JP3636368B2 - 伝汚染喉頭気管炎ウイルス由来の抗原タンパク質 - Google Patents

伝汚染喉頭気管炎ウイルス由来の抗原タンパク質 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、伝染性喉頭気管炎ウイルス由来の抗原タンパク質、その遺伝子、その遺伝子を有する組み換え体、及び該組み換え体または抗原タンパク質を有効成分とする抗伝染性喉頭気管炎用ワクチンに関する。
関連技術
伝染性喉頭気管炎は、伝染性喉頭気管炎ウイルス(以下、ILTVという)の感染により発症する。ILTVは、ニワトリ、キジ、クジャク、シチメンチョウ等の鳥類に感染する。ニワトリにおける発症の特徴としては、呼吸器症状、体温上昇、食欲減退等があらわれ、強い咳や痰の喀出がみられる。また、産卵鶏では発症後4日程度から産卵率が低下し、正常な産卵に戻るまで約1ヶ月を要する。さらに、他の病原体との混合感染による死亡率の上昇等も報告されており、養鶏産業に多大な経済的損失を与えている。
伝染性喉頭気管炎の予防には、従来より弱毒化したワクチン株による乾燥生ワクチンや凍結生ワクチンが用いられている。しかし、その免疫効果は飼育環境・飼育密度・接種方法等によりまちまちである。さらに、ワクチン接種により呼吸器系に若干の症状を起こさせることや、用法・摂取量を誤ると発病する危険性もある。また、ある地域ではワクチン株の病原性復帰による発症の報告もあり、安全かつ有効なワクチンの開発が望まれている。
ILTVはヘルペス属ウイルスの一種で、ウイルスゲノムは約16万塩基対の二本鎖DNAからなる。現在のところ、ほとんどの遺伝子が同定されておらず、わずかに、チミジンキナーゼ遺伝子(Griffinら,J.Gen.Virol.,Vol.71,p.841,1990)、gp60遺伝子(Kongsuwanら,Virus Genes,Vol.7,p.297−303,1993)、カプシドp40遺伝子(Griffin,Nucl.Acids Res.,Vol.18,p.3664,1990)、糖タンパク質B(gB)遺伝子(Poulsenら,Virus Genes,Vol.5,p.335−347,1991)、糖タンパク質C(gC)遺伝子(Kingsleyら,Virology,Vol.203,p.336−343,1994)、RR2遺伝子(Griffin,J.Gen.Virol.,Vol.70,p.3085−3089,1989)などが知られているのみである。また、ヘルペスウイルス属の各種間では、いくつかの相同遺伝子が知られている。例えば、gB遺伝子では、単純ヘルペスウイルス(HSV−1)、マレック病ウイルス(MDV)、ILTV・ウシヘルペスウイルス(BHV)、ウマヘルペスウイルス(EHV)・サイトメガロウイルス(CMV)などで相同遺伝子が報告されている。しかしながら、HSV−1のUL32遺伝子に関しては、EHV等で相同遺伝子の報告がある(Whittakerら,J.Gen.Virol.,Vol.73,p.2933,1992)が、ILTVにおいてはこれまでに相同遺伝子が知られていない。さらに、この遺伝子のワクチン利用についても知られていなかった。
発明の開示
かかる従来技術のもと、本発明者らは、ILTVの新規な抗原タンパク質をコードする遺伝子を得るべく鋭意検討した結果、HSV−1のUL32遺伝子に相同な遺伝子を見いだし、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、配列番号2記載のアミノ酸配列との相同性が80%以上のアミノ酸配列を有するポリペプチド(以下、UL32hポリペプチドということがある)が提供される。
本発明はまた、配列番号2記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸の除去、付加及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されているアミノ酸配列を有し、且つ伝染性喉頭気管炎ウイルスの免疫原性を維持しているタンパク質をコードするDNA分子を提供する。
本発明はさらに、配列番号1記載の塩基配列を有する核酸と、42℃、2%スキムミルク、6倍濃度のSSC(6×SSC;pH7.0)及び0.1%SDSの条件下でハイブリダイズし、且つ伝染性喉頭気管炎ウイルスの免疫原性を有するタンパク質をコードするDNA分子を提供する。
本発明はまた、前記のDNA分子と、少なくとも一つの付加DNA配列とを含んでなる組み換えDNA分子を提供する。
本発明はまた、前記いずれかのDNA分子のDNA配列を含有する組み換えベクターを提供する。
本発明はさらに前記いずれかのDNA分子を有する形質転換体を提供する。
本発明はさらに、前記いずれかのDNA分子を有する組み換えウイルスを提供する。
本発明はさらに、配列番号2記載のアミノ酸配列との相同性が80%以上のアミノ酸配列を有するポリペプチドを提供する。
本発明はさらに、配列番号2記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸の除去、付加及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されているアミノ酸配列を有し、且つ伝染性喉頭気管炎ウイルスの免疫原性を維持しているタンパク質を提供する。
本発明はさらに、配列番号1記載の塩基配列を有する核酸と、42℃、2%スキムミルク、6倍濃度のSSC(6×SSC;pH7.0)及び0.1%SDSの条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされており、且つ伝染性喉頭気管炎ウイルスの免疫原性を有するタンパク質を提供する。
本発明はさらに、前記の組み換えウイルスを有効成分とする抗伝染性喉頭気管炎用生ワクチンを提供する。
本発明はさらに、前記のいずれかのポリペプチド、またはその薬理学的に許容しうるキャリアーを有効成分とする抗伝染性喉頭気管炎用ワクチンを提供する。
【図面の簡単な説明】
図1は、ILTVゲノム由来のDNA断片の制限酵素切断地図を示す図である。
図2は、プラスミドpGTPsILUL32の構築法を説明した図面である。
図3は、組み換えフォウルポックスウイルス用プラスミドpNZ29R/ILUL32の構築法を説明した図面である。
図4は、組み換えフォウルポックスウイルス用プラスミドpNZ29R/ILgBUL32の構築法を説明した図面である。
図5は、組み換えフォウルポックスウイルス用プラスミドpNP35S/ILUL32gBの構築法を説明した図面である。
図6は、プラスミドpNZ76の構築法を説明した図面である。
図7は、プラスミドpGTPsの構築法を説明した図面である。
図8は、プラスミドpNZ98の構築法を説明した図面である。
図9は、プラスミドpNZ6929Sfiの構築法を説明した図面である。
図10は、プラスミドpNZ1829Rの構築法を説明した図面である。
具体的な実施の形態
DNA分子
本発明のDNA分子は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する抗原ポリペプチドをコードする遺伝子、またはこれと80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の相同性を有するアミノ酸配列をコードするものであり、具体的には配列番号1記載の塩基配列が例示される。
本発明のDNA分子はまた、配列番号2記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸の除去、付加及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されているアミノ酸配列を有し、且つ伝染性喉頭気管炎ウイルスの免疫原性を維持しているタンパク質をコードするDNA分子;並びに配列番号1記載の塩基配列を有する核酸と、42℃、2%スキムミルク、6倍濃度のSSC(6×SSC;pH7.0)及び0.1%SDSの条件下でハイブリダイズし、且つ伝染性喉頭気管炎ウイルスの免疫原性を有するタンパク質をコードするDNA分子を包含する。
本発明で云う相同性は、全て、Lipman and Pearson(Science、227、1435、1985)のアルゴリズムを利用した配列データベースソフト「DNASYS」(販売元:宝酒造社、製造元:Hitachi Software Engineering社)により算出されるものである。
本発明のDNA分子(UL32h遺伝子)のクローニングにはどの株を用いてもよく、例えば、NS−175株(家畜衛生菌株目録の菌株番号VA0204、社団法人動物用生物学的製剤協会)、CE株(幸田、麻布獣医科大学研究報告,31,p.133−202,1976)、SA−2株(Johnsonら,Arch.Virol.,Vol.119,p.181−198,1991)、632株(Keelerら,Avian Diseases,Vol.35,p.920−929,1991)等が挙げられる。
