JP3636330B2 - 露光方法及び装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばLSI等の半導体素子、又は液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、マスクパターンを逐次感光基板上の各ショット領域に転写露光するための露光工程で使用して好適な露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フォトマスク又はレチクル(以下、代表的に「レチクル」を使用する)のパターンを感光材が塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写するため露光装置として、ウエハの各ショット領域を順次投影光学系の露光フィールド内に移動させて、各ショット領域に順次レチクルのパターン像を一括露光するステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型露光装置(ステッパ)が多用されている。斯かるステッパ等の露光装置は、レチクルを保持するレチクルステージ、ウエハを2次元平面内で位置決めするウエハステージ、このウエハステージの移動座標を計測するウエハ側レーザ干渉計、及びこのレーザ干渉計の計測値に基づいてウエハステージを駆動するウエハステージ駆動系等から構成されている。
【0003】
さて、一般に半導体素子は、ウエハ上に多数層の回路パターンを重ねて露光することにより形成されるため、露光装置においては、ウエハ上の各ショット領域に既に形成されている回路パターンとこれから露光するレチクルのパターンとを正確に重ね合わせて、レチクルのパターンを露光する必要がある。そのため、従来の露光装置では、予め例えばレチクルをウエハステージ上の基準マークに関して位置合わせして固定し、その基準マークとウエハとの位置関係を計測した後、ウエハ側レーザ干渉計の計測値に基づいて、ウエハステージをステッピング駆動して、ウエハの各ショット領域を順次露光位置に位置決めしていた。この場合、各ショット領域をそれぞれ露光位置に位置決めするため、ウエハステージの座標位置をそれら各ショット領域毎に定まる目標座標に追い込み、ウエハステージの座標位置と目標座標との差分が所定時間以上継続して、所定の許容範囲内に収まっていたときに、露光光源のシャッタを開ける等して露光を開始していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如き従来の技術においては、ウエハステージの座標位置が目標座標に対して所定の時間以上継続して、所定の許容範囲内に収まってから、即ちウエハステージの目標座標への位置決めが完全に終了したとみなされる状態になってから露光動作に入っていた。しかしながら、一般にウエハステージに要求される位置決め精度は極めて高いため、ウエハステージを各目標座標に設定する際の動作を、前の露光位置から次の目標座標の近傍へ移動するステッピング動作と、その目標座標の近傍から正確にその目標座標に位置決めするための追い込み動作とに分けると、後者の追い込み動作に要する時間が長いため、全体の露光時間が長いという不都合があった。
【0005】
また、仮にウエハステージのステッピング動作を高速化しても、追い込み動作に要する時間はほとんど短縮されず、全体の露光時間はあまり短縮されないため、現状の制御方式では露光工程のスループットの向上に限界がある。
本発明は斯かる点に鑑み、レチクルのパターンを基板上の各ショット領域に転写露光する露光装置において、基板上の各ショット領域をレチクルのパターンの露光位置に位置決めするのに要する時間を短縮して、露光工程のスループットを向上することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の露光装置は、例えば図1及び図2に示すように、転写用のパターンが形成されたマスク(R)を保持するマスクステージ(3X)と、その転写用のパターンが露光される基板(W)を保持して2次元平面内で移動する基板ステージ(10X)とを有し、基板ステージ(10X)を駆動して基板(W)上の各露光領域をその転写用のパターンの露光位置に位置決めすることにより、基板(W)上の各露光領域にそれぞれその転写用のパターンを露光する露光装置において、マスクステージ(3X)を基板ステージ(10X)が移動する方向に沿って移動自在に構成し、基板ステージ(10X)の位置を検出する基板ステージ側位置検出手段(14X)と、マスクステージ(3X)の位置を検出するマスクステージ側位置検出手段(7X)と、基板(W)の各露光領域を露光位置に設定するように基板ステージ(10X)を目標位置に駆動する第1の駆動手段(28)と、基板ステージ(10X)の目標位置と基板ステージ側位置検出手段(14X)により計測された位置との差分である基板ステージ誤差量を、マスクステージ(3X)の初期目標位置とマスクステージ側位置検出手段(7X)により計測された位置との差分に加算してマスクステージ(3X)の目標位置を求め、基板ステージ(10X)の移動中に基板ステージ(10X)の誤差量がマスクステージ(3X)の可動範囲に入った際にこの目標位置にマスクステージ(3X)を駆動する第2の駆動手段(29)と、基板ステージ(10X)及びマスクステージ(3X)の移動中にマスクステージ(3X)の目標位置とマスクステージ側位置検出手段(7X)により計測された位置との差分が所定時間連続して所定の許容値以下になったときにその転写用のパターンをその基板上に露光する制御手段(22)と、を備えたものである。
【0007】
また、本発明による第2の露光装置は、例えば図1及び図5に示す如く、転写用のパターンが形成されたマスク(R)を保持するマスクステージ(3X)と、その転写用のパターンが露光される基板(W)を保持して2次元平面内で移動する基板ステージ(10X)とを有し、この基板ステージ(10X)を駆動して基板(W)上の露光領域をその露光用のパターンの露光位置に位置決めすることにより、基板(W)上の各露光領域にそれぞれその転写用のパターンを露光する露光装置において、マスクステージ(3X)を基板ステージ(10X)が移動する方向に沿って移動自在に構成し、基板ステージ(10X)の位置を検出する基板ステージ側位置検出手段(14X)と、基板(W)の各露光領域を露光位置に設定するように基板ステージ(10X)を目標位置に駆動する第1の駆動手段(28)と、その転写用のパターンと基板(W)上の各露光領域との位置ずれ量を検出するアライメント手段(26)と、基板ステージ(10X)の移動中にその位置ずれ量がマスクステージ(3X)の可動範囲に入った際にこのアライメント手段(26)により検出される位置ずれ量を小さくするようにマスクステージ(3X)を駆動する第2の駆動手段(29)と、基板ステージ(10X)及びマスクステージ(3X)の移動中にアライメント手段(26)により検出される位置ずれ量がそのパターンの最小線幅又はそのパターンの配列精度に応じて決定された許容値以下になったときにその転写用のパターンを基板(W)上に露光する制御手段(22)と、を備えたものである。
【0008】
これらの場合、マスクステージ(3X)は基板ステージよりも軽量であることが望ましい。
