JP3634856B2 - 試験結果分析装置、方法およびプログラム - Google Patents

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    • G09B7/02Electrically-operated teaching apparatus or devices working with questions and answers of the type wherein the student is expected to construct an answer to the question which is presented or wherein the machine gives an answer to the question presented by a student

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、学校教育、生涯教育、ならびに資格取得のための教育など、各種の教育に利用可能な試験結果分析装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、学校教育、ならびに資格取得のための教育などを行う場合、学習の進捗度、習熟度および理解度などを知るため、すなわち教育の成果を確認するために"試験"が行われている。試験は、教育者側から出された問題に学習者(受験生)が回答し、その回答を採点する、という手順で行われる。受験生は、その試験結果を見て自分の理解度を知り、今後の勉強方針を立てることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−215016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来では、受験生および教育者の双方にとって、試験結果に基づく教育、学習支援が十分になされていないという問題がある。この原因の一つとしては、試験結果の分析・評価が大ざっぱなものにとどまっていることが挙げられる。例えば、従来では、試験結果から導き出される受験生の評価が、一般に総合点と偏差値程度の簡単なものにとどまっており、それ以上の細かい能力分析などは行われていない。試験結果の分析・評価が大ざっぱであれば、受験生も自分の能力を大ざっぱにしか把握できず、それに基づく今後の勉強方針などにも影響を及ぼす。また、教育者にとっては、今後の教育方針などにも影響を及ぼす。
【0005】
ところで、従来、試験における問題は紙で提供され、その回答は、紙に直接書き込まれるという方式が一般的であったが、最近では、パーソナルコンピュータの普及により、問題の提供およびその回答をコンピュータ端末を利用して行うことが可能になってきている。ここで、最近発達しているさまざまな通信環境を利用して、試験問題の提供および試験結果の分析を行う側(試験を実施する側)の端末装置と、試験を受ける側の端末装置とを相互接続し、試験を実施する側と試験を受ける側とで双方向性を持たせた学習支援システムの開発が考えられる。そして、上述した試験結果の分析・評価に関する改善に加えて、このような双方向性のあるシステムを積極的に利用することで、発展的で従来よりも優れた教育、学習支援の提供を行うことができる可能性がある。このような教育、学習支援の提供を行うに際し、受験生側および教育者側の双方にとって使いやすいシステムの開発が望まれる。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、試験結果に関して、従来とは異なる観点で、かつ細かく分析、評価を行うことを可能にし、受験生または教育者に対して従来よりも優れた教育、学習支援を行うことができる試験結果分析装置、方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係る試験結果分析装置は、それぞれ配点がなされた複数の問題が含まれる試験を実施することにより得られた、複数の受験生についての試験結果を分析するための試験結果分析装置であって、試験を実施することにより得られた、各問題に正答したか否かを示す各受験生ごとの回答情報を記憶する回答情報記憶手段と、回答情報記憶手段に記憶された少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、試験の結果取得された合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、その受験生グループ内で何人の受験生が各問題に正答したか、その割合を示す値を、各問題の正答率として算出する問題別正答率算出手段と、算出された各問題の正答率を、各問題ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、合計得点と各問題の正答率との関係を示す曲線を、問題別正答率曲線として求める正答率曲線算出手段と、各問題ごとの問題別正答率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、その受験生の能力評価を問題別に行い、その評価結果を出力する評価手段とを備えたものである。
【0008】
本発明の第2の観点に係る試験結果分析装置は、それぞれ配点と問題分野の設定がなされた複数の問題が含まれる試験を実施することにより得られた、複数の受験生についての試験結果を分析するための試験結果分析装置であって、試験を実施することにより得られた、各問題に正答したか否かを示す各受験生ごとの回答情報を記憶する回答情報記憶手段と、回答情報記憶手段に記憶された少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、試験の結果取得された合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、同一問題分野に属する問題の合計数とその問題分野において各受験生が正答した問題数との比率を示す値を同一受験生グループについて平均した値、もしくは同一問題分野に属する全問題の配点の合計とその問題分野において各受験生が獲得した得点との比率を示す値を同一受験生グループについて平均した値を、それぞれ各受験生グループについての問題分野別の正答率、もしくは問題分野別の得点率として算出する正答・得点率算出手段と、算出された各問題分野別の正答率、もしくは各問題分野別の得点率を、各問題分野ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、合計得点と各問題分野別の正答率との関係を示す曲線、もしくは合計得点と各問題分野別の得点率との関係を示す曲線を、それぞれ問題分野別正答率曲線、もしくは問題分野別得点率曲線として求める正答・得点率曲線算出手段と、問題分野別正答率曲線、もしくは問題分野別得点率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、その受験生の能力評価を問題分野別に行い、その評価結果を出力する評価手段とを備えたものである。
【0009】
また、本発明の第1の観点に係る試験結果分析方法は、それぞれ配点がなされた複数の問題が含まれる試験を実施することにより得られた、複数の受験生についての試験結果を分析するための試験結果分析方法であって、試験を実施することにより得られた、各問題に正答したか否かを示す各受験生ごとの回答情報を、回答情報記憶手段が記憶するステップと、回答情報記憶手段に記憶された少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、試験の結果取得された合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、その受験生グループ内で何人の受験生が各問題に正答したか、その割合を示す値を、問題別正答率算出手段が、各問題の正答率として算出するステップと、算出された各問題の正答率を、各問題ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、合計得点と各問題の正答率との関係を示す曲線を、正答率曲線算出手段が、問題別正答率曲線として求めるステップと、各問題ごとの問題別正答率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、評価手段が、その受験生の能力評価を問題別に行い、その評価結果を出力するステップとを含むものである。
【0010】
また、本発明の第2の観点に係る試験結果分析方法は、それぞれ配点と問題分野の設定がなされた複数の問題が含まれる試験を実施することにより得られた、複数の受験生についての試験結果を分析するための試験結果分析方法であって、試験を実施することにより得られた、各問題に正答したか否かを示す各受験生ごとの回答情報を、回答情報記憶手段が記憶するステップと、回答情報記憶手段に記憶された少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、試験の結果取得された合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、同一問題分野に属する問題の合計数とその問題分野において各受験生が正答した問題数との比率を示す値を同一受験生グループについて平均した値、もしくは同一問題分野に属する全問題の配点の合計とその問題分野において各受験生が獲得した得点との比率を示す値を同一受験生グループについて平均した値を、正答・得点率算出手段が、それぞれ各受験生グループについての問題分野別の正答率、もしくは問題分野別の得点率として算出するステップと、算出された各問題分野別の正答率、もしくは各問題分野別の得点率を、各問題分野ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、合計得点と各問題分野別の正答率との関係を示す曲線、もしくは合計得点と各問題分野別の得点率との関係を示す曲線を、正答・得点率曲線算出手段が、それぞれ問題分野別正答率曲線、もしくは問題分野別得点率曲線として求めるステップと、問題分野別正答率曲線、もしくは問題分野別得点率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、評価手段が、その受験生の能力評価を問題分野別に行い、その評価結果を出力するステップとを含むものである。
【0011】