本発明の配列番号1記載のポリペプチドをコードする遺伝子(UL32h遺伝子)は、HSV−1のUL32遺伝子と相同である。さらに、HSV−1UL32遺伝子は、ロングユニーク領域上でgB遺伝子からインターナルリピート側に約15kbp離れて位置しており、さらにヘルペスウイルス属間の遺伝子配置は非常に類似している(Roizman and Sears、Virology、Second Edition、Chapter 65、1795−1841、1990)。このことから、ILTVのゲノム上でもUL32h遺伝子は、gB遺伝子からインターナルリピート側に存在していることが予想される。
以上の理由により、ILTVのUL32h遺伝子を含むDNA断片を得るために、ILTVのNS−175株ゲノムのλGEM−12ライブラリーを作製し、そのライブラリーからILTVのgB遺伝子ハイブリダイズするクローンを選択して、次に、そのクローンが持つILTVゲノム由来DNAのインターナルリピート側断片にハイブリダイズするクローンをさらに選択することを繰り返すジーンウォーキングを行った。
このようにして得たILTVゲノム由来DNA断片の配列分析を行い、その配列から予想されるアミノ酸配列をHSV−1のUL32ポリペプチドのアミノ酸配列と比較した。その結果、HSV−1のUL32ポリペプチドのアミノ酸配列に相同なポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームが得られた。そのDNA配列と推定アミノ酸配列を配列番号2に示す。
組み換えDNA分子
本発明の組み換えDNA分子は、前述の本発明のDNA分子(例えばUL32h遺伝子)と、遺伝子操作によって結合された少なくとも一種類の付加DNA配列からなる。ここで云う付加DNA配列とは、天然にはILTVのUL32h遺伝子と連結していない配列のことであり、具体的には、lacZ遺伝子などのマーカー遺伝子、ILTVのgB遺伝子、MDVのgI遺伝子、MDVのgE遺伝子などのその他の抗原遺伝子が例示される。また、付加DNAとの連結方法は、各遺伝子発現が阻害されなければどのような方法でもよく、適当な制限酵素で消化処理して、直接あるいはリンカー配列を介して常法によりDNAリガーゼを用いて連結すればよい。
組み換えベクター
本発明の組み換えベクターは、少なくとも前記本発明のDNA分子または組み換えDNA分子を含有する組み換えベクターであり、後述するプロモーターやマーカーなどが共に挿入されたものであってもよい。
これらDNA分子を組み込むベクターは、一般にベクターとして用いられているプラスミド、コスミド、ファージなどの中から任意に選択されるものである。例えば、pBR322、pBR325、pUC7、pUC8、pUC18、pUC19などのプラスミド、λファージ、M13ファージなどのファージ、pHC79などのコスミドなどのベクターを適当な制限酵素で処理して、常法に従ってDNA分子を挿入すればよい。また、この組み換えベクターを組み換えウイルス作製に用いる場合、後述するような非必須領域を組み込んだ後、DNA分子を挿入する。
組み換えウイルス
本発明の組み換えウイルスは、抗原遺伝子として前記DNA分子(例えばUL32h遺伝子)または組み換えDNA分子を含有するものであり、親ウイルスの増殖に非必須な領域にこれらのDNA分子を相同組み換えなど常法に従って挿入することにより構築される。
また、必要に応じてDNA分子の他にプロモーターやマーカー遺伝子を組み込むこともできる。
親ウイルス
本発明で用いる親ウイルスは、本発明のDNA分子を挿入するためのウイルスであり、その種類に特に限定されない。このようなウイルスとして、具体的にはファウルポックスウイルス(FPV)、エクイルポックスウイルス、七面鳥ポックスウイルス、ピジョンポックスウイルスなどのアビポックスウイルス(APV)、オートグラファ・カリフォルニカ、トリコプルシア・ニ、ラキブルシア・オウ、ガレリア・メロネラ、ボンビックス・モリなどのバキュロウイルス、七面鳥ヘルペスウイルスなどが例示される。なかでも、鳥類に感染するウイルスは生ワクチンの製造に好適であり、アビポックスウイルスに属するものが好ましく、ファウルポックスウイルスに属するものがとりわけ好ましく、その具体例としては、ATCC VR−251、ATCC VR−250、ATCC VR−229、ATCC VR−249、ATCC VR−288、西ヶ原株、泗水株、CEVA株、CEVAワクチン株由来のウイルスのうちCEF(ニワトリ胚線維芽)細胞に感染したとき大きいプラークを形成するものなどのごとき狭義のFPV、ピジョンポックスウイルスNP株(ニワトリ胎化鳩痘毒中野株)などのごとき狭義のFPVと近縁のウイルスであって、鶏痘生ワクチン株として使用されるウイルス、などが例示される。これらは、市販又は公的機関に寄託されているため容易に入手することができる。
非必須領域
本発明で使用される非必須領域は、前記ウイルス(親ウイルス)の増殖に非必須なDNA領域又はこれと相同組み換えしうる領域であり、バキュロウイルスのポリヘドリン遺伝子領域、ポックスウイルス科に属するウイルスのTK遺伝子領域や特開平1−168279号に記載されているアビポックスウイルスの非必須領域を使用することができる。アビポックスウイルスの非必須領域の具体例としては、例えば前記公報に記載されたピジョンポックスウイルスNP株DNAのEcoR I断片(7.3Kbp)、EcoR I−Hind III断片(約5.0Kbp)、BamH I断片(約4.0Kbp)、及びHind III断片(約5.2Kbp)やクエイルポックスのTK遺伝子領域、七面鳥ポックスウイルスのTK遺伝子領域など、あるいはこれらと相同組み換えを起こす領域が例示される。
ウイルス非必須領域を含有するベクター
本発明で用いられるウイルス組み換え用ベクターの構築に用いられるウイルス非必須領域を含有するベクターは、前記組み換えベクターと同様のものを用いれば良く、これらのベクターを適当な制限酵素で処理して、常法に従って上記ウイルス非必須領域を組み込めばよい。
抗原遺伝子
本発明でウイルスに組み込む抗原遺伝子は、配列番号2に示すアミノ酸配列をコードするDNA分子(具体例としては配列番号1記載の塩基配列を有するものが挙げられる)のみならず、その断片、または生来のポリペプチドのアミノ酸配列の一部が防御免疫反応の誘導能を損なわない程度に変更されたポリペプチドをコードしている遺伝子やその断片であってもよい。このような断片あるいは配列の一部が変更された抗原タンパク質は、配列番号2記載のアミノ酸配列に対して変更されたアミノ酸配列を持ち、なお実質的に等価の免疫反応を宿主に付与すると考えられる。配列の変更は、常法、例えばNucleic Acid Research,Vol.10,No.20,p.6487−6500頁(1982)や特公平6−16709号公報に記載された部位特定変異誘発方法などにより、人工的に1以上のアミノ酸が変更(置換・挿入・欠失を含む)されたものであり、好ましくは配列番号2記載のアミノ酸配列に対して80%以上の、好ましくは90%以上の、より好ましくは95%以上の相同性を持つものである。
本発明の抗原遺伝子はまた、配列番号1の記載の塩基配列を有する核酸と、42℃、2%スキムミルク、6倍濃度のSSC(6×SSC;pH7.0)及び0.1%SDSの条件下でハイブリダイズし、且つ伝染性喉頭気管炎ウイルスの免疫原性を有するタンパク質をコードするDNA分子から成るものであってもよい。ここで配列番号1の塩基配列を有する核酸とハイブリダイズするDNAは、好ましくは天然由来のものであり、例えば伝染性喉頭気管炎ウイルスに由来するものである。
この遺伝子は、ウイルスゲノムの一つの領域に組み込んでも、別の領域に複数個組み込んでもよく、さらにlacZ遺伝子やILTVのgB、gC、MDVのgB、gC、gD、gH、gI、gEなどのタンパク質をコードする遺伝子やその断片も一緒に組み込むこともできる。
組み換え用ベクター
本発明で用いるウイルス組み換え用ベクターは、少なくとも本発明のDNA分子とそれを支配するプロモーターが挿入されたウイルス非必須領域を含むものである。前述のウイルス非必須領域を含有するベクターのウイルス非必須領域に、前述の抗原遺伝子とそれを支配するプロモーターを挿入すればよい。また、そのようなベクター由来の抗原遺伝子とプロモーターを挿入したウイルス非必須領域を含む断片を、他のベクターに組み込んだものでもよい。さらに、組み換えウイルスの純化などのために大腸菌のlacZ遺伝子などのマーカー遺伝子とそれを支配するプロモーターを組み込んでもよい。
プロモーター
ここで用いるプロモーターは、組み換えウイルス感染宿主中でプロモーターとして機能するものであれば、特に限定されない。例えば、7.5Kポリペプチドをコードするワクチニアウイルス遺伝子のプロモーター、11Kポリペプチドをコードするワクチニアウイルス遺伝子のプロモーター、チミジンキナーゼをコードするワクチニアウイルスのプロモーター、バキュロウイルスのポリヘドリンプロモーター、七面鳥ヘルペスウイルスのSV40プロモーターなどが例示されるほか、プロモーターとして機能する限りにおいては、一部を削除するなど改変されたものであってもよく、また、Mossらの文献(J.Mol.Biol.,Vol.210,p.749〜776、p.771〜784、1989年)を参考にしてポックスウイルス科に属するウイルス内でプロモーターとして機能する合成プロモーターを用いることもできる。
