JP3635345B2 - 縮合インダン化合物又はその塩 - Google Patents
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- Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な縮合インダン化合物又はその塩に関する。本発明の化合物は優れた抗腫瘍活性を有し、抗腫瘍剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、本発明化合物と同様な骨格を有する11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン誘導体としては、例えばJ.Heterocyclic Chem.,9 1133−5(1972)、Zh.Org.Khim.,18 640−52(1982)等に記載された化合物が知られているが、本発明化合物のB環における置換基が異なり、更に抗腫瘍作用については何等記載もないばかりか、薬理作用に関する記載も全くない。本願化合物の10位に置換基を有する化合物として、Pol.J.Chem.,55 121−128(1981)、Pol.J.Pharmacol.Pharm.,35 327−332(1983)、同誌,35 523−530(1983)、同誌,38 221−227(1986)に記載された化合物が知られている。具体的には、これら文献中には10位に置換基を有してもよい低級アルキルアミノ基、フェニルアミノ基等が置換した化合物が記載されてはいるが、その薬理作用は抗炎症作用並びに鎮痛作用であり、抗腫瘍作用については何等報告も記載もない。従って、本発明の縮合インダン化合物が抗腫瘍作用を有することは未だ知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は優れた抗腫瘍活性を有し、腫瘍の治療薬として有用な化合物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、縮合インダン化合物が優れた抗腫瘍作用を示し、抗腫瘍剤として有用なものであることを見いだし、本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0006】
【化3】
【0007】
(式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環又は低級アルキレンジオキシ基を有するベンゼン環を示し、B環は下記(a)〜(c)で表されるいずれかの環を示す。
【0008】
【化4】
【0009】
(Rは−NR1R2基、又は置換基を有していてもよい含窒素複素環基を示す。ここでR1及びR2は同一又は相異なってフェニル基;置換基を有していてもよい含窒素複素環基;又は置換されていてもよいアミノ基、低級アルコキシ基、フェニル基、含窒素複素環基もしくは水酸基で置換されていてもよい低級アルキル基を示す。R'は水素原子;置換基を有していてもよい含窒素複素環基;又は置換されていてもよいアミノ基、低級アルコキシ基、フェニル基、含窒素複素環基もしくは水酸基で置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)で表される縮合インダン化合物又はその塩に係る。
【0010】
上記一般式(1)中、R1、R2及びR’で定義される各基及びその他の本明細書に記載の各基は、より具体的にはそれぞれ次の通りである。
【0011】
A環で示されるベンゼン環が有する置換基としては、例えばハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、低級アシルオキシ基、ベンジルオキシ基、低級アシルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくはハロゲン原子が挙げられる。
【0012】
かかる置換基はA環のいずれの位置に置換してもよくかつ1〜4個置換してもよいが、中でも好ましい位置としては2位及び/又は3位である。又、好ましい置換基の数は0〜2個である。
【0013】
なお、インデノ〔1,2−b〕キノリン環の構造及びその置換位置は、下記表1に示される。
【0014】
低級アルキレンジオキシ基としては、例えばメチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリメチレンジオキシ、テトラメチレンジオキシ基の炭素数1〜4のアルキレンジオキシ基が挙げられる。かかる置換基の位置は、インデノ〔1,2−b〕キノリン環の1,2−置換体又は2,3−置換体であるのが好ましい。
【0015】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0016】
低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、へキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられる。
【0017】
低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、へキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルコキシ基が挙げられる。
【0018】
低級アシルオキシ基としては、例えばホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、2−メチルプロピオニルオキシ、ピバロイルオキシ、ペンタノイルオキシ、3−メチルブチリルオキシ、へキサノイルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアシルオキシ基が挙げられる。
【0019】
低級アシルアミノ基としては、例えばホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、2−メチルプロピオニルアミノ、ピバロイルアミノ、ペンタノイルアミノ、3−メチルブチリルアミノ、へキサノイルアミノ基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアシルアミノ基が挙げられる。
【0020】
低級アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、へキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7の直鎖状又は分枝状のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0021】
R、R1、R2及びR’で示される含窒素複素環基が有する置換基としては、例えば低級アルキル基、水酸基を有する低級アルキル基、フェニル基、含窒素複素環基等が挙げられ、好ましくは含窒素複素環基、特に好ましくはピペラジノ基が挙げられる。
【0022】
R1、R2及びR’で示される「置換されていてもよいアミノ基」の置換基としては、例えば低級アルキル基、低級シクロアルキル基、ジ低級アルキルアミノアルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ベンジルオキシカルボニル基、低級アシル基等が挙げられ、好ましくは低級アルキル基、ジ低級アルキルアミノアルキル基が挙げられ、モノ置換又はジ置換のいずれでもよい。
【0023】
置換アミノ基を有する低級アルキル基としては、例えばメチルアミノメチル、エチルアミノメチル、メチルアミノエチル、エチルアミノエチル、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノメチル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、ジエチルアミノブチル、ジエチルアミノペンタ−2−イル、ジプロピルアミノエチル、ジブチルアミノエチル、ジブチルアミノヘキシル基等のアルキル部分がいずれも炭素数1〜6であ
るモノ又はジアルキルアミノアルキル基、N−ジメチルアミノエチル−N−メチルアミノエチル基、アセチルアミノエチル、アセチルアミノプロピル、プロピオニルアミノエチル、プロピオニルアミノプロピル、ピバロイルアミノエチル、ピバロイルアミノプロピル基等の炭素数2〜6のアシルアミノ基が置換したアルキル基、シクロプロピルアミノメチル、シクロペンチルアミノメチル、シクロペンチルアミノエチル、シクロヘキシルアミノメチル、シクロヘキシルアミノエチル基等の炭素数3〜6のシクロアルキルアミノ基が置換したアルキル基、ヒドロキシメチルアミノメチル、2−ヒドロキシエチルアミノメチル、3−ヒドロキシプロピルアミノメチル、ヒドロキシメチルアミノエチル、2−ヒドロキシエチルアミノエチル、3−ヒドロキシプロピルアミノエチル、4−ヒドロキシブチルアミノエチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアミノ基が置換したアルキル基、ベンジルオキシカルボニルアミノメチル、ベンジルオキシカルボニルアミノエチル、N−ベンジルオキシカルボニル−N−メチルアミノエチル基等のベンジルオキシカルボニルアミノ基が置換したアルキル基等が挙げられる。
【0024】
低級アルコキシ基を有する低級アルキル基としては、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシプロピル基等の炭素数1〜6のアルコキシ基が置換した炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられる。
【0025】
フェニル基を有する低級アルキル基としては、例えばベンジル、フェネチル、2−フェネチル、フェニルプロピル、ベンズヒドリル、トリチル基等のフェニル基を1〜3個含む炭素数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられる。
【0026】