さらに、本発明の第1の観点に係る試験結果分析プログラムは、それぞれ配点がなされた複数の問題が含まれる試験を実施することにより得られた、複数の受験生についての試験結果を分析するための試験結果分析プログラムであって、コンピュータを、試験を実施することにより得られた、各問題に正答したか否かを示す各受験生ごとの回答情報を記憶する回答情報記憶手段と、回答情報記憶手段に記憶された少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、試験の結果取得された合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、その受験生グループ内で何人の受験生が各問題に正答したか、その割合を示す値を、各問題の正答率として算出する問題別正答率算出手段と、算出された各問題の正答率を、各問題ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、合計得点と各問題の正答率との関係を示す曲線を、問題別正答率曲線として求める正答率曲線算出手段と、各問題ごとの問題別正答率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、その受験生の能力評価を問題別に行い、その評価結果を出力する評価手段、として機能させるプログラムであることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の第2の観点に係る試験結果分析プログラムは、それぞれ配点と問題分野の設定がなされた複数の問題が含まれる試験を実施することにより得られた、複数の受験生についての試験結果を分析するための試験結果分析プログラムであって、コンピュータを、試験を実施することにより得られた、各問題に正答したか否かを示す各受験生ごとの回答情報を記憶する回答情報記憶手段と、回答情報記憶手段に記憶された少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、試験の結果取得された合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、同一問題分野に属する問題の合計数とその問題分野において各受験生が正答した問題数との比率を示す値を同一受験生グループについて平均した値、もしくは同一問題分野に属する全問題の配点の合計とその問題分野において各受験生が獲得した得点との比率を示す値を同一受験生グループについて平均した値を、それぞれ各受験生グループについての問題分野別の正答率、もしくは問題分野別の得点率として算出する正答・得点率算出手段と、算出された各問題分野別の正答率、もしくは各問題分野別の得点率を、各問題分野ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、合計得点と各問題分野別の正答率との関係を示す曲線、もしくは合計得点と各問題分野別の得点率との関係を示す曲線を、それぞれ問題分野別正答率曲線、もしくは問題分野別得点率曲線として求める正答・得点率曲線算出手段と、問題分野別正答率曲線、もしくは問題分野別得点率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、その受験生の能力評価を問題分野別に行い、その評価結果を出力する評価手段、として機能させるプログラムであることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の第1の観点に係る試験結果分析装置、方法およびプログラムでは、少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、各問題の正答率が算出され、その算出された各問題の正答率を、各問題ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、合計得点と各問題の正答率との関係を示す曲線が、問題別正答率曲線として求められる。そして、求められた各問題ごとの問題別正答率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、各受験生の能力評価が行われる。求められた評価結果は、例えば通信回線を介して受験生側に配信される。
【0014】
本発明の第2の観点に係る試験結果分析装置、方法およびプログラムでは、少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、問題分野別の正答率、もしくは問題分野別の得点率が算出され、その算出された各問題分野別の正答率、もしくは各問題分野別の得点率を、各問題分野ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、合計得点と各問題分野別の正答率との関係を示す曲線、もしくは合計得点と各問題分野別の得点率との関係を示す曲線が、それぞれ問題分野別正答率曲線、もしくは問題分野別得点率曲線として求められる。そして、求められた問題分野別正答率曲線、もしくは問題分野別得点率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、各受験生の能力評価が行われる。求められた評価結果は、例えば通信回線を介して受験生側に配信される。
【0015】
ここで、本発明の第1および第2の観点に係る試験結果分析装置、方法およびプログラムにおいて行われる能力評価では、より具体的には、例えば以下のものが求められる。
【0016】
特に第1の観点に係る発明においては、合計得点と各問題の正答率との関係に基づいて、その受験生が属する同一合計得点グループ内での各問題に対する正答もしくは誤答の度合いを数値化する。これに基づいて、その受験生の"問題別の"学力指数(正答指数と誤答指数)が求められる。
【0017】
さらに、求められた問題別の学力指数を、各問題が試している能力要素に所定の比率で割り振り、その受験生が属する同一合計得点グループ内での各能力要素に対する学力の度合いを数値化してもよい。これに基づいて、その受験生の"能力要素別の"学力指数が求められる。この能力要素別の学力指数は、複数回の試験結果から求めるようにしてもよい。
【0018】
また特に、第2の観点に係る発明においては、合計得点と問題分野別の正答率もしくは得点率との関係に基づいて、その受験生が属する同一合計得点グループ内での各問題分野に対する正答もしくは誤答の度合い、または得点の獲得度合いを数値化する。これに基づいて、その受験生の"問題分野別の"学力指数が求められる。なお、この問題分野別の学力指数は、問題別の学力指数を問題分野別に集計することにより求めることもできる。なお、ここでいう「問題分野別の正答率」とは、例えば、その問題分野における全問題数とその問題分野において正答した問題の数(正答数)との比率を示す値(「正答数/問題数」)である。また、「問題分野別の得点率」とは、その問題分野に対する配点とその問題分野において獲得した得点との比率を示す値(「得点/配点」)である。
【0019】
また、以上の各種評価の他に、さらに、以下のような処理を行ってもよい。例えば、問題別の学力指数または能力要素別の学力指数に基づいて、似た学力傾向を持つ受験生グループを抽出するような処理を行ってもよい。また、合計得点と各問題の正答率との関係に基づいて、各問題の評価を行うようにしてもよい。さらに、合計得点と各問題の正答率との関係、合計得点と問題分野別の正答率もしくは得点率との関係、問題別の学力指数、問題分野別の学力指数、または能力要素別の学力指数のいずれか一つを、受験生を担当する教師別に抽出し、それに基づいて、各教師の分析、評価を行うようにしてもよい。
【0020】
さらに、以上のような各種の評価結果に基づいて、各受験生の学力に関するコメントを自動生成するようにしてもよい。そして、この学力に関するコメントを、評価結果に含めて受験生側に配信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の試験結果分析装置、試験結果分析方法、または試験結果分析プログラムによれば、合計得点の同じまたは類似した受験生グループごとに各問題の正答率または問題分野別の正答率もしくは得点率を算出し、合計得点と各問題の正答率との関係、または合計得点と問題分野別の正答率もしくは得点率との関係に基づいて、各受験生の能力評価を行うようにしたので、試験結果に関して、従来とは異なる観点で、かつ細かく分析、評価を行うことが可能となる。これにより、受験生または教育者に対して従来よりも優れた教育、学習支援を行うことができる。
【0022】
特に、本発明の一局面における試験結果分析装置によれば、本発明の試験結果分析装置において、複数回の試験結果から、各受験生の能力要素別の学力指数を求めるようにしたので、能力分析を精度良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
[第1の実施の形態]
第1図は、本発明の一実施の形態に係る学習支援システムの全体構成を表している。本実施の形態に係る学習支援システムは、提供された問題D1に対する受験生の回答情報D2を出力するための複数の端末装置と、各受験生に提供する問題D1の管理および各受験生の試験結果の分析などを行うための管理センタ2とを備えている。管理センタ2には、試験結果分析装置20、問題データベース30、および分析用データベース40などが設置されている。管理センタ2は、例えばASP(Application Service Provider)事業者により運営される。
【0025】
この学習支援システムは、また、放送波(地上波または衛星放送波)8を利用した放送網を介して問題および学習講座番組を提供する放送局5を備えている。放送局5としては、既存のテレビジョン放送局の設備を利用してもよいし、独自の設備を用いてもよい。放送局5には、番組用サーバ51、データ放送用サーバ52、および多重化装置53などが設置されている。
【0026】
番組用サーバ51およびデータ放送用サーバ52は、ハードディスク装置を含んで構成されている。番組用サーバ51は、放送対象となる番組データ(本放送部分のデータ)を蓄積するようになっている。データ放送用サーバ52は、データ放送として放送するデータ(サブ放送部分のデータ)を蓄積するようになっている。多重化装置53は、番組用サーバ51からの番組データとデータ放送用サーバ52からのデータとを多重化し、最終的な放送データを作成する機能を有している。データ放送用サーバ52は、例えば専用線により管理センタ2の問題データベース30に接続されている。
【0027】
放送局5からの放送波8は、例えば第4図に示したような構成となっている。第4図では、アナログ放送の例を示している。放送局5は、放送波8の本放送部分81に、学習講座番組D12を番組コンテンツとして含めて放送するようになっている。また、放送波8のデータ放送部分82に、学習講座番組D12と多重化する形で問題データD11を含めて放送するようになっている。データ放送部分82は、走査線の帰線期間を利用して放送される部分である。学習講座番組D12の内容は、例えば受験機関において録画された授業映像である。問題データD11の内容は、学習講座番組D12に関連したものとなっている。問題データD11は、管理センタ2の問題データベース30から提供されたものである。放送局5からの学習講座番組D12および問題データD11の放送は、例えば、放送料の安価な深夜帯を利用して行われる。
【0028】
なお、特に、デジタル放送の場合には、学習講座番組D12についてもデータ放送部分82に含めて放送するようにしてもよい。
【0029】
端末装置は、試験を受ける受験生により操作されるものであり、学校もしくは試験会場などの教育施設10A、または家庭10Bなどに設置される。教育施設10Aに設置された端末装置11A〜11C、ならびに家庭10Bに設置された端末装置101は、パーソナルコンピュータによって構成され、直接または間接的にインターネット3へと接続可能となっている。なお、端末装置としては、パーソナルコンピュータのほか、携帯端末7を利用することも可能である。