組み換えウイルスの作製方法
組み換えウイルスの作製方法は特に限定されず、常法に従えばよい。つまり、あらかじめウイルスを感染させた細胞に、例えばリン酸カルシウム共沈法などにより組み換え用ベクターが導入されることにより、ベクターと感染細胞中のウイルスゲノムDNA間で相同組み換えが起こり、組み換えウイルスが構築される。得られた組み換えウイルスは、適当な培地で培養された宿主細胞に感染させ、成育してくるプラークを目的とする組み換えウイルスの候補として選択する。この候補株を、組み込んだ抗原遺伝子をプローブとするハイブリダイゼーション法や、抗原遺伝子と共に組み込んだマーカー遺伝子の発現するものを選択するなどの方法により候補株を純化し、組み込んだ抗原遺伝子のコードする抗原に対する抗体を用いたイムノアッセイを利用して、目的の組み換えウイルスであることを確認すればよい。例えば、マーカー遺伝子としてlacZ遺伝子が組み込まれている組み換えウイルスの場合、β−ガラクトシダーゼを発現し、その基質の一つであるBluo−Gal(GIBCO−BRL社)存在下で青いプラークを形成する。
宿主細胞としては、用いるウイルスが感染し増殖することが可能なものであれば特に限定されず、例えばFPVを用いた場合はCEF細胞や発育鶏卵漿尿膜細胞など、バキュロウイルスを用いた場合はスポドプテラ・フルギペルダ細胞など、七面鳥ヘルペスウイルスを用いた場合は、アヒル胚線維芽細胞などが挙げられる。
形質転換体
本発明の形質転換体は、本発明のDNA分子、組み換えDNA分子、またはこれらDNA分子を含有する発現ベクターによって形質転換された細胞または微生物である。
本発明のDNA分子または組み換えDNA分子を有する発現組み換えベクターを構築するためのベクターは特に限定されるものではなく、例えばpUC8、pUC9、pUC10、pUC11、pUC18、pUC19、pBR322、pBR325、pBR327、pDR540、pDR720などのプラスミドやλgt11、λgt10、λEMBL3、λEMBL4、Charon4Aなどのファージなどが例示される。
これらのベクターに本発明のDNA分子または組み換えDNA分子を挿入し、発現組み換えベクターを生成させるための方法は常法に従えばよく、例えば、ベクターを制限酵素で切断した後に宿主内で機能するプロモーターの支配下に上記遺伝子を直接結合すればよい。用いられるプロモーター、たとえばlacプロモーター・オペレーター、trpプロモーター、tacプロモーター、lppプロモーター、PLプロモーター、amyEプロモーター、Gal7プロモーター、PGKプロモーター、ADHプロモーターなどが例示される。
ILTV由来のUL32hポリペプチドを発現せしめるために組み換えベクターを作製する上で、上記DNA分子または組み換えDNA分子を一旦適当なベクターに組み込んで組み換えベクターを作製しサブクローニングする方法は、当業者においては周知の方法であり、これらのサブクローニングされた遺伝子は適切な制限酵素により切り出され、上記のプロモーターに結合させ、タンパク質を生産せしめる発現ベクターを作製することができる。上記サブクローニングに用いることができるベクターも特に限定されるものではなく、pUC8、pUC9、pUC10、pUC11、pUC18、pUC19、pBR322、pBR325、pBR327、pDR540、pDR720、pUB110、pIJ702、YEp13、YEp24、YCp19、YCp50、pAC373、pACTM1などのプラスミドが例示される。
得られた発現ベクターを使用して種々の適当な宿主を形質転換して、抗原性を有するILTV由来のUL32hポリペプチドあるいはそのアミノ酸配列を含んだ融合タンパク質の生産能を有する微生物を得ることができる。
ここで用いられる宿主とは、発現ベクターに対する適性、生成物の安定性などを加味して選択することができ、原核細胞でも真核細胞でもよい。具体的には、エシェリヒア属(例えば、エシェリヒア・コリなど)、サルモネラ属(例えば、サルモネラ・チフィムリウムなど)、放線菌、酵母、昆虫細胞、トリ細胞、ヒト細胞などが例示される。適当な発現ベクターの導入により形質転換された宿主は、当業者により周知の培養条件下で培養、増殖させることができる。
また、タンパク質の生産にあたっては、プロモーターの作用を誘導させる条件を選択することができ、その具体例として、lacプロモーター・オペレーターを例にとると、イソプロピルチオ−β−D−ガラクトピラノシドを適当量培養液に添加することにより達成される。
このようにして得られた形質転換宿主を用いて抗伝染性喉頭気管炎ワクチンを製造するには、常法に従えばよい。例えばこの宿主の培養は、微生物の培養に通常用いられる条件で行えばよく、例えば、大腸菌を用いた場合、好気的条件下、37℃でLB培地を用いて培養する。
抗原ポリペプチド
本発明の抗原ポリペプチド(例えばUL32hポリペプチド)は、上述した本発明のDNA分子(例えば、UL22h遺伝子)によりコードされたものであり、具体的には配列番号2記載のアミノ酸配列または核配列との相同性が80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上のものである。
また、本発明の抗原ポリペプチドは、これらの配列を有するものの類似物であってもよい。ここでいう類似物とは、投与された場合、宿主中で防御免疫反応を誘導するような配列番号2記載のアミノ酸配列からなるUL32hポリペプチドに対して十分な相同性を有するものであって、上記配列のアミノ酸のアミノ末端、カルボキシ末端、中央部などの一部が欠損した変異体、さらにはこれらの欠損が組み合わされた変異体であってもよい。また、類似物は、一つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換された変異体であってもよく、さらにこれらの組み合わされたものであってもよい。配列の変更は、常法、例えばNucleic Acid Research,Vol.10,No.20、p.6487〜6500(1992)や特公平6−19709号公報に記載された部位特定変異誘発方法などにより、人工的に1以上のアミノ酸を変更(置換・挿入・欠失を含む)されたものであり、好ましくは、配列番号2記載のアミノ酸配列に対して80%以上の、好ましくは90%以上の、より好ましくは95%以上の相同性を持つものである。
本発明のポリペプチドはまた、配列番号1記載の塩基配列を有する核酸と、42℃、2%スキムミルク、6倍濃度のSSC(6×SSC;pH7.0)及び0.1%SDSの条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされており、且つ伝染性喉頭気管炎ウイルスの免疫原性を有するタンパク質であってもよい。ここで配列番号1に記載の塩基配列を有する核酸とハイブリダイズするDNAは、好ましくは天然由来のものであり、例えば伝染性喉頭気管炎ウイルス由来のものである。
このような抗原ポリペプチドは、前述した本発明の形質転換体の培養により生産することができる。また、前述した本発明の組み換えウイルスを適当な宿主細胞で培養し、生産することもできる。
生産された抗原ポリペプチドは、Methods in Enzymology,Vol.182(「Guide to Protein Purification」Murry P.Deutscher編、Academic Press社発行)の記載に準じて単離・精製すればよい。
このようにして得られた抗原ポリペプチドは、常法により希釈し、あるいは適当なアジュバントなどと混合し、コンポーネントワクチンとして用いることができる。用いるアジュバントとしては、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、アラム、アラセルなどが例示される。アジュバントとの混合比は特に限定されないが、通常1:1である。コンポーネントワクチンとして用いる場合、ニワトリでは通常一個体当たり0.1μg以上を投与すればよく、急性毒性を示さない限り、上限は特にない。投与方法は、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内注射等の方法のほか、噴霧によって気道に免疫する方法、飲水による投与などが可能である。
さらに、このUL32hポリペプチドは、伝染性喉頭気管炎用診断薬として用いることもできる。
生ワクチン
本発明の生ワクチンは、本発明の組み換えウイルスからなるワクチンである。即ち、本発明に開示された抗原遺伝子のみを挿入した組み換えウイルスを用いるほか、この組み換えウイルスと、他の抗原遺伝子、例えば、ILTV由来のgBh遺伝子や、MDVのgB遺伝子、NDVのHN遺伝子やF遺伝子など、を挿入した組み換えウイルスとの併用や、本発明の抗原遺伝子と他の抗原遺伝子、例えば、ILTV由来のgBh遺伝子や、MDVのgB遺伝子、NDVのHN遺伝子やF遺伝子など、を一緒に挿入した組み換えウイルスを用いてもよい。本発明の抗原遺伝子と他の抗原遺伝子との併用により相乗的な免疫原性向上効果が得られる。また、組み換えウイルス以外にも薬理学的に許容しうるキャリアー、例えば生理食塩水などを含んでいてもよい。