R、R1、R2及びR’で示される含窒素複素環基としては、窒素原子を1〜4個有し、酸素原子又は硫黄原子を0又は1個有する5乃至6員の単環式複素環基が好ましく、例えばピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、オキサトリアゾリル、チアトリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ビラゾリニル、ピペリジル、ピペリジノ、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ基等が挙げられ、好ましくは窒素原子を1〜3個、酸素原子を0又は1個有する5乃至6員の単環式複素環基であり、特にピリジル、ピロリジニル、ピペリジル、ピペリジノ、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ基が、更に好ましくはピペリジノ、ピペラジニル基が挙げられる。
【0027】
置換基を有する含窒素複素環基としては、例えば4−メチルピペラジニル、4−エチルピペラジニル、4−フェニルピペラジニル、4−ヒドロキシエチルピペラジニル、4−メチルピペリジノ、4−エチルピペリジノ、4−ピペリジノピペリジノ基等が挙げられ、好ましくは4−フェニルピペラジニル、4−ヒドロキシエチルピペラジニル、4−ピペリジノピペリジノ基等が挙げられる。
【0028】
R1、R2及びR’で示される含窒素複素環基を有する低級アルキル基としては、例えば2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、2−ピリジルエチル、3−ピリジルエチル、4−ピリジルエチル、ピロリジニルメチル、ピロリジニルエチル、ピペリジノメチル、ピペリジノエチル、ピペラジニルメチル、ピペラジニルエチル、モルホリノメチル、モルホリノエチル基等の含窒素複素環基を含む炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられ、好ましくはピロリジニルメチル、ピロリジニルエチル基が挙げられる。
【0029】
水酸基を有する低級アルキル基としては、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、2,3−ジヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、2,3−ジヒドロキシヘキシル基等の水酸基を1個又は2個含む炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられる。
【0030】
本発明化合物の塩としては、薬学的に許容される塩であれば特に制限はなく、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸等との塩が挙げられる。
【0031】
上記一般式(1)の化合物において、A環が無置換又は1〜2個のハロゲン原子で置換されたベンゼン環、低級アルキレンジオキシ基を有するベンゼン環であるのが好ましく、無置換ベンゼン環であるのがより好ましい。
【0032】
B環は、(a)で表される環であるのが好ましい。
【0033】
Rは−NR1R2基、低級アルキル基で置換されたピペラジニル基であるのが好ましく、−NR1R2基であるのがより好ましい。
【0034】
R1及びR2は同一又は相異なって水素原子又はジ低級アルキル置換アミノ基もしくは含窒素複素環基で置換されていてもよい低級アルキル基であるのが好ましく、水素原子又はジ低級アルキル置換アミノ基で置換された低級アルキル基であるのがより好ましく、特にR1がジメチルアミノ基で置換された低級アルキル基で、R2が水素原子であるのが好ましい。
【0035】
本発明の好ましい化合物は、一般式(1)においてA環が無置換又は1〜2個のハロゲン原子で置換されたベンゼン環、低級アルキレンジオキシ基を有するベンゼン環、B環が(a)で表される環、Rが−NR1R2基(ここでR1及びR2は同一又は相異なって水素原子又はジ低級アルキル置換アミノ基もしくは含窒素複素環基で置換されていてもよい低級アルキル基である)、低級アルキル基で置換されたピペラジニル基である化合物である。
【0036】
又さらに好ましい化合物は、一般式(1)においてA環が無置換ベンゼン環、B環が(a)で表される環、Rが−NR1R2基(ここでR1及びR2は同一又は相異なって水素原子又はジ低級アルキル置換アミノ基で置換された低級アルキル基であり、特にR1がジメチルアミノ基で置換された低級アルキル基で、R2が水素原子である)である化合物である。
【0037】
一般式(1)で表される本発明化合物は、例えば下記反応工程式1に従い製造することができる。
【0038】
<反応工程式1>
【0039】
【化5】
【0040】
(式中、A環、B環は前記に同じ。B’環は下記(a’)又は(b’)で表される環を示す。)
【0041】
【化6】
【0042】
〔A工程〕
一般式(2)で表されるヒドロキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン誘導体とRHで表されるアミン(NH(R1)(R2)もしくは置換基を有してもよい含窒素複素環化合物)又はNH2R’で表されるアミンとホルムアルデヒドを適当な溶媒中でマンニッヒ反応を行うことにより一般式(1)で表される本発明化合物を得ることができる。
【0043】
溶媒としては例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、水等が例示でき、これらを単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
【0044】
反応の割合は一般式(2)の化合物に対し、アミンを0.1〜10倍モル量、好ましくは1.0〜1.5倍モル量使用するのがよく、ホルムアルデヒドを0.1〜20倍モル量、好ましくは1.0〜3.0倍モル量使用するのがよい。反応温度は0〜100℃、好ましくは10〜50℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜50時間で反応は有利に進行する。
【0045】
反応工程式1で得た一般式(1)の化合物中、A環に低級アルコキシ基又はべンジルオキシ基を置換基として有する場合は、必要によりこれを例えば無溶媒あるいは適当な溶媒中で臭化水素酸、ヨウ化水素酸、塩酸、硫酸等と反応させることにより、水酸基に変換することもできる。溶媒としては例えば酢酸、水等が例示でき、これらを単独で又は2種以上混合して使用してもよい。反応の割合は低級アルコキシ基又はベンジルオキシ基に対し、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、塩酸、硫酸等を1〜1000倍量(v/w)、好ましくは5〜100倍量(v/w)使用するのがよい。反応温度は0〜200℃、好ましくは50〜150℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは0.5〜60時間で反応は有利に進行する。
【0046】
反応工程式1で得た一般式(1)の化合物中、A環に水酸基を置換基として有する場合は、必要によりこれをアルキル化、ベンジル化又はアシル化することにより、それぞれアルコキシ基、ベンジルオキシ基又はアシルオキシ基に変換することもできる。アルキル化反応又はベンジル化反応は適当な溶媒中、塩基の存在下、アルキル化剤又はベンジル化剤と反応させることにより行われる。溶媒としては例えばジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトン等が例示できる。塩基としては例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム等が例示できる。アルキル化剤としては例えば置換基を有していてもよいアルカンのハライド、硫酸エステル又はスルホン酸エステル等が、ベンジル化剤としてはベンジルハライド等が例示できる。反応の割合は水酸基に対し、塩基を1〜5倍モル量、アルキル化剤又はベンジル化剤を1〜5倍モル量使用するのがよい。反応温度は0〜80℃であり、反応時間は0.1〜24時間、好ましくは0.5〜10時間で反応は有利に進行する。
【0047】
アシル化反応は所望のカルボン酸又はその反応性誘導体を反応させることにより行われる。反応性誘導体を用いる場合、本反応はその種類、原料フェノール性誘導体の種類によって異なるが、適当な溶媒中で行われ、反応促進のため適宜の塩基を加えることもできる。かかる反応性誘導体としては例えば酸無水物、混合酸無水物、酸ハライド等が挙げられる。溶媒としては例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ピリジン等が例示できる。塩基としては例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等が例示できる。反応の割合は水酸基に対し、塩基を1〜5倍モル量、アシル化剤を1〜5倍モル量使用するのがよい。反応温度は0〜50℃であり、反応時間は0.1〜24時間、好ましくは0.5〜3時間で反応は有利に進行する。
【0048】
又、上記反応により得られた本発明化合物はこれを適当な溶媒中、前記有機酸又は無機酸と反応させる等の従来公知の方法により、塩の形態とすることができる。溶媒としては例えば水、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等が例示できる。反応温度は0〜50℃で行われるのがよい。
【0049】
反応工程式1で原料として用いられる一般式(2)で表されるヒドロキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン誘導体は例えばJ.Heterocyclic Chem.,28 1245−55(1991)に記戟の方法により製造しうるが、例えばJ.Heterocyclic Chem.,9 1133−5(1972)に記載の方法及び下記反応工程式2に従い製造することもできる。
【0050】
<反応工程式2>
【0051】
【化7】
【0052】
(式中、A環、B環及びB’環は前記に同し。B''環は下記(a'')又は(b'')で表される環を示し、Zは水素原子、メチル基又はべンジル基を示す。)
【0053】
【化8】
【0054】
〔B工程〕
一般式(3)と一般式(4)で表される化合物を通常適当な溶媒中、酸あるいは塩基性の化合物を添加して縮合することにより一般式(5)で表される化合物が製造される。
【0055】
溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、トルエン、ベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、水等が例示でき、これらを単独で又は2種以上混合して使用してもよい。酸としては例えば無水酢酸、酢酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、p−トルエンスルホン酸、ポリリン酸等が例示でき、塩基性化合物としては例えばピペリジン、ピロリジン、トリエチルアミン、酢酸ナトリウム、t−ブトキシカリウム等が例示できる。
【0056】
反応の割合は一般式(3)の化合物に対し、一般式(4)の化合物を0.1〜10倍モル量、好ましくは0.5〜2倍モル量使用するのがよく、酸あるいは塩基性化合物を0.01〜10倍モル量、好ましくは0.01〜1倍モル量使用するのがよい。反応温度は0〜200℃、好ましくは0〜150℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは0.5〜50時間で反応は有利に進行する。
【0057】
〔C工程〕
B工程で得られた一般式(5)で表される化合物を適当な溶媒中、還元・環化することにより一般式(2)あるいは(6)で表される化合物が製造される。
【0058】
溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、水等が例示でき、これらを単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
【0059】
還元・環化反応としては公知の二トロ基をアミノ基に変換する還元反応を行うことにより一度に環化反応まで進行する。還元反応としては例えばヒドロサルファイトナトリウム、塩化スズ、鉄粉、ラネーニッケル、パラジウム炭素等による方法が例示でき、好ましくは塩化スズを使用する方法がよい。又、必要に応じてプロトンソースを添加することができ、プロトンソースとしては例えば塩酸、ギ酸、酢酸等の酸類、水等が例示できる。
【0060】
反応の割合は一般式(5)の化合物に対し、還元剤を0.01〜10倍モル量使用するのがよい。反応温度は0〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは0.1〜25時間で反応は有利に進行する。
【0061】
〔D工程〕
C工程で得られた一般式(6)で表される化合物を無溶媒あるいは適当な溶媒中で、脱メチル化あるいは脱ベンジル化することにより一般式(2)で表される化合物が製造される。
【0062】
溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、トルエン、ベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸、水等が例示でき、これらを単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
【0063】
脱保護法としては、公知慣用の方法でよく、例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸、塩化ピリジニウム、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素等の脱保護試薬を利用する方法が例示できる。
【0064】
反応の割合は一般式(6)の化合物に対し、脱保護試薬を1〜1000倍量(v/w)、好ましくは5〜100倍量(v/w)使用するのがよく、反応温度は0〜250℃、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは0.5〜50時間で反応は有利に進行する。
【0065】
上記方法により得られる本発明化合物及び各化合物は、通常公知の分離精製手段、例えば濃縮、溶媒抽出、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等を用いることにより単離精製可能である。
【0066】
【実施例】
以下に参考例、実施例及び薬理試験例を示し、本発明を更に詳しく説明する。
参考例1
2−(5−メトキシ−2−ニトロベンジリデン)−インダン−1,3−ジオンの合成
5−メトキシ−2−ニトロベンズアルデヒド1.80g(10.0mmol)、1,3−インダンジオン1.50g(10.2mmol)、硫酸0.5ml、酢酸20mlの混合物を12時間室温で攪拌した。反応後、反応液に精製水50mlを加え、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を酢酸から再結晶することにより標記化合物2.97g(収率93.6%)を得た。
【0067】
融点:203〜205℃
1H‐NMR(DMS0-d6)δ:
8.28(1H, d, J=9Hz), 8.24(1H, s), 8.09-7.94(4H, m), 7.47(1H, d, J=3Hz),7.27(1H, d-d, J=9, 3Hz), 3.91(3H, s)
IR(KBr)cm-1:
1698, 1575, 1509, 1324, 1298, 1258, 1246, 1233, 736
参考例2
8−メトキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オンの合成
参考例1で得た2−(5−メトキシ−2−ニトロベンジリデン)−インダン−1,3−ジオン3.7g(0.012mol)、塩化第一スズ二水和物11.2g(0.050mol)、塩酸55mlの混合物を12時間室温で攪拌した。反応後、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を精製水で洗浄した後、80%ジメチルホルムアミド水溶液から再結晶することにより、標記化合物3.0g(収率96.0%)を得た。
【0068】
融点:213〜215℃
1H‐NMR(CDCl3)δ:
8.26(1H, s), 8.04(1H, d-d, J=7, 1Hz), 8.01(1H, d, J=9Hz), 7.80(1H, d-d, J=8, 1Hz), 7.66(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.48(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.40(1H, d-d, J=9, 3Hz), 7.15(1H, d, J=3Hz),3.95(3H, s)
IR(KBr)cm-1:
3060, 1714, 1625, 1513, 1360, 1241, 827, 728
参考例3
8−ヒドロキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オンの合成
参考例2で得た8−メトキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン26g(0.1mol)、ピリジン200ml(2.5mol)と塩酸206mlから調製した塩化ピリジニウムの混合物を250℃で2時間反応した。放冷後、反応液に精製水300mlを加え、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を精製水で洗浄した後、エタノール−水から再結晶することにより、標記化合物14.7g(収率59.5%)を得た。
【0069】
融点:293〜295℃
1H‐NMR(DMS0-d6)δ:
10.37(1H, brs), 8.47(1H, s), 7.98(1H, d, J=8Hz), 7.94(1H, d, J=9Hz), 7.80-7.75(2H, m), 7.58(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.39(1H, d-d, J=9, 3Hz), 7.35(1H, d, J=3Hz)
IR(KBr)cm-1:
3510, 1713, 1625, 1378, 1240, 728
参考例4
参考例1〜3及びJ.Heterocyclic Chem.,28 1245(1991)の方法を利用し、以下の化合物を合成した。
【0070】
・2,3−ジクロロ−8−ヒドロキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン
融点:300℃〈
1H‐NMR(DMS0-d6)δ:
8.53(1H, s), 8.13(1H, s), 7.98(1H, s), 7.93(1H, d, J=9Hz), 7.42(1H, d-d, J=9, 3Hz), 7.36(lH, d, J=3Hz)
IR(KBr)cm-1:
3200, 1726, 1635, 1621, 1525, 1321, 1255, 1233
・3−ヒドロキシ−8H−ベンゾ〔h〕インデノ〔1,2−b〕キノリン−8−オン
融点:298℃<(分解)
1H‐NMR(CDCl3)δ:
9.34(1H, d, J=9Hz), 8.34(1H, s), 8.14(1H, d, J=8Hz), 7.81(1H, d, J=8Hz), 7.71-7.66(4H, m), 7.50(1H, d-d, J=7, 7Hz), 7.33(1H, d-d, J=9, 3Hz)
IR(KBr)cm-1:
3380, 1702, 1612, 1586, 1388, 1305, 1152, 738
実施例1
8−ヒドロキシ−9−〔(4−ピペリジノピペリジノ)メチル〕−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン・2塩酸塩(化合物1)の合成
参考例3で得た8−ヒドロキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン1.24g(5.0mmol)、ピペリジノピペリジン1.8g(11.3mmol)、37%ホルムアルデヒド溶液1ml、酢酸10ml、エタノール10mlの混合物を室温で7日間攪拌した。反応後、溶媒を留去し、残渣に水を加え、更にアンモニア水を加えて中和した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、留去した。得られた残渣をトルエン/リグロインから結晶化し濾取した。得られた結晶をメタノール/テトラヒドロフランの混液30mlに溶解し、4N−塩酸/ジオキサン6mlを加えた。減圧下濃縮後、得られた残渣をエタノールより結晶化し、標記化合物2.14g(収率85.3%)を得た。物性値を表1に示す。
【0071】
実施例2
