JP3635324B2 - 単結晶研磨加工面を所定の方位角に設定調整する方法ならびにこの方法を実施するのに用いられる研磨加工治具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デバイスなどの分野に使用される単結晶等デバイス材料の研磨加工技術、特に、材料の研磨加工面の面方位精度が高精度の面方位を有するよう研磨加工するための加工技術、あるいは、材料の研磨加工面の面方位を、超高精度に修正研磨加工するための加工技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
単結晶は、結晶面の方位によって物理的化学的性質が異なる。従って、単結晶を利用してデバイス等を設計する場合、利用する面を、結晶方位に基づいて、どの結晶方位に設定して使用するのかを決定しておかなければならない。利用する結晶面の方位が設計すべき方位と違っていたり、あるいはずれている場合、これを修正する必要があり、このため、単結晶の加工面を研磨したり、あるいは時には切削、切断等によって所定の方位に加工、修正、調整する必要があり、実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、従来行われているこれら加工操作は、その面方位測定手段が、ゴニオステージとX線回折装置よりなる機器に基づくものであり、研磨加工面の結晶方位をして目標とする所定の方位に設定することは、簡単なことではなく、またその精度にも限界があった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、結晶の方位角を、ゴニオステージによらずに、取り扱いの簡単な、結晶ホルダとこの結晶ホルダを取り付けた研磨加工治具及びオートコリメータとによって結晶面方位を高精度に設定する方法、ならびそのための研磨治具を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、特定の構造に設定してなる結晶ホルダを使用し、そこに結晶(ワーク)を取り付けることにより、結晶(ワーク)の研磨加工面の方位角を正確に測定し、目標値としている面方位角との差、すなわち角度ズレθを正確かつ容易に検出し、その後、オートコリメータを用いて結晶の研磨加工面を角度ズレθだけ傾けて固定し、研磨等の加工をし、角度ズレθ分のワークを除去することを特徴としているものであり、これによってワークの結晶方位を確認しながら高精度に方位を設定しうる方法を提供し、またそのための研磨加工治具を提供するものである。その構成は以下(1)ないし(2)に記載のとおりである。
【0006】
(1) 単結晶研磨加工面を任意の方位角に超精密に設定調整する方法において、研磨加工すべき単結晶を、底面と平行な単結晶取り付け面を有しかつ単結晶取り付け面と平行な面内に補正角度割り出しのための基準となる光学鏡面を有する結晶ホルダに固定支持して結晶の方位角を測定し、光学鏡面に対する傾斜角を算出、特定し、これにより目標とする方位角とのズレを特定し、その後結晶ホルダを、任意の角度に調整自在とするチルチングユニットに取り付け、取りつけ完了後、チルチングユニットのガイドリングにオプチカルパラレルを載せ、オプチカルパラレルにオートコリメータから光を投射し、その反射光を検出することによって、オートコリメータの光軸に対してオプチカルパラレルが直交するよう調整、設定し、次いで結晶ホルダをオートコリメータで測定しながら予め特定しておいた目標とする方位角とのズレだけ傾斜させ、その状態で水平回転研磨盤に載置、当接し、傾斜ズレ分を研磨加工することを特徴とする単結晶を任意の方位角に超精密に設定調整する方法。
【0007】
