JP3638090B2 - 鉄筋結束金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に場所打ちコンクリート杭で使用される鉄筋かごの主筋と主筋の外側にせん断補強筋として配筋されるフープ筋またはスパイラル筋とを結束するための鉄筋結束金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
場所打ちコンクリート杭には、例えば図5(a),(b)に図示するように掘削された竪孔内に複数の主筋20とこの主筋20の外側にフープ筋またはスパイラル筋、あるいはその両方(以下、「フープ筋21」という)がせん断補強筋として配筋されている。
【0003】
また、主筋20とフープ筋21は予め地上で円筒形状をなす鉄筋かごに組み立てられた後、クレーン等で吊って竪孔に一緒に建て込まれている。ところでこれまで、主筋20とフープ筋21は接点部を溶接する等して結束されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、主筋20とフープ筋21との溶接作業は、天候や作業者の技量などによって溶接精度が大きく左右され、溶接不良などのために信頼性に欠ける等の課題があった。
【0005】
また、溶接熱が主筋の材質・強度を変えてしまうような悪影響をおよぼすことが知られており、特に先の阪神大震災以来、溶接による結束の自粛がのぞまれている。
【0006】
この発明は、以上の課題を解決するためなれたもので、特に主筋とフープとを確実に、しかもきわめて簡単に結束できるようにした鉄筋結束金具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の鉄筋結束金具は、主筋とその一側に配筋されるフープ筋とを結束する主筋結束金具であり、主筋の外周に沿ってU字状をなす上下の主筋把持部と、この上下の主筋把持部間においてフープ筋の外周に沿ってU字状をなすフープ筋把持部と、前記主筋把持部において前記主筋を主筋把持部とによって挟持する固定ボルトとを有し、かつ前記主筋把持部に前記主筋の一側に取り付けられる補強リングを支持するフックを有して構成してなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1(a)〜(c)は、鉄筋結束金具の一例を示し、想定した円周上に複数の主筋1が円周方向に所定間隔に配筋され、その外側にフープ筋2がリング状に配筋されている。また、主筋1とフープ筋2との接点部に鉄筋結束金具3が取り付けられ、この鉄筋結束金具3によって主筋1とフープ筋2が結束されている。
【0010】
さらに、必要に応じて主筋1の内側に帯鋼または鉄筋などからなる補強リング(力骨補強リングともいう)4がフープ筋2に沿ってリング状に取り付けられている。こうして、所定径の鉄筋かご5が組み立てられている。
【0011】
鉄筋結束金具3は、主筋1の外周に沿って鉄筋かご5の外側から内側にU字状をなす主筋把持部3aとフープ筋2に沿って鉄筋かご5の外側から内側にU字状をなすフープ筋把持3bとをそれぞれ有し、主筋把持部3aは上下方向に所定間隔に形成され、フープ筋把持部3bは主筋把持部3a,3a間に主筋把持部3aと連続し、一体に形成されている。
【0012】
また、主筋把持部3aの一側部にフープ筋2の軸方向に貫通するボルト孔3cがそれぞれ形成され、このボルト孔3cの外側に固定ナット6が溶接することにより取り付けられている。また、固定ナット6に固定ボルト7がボルト孔3cを貫通し、主筋1に当接した状態で螺合されている
そして、固定ボルト7を強く締め付けることで、鉄筋結束金具3が主筋1に固着され、この鉄筋結束金具3を介して主筋1とフープ筋2が強固に結束されている。
【0013】
なお、主筋把持部3aとフープ筋把持部3bは、一枚の鋼板を例えば図4(a)に図示するように切断し、ボルト孔3cを形成し、かつ要所を折り曲げることにより簡単に形成されている。
【0014】
また、主筋把持部3aとフープ筋把持部3bは鋳造でも形成することができ、その場合にはボルト孔3cに固定ボルト7を螺合するねじを直接形成することにより固定ナット6を省略することができる。
【0015】
図2(a)〜(c)は、鉄筋結束金具の他の一例を示し、主筋1の内側に力骨補強リング4を有する場合に使用されるもので、下側の主筋把持部3aの先端部にフック3dを突設し、このフック3dで力骨補強リング4を支持するようにしたものである。なお、フック3dを有するものも図4(b)に図示するように一枚の鋼板から形成されている。
実施の形態2.