4−〔(ジメチルアミノ)メチル〕−3−ヒドロキシ−8H−ベンゾ〔h〕インデノ〔1,2−b〕キノリン−8−オン(化合物5)の合成
参考例4で得た3−ヒドロキシ−8H−ベンゾ〔h〕インデノ〔1,2−b〕キノリン−8−オン2.0g(6.7mmol)、50%ジメチルアミン水溶液4.0ml(34.0mmol)、37%ホルムアルデヒド溶液2.6ml(34.6mmol)、酢酸4.0ml、エタノール40mlの混合物を55℃で4時間加熱攪拌した。反応後、反応液をアンモニア水で中和し、水を加え、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;メタノール:クロロホルム=1:9(v/v))により精製し、アセトンから結晶化し、標記化合物170mg(収率7.1%)を得た。物性値を表2に示す。
【0072】
実施例3
1,3−ジヒドロ−2,12H−2−(1−ブチル)−インデノ〔1,2−b〕オキサジノ〔4,5−f〕キノリン−12−オン(化合物7)の合成
参考例3で得た8−ヒドロキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン1.0g(4.0mmol)、37%ホルムアルデヒド溶液8.0ml、n−ブチルアミン2.88g(38.3mmol)、酢酸75ml、エタノール75mlの混合物を室温で6時間攪拌した。反応後、溶媒を留去し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム)により精製し、エタノールから結晶化し、標記化合物0.88g(収率63.8%)を得た。物性値を表3に示す。
【0073】
実施例4〜8
実施例1〜3と同様にして対応する原料より表1に示す化合物2〜4、表2に示す化合物6、表3に示す化合物8を合成した。
【0074】
表 1
【0075】
【化9】
【0076】
化合物1
【0077】
【化10】
【0078】
Ra=H
収率:85.3%
融点:233〜235℃(分解)
1H‐NMR(D2O)δ:
8.08(1H, s), 7.58(1H, d-d, J=7, 7Hz), 7.47-7.37(3H, m), 7.29(1H, d, J=7Hz), 7.19(1H, d, J=9Hz), 4.39(2H, s), 3.71-1.50(19H, m)
IR(KBr)cm-1:
3450, 2930, 2640, 2550, 1733, 1627, 1518, 1290, 1270, 738
化合物2
R=−N(CH3)2
Ra=H
融点:209〜213℃(分解)
1H‐NMR(CDCl3)δ:
8.44(1H, d, J=1Hz), 8.03(1H, d-d-d, J=8, 1, 1Hz), 7.96(1H, d-d, J=9, 1Hz), 7.80(1H, d-d-d, J=8, 1, 1Hz), 7.66(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.47(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.35(1H, d, J=9Hz), 4.11(2H, s), 2.44(6H, s) IR(KBr)cm-1:
2790, 1702, 1621, 1524, 1408, 1279, 1236,1179, 902, 837, 739
化合物2−a
R=−N(CH3)2・HCl
Ra=H
融点:>299℃
化合物3
R=−NHCH2CH2N(CH3)2
Ra=H
融点:158〜162℃
1H‐NMR(CDCl3)δ:
8.42(1H, d, J=1Hz), 8.02(1H, d-d, J=8, 1Hz), 7.93(1H, d-d, J=9, 1Hz), 7.78(1H, d-d-d, J=8, 1, 1Hz), 7.65(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.46(1H, d-d-d, J=8, 7, 1Hz), 7.32(1H, d, J=9Hz), 4.45(2H, s), 2.83-2.52(4H, m), 2.27(6H, s)
IR(KBr)cm-1:
2820, 2770, 1720, 1620, 1504, 1326, 1254, 831, 730
化合物3−a
R=−NHCH2CH2N(CH3)2・2HCl
Ra=H
融点=255〜258℃(分解)
化合物4
【0079】
【化11】
【0080】
Ra=H
融点:183〜185℃(分解)
1H‐NMR(DMS0-d6)δ:
11.47(1H, s), 10.00(1H, brs), 8.99(1H, s), 8.13(1H, d, J=9Hz), 8.03(1H, d, J=8Hz), 7.84(1H, d, J=7Hz), 7.81(1H, d-d, J=7, 7Hz), 7.75(1H, d, J=9Hz), 7.62(1H, d-d-d, J=8, 7, 1Hz), 7.27(1H, d, J=7Hz), 7.24(1H, d, J=7Hz), 6.99(2H, d, J=8Hz), 6.86(1H, d-d, J=7, 7Hz),4.85(2H, s), 3.85-3.01(8H, m)
IR(KBr)cm-1:
3070, 2580, 1731, 1646, 1532, 1269
表 2
【0081】
【化12】
【0082】
化合物5
R=−N(CH3)2
Ra=H
収率:7.1%
融点:237〜241℃(分解)
1H‐NMR(CDCl3)δ:
9.37(1H, d, J=9Hz), 8.31(1H, s), 8.14(1H, d, J=7Hz), 7.87(1H, d, J=9Hz), 7.80(1H, d, J=7Hz), 7.69(1H, d, J=9Hz), 7.68(1H, d-d-d, J=7, 7, 1Hz), 7.48(1H, d-d-d, J=7, 7, 1Hz), 7.32(1H, d, J=9Hz), 4.18(2H, s), 2.47(6H, s)
IR(KBr)cm-1:
3400, 3000, 2800, 1708, 16l0, 1586, 1530, 1504, 1454, 1418, 1386, 1314, 1286, 1260, 1179, 1030, 1011, 809, 797, 739
化合物5−a
R=−N(CH3)2・2HCl‐H20
Ra=H
融点:>299℃
化合物6
【0083】
【化13】
【0084】
Ra=H
収率:9.0%
融点:238〜242℃(分解)
1H‐NMR(CDCl3)δ:
9.38(1H, d, J=9Hz), 8.33(1H, s), 8.14(1H, d, J=7Hz),
7.87(1H, d, J=9Hz), 7.80(1H, d, J=8Hz), 7.71(1H, d, J=9Hz), 7.69(1H, d−d, J=7, 7Hz), 7.49(1H, d−d, J=7, 7Hz), 7.31(1H, d, J=9Hz), 4.25(2H, s), 3.65(2H, t, J=5Hz), 2.90-2.50(8H, m), 2.63(2H, t, J=5Hz)
IR(KBr)cm-1:
3400, 2700, 17l0, 1626, 1613, 1595, 1424, 1399, 1277, 745
化合物6−a
【0085】
【化14】
【0086】
Ra=H
融点:200〜208℃
表 3
【0087】
【化15】
【0088】
化合物7
Ra=H
Rb=n−C4H9
収率:63.8%
融点:123〜125℃
1H‐NMR(CDCl3)δ:
8.25(1H, d, J=1Hz), 8.03(1H, d, J=7Hz), 7.90(1H, d, J=9Hz), 7.80(1H, d, J=8Hz), 7.67(1H, d-d-d, J=8, 7, 1Hz), 7.48(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.27(1H, d, J=9Hz), 4.96(2H, s), 4.34(2H, s), 2.79(2H, t, J=7Hz),1.64-1.34(4H, m), 0.94(3H, t, J=7Hz)
IR(KBr)cm-1:
2960, 2930, 1714, 1625, 1608, 1517, 1409, 1217, 895, 732
化合物8
Ra=H
Rb=CH3
収率:63.8%
融点:198〜202℃(分解)
1H‐NMR(CDCl3)δ:
8.23(1H, d, J=1Hz), 8.04(1H, d, J=8Hz), 7.92(1H, d, J=9Hz), 7.81(1H, d-d, J=8, 1Hz), 7.67(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.49(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.30(1H, d, J=9Hz), 4.89(2H, s), 4.32(2H, s), 2.68(3H, s)
以下本発明化合物の抗腫瘍効果の試験結果を示し、本発明化合物の有用性を説明する。
【0089】
薬理試験例1 殺細胞作用
p388マウス白血病細胞を2×103cells/wellで96穴プレートに播種した。本発明化合物を精製水あるいはジメチルスルホキシドに溶解させた後、メディウムで種々の濃度に希釈し、各wellに添加し培養した。3日間の接触後、プレートをグルタルアルデヒドにて固定し、クリスタルバイオレット染色法により細胞数を計測した。
【0090】
各化合物の殺細胞作用をコントロールの細胞数を50%減少させる薬剤濃度(IC50)として表した。結果を表4に示す。