また、本発明による第3の露光装置は、転写用のパタ−ンが形成されたマスク(R)を保持するマスクステージと、その転写用のパタ−ンが露光される基板(W)を保持して2次元平面内で移動する基板ステージ(10X)とを有し、この基板ステージ(10X)を駆動して基板(W)上の各露光領域をその転写用のパタ−ンの露光位置に位置決めすることにより、基板(W)上の各露光領域にそれぞれその転写用のパタ−ンを露光する露光装置において、マスクステージ(3X)を基板ステージ(10X)が移動する方向に沿って移動自在に構成し、基板ステージ(10X)の位置を検出する基板ステージ側位置検出手段(14X)と、マスクステージ(3X)の位置を検出するマスクステージ側位置検出手段(7X)と、基板(W)の各露光領域を露光位置に設定するように基板ステージ(10X)を目標位置に駆動する第1の駆動手段(27)と、基板ステージ(10X)の目標位置と基板ステージ側位置検出手段(14X)により計測された位置との差分である基板ステージ誤差量が最初に0を横切った後のその基板ステージ誤差量を、マスクステージ(3X)の初期目標位置とマスクステージ側位置検出手段(7X)により計測された位置との差分に加算してマスクステージ(3X)の目標位置を求め、この目標位置にマスクステージ(3X)を駆動する第2の駆動手段(29)と、マスクステージ(3X)の目標位置とマスクステージ側位置検出手段(7X)により計測された位置との差分が所定時間連続して所定の許容値以下になったときに転写用のパタ−ンを基板(W)上に露光する制御手段と、を備えている。
また、本発明の第1の露光装置において、その所定の許容値は、一例として、パターンの最小線幅とそのパターンの配列精度との何れか一方に基づいて決定すればよい。
次に、本発明による露光方法は、マスクステージ(3X)に保持されたマスク(R)のパターンと基板ステージ(10X)に保持された基板(W)との位置関係を調整して、マスク(R)のパターンを基板(W)に露光する露光方法であって、基板(W)の露光対象となっている露光領域を露光するために、基板ステージ(10X)を移動させるステップと、マスク(R)のパターンと基板(W)の露光対象となっている露光領域とのずれ量を検出するステップと、基板ステージ(10X)の移動中にそのずれ量がマスクステージ(3X)の可動範囲に入った際に検出されたずれ量が小さくなるようにマスクステージ(3X)を移動させるステップと、基板ステージ(10X)及びマスクステージ(3X)の移動中にずれ量がパターンの最小線幅又はパターンの配列精度に応じて決定された許容値以下になった際にパターンを基板(W)に露光するステップと、を含むものである。
この露光するステップは、一例としてそのずれ量が所定時間連続して許容値以下になった際に実行される。
また、そのマスク(R)のパターンと基板(W)の露光対象となっている露光領域とのずれ量を検出するステップは、マスク(R)の回転角と基板(W)の回転角との差を検出するステップを含んでもよい。
また、マスク(R)と基板(W)との間に投影光学系(9)が設けられている場合に、そのずれ量に応じて投影光学系(9)を調整してもよい。
【0009】
【作用】
斯かる本発明の第1の露光装置によれば、基板(W)の所定の露光領域(ショット領域)を露光位置に設定するためには、先ず第1の駆動手段(28)を介して基板ステージ(10X)の目標位置に向けてのステッピング駆動を開始する。その後、基板ステージ(10X)の目標位置と、基板ステージ(10X)の計測された位置との差分(基板ステージ誤差量)を求め、この基板ステージ誤差量がマスクステージ(3X)の可動範囲に入った際にこの基板ステージ誤差量をマスクステージ(3X)の初期目標位置に加算して得た目標位置に向けて、第2の駆動手段(29)を介してマスクステージ(3X)を駆動する。そして、基板ステージ(10X)及びマスクステージ(3X)の移動中にこのマスクステージ(3X)の目標位置と計測された位置との差分が所定時間連続して所定の許容値以下になったときに、マスクパターンを基板(W)のその露光領域に露光する。
【0010】
この場合、基板ステージ(10X)に比べてマスクステージ(3X)は可動距離が小さくて済み、小型のステージが使用できるため、マスクステージ(3X)の応答速度は基板ステージ(10X)の応答速度より容易に高くできる。更に、露光装置として投影露光装置を使用した場合、一般に投影は縮小倍率で行われるため、基板ステージ(10X)に比べてマスクステージ(3X)側では、移動距離の分解能、及び移動位置の精度は粗くてもよい。従って、基板(W)の各露光領域をマスクパターンの露光位置の近傍からその露光位置に設定する追い込み動作に要する時間が短縮され、露光工程のスループットが向上する。
【0011】
この場合、基板ステージ(10X)の目標位置と基板ステージ側位置検出手段(14X)により計測された位置との差分(基板ステージ誤差量)が大きいときに、マスクステージ(3X)を駆動すると、マスクステージ(3X)を高速且つ広範囲に駆動する必要が生じ、マスクステージ(3X)の構成が複雑化し、且つ制御方式が複雑化する。また、制御方式によっては、却って位置合わせに要する時間が長くなる恐れもある。そこで、その基板ステージ誤差量が所定の許容範囲内に入ってから、マスクステージ(3X)の駆動を開始することにより、マスクステージ(3X)の構成を簡略化でき、制御方式が単純化できる。更に、露光工程のスループットが向上する場合もあり得る。なお、その所定の許容値は、一例として、パターンの最小線幅とそのパターンの配列精度との何れか一方に基づいて決定すればよい。
【0012】
また、別の制御方式として、基板ステージ(10X)の目標位置と基板ステージ側位置検出手段(14X)により計測された位置との差分である基板ステージ誤差量が最初に0を横切ってから、第2の駆動手段(28)がマスクステージ(3X)の駆動を開始するようにした場合にも、それ以後、基板ステージ誤差量が大きく変化しない。従って、マスクステージ(3X)の駆動範囲を狭くでき、露光工程のスループットが向上する場合もあり得る。
【0013】
次に、第2の露光装置によれば、基板(W)の所定の露光領域(ショット領域)を露光位置に設定するためには、先ず第1の駆動手段(28)を介して基板ステージ(10X)の目標位置に向けてのステッピング駆動を開始する。その後、アライメント手段(26)によりマスクパターンと基板(W)上の各露光領域(ショット領域)との位置ずれ量を求め、その位置ずれ量がマスクステージ(3X)の可動範囲に入った際にこの位置ずれ量を小さくするように、第2の駆動手段(29)を介してマスクステージ(3X)を駆動する。そして、基板ステージ(10X)及びマスクステージ(3X)の移動中にその位置ずれ量がそのパターンの最小線幅又はそのパターンの配列精度に応じて決定された許容値以下になったときに、マスクパターンを基板(W)のその露光領域に露光する。
【0014】
この場合、第1の露光装置の場合と同様に、マスクステージ(3X)の応答速度は基板ステージ(10X)の応答速度より容易に高くでき、露光装置として投影露光装置を使用した場合、一般に基板ステージ(10X)に比べてマスクステージ(3X)側では、移動距離の分解能、及び移動位置の精度は粗くてもよい。従って、基板(W)とマスクパターンとの位置合わせを行う際の追い込み動作に要する時間が短縮でき、露光工程のスループットが向上する。
【0015】