【0030】
教育施設10Aには、端末装置11A〜11Cのほか、LANサーバ12と受信ユニット14とが設置されている。端末装置11A〜11CとLANサーバ12は、局所的な通信網としてのLAN13に接続されている。なお、第1図では、端末装置11A〜11Cを3台図示しているが、LAN13に接続された端末装置の数は3台とは異なる数であってもよい。
【0031】
LAN13は、例えばEthernet(登録商標)規格のネットワークにより構築されている。なお、第1図ではLAN13によって局所的な通信網が構築されている例について示しているが、教育施設10Aにおける通信網は、その通信エリアに制限のあるものであれば、他の形態のものであってもよい。また、複数のLAN同士を接続してWANが構築されたものであってもよい。
【0032】
受信ユニット14は、放送局5からの放送波8を受信するためのものである。受信ユニット14によって受信された放送波8に含まれる学習講座番組および問題のデータは、LANサーバ12に一旦蓄積され、教育施設10A内において、任意の時間帯に利用することが可能となっている。学習講座番組の視聴(受講)は、図示しない映像表示装置を利用して行われる。学習講座番組の視聴形態としては、例えば、教室に大型の映像表示装置を設置し、複数の受験生が同時に講座を受講するようなものが考えられる。また、小型の映像表示装置を利用し、個人ごとに受講するような形態であってもよい。
【0033】
端末装置11A〜11Cは、提供された問題D1に対する受験生の回答情報D2を出力する機能を有している。端末装置11A〜11Cは、それぞれ、LAN13を介してLANサーバ12との相互通信が可能となっている。端末装置11A〜11Cへの問題D1の提供は、インターネット3を介して行ってもよいし、放送波8、または記録媒体によって行ってもよい。インターネット3を介して問題D1の提供を行う場合、LANサーバ12に一旦データを蓄積して端末装置11A〜11Cへ問題D1を配信するようにしてもよいし、LANサーバ12にデータを蓄積せずに、そのまま配信するようにしてもよい。放送波8による場合は、受信ユニット14が受信した放送波8に含まれる問題データD11(第4図参照)をLANサーバ12が抽出し、それを問題D1として端末装置11A〜11Cへ配信することにより提供される。
【0034】
記録媒体によって問題の提供を行う場合は、記録媒体の形態は特に限定されないが、例えば、DVD(Digital Versatile Disc),CD(Compact Disc)などの各種光メディア、または磁気ディスクなどを利用することが可能である。記録媒体によって問題D1の提供を行う場合には、端末装置11A〜11Cとして、その記録媒体に応じた読み取り手段を有したものが使用される。
【0035】
端末装置11A〜11Cは、回答データとして、採点前の回答データのみを出力するようにしてもよいし、採点後の回答データ(採点結果)のみを出力するようにしてもよい。また、採点前の回答データと採点結果の双方を出力するようにしてもよい。この場合、端末装置11A〜11Cにおける採点機能は、例えば、試験前にあらかじめ端末装置11A〜11Cに採点用のソフトウェアを組み込むことにより実現できる。また、例えば、試験終了後にインターネット3を介して管理センタ2から採点用のソフトウェアをダウンロードし、それを端末装置11A〜11Cに組み込むことによっても実現できる。また、このような採点機能をLANサーバ12が持っていてもよい。さらに、端末装置11A〜11Cから出力されるそれぞれの回答情報D2に、問題に対する直接的な回答データのみならず、学習者がその回答に至るまでの間接的な情報(例えば、回答に至るまでに要した時間、問題を解く順番の情報など)が含まれていてもよい。
【0036】
LANサーバ12は、端末装置11A〜11Cからのそれぞれの回答情報D2を、LAN13を介して取得、収集し、その収集した回答情報D2をインターネット3を介して管理センタ2に送出する機能を有している。LANサーバ12は、また、管理センタ2から配信されてきた試験結果の評価D4をインターネット3を介して受信し、端末装置11A〜11Cに配信する機能をも有している。LANサーバ12は、また、受信ユニット14が受信した放送波8に含まれる問題データD11および学習講座番組D12を蓄積し、端末装置11A〜11Cまたは図示しない映像表示装置に配信する機能を有している。
【0037】
家庭10Bには、端末装置101のほか、TV(テレビジョン)受像機102および受信ユニット103が設置されている。
【0038】
TV受像機102は、放送局5からの放送波8を受信すると共に、その放送波8に含まれる学習講座番組の映像および音声を出力する機能を有している。放送波8の受信は、専用の受信ユニット103によって行ってもよい。学習講座番組の受講は、リアルタイムで行ってもよいし、図示しないビデオ録画装置または端末装置101などに一旦蓄積し、任意の時間帯に行ってもよい。
【0039】
端末装置101は、基本的に、教育施設10Aに設置された端末装置11A〜11Cと同様の機能を有するものであり、提供された問題D1に対する受験生の回答情報D2を出力する機能、インターネット3を介して試験結果の評価D4を受信する機能などを有している。端末装置101への問題D1の提供は、端末装置11A〜11Cと同様、インターネット3を介して行ってもよいし、放送波8、または記録媒体によって行ってもよい。放送波8による場合は、TV受像機102または受信ユニット103が受信した放送波8に含まれる問題データD11(第4図参照)を、例えば端末装置101自身が抽出することにより行う。
【0040】
携帯端末7は、PDAと呼ばれる携帯情報端末、または携帯電話機などであり、キャリア6が提供する通信サービスを利用することにより、インターネット3へのアクセス機能を有している。携帯端末7としては、さらに放送波8の受信機能を有したものを使用してもよい。このような機能を有した携帯端末7としては、例えば、デジタル放送の受信機能を有した次世代型の携帯電話機がある。携帯端末7は、主に、比較的問題数の少ない小テストの実施に利用される。携帯端末7を使用することにより、据え置き型の端末装置を使用する場合に比べて、時間と場所を選ばずに、試験を実施することができる。
【0041】
キャリア6は、基幹となる広域電気通信サービスを提供する電気通信事業者の施設(基地局)であり、インターネット3に接続されている。このキャリア6は、携帯端末7とインターネット3との間を接続する機能を有している。この機能により、携帯端末7は、インターネット3を介して管理センタ2にアクセスすることができるようになっている。
【0042】
試験結果分析装置20は、インターネット3を介して各端末装置からのそれぞれの回答情報D2を取得し、その取得した回答情報D2に基づいて各受験生の試験結果を統計的に分析する機能を有している。試験結果分析装置20で行う分析処理には、回答を採点することが含まれる。また、試験結果分析装置20が行う統計的な分析処理には、平均点および偏差値などの従来からある試験結果の評価、分析のみならず、従来では行われていなかった分析手法によって、個人の能力傾向の分析などを行うことが含まれる。この統計的な解析処理の具体例については、後に詳述する。試験結果分析装置20による分析は、回答情報D2のほか、問題データベース30および分析用データベース40に蓄積された各種データを参照して行われるようになっている。試験結果分析装置20は、また、試験結果を分析することにより得られた各受験生の評価D4を、インターネット3を介して配信する機能をも有している。
【0043】
試験結果分析装置20は、コンピュータにより構成されており、図示しないが、CPU(中央処理装置)、主記憶装置、入力装置、出力装置、および補助記憶装置(ハードディスクドライブなど)を有している。主記憶装置は、例えばRAM(ランダム・アクセス・メモリ)によって構成されている。試験結果分析装置20における各機能は、補助記憶装置に記憶された本実施の形態における試験結果分析用のプログラムを、主記憶装置にロードし、そのロードされたプログラムをCPUが実行することによって実現される。
【0044】
問題データベース30および分析用データベース40は、例えば、大容量のハードディスク装置を複数用いて構成したRAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)等により構成される。
【0045】
問題データベース30は、受験生の各端末装置に提供する問題D1を蓄積するためのものである。問題データベース30に蓄積された問題は、インターネット3、放送波8、または記録媒体を利用して各端末装置に提供される。
【0046】
分析用データベース40は、試験結果分析装置20が行う分析に必要とされるデータおよびその分析結果を蓄積するためのものである。この分析用データベース40は、第3図に示したように、回答情報・データベース(回答情報DB)41と、能力マップ・データベース(能力マップDB)42と、対照表・データベース(対照表DB)43と、分析結果・データベース(分析結果DB)44とを有して構築されている。
【0047】
回答情報DB41は、各端末装置から収集した回答情報D2のデータで構築されている。能力マップDB42は、後述する能力傾向要素マップ(第13図参照)に相当するデータで構築されている。対照表DB43は、問題データベース30(第1図)における問題と能力マップDB42における能力傾向要素マップとの対応関係(第14図参照)を示すデータで構築されている。分析結果DB44は、試験を実施した結果導き出されたデータ、すなわち、回答情報D2を分析することにより得られたデータで構築されている。
【0048】
第2図は、試験結果分析装置20の機能的な構成を示している。第2図に示した各機能は、試験結果分析装置20において、本実施の形態に係る試験結果分析用のプログラムを実行することにより実現される。試験結果分析装置20は、正答率演算部21と、評価部22とを有している。試験結果分析装置20による分析として、能力要素別、学校別、クラス別、または先生別等の多変量解析を行うことも可能である。
【0049】
正答率演算部21は、各受験生の回答情報D2に基づいて、合計得点の同じ受験生グループごとに、各問題の正答率(正解率)を算出し、合計得点と各問題の正答率との関係(後述する問題別正答率曲線、第6図参照)を求める機能を有している。
【0050】
評価部22は、正答率演算部21の演算結果に基づいて、種々の評価を行うものであり、問題別学力指数演算部23と、能力別学力指数演算部24と、問題評価部25と、教師評価部26と、生徒グループ抽出部27とを有している。
【0051】
問題別学力指数演算部23は、合計得点と各問題の正答率との関係に基づいて、その受験生が属する同一合計得点グループ内での各問題に対する正答(正解)もしくは誤答(不正解)の度合いを数値化し、その受験生の問題別の学力指数(後述する問題別正答指数および問題別誤答指数、第7図等参照)を求める機能を有している。
【0052】