【0091】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な縮合インダン化合物又はその塩に関する。本発明の化合物は優れた抗腫瘍活性を有し、抗腫瘍剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、本発明化合物と同様な骨格を有する11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン誘導体としては、例えばJ.Heterocyclic Chem.,9 1133−5(1972)、Zh.Org.Khim.,18 640−52(1982)等に記載された化合物が知られているが、本発明化合物のB環における置換基が異なり、更に抗腫瘍作用については何等記載もないばかりか、薬理作用に関する記載も全くない。本願化合物の10位に置換基を有する化合物として、Pol.J.Chem.,55 121−128(1981)、Pol.J.Pharmacol.Pharm.,35 327−332(1983)、同誌,35 523−530(1983)、同誌,38 221−227(1986)に記載された化合物が知られている。具体的には、これら文献中には10位に置換基を有してもよい低級アルキルアミノ基、フェニルアミノ基等が置換した化合物が記載されてはいるが、その薬理作用は抗炎症作用並びに鎮痛作用であり、抗腫瘍作用については何等報告も記載もない。従って、本発明の縮合インダン化合物が抗腫瘍作用を有することは未だ知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は優れた抗腫瘍活性を有し、腫瘍の治療薬として有用な化合物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、縮合インダン化合物が優れた抗腫瘍作用を示し、抗腫瘍剤として有用なものであることを見いだし、本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0006】
【化3】
【0007】
(式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環又は低級アルキレンジオキシ基を有するベンゼン環を示し、B環は下記(a)〜(c)で表されるいずれかの環を示す。
【0008】
【化4】
【0009】
(Rは−NR1R2基、又は置換基を有していてもよい含窒素複素環基を示す。ここでR1及びR2は同一又は相異なってフェニル基;置換基を有していてもよい含窒素複素環基;又は置換されていてもよいアミノ基、低級アルコキシ基、フェニル基、含窒素複素環基もしくは水酸基で置換されていてもよい低級アルキル基を示す。R'は水素原子;置換基を有していてもよい含窒素複素環基;又は置換されていてもよいアミノ基、低級アルコキシ基、フェニル基、含窒素複素環基もしくは水酸基で置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)で表される縮合インダン化合物又はその塩に係る。
【0010】
上記一般式(1)中、R1、R2及びR’で定義される各基及びその他の本明細書に記載の各基は、より具体的にはそれぞれ次の通りである。
【0011】
A環で示されるベンゼン環が有する置換基としては、例えばハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、低級アシルオキシ基、ベンジルオキシ基、低級アシルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくはハロゲン原子が挙げられる。
【0012】
かかる置換基はA環のいずれの位置に置換してもよくかつ1〜4個置換してもよいが、中でも好ましい位置としては2位及び/又は3位である。又、好ましい置換基の数は0〜2個である。
【0013】
なお、インデノ〔1,2−b〕キノリン環の構造及びその置換位置は、下記表1に示される。
【0014】
低級アルキレンジオキシ基としては、例えばメチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリメチレンジオキシ、テトラメチレンジオキシ基の炭素数1〜4のアルキレンジオキシ基が挙げられる。かかる置換基の位置は、インデノ〔1,2−b〕キノリン環の1,2−置換体又は2,3−置換体であるのが好ましい。
【0015】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0016】
低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、へキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられる。
【0017】
低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、へキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルコキシ基が挙げられる。
【0018】
低級アシルオキシ基としては、例えばホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、2−メチルプロピオニルオキシ、ピバロイルオキシ、ペンタノイルオキシ、3−メチルブチリルオキシ、へキサノイルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアシルオキシ基が挙げられる。
【0019】
低級アシルアミノ基としては、例えばホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、2−メチルプロピオニルアミノ、ピバロイルアミノ、ペンタノイルアミノ、3−メチルブチリルアミノ、へキサノイルアミノ基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアシルアミノ基が挙げられる。
【0020】
低級アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、へキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7の直鎖状又は分枝状のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0021】
R、R1、R2及びR’で示される含窒素複素環基が有する置換基としては、例えば低級アルキル基、水酸基を有する低級アルキル基、フェニル基、含窒素複素環基等が挙げられ、好ましくは含窒素複素環基、特に好ましくはピペラジノ基が挙げられる。
【0022】
R1、R2及びR’で示される「置換されていてもよいアミノ基」の置換基としては、例えば低級アルキル基、低級シクロアルキル基、ジ低級アルキルアミノアルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ベンジルオキシカルボニル基、低級アシル基等が挙げられ、好ましくは低級アルキル基、ジ低級アルキルアミノアルキル基が挙げられ、モノ置換又はジ置換のいずれでもよい。
【0023】
置換アミノ基を有する低級アルキル基としては、例えばメチルアミノメチル、エチルアミノメチル、メチルアミノエチル、エチルアミノエチル、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノメチル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、ジエチルアミノブチル、ジエチルアミノペンタ−2−イル、ジプロピルアミノエチル、ジブチルアミノエチル、ジブチルアミノヘキシル基等のアルキル部分がいずれも炭素数1〜6であ
るモノ又はジアルキルアミノアルキル基、N−ジメチルアミノエチル−N−メチルアミノエチル基、アセチルアミノエチル、アセチルアミノプロピル、プロピオニルアミノエチル、プロピオニルアミノプロピル、ピバロイルアミノエチル、ピバロイルアミノプロピル基等の炭素数2〜6のアシルアミノ基が置換したアルキル基、シクロプロピルアミノメチル、シクロペンチルアミノメチル、シクロペンチルアミノエチル、シクロヘキシルアミノメチル、シクロヘキシルアミノエチル基等の炭素数3〜6のシクロアルキルアミノ基が置換したアルキル基、ヒドロキシメチルアミノメチル、2−ヒドロキシエチルアミノメチル、3−ヒドロキシプロピルアミノメチル、ヒドロキシメチルアミノエチル、2−ヒドロキシエチルアミノエチル、3−ヒドロキシプロピルアミノエチル、4−ヒドロキシブチルアミノエチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアミノ基が置換したアルキル基、ベンジルオキシカルボニルアミノメチル、ベンジルオキシカルボニルアミノエチル、N−ベンジルオキシカルボニル−N−メチルアミノエチル基等のベンジルオキシカルボニルアミノ基が置換したアルキル基等が挙げられる。
【0024】
低級アルコキシ基を有する低級アルキル基としては、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシプロピル基等の炭素数1〜6のアルコキシ基が置換した炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられる。
【0025】
フェニル基を有する低級アルキル基としては、例えばベンジル、フェネチル、2−フェネチル、フェニルプロピル、ベンズヒドリル、トリチル基等のフェニル基を1〜3個含む炭素数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられる。
【0026】
R、R1、R2及びR’で示される含窒素複素環基としては、窒素原子を1〜4個有し、酸素原子又は硫黄原子を0又は1個有する5乃至6員の単環式複素環基が好ましく、例えばピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、オキサトリアゾリル、チアトリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ビラゾリニル、ピペリジル、ピペリジノ、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ基等が挙げられ、好ましくは窒素原子を1〜3個、酸素原子を0又は1個有する5乃至6員の単環式複素環基であり、特にピリジル、ピロリジニル、ピペリジル、ピペリジノ、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ基が、更に好ましくはピペリジノ、ピペラジニル基が挙げられる。
【0027】
置換基を有する含窒素複素環基としては、例えば4−メチルピペラジニル、4−エチルピペラジニル、4−フェニルピペラジニル、4−ヒドロキシエチルピペラジニル、4−メチルピペリジノ、4−エチルピペリジノ、4−ピペリジノピペリジノ基等が挙げられ、好ましくは4−フェニルピペラジニル、4−ヒドロキシエチルピペラジニル、4−ピペリジノピペリジノ基等が挙げられる。