また、第3の露光装置によれば、基板ステージ(10X)の目標位置と基板ステージ側位置検出手段(14X)により計測された位置との差分である基板ステージ誤差量が最初に0を横切ってから、第2の駆動手段(29)によりマスクステージ(3X)の駆動を開始することにより、マスクステージ(3X)の構成を簡略化でき、制御方式が単純化できる。更に、位置合わせが完了するまでの時間を短縮できる場合もあり得る。
また、本露光方法によれば、マスク(R)のパターンと基板(W)の露光対象となっている露光領域とのずれ量が小さくなるように、そのずれ量がマスクステージ(3X)の可動範囲に入った際にマスクステージ(3X)を移動させると共に、基板ステージ(10X)及びマスクステージ(3X)の移動中にそのずれ量がパターンの最小線幅又はそのパターンの配列精度に応じて決定された許容値以下になった際にパターンを基板(W)に露光しているので、露光工程のスループットが向上する。
更に、そのずれ量が所定時間連続して許容値以下になった際にパターンの露光を行なうこと、マスク(R)の回転角と基板(W)の回転角との差を検出すること、又はそのずれ量に応じて投影光学系(9)を調整することによって、露光精度が向上する。
【0016】
【実施例】
以下、本発明による露光装置の一実施例につき図1〜図4を参照して説明する。本実施例は、露光装置としてのステッパに本発明を適用したものである。
図1は本実施例のステッパを示し、この図1において、照明光学系1からの露光光(例えばi線、KrFエキシマレーザ光等)ILが、ダイクロイックミラー2により反射されてレチクルRのパターン領域を照明する。ダイクロイックミラー2により反射された後の露光光ILの光軸に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な2次元平面内で図1の紙面に平行な方向、及び図1の紙面に垂直な方向にそれぞれX軸及びY軸を取る。
【0017】
この場合、レチクルRは、レチクル側Yステージ3Y、及びレチクル側Xステージ3Xを介してレチクルベース4上に載置され、レチクル側Xステージ3Xはレチクルベース4に対して駆動モータ5Xを介してX方向に駆動され、レチクル側Yステージ3Yはレチクル側Xステージ3Xに対して不図示の駆動モータによりY方向に駆動される。また、レチクル側Yステージ3Y上にX軸用の移動鏡6X、及び不図示のY軸用の移動鏡が固定され、移動鏡6X、及び外部に設置されたX軸用のレチクル側のレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)7Xによりレチクル側Xステージ3XのX座標XR が計測され、不図示のY軸用の移動鏡、及び不図示のY軸用のレチクル干渉計によりレチクル側Yステージ3YのY座標が計測され、計測されたX座標XR 及びY座標は、装置全体の動作を制御する主制御系8に供給される。
【0018】
露光光ILのもとで、レチクルRのパターン像は、投影倍率β(βは例えば1/5)の投影光学系9を介して縮小されてウエハW上の各ショット領域に投影露光される。ウエハWは、ウエハ側Yステージ10Y、及びウエハ側Xステージ10Xを介してウエハベース11上に載置され、ウエハ側Xステージ10Xはウエハベース11に対して駆動モータ12Xを介してX方向に駆動され、ウエハ側Yステージ10Yはウエハ側Xステージ10Xに対して不図示の駆動モータによりY方向に駆動される。また、ウエハ側Yステージ10Y上にX軸用の移動鏡13X、及び不図示のY軸用の移動鏡が固定され、移動鏡13X、及び外部に設置されたX軸用のウエハ側のレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)14Xによりウエハ側Xステージ10XのX座標XW が計測され、不図示のY軸用の移動鏡、及び不図示のY軸用のウエハ干渉計によりウエハ側Yステージ10YのY座標が計測され、計測されたX座標XW 及びY座標は、主制御系8に供給される。
【0019】
また、例えば特開平5−114544号公報、特開平5−152190号公報に開示されているように、本実施例ではレチクルR上方にTTR(スルー・ザ・レチクル)方式で、且つ所謂2光束干渉方式のアライメント系26及び27が配置されている。この2光束干渉方式では、先ずX軸用のアライメント系26から射出された可干渉で周波数が僅かに異なる2つのレーザビーム(例えば波長633nmのHe−Neレーザ光)ARが、ダイクロイックミラー2を透過してレチクルR上のX軸用の回折格子状のアライメントマーク(レチクルマーク)RMXに所定の交差角で照射され、レチクルマークRMXからそれら2つのレーザビームARの±1次回折光が平行(同一方向)に射出される。レチクルマークRMXは、X方向に所定ピッチで形成された回折格子状マークである。それら±1次回折光の干渉光、即ち所定のビート周波数のヘテロダインビームが、ダイクロイックミラー2を介してアライメント系26内のレチクル用受光素子により光電変換されて、X軸のレチクルマーク信号が得られる。
【0020】
また、X軸用のアライメント系26から射出された別の可干渉で周波数が僅かに異なる2つのレーザビームAWが、ダイクロイックミラー2、及びレチクルR上の透過窓(不図示)を透過した後、投影光学系9を介してウエハW上の所定のショット領域に付設されたX軸用の回折格子状のアライメントマーク(ウエハマーク)WMXに所定の交差角で照射され、ウエハマークWMXからそれら2つのレーザビームAWの±1次回折光が平行に射出される。ウエハマークWMXも、X方向に所定ピッチで形成された回折格子状マークである。それら±1次回折光の干渉光、即ち所定のビート周波数のヘテロダインビームが、投影光学系9、レチクルR、及びダイクロイックミラー2を介してアライメント系26内のウエハ用受光素子により光電変換されて、X軸のウエハマーク信号が得られる。これらX軸のウエハマーク信号とレチクルマーク信号との位相差から、ウエハマークWMXが属するショット領域とレチクルRのパターン像とのX方向の位置ずれ量が検出される。
【0021】
同様に、Y軸用の2光束干渉方式のアライメント系27により、レチクルR上のY軸用のレチクルマークRMXの位置に対応するY軸のレチクルマーク信号、及びウエハW上の所定のショット領域に付設されたY軸のウエハマークWMYの位置に対応するY軸のウエハマーク信号が得られ、これらY軸のウエハマーク信号とレチクルマーク信号との位相差から、ウエハマークWMYが属するショット領域とレチクルRのパターン像とのY方向の位置ずれ量が検出される。本実施例では、実際にウエハW上の各ショット領域に露光する工程では、アライメント系26及び27により検出された位置ずれ量は使用せず、例えば1枚のウエハWへの露光を行う前に、ウエハW上の座標系の原点とレチクルR上の座標系の原点との位置関係を所定の状態に設定するためのアライメント系26及び27を使用する。
【0022】
なお、このようにウエハW上の座標系の原点とレチクルR上の座標系の原点との位置関係を所定の状態に設定するためには、アライメント系26及び27の代わりに、例えばレチクルRのウエハ側のステージの基準位置に対する位置関係を検出するためのアライメント顕微鏡、及びオフ・アクシス方式でウエハW上の各ウエハマークとそのウエハ側のステージの基準位置との位置関係を検出するためのアライメント系(検出方式は撮像方式、レーザ・ステップ・アライメント方式、又は2光束干渉方式等が使用できる)を用いてもよい。
