JP3636479B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ディスプレイ、各種表示素子、プロジェクターなどに応用される表示素子、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、軽量薄型の表示装置として液晶を用いた表示装置が開発されている。その中でも特にネマチック液晶を2枚の基板、及び偏光板間に挾持させて配向させ、電界を印加したときの応答を偏光板を介して検出するいわゆるTN、STNなどの表示モードが主に使用されている
また近年偏光板を用いない表示モードとして、光散乱を用いた液晶表示モードが開発されている(アメリカ特許3600060、4688900、4891152、4818070などに示されている)。これらの液晶表示モードは通常、高分子分散型液晶モードと呼ばれ、その構造は高分子のマトリックス中に液晶が孤立したドロップレットとして存在する物(以下NCAPと略す)、あるいは、3次元網目状に連続したポリマー構造体中に液晶が含浸包含された物(以下PNLCDと略す)、複屈折性を示す高分子中に液晶が分散されたもの(以下RPDLCと略す)などが代表的なものである。これらの高分子分散型液晶モードは、NCAP、PNLCD共に、電圧が印加されていないときは光散乱状態(白色)、あるいはNCAPの場合2色性色素が添加されていれば光吸収状態で色素の色を示す。これに電圧が印加されると電圧方向に液晶分子が配列し、2色性色素の有無にかかわらず光透過状態となり、透明となる。また、RPDLCの場合、高分子と液晶複屈折率の差によっては、電界が印加されていない状態で透明、電界が印加されると散乱白濁状態へ移行する場合もある。
【0003】
またさらに、偏光板が不要で明るい表示体を実現するために、本出願人によって新たな表示モードを反射型として使用することが先に提案されている(特願平2−309316、3−13268など)。新たな表示モード(以下リバースPDLCと呼ぶ)とは、液晶中に配向処理された粒子状あるいは針状高分子を混合分散させたもので、電圧が印加されていないときに光散乱度が小さく透明、2色性色素が添加されていれば色素の色に着色している。これに電圧が印加されると高分子と液晶の複屈折率の差が大きければ光散乱度が増大し白色になり、複屈折率の差が小さければ透明に変化するものである。そのため、電圧の有無によって、透過−散乱(白色)、あるいは2色性色素を添加すれば、複屈折率の差が大きければ吸収−散乱(着色−白色)、複屈折率の差が小さければ吸収−透過(着色−透明)の2状態をコントロールする事が出来る。特に、バックライト、偏光板なしで、従来の液晶表示モードでは実現不可能であった着色−白色を、電界の有無によって制御できる画期的なモードである。
【0004】
また、これらとは別に二色性色素だけを液晶に溶解し、液晶の電界方向の配向にともない色素の配向方向も変化するいわゆるゲストホスト(以下GHモード)も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように各種の表示モードが提案されているが、白黒表示を目的とした場合、TN、STN表示モードは偏光板が不可欠であり、偏光板に光がほとんど吸収されるため、バックライトを使用しないと表示が暗い欠点がある。そのためこれらの表示装置は、バックライトを必要とする透過型を主体に検討されているが、バックライトは電力を消費するため、電池寿命が小さくなる。バックライトを使用しない反射型とした場合には、コントラストが不十分、あるいは文字の二重映りなどの問題があり実用性が高いものとは言えない。。
【0006】
近年、液晶表示素子には、表示される情報の種類、内容の高度化、多機能化により従来の2色(白黒)表示から、カラー化が求められている。偏光板を使用したモードではカラーフィルターとバックライトの組み合わせによりカラー化を実現している。しかし、偏光板による吸収の他にカラーフィルターによる吸収が加わり、その光利用効率はバックライト全体の光の高々2〜3%でしかない。このように光の利用効率が低いため、明るい表示を得るためには、バックライトの大型化、光量の増加が必要であり、これは消費電力の増大を意味する。そのため、特に要求が高い電池駆動による携帯型小型情報機器には採用する事が出来ない。