能力別学力指数演算部24は、問題別学力指数演算部23によって求められた問題別の学力指数に基づいて、受験生の能力要素別の学力指数(後述する能力要素別学力傾向指数)を求める機能を有している。能力要素別の学力指数は、後述するように、例えば、問題別学力指数演算部23によって求められた問題別の学力指数を、各問題が試している能力要素に所定の比率で割り振り、その受験生が属する同一合計得点グループ内での各能力要素に対する学力の度合いを数値化することにより求められる。能力要素別の学力指数は、1回の試験結果のみから求めることもできるが、複数回の試験結果から求める方が、その分析精度、確度の点で好ましい。
【0053】
問題評価部25は、例えば合計得点と各問題の正答率との関係に基づいて、各問題の評価を行う機能を有している。
【0054】
教師評価部26は、例えば、合計得点と各問題の正答率との関係、問題別の学力指数、または能力要素別の学力指数のいずれか一つを、受験生を担当する教師別に抽出し、それに基づいて、各教師の分析、評価を行う機能を有している。
生徒グループ抽出部27は、例えば、問題別の学力指数または能力要素別の学力指数に基づいて、似た学力傾向を持つ受験生グループを抽出する機能を有している。
【0055】
なお、正答率演算部21および評価部22の機能によって実現される分析、評価の具体例については、後に詳述する。
【0056】
次に、第5図の流れ図を参照しつつ、上記のような構成を有する学習支援システムの全体的な動作について説明する。
【0057】
ここでは、教育施設10Aに設置された端末装置11A〜11Cを利用する場合を例に説明する。端末装置11A〜11Cのそれぞれは、提供された問題D1の入力を受け付ける(ステップS101)。問題D1は、インターネット3、放送波8、または記録媒体によって提供される。インターネット3を介した問題D1の提供は、管理センタ2によって行われる。放送波8を用いた問題D1の提供は、放送局5によって行われる。放送局5は、例えば第4図に示したように、放送波8のデータ放送部分82に、学習講座番組D12と多重化する形で問題データD11を含めて放送する。
【0058】
各受験生は、端末装置11A〜11Cを操作して問題D1に回答する。端末装置11A〜11Cは、それぞれ、問題D1に対する受験生の回答情報D2を出力する(ステップS102)。LANサーバ12は、端末装置11A〜11Cからのそれぞれの回答情報D2を、LAN13を介して取得、収集し、その収集した回答情報D2をインターネット3を介して管理センタ2に送出する。
【0059】
管理センタ2において、試験結果分析装置20は、端末装置11A〜11Cからの回答情報D2を、インターネット3を介して受信、取得する(ステップS201)。取得した回答情報D2は、分析用データベース40の回答情報DB41(第3図)に逐次蓄積される。試験結果分析装置20は、問題データベース30および分析用データベース40に蓄積されたデータを参照しつつ、取得した回答情報D2に基づいて、各受験生の能力などを分析する(ステップS202)。試験結果分析装置20は、また、その分析結果により得られた各受験生の評価D4をインターネット3によって配信する(ステップS203)。試験結果分析装置20は、分析結果に基づいて、分析用データベース40の内容(主に分析結果DB44(第3図))を更新する(ステップS204)。
【0060】
端末装置11A〜11Cは、それぞれ、試験結果分析装置20から配信された試験結果の評価D4を受信する(ステップS103)。端末装置11A〜11Cへの評価D4の配信は、より詳しくは、インターネット3を介して配信された評価D4をLANサーバ12が受信し、さらにLANサーバ12が、LAN13を介して端末装置11A〜11Cに配信することにより行われる。各受験生は、試験結果分析装置20から配信されてきた評価D4を参考にして、例えば今後の勉強方針を立てることができる。
【0061】
次に、試験結果分析装置20で行う分析処理について、具体的に説明する。以下では、主に学校教育を例にして説明する。なお、試験結果分析装置20で行う分析処理に関しては、以下で説明する具体例に限定されるものではなく、データの抽出の仕方、分析の軸などには、その他にもさまざまなものが考えられる。また、実際のデータの分析過程で、その分析結果の利用の仕方に新たな発見があることなども予想される。
【0062】
<問題別正答率曲線>
試験結果分析装置20では、正答率演算部21(第2図)の機能により、まず、第6図に示したような問題別正答率曲線を求める。問題別正答率曲線は、各問題の正答率(正解率)を、合計得点の同じ受験生グループごとに算出し、例えば横軸を「合計得点」、縦軸を各問題の「正答率」としてグラフ化したものである。第6図では、この問題別正答率曲線(曲線61〜65)のほか、参考として、「合計得点」と「人数」との関係を示す曲線66も同時に図示している。曲線61〜65が、ある問題1〜問題5に対する問題別正答率曲線である。
【0063】
第6図において、例えば合計得点60点を取得した生徒グループの問題1に対する「正答率」は、問題1の問題別正答率曲線61から、25%と求められる。従って、合計得点60点の生徒がもしこの問題1に正答(正解)していれば、この傾向の問題には比較的強い、または得意であるということがいえる。また、合計得点70点を獲得した生徒グループの問題1に対する正答率は、問題別正答率曲線61から、75%と求められる。従って、もし合計得点70点の学生がこの問題1に正答できなかったとすると、この種類の問題に弱点があるということがいえる。
【0064】
ところで、問題別正答率曲線は、問題の違いによりさまざまな形となる可能性がある。例えば、あるポイントから急激に正答率が上がる形となる場合(曲線61,62)、または合計得点に比例して平均的に正答率が上がっていく形となる場合(曲線63)などが予想される。また、合計得点の最低レベルから最高レベルまで同じく高い正答率を示す場合(曲線64)もあるが、逆に全く正答率が上がらなかったりする(曲線65)ような問題は難問ということができ、問題自体のチェックにも利用できる。この問題別正答率曲線に基づく問題自体の評価の具体例については、後に詳述する。
【0065】
なお、以上の問題別の曲線の考え方は、正答率に対するもののみならず、他の指標にも応用できる。例えば、各問題ごとの回答時間、各問題カテゴリーごとの標準偏差値(または標準点数)などにも応用できる。これらの指標は、それぞれの観点からの個人別能力特性を計る、従来にはない新たな「ものさし」となり得る。
【0066】
<個人別(生徒別)の能力分析>
試験結果分析装置20では、問題別正答率曲線に基づいて、生徒個人別の能力分析・評価を行う。この生徒個人別の分析・評価は、大きく2つの段階に分けられる。第1段階は、問題別学力指数演算部23の機能により問題別の学力指数を求めるものであり、第2段階は、能力別学力指数演算部24の機能により、能力要素別の学力指数を求めるものである。これらの学力指数は、生徒自身の学習における参考にすることができると共に、先生が生徒を指導する際の参考にすることもできる。以下、各段階に分けて説明する。
【0067】
(問題別学力指数)
問題別の学力指数は、問題別正答率曲線に基づいて求められる。問題別正答率曲線としては、基本的に、受験生全員を母集団としたデータを使用する。問題別の学力指数には、正答指数と誤答指数とがある。正答指数は、その問題に正答した場合の指数であり、+(プラス)で表示される。誤答指数は、その問題に誤答(不正解)した場合の指数であり、−(マイナス)で表示される。
【0068】
第7図は、問題別正答率と正答指数および誤答指数との関係を示している。曲線71〜74は、ある問題1〜問題4に対する問題別正答率曲線である。第7図において、例えば合計得点70点を取得した生徒グループの問題1に対する正答率は、問題1の問題別正答率曲線71から、90%と求められる。また、問題3に対する正答率は、問題別正答率曲線73から、30%と求められる。この場合、合計得点70点のグループ内においては、問題1に正答することは容易であるが、問題3に正答することは難しいといえる。このような場合、問題3に正答した生徒は、その問題3に関しては、合計得点70点のグループ内での能力評価が相対的に高いといえる。この考え方から、問題に"正答"した場合に、同一合計得点グループ内における正答率が低いほど、値の大きくなる指数を導入する。すなわち、第7図に示したように、正答率が100%のときを0(ゼロ)、正答率が0%のときを+100として、正答率が低くなるほど順次増加するような値を正答指数として設定する。以上まとめると、正答指数は、その値が大きいほど、同一合計得点グループ内において難易度の高い問題に正答したことを示し、その生徒の評価が高いことを示す。
【0069】
誤答指数は、正答指数とは逆の考えに基づくものである。すなわち、例えば問題1に関しては、合計得点70点のグループ内での正答率は90%であり、いわば正答して当然の問題であるから、この問題1に"誤答"であった生徒は、合計得点70点のグループ内での能力評価が相対的に低いといえる。この考え方から、問題に"誤答"した場合に、同一合計得点グループ内における正答率が高いほど、マイナス方向に値の大きくなる指数を導入する。すなわち、第7図に示したように、正答率が0%のときを0(ゼロ)、正答率が100%のときを−100として、正答率が高くなるほど順次マイナス側に増加するような値を誤答指数として設定する。以上まとめると、誤答指数は、その値がマイナス方向に大きいほど、同一合計得点グループ内において難易度の低い問題に誤答であったことを示し、その生徒の評価が低いことを示す。
【0070】
第8図に、第7図の例において、合計得点70点の生徒が取り得る学力指数をまとめて示す。合計得点70点の生徒が正答した場合の学力指数(正答指数)は、問題1〜問題4についてそれぞれ、+10,+22,+61,+70となる。一方、誤答した場合の学力指数(誤答指数)は、問題1〜問題4についてそれぞれ、−90,−78,−39,−30となる。
【0071】
個人別の能力分析・評価の第1段階では、以上のような正答指数および誤答指数を、各問題ごと、各個人ごとに求め、さらに好ましくは、求めた指数をグラフ化する。正答指数および誤答指数をグラフ化したものを、"問題別正答指数グラフ"と呼ぶ。
【0072】
第10図に、問題別正答指数グラフの一例を示す。また、第9図に、第10図の問題別正答指数グラフを作成する基となった問題別正答率曲線を部分的に示す。第9図において、曲線91〜93は、ある問題1〜問題3に対する問題別正答率曲線である。第9図において、合計得点60点のグループに属し、かつ、問題1,2に正答、問題3に誤答であった生徒の学力指数を求めると、問題1〜問題3について、それぞれ+60,+45,−30となる。このように求められた個人の問題別の学力指数を、第10図に示したように、例えば、縦軸を問題、横軸を各問題の学力指数としてグラフ化したものが、その生徒個人に関する問題別正答指数グラフである。
【0073】