【0023】
次に、図1の主制御系8のX軸に関する制御部の構成につき説明する。主制御系8はコンピュータを含んで構成され、図1内の主制御系8は機能ブロック図で表している。ウエハ干渉計14Xで計測されたウエハ側Xステージ10XのX座標XW が、主制御系8内の減算手段15の減算側入力部に供給され、目標位置設定手段16から減算手段15の加算側入力部に、ウエハ側Xステージ10Xの目標座標XWA、即ちウエハW上のこれから露光するショット領域をレチクルRのパターン像の投影位置(露光位置)に設定するための座標が供給される。減算手段15から出力されるウエハ側Xステージ10Xの位置誤差の反転値(XWA−XW)が、乗算手段17、ウエハステージ駆動手段18、及び補正動作判定手段19に供給される。
【0024】
ウエハステージ駆動手段18は、ウエハ側Xステージ10Xの位置誤差が0になるように、増幅器24Xを介して駆動モータ12Xの動作を制御する。一方、補正動作判定手段19は、後述のようにウエハ側Xステージ10Xの位置誤差が所定の値になったときにレチクル側Xステージ3Xの移動動作を開始させる。また、乗算手段17では、入力されたウエハ側Xステージ10Xの位置誤差の反転値に、投影倍率の逆数(1/β)を乗じて得た誤差を加算手段20の一方の入力部に供給する。この加算手段20の他方の入力部には、目標位置設定手段16からレチクル側Xステージ3Xの初期目標座標XR(通常は0)が供給され、加算手段20で算出されたレチクル側Xステージ3Xの実際の目標位置(=XRA+(XWA−XW)/β)が、減算手段21の加算側入力部に供給される。
【0025】
減算手段21の減算側入力部には、レチクル干渉計7Xにより計測されたレチクル側Xステージ3XのX座標XR が供給され、減算手段21で算出されるX方向の相対誤差ΔXは次式で表される。
【0026】
この相対誤差ΔXは、レチクルRのパターンの位置と、ウエハW上のこれから露光されるショット領域のレチクルR上に換算した位置との、X方向の位置ずれ量に対応する。(1)式において、(XW −XWA)/βの項の符号が負であるのは、投影光学系9による投影像が倒立像であることによる。その相対誤差ΔXは、露光条件判定手段22及びレチクルステージ駆動手段23に供給され、レチクルステージ駆動手段23は、レチクル側Xステージ3Xの位置誤差の反転値に相当する相対誤差ΔXが0になるように、増幅器25Xを介して駆動モータ5Xの動作を制御する。但し、レチクルステージ駆動手段23は、ウエハ側Xステージ10Xの位置誤差が所定の値となって、補正動作判定手段19から位置決め動作を開始するコマンドが発せられた時点でレチクル側Xステージ3Xの駆動を開始するようになっている。
【0027】
露光条件判定手段22では、その相対誤差ΔXが所定の時間連続して、所定の許容値以下であり、且つ別途供給されるY方向の位置ずれ量も所定の時間連続して、所定の許容値以下であるときに、照明光学系1に対して、露光光ILを照射するように制御信号を発生する。これにより、レチクルRのパターンがウエハW上の当該ショット領域に露光される。具体的に、照明光学系1が例えば水銀ランプを光源とする場合には、露光条件判定手段22では、照明光学系1内のシャッタの開閉により露光のオン/オフを制御する。一方、照明光学系1が例えばエキシマレーザ光源等のパルスレーザ光源を光源とする場合には、露光条件判定手段22では、照明光学系1内のエキシマレーザ光源の発光トリガ信号の制御により露光のオン/オフを制御する。
【0028】
なお、図1において、レチクル側Yステージ3Y、及びウエハ側Yステージ10Yの制御系は、X軸のステージの制御系と同様であるため、その説明を省略する。また、例えばウエハ干渉計14XをY方向に並列に2個設け、これら2個のウエハ干渉計の計測値よりウエハWの回転角を検出すると共に、レチクル干渉計7XをY方向に並列に2個設け、これら2個のレチクル干渉計の計測値よりレチクルRの回転角を検出してもよい。そして、レチクルRの回転角とウエハWの回転角との差が所定の許容値以下になるように制御を行ってもよい。このようにレチクルRの回転角とウエハWの回転角との差を制御する場合には、X軸用のアライメント系26及びY軸用のアライメント系27の他に、回転角検出用のアライメント系を設ける。
【0029】
また、図1では、補正動作判定手段19から位置決め動作を開始するコマンドが発せられた時点から、レチクルステージ駆動手段23が駆動モータ5Xの駆動を開始して、図2に示すような2つの閉ループ系が形成される。図1に対応する部分に同一符号を付した図2において、ウエハステージ駆動系28は、図1のウエハステージ駆動手段18、パワーアンプ24X、及び駆動モータ12Xに対応し、ウエハステージ駆動系28が動作すると、ウエハ干渉計14Xで計測されるウエハ側Xステージ10XのX座標XW が変化する。そして、ウエハステージ駆動系28は、ウエハ側Xステージ10Xの目標座標XWAとX座標XW との差分である位置誤差を0にするように動作する。
【0030】
一方、図2において、レチクルステージ駆動系29は、図1のレチクルステージ駆動手段23、パワーアンプ25X、及び駆動モータ5Xに対応し、レチクルステージ駆動系29が動作すると、レチクル干渉計7Xで計測されるレチクル側Xステージ3XのX座標XR が変化する。そして、レチクルステージ駆動計28は、(1)式で表される相対誤差ΔXを0にするように動作する。
【0031】
次に、本実施例での露光動作につき説明する。本実施例では、図1において、レチクルR及びウエハWはそれぞれX軸及びY軸方向に2次元的に移動するが、以下の説明では簡単のためX軸方向の動作のみについて説明する。先ず、照明光学系1に露光光ILの照射を中断させた状態で、不図示のレチクル用のアライメント顕微鏡により、ウエハ側Yステージ10Y上の基準位置に対するレチクルRの位置関係を検出する。そして、レチクルRをウエハ側Yステージ10Y上の基準位置に対して所定の位置関係の初期露光位置に固定し、この状態でレチクル干渉計7Xの計測値を0にリセットする。これにより、レチクルRを初期露光位置に固定したときのレチクル側Xステージ3Xの座標、即ち初期目標座標XRAが0となる。
【0032】
次に、露光用のウエハWをウエハ側Yステージ10Y上にロードし、不図示のオフ・アクシス方式のアライメント系により、ウエハ側Yステージ10Y上の基準位置に対するウエハWの位置関係を検出する。これにより、レチクルRのパターンの投影光学系9による投影像の位置(露光位置)と、ウエハWの各ショット領域との位置関係が分かり、ウエハWの各ショット領域をその露光位置に設定するためのウエハ側Xステージ10Xの目標座標が算出される。なお、TTR方式のアライメント系26を用いて、レチクルRとウエハW上の所定のショット領域との位置関係を直接検出し、この検出結果を用いて、レチクルRの初期露光位置、及びウエハW上の各ショット領域を露光位置に設定するためのウエハ側Xステージ10Xの目標座標を算出してもよい。
【0033】