(2) 単結晶研磨加工面を任意の方位角に設定調整する方法を実施するのに用いられる研磨加工治具であって、複数の立設した支柱と各支柱を一定間隔に保持する複数の金具によって一体化されてなるチルチングユニット枠体Fと、該枠体Fにその一端が固定的に取りつけられて、X−Y方向の動きを規制されてなるハウジングシリンダーと、該ハウジングシリンダーに保持されて軸方向に可動自在に取りつけられ、且つX−Y方向に微動調節する機構によって調節されて所定の傾きが付与されるリニアシャフトと、リニアシャフトの一端に金具を介して固定的に載置される単結晶取り付け面を有しかつ単結晶取り付け面と平行な面内に補正角度割り出しのための基準となる光学鏡面とを有してなる結晶ホルダと、該枠体Fの端部に付設されたガイドリングに取りつけられてなる、オートコリメーターによるチルチングユニット角度調整をする基準となるオプチカルパラレルとからなることを特徴とする、単結晶研磨加工面を任意の方位角に設定調整する方法を実施するのに用いられる研磨加工治具。
【0008】
ここに、第1の発明において、研磨加工すべき単結晶を、底面と平行な単結晶取り付け面を有し且つ単結晶取り付け面と平行な面内に補正角度割り出しのための基準となる光学鏡面を有する結晶ホルダに固定支持する意義は、これによって結晶の方位角が、光学鏡面によって極めて正確に特定することが出来ると同時に、これによりその後研磨加工操作においても超高精度で方位を補正することが出来るものである。これは、従来のゴニオメータメータ−による場合に比し、はるかに高精度とすることが出来るものである。
【0009】
すなわち、補正角度を特定後は、結晶ホルダを、任意の角度に調整自在に設定しえるチルチングユニットに取り付け、光学的角度測定器であるオートコリメータと協同し、簡単 でしかも高精度に補正角度を導き出し、セッティングすることが出来、その状態で研磨工程に付され、水平回転円盤にチルチングユニットを載置するだけで、自重により補正角度の分だけ自ずと確実に研磨が実行されるものである。これらの操作は、何れも極めて取り扱いも平易であり、特に高価な機器を要するものでもなく、高度な技を有する熟練者に依存することなく行うことが出来る点で画期的と言えるものである。
【0010】
さらにまた、第2の発明は、第1の発明を実施するのに専ら使用される研磨加工治具を提供するものであり、その機能および意義は、第1の発明の説明からも明白である。すなわち、この治具によって結晶面の補正方位を簡単かつ正確に割り出すことが出来、簡単かつ正確にセッティングすることができ、しかも簡単かつ正確に研磨加工することが出来るものである。これによって、構造的にシンプルであり、費用の安い、取り扱いの平易な使用上信頼性の高い研磨加工治具を提供することが出来たものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)、(b)において、Cは研磨する単結晶であり、9は結晶ホルダである。結晶ホルダは、底面と平行な単結晶取り付け面を有し、この取り付け面を光学鏡面として設計した。 図1(b)は、(a)の単結晶とそのホルダの平面図である。両図は、単結晶がホルダに取り付けられている態様を示しているものである。試料を、この状態で、それ自体周知の測定手段であるX線回折装置(図示外)に取り付け、結晶の方位を測定する。なお、本図においては、単結晶取り付け面に対して光学鏡面を同一平面に設定している態様にて示されている例であるが、これらの関係は、光学鏡面が取り付け面に対して平行である限り、例えば段差構造に設定しても差し支えはなく、必ずしも同一平面である必要はない。すなわち、本図以外の態様を含んでいることは言うまでもない。
【0012】
測定結果は、図2に表しているものである。すなわち、結晶は、光学鏡面に対して、θの方位角を有していることを示しているものであり、すなわち、光学鏡面を目標とする結晶方位とすると、この場合は、目標とする基準からはθのズレがあることが分かる。すなわち、光学鏡面を目標とする結晶方位とするとθのズレを有していると特定できる。
【0013】