図3(a)〜(c)は、同じく鉄筋結束金具の一例を示し、特に上側の主筋把持部3aが鉄筋かご5の円周方向(フープ筋2の軸方向)に沿ってU字状をなし、下側の主筋把持部3aが鉄筋かご5の外側から内側に沿ってU字状をなしている。
【0016】
また、フープ筋把持部3bに鉄筋かご5の外側から内側に貫通するボルト孔3cが形成され、ボルト孔3cの外側に固定ナット6が取り付けられている。その他の構成は図1〜図2で説明した鉄筋結束金具と略同じである。
【0017】
そして、固定ボルト7を強く締め付けることで主筋1とフープ筋2と力骨補強リング4が固定ボルト7とフック3dで強く挟み付けられて結束される。
この鉄筋結束金具3においても、主筋把持部3aとフープ筋把持部3bとフック3dは、一枚の鋼板を例えば図4(a)に図示するように切断し、ボルト孔3cを形成し、かつ要所を折り曲げることにより簡単に形成されている。
【0018】
また、主筋把持部3aとフープ筋把持部3bとフック3dは鋳造でも形成することができ、その場合にはボルト孔3cに固定ボルト7を螺合するねじを直接形成することにより固定ナット6を省略することができる。
【0019】
【発明の効果】
この発明は以上説明した構成からなり、特に固定ボルトを締めつけるだけで主筋とフープ筋をきわめて簡単にかつ強固に結束することができる。
【0020】
また、溶接を一切使用しないので、主筋の強度を変えてしまうような悪影響を及ぼすこともなく、異種材質の主筋とフープ筋も全く問題なく結束することができる。
【0021】
また、簡単な構造なので製作も容易であり、量産による製作コストの低減も可能である。
さらに、主筋の一側に取り付けられた力骨補強リングも同時にフックに支持させて結束することができる。
【0022】
さらに、簡単な構造なので製作も容易であり、量産による製作コストの低減も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は鉄筋かごの平面図、(b)は鉄筋結束金具の斜視図、(c)は鉄筋結束金具による主筋とフープ筋との結束状態を示す斜視図である。
【図2】(a)は鉄筋かごの平面図、(b)は鉄筋結束金具の斜視図、(c)は鉄筋結束金具による主筋とフープ筋と力骨補強リングとの結束状態を示す斜視図である。
【図3】(a)は鉄筋かごの平面図、(b)は鉄筋結束金具の斜視図、(c)は鉄筋結束金具による主筋とフープ筋と力骨補強リングとの結束状態を示す斜視図である。
【図4】主筋把持部とフープ筋把持部を一体形成するために切断加工された鋼板の展開図である。
【図5】(a)は場所打ち鉄筋コンクリート杭の断面図、(b)は鉄筋かごの斜視図である。
【符号の説明】
1 主筋
2 フープ筋(フープ筋またはスパイラル筋)
3 鉄筋結束金具
3a 主筋把持部
3b フープ筋把持部
3c ボルト孔
3d フック
4 補強リング(力骨補強リング)
5 鉄筋かご
6 固定ナット
7 固定ボルト
Claims (1)
- 主筋とその一側に配筋されるフープ筋とを結束する主筋結束金具であり、主筋の外周に沿ってU字状をなす上下の主筋把持部と、この上下の主筋把持部間においてフープ筋の外周に沿ってU字状をなすフープ筋把持部と、前記主筋把持部において前記主筋を主筋把持部とによって挟持する固定ボルトとを有し、かつ前記主筋把持部に前記主筋の一側に取り付けられる補強リングを支持するフックを有して構成してなることを特徴とする鉄筋結束金具。
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JP3638090B2 true JP3638090B2 (ja) | 2005-04-13 |
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Family Applications (1)
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1999
- 1999-03-11 JP JP06461799A patent/JP3638090B2/ja not_active Expired - Fee Related
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