次に、図1の目標位置設定手段16が、減算手段15に対してウエハ側Xステージ10Xの目標座標XWAを設定し、加算手段20にレチクル側Xステージ3Xの目標座標XRA(=0)を設定する。その後、ウエハステージ駆動手段18が、駆動モータ12Xを駆動することにより、図3に示すような速度特性でウエハ側Xステージ10XをX方向にステッピング移動させて、ウエハ側Xステージ10XのX座標を目標座標XWAに近づける。図3において、ウエハ側Xステージ10XのX方向への速度VWXは、台形状に加減速され、ウエハ側Xステージ10Xが目標座標に近づいた収束期間Tにおいて波状に次第に0になる。この収束期間Tにおいて、最終的な位置決めを行う追い込み動作が行われる。
【0034】
図4(a)、(b)及び(c)は、それぞれその収束期間Tにおけるウエハ側Xステージ10XのX座標XW 、レチクル側Xステージ3XのX座標XR 、及び(1)式で表される相対誤差ΔXを示す。図4(a)において、本実施例ではウエハ側Xステージ10XのX座標XW が、目標座標XWAに対して所定の間隔だけ離れた座標XWBに達した時点t1 で、図1の補正動作判定手段19がレチクルステージ駆動手段23の動作を開始させる。なお、レチクル側Xステージ3Xの初期位置が0以外の値を含むXR である場合には、補正動作判定手段19は、レチクル側Xステージ3Xのストローク等に応じて、そのレチクルステージ駆動手段23の駆動開始のタイミングを制御する。すなわち、レチクル側Xステージ3XのX座標がXR であるときの可動範囲内に、ウエハ側Xステージ10Xのずれ量|XWA−XW|/βが入った時点でレチクルの駆動を開始するようにすればよい。このとき、露光すべきショット領域の全体が投影光学系9のイメージフィールド(投影視野)内に入っている必要はなく、要は露光開始時点でショット全体がイメージフィールド内に入っているようなタイミングでレチクル駆動を開始すればよく、ショット領域の少なくとも一部がイメージフィールド内に入っているかどうかは特に問題でない。これにより図1は、図2の機能ブロック図のように2つの閉ループ系が並列に動作し、図4(b)に示すように、レチクル側Xステージ3XのX座標XR が相対誤差ΔXを0にするように変化するようになる。このとき、(1)式において、レチクル側Xステージ3Xの初期目標座標XRAを0として、相対誤差ΔXを近似的に0とおくと、次式が得られる。
【0035】
XR ≒−(XW −XWA)/β (2)
これは、レチクル側Xステージ3XのX座標XR は、投影光学系9の投影倍率に依る換算係数(1/β)を除いて、ウエハ側Xステージ10Xの位置誤差(XW −XWA)をほぼ反転した特性で変化することを意味する。従って、図4(b)のX座標XR も、時点t1 以後は図4(a)の位置誤差(XW −XWA)をほぼ反転した特性に追従して変化している。なお、図4(b)のX座標XR は、便宜上投影光学系9の投影倍率βを1とした特性を示している。
【0036】
また、(1)式から分かるように、相対誤差ΔXは、図4(a)のウエハ側Xステージ10Xの位置誤差(XW −XWA)のレチクル上での換算値と、図4(b)のレチクル側Xステージ3Xの位置誤差XR(XRA=0)との差分であるため、投影倍率βを1とすると、相対誤差ΔXは、図4(c)に示すように、図4(a)と図4(b)とを加算した特性となる。この場合、図1においてレチクル側Xステージ3Xはウエハ側Xステージ10Xより軽量であり、且つ移動距離が短くて済むため、レチクル側Xステージ3Xの応答速度はウエハ側Xステージ10Xより高い。従って、相対誤差ΔXは、図4(a)のウエハ側Xステージ10XのX座標XW より速く収束する。
【0037】
この場合、図2の露光条件判定手段22では、相対誤差ΔXが所定の時間以上、0に対して所定の幅cの範囲内に入っていたときに露光可能と判定する。所定の幅cの一例は、例えば2層目以降の重ね合わせ露光ではウエハに転写すべきレチクルパターンの最小線幅等に応じて定められる重ね合わせ精度に相当し、1層目の露光ではウエハ上に形成される回路パターンの配列精度(要求値)に相当する。従って、図4(c)に示すように、時点t3 でこの条件が満たされるため、露光条件判定手段22は図1の照明光学系1に対して露光光ILの照射を所定の露光時間だけ行わせる。これにより、レチクルRのパターンの投影像とウエハWの当該ショット領域との位置ずれ量がその所定の幅cより小さい条件で、即ちレチクルRとウエハWとの重ね合わせ誤差がほぼ0の状態で露光が行われる。なお、露光中ウエハ側Xステージ10Xは目標位置XWAに収束するように駆動され、レチクル側Xステージ3Xは相対誤差ΔXが零となるように駆動され続けられる。また、露光開始時点での投影光学系9のイメージフィールド内のレチクルの位置は目標位置からずれているが、このずれ量に応じて生じる投影光学系9の光学特性、例えばディストーション、投影倍率、焦点位置、像面湾曲等の変化が無視できないときは、露光開始直前又は直後から、連続的又は断続的にその光学特性を前述のずれ量に応じて変化させるとよく、これにより常に最良の結像状態でレチクルパターンをウエハに転写できる。このとき、例えばずれ量と各特性との関係をメモリに格納しておき、その関係に基づいて各特性を制御すればよい。
【0038】
なお、投影光学系9を構成する複数の光学要素の少なくとも1つ(特にレチクルRに近い光学素子)を光軸方向に移動すれば、倍率や像面湾曲を変化させることができ、レチクルを光軸方向に移動すればディストーションを変化させることができる。また、焦点位置は斜入射光方向のフォーカスセンサを用いて、その変化量に応じてウエハを光軸方向に移動すればよい。また、逆に光学特性の変化量が無視できる許容ずれ量を定めておき、そのずれ量に基づいてレチクルの駆動の開始のタイミングを決定してもよい。すなわち、相対誤差ΔXが許容ずれ量以下となった時点で、レチクルを駆動するようにしてもよい。
【0039】
これに対して、従来例のように、レチクル側Xステージ3Xを固定した状態で、図4(a)においてウエハ側Xステージ10XのX座標XW が目標座標XWAに対して所定の時間以上、所定の幅c・βの範囲内に入ってから露光を行うものとすると、ウエハ側Xステージ10Xの応答速度が低いと共に、投影倍率βは一般に1より小さく幅c・βが小さくなるため、時点t3 を過ぎても露光を行うことができない。従って、本実施例によれば、従来例のようにウエハ側のステージのみを駆動する場合に比べて、レチクルRとウエハWとの位置決めを行う際の追い込み動作に要する時間を短縮でき、露光工程のスループットが向上する。
【0040】
更に、本実施例ではウエハ側Xステージ10XのX座標XW が、目標座標XWAに対して所定の間隔だけ離れた座標XWBに達した時点t1 で、図1のレチクルステージ駆動手段23の動作を開始させているため、レチクル側Xステージ3Xの移動範囲が狭くでき、レチクル側Xステージ3Xの構成が簡単であり、且つ制御が容易である。また、本実施例では、ウエハ干渉計14X及びレチクル干渉計7Xの計測値を用いてX方向の位置合わせを行っているため、特に応答速度が速い利点がある。
【0041】
但し、レチクル側Xステージ3Xの位置決め精度を、従来例のウエハ側Xステージ10Xで要求される位置決め精度と同程度にしてもよく、これによりレチクルRとウエハWとの重ね合わせ精度を従来例よりも高くすることができる。
なお、ウエハ側Xステージ10Xのみを駆動して位置決めを行う場合に要求される位置決め精度に対して、本実施例においてレチクル側Xステージ3Xに要求される位置決め精度を1/β倍(例えば5倍)にした場合には、レチクル側Xステージ3Xの制御系は比較的簡単に、且つ低コストに構成できる。更に、本実施例ではウエハ側Xステージ10Xは粗く位置決めされるだけでもよいため、ウエハ側Xステージ10Xとして簡単な低コストの構成を採用できる。