この特定によって、ホルダを結晶方位のズレが解消されるよう、元の位置からθだけ傾けて、θ分を研磨除去してやれば、ホルダに取り付けられている単結晶は、研磨後、その研磨加工面の結晶方位は目標基準とする光学鏡面に一致し、ズレのない、目標とする結晶面を有する研磨加工面を有してなるものが得られることとなる。 以下、図3〜6は、図2に示した方法で予め算出、特定したズレθに基づいて、結晶ホルダ並び結晶をオートコリメータを用いることによって正確にズレの分だけ傾ける手段、態様を、順を追って示しているものである。
【0014】
まず、結晶ホルダを保持し、かつ結晶ホルダを目標とする方位角に正確に調整すべく所定の角度に正確に傾けるチルチングユニットTに基づいて操作を説明する。
図3ないし7の各図は、チルチングユニットの構成とその使用態様を説明するものである。そのうち、図3は、チルチングユニットを、構成する部材に基づいて説明するため、少し拡大した正面図であり、図7(a)、(b)は、機構上の構成をその構成する部材に基づいて説明するためのものであって、(a)は、図3に示すチルチングユニットを、180°向きを変えて(すなわち、上下を反対にして)示したものであり、(b)は、そのA−A’断面図である。以下、チルチングユニットに基づく説明は、基本的には図3、図7(a)、(b)に基づいて行うが、その余の図も参照して説明する。
【0015】
チルチングユニットTは、支柱16、ベース金具2、支柱固定金具4がネジによって一体化された枠体Fを有し、枠体には、ベース金具2のフランジ部2’を介して、中央に穴が形成された弾性板12、ハウジングシリンダー1、および中央に穴が穿かれたX−Y微動ケース5が一体に固定されて取り付けられている。弾性板12とX−Y微動ケース5の各穴は、その中心を結ぶ線が、枠体の支柱16と、そして該枠体に固定されてなるハウジングシリンダー1とほぼ平行な関係に設定されている。
【0016】
リニアシャフト26は、ベアリング押さえ7、10を有するベアリングハウジング内に、リニアボールベアリング25によって軸方向可動自在に取り付けられている。このリニアボールベアリング25は、リアシャフト6、結晶ホルダ取り付け金具8、及び結晶ホルダ9の自重を研磨圧とするため、低摩擦でリニアシャフトを軸方向に可動させる機構である。
【0017】
さらにシャフト26は、その一端側が、カラー14、コイルスプリング15、結晶ホルダZ方向移動ツマミ13を介して、X−Y微動ケース5に遊びをもって取り付けられている。またその他端側は、ベアリング押さえ10、弾性板12に穿かれた穴に挿入され、これによってX−Y平面の移動が生じないよう、しっかりと固定され、さらに、シャフトに回転が生じたりしないよう、ピン27によってもロックされ、ここでもシャフトの回動を防止する手段が講じられている。
弾性板12は、フランジ部2’による挟持とならんで、ベアリング押さえ10と弾性板押さえ11によっても挟持されて枠体Fに固定されている。
そしてリニアシャフト端部(弾性板側)には、図1ないし2で示した結晶ホルダ9が結晶ホルダ取り付け金具を介して取り付けられている。
【0018】
X−Y微動ケース5には、ベアリング押さえ7に当接してこれを任意の方向に移動させることができる結晶角度調整ネジ18が取り付けられている。このネジは、X方向、Y方向の二つが設けられ、各ネジをそれぞれ独立に調整することによって、各ネジのコンタクトバー21に当接してなるベアリング押さえ7は、コンタクトバーのなすX−Y平面内において、任意の位置に移動することが出来、この移動によって、ベアリング押さえ7に固定されてなるベアリングハウジング6及びベアリングハウジングによって軸支されているリニアシャフト26も、ネジの調整分だけ一体に移動することになる。
【0019】
すなわち、リニアシャフト26は、その一端側は、金属製の薄板で出来ている弾性板12によってX、Y方向の動きが規制、固定され、その反対側は、X、Y方向に任意に移動自在に取り付けられている。これによって、リニアシャフトは、該弾性板12の平面と、リニアシャフト26の中心線との交点を中心として、傾動し、リニアシャフトの一端に取り付けられている結晶ホルダ並びにこれに取り付けられている単結晶も傾くことになる。