【0007】
高分子分散モードのNCAPでは、水溶性ポリマーの水溶液に親油性の液晶を分散混合して作製するので、この液晶分散液に親油性の2色性色素を混合すれば、色素は液晶にだけとけ込む。乾燥して成膜すれば、透明のポリマー中に2色性色素を溶かし込んだ液晶のドロップレットが孤立して存在する構造となる。そのため、電界が液晶に高分子層を通して間接的に作用するため、駆動電圧が必然的に高くなってしまう欠点がある。高分子の含有量を小さくすればそれにつれて駆動電圧は低下してくるが、NCAP特有の液晶が孤立したドロップレット構造を取ることができなくなってしまう。また、その表示品質は、電界が印加されていないときは、2色性色素の吸収と、液晶の複屈折性とポリマーの屈折率の不一致により、散乱と吸収が混じった不透明状態となる。この状態に電界を印加すると、液晶が電界の方向に配向するのにつられて2色性色素も配向するので色素の吸収が減少し透明状態となる。観測者と、液晶表示素子をはさんで反対側に白色の物質、例えばコピー紙等を置いておけば、白が表示される。このようにして、電界無印加で着色、印加で白が表示できる。また、画素ごとに色素種類を変えれば、一応カラー表示ができる。しかし、その着色状態は色素の吸収に液晶とポリマーの屈折率差による散乱が混じった物であり、表示色としての鮮やかさが非常に劣る。また、電界無印加での白は、電界方向に配向した2色性色素を含む液晶表示素子を透して見るため、くすんだ白になってしまう。つまり、NCAPでカラー表示をしようとすれば、非常にくすんだ、コントラストの低い表示しか得られない事になる。この点を補うために、高分子と液晶の屈折率差を小さくしてやる(USP4556289など)と、散乱による白濁がなくなるので色はきれいに表示されるようになるが、依然駆動電圧が高い問題は残っている。
【0008】
PNLCDは、紫外線硬化型モノマーに液晶を混合したのち、紫外線を照射してモノマーを硬化させてポリマーとしながら、液晶とポリマーを分離する物である。このPNLCDをカラー化するために2色性色素を混合すると、モノマー、液晶、2色性色素の全てが親油性なので、液晶とポリマーの両方に2色性色素が溶解してしまう。そのため、電界の有無にかかわらず常に着色した状態になってしまい、表示機器として使用できるだけのコントラストは得られない。
【0009】
また、アメリカ特許4994204にあるようなRPDLCも、上記のPNLCDと同様の問題を有しており、実使用に耐えるだけの性能を持ち合わせるには至っていない。
【0010】
バックライト無しのカラー表示を可能とする方法としてカラーフィルターと反射型GHを組み合わせたものが提案されている(SID 92 Digest 437〜439ページ)。これは、緑とマゼンダ色のカラーフィルターと反射型白黒相転移GHモードを組み合わせたものである。電界が印加されていない場合にはパネルは黒、緑の画素だけに電界が印加されればパネルは緑、マゼンダの画素だけに電界が印加されればパネルはマゼンダ、緑、マゼンダの画素両方に電界が印加されればパネルは白になるものである。しかしこのモードの場合、駆動電圧が約14Vと通常のアクティブ素子で駆動するには高すぎる、透過率電圧特性が図2の2−2に示すように中間状態を経由し、かつヒステリシスが大きいので、階調表示ができない、動画表示ができない、初期的に垂直配向させなければならないので信頼性が低い等の多くの問題を抱えている。
【0011】
以上述べた事から明らかなように、従来ある表示モードで低消費電力の白黒、あるいはカラー表示を実現する方法はなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、調光層を介して一対の基板が対向して配置されてなる液晶電気光学素子において、前記一対の基板のうち一方の基板の前記調光層側には半透過反射電極が、その反対側にはバックライトが配置されており、前記調光層は少なくとも液晶、2色性色素及び高分子の混合体からなるとともに、前記調光層に電界を印加したときには、前記液晶、前記2色性色素及び前記高分子のうち、前記液晶、前記2色性色素が電界方向に配向することを特徴とする。