【0042】
また、本実施例においては、露光を開始した時点t3 以後にも、図2のウエハステージ駆動系28及びレチクルステージ駆動系29にそれぞれ位置決め動作を継続して行わせている。これにより、仮に外乱により装置全体が揺動して、ウエハ側Xステージ10Xが位置ずれを起こしたような場合でも、高い応答速度のレチクル側Xステージ3Xが追従してその位置ずれを相殺することにより、レチクルRとウエハWとの重ね合わせ精度を高精度に維持できる。但し、本実施例では、1層目のレチクルパターンをウエハ上に転写する際にも、露光工程のスループットを向上させることができる。
【0043】
また、図4においては、ウエハ側Xステージ10XのX座標XW が座標XWB以下になった時点t1 からレチクル側Xステージ3Xの駆動を開始しているが、ウエハ側Xステージ10XのX座標XW が目標座標XWAを最初に横切る時点t2 からレチクル側Xステージ3Xの駆動を開始してもよい。これにより、レチクル側Xステージ3Xの移動範囲をより小さくすることができる場合があり、従って、露光までの時間を短縮できる場合がある。
【0044】
また、レチクル干渉計7Xの代わりに例えばレチクルR上のマークを検出するマーク検出系を用いるようにしてもよい。ただし、ウエハステージ上の基準マークを用いてそのマーク検出系の検出基準位置をウエハステージ上の座標(X,Y)の座標値として求めておく必要がある。この場合、マーク検出系の検出基準位置を前記レチクルの目標位置として、上述実施例と同様にマーク検出系の検出信号に基づいてレチクルステージを駆動すればよい。また、この場合にはマーク検出系のマーク検出可能範囲にレチクル上のマークが入った時点でレチクル駆動を開始するようにすればよいが、例えば検出可能範囲内にマークが入っていなくてもレチクル干渉計7Xの出力を用いてレチクル駆動を開始してもよく、この場合にはレチクル駆動開始後検出可能範囲内にマークが入った時点で、減算手段21に入力する信号をレチクル干渉計7Xの出力からマーク検出系の出力へと切り換えるようにすればよい。
【0045】
次に、本発明の他の実施例につき図5及び図6を参照して説明する。本実施例で使用するステッパはほぼ図1の構成であるが、本実施例ではレチクル側Xステージ3Xの位置決めを行うのに、レチクル干渉計7Xの計測値ではなくTTR方式のアライメント系26の計測値を用いる点が異なっている。
即ち、本実施例では、X軸方向の位置決めに関してレチクル側Xステージ3Xの駆動を開始すると、図5の機能ブロック図のような2つの閉ループが構成される。図1及び図2に対応する部分に同一符号を付して示す図5において、補正動作判定手段19から減算手段15及び加算手段20にそれぞれ、ウエハ側Xステージ10Xの目標座標XWA及びレチクル側Xステージ3Xの目標座標XRA(本実施例では0)が供給される。
【0046】
減算手段15にはウエハ干渉計14Xにより計測されたX座標XW も供給され、減算手段15により求められたウエハ側Xステージ10Xの位置誤差の反転値(XWA−XW)がウエハステージ駆動系28に供給される。そして、ウエハステージ駆動系28では、その位置誤差の反転値が0になるように図1のウエハ側Xステージ10Xを駆動する。
【0047】
それに対して、加算手段20には図1のアライメント系26により計測されたX方向の相対誤差ΔX、即ちレチクルR上のレチクルマークRMXと、ウエハW上のこれから露光対象とするショット領域に付設されたウエハマークWMXとのX方向への位置ずれ量(レチクルR上での換算値)が供給されている。この相対誤差ΔXは露光条件判定手段22へも供給され、本実施例の露光条件判定手段22は、その相対誤差ΔXが所定の時間継続して、所定の許容範囲内に収まったときに図1の照明光学系1に露光を開始させる。
【0048】
そして、加算手段20により得られた相対誤差ΔXが、レチクルステージ駆動系29に供給され、レチクルステージ駆動系29はその相対誤差ΔXが0になるように図1のレチクル側Xステージ3Xを駆動する。なお、本実施例においても、図1の補正動作判定手段19が使用され、ウエハ側Xステージ10Xの位置誤差が所定の許容値以下になってから初めて図5のレチクルステージ駆動系29が動作を開始する。
【0049】
次に、本実施例の露光動作につき説明する。先ず、図1の照明光学系1に露光光ILの照射を中断させた状態で、不図示のレチクル用のアライメント顕微鏡による検出結果に基づいて、レチクルRの位置決めを行い、レチクル側Xステージ3Xを固定し、この状態でレチクル干渉計7Xの計測値を0にリセットする。
次に、露光用のウエハWをウエハ側Yステージ10Y上にロードし、不図示のオフ・アクシス方式のアライメント系により、ウエハ側Yステージ10Y上の基準位置に対するウエハWの位置関係を検出する。これにより、レチクルRのパターンの投影光学系9による投影像の位置(露光位置)と、ウエハWの各ショット領域との位置関係が分かり、ウエハWの各ショット領域をその露光位置に設定するためのウエハ側Xステージ10Xの目標座標が算出される。なお、アライメント系26を用いて、レチクルRとウエハW上の所定のショット領域との位置関係を直接検出し、この検出結果を用いて、レチクルRの初期露光位置、及びウエハW上の各ショット領域を露光位置に設定するためのウエハ側Xステージ10Xの目標座標を算出してもよい。
【0050】
次に、図5の目標位置設定手段16が、減算手段15に対してウエハ側Xステージ10Xの目標座標XWAを設定し、加算手段20にレチクル側Xステージ3Xの目標座標XRA(=0)を設定する。その後、ウエハステージ駆動系28が、ウエハ側Xステージ10XをX方向にステッピング移動させて、図6(a)に示すようにウエハ側Xステージ10XのX座標XW を目標座標XWAに近づける。
【0051】
そして、図6(a)において、ウエハ側Xステージ10XのX座標XW が、目標座標XWAに対して所定の間隔だけ離れた座標XWCに達した時点t4 で、図1のアライメント系26による位置計測を開始する。その後、X座標XW が、目標座標XWAに対して座標XWBに達した時点t5 で、図1の補正動作判定手段19が図5のレチクルステージ駆動系29の動作を開始させる。これ以後の追い込み動作により、図6(b)に示すように、相対誤差ΔXが0に近づいていく。また、実際に2光束干渉方式のアライメント系26がレチクルマーク及びウエハマークの位置のずれ量を正確に検出できるようになるのは、時点t5 から遅れた時点t6 からである。
【0052】
なお、レチクル駆動開始タイミング(t5)は図1のウエハマークWMXがアライメント系26のマーク検出可能範囲内に入ってからである。本実施例では両マークWMX,RMXの位置ずれ量を正確に検出できるようになるのは、2光束によって形成される干渉縞に対してウエハマークWMXがそのピッチPのP/2(±P/4)の幅内に入ってからであるので、ウエハマークが干渉縞に対して±P/4内に入った時点でレチクル駆動を開始することになる。なお、アライメント系26のマーク検出範囲が広い場合には、先の実施例で述べたようにレチクルステージのストローク、マーク検出可能範囲等に応じてレチクル駆動のタイミングを決定すればよい。他の条件は先の実施例と同じである。