本発明のワクチンの調製方法は特に限定されない。例えば、本発明で用いられるウイルスが成育することのできる細胞に本発明の組み換えウイルスを感染させ、組み換えウイルスが増殖するまで培養する。その後、細胞を回収して破砕する。この細胞破砕物を遠心分離して、高力価の非細胞依存性組み換えウイルスを含んだ遠心上清と、沈澱物に分離する。本質的に宿主細胞を含まず、細胞培養培地と組み換えウイルスを含んだこの遠心上清は、本発明のワクチンとして使用できる。また、薬理学的に許容されるキャリアーである生理食塩水などで再構成して使用してもよい。さらに、遠心上清を凍結乾燥した凍結乾燥ワクチンとしても利用できる。
本発明のワクチンは、ワクチン中の組み換えウイルスが家禽に感染して防御免疫を引き起こすような方法であれば、どのような方法で投与してもよい。例えば、皮膚にひっかき傷をつけてワクチンを接種したり、注射針やその他の器具などによって、家禽の皮下にワクチン接種することができる。また、ワクチンを家禽の飲み水に懸濁したり、飼料の固形物に混入させて経口接種させることも可能である。さらに、エアロゾルやスプレーなどによりワクチンを吸入させる方法、静脈内接種法、筋肉中接種法、腹腔内接種法などを用いることもできる。
接種量は、例えば組み換えアビポックスウイルスをニワトリに接種する場合、1羽あたり通常103〜106pfu(プラーク形成単位)である。注射する場合には、この量を生理食塩水などの生理学的に許容される液体で希釈したりして、0.1ml程度にすればよい。
接種時期には限定されないが、免疫付与の目的から、既存のワクチンと同様に14日齢以降に接種することが好ましい。
本発明のワクチンのうち組み換えアビポックスウイルスを有効成分とするワクチンは非細胞依存性であり(cell−free vaccine)、普通の条件下で保存、使用することが可能である。このため、既存の細胞依存性ワクチン(cell−associate vaccine)の場合に必要であった液体窒素中での保存、取り扱いおよび接種などの面倒な手続きを軽減することができる。例えば、本発明の組み換えアビポックスウイルスを凍結乾燥すれば、室温(20〜22℃程度)で長期保存、取り扱い、輸送することができる。本ワクチン中の非細胞依存性組み換えアビポックスウイルスは凍結状態でも保存可能であるので、例えば、組み換えアビポックスウイルスの懸濁液を−20℃〜−70℃で凍結させて保存することが可能である。
実施例
実施例1ILTV NS−175株ゲノムDNAのジーンウォー キング(図1参照)
発育鶏卵漿尿膜にILTV NS−175株(社団法人動物用生物学的製剤協会より購入)を接種して4日後回収した漿尿膜から、Pignattiら(Virology,Vol.93,p.260−264,1979)の方法に従ってILTVゲノムDNAを調製した。得られたゲノムDNAを制限酵素Sau3AIで部分消化し、λGEM−12 half site arms(Promega社製)にライゲーションした後、in vitro packagingを行って、λGEM−12ライブラリーを作製した。
まず、ILTVゲノムDNAの様々な断片を挿入したλファージを大腸菌に感染させて、寒天培地上にプラークを形成させた。次に、0.22μm孔のニトロセルロースフィルターにプラークをブロットし、ILTVのgBh遺伝子をプローブとしたプラークハイブリダイゼーションを行い、約11.5KbpのDNAが挿入されたλGEM−12/ILTV−11.5クローンを得た。このクローンの挿入DNAは、gBh遺伝子のN末端側から約10Kbpのびていることが制限酵素地図から確認された(図1)。ILTVと同じヘルペスウイルス属に分類されるHSV−1では、gB遺伝子のN末端側から約10Kbpの位置にUL32遺伝子が存在することがわかっている(Mcgeochら,J.Gen.Virol.,Vol.69,p.1531−1574,1988)。このことからILTVにおいても、gBh遺伝子のN末端側にUL32h遺伝子が存在すると予測した。
さらに、λGEM−12/ILTV−11.5クローンの挿入DNAのgBh遺伝子領域から最も離れた約1.7KbpのDNA断片をプローブとして、再度、λGEM−12ライブラリーのプラークハイブリダイゼーションを行った。その結果、gBh遺伝子のN末端側約10Kbpから20KbpのDNA領域を含む約9.6KbpのDNAを挿入したλGEM−12/ILTV−19.6クローンを得た(図1)。このλファージに挿入されたDNA断片には、HSV−1のデータからILTVのUL32h遺伝子が含まれると予測された。
実施例2λGEM−12/ILTV−9.6挿入DNAのサブクロー ニング
λGEM−12/ILTV−9.6挿入DNAにUL32h遺伝子が含まれるかどうか確認するための配列分析を行うために、約9.6Kbpの挿入DNA断片を制限酵素Sma Iと制限酵素BamH Iと制限酵素EcoR Iで消化して、pUC19プラスミドにサブクローニングした。その結果、約4KbpのSma I−BamH I断片(pUCSB4)、約0.5KbpのBamH I−EcoR I断片(pUCBE0.5)、約2.5KbpのBamH I−EcoR I断片(pUCBE2.5)、約0.6KbpのBamH I−EcoR I断片(pUCBE0.6)及び約2.6KbpのSma I−BamH I断片(pUSB2.6)を含む5つのプラスミドを得た。
実施例3λGEM−12/ILTV−9.6のpUC19サブクローン の配列分析
上述の5つのサブクローンの挿入DNAについて、自動DNAシークエンサー(ABI社製)を用いて配列分析を行った。さらに、pUCSB4については、より小さな断片を挿入したサブクローンを取得して、配列分析を行った。次に、得られたDNA配列から推定されるアミノ酸配列について、HSV−1のUL32アミノ酸配列、MDVのUL32hアミノ配列、EHVのUL32hアミノ酸配列との相同性比較を行った。
その結果、pUCSB4サブクローンに含まれる1,749bpのオープンリーディングフレーム(ORF)(配列番号1)がコードするポリペプチドは、Lipman and Pearson(Science,Vol.227,p.1435,1985)により、HSV−1のUL32ポリペプチドと411ポイント、MDVのUL32hポリペプチドと454ポイント、EHVのUL32hポリペプチドと592ポイント相同であることがわかった。また、このORFは582アミノ酸からなるポリペプチドをコードしていた。このアミノ酸配列を配列番号2に示す。
実施例4UL32h遺伝子のPCRによる増幅
SaikiらのPCR法(Science,Vol.230,p.1350−1354,1985)により、UL32h遺伝子を増幅させた。このPCRでは、UL32h遺伝子中に存在するT5NT(実際は、TTTTTTT)配列(ポックスウイルスの翻訳終止シグナルとして機能する可能性がある)を変更するために、pfu Taq(Stratagene社)を用いて、まず以下の2断片を作製した。配列番号3に示すGGAACTGTGGATCCGCCATGACAと配列番号4に示すTGCACACAATGGATCGCAAAAGAAGTGTTTとをプライマーとして、実施例2で得られたpUCSB4をテンプレートに用いて、UL32h遺伝子のN末端側に制限酵素BamH Iリンカーをつけた1,487bpのDNA断片、および配列番号5に示すAACGCAATTTACAAACACTTCTTTTGCGATと配列番号6に示すCGAGAAGTCGACGTCAGACATATCGAGとをプライマーとして、実施例2で得られたpUCSB4をテンプレートに用いて、UL32h遺伝子のC末端側に制限酵素Sal Iのリンカーをつけた334bpのDNA断片を得た。
次に、得られた2断片をテンプレートとして、配列番号3に示すGGAACTGTGGATCCGCCATGACAと配列番号6に示すCGAGAAGTCGACGTCAGACATATCGAGとをプライマーとしてPCRを行い、BamH IとSal Iのリンカーのついた、T5NT配列を改変した1,780bpのDNA断片を得た。この得られたDNA断片を制限酵素BamH IとSal Iで消化して、同様に制限酵素BamH IとSal Iで消化したプラスミドpGTPsにクローニングした。挿入した断片を確認したが、PCR中に如何なる変異も見られなかった。
実施例5大腸菌内でのUL32h遺伝子断片の発現と兔 抗血清の取得