【0013】
【実施例】
以下、参考例及び実施例により、さらに詳しく本発明を説明する。
【0014】
(参考例1)
参考例1では、白黒表示反射型リバースPDLC液晶表示素子の場合について示す。代表的な断面図を図1に示す。図1(a)は画素電極に電界無印加の状態、図1(b)は画素電極に電界が印加されている状態をそれぞれ示している。画素電極に電界が印加されていない場合には、液晶分子、二色性色素分子は高分子粒子、カイラル物質の影響により特定方向に配向されている。そのため、パネルとしては着色して見える。画素電極に電界を印加すると、その電界が作用する範囲の液晶分子は電界の方向に配向し、それにつられて二色性色素も電界方向に配向する。そのため、画素の表示状態は、電界が印加されていなかったときの二色性色素による着色状態から、液晶と高分子粒子の屈折率の差によって決まる状態に変化する、屈折率差が小さければ透明となり、差が大きければ白濁状態となる。本発明の場合には、屈折率差は小さいほうが望ましい。電極を白濁状態にしておけば、電界の印加によって調光層が透明になった結果、電極の白状態が表示される。
【0015】
具体的な表示素子の作成方法について述べる。対向基板上に紫外線硬化型アクリル樹脂を硬化後の膜厚が約1μmになるようにスピンコートにより成膜し、紫外線を照射して硬化した。その後アクリル樹脂の表面に高さ約0.3μmの凹凸ができるようにサンドブラスト処理した。次に、Al−Mg合金(Mgが3重量%)をスパッタにより膜厚約5000Åになるように成膜した後、パターニングして反射対向電極とした。この電極は下地の凹凸の影響でいわゆる梨地状で、白濁した反射鏡面であった。対向する素子基板には、通常の方法によりMIM素子を作成した。MIM素子基板と反射対向電極を持つ対向基板に配向剤を塗布した後、ツイスト角が180度になるようにラビング処理を施し、ギャップ剤を散布した後、シール剤を介して張り合わせ、セル厚5μmの液晶セルを作った。次にセル中に封入する混合物として、液晶SS−5004(チッソ社製)に、カイラル物質としてS−811(メルク社製)を液晶に対して1.0重量%、二色性色素の混合物、M361:M447:SI512:M34=20:3:25:6(いずれも三井東圧染料(株)社製)を液晶に対し2.5重量%溶解させ、さらに
【0016】
【化1】
Figure 0003636479
【0017】
で表される紫外線硬化型モノマ−を(液晶+二色性色素):モノマー=95:5(重量比)で混合し、パネル中に約0.2mmHgの真空下で封入した。モノマーを高分子にするために、350nmの波長の紫外線強度が4mW/cm2の紫外線を15分間、35℃で照射した。
【0018】
このようにして得られた液晶表示素子は、電界が印加されていない場合には、二色性色素の吸収により黒く着色して見える。実効値電圧で約5Vの電界を印加すると、白濁した反射対向電極が見え、白く見える。この素子の電圧反射率特性は図2の2−1に示すようにヒステリシス、中間状態などがなく階調表示、動画表示に適したものであった。またその応答速度は、室温で立ち上がり、立ち下がり合わせて50mSecで非常に速いものであった。
【0019】
液晶中には、重合開始剤などが含まれていてもよい。液晶は、通常の液晶表示素子に使用されているものが好ましく使用できるが、透明度を良好にするためには、液晶の複屈折率異方性、Δn、が0.15以下が望ましい。また、アクティブ素子で駆動するためには、液晶単体の比抵抗は1×1010Ω・cm以上、さらに好ましくは2×1012Ω・cm以上が、保持率を高く保ち表示品質を良好にするためには望ましい。液晶中に分散されている高分子は、その形状が粒子状、針状の孤立体、あるいは連続体が特性上望ましいが、それ以外にも3次元ネットワーク状、ゲルネットワーク状でも本発明の光学的応答を示せば特にこれらに限定されるものではない。
【0020】