問題別正答指数グラフを参照することにより、生徒は、自分の相対的な弱点と得意点が、従来に比べて正確に判断できる。例えば、第10図において、符号110を付して示した部分のように、正答指数側に突出した問題があれば、これらの傾向の問題に対しては相対的に優れた学力を有していると判断できる。逆に、符号111を付して示した部分のように、誤答指数側に突出した問題があれば、これらの傾向の問題に対しては相対的な学力に弱点があると判断できる。正答指数、誤答指数の値に基づく相対的な学力の判断の基準は、例えば以下のとおりである。
【0074】
「+50<正答指数<+100」の場合。
本人の合計得点レベルと同等の学力を持つグループ内で正答率が50%以下の問題に正答したことを意味する。従って、相対的評価においてこの傾向の問題、分野に比較的強く、また数字が大きいほどその傾向が強いといえる。例えば、正答指数+99ということは99%の生徒が間違った問題に正答したことを意味し、その場合はこの問題に対し極めて高い学力を既に有しているということができる。
【0075】
「−100<誤答指数<−50」の場合。
本人の合計得点レベルと同等の学力を持つグループ内で正答率が50%以上の問題に正答できなかったことを意味する。従って、相対的評価においてこの傾向の問題、分野に比較的弱く、また数字が大きいほどその傾向が強いといえる。例えば、誤答指数−99ということは99%の生徒が正答した問題に間違ったことを意味し、その場合はこの問題に対する学力が極めて不足しているということができる。
【0076】
問題別正答指数グラフを各生徒の評価として配信する場合は、以上のような学力指数の解説を付加しておくことが望ましい。さらに、出題者側より文章で明示される各問題の出題意図(どのような学力を試す問題であるか?)を、付加しておくことが望ましい。生徒は、各問題の出題意図を問題別正答指数グラフと併せて一緒に読み合わせることで、学力の弱点、得意点をより詳細に判断することができる。
【0077】
なお、以上で説明した正答指数、誤答指数の値を、さらに形式的に別の値に換算することもできる。第11図は、正答指数および誤答指数の値を、それぞれ、「+1〜+5」,「−1〜−5」の5段階表示に換算し、より分かりやすい形に工夫した例である。
【0078】
第12図は、生徒に実際に配信する試験結果の評価の具体例を示す。第12図は、大学受験に関する模擬テストの結果を評価した例である。第12図に示したように、試験結果分析装置20は、問題別正答指数グラフのみならず、従来からある各種分析指標を評価として配信する。従来からある各種分析指標としては、例えば、問題別の採点結果、総合得点、偏差値、順位などがある。問題別正答指数グラフに関しては、その生徒の得点をベースとしたもの(第12図の左下のグラフ)のみならず、参考として、例えば進学希望レベルをベースとしたもの(第12図の右下のグラフ)を含めるようにしてもよい。さらに、試験結果分析装置20では、第12図に示した各種評価に加えて、好ましくは、次に説明する能力別学力指数に関する評価を含めて配信する。
【0079】
(能力別学力指数)
能力別学力指数(能力要素別学力傾向指数)は、以下で説明する能力傾向要素マップに基づいて、各問題を複数の能力要素に分解し、問題別の学力指数を能力要素別の学力傾向指数に変換したものである。
【0080】
能力傾向要素マップは、試験(問題)で試す能力を階層的に複数の構成要素に分類してマップ化したものである。学校教育を例にすると、試験で試されている能力にはおおまかに数学、英語、国語などの科目がある。この能力は、さらに各科目ごとに細かく分類することができる。
【0081】
第13図は、英語に関する能力傾向要素マップである。第13図に示したように、英語に関しては、例えば"表現力"という能力がある。この表現力はさらに"文法力"、"構文知識"、"語彙・表現知識"などの能力に分けられ、文法力はさらに、"不定詞"、"分詞"、"動名詞"などの能力に分けられる。不定詞はさらに、"基本3用法の判別"、"副詞的用法の判別"、"不定詞の意味上の主語"などの能力に分けられる。このようにして分類された能力の構成要素には、A02(表現力),B18(文法力)というように、それぞれ固有のコードが付されている。
【0082】
このような教科別に作成した能力傾向要素マップに基づき、各問題を関連する能力要素に係数分解する。この係数分解には、あらかじめ用意された係数分解表を用いる。係数分解表に、各生徒の試験結果を当てはめ、例えば、正答の場合は各能力要素の係数をプラス、誤答の場合はマイナスとする。また、各能力要素ごとに合計得点を出す。係数分解表のデータは、対照表DB43(第3図)に格納されている。
【0083】
第14図は、この係数分解表を用いて実際に試験結果を係数分解した例である。問題の能力要素への係数分解とは、ある問題を解くのにどのような能力が必要であるか、また、その能力が一つの問題に複数かかわっている場合にはその複数の能力がそれぞれどのような割合でかかわっているかを100分率等の係数で分解表示したものである。例えば第14図では、問題2を解くには文法力のうち、C403「不定詞の意味上の主語」に関する学力が80%と、構文知識のうちS611の「動詞の種類と文型」の知識能力が20%必要ということを意味している。各問題における係数配分の比率は、例えば教師、問題作成者またはそれと同等の知識を持つ人間が判断して決める。
【0084】
上述の問題別の学力指数(正答指数・誤答指数)を、第14図で示したような係数分解の比率によって、各能力要素に割り振り、能力要素別の学力指数へと変換する。また、各能力要素ごとに学力指数の合計得点を出す。このようにして求めた能力要素別の学力指数をグラフ化する。これを、"能力要素別学力傾向指数グラフ"と呼ぶ(以下、単に能力別学力指数グラフという。)。
【0085】
第15図に、能力別学力指数グラフの一例を示す。能力別学力指数グラフは、例えば、縦軸を各能力要素、横軸を各能力要素の学力指数としてグラフ化したものである。なお、第15図では、能力要素をそのコード番号で示している。生徒は、能力別学力指数グラフを参照することにより、自分の能力に関する相対的な弱点と得意点が、従来に比べて正確に判断できる。例えば、第15図において、符号151を付して示した部分のように、プラス側に突出した能力要素があれば、これらの能力要素に対しては相対的に優れた学力を有していると判断できる。逆に、符号152を付して示した部分のように、マイナス側に突出した能力要素があれば、これらの能力要素に対しては相対的な学力に弱点があると判断できる。
【0086】
なお、能力別学力指数グラフとして、正答指数・誤答指数から変換した値を用いるのではなく、別の指標を用いてもよい。すなわち、正答指数・誤答指数を用いるのではなく、例えば、単に第14図で示した各能力要素の係数分解値の合計得点を標準偏差値表示に変換し、グラフ化してもよい。
【0087】
また、第16図に示したように、能力別の学力指数を複数の試験結果から求めるようにしてもよい。1回の試験で実施される問題数は限られているため、通常、1回の試験のみで、すべての能力要素をカバーすることは困難である。複数回の試験を行うことで学力傾向の全体像を精度よく把握することができる。また、一つの問題には通常複数の能力要素がかかわっていることから、ある問題を間違えた場合に、そのうちのどの能力要素が原因で間違えたのかは、一つの問題だけでは確実な判断はできない。このため、複数の問題の結果を解析することにより、確度の高い判定をすることができる。能力別の学力指数は、問題の種類および数が多くなるほど、精度が高くなる。このことからも、複数回の試験を行う方が有利である。従って、一人の生徒に関し、複数の試験結果を重ね合わせた総合的な学力指数グラフを作成することが望ましい。
【0088】
以上、問題別正答率曲線、能力要素別の学力指数など、従来にはない観点による個人の学力、能力の分析手法について説明したが、これらの分析手法により、生徒の学力を統計的・客観的な事実に基づき把握することが可能となる。また、教育者にとっては生徒に対する教育・指導方法を明確化することができる。
【0089】
<その他の分析・評価>
試験結果分析装置20では、生徒個人の能力分析・評価の他にも、種々の分析・評価を行うことができる。その他の分析・評価として、まず、生徒グループ抽出部27(第2図)の機能による生徒のグループ分けの具体例について説明する。
【0090】
(生徒のグループ分け)
例えば、複数の生徒の能力別学力指数グラフを比較することで、生徒を学力傾向が似通った者同士のグループに分類することができる。例えば第17図に示したように、文法力の不定詞は比較的優れているが動名詞の使い方につき弱点があると判断される能力別学力指数グラフのパターンを持つ生徒A,B,Cが存在した場合、それらの生徒をひとつのグループとしてまとめることができる。このような生徒グループに対しては、文法の授業の際に動名詞を重点的に教えたり、動名詞の学習により多くの時間を割くようなカリキュラムを組むことで、効率的に学力向上を図ることができる。
【0091】
このような能力要素別のグループ分けを行う場合、第13図に示した能力傾向要素マップ上の大項目(例えば文法力、構文知識など)で大きく分類し、1グループの人数を比較的多くしてグループ数を少なくすることもできるが、中項目あるいは小項目まで学力傾向を細かく分類して少人数のグループを数多く作ることも可能である。ただし、少人数制は多くの教師が必要なため、対応が可能な指導体制の範囲内で選択する必要がある。なお、以上は能力別の学力指数に基づくグループ分けの例であるが、その他、問題別の学力指数に基づいてグループ分けを行うことも可能である。
【0092】
以上のグループ分けの手法は、以下のような手順をプログラミングすることでコンピュータ処理で実現できる。すなわち、例えば、能力別の学力指数、または問題別の正答指数・誤答指数の各数値をグループ分けを行う指標とし、また、この指標に対してある幅を持った閾値を設定する。そして、その設定された閾値に入る数値を持つ生徒群を、傾向の似た生徒群であるものとして抽出する。閾値の設定は、例えば能力要素の項目ごとの平均値を算出し、それを基準として、標準偏差など、統計的な手法によりその幅を決定して行うことができる。
【0093】
(試験問題の評価)
次に、問題評価部25(第2図)の機能による試験問題の評価の具体例について説明する。この試験問題の評価については、例えば問題別正答率曲線を利用する。
【0094】
試験問題(特に入試問題)は、生徒の実力を相対的に比較評価するのが目的であるため、正答率曲線は右肩上がりとなるのが普通と考えられる。つまり入試問題は、学力の低い生徒(合計得点の低い生徒)にとっては正答する確率が低く、学力の高い生徒(合計得点の高い生徒)にとっては正答する確率が高くなることで、学力の高低を正当に評価できるはずである。
【0095】
従って例えば、第18図に示した曲線181のように、合計得点と全く関連性を持たなかったり、曲線182のように合計得点が上がるにつれ逆に正答率が下がったりするもの、または合計得点に関係なくほとんど正答率がゼロであるような曲線183となる問題があれば、それはいわゆる難問・奇問の類と判断してもよい。このような問題別正答率曲線に基づく問題の評価は、従来では行われていなかったものである。特に、曲線181,182となるような問題は、正答率曲線を描くことで初めて明らかになる種類のものである。
【0096】