図5、図6は、本発明の機器の作用を示し、またその機器類の操作要領をしめしているものである。なお、第6図において、傾動中心点として示している点は、弾性板平面とリニアシャフト軸との交点を指し、リニアシャフト、及びこれに取り付けられている結晶ホルダ並びに単結晶は、この点を中心として傾動する。
【0020】
なお、図7(b)において、23は、2本のコンタクトバー21を軸方向に押しつけ、修正角度θ量のあそびをなくすためのプランジャーであり、スプリングケース22内のコイルスプリングによって付勢され、これによって微少な修正角度θ量に狂いがこないようにしている。
【0021】
結晶ホルダが取り付けられる側の枠体Fの端部には、金属製で出来ている平行な面を有するガイドリング3が取り付けられている。その反対側の端部には、支柱脚17が取り付けられている。
【0022】
図1(a)、図2において、単結晶試料Cは、X線回折装置によって、結晶ホルダ9の光学鏡面に対して、目標とする方位がθのズレがあると特定されたものであることは、前記したとおりであるが、図3は、この結晶ホルダをチルチングユニットTに取り付けた状態を示しているものである。すなわち、支柱脚を下側に、ガイドリング3を上側にした状態で、結晶ホルダ取り付け金具8に結晶ホルダ9を取り付ける。
【0023】
この取り付けが完了後、ガイドリング3にオプチカルパラレルを載置し、その状態でオプチカルパラレルにオートコリメータOより光を投射する。オプチカルパラレルからの反射光を検知することによって、オプチカルパラレルが、オートコリメータの光軸に直角にセットされたか否かを確認し、両者が直角になるようオートコリメータを調整する。図4は、この操作が完了したことを示すものである。図4において矢印は、オプチカルパラレルへの入射光と反射光とが、一致したこと、すなわち、オートコリメータとオプチカルパラレルとが直交した関係に設定されたことを表しているものである。
【0024】
次に、オートコリメータおよびチルチングユニットを前述操作完了状態としたままオプチカルパラレルのみを取り外し、取り付けられている結晶ホルダの取り付け角度を検出する。測定方法は、前述同様、オートコリメータから結晶ホルダの光学鏡面に光を投射し、光学鏡面からの反射光を検出することによってその取り付け角度を検出する。検出角度が、先に特定しておいた、目標とする結晶方位に対する修正角度量θに一致している場合は、そこに取り付けられている単結晶は、その状態で研磨加工除去することによって目標とする方位とすることが出来るということを意味するものである。
【0025】
前記検出の結果が、修正角度量θに一致していない場合は、ホルダの取り付け角度をチルチングユニットのリニアシャフトを傾動調整することによって修正する。すなわち、結晶角度調整ネジ18を調整することによって、シャフトの傾斜角度を調整し、その角度の修正が正確になされているか否かをオートコリメータによって確認しながら修正する。図5は、この操作を示しているものである。
【0026】
以上、チルチングユニットに結晶ホルダが修正角度量θの角度に設定する調整操作が終了後は、その状態のまま、チルチングユニットを反転させ、研磨盤の上に載置する。すなわち、ガイドリングが研磨盤の上に直接当接し、結晶ホルダに取り付けられた結晶は、研磨盤に対して間隔を置いた状態で対向している。図6は、この態様を示しているものである。
【0027】
この状態で、結晶ホルダZ軸方向移動用ツマミ13を調整し、これにより、リニアシャフト26とその先端に取り付けられている結晶ホルダ及び単結晶を、加工盤(研磨盤)に
近づける。研磨盤に軽く接触する直前まで適宜近づけたところで研磨加工を開始する。
このときのリニアシャフトは、チルチングユニットが反転しても、ただ単に180°向きを変えただけであるから、水平面に対する角度、ないしは鉛直面に対する傾き角度は、図5において調整したもとの状態と変わることはないし、また、リニアシャフトに取り付けられている結晶ホルダも結晶も、図5で調整したもとの状態と同様であることは、いうまでもない。図6は、この操作とその意義を表しているものである。