反射電極とする反射性部材は、Al、Cr、Mg、Ag、Au、Ptなどの金属単体、あるいは混合物などが好ましく、さらにはAl、Cr、Al−Mg混合物が好ましく、特に安定性、反射率の点からAl−Mg混合物が好ましい。Mgの添加量は、0.1〜10重量%が望ましく、特に0.5〜5重量%が安定性、反射率、操作性などの点から好ましい。また、反射性部材自身が白濁していても良い。また、反射性と透過性の両方を同時に持ついわゆる半透過性反射膜でも良い。これらの反射膜の上には、必要に応じて各種の光学積層膜が形成されても良い。
【0021】
反射電極に凹凸を形成する方法としては、サンドブラスト法以外に、適当な樹脂を適当な方法でパターニングする方法、基板、あるいは電極自身をエッチングする方法、樹脂中に微粒子、粉体などを分散させる方法などがある。また凹凸の大きさ、形状、数、密度などは要求される表示品位の特性によって最適化される。
【0022】
カイラル成分としては、通常のTN、STN、FTNに使用されているCB−15、C−15、S811、S1082(以上Merck社製)、CM−19、CM、CM−20、CM−21、CM−22(以上チッソ社製)などのものが好ましく使用される。その添加量は、0.01〜10重量%であり、好ましくは0.1〜5重量%である。0.01重量%以下では効果が少なく、10重量%以上では駆動電圧が高くなり、通常の素子では駆動が出来ない。
【0023】
2色性色素としては通常のGHに使用されているアゾ系、アントラキノン系、ナフトキノン系、ペリレン系、キノフタロン系、アゾメチン系などが好ましく使用される。その中でも、耐光性の点からアントラキノン系単独、あるいは必要に応じて他の色素との混合したものが特に好ましい。これらの2色性色素は必要な色によって、適宜混合されて使用される。
【0024】
高分子はリバース型PDLCモードになるものならなんでもよいが、液晶素子製造の簡便性から紫外線硬化型モノマーが望ましい。紫外線硬化型モノマーとしては、単官能アクリレート、2官能アクリレートあるいは多官能アクリレートなどが好ましく使用される。これらのモノマーには、カイラル性の成分を含むものでも良い。また、これらのモノマーは単独あるいは他のモノマー、オリゴマーと混合した後、紫外線を照射され高分子化されても良い。これらの高分子の屈折率は混合される液晶と屈折率の差が小さいものが望ましい。
【0025】
参考例1では、ツイスト角が180度のリバース型PDLCモードについて示したが、ツイスト角についての特別の規定はない。
【0026】
また参考例1では、MIM素子への応用について実施例を示したが、ラテラル型MIM素子、バックトウバック型MIM素子、バックトウバックラテラル型MIM素子、スタティック駆動、時分割駆動、TFT素子、バリスタ素子を使用した駆動でも同様の効果が期待できる。
【0027】
(参考例2)
参考例2では、図3に示す様に、対向電極が白濁した反射電極の表示素子を用いて以下に説明する。対向基板上にAl−Si合金(Siを10重量%含有する)を300Åでスパッタにより形成した。得られた膜は白濁していた。以下参考例1と全く同様にして液晶表示素子を作成した。
【0028】
このようにして得られた液晶表示素子は、電界が印加されていない場合には、二色性色素の吸収により黒く着色して見える。実効値電圧で約5Vの電界を印加すると、白濁した反射対向電極が見え、白く見える。この素子の電圧反射率特性は図2の2−1に示すものとほぼ同じで、ヒステリシス、中間状態などがなく階調表示、動画表示に適したものであった。またその応答速度は、室温で立ち上がり、立ち下がり合わせて50mSecで非常に速いものであった。
【0029】
液晶中には、重合開始剤などが含まれていてもよい。液晶は、通常の液晶表示素子に使用されているものが好ましく使用できるが、透明度を良好にするためには、液晶の複屈折率異方性、Δn、が0.15以下が望ましい。また、アクティブ素子で駆動するためには、液晶単体の比抵抗は1×1010Ω・cm以上、さらに好ましくは2×1012Ω・cm以上が、保持率を高く保ち表示品質を良好にするためには望ましい。液晶中に分散されている高分子は、その形状が粒子状、針状の孤立体、あるいは連続体が特性上望ましいが、それ以外にも3次元ネットワーク状、ゲルネットワーク状でも本発明の光学的応答を示せば特にこれらに限定されるものではない。