【0028】
R1、R2及びR’で示される含窒素複素環基を有する低級アルキル基としては、例えば2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、2−ピリジルエチル、3−ピリジルエチル、4−ピリジルエチル、ピロリジニルメチル、ピロリジニルエチル、ピペリジノメチル、ピペリジノエチル、ピペラジニルメチル、ピペラジニルエチル、モルホリノメチル、モルホリノエチル基等の含窒素複素環基を含む炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられ、好ましくはピロリジニルメチル、ピロリジニルエチル基が挙げられる。
【0029】
水酸基を有する低級アルキル基としては、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、2,3−ジヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、2,3−ジヒドロキシヘキシル基等の水酸基を1個又は2個含む炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられる。
【0030】
本発明化合物の塩としては、薬学的に許容される塩であれば特に制限はなく、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸等との塩が挙げられる。
【0031】
上記一般式(1)の化合物において、A環が無置換又は1〜2個のハロゲン原子で置換されたベンゼン環、低級アルキレンジオキシ基を有するベンゼン環であるのが好ましく、無置換ベンゼン環であるのがより好ましい。
【0032】
B環は、(a)で表される環であるのが好ましい。
【0033】
Rは−NR1R2基、低級アルキル基で置換されたピペラジニル基であるのが好ましく、−NR1R2基であるのがより好ましい。
【0034】
R1及びR2は同一又は相異なって水素原子又はジ低級アルキル置換アミノ基もしくは含窒素複素環基で置換されていてもよい低級アルキル基であるのが好ましく、水素原子又はジ低級アルキル置換アミノ基で置換された低級アルキル基であるのがより好ましく、特にR1がジメチルアミノ基で置換された低級アルキル基で、R2が水素原子であるのが好ましい。
【0035】
本発明の好ましい化合物は、一般式(1)においてA環が無置換又は1〜2個のハロゲン原子で置換されたベンゼン環、低級アルキレンジオキシ基を有するベンゼン環、B環が(a)で表される環、Rが−NR1R2基(ここでR1及びR2は同一又は相異なって水素原子又はジ低級アルキル置換アミノ基もしくは含窒素複素環基で置換されていてもよい低級アルキル基である)、低級アルキル基で置換されたピペラジニル基である化合物である。
【0036】
又さらに好ましい化合物は、一般式(1)においてA環が無置換ベンゼン環、B環が(a)で表される環、Rが−NR1R2基(ここでR1及びR2は同一又は相異なって水素原子又はジ低級アルキル置換アミノ基で置換された低級アルキル基であり、特にR1がジメチルアミノ基で置換された低級アルキル基で、R2が水素原子である)である化合物である。
【0037】
一般式(1)で表される本発明化合物は、例えば下記反応工程式1に従い製造することができる。
【0038】
<反応工程式1>
【0039】
【化5】
【0040】
(式中、A環、B環は前記に同じ。B’環は下記(a’)又は(b’)で表される環を示す。)
【0041】
【化6】
【0042】
〔A工程〕
一般式(2)で表されるヒドロキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン誘導体とRHで表されるアミン(NH(R1)(R2)もしくは置換基を有してもよい含窒素複素環化合物)又はNH2R’で表されるアミンとホルムアルデヒドを適当な溶媒中でマンニッヒ反応を行うことにより一般式(1)で表される本発明化合物を得ることができる。
【0043】
溶媒としては例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、水等が例示でき、これらを単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
【0044】
反応の割合は一般式(2)の化合物に対し、アミンを0.1〜10倍モル量、好ましくは1.0〜1.5倍モル量使用するのがよく、ホルムアルデヒドを0.1〜20倍モル量、好ましくは1.0〜3.0倍モル量使用するのがよい。反応温度は0〜100℃、好ましくは10〜50℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜50時間で反応は有利に進行する。
【0045】
反応工程式1で得た一般式(1)の化合物中、A環に低級アルコキシ基又はべンジルオキシ基を置換基として有する場合は、必要によりこれを例えば無溶媒あるいは適当な溶媒中で臭化水素酸、ヨウ化水素酸、塩酸、硫酸等と反応させることにより、水酸基に変換することもできる。溶媒としては例えば酢酸、水等が例示でき、これらを単独で又は2種以上混合して使用してもよい。反応の割合は低級アルコキシ基又はベンジルオキシ基に対し、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、塩酸、硫酸等を1〜1000倍量(v/w)、好ましくは5〜100倍量(v/w)使用するのがよい。反応温度は0〜200℃、好ましくは50〜150℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは0.5〜60時間で反応は有利に進行する。
【0046】
反応工程式1で得た一般式(1)の化合物中、A環に水酸基を置換基として有する場合は、必要によりこれをアルキル化、ベンジル化又はアシル化することにより、それぞれアルコキシ基、ベンジルオキシ基又はアシルオキシ基に変換することもできる。アルキル化反応又はベンジル化反応は適当な溶媒中、塩基の存在下、アルキル化剤又はベンジル化剤と反応させることにより行われる。溶媒としては例えばジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトン等が例示できる。塩基としては例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム等が例示できる。アルキル化剤としては例えば置換基を有していてもよいアルカンのハライド、硫酸エステル又はスルホン酸エステル等が、ベンジル化剤としてはベンジルハライド等が例示できる。反応の割合は水酸基に対し、塩基を1〜5倍モル量、アルキル化剤又はベンジル化剤を1〜5倍モル量使用するのがよい。反応温度は0〜80℃であり、反応時間は0.1〜24時間、好ましくは0.5〜10時間で反応は有利に進行する。
【0047】
アシル化反応は所望のカルボン酸又はその反応性誘導体を反応させることにより行われる。反応性誘導体を用いる場合、本反応はその種類、原料フェノール性誘導体の種類によって異なるが、適当な溶媒中で行われ、反応促進のため適宜の塩基を加えることもできる。かかる反応性誘導体としては例えば酸無水物、混合酸無水物、酸ハライド等が挙げられる。溶媒としては例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ピリジン等が例示できる。塩基としては例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等が例示できる。反応の割合は水酸基に対し、塩基を1〜5倍モル量、アシル化剤を1〜5倍モル量使用するのがよい。反応温度は0〜50℃であり、反応時間は0.1〜24時間、好ましくは0.5〜3時間で反応は有利に進行する。
【0048】
又、上記反応により得られた本発明化合物はこれを適当な溶媒中、前記有機酸又は無機酸と反応させる等の従来公知の方法により、塩の形態とすることができる。溶媒としては例えば水、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等が例示できる。反応温度は0〜50℃で行われるのがよい。
【0049】
反応工程式1で原料として用いられる一般式(2)で表されるヒドロキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン誘導体は例えばJ.Heterocyclic Chem.,28 1245−55(1991)に記戟の方法により製造しうるが、例えばJ.Heterocyclic Chem.,9 1133−5(1972)に記載の方法及び下記反応工程式2に従い製造することもできる。
【0050】
<反応工程式2>
【0051】
【化7】
【0052】
(式中、A環、B環及びB’環は前記に同し。B''環は下記(a'')又は(b'')で表される環を示し、Zは水素原子、メチル基又はべンジル基を示す。)
【0053】
【化8】
【0054】
〔B工程〕
一般式(3)と一般式(4)で表される化合物を通常適当な溶媒中、酸あるいは塩基性の化合物を添加して縮合することにより一般式(5)で表される化合物が製造される。
【0055】
溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、トルエン、ベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、水等が例示でき、これらを単独で又は2種以上混合して使用してもよい。酸としては例えば無水酢酸、酢酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、p−トルエンスルホン酸、ポリリン酸等が例示でき、塩基性化合物としては例えばピペリジン、ピロリジン、トリエチルアミン、酢酸ナトリウム、t−ブトキシカリウム等が例示できる。
【0056】
反応の割合は一般式(3)の化合物に対し、一般式(4)の化合物を0.1〜10倍モル量、好ましくは0.5〜2倍モル量使用するのがよく、酸あるいは塩基性化合物を0.01〜10倍モル量、好ましくは0.01〜1倍モル量使用するのがよい。反応温度は0〜200℃、好ましくは0〜150℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは0.5〜50時間で反応は有利に進行する。