【0053】
この場合、図1においてレチクル側Xステージ3Xはウエハ側Xステージ10Xより軽量であり、且つ移動距離が短くて済むため、レチクル側Xステージ3Xの応答速度はウエハ側Xステージ10Xより高い。従って、図6(b)の相対誤差ΔXは、図6(a)のウエハ側Xステージ10XのX座標XW より速く収束する。そして、図5の露光条件判定手段22では、相対誤差ΔXが所定の時間以上、0に対して所定の幅cの範囲内に入っていたときに露光可能と判定する。従って、図6(b)に示すように、時点t7 でこの条件が満たされるため、露光条件判定手段22は図1の照明光学系1に対して露光光ILの照射を所定の露光時間だけ行わせる。これにより、レチクルRのパターンの投影像とウエハWの当該ショット領域との位置ずれ量に対応する相対誤差ΔXが、その所定の幅cより小さい条件で、即ちレチクルRとウエハWとの重ね合わせ誤差がほぼ0の状態で露光が行われる。なお、露光中、ウエハは目標位置に位置決めするように移動され、レチクルは相対誤差ΔXが零になるように移動されるが、例えば露光開始直前にウエハ干渉計14Xの出力をカットし、アライメント系26の出力に基づいてレチクルとウエハとを相対移動するようにしてもよい。
【0054】
これに対して、従来例のように、レチクル側Xステージ3Xを固定した状態で、図6(a)においてウエハ側Xステージ10XのX座標XW が目標座標XWAに対して所定の時間以上、所定の幅c・βの範囲内に入ってから露光を行うものとすると、ウエハ側Xステージ10Xの応答速度が低いと共に、投影倍率βは一般に1より小さく幅c・βが小さくなるため、時点t7 を大幅に過ぎた時点t8 でようやく露光を行うことができるようになる。従って、本実施例によれば、従来例のようにウエハ側のステージのみを駆動する場合に比べて、レチクルRとウエハWとの位置決めを行う際の追い込み動作に要する時間を短縮することができ、露光工程のスループットが向上する。特に、本実施例では、レチクル側Xステージ3Xを駆動しても、最終的にアライメント系26により計測されたレチクルRとウエハWとの相対誤差ΔXを0にするように位置合わせを行っているため、特に重ね合わせ精度を高めることができる利点がある。ところで本実施例では、ウエハマークWMXがアライメント系26の検出可能範囲内に入る前にレチクル駆動を開始してもよい。すなわち、ウエハマークWMXが検出可能範囲に入る前は、先の実施例と同様にレチクル干渉計7Xの出力を用いてレチクルを駆動開始し、検出可能範囲内に入った後は加算手段20に入力する信号をアライメント系26の出力に切り換えるようにしてもよい。
【0055】
なお、本実施例においても、図6(a)においてウエハ側Xステージ10XのX座標XW が目標座標XWAを最初に横切る時点t10から、レチクルステージ駆動系29の動作を開始させて、レチクル側Xステージ3Xを駆動するようにしてもよい。これにより、位置決め時間を更に短縮できる場合がある。
なお、上述実施例はステッパに対して本発明を適用したものであるが、本発明はプロキシミティ露光方式のように投影光学系を使用しない露光装置にも同様に適用できる。また、ステッパのように投影光学系を使用する投影露光装置に本発明を適用した場合、その投影光学系の投影倍率は例えば等倍でもよい。この場合でも、レチクル側のステージの応答性が速いことから、露光工程のスループットが向上する。なお、以上の各実施例では、露光中ウエハは目標位置に向けて移動され、レチクルは相対誤差ΔXが零となるように移動される。このため、1つのショット領域の露光終了後すなわち次ショットの露光直前では、レチクルはウエハの位置決め目標位置に対応した位置に位置決めされており、その位置を基準として次ショットを露光するために前述と同様の動作でレチクル駆動が開始されることになる。このとき、次ショットを露光するためにウエハステージをステッピングさせると同時に、換言すれば前述のレチクル駆動開始前に更にスループットを向上させるために、予め投影光学系のイメージフィールド内でレチクルを移動しておくようにしてもよい。すなわち、例えば図1においてウエハWのステッピング方向を+X方向とすると、レチクルRをステッピング方向に沿った方向に原点から+X方向にR1 又は−X方向にR2 だけシフトさせておく。これにより、レチクルRを駆動して相対誤差ΔXが所定値c以下に収束するまでの時間を短縮することができる。
【0056】
このように、本発明は上述実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0057】
【発明の効果】
本発明の第1の露光装置によれば、基板ステージの位置決め誤差に応じてマスクステージ側をも移動させるようにしているため、基板の所定の露光領域の位置決め動作を開始した後、マスクのパターンをその露光領域に露光する露光動作に入るまでの時間が短縮できるため、露光工程のスループットを向上できる利点がある。
【0058】
また、本発明を投影露光装置に適用した場合、一般に投影露光装置のマスクから基板への投影倍率は1より小さく(例えば1/5等)、基板上で要求される位置決め精度に対してマスク上で要求される位置決め精度は粗くてよい。従って、マスクステージ側を移動させることにより、位置決めの追い込み動作に要する時間を更に短縮できる。逆に、マスクステージ側での位置決め精度を基板側で要求される位置決め精度程度にした場合には、従来よりも位置決め時間を短縮した上に位置決め精度(重ね合わせ精度)を向上することができる。
【0059】
更に、露光中もマスクステージによる補正動作を行うことにより、外乱により露光装置全体が揺動して基板ステージが位置ずれを起こしたような場合にも、基板上の当該露光領域とマスクパターンとの重ね合わせ精度を高精度に維持できる利点がある。
次に、本発明の第2の露光装置によれば、アライメント手段により検出された位置ずれ量に応じて、マスクステージ側をも移動させるようにしているため、基板の所定の露光領域の位置決め動作を開始した後、マスクのパターンをその露光領域に露光する露光動作に入るまでの時間が短縮できるため、露光工程のスループットを向上できる利点がある。
【0060】
また、本発明の第3の露光装置によれば、基板ステージ誤差量が最初に0を横切ってからマスクステージを駆動するようにしているので、マスクステージの可動範囲が狭くなりマスクステージの構成が簡易化できると共に、マスクステージの制御が容易になるという利点がある。更に、露光までの時間を短縮できるという利点がある。
【0061】
また、本発明の露光方法によれば、マスクステージの可動範囲を狭くできるのでマスクステージの構成を簡単にできると共にマスクステージの制御が容易になるという利点がある。更に本発明の露光方法によれば、基板ステージ及びマスクステージの移動中に露光を行うので露光動作に入るまでの時間が短縮できる。従って、露光工程のスループットを向上することができると共に、マスクと基板との重ね合わせ精度が常に高い状態で露光できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による露光装置の一実施例の概略構成を示す構成図である。
【図2】その実施例でレチクル側Xステージ3Xを移動させる場合の動作を示す機能ブロック図ある。
【図3】その実施例で位置決め動作を行う場合のウエハ側Xステージ10Xの速度特性の一例を示す図である。