【0030】
反射電極とする反射性部材は、Al、Cr、Mg、Ag、Au、Ptなどの金属単体、あるいは混合物などが好ましく、さらにはAl、Cr、Al−Mg混合物が好ましく、特に安定性、反射率の点からAl−Mg混合物が好ましい。Mgの添加量は、0.1〜10重量%が望ましく、特に0.5〜5重量%が安定性、反射率、操作性などの点から好ましい。また、反射性部材自身が白濁していても良い。これらの反射膜の上には、必要に応じて各種の光学積層膜が形成されても良い。
【0031】
反射電極に凹凸を形成する方法としては、サンドブラスト法以外に、適当な樹脂を適当な方法でパターニングする方法、基板あるいは電極自身をエッチングする方法、樹脂中に微粒子、粉体などを分散させる方法などがある。
【0032】
カイラル成分としては、通常のTN、STN、FTNに使用されているCB−15、C−15、S811、S1082(以上Merck社製)、CM−19、CM、CM−20、CM−21、CM−22(以上チッソ社製)などのものが好ましく使用される。その添加量は、0.01〜10重量%であり、好ましくは0.1〜5重量%である。0.01重量%以下では効果が少なく、10重量%以上では駆動電圧が高くなり、通常の素子では駆動が出来ない。
【0033】
2色性色素としては通常のGHに使用されているアゾ系、アントラキノン系、ナフトキノン系、ペリレン系、キノフタロン系、アゾメチン系などが好ましく使用される。その中でも、耐光性の点からアントラキノン系単独、あるいは必要に応じて他の色素との混合したものが特に好ましい。これらの2色性色素は必要な色によって、適宜混合されて使用される。
【0034】
高分子はリバース型PDLCモードになるものならなんでもよいが、液晶素子製造の簡便性から紫外線硬化型モノマーが望ましい。紫外線硬化型モノマーとしては、単官能アクリレート、2官能アクリレートあるいは多官能アクリレートなどが好ましく使用される。これらのモノマーには、カイラル性の成分を含むものでも良い。また、これらのモノマーは単独あるいは他のモノマー、オリゴマーと混合した後、紫外線を照射され高分子化されても良い。これらの高分子の屈折率は混合される液晶と屈折率の差が小さいものが望ましい。
【0035】
また参考例2では、MIM素子への応用について参考例を示したが、ラテラル型MIM素子、バックトウバック型MIM素子、バックトウバックラテラル型MIM素子、スタティック駆動、時分割駆動、TFT素子を使用した駆動でも同様の効果が期待できる。
【0036】
(参考例3)
本参考例では、図4に示す様にMIM素子の画素電極を反射電極とし、さらにカラーフィルターを組み合わせた例を示す。まず、素子基板上に通常の方法によりMIM素子を作成した。この素子の上に膜厚が約1μmになるように紫外線硬化型アクリル樹脂をスピンコートにより成膜した。紫外線を照射して樹脂を硬化した後、反射型画素電極とMIM素子をつなぐためのコンタクトホールをパターニングによりアクリル樹脂に開けた。さらに反射型画素電極に凹凸を形成するためにアクリル樹脂表面をエッチングした。次に、樹脂上にAl−Mg合金(Mgが3重量%)を膜厚約5000Åスパッタにより成膜し、画素の形状にパターニングした。得られた画素電極は梨地状で白濁した反射電極となった。対向基板上には、マゼンダと緑のカラーフィルターを形成し、さらにそのカラーフィルター上に通常の方法によりITOの透明電極をパターニング、形成した。次に、反射型MIM素子基板とカラーフィルターを持つ対向基板に配向剤を塗布した後、ツイスト角が90度になるようにラビング処理を施し、ギャップ剤を散布した後、シール剤を介して張り合わせ、セル厚6.5μmの液晶セルを作った。次にセル中に封入する混合物として、液晶SS−5004(チッソ社製)に、カイラル物質としてS−811(メルク社製)を液晶に対して1.0重量%、二色性色素の混合物、M361:M447:SI512:M34=20:3:25:6(いずれも三井東圧染料(株)社製)を液晶に対し2.5重量%溶解させ、さらに
【0037】
【化2】