【0028】
すなわち、図5に示した角度調整後は、チルチングユニットを反転させて研磨盤の上に載置し、結晶ホルダを研磨盤に対向した状態で、近接しただけで、結晶を研磨加工すると、その研磨面は、自ずと目標とする方位を持った研磨加工面とすることが出来るものである。
【0029】
【実施例】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
先ず、本発明の実施例を示す前に、従来技術のレベルは次の通りであった。
すなわち、光学用酸化物単結晶を試料とし、X線回折装置により方位測定を行い、目標とする方位で切断を行ったが、なお目標値に対し角度で5分の誤差(5/60°=1/12°の誤差)を有していた。これ以上の面精度が求められる場合、従来法では不十分である。さらに目標とする方位に近づけるため、本発明の治具を用いて方位を修正し研磨を行った。そのプロセスは次の通りである。
【0030】
1.結晶貼り付け面を光学鏡面に仕上げた平行平面の結晶ホルダに結晶を接着する。(図1)
2.X線回折装置に結晶ホルダを取り付け、結晶方位測定を行い結晶ホルダ面と結晶研磨加工目標値とのズレθを求める。(図2)
3.ホルダを研磨治具のチルチングユニットに取り付ける。(図3)
【0031】
4.図4に示す研磨治具のガイドリングに、オプチカルパラレルを乗せ、オートコリメータにてオプチカルパラレルからの反射光を捉え、オートコリメータの光軸をオプチカルパラレルに直角に調整する。
5.オプチカルパラレルを外し、オートコリメータにて結晶ホルダ鏡面からの反射光を捉え、研磨治具の結晶角度調整用ネジを調整し、目標値からの
ズレθ量をオートコリメータで読み取り傾ける。(図5)
【0032】
6.研磨治具のガイドリングを下方にし、研磨機の研磨盤上に乗せ研磨した。その結果、ほとんど正確にズレθ量のみを除去することができた。(図6)
研磨後再びX線回折装置にて測定したところ、角度で30秒以内の誤差(30/60×60°=1/120°以内の誤差)に収まっていた。 すなわち、この単結晶は、当初、5分のズレを有するものであったものが、本発明の加工研磨によって、その精度は、30秒以内へと一挙に10倍ほども向上し、格段に面方位精度の高い、超高精度面方位が実現した。
【0033】
上記研磨工程において用いたガイドリング3は、ステンレス製であるが、研磨工程では、このリングも研磨盤に当接させて研磨を行うので、リング自体も摩耗し、すり減っていく。したがって、これが摩耗すり減ってしまった場合には、交換する必要がある。
また、本実施例において用いた弾性板は、その材質がリン青銅合金からなり、厚みは0.3mmに設計されたものを用いた。ただし、この材質、厚みに限定されるものではない。
【0034】
なお、この実施例においては、精度は上記の通りであったが、研磨工程の途中においても、オートコリメータによる測定をさらに密に行うとか、研磨盤の回転等の回転等機械的
なところをさらに精度よく設計することにより、一層の向上を計ることが出来ることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
本発明により、単結晶研磨加工面の結晶方位を従来法に比し、簡単な操作により、かつ短時間で高精度に研磨加工、設定しうることが可能となった。これにより単結晶のデバイスのなどの研磨加工作業が、大幅に楽になり、コスト低減等の効果のみならず、デバイスなどの応用研究に対しても、単結晶の方位について再現性の向上が図られ、単結晶の物性研究、応用研究に寄与するところ大である。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の結晶ホルダの実施態様図であり、結晶ホルダは、底面に対して平行な単結晶取り付け面を有し、単結晶取り付け面に平行な面内に光学鏡面を有していることを示している。(b)は、(a)の平面図