【図4】その実施例で、位置決め動作を行う場合のウエハ側Xステージ10XのX座標、レチクル側Xステージ3XのX座標、及び相対誤差の変化の一例を示す図である。
【図5】本発明の他の実施例でレチクル側Xステージ3Xを移動させる場合の動作を示す機能ブロック図である。
【図6】図5の実施例で位置決め動作を行う場合のウエハ側Xステージ10XのX座標、及び相対誤差の変化の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 照明光学系
2 ダイクロイックミラー
R レチクル
3X レチクル側Xステージ
4 レチクルベース
5X 駆動モータ
7X レチクル干渉計
8 主制御系
9 投影光学系
10X ウエハ側Xステージ
11 ウエハベース
12X 駆動モータ
14X ウエハ干渉計
16 目標位置設定手段
18 ウエハステージ駆動手段
19 補正動作判定手段
22 露光条件判定手段
23 レチクルステージ駆動手段
26 TTR方式のアライメント系
28 ウエハステージ駆動系
29 レチクルステージ駆動系
Claims (9)
- 転写用のパターンが形成されたマスクを保持するマスクステージと、前記転写用のパターンが露光される基板を保持して2次元平面内で移動する基板ステージとを有し、該基板ステージを駆動して前記基板上の各露光領域を前記転写用のパターンの露光位置に位置決めすることにより、前記基板上の各露光領域にそれぞれ前記転写用のパターンを露光する露光装置において、
前記マスクステージを前記基板ステージが移動する方向に沿って移動自在に構成し、
前記基板ステージの位置を検出する基板ステージ側位置検出手段と、
前記マスクステージの位置を検出するマスクステージ側位置検出手段と、
前記基板の各露光領域を露光位置に設定するように前記基板ステージを目標位置に駆動する第1の駆動手段と、
前記基板ステージの目標位置と前記基板ステージ側位置検出手段により計測された位置との差分である基板ステージ誤差量を、前記マスクステージの初期目標位置と前記マスクステージ側位置検出手段により計測された位置との差分に加算して前記マスクステージの目標位置を求め、前記基板ステージの移動中に前記基板ステージ誤差量が前記マスクステージの可動範囲に入った際に該目標位置に前記マスクステージを駆動する第2の駆動手段と、
前記基板ステージ及び前記マスクステージの移動中に前記マスクステージの目標位置と前記マスクステージ側位置検出手段により計測された位置との差分が所定時間連続して所定の許容値以下になったときに前記転写用のパターンを前記基板上に露光する制御手段と、を備えたことを特徴とする露光装置。 - 転写用のパターンが形成されたマスクを保持するマスクステージと、前記転写用のパターンが露光される基板を保持して2次元平面内で移動する基板ステージとを有し、該基板ステージを駆動して前記基板上の各露光領域を前記転写用のパターンの露光位置に位置決めすることにより、前記基板上の各露光領域にそれぞれ前記転写用のパターンを露光する露光装置において、
前記マスクステージを前記基板ステージが移動する方向に沿って移動自在に構成し、
前記基板ステージの位置を検出する基板ステージ側位置検出手段と、
前記基板の各露光領域を露光位置に設定するように前記基板ステージを目標位置に駆動する第1の駆動手段と、
前記転写用のパターンと前記基板上の各露光領域との位置ずれ量を検出するアライメント手段と、
前記基板ステージの移動中に前記位置ずれ量が前記マスクステージの可動範囲に入った際に前記アライメント手段により検出される位置ずれ量を小さくするように前記マスクステージを駆動する第2の駆動手段と、
前記基板ステージ及び前記マスクステージの移動中に前記アライメント手段により検出される位置ずれ量が前記パターンの最小線幅又は前記パターンの配列精度に応じて決定された許容値以下になったときに前記転写用のパターンを前記基板上に露光する制御手段と、を備えたことを特徴とする露光装置。 - 前記マスクステージは前記基板ステージよりも軽量であることを特徴とする請求項1又は2記載の露光装置。
- 転写用のパターンが形成されたマスクを保持するマスクステージと、前記転写用のパターンが露光される基板を保持して2次元平面内で移動する基板ステージとを有し、該基板ステージを駆動して前記基板上の各露光領域を前記転写用のパターンの露光位置に位置決めすることにより、前記基板上の各露光領域にそれぞれ前記転写用のパターンを露光する露光装置において、
前記マスクステージを前記基板ステージが移動する方向に沿って移動自在に構成し、
前記基板ステージの位置を検出する基板ステージ側位置検出手段と、
前記マスクステージの位置を検出するマスクステージ側位置検出手段と、
前記基板の各露光領域を露光位置に設定するように前記基板ステージを目標位置に駆動する第1の駆動手段と、
前記基板ステージの目標位置と前記基板ステージ側位置検出手段により計測された位置との差分である基板ステージ誤差量が最初に0を横切った後の前記基板ステージ誤差量を、前記マスクステージの初期目標位置と前記マスクステージ側位置検出手段により計測された位置との差分に加算して前記マスクステージの目標位置を求め、前記目標位置に前記マスクステージを駆動する第2の駆動手段と、
前記マスクステージの目標位置と前記マスクステージ側位置検出手段により計測された位置との差分が所定時間連続して所定の許容値以下になったときに前記転写用のパターンを前記基板上に露光する制御手段と、を備えたことを特徴とする露光装置。 - 前記制御手段は、前記パターンの最小線幅と前記パターンの配列精度との何れか一方に基づいて前記所定の許容値を決定することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- マスクステージに保持されたマスクのパターンと基板ステージに保持された基板との位置関係を調整して、前記マスクのパターンを前記基板に露光する露光方法において、
前記基板の露光対象となっている露光領域を露光するために、前記基板ステージを移動させるステップと、
前記マスクのパターンと前記基板の露光対象となっている露光領域とのずれ量を検出するステップと、
前記基板ステージの移動中に前記ずれ量が前記マスクステージの可動範囲に入った際に前記検出されたずれ量が小さくなるように前記マスクステージを移動させるステップと、
前記基板ステージ及び前記マスクステージの移動中に前記ずれ量が前記パターンの最小線幅又は前記パターンの配列精度に応じて決定された許容値以下になった際に前記パターンを前記基板に露光するステップと、を含むことを特徴とする露光方法。 - 前記露光するステップは、前記ずれ量が所定時間連続して前記許容値以下になった際に実行されることを特徴とする請求項6記載の露光方法。
- 前記マスクのパターンと前記基板の露光対象となっている露光領域とのずれ量を検出するステップは、前記マスクの回転角と前記基板の回転角との差を検出するステップを含むことを特徴とする請求項6又は7記載の露光方法。
- 前記マスクと前記基板との間には投影光学系が設けられており、
前記ずれ量に応じて前記投影光学系を調整するステップを更に含むことを特徴とする請求項6、7、又は8に記載の露光方法。
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