Figure 0003636479
【0038】
で表される紫外線硬化型モノマ−を(液晶+二色性色素):モノマー=90:10(重量比)で混合し、パネル中に約0.2mmHgの真空下で封入した。モノマーを高分子にするために、350nmの波長の紫外線強度が4mW/cm2の紫外線を15分間、35℃で照射した。
【0039】
このようにして得られた液晶表示素子は、電界が印加されていない場合には、二色性色素の吸収により黒く着色して見える。全画素に実効値電圧で約5Vの電界を印加すると、白濁した反射対向電極が見え、白く見える。また、マゼンダの画素の部分だけ、あるいは緑の画素の部分だけに電界を印加すると、それぞれの状態に応じた色が表示される。この素子の電圧反射率特性は図2の2−1に示すのものほぼ同じでヒステリシス、中間状態などがなく階調表示、動画表示に適したものであった。またその応答速度は、室温で立ち上がり、立ち下がり合わせて50mSecで非常に速いものであった。
【0040】
液晶中には、重合開始剤などが含まれていてもよい。液晶は、通常の液晶表示素子に使用されているものが好ましく使用できるが、透明度を良好にするためには、液晶の複屈折率異方性、Δn、が0.15以下が望ましい。また、アクティブ素子で駆動するためには、液晶単体の比抵抗は1×1010Ω・cm以上、さらに好ましくは2×1012Ω・cm以上が、保持率を高く保ち表示品質を良好にするためには望ましい。液晶中に分散されている高分子は、その形状が粒子状、針状の孤立体、あるいは連続体が特性上望ましいが、それ以外にも3次元ネットワーク状、ゲルネットワーク状でも本発明の光学的応答を示せば特にこれらに限定されるものではない。
【0041】
反射電極とする反射性部材は、Al、Cr、Mg、Ag、Au、Ptなどの金属単体、あるいは混合物などが好ましく、さらにはAl、Cr、Al−Mg混合物が好ましく、特に安定性、反射率の点からAl−Mg混合物が好ましい。Mgの添加量は、0.1〜10重量%が望ましく、特に0.5〜5重量%が安定性、反射率、操作性などの点から好ましい。また、反射性部材自身が白濁していても良い。これらの反射膜の上には、必要に応じて各種の光学積層膜が形成されても良い。
【0042】
反射電極に凹凸を形成する方法としては、サンドブラスト法以外に、適当な樹脂を適当な方法でパターニングする方法、基板あるいは電極自身をエッチングする方法、樹脂中に微粒子、粉体などを分散させる方法などがある。
【0043】
カイラル成分としては、通常のTN、STN、FTNに使用されているCB−15、C−15、S811、S1082(以上Merck社製)、CM−19、CM、CM−20、CM−21、CM−22(以上チッソ社製)などのものが好ましく使用される。その添加量は、0.01〜10重量%であり、好ましくは0.1〜5重量%である。0.01重量%以下では効果が少なく、10重量%以上では駆動電圧が高くなり、通常の素子では駆動が出来ない。
【0044】
2色性色素としては通常のGHに使用されているアゾ系、アントラキノン系、ナフトキノン系、ペリレン系、キノフタロン系、アゾメチン系などが好ましく使用される。その中でも、耐光性の点からアントラキノン系単独、あるいは必要に応じて他の色素との混合したものが特に好ましい。これらの2色性色素は必要な色によって、適宜混合されて使用される。また、必要に応じて各画素にそれぞれ異なる色の色素が配置されるように、画素ごとに色を変えても良い。
【0045】
高分子はリバース型PDLCモードになるものならなんでもよいが、液晶素子製造の簡便性から紫外線硬化型モノマーが望ましい。紫外線硬化型モノマーとしては、単官能アクリレート、2官能アクリレートあるいは多官能アクリレートなどが好ましく使用される。これらのモノマーには、カイラル性の成分を含むものでも良い。また、これらのモノマーは単独あるいは他のモノマー、オリゴマーと混合した後、紫外線を照射され高分子化されても良い。これらの高分子の屈折率は混合される液晶と屈折率の差が小さいものが望ましい。
【0046】
カラーフィルターは、緑−マゼンダの組み合わせに限らず、RGB、黄、シアン、マゼンダなどの中から希望する表示色に応じて適宜選択すれば良い。