実施例4で得られた、UL32h遺伝子を含む制限酵素BamH IとSal IリンカーのついたDNA断片を制限酵素Xho Iで消化し、約0.75KbのDNA断片(UL32h/BX)と約1KbのDNA断片(UL32h/XS)を得た。次に、pATH11ベクターを制限酵素BamH IとSal Iで消化したものにUL32h/BXを挿入して、発現ベクターpUL32hBXを作製した。また、pATH11ベクターを制限酵素Sal Iで消化してアルカリフォスファターゼ処理したものにUL32h/XSを挿入して、発現ベクターpUC32hXSを作製した。このようにして作製したプラスミドpUC32hBXまたはpUL32hXSを、大腸菌RR−1株に導入した。
プラスミドpUC32hBXやpUC32hXSを有する大腸菌RR−1株の発現は、Koernerら(METHODS IN ENZYMOLOGY,Vol.194,p−477−490,1991)の方法に従い、TrpEタンパク質との融合タンパク質として大腸菌RR−1株の不溶性画分より回収した。得られた画分の一部(融合タンパク質)を常法により、兔に免疫して抗血清を得た。
これとは別に、残りの不溶性画分をサンプル緩衝液(Laemmli,Nature,Vol.227,p.680−685,1970)に懸濁して、煮沸した。これを遠心分離した後、上清をSDS−PAGEで展開した(Laemmli,Nature,Vol.227,p.680−685,1970)。
その結果、図2に示すように、pUC32hBXを有する大腸菌からは約65キロダルトンのタンパク質が、pUC32hXSを有する大腸菌からは約75キロダルトンのタンパク質が検出された。これらのタンパク質は、TrpEタンパク質との融合タンパク質であり、TrpEの分子量約37キロダルトンを差し引いた分子量は、各々のDNA配列から推測されるタンパク質の分子量に相当した。
以上により、得られたタンパク質は、各々、ILTVのNS−175株由来のUL32hタンパク質の一部であることがわかった。
実施例6プラスミドpNP35SCV2の構築
鶏痘生ワクチン株であるNP株のゲノムDNAを制限酵素EcoR IまたはHind IIIで切断し、pUC18を同じく制限酵素EcoR IまたはHind IIIで切断した長断片に挿入してプラスミドpNP01〜pNP60を得た。pUC18にはCla I、EcoR VおよびHpa Iの制限酵素切断部位が存在しないので、pNP01からpNP60を上記制限酵素で切断し、いずれかの制限酵素によってクローニングされたゲノムDNAのどこか1ヶ所で切断されるものが容易に選択できた。それらは、pNP03、pNP04、pNP25、pNP26、pNP29、pNP32、pNP35、pNP36およびpNP38の9種類であった。
これをそれぞれ、1ヶ所で切断されることがわかった制限酵素で切断し、Cla Iで切断したプラスミドのみはDNAポリメラーゼで切断末端を平滑にした。その後、アルカリフォスファターゼ処理により5'−末端のリン酸を除去し、フェノール・クロロホルム(1:1)で抽出しエタノールで沈殿させて、開裂プラスミドを回収した。参考例1に記載のpNZ76から、参考例2に記載する方法で、プロモーターとともにlacZ遺伝子が平滑末端の形で得られるので、リガーゼを用いてこれを先に回収した開裂プラスミドと連結し、得られたプラスミドで大腸菌TG1を形質転換した。
アンピシリン存在下のLB寒天培地に出現したコロニーをアンピシリン存在下のLB液体培地で培養した後、ビルンボイムとドーリー方法でプラスミドを抽出し、lacZ遺伝子が挿入されたプラスミドを選択した。こうして上記9種のプラスミドにそれぞれlacZ遺伝子が挿入された組み換え用プラスミドが得られ、それらをpNP1003、pNP1004、pNP1025、pNP1026、pNP1029、pNP1032、pNP1035、pNP1036、pNP1038と命名した。
単層になったCEF細胞にNP株を0.1の感染多重度で感染させ、3時間後、これらの細胞をトリプシン処理で剥がし、細胞懸濁液とした。これを遠心分離で細胞を分離しSaline G(0.14M NaCl、0.5mM KCl、1.1mM Na2HPO4、0.5mM MgCl2・6H2O、0.011%グルコース)で2×107個/mlの濃度に懸濁し、実施例2で作製した組み換え用プラスミドの数に分注した。この各懸濁液にそれぞれ1種類の組み換え用プラスミド10μgずつ加え、この混合物を室温において、ジーンパルサー(Bio−Rad社)3.0KV/cm、0.4msec条件下でエレクトロポレーションした。プラスミドを導入した細胞を、その後37℃で72時間培養し、3回の凍結融解によって細胞を溶解した。
放出された組み換えウイルスを次のように選別した。溶解した細胞から放出された子孫ウイルスを含んだ溶解液の10倍段階希釈液をCEF細胞に感染させ、生育培地を含んだ10mlの寒天培地を重層した。室温中で寒天を固めた後、典型的なAPVのプラークが出現するまで37℃で培養した。プラークが大きくなる約1週間後に、Bluo−galを600μg/ml含んだ別の寒天培地をそれぞれの培養プレートに重層し、さらに24時間37℃で培養した。プレートから青色プラークを抜き取り、含まれているウイルスを回収した。形成する全てのプラークがBluo−galで青く染まるまで、同じ方法でさらに組み換えウイルスの純化を行った。通常この過程は4〜6回で終了する。こうして純化された組み換えウイルスをそれぞれ、fNP1003、fNP1004、fNP1025、fNP1026、fNP1029、fNP1032、fNP1035、fNP1036、fNP1038と命名した。
組み換えAPVおよび対照としてNP株(親ウイルス)の104PFUを、それぞれ各群10羽ずつ4日齢のSPF鶏の翼膜に穿刺針で接種した。接種後3、7、9、11、14、17および21日目に各個体の発痘(ポック)サイズを測定し、各群ごとの平均を算出した。ポックサイズは、デジタルノギスを用いて縦、横、高さを測定し、その3つから計算した体積をポックサイズとした。このポックサイズの測定の結果、fNP1035のみが親株と同様な発痘の推移を示し、弱毒化していないことが判明した。組み換え体fNP1035を作製した組み換え用プラスミドは、pNP35の非必須領域を挿入部位とし、配列分析を行い、その塩基配列を決定した(配列番号13)。pNP35のユニークサイトであるCla Iに配列番号14の合成DNAアダプターを挿入する為、pNP35を制限酵素Cla Iで切断し、配列番号14の合成DNAをT4DNAライゲースを使ってライゲーションし、大腸菌TG1を形質転換した。選られたアンピシリン耐性のコロニーからプラスミドDNAを調製して、制限酵素Sfi Iで切断されるプラスミドを選び、それをpNP35CVと命名した。pNP35CVを制限酵素Bgl IIで切断し、セルフライゲーションさせて大腸菌TG1を形質転換して得られたアンピシリン耐性菌を選び、そのプラスミドを調製して長さが約5.7Kbpのプラスミドを選び、それをpNP35SCV2と命名した。
実施例7プラスミドpGTPsILUL32とpUC−IL−UL32の 構築(図2参照)
実施例4と同様の方法のPCR法にて増幅したUL32h遺伝子を含む断片を制限酵素BamH IとSal Iで消化し、pUC18に合成DNAを挿入した組み換えプラスミドであって参考例3に記載の方法によって得られるpGTPsのBamH I−Sal I部位に導入して、pGTPsILUL32を構築した。
同様にして、PCR法にて増幅したUL32h遺伝子を含む断片を制限酵素BamH IとSal Iで消化してpUC19のBamH I−Sal I部位に挿入してpUC−IL−UL32を得た。
実施例8組み換えフォウルポックスウイルス用プラ スミドpNZ29R/ILUL32の構築(図3参照)
実施例7で構築したpUC−IL−UL32を、BamH IとSal Iで消化してSfi Iによって切断される部位を有するプラスミドであって参考例8に記載の方法で構築されるpNZ1829RのBamH I−Sal I部位に挿入してpNZ29R/ILUL32を構築した。
実施例9組み換えフォウルポックスウイルス用プラ スミドpNZ29R/ILgBUL32の構築(図4参照)
参考例4に記載の方法により構築したプラスミドpNZ29RILTgB−2−1から制限酵素Xho IとSac Iとの切断で得た、ILTVのgB遺伝子を含む断片と、ニューカッスル病ウイルスゲノム由来の抗原遺伝子が挿入されたプラスミドであって参考例5、6及び7に記載の方法で構築されたpNZ6929SfiのNDVのHNとF遺伝子を含むXho I−Sac I断片とを入れ替えて、ILTVgB遺伝子を含むpNZ29R/ILgB−Sfiを作製した。これをさらに制限酵素Sfi Iで切断し、実施例9で作製したpGTPsILUL32のILTV−UL32遺伝子を含むBgl I断片を挿入してpNZ29R/ILgBUL32を構築した。
実施例10組み換えフォウルポックスウイルス用プラ スミドpNP35S/ILUL32gBの構築(図5参照)