【図2】は、結晶の方位が目標からθのズレがあることを示している本発明の実施態様図
【図3】は、本発明のチルチングユニットと結晶の取り付け関係を示すチルチングユニットの態様図
【図4】は、オートコリメータとオプチカルパラレルによって、チルチングユニットの設置を基準面に設定するための本発明の実施態様図
【図5】は、オートコリメータによって確認しながら、チルチングユニットに取り付けられた単結晶ホルダとホルダに取り付けられた結晶とを所定の補正角度に傾斜設定する本発明の態様を示す実施態様図
【図6】は、本発明のθの角度傾斜して取り付けられた単結晶と単結晶が取り付けられてなる結晶ホルダとが取り付けられたチルチングユニットにより、結晶を研磨する態様を示した本発明実施態様図
【図7】(a)は、図3のユニットを180°反転して向きを変えた態様図
(b)は、(a)のA−A’線断面態様図
【符号の説明】
C 単結晶
T チルチングユニット
F チルチングユニットの枠体
O オプチカルパラレル
A オートコリメータ
1 ハウジングシリンダー
2 ベース金具
2’フランジ部
3 ガイドリング
4 支柱固定金具
5 X−Y微動ケース
6 ベアリングハウジング
7 ベアリング押さえ
8 結晶ホルダ取り付け金具
9 結晶ホルダ
10 ベアリング押さえ
11 弾性板押さえ
12 弾性板
13 結晶ホルダZ軸方向移動用ツマミ
14 カラー
15 コイルスプリング
16 支柱
17 支柱脚
18 結晶角度調整ネジ
19 ロックナット
20 調整ネジナット
21 コンタクトバー
22 スプリングケース
23 プランジャー
24 コイルスプリング
25 リニアボールベアリング
26 リニアシャフト
27 ピン

Claims (2)

  1. 単結晶研磨加工面を任意の方位角に超精密に設定調整する方法において、研磨加工すべき単結晶を、底面と平行な単結晶取り付け面を有しかつ単結晶取り付け面と平行な面内に補正角度割り出しのための基準となる光学鏡面を有する結晶ホルダに固定支持して結晶の方位角を測定し、光学鏡面に対する傾斜角を算出、特定し、これにより目標とする方位角とのズレを特定し、その後結晶ホルダを、任意の角度に調整自在とするチルチングユニットに取り付け、取りつけ完了後、チルチングユニットのガイドリングにオプチカルパラレルを載せ、オプチカルパラレルにオートコリメータから光を投射し、その反射光を検出することによって、オートコリメータの光軸に対してオプチカルパラレルが直交するよう調整、設定し、次いで結晶ホルダをオートコリメータで測定しながら予め特定しておいた目標とする方位角とのズレだけ傾斜させ、その状態で水平回転研磨盤に載置、当接し、傾斜ズレ分を研磨加工することを特徴とする単結晶を任意の方位角に超精密に設定調整する方法。
  2. 単結晶研磨加工面を任意の方位角に設定調整する方法を実施するのに用いられる研磨加工治具であって、複数の立設した支柱と各支柱を一定間隔に保持する複数の金具によって一体化されてなるチルチングユニット枠体Fと、該枠体Fにその一端が固定的に取りつけられて、X−Y方向の動きを規制されてなるハウジングシリンダーと、該ハウジングシリンダーに保持されて軸方向に可動自在に取りつけられ、且つX−Y方向に微動調節する機構によって調節されて所定の傾きが付与されるリニアシャフトと、リニアシャフトの一端に金具を介して固定的に載置される単結晶取り付け面を有しかつ単結晶取り付け面と平行な面内に補正角度割り出しのための基準となる光学鏡面とを有してなる結晶ホルダと、該枠体Fの端部に付設されたガイドリングに取りつけられてなる、オートコリメーターによるチルチングユニット角度調整をする基準となるオプチカルパラレルとからなることを特徴とする、単結晶研磨加工面を任意の方位角に設定調整する方法を実施するのに用いられる研磨加工治具。
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