側に配された縦2本の線状の第16,第17の表示セグメントと、
前記第11,第14の表示セグメントの上方に配された短い線状の第18,第19の表示セグメントと、
前記第2,第5,第11,第14の表示セグメントで囲まれた領域内において、略対角線状に配された4個の傾斜した短線状の第20,第21,第22,第23の表示セグメントと、
前記第6,第9,第16,第17の表示セグメントで囲まれた領域内において、略対角線状に配された4個の傾斜した短線状の第24,第25,第26,第27の表示セグメントと、
前記第3,第6,第14,第15の表示セグメントで囲まれた領域内において、右から左方向に斜めに配された斜線状の第28の表示セグメントと、
前記第5,第8,第13,第16の表示セグメントで囲まれた領域内において、右から左方向に斜めに配された斜線状の第29の表示セグメントを備えて構成され、前記第1ないし第29の表示セグメントにより表示桁が構成されていることを特徴とする表示装置。 - 前記第1ないし第29の表示セグメントにより構成された表示桁が複数個配列されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記複数の表示桁の両側に、英数字を表示する複数の表示セグメントから成る表示桁が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
- 前記表示桁に隣接して他の表示桁が備えられ、
前記他の表示桁は、
上、中、下段にそれぞれ横1本ずつ配された線状の第30,第31,第32の表示セグメントと、
前記第30,第31の表示セグメントの両側に配された縦2本の線状の第33,第34の表示セグメントと、
前記第31,第32の表示セグメントの両側に配された縦2本の線状の第35,第36の表示セグメントとを備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記表示桁と前記他の表示桁が、複数個配列されていることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
- 前記複数個配列され表示桁と他の表示桁の両側に、英数字を表示する複数の表示セグメントから成る表示桁が配置されていることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
- 前記表示セグメントは、セグメント電極と、前記セグメント電極に対向配置されたコモン電極と、前記セグメント電極とコモン電極間に配設された液晶とを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記のセグメント電極は4群に区分けされ、前記コモン電極は、前記各群に対応して4組設けられていることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
- 前記表示装置は、TN型液晶表示装置であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
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