実施例6で作製したpNP35SCV2を制限酵素Sfi Iで切断し、それに実施例8で作製したpGTPsILUL32のILTV−UL32遺伝子を含むBgl I断片を挿入してpNP35SCV2/ILUL32を作製した。これを制限酵素Sfi IとSal Iで切断し、参考例8に記載のpNZ1829RのlacZを含むSfi I−Sal I断片を挿入してpNZ35SCV2−lacZ/ILUL32を作製した。これとは別に、pNZ29RILTgB−2−1を制限酵素BamH Iで切断した後、制限酵素Dra Iで部分消化して得たILTVgB遺伝子全長を含む2633塩基の断片を、参考例3に記載のpGTPsのBamH I−Hinc II部位に挿入してpGTPs/ILgBを得た。このpGTPs/ILgBをBgl Iで切断して得たILTVgB遺伝子全長を含む断片をpNZ35SCV2−1acZ/ILUL32のSfi I部位に挿入して、pNP35S/ILUL32gBを構築した。
実施例11組み換えフォウルポックスウイルスの作製 と純化
単層になったCEF細胞に鳩痘のピジョンポックスウイルスNP株またはフォウルポックスウイルスのワクチンから単利した大型プラーク形成を表現型としてもつウイルス(Nazerianら.,Avian Dis.,Vol.33,p.458−465,1989)を0.1の感染多重度で感染させ、3時間後、これらの細胞をトリプシン処理で剥がし、細胞懸濁液とした。これを遠心分離で細胞を分離しSaline G(0.14M NaCl、0.5mM KCl、1.1mM Na2HPO4、0.5mM MgCl2・6H2O、0.011%グルコース)で2x107個/mlの濃度に懸濁した。NP株を感染させた懸濁液には組み換え用プラスミドpNP35S/ILUL32gBを10μg加えた。
一方、大型プラーク形成を表現型としてもつウイルスを感染させた懸濁液には組み換え用プラスミドpNZ29R/ILUL32またはpNZ29R/ILgBUL32を10μgずつ加えた。この混合物を室温において、ジーンパルサー(Bio−Rad社)3.0KV/cm、0.4msec条件下でエレクトロポレーションした。プラスミドを導入した細胞を、その後37℃で72時間培養し、3回の凍結融解によって細胞を溶解した。放出された組み換えウイルスを次のように選別した。
溶解した細胞から放出された子孫ウイルスを含んだ溶解液の10倍段階希釈液をCEF細胞に感染させ、生育培地を含んだ10mlの寒天培地を重層した。室温中で寒天を固めた後、典型的なAPVのプラークが出現するまで37℃で培養した。約1週間してプラークが大きくなったらBluo−galを600μg/ml含んだ別の寒天培地をそれぞれの培養プレートに重層し、さらに24時間37℃で培養した。プレートから青色プラークを抜き取り、含まれているウイルスを回収した。形成する全てのプラークがBluo−galで青く染まるまで、同じ方法でさらに組み換えウイルスの純化を行った。通常この過程は4〜6回で終了する。
こうして純化された組み換えウイルスは、組み換え用プラスミドpNP35S/ILUL32gBから作製したものをNP35S/ILUL32gB、組み換え用プラスミドpNZ29R/ILUL32から作製したものをUS29R/ILUL32、組み換え用プラスミドpNZ29R/ILgBUL32から作製したものをUS29R/ILgBUL32と命名した。
実施例12組み換えフォウルポックスウイルスの挿入 遺伝子および発現の確認
実施例11で作製した3種類の組み換え体は、サザンハイブリダイゼーションによって、すべてILTVのgB遺伝子およびやUL32h遺伝子が予想どおりの位置にあることを確認した。また、これら3種類の組み換え体を感染されたCEF細胞をアセトン固定した後、実施例5で得た抗UL32/XS兔抗血清(100倍希釈)を反応させ、FITC標識抗ウサギ(ヤギ)血清(TAGO社)(100倍希釈)を反応させて、間接蛍光抗体法で観察したところ、特異的な蛍光が観察された。さらに、これら3種類の組み換え体を感染させたCEF細胞の溶解液に対して、実施例5で得た抗UL32/XS兔抗血清(100倍希釈)を反応させ)、パーオキシターゼ標識抗ウサギ(ヤギ)血清(TAGO社)(100倍希釈)を反応させた後、4−クロロ−1−ナフトールで発色を行ったところ、推定分子量約68kdの位置に特異的なバンドが観察され、ILTVのUL32h遺伝子は組み換えフォウルポックスウイルスで発現している事を確認した。
実施例15組み換えフォウルポックスウイルスを接種 した鶏の強毒ILTVに対する感染防御効果
実施例13で作製した組み換えフォウルポックスウイルスと米国特許5,443,831に記載されている組み換えフォウルポックスウイルスILTVgB2−1をSPFニワトリに40日齢で穿刺針で翼膜に104PFU(プラークフォーミングユニット)接種した。同時にILT生ワクチン(化血研)を処方どおり1滴(約0.03ml)(104.0TCID50/羽以上)を点眼接種した。その18日後に、強毒ILTV、NS−175株を「動物用生物学的製剤」(社団法人動物用生物学的製剤協会)に記された方法に基づき、103.5EID50/0.1mlを眼窩下洞に接種して攻撃した。接種後1週間臨床症状を観察し、1週間後には解剖を行い、2日以上病状を呈した場合、感染した(すなわち、感染防御できなかった)と判断した。その結果を表1に示す。また40日齢のニワトリの代りに30日齢にワクチンを接種し、18日後(58日齢)での強毒ILTVによる攻撃の代りに44日齢で攻撃をするというスケジュール以外は前述と全く同様の実験を行った結果を表2に示す。
Figure 0003636368
Figure 0003636368
これら2つの表より、ILTVのUL32h遺伝子のみを含むUS29R/ILUL32だけでは未接種に比較して多少の防御効果はみられる。しかし、ILTVのgB遺伝子単独のILTVgB2−1に比較すると、防御効果は低いという結果となった。しかしながら、驚くべき事に、gB遺伝子に加えてUL32遺伝子を導入した2つの組み換えフォウルポックスウイルス、US29R/ILgBUL32やNP35S/ILUL32gBでは、ILTV生ワクチンと同等の性能があることが証明され、単なるgB遺伝子挿入組み換え体やUL32遺伝子挿入組み換え体の持つ感染防御効果の総和以上の効果(相乗効果)があることが判った。
参考例17.5Kプロモーターにβ−ガラクトシダーゼ 遺伝子が連結されたプラスミド(pNZ76)の作製(図6 参照)
10μgのpMA001〔Shirakawaら,Gene,28,127−,(1984)〕をBemH Iで消化後、フェノール・クロロホルム(1:1)で抽出し、エタノール沈殿によりβ−ガラクトシダーゼ遺伝子(約3.3kbp)を回収した。一方、0.3μgのpUC19をBamH I消化後、フェノール・クロロホルム抽出し、エタノール沈殿により回収し、上記で調製したβ−ガラクトシダーゼ遺伝子とライゲーションし、ハイブリッドプラスミドpNZ66を作製した。
40μgのpUWP−1をHpa II、EcoR I消化し、1.5%低融点アガロース電気泳動(70ボルト、6時間)により7.5Kプロモーターを含む約0.26kbpの断片を分離し、フェノール・クロロホルム(1:1)で抽出し、エタノール沈殿によりDNAを回収した。このDNA断片の接着末端をDNAポリメレースにより平滑末端とした。0.3μgのpNZ66をHinc IIで消化し、フェノール・クロロホルム抽出し、エタノール沈殿により回収し、上記約0.26kbpの7.5Kプロモーター遺伝子をライゲーションし、得られたハイブリッドプラスミドをpNZ76と命名した。
参考例2β−ガラクトシダーゼ断片(平滑末端)の取
10μgのpNZ76をHind III、Sma Iで消化後、0.7%低融点アガロース電気泳動(40ボルト、20時間)で約3.6kbpの断片を分離し、エチジウムブロマイド染色によりDNA断片を確認後、ゲルを切り出し、フェノール処理したのち、エタノール沈殿によりDNA断片を回収した。
一方、1μgのpNZ180をEcoR Vで消化し、フェノール・クロロホルム抽出し、エタノール沈殿により回収した。開裂されたpNZ180 DNA0.3μgと前記約3.6kbpの断片(7.5KプロモーターDNAとβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の連結断片)約0.4μgを混合し、DNAポリメレースで接着末端を平滑末端とし、フェノール・クロロホルム抽出後、エタノール沈殿により回収した。
参考例3ドナープラスミドpGTPsの構築(図7参照)
pUC18のHind III−Pst I部位に合成DNA(5′−AGCTGCCCCCCCGGCAAGCTTGCA−3′(配列番号15))を挿入し、次いで得られたプラスミドのSal I−Kpn I部位に合成DNA(5′−TCGACATTTTTATGTAC−3′(配列番号16))を挿入し、さらに、ここで得られたプラスミドのSac I−EcoR I部位に2本の合成DNA(5′−AATTCGGCCGGGGGGGCCAGCT−3′(配列番号17))および(5′−GGCCCCCCCGGCCG−3′(配列番号18))をアニールさせたものを挿入し、最後にこのプラスミドのHind III−Sac I部位にプラスミドpNZ1729R(Yanagida et al.,J.Virol.,66,1402−1408,1992)をHind IIIとSal Iで消化して得られた約140bpのDNA断片を挿入して、プラスミドpGTPsを構築した。