【0057】
〔C工程〕
B工程で得られた一般式(5)で表される化合物を適当な溶媒中、還元・環化することにより一般式(2)あるいは(6)で表される化合物が製造される。
【0058】
溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、水等が例示でき、これらを単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
【0059】
還元・環化反応としては公知の二トロ基をアミノ基に変換する還元反応を行うことにより一度に環化反応まで進行する。還元反応としては例えばヒドロサルファイトナトリウム、塩化スズ、鉄粉、ラネーニッケル、パラジウム炭素等による方法が例示でき、好ましくは塩化スズを使用する方法がよい。又、必要に応じてプロトンソースを添加することができ、プロトンソースとしては例えば塩酸、ギ酸、酢酸等の酸類、水等が例示できる。
【0060】
反応の割合は一般式(5)の化合物に対し、還元剤を0.01〜10倍モル量使用するのがよい。反応温度は0〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは0.1〜25時間で反応は有利に進行する。
【0061】
〔D工程〕
C工程で得られた一般式(6)で表される化合物を無溶媒あるいは適当な溶媒中で、脱メチル化あるいは脱ベンジル化することにより一般式(2)で表される化合物が製造される。
【0062】
溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、トルエン、ベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸、水等が例示でき、これらを単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
【0063】
脱保護法としては、公知慣用の方法でよく、例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸、塩化ピリジニウム、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素等の脱保護試薬を利用する方法が例示できる。
【0064】
反応の割合は一般式(6)の化合物に対し、脱保護試薬を1〜1000倍量(v/w)、好ましくは5〜100倍量(v/w)使用するのがよく、反応温度は0〜250℃、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは0.5〜50時間で反応は有利に進行する。
【0065】
上記方法により得られる本発明化合物及び各化合物は、通常公知の分離精製手段、例えば濃縮、溶媒抽出、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等を用いることにより単離精製可能である。
【0066】
【実施例】
以下に参考例、実施例及び薬理試験例を示し、本発明を更に詳しく説明する。
参考例1
2−(5−メトキシ−2−ニトロベンジリデン)−インダン−1,3−ジオンの合成
5−メトキシ−2−ニトロベンズアルデヒド1.80g(10.0mmol)、1,3−インダンジオン1.50g(10.2mmol)、硫酸0.5ml、酢酸20mlの混合物を12時間室温で攪拌した。反応後、反応液に精製水50mlを加え、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を酢酸から再結晶することにより標記化合物2.97g(収率93.6%)を得た。
【0067】
融点:203〜205℃
1H‐NMR(DMS0-d6)δ:
8.28(1H, d, J=9Hz), 8.24(1H, s), 8.09-7.94(4H, m), 7.47(1H, d, J=3Hz),7.27(1H, d-d, J=9, 3Hz), 3.91(3H, s)
IR(KBr)cm-1:
1698, 1575, 1509, 1324, 1298, 1258, 1246, 1233, 736
参考例2
8−メトキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オンの合成
参考例1で得た2−(5−メトキシ−2−ニトロベンジリデン)−インダン−1,3−ジオン3.7g(0.012mol)、塩化第一スズ二水和物11.2g(0.050mol)、塩酸55mlの混合物を12時間室温で攪拌した。反応後、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を精製水で洗浄した後、80%ジメチルホルムアミド水溶液から再結晶することにより、標記化合物3.0g(収率96.0%)を得た。
【0068】
融点:213〜215℃
1H‐NMR(CDCl3)δ:
8.26(1H, s), 8.04(1H, d-d, J=7, 1Hz), 8.01(1H, d, J=9Hz), 7.80(1H, d-d, J=8, 1Hz), 7.66(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.48(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.40(1H, d-d, J=9, 3Hz), 7.15(1H, d, J=3Hz),3.95(3H, s)
IR(KBr)cm-1:
3060, 1714, 1625, 1513, 1360, 1241, 827, 728
参考例3
8−ヒドロキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オンの合成
参考例2で得た8−メトキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン26g(0.1mol)、ピリジン200ml(2.5mol)と塩酸206mlから調製した塩化ピリジニウムの混合物を250℃で2時間反応した。放冷後、反応液に精製水300mlを加え、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を精製水で洗浄した後、エタノール−水から再結晶することにより、標記化合物14.7g(収率59.5%)を得た。
【0069】
融点:293〜295℃
1H‐NMR(DMS0-d6)δ:
10.37(1H, brs), 8.47(1H, s), 7.98(1H, d, J=8Hz), 7.94(1H, d, J=9Hz), 7.80-7.75(2H, m), 7.58(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.39(1H, d-d, J=9, 3Hz), 7.35(1H, d, J=3Hz)
IR(KBr)cm-1:
3510, 1713, 1625, 1378, 1240, 728
参考例4
参考例1〜3及びJ.Heterocyclic Chem.,28 1245(1991)の方法を利用し、以下の化合物を合成した。
【0070】
・2,3−ジクロロ−8−ヒドロキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン
融点:300℃〈
1H‐NMR(DMS0-d6)δ:
8.53(1H, s), 8.13(1H, s), 7.98(1H, s), 7.93(1H, d, J=9Hz), 7.42(1H, d-d, J=9, 3Hz), 7.36(lH, d, J=3Hz)
IR(KBr)cm-1:
3200, 1726, 1635, 1621, 1525, 1321, 1255, 1233
・3−ヒドロキシ−8H−ベンゾ〔h〕インデノ〔1,2−b〕キノリン−8−オン
融点:298℃<(分解)
1H‐NMR(CDCl3)δ:
9.34(1H, d, J=9Hz), 8.34(1H, s), 8.14(1H, d, J=8Hz), 7.81(1H, d, J=8Hz), 7.71-7.66(4H, m), 7.50(1H, d-d, J=7, 7Hz), 7.33(1H, d-d, J=9, 3Hz)
IR(KBr)cm-1:
3380, 1702, 1612, 1586, 1388, 1305, 1152, 738
実施例1
8−ヒドロキシ−9−〔(4−ピペリジノピペリジノ)メチル〕−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン・2塩酸塩(化合物1)の合成
参考例3で得た8−ヒドロキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン1.24g(5.0mmol)、ピペリジノピペリジン1.8g(11.3mmol)、37%ホルムアルデヒド溶液1ml、酢酸10ml、エタノール10mlの混合物を室温で7日間攪拌した。反応後、溶媒を留去し、残渣に水を加え、更にアンモニア水を加えて中和した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、留去した。得られた残渣をトルエン/リグロインから結晶化し濾取した。得られた結晶をメタノール/テトラヒドロフランの混液30mlに溶解し、4N−塩酸/ジオキサン6mlを加えた。減圧下濃縮後、得られた残渣をエタノールより結晶化し、標記化合物2.14g(収率85.3%)を得た。物性値を表1に示す。
【0071】
実施例2
4−〔(ジメチルアミノ)メチル〕−3−ヒドロキシ−8H−ベンゾ〔h〕インデノ〔1,2−b〕キノリン−8−オン(化合物5)の合成
参考例4で得た3−ヒドロキシ−8H−ベンゾ〔h〕インデノ〔1,2−b〕キノリン−8−オン2.0g(6.7mmol)、50%ジメチルアミン水溶液4.0ml(34.0mmol)、37%ホルムアルデヒド溶液2.6ml(34.6mmol)、酢酸4.0ml、エタノール40mlの混合物を55℃で4時間加熱攪拌した。反応後、反応液をアンモニア水で中和し、水を加え、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;メタノール:クロロホルム=1:9(v/v))により精製し、アセトンから結晶化し、標記化合物170mg(収率7.1%)を得た。物性値を表2に示す。
【0072】
実施例3
1,3−ジヒドロ−2,12H−2−(1−ブチル)−インデノ〔1,2−b〕オキサジノ〔4,5−f〕キノリン−12−オン(化合物7)の合成