また、難問・奇問ではないが、その他に特徴的な曲線を示す問題も予想される。例えば第18図の曲線184のような問題別正答率曲線を持つ問題は、ある一定レベル以上の学力を有しないと解答が非常に困難であることを示している。このような問題は、ある一定レベル以上の学力を判断するにはいい問題であるが、逆に、こういう問題ばかりであると、ある一定レベルに達しない生徒グループの学力評価は正当に行うことが難しいと判断される。
【0097】
従って、入試のような総合的学力を試すようなテストの場合には、第19図に示したように、一回の試験中に右肩上がりのさまざまな正答率曲線をバランスよく含んでいることが望ましいと考えられる。
【0098】
以上の試験問題の評価に関するコンピュータ処理は、例えば以下のようにして行う。すなわち、試験問題は基本的に"右肩上がり"があるべき姿であるという基本的な考え方を前提にし、(1)右肩下がりの正答率曲線となる問題、(2)一部に右肩下がりの部分を含む正答率曲線となる問題、(3)合計得点にかかわらず正答率がほぼ一定(曲線がほぼ水平)の問題、(4)途中で急激な勾配の変化を持つ正答率曲線となる問題、等を自動的に抽出することにより行う。合計点と何ら関係性を持たない問題の場合は曲線のどこかで必ず右肩下がりの部分を含むことになるため、上記(2)で代用される。右肩下がりとなる部分を含む(1),(2)のケース、または曲線がほぼ水平となる(3)のケースは、数値的に抽出が可能であるから、コンピュータ処理によるプログラム化は容易である。また、(4)の急激な勾配の変化を持つ問題は必ずしも悪問とはいえないが、ある一定の変化を超えた場合を異常値として検出するプログラムを組むこととし、その場合の問題に対する最終判断は、人間によるものとする。
【0099】
(教師分析・評価)
次に、教師評価部26(第2図)の機能による教師の分析・評価の具体例について説明する。教師評価部26では、例えば、問題別正答率曲線、正答・誤答指数、生徒の能力別学力指数を教師別に抽出(フィルタリング)し、そこに表れる顕著な傾向の差違、特異性により、その教授力の高低、偏り、特徴等を発見する。
【0100】
例えば、第20図に示したように、(A)という教師が教える生徒群のある問題に対する正答率曲線201と、他の教師の教える生徒群の同じ問題に対する正答率曲線202とを比較する。比較した結果、教師(A)にかかわる正答率曲線201が、第20図に示したように合計得点80点付近で急激な変曲点を持つ特異な形状を示していた場合、この問題が必要とする能力要素に関する教師(A)の教え方が、ある一定レベル以上の学力を持つ生徒には有効であるが、それ以下の生徒には有効でない傾向にあることが想像できる。
【0101】
また、生徒の能力別学力指数を教師別に抽出することによっても教師を評価することができる。例えば、第21図に示したように、(A)という教師が教える生徒群の能力別学力指数の平均には特に大きな偏りがなく、特異性も見出せないが、(B)という教師が教える生徒群の学力傾向の平均には文法力のうち、特に不定詞の部分に弱点がある生徒の割合が異常に多いという傾向が見出せたとする。このような場合、教師(B)の不定詞の教え方に何らかの問題があると考えられる。
【0102】
また、能力別学力指数を教師別に抽出することによって、教師の弱点と同様に、客観的に教師の得意分野の発見ができる可能性もある。これにより、例えば、その教師の教授方法を他の教師に水平展開したり、または学力傾向別にグループ分けした生徒に対し、文法力が弱い生徒グループには文法を教えるのが上手な先生をつける等の、分析・評価結果に基づいたクラス編成および担任教授の配置などが可能となる。
【0103】
以上のような教師の分析・評価に関しては、例えば以下のようにしてコンピュータ・プログラム化が可能である。すなわち、例えば、ある教師の教える生徒群の能力別学力指数などに係る平均値を、その他の教師の教える生徒群の平均値と比較し、ある一定レベルの数値の開きがある場合に異常値として検出するシステムとすることで、プログラム化が可能である。平均値の他にも、各指数のばらつき(標準偏差)を比較し異常値を検出する等、各種統計的手法による異常値の検出をプログラム化してもよい。
【0104】
<第1の実施の形態の効果>
以上説明したように本実施の形態によれば、問題別正答率曲線、正答・誤答指数など、従来にはない観点による分析手法を導入して個人の学力、能力の分析・評価を行うようにしたので、試験結果に関して、従来とは異なる観点で、かつ細かく分析、評価を行うことが可能となり、受験生または教育者に対して従来よりも優れた教育、学習支援を行うことができる。これにより、例えば受験生は今後の勉強の方針を、教育者は授業の方針を立てやすくなる。さらに、上述の従来にはない観点による分析手法を用いて、生徒の評価のみならず、教師の評価など、その他の分析・評価を行うようにしたので、その分析・評価を利用してさらに発展的な教育、学習支援を行うことができる。
【0105】
また本システムによれば、各端末装置への問題提供を放送網を介して行い、本放送部分またはサブ放送部分に、問題に関連した学習講座番組を番組コンテンツとして含めて放送するようにしたので、発展的で従来よりも優れた教育、学習支援の提供を行うことができる。例えば、学習講座番組を受講した後で、すぐにその講座に関連した試験を実施し、その評価結果を通信回線を介してリアルタイムまたはリアルタイムに近い状態でフィードバックすることにより、双方向性のある優れた学習支援を行うことができる。
【0106】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。以下では、本実施の形態の特徴的な部分のみを説明し、上記第1の実施の形態における構成要素と実質的に同一の部分には同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0107】
上記第1の実施の形態では、正答率演算部21(第2図)によって、合計得点の同じ受験生グループごとに、各問題の正答率を算出し、合計得点と各問題の正答率との関係(問題別正答率曲線)を求め、これに基づいて評価部22が各種の評価を行うようにしていた。本実施の形態では、試験結果分析装置20が、さらに、"問題分野別"の正答率(もしくは得点率)を算出し、合計得点と問題分野別の正答率(もしくは得点率)との関係(問題分野別合計正答率曲線(もしくは得点率曲線)、第23図参照)を求め、これに基づく評価を行う機能を有している。また、求められた各種の評価に基づいて、各受験生に対する学力診断コメント(アドバイス)を自動生成する機能を有している。
【0108】
第22図は、本実施の形態における試験結果分析装置20の機能的な構成を示している。本実施の形態における試験結果分析装置20は、上記第1の実施の形態における機能構成(第2図)と同様、正答率演算部21Aと、評価部22Aとを有している。
【0109】
正答率演算部21Aは、問題別正答率曲線を求める機能のほか、問題分野別の正答率(もしくは得点率)を算出し、合計得点と問題分野別の正答率(もしくは得点率)との関係を表す問題分野別合計正答率曲線(以下、単に「分野別正答率曲線」という。)、もしくは問題分野別合計得点率曲線(以下、単に「分野別得点率曲線」という。)を求める機能を有している。
【0110】
評価部22Aは、問題別学力指数演算部23、能力別学力指数演算部24、問題評価部25、教師評価部26、および生徒グループ抽出部27のほか、さらに、分野別学力指数演算部28と診断コメント作成部29とを有している。
【0111】
分野別学力指数演算部28は、合計得点と問題分野別の正答率(もしくは得点率)との関係に基づいて、その受験生が属する同一合計得点グループ内での各問題分野に対する正答もしくは誤答の度合い、または得点の獲得度合いを数値化し、その受験生の"問題分野別"の学力指数(問題分野別正答・誤答指数もしくは問題分野別得点指数)を求める機能を有している。
【0112】
問題評価部25、教師評価部26、および生徒グループ抽出部27は、合計得点と各問題の正答率との関係のほか、合計得点と問題分野別の正答率(もしくは得点率)との関係をも考慮して各種評価を行うようになっている。
【0113】
診断コメント作成部29は、"問題別"学力指数や"問題分野別"学力指数(以下、単に「分野別学力指数」という。)などに基づいて、各受験生に対する学力診断コメントを自動生成する機能を有している。学力診断コメントの自動生成は、例えば、あらかじめ、学力指数に対応付けされた多数のコメントをデータベース化して記憶しておき、各受験生の学力指数に応じて適当なコメントを自動抽出することにより実現される。
【0114】
次に、本実施の形態の特徴部分である分野別正答率曲線(もしくは得点率曲線)および分野別学力指数の算出、ならびに学力診断コメントの生成の具体例を説明する。なお、学力指数の表現の仕方や、コメントの表現の仕方などは、以下の具体例に限定されず、他の表現形式であってもよい。
【0115】
<分野別正答率曲線(得点率曲線)、分野別学力指数の算出>
第23図は、分野別正答率曲線(もしくは得点率曲線)とそれに基づく分野別学力指数(分野別正答・誤答指数もしくは分野別得点指数)の算出手法の具体例を示している。
【0116】
例えば、英語の試験では、単語、熟語、文法、表現、読解等に問題分野が分類できる。正答率演算部21Aは、このように試験問題を分野(大問)別にグルーピングし、その分野ごとの正答問題数の小計(もしくは得点の小計)を個人別に算出する。次に、学科の総合得点の同じグループごとに、問題分野別の平均合計正答率(=正答問題数/分野別問題数)または問題分野別の平均合計得点率(=得点/配点)を算出し、第23図に示したように、横軸に「合計得点(学科別総合得点)」、縦軸に各問題分野別の「正答率(もしくは得点率)」を取ったグラフ上に各点をプロットし、問題別正答率曲線(第6図等)と同様の考え方で、問題分野別の平均合計正答率曲線もしくは平均合計得点率曲線を作成する。これが、分野別正答率曲線もしくは分野別得点率曲線(曲線230)となる。分野別正答率曲線、分野別得点率曲線の算出には、基本的に、受験生全員を母集団としたデータを使用する。
【0117】
この分野別正答率曲線もしくは分野別得点率曲線グラフ上に、受験生個人の分野別の正答率もしくは得点率をプロットし、その分野別正答率曲線もしくは分野別得点率曲線からの距離を指数表示したものが、受験生個人の分野別学力指数(分野別正答・誤答指数もしくは分野別得点指数)となる。つまり、例えば分野別得点指数については、
分野別得点指数=個人得点率−平均得点率
という式で表される。
【0118】
具体的に、第23図において、総合得点60点を取得した受験生グループに属する生徒を例にして、分野別得点指数を説明する。例えば、そのグループ内での平均得点率Aを基準として、平均得点率Aよりも得点率が高いほど値が大きくなり、得点率が低いほど値が小さくなる指数を導入する。第23図の例では、平均得点率Aの場合を得点指数0(ゼロ)として、平均得点率Aよりも高い場合をプラスの指数、低い場合をマイナスの指数としている。第23図の例において、得点率がB(70%)であった生徒の分野別得点指数は、+23となり、得点率がC(30%)であった生徒の分野別得点指数は、−17と算出される。分野別学力指数演算部28は、このような手法で分野別得点指数を算出する。分野別正答・誤答指数についても同様にして算出する。