参考例4
米国特許公報5,443,831に記載されているILTVのgB遺伝子配列より、実施例4で改変しているのと同様にgB遺伝子中に存在する2ヶ所のT5NT配列(ポックスウイルスのtranslation termination signalとして機能する可能性がある)を変更するためと、組み換え用プラスミドに挿入する制限酵素部位を導入するために、PCRをおこなった。
米国特許公報5,443,831に記載のILTV強毒野外株632株より実施例1と同様の方法で、ILTVゲノムDNAを調製した。このDNAをテンプレートとして、米国特許公報5,443,831に記載されている配列データを元にして合成した配列番号19と配列番号20、配列番号21と配列番号22、配列番号23と配列番号24のプライマーセットを用いてPCRを行い、2ヶ所のT5NT配列を改変し、組み換え用プラスミドを挿入するための制限酵素部位(BamH IとXho I)を導入した3断片を作製した。これら3断片をテンプレートとして、配列番号15と配列番号20のプライマーを用いてPCRを行う事により、改変を施したILTVgB遺伝子を作製した。この断片をBamH IとXho Iで消化し、プラスミドpNZ1729R(Yanagida et al.,J.Virol.,66,1402−1408,1992)のBamH I−Sal I部位に挿入して、組み換え用プラスミドpNZ29RILTgB−2−1を構築した。尚、この組み換え用プラスミドpNZ29RILTgB−2−1を用いて作製した組み換えフォウルポックスウイルスが、米国特許公報5,443,831に記載されている組み換えフォウルポックスウイルスである。
参考例5プロモーター及びその支配下にF遺伝子DNA を連結したハイブリッドプラスミド(pNZ98)の作製 (図8参照)
NDVのFおよびHN遺伝子のcDNAを含むプラスミドXL III−10H〔Virus Research, 241−255(1987)〕を東京大学教養学部、川喜田正夫助教授より入手した。
このプラスミドXL III−10H 4μgをXba Iで消化後、DNAポリメレースで接着末端を平滑末端とし、フェノール・クロロホルムで抽出後、エタノール沈殿により回収した。回収されたDNAをBamH Iで部分消化後、0.8アガロースゲル電気泳動に供し、約2.1KbpのF遺伝子を完全に含む断片を回収した。一方参考例1の(3)で作製したプロモーター及びその支配下に検出容易な酵素をコードするDNAを連結したハイブリッドプラスミド(B)(pNZ76)をBamH IとSma Iで消化し、lacZ遺伝子部分を除いた約3.0KbpのBamH I−Sma I断片を回収した。この約3.0Kbpの断片と前述の約2.1Kbpの断片をリガーゼにより連結し、コンピテントな大腸菌TG1株を形質転換した。50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天培地上で生育してきたコロニーよりプラスミドを調製し、制限酵素による切断で目的のクローンを確認し、そのプラスミドをpNZ98′と命名した。プラスミドpNZ98′には、F遺伝子全長のほか、HN遺伝子の5′末端約300bpを含む。この部分を除去するためにpNZ98′をSma IとKpn Iで消化し、約4150bpのSma I−Kpn I断片を0.8%アガロースゲル電気泳動により回収した。また、同様に、pNZ98′をSma I、Ava IIで消化し、約650bpのSma I−Ava II断片を1.5%アガロースゲル電気泳動により回収した。これら2つの断片を混合し、DNAポリメレースにより接着末端を平滑末端とした後、リガーゼにより連結し、コンピテントな大腸菌TG1株を形質転換した。50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天培地上に生育したコロニーよりプラスミドを調製し、制限酵素Sma Iで再び切断できるものを選択し、このプラスミドをpNZ98を命名した。
参考例6ハイブリッドファージmp10−HN180からプロ モーター及びその支配下にNDVのHN遺伝子DNAを連結した ハイブリッドプラスミドpNZ87の作製
pNZ76をBamH Iで消化し、0.8%アガロースゲルより、β−ガラクトシダーゼ遺伝子を含まない約2.9kbの断片を回収した。一方、ハイブリッドファージmp10−HN180をBgl II、BamH Iで消化後、0.8%アガロースゲルより約1.8kbのHN遺伝子DNA断片を回収した。両者をリガーゼにより連結し、得られたプラスミドでコンピテントな大腸菌TG−1株を形質転換し、常法に従ってプラスミドを抽出し、HN遺伝子を含むハイブリッドプラスミドを検出し、これをpNZ87と命名した。
参考例7アクセプタープラスミドpNZ6929Sfiの構築 (図9参照)
プラスミドpNZ98(参考例5に記載のニューカッスル病ウイルス由来のF抗原遺伝子を有するプラスミド)をSac Iで部分消化後、さらにBamH Iで部分消化し、約1.9kbpのDNA断片を回収した。一方、プラスミドpNZ1829RをBamH Iで消化後、さらにSac Iで部分消化し、前述の約1.9kbpのBamH I−Sac I DNA断片を挿入して目的のプラスミドpNZ5929を構築した。
プラスミドpNZ87(参考例6に記載のニューカッスル病ウイルス由来のHN抗原遺伝子を有するプラスミド)をHind IIIで切断後Ava IIで部分消化して得た最も大きな断片と、プラスミドpNZ1829RをHind III、BamH Iで消化して得た95bpの断片に、配列番号25と配列番号26に記載の2種類の合成DNA(5′−GATCCAGCATG−3′(配列番号25)および5′−GTCCATGCTG−3′(配列番号26))をアニールしたものを加えてプラスミドpNZ2929Rを構築した。このプラスミドpNZ2929RをHind IIIで切断後BamH Iで部分消化し、約1.9kbの断片を得る。この断片をDNAポリメラーゼのクレノウフラグメントを用いて平滑末端とした後、Sma Iで消化したプラスミドpNZ5929に挿入してアクセプタープラスミドpNZ6929Sfiを得た。
参考例8アクセプタープラスミドpNZ1829Rの構築(図 10参照)
プラスミドpNZ1729R(Yanagida et al.,J.Virol.,66,1402−1408,1992)をEcoR IとSac Iで消化し、この部位に配列番号27と配列番号28に記載の2種類の合成DNA(5′−AATTCGGCCGGGGGGGCCAGCT−3′(配列番号27)および5′−GGCCCCCCCGGCCG−3′(配列番号28))をアニーリングしたSfi I部位を含む合成アダプターを挿入し、プラスミドpNZ1829Rを構築した。
配列表
配列番号:1
配列の長さ:1749
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
Figure 0003636368
Figure 0003636368
配列番号:2
配列の長さ:582
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
配列:
Figure 0003636368
Figure 0003636368
Figure 0003636368
Figure 0003636368
配列番号:3
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
Figure 0003636368
配列番号:4
配列の長さ:30塩基
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
Figure 0003636368
配列番号:5
配列の長さ:30塩基
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
Figure 0003636368
配列番号:6
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配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
Figure 0003636368
配列番号:7
配列の長さ:24塩基
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
Figure 0003636368
配列番号:8
配列の長さ:17塩基
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
Figure 0003636368
配列番号:9
配列の長さ:22塩基
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
Figure 0003636368
配列番号:10
配列の長さ:14塩基
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