参考例3で得た8−ヒドロキシ−11H−インデノ〔1,2−b〕キノリン−11−オン1.0g(4.0mmol)、37%ホルムアルデヒド溶液8.0ml、n−ブチルアミン2.88g(38.3mmol)、酢酸75ml、エタノール75mlの混合物を室温で6時間攪拌した。反応後、溶媒を留去し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム)により精製し、エタノールから結晶化し、標記化合物0.88g(収率63.8%)を得た。物性値を表3に示す。
【0073】
実施例4〜8
実施例1〜3と同様にして対応する原料より表1に示す化合物2〜4、表2に示す化合物6、表3に示す化合物8を合成した。
【0074】
表 1
【0075】
【化9】
【0076】
化合物1
【0077】
【化10】
【0078】
Ra=H
収率:85.3%
融点:233〜235℃(分解)
1H‐NMR(D2O)δ:
8.08(1H, s), 7.58(1H, d-d, J=7, 7Hz), 7.47-7.37(3H, m), 7.29(1H, d, J=7Hz), 7.19(1H, d, J=9Hz), 4.39(2H, s), 3.71-1.50(19H, m)
IR(KBr)cm-1:
3450, 2930, 2640, 2550, 1733, 1627, 1518, 1290, 1270, 738
化合物2
R=−N(CH3)2
Ra=H
融点:209〜213℃(分解)
1H‐NMR(CDCl3)δ:
8.44(1H, d, J=1Hz), 8.03(1H, d-d-d, J=8, 1, 1Hz), 7.96(1H, d-d, J=9, 1Hz), 7.80(1H, d-d-d, J=8, 1, 1Hz), 7.66(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.47(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.35(1H, d, J=9Hz), 4.11(2H, s), 2.44(6H, s) IR(KBr)cm-1:
2790, 1702, 1621, 1524, 1408, 1279, 1236,1179, 902, 837, 739
化合物2−a
R=−N(CH3)2・HCl
Ra=H
融点:>299℃
化合物3
R=−NHCH2CH2N(CH3)2
Ra=H
融点:158〜162℃
1H‐NMR(CDCl3)δ:
8.42(1H, d, J=1Hz), 8.02(1H, d-d, J=8, 1Hz), 7.93(1H, d-d, J=9, 1Hz), 7.78(1H, d-d-d, J=8, 1, 1Hz), 7.65(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.46(1H, d-d-d, J=8, 7, 1Hz), 7.32(1H, d, J=9Hz), 4.45(2H, s), 2.83-2.52(4H, m), 2.27(6H, s)
IR(KBr)cm-1:
2820, 2770, 1720, 1620, 1504, 1326, 1254, 831, 730
化合物3−a
R=−NHCH2CH2N(CH3)2・2HCl
Ra=H
融点=255〜258℃(分解)
化合物4
【0079】
【化11】
【0080】
Ra=H
融点:183〜185℃(分解)
1H‐NMR(DMS0-d6)δ:
11.47(1H, s), 10.00(1H, brs), 8.99(1H, s), 8.13(1H, d, J=9Hz), 8.03(1H, d, J=8Hz), 7.84(1H, d, J=7Hz), 7.81(1H, d-d, J=7, 7Hz), 7.75(1H, d, J=9Hz), 7.62(1H, d-d-d, J=8, 7, 1Hz), 7.27(1H, d, J=7Hz), 7.24(1H, d, J=7Hz), 6.99(2H, d, J=8Hz), 6.86(1H, d-d, J=7, 7Hz),4.85(2H, s), 3.85-3.01(8H, m)
IR(KBr)cm-1:
3070, 2580, 1731, 1646, 1532, 1269
表 2
【0081】
【化12】
【0082】
化合物5
R=−N(CH3)2
Ra=H
収率:7.1%
融点:237〜241℃(分解)
1H‐NMR(CDCl3)δ:
9.37(1H, d, J=9Hz), 8.31(1H, s), 8.14(1H, d, J=7Hz), 7.87(1H, d, J=9Hz), 7.80(1H, d, J=7Hz), 7.69(1H, d, J=9Hz), 7.68(1H, d-d-d, J=7, 7, 1Hz), 7.48(1H, d-d-d, J=7, 7, 1Hz), 7.32(1H, d, J=9Hz), 4.18(2H, s), 2.47(6H, s)
IR(KBr)cm-1:
3400, 3000, 2800, 1708, 16l0, 1586, 1530, 1504, 1454, 1418, 1386, 1314, 1286, 1260, 1179, 1030, 1011, 809, 797, 739
化合物5−a
R=−N(CH3)2・2HCl‐H20
Ra=H
融点:>299℃
化合物6
【0083】
【化13】
【0084】
Ra=H
収率:9.0%
融点:238〜242℃(分解)
1H‐NMR(CDCl3)δ:
9.38(1H, d, J=9Hz), 8.33(1H, s), 8.14(1H, d, J=7Hz),
7.87(1H, d, J=9Hz), 7.80(1H, d, J=8Hz), 7.71(1H, d, J=9Hz), 7.69(1H, d−d, J=7, 7Hz), 7.49(1H, d−d, J=7, 7Hz), 7.31(1H, d, J=9Hz), 4.25(2H, s), 3.65(2H, t, J=5Hz), 2.90-2.50(8H, m), 2.63(2H, t, J=5Hz)
IR(KBr)cm-1:
3400, 2700, 17l0, 1626, 1613, 1595, 1424, 1399, 1277, 745
化合物6−a
【0085】
【化14】
【0086】
Ra=H
融点:200〜208℃
表 3
【0087】
【化15】
【0088】
化合物7
Ra=H
Rb=n−C4H9
収率:63.8%
融点:123〜125℃
1H‐NMR(CDCl3)δ:
8.25(1H, d, J=1Hz), 8.03(1H, d, J=7Hz), 7.90(1H, d, J=9Hz), 7.80(1H, d, J=8Hz), 7.67(1H, d-d-d, J=8, 7, 1Hz), 7.48(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.27(1H, d, J=9Hz), 4.96(2H, s), 4.34(2H, s), 2.79(2H, t, J=7Hz),1.64-1.34(4H, m), 0.94(3H, t, J=7Hz)
IR(KBr)cm-1:
2960, 2930, 1714, 1625, 1608, 1517, 1409, 1217, 895, 732
化合物8
Ra=H
Rb=CH3
収率:63.8%
融点:198〜202℃(分解)
1H‐NMR(CDCl3)δ:
8.23(1H, d, J=1Hz), 8.04(1H, d, J=8Hz), 7.92(1H, d, J=9Hz), 7.81(1H, d-d, J=8, 1Hz), 7.67(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.49(1H, d-d-d, J=8, 8, 1Hz), 7.30(1H, d, J=9Hz), 4.89(2H, s), 4.32(2H, s), 2.68(3H, s)
以下本発明化合物の抗腫瘍効果の試験結果を示し、本発明化合物の有用性を説明する。
【0089】
薬理試験例1 殺細胞作用
p388マウス白血病細胞を2×103cells/wellで96穴プレートに播種した。本発明化合物を精製水あるいはジメチルスルホキシドに溶解させた後、メディウムで種々の濃度に希釈し、各wellに添加し培養した。3日間の接触後、プレートをグルタルアルデヒドにて固定し、クリスタルバイオレット染色法により細胞数を計測した。
【0090】
各化合物の殺細胞作用をコントロールの細胞数を50%減少させる薬剤濃度(IC50)として表した。結果を表4に示す。
【0091】
Claims (7)
- 一般式(1)
- A環が無置換ベンゼン環で、B環が(a)〜(c)で表されるいずれかの環で、Rが置換アミノ基で置換されていてもよいアルキルアミノ基又は置換基を有していてもよい含窒素複素環基、R'が低級アルキル基である請求項1記載の縮合インダン化合物又はその塩。
- B環が(a)で表される環で、Rがジ低級アルキルアミノ基で置換されていてもよいアルキルアミノ基;又はピペリジノ基もしくはフェニル基で置換された含窒素複素環基である請求項2記載の縮合インダン化合物又はその塩。
- B環が(a)で表される環で、Rがジ低級アルキルアミノ基で置換されたアルキルアミノ基;ジ低級アルキルアミノ基;ピペリジノピペリジノ基;又はフェニルピペラジニル基である請求項3記載の縮合インダン化合物又はその塩。
- B環が(b)で表される環で、Rがジ低級アルキルアミノ基;又はヒドロキシアルキル基で置換された含窒素複素環基である請求項2記載の縮合インダン化合物又はその塩。
- B環が(b)で表される環で、Rがジ低級アルキルアミノ基;又はヒドロキシアルキル基で置換されたピペラジニル基である請求項5記載の縮合インダン化合物又はその塩。
- B環が(c)で表される環で、R'が低級アルキル基である請求項2記載の縮合インダン化合物又はその塩。
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-
1995
- 1995-08-08 JP JP20263195A patent/JP3635345B2/ja not_active Expired - Fee Related
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