【0119】
なお、分野別学力指数の算出方法には他の方法も考えられる。例えば、各問題(小問)ごとに正答・誤答指数を求め、それらを問題分野別に集計して単純平均を求めるようにしてもよい。
【0120】
<学力診断コメントの生成>
診断コメント作成部29は、例えば以下の内容の学力診断コメントを生成する。既に第13図を用いて説明したように、問題で試す能力は、階層的に複数の学力要素(能力要素)に分類してマップ化することができる。学力診断コメントは、この階層的に分類された学力要素(能力要素)項目に関連付けされて作成される。ここでは、第24図に示したように、英語に関して、第1の階層が単語力、文法力など、5個の学力要素項目に分類され、さらに、文法力に関する学力要素項目が、第3の階層として21個に分類されている場合を例に説明する。第25A図〜第25D図は、この階層に関連付けされたコメントのデータベース構造の例を示している。
【0121】
(i)試験内容にかかわらず普遍的な内容、または試験内容に応じて変化するコメント。
これは、各学力要素に対応したもので、試験内容にかかわらず普遍的な文章、または試験内容に応じて変化する文章で構成される。例えば以下の3種類のコメントA〜Cで構成される。
(a)コメントA:第1階層の得点率(もしくは正答率)に対応。
分野別の得点率(もしくは正答率)に対応する絶対評価的なコメントである。第1階層の各学力要素に対し、第25A図に示したように、得点率(もしくは正答率)の数値に応じて、例えば得点率が80%以上,60〜80%,60%未満の3段階(3種類)のコメントを作成する。この場合、第1階層の学力要素が例えば5要素あるとすると、全体で「3種類×5要素=15種類」のコメントで構成されることになる。
(b)コメントB:第1階層の得点指数(もしくは正答・誤答指数)に対応。
分野別の得点指数(もしくは正答・誤答指数)に対応する相対評価的なコメントである。第1階層の各学力要素に対し、第25B図に示したように、得点指数(もしくは正答・誤答指数)の数値に応じて、例えば得点指数が−11以下,−10〜+10,+11以上の3段階(3種類)のコメントを作成する。この場合、第1階層の学力要素が例えば5要素あるとすると、全体で「3種類×5要素=15種類」のコメントで構成されることになる。
(c)コメントC:第3階層の得点指数(もしくは正答・誤答指数)に対応。
第3階層の特定の分野(例えば文法)に限って与えられるコメントであり、特に得点指数(もしくは正答・誤答指数)の悪いもの(大きな弱点と判断できる項目)、例えば得点指数が−11以下であったものに対するコメントとして作成される。第3階層の1つの学力要素が例えば21要素あるとすると、これら21の学力要素に対し、第25C図に示したように、それぞれにつき1種類のコメントを作成する。この場合、「1種類×21要素=21種類」のコメントで構成されることになる。
【0122】
(ii)試験問題に対応して試験の都度作成するコメント。
これは、各試験問題(小問)そのものに対応したコメントで、試験の都度作成される。これは、例えば以下の1種類のコメントDで構成される(第25D図)。
(a)コメントD:試験問題の各小問の誤答指数に対応。
試験の各小問別の誤答指数が特に悪いものを想定したコメントである。コメント数は問題数により増減するが、例えば最大100種類程度で構成される。なお、ここでいう誤答指数とは、上記第1の実施の形態において説明した問題別正答率曲線から求められる誤答指数と同様のものである。
【0123】
以上のように、コメントに関するデータベースは、基本的に試験内容にかかわらず固定、または試験内容に応じて変化するコメントA〜Cのデータと、各試験に対応する(試験内容に応じて変化する)コメントDとの2種類のデータ群で構成される。
【0124】
これらのコメントのうち、コメントA〜Cは、試験内容にかかわらず固定のコメントにする場合には、特定の試験における問題作成前に、あらかじめデータベース化しておくことが可能である。また、コメントを試験内容に応じて変化させる場合には、実際に試験結果の分析を行う前までにデータベース化しておく。コメントを試験内容に応じて変化させる場合には、各試験につき、1つのデータファイルとしてデータベース内に格納し、各試験のIDと対応するように、ファイリングさせておくことが望ましい。また、得点率または学力指数の大小に応じたコメントの段階分け(上記の例では3段階)に関しては、調整可能にしておいてもよい。すなわち、例えば、「段階数」や「各段階と得点率または得点指数との対応関係」などを調整可能にしておいてもよい。
【0125】
コメントDにかかわるデータベース(各小問に対応する要素項目とコメントデータ)は、特定の試験における問題作成時に問題作成者側において作成し、実際に試験結果の分析を行う前までにデータベース化しておく。コメントDは、各試験につき、1つのデータファイルとしてデータベース内に格納し、各試験のIDと対応するように、ファイリングされていることが望ましい。
【0126】
<学力診断表>
第26図〜第28図は、実際に生徒に配信する学力評価および学力診断コメントの例である。以下、これらの図に示した評価およびコメントの表を"学力診断表"と称する。試験結果分析装置20では、例えばこれらの図に示した学力診断表を自動的に作成し、個人別にひとつにまとめて配信する。
【0127】
第26図は、分野別の学力診断表の例である。この学力診断表には、分野別(大問別)の配点表示欄261、分野別の得点表示欄262、分野別の得点指数表示欄263、分野別のコメント表示欄264などが設けられている。また、大問別に、取得した得点の絶対的な割合が一目で直感的に分かるような点取り表265を設けてもよい。
【0128】
分野別の得点指数表示欄263には、小問別に求めた指数の分野別の平均値、またはその生徒の総合得点レベルにおける分野別の相対的な得点指数を、上述の分野別得点率曲線から算出した数値をグラフ化して表示する。コメント表示欄264には、上述のようにあらかじめデータベース化されて登録されているコメントデータの中から、大問別の得点と得点指数に応じたものを自動的に抽出して表示する。すなわち、コメント表示欄264には、上述のコメントA,B(第25A図,第25B図)に対応するコメントを記載する。例えば、「大問の得点合計に応じたコメントA」+「固定文」+「指数に応じたコメントB」という形式の文章がコメント表示欄264に記載される。「固定文」は、例えば「…ですが、あなたと同じ合計得点を取った受験生のグループと比べると、…」などとする。
【0129】
具体的には、コメント表示欄264に記載する分野別のコメントとしては、例えば、「単語力に関しては、基本的な単語についてはある程度知識が蓄積されているようです。ただし、まだ知識にムラがあるようなので、市販の単語集を用いて計画的な学習をおすすめします。あなたと同じ総合点を取った受験生と比べてほぼ同水準にあります。さらに磨きをかけてあなたの「強み」にしていきましょう。」などと記載する。
【0130】
第27図は、特定の学力要素(文法)についての学力診断表の例である。この学力診断表には、特定の学力要素についての得点指数表示欄271、およびコメント表示欄272などが設けられている。
【0131】
学力要素別の得点指数表示欄271には、その生徒の総合得点レベルにおける各学力要素(能力要素)の相対的な得点指数をグラフ化して表示する。ここに表示する得点指数は、基本的に、上記第1の実施の形態において、第14図,第15図などを用いて説明した能力別学力指数と同様、各問題を細かい学力要素(能力要素)項目に係数分解することにより算出される。この得点指数表示欄271においては、図示したように、特に指数の高いもの、低いものを強調して表示しておくことが好ましい。強調表示の方法としては、色塗りを施したり、表示サイズを大きくすることなどが考えられる。これにより、その生徒の得意、不得意な学力要素が一目で直感的に理解しやすくなる。
【0132】
コメント表示欄272には、上述のようにあらかじめデータベース化されて登録されているコメントデータの中から、例えば、特に得点指数の低いもの(その生徒の弱点と思われる項目)に対するコメントを自動的に抽出して表示する。すなわち、コメント表示欄272には、上述のコメントC(第25C図)に対応するコメントを記載する。なお、このコメント表示欄272には、得点指数の低いもののみならず、特に得点指数の高いもの(その生徒の得意と思われる項目)に対するコメントについても記載してもよい。
【0133】
具体的には、コメント表示欄272に記載する学力要素に関するコメントとしては、例えば、「仮定法は理屈だけでなく、必ず例文と一緒に覚えるのが鍵です。」、「副詞の理解は、修飾の対象を明確に意識することから始まります。」などと記載する。
【0134】
第28図は、小問別の学力診断表の例である。この学力診断表には、小問に対応する学力要素の表示欄281、各小問別の得点指数表示欄282、およびコメント表示欄などが設けられている。
【0135】
小問別の指数表示欄282には、その生徒の総合得点レベルにおける小問別の相対的な正答・誤答指数をグラフ化して表示する。ここに表示する正答・誤答指数は、基本的に、上記第1の実施の形態において説明した問題別正答率曲線から求められる正答・誤答指数と同様のものである。この指数表示欄282においては、上述の特定の学力要素についての学力診断表(第27図)と同様、特に指数の高いもの、低いものを強調して表示しておくことが好ましい。
【0136】
表示欄281には、例えば、指数が低く、その生徒にとって深刻な誤答問題と考えられる小問について、特にその小問で試されている学力要素の項目を表示する。このような表示を行うことで、その生徒にとっては、特にどの問題を復習すべきかが一目で分かることになる。
【0137】
小問別のコメント表示欄には、上述のようにあらかじめデータベース化されて登録されているコメントデータの中から、例えば、特に指数の低いもの(その生徒の弱点と思われる項目)に対するコメントを自動的に抽出して表示する。すなわち、このコメント表示欄には、上述のコメントD(第25D図)に対応するコメントを記載する。なお、このコメント表示欄には、指数の低いもののみならず、特に指数の高いもの(その生徒の得意と思われる項目)に対するコメントについても記載してもよい。
【0138】
小問別のコメントとしては、例えば、「We had〜のhadは、一般動詞としての使い方なのでdidで受け、また主語はyouとなる。」、「まず、(5)のwas lookedに注目。選択肢中にはこの主語になりうるものはない。」などと記載する。
【0139】
<その他の分析・評価>
以上の分野別の学力評価や、学力診断コメントの作成は、生徒個人のみならず、特定の集団単位(例えばクラス(学級)単位)で行うことも可能である。
【0140】
第29A図〜第29C図は、クラス別の学力診断表の例を示している。この学力診断表では、分野別(第29A図)、学力要素別(第29B図)に、それぞれ、クラス内での総合得点の「成績上位者」、「成績中位者」、および「成績下位者」ごとの平均指数の表示欄292〜294、ならびにクラス全体の平均指数の表示欄291などが設けられている。また、クラスの平均、成績上位者、成績中位者、および成績下位者の平均のそれぞれに対する総合的な学力診断コメントを記載するコメント表示欄(第29C図)も設けられている。この学力診断表における指数の算出の仕方やその表示方法などは、基本的に、上述した個人の学力診断表の場合と同様である。