Figure 0003636368
配列番号:11
配列の長さ:11塩基
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
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配列番号:12
配列の長さ:10塩基
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
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配列番号:13
配列の長さ:5055塩基
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
Figure 0003636368
Figure 0003636368
Figure 0003636368
Figure 0003636368
配列番号:14
配列の長さ:49塩基
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
Figure 0003636368
配列番号:15
配列の長さ:24塩基
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
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配列番号:16
配列の長さ:17塩基
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
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配列の種類:DNA
配列:
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配列番号:17
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配列の型:核酸
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配列の種類:DNA
配列:
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配列番号:18
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配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
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配列の種類:DNA
配列:
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配列番号:19
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配列の型:核酸
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配列の種類:DNA
配列:
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配列番号:20
配列の長さ:26塩基
配列の型:核酸
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配列:
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配列番号:21
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配列:
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配列番号:22
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配列の型:核酸
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配列:
Figure 0003636368
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配列:
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配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
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配列:
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配列番号:26
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配列:
Figure 0003636368
配列番号:27
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配列の型:核酸
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配列の種類:DNA
配列:
Figure 0003636368
配列番号:28
配列の長さ:14塩基
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA
配列:
Figure 0003636368

Claims (17)

  1. 配列番号2記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNA分子。
  2. 配列番号2記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸の除去、付加及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されているアミノ酸配列を有し、且つ伝染性喉頭気管炎ウイルスの免疫原性を維持しているタンパク質をコードするDNA分子。
  3. 配列番号1記載の塩基配列を有する核酸と、42℃、2%スキムミルク、6倍濃度のSSC(6×SSC;pH7.0)及び0.1%SDSの条件下でハイブリダイズし、且つ伝染性喉頭気管炎ウイルスの免疫原性を有するタンパク質をコードするDNA分子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のDNA分子と、少なくとも一つの付加DNA配列とを含んでなる組み換えDNA分子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のDNA分子のDNA配列を含有する組み換えベクター。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項記載のDNA分子を有する形質転換体。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項記載のDNA分子を有する組み換えウイルス。
  8. 配列番号2記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド。
  9. 配列番号2記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸の除去、付加及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されているアミノ酸配列を有し、且つ伝染性喉頭気管炎ウイルスの免疫原性を維持しているタンパク質。
  10. 配列番号1記載の塩基配列を有する核酸と、42℃、2%スキムミルク、6倍濃度のSSC(6×SSC;pH7.0)及び0.1%SDSの条件下でハイブリダイズするDNA分子によりコードされており、且つ伝染性喉頭気管炎ウイルスの免疫原性を有するタンパク質。
  11. 請求項7記載の組み換えウイルスを有効成分とする抗伝染性喉頭気管炎用生ワクチン。
  12. 請求項8〜10のいずれか1項記載のポリペプチド、またはその薬理学的に許容しうる塩を有効成分とする抗伝染性喉頭気管炎用ワクチン。
  13. ウイルスが鳥類に感染するウイルスである請求項7記載の組み換えウイルス。
  14. ウイルスがアビポックスウイルスである請求項7記載の組み換えウイルス。
  15. ウイルスがフォウルポックスウイルスである請求項7記載の組み換えウイルス。
  16. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の組み換えウイルスを有効成分とする抗伝染性喉頭気管炎用生ワクチン。
  17. 請求項16記載の生ワクチンを用いた鳥類に対する免疫方法。
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