【0047】
参考例3では、ツイスト角が180度のリバース型PDLCモードについて示したが、ツイスト角についは特別の規定はない。
【0048】
また参考例3では、MIM素子への応用について実施例を示したが、ラテラル型MIM素子、バックトウバック型MIM素子、バックトウバックラテラル型MIM素子、スタティック駆動、時分割駆動、TFT素子を使用した駆動でも同様の効果が期待できる。
【0049】
(実施例1)
実施例1では図5に示す様に反射電極の膜厚を薄くして、反射型表示だけではなく透過型表示も可能な表示素子とした場合について説明する。参考例1と同様にして対向基板上に形成したアクリル樹脂層をサンドブラスト処理して表面に凹凸を形成した。次にAl−Mg合金(Mgが3重量%)をスパッタにより、樹脂表面に約500Å成膜し、半透過型反射電極とした。得られた半透過型反射電極は反射率約82%、透過率約43%のものであった。以下実施例1と全く同様にして表示素子を作成し、さらに観測者と半透過型反射電極を挟んで反対側にバックライトを設置した。得られた表示素子は通常の室内などの反射型の環境下では実施例1で得られた表示素子に比べコントラストが劣るものも、夜間などの暗い環境下ではバックライトのため、電界が印加された部分が光が透過するため見やすいものであった。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本願に係わる発明は、(i)調光層に電界を印加したときには、液晶、2色性色素及び前記高分子のうち、前記液晶、前記2色性色素が電界方向に配向すること、及び(ii)一方の基板の前記調光層側には半透過型反射電極が、その反対側にはバックライトが配置されていること、を採用することにより、2色性色素による着色状態と、高分子と液晶との屈折率差に起因する非着色状態とが得られます。更には、電極として半透過反射電極を採用し、バックライトを設けているので、透過型の表示の際においても、前述の2色性色素による着色状態と、高分子と液晶との屈折率差に起因する非着色状態とが得られる、という格段の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は対向電極が粗面化された反射電極である表示素子の断面の概略を示す図。(b)はその表示素子の電界印加時と無印加時の状態を示す図。
【図2】 本発明によるPDLCと従来のGHにおける反射率と印加電圧の関係と示す図。
【図3】 対向電極が白濁した反射電極である表示素子の断面を概略を示す図。
【図4】 素子の画素電極を反射電極とし、カラーフィルターと組み合わせた表示素子の概略の断面を示す図。
【図5】 素子の対向電極を半透過型電極とし、さらにバックライトを設置した表示素子の概略の断面を示す図。
【符号の説明】
1−1 二色性色素
1−2 液晶
1−3 高分子粒子、あるいは粒子連続体
1−4 反射電極
1−5 樹脂層
1−6 透明画素電極
1−7 アクティブ素子
1−8 素子基板
1−9 対向基板
1−10 シール層
2−1 本発明のPDLCの反射率−電圧特性
2−2 従来のGHの反射率−電圧特性
3−1 白濁した反射電極
4−1 画素電極上の樹脂層
4−2 コンタクトホール
4−3 反射画素電極
4−4 カラーフィルター
4−5 緑色のフィルター部分
4−6 マゼンダ色のフィルター部分
4−7 透明対向電極
5−1 半透過型反射電極
5−2 ライト
5−3 反射鏡
5−4 導光板

Claims (1)

  1. 調光層を介して一対の基板が対向して配置されてなる液晶電気光学素子において、
    前記一対の基板のうち一方の基板の前記調光層側には半透過反射電極が、その反対側にはバックライトが配置されており、前記調光層は少なくとも液晶、2色性色素及び高分子の混合体からなるとともに、
    前記調光層に電界を印加したときには、前記液晶、前記2色性色素及び前記高分子のうち、前記液晶、前記2色性色素が電界方向に配向することを特徴とする液晶電気光学素子。
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