【0141】
第30図は、クラスにおける小問別の学力診断表の例を示している。この学力診断表では、小問別に、クラス内での総合得点の「成績上位者」、「成績中位者」、および「成績下位者」ごとの平均指数の表示欄302〜304、ならびにクラス全体の平均指数の表示欄301などが設けられている。この学力診断表における指数の算出の仕方やその表示方法などについても、基本的に、上述した個人の学力診断表の場合と同様である。
【0142】
第31図は、クラス内の生徒の成績順位(総合得点の順位)に関連付けされた学力診断表の例を示している。この学力診断表では、生徒の氏名の表示欄311、大問別の得点指数表示欄312、特定学力要素別の得点指数表示欄313などが設けられている。
【0143】
表示欄311には、例えば、成績の良い者(総合得点の高い者)順に、生徒の名前を記載する。得点指数表示欄312,313には、それぞれ、その生徒の大問別、特定学力要素別の学力指数を、図示したように、数段階に分けて簡略化して表示する。
【0144】
以上のようなクラス別の学力診断表は、例えばそのクラスを担当する教師に配信する。教師は自分のクラスの学力評価を参考にして、今後の授業方針などに役立てることができる。
【0145】
以上説明したように本実施の形態によれば、試験結果分析装置20において、合計得点と問題分野別の正答率(もしくは得点率)との関係を表す分野別合計正答率曲線(もしくは得点率曲線)を作成し、それに基づいて個人ごとに問題分野別の学力指数を求めたり、または各問題(小問)ごとに正答・誤答指数を求め、それらを問題分野別に集計して単純平均を求めることにより問題分野別の学力指数を求める機能を付加するようにしたので、生徒にとっては、おおまかな得意、不得意分野を的確に知ることができる。さらに、各生徒の学力に応じた学力診断コメントを自動生成する機能を付加するようにしたので、生徒は自分の学力に対する適切なアドバイスを受けることができる。このようにして、より優れた教育、学習支援を行うことができる。
【0146】
[その他の実施の形態]
本発明は、上記各実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施の形態では、主として学校教育での利用を例にして説明したが、本発明は、その他の教育、試験分野にも適用可能である。例えば、各種の資格取得のための教育、試験分野にも適用可能である。
【0147】
また、上記各実施の形態では、試験結果分析装置20による分析結果の配信を、インターネット3を介して電子的に行うものとして説明したが、分析結果の配信は必ずしもこれに限られない。例えば、分析結果を紙に印刷して配送するようにしてもよい。また、上記各実施の形態では、回答情報の回収をインターネット3を介して電子的に行うものとして説明したが、回答情報の回収方法は必ずしもこれに限られない。例えば、試験をマークシート方式で実施した場合に、その回答後のマークシート用紙をインターネット3を介さずに回収するなどしてもよい。
【0148】
<分析に用いる母集団について>
上記第1、第2の実施の形態では、問題別正答率曲線および問題別得点率曲線(もしくは正答率曲線)を作成する場合に、すべての受験生のデータを母集団として用いて演算処理を行うようにしたが、これらの曲線を作成する場合には、必ずしもすべての受験生のデータを用いる必要はない。一部の受験生のみを母集団として抽出し、統計的な処理を行うことで同様の曲線を得ることも可能である。
【0149】
問題別正答率曲線および問題別得点率曲線など(以下、総称して「正答率曲線」という。)を作成するために必要な母集団の数(必要充分な母集団の数)は、実際の分析作業を行ってみた結果によっては増減する可能性があるものの、統計的に考えて、およそ1,000人程度であると考えられる。従って、実際に試験を受けた人の人数が1,000人を大きく上回るような場合(例えば大学センター模試のように10万人を超えるような場合)は、母集団全体(すべての受験生のデータ)から正答率曲線を作るのはあまり意味がないことになり、また、計算時間もかかるため、非効率的であり、経済的ではない。
【0150】
従って、このような場合は、正答率曲線を経済的に作成するために、正答率曲線全体の傾向を損なわない方法で母集団から必要充分数のデータを抽出した上で、正答率曲線の計算・作成を行うという方法が好ましいと考えられる。すなわち、正答率曲線の作成を、任意に抽出した代表的な受験生のデータを基に行い、次に、各受験生の学力分析については、その作成された正答率曲線に各受験生の成績を当てはめることで、受験生全員の学力指数(正答・誤答指数など)を算出する、というステップで行う方法が好ましいと考えられる。
【0151】
例えば、母集団の数に応じて、少なくとも一部の受験生についての回答情報に基づいて、以下の2つのケースに分けて分析処理を行うことが考えられる。
【0152】
ケース1:母集団が1000人前後またはそれ以下の場合は、母集団全体から正答率曲線を作成する。
ケース2:母集団が1000人を大幅に上回る場合は、母集団から全体の傾向を反映することができる1000人前後のデータを任意に抽出してそれを基に正答率曲線を作成する。
【0153】
また、上記第1、第2の実施の形態では、正答率曲線の作成に際し、合計得点が同一の受験生グループごとの正答率を求めるようにしていた。すなわち、合計得点1点ごとに正答率を算出するようにしていた。この場合、母集団が1,000人程度であればテストの合計得点1点ごとに正答率を算出してもきれいな曲線が得られると考えられる。しかしながら、母集団が少なくなると(例えば300人以下)、1点ごとに正答率を計算したのでは、第32A図に示した曲線321のように、得られる曲線が滑らかでなく、ガタガタしてくることが考えられる。
【0154】
このような場合には、正答率の算出を、合計得点の類似した(ある得点幅を持った)受験生グループごとに行うとよい。得点幅は、少なくとも滑らかな曲線が得られる程度に設定する。例えば、100点〜96点のグループ、95点〜90点のグループというように、合計得点にある幅を持たせたグループごとに、その合計得点範囲内における平均正答率を計算する。そして、各得点グループの間は、滑らかな曲線(近似曲線)で結ぶという手法をとる(第32B図参照)。この場合、得点のグルーピングの幅は、母集団の人数により、適宜調整する。このようにして、第32B図の曲線322のように、滑らかな正答率曲線を得ることができる。
【0155】
<適性診断等への応用>
上記第1、第2の実施の形態では、特に正答、誤答といった得点付けがなされる教育分野の試験への応用例を説明したが、本発明はその他にも、適性診断等、必ずしも正答、誤答の得点付けがなされない分野への応用が考えられる。
【0156】
適性診断の具体例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
(i)大学の学部選びに悩む予備校生・高校生を対象にした学部・学科に対する適性診断
(ii)学生、生徒個人個人に合った勉強法、講座や講師選び
(iii)就職活動を行う大学生・高校生のための適職診断
(iv)人材活用のための適性診断
【0157】
応用の方法としては、各個人の能力特性が上記各実施の形態で説明した各種学力分析のプログラムにより明確になることに鑑み、同様の分析プログラムを利用して、能力特性を分析した満足度の高い集団との能力特性の相関性を見ることで適性を判断する。具体的には、例えば上記(i)の適性診断については、まず、既に大学に入学している大学生に対して、あらかじめ、大学満足度などに関する質問をしたものをデータとして取得しておく。また、予備校生・高校生を対象にして自己の性格、能力傾向などに関する回答データを取得する。そして、これら2つのデータの相関性を、上記分析プログラムを利用して分析するで適性を判断する。
【0158】
以上説明したように、本発明の試験結果分析装置、試験結果分析方法、または試験結果分析プログラムによれば、合計得点の同じまたは類似した受験生グループごとに各問題の正答率または問題分野別の正答率もしくは得点率を算出し、合計得点と各問題の正答率との関係、または合計得点と問題分野別の正答率もしくは得点率との関係に基づいて、各受験生の能力評価を行うようにしたので、試験結果に関して、従来とは異なる観点で、かつ細かく分析、評価を行うことが可能となる。これにより、受験生または教育者に対して従来よりも優れた教育、学習支援を行うことができる。
【0159】
特に、本発明の一局面における試験結果分析装置によれば、本発明の試験結果分析装置において、複数回の試験結果から、各受験生の能力要素別の学力指数を求めるようにしたので、能力分析を精度良く行うことができる。
【0160】
以上の説明に基づき、本発明の種々の態様や変形例を実施可能であることは明らかである。したがって、クレームの均等の範囲において、上記の詳細な説明における態様以外の態様で本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る学習支援システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る試験結果分析装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】第1図に示した学習支援システムの管理センタにおける分析用データベースの構造を示すブロック図である。
【図4】放送波を用いて学習講座番組および問題を提供する場合の放送データの構造を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る学習支援システムの全体動作を示す流れ図である。
【図6】合計得点と各問題の正答率との関係を表す問題別正答率曲線についての説明図である。
【図7】問題別正答率と正答指数および誤答指数との関係を示す説明図である。
【図8】第7図から求められる正答指数および誤答指数の例を示す説明図である。
【図9】個人の問題別学力指数についての説明図である。
【図10】個人の問題別正答指数グラフについての説明図である。
【図11】正答指数および誤答指数の数値の段階的な判断手法の例を示す説明図である。
【図12】受験生に配信する評価の具体例を示す説明図である。
【図13】能力傾向要素マップについての説明図である。
【図14】問題の能力傾向要素への分解手法を示す説明図である。
【図15】能力要素別学力傾向指数についての説明図である。
【図16】複数回の試験を実施した場合の能力要素別学力傾向指数の算出手法を示す説明図である。
【図17】能力要素別学力傾向指数に基づく生徒のグループ分けの例を示す説明図である。
【図18】問題別正答率曲線に基づく試験問題の評価手法の例を示す説明図である。
【図19】理想的な試験問題の分布の例を示す説明図である。
【図20】問題別正答率曲線に基づく教師の評価手法の例を示す説明図である。
【図21】能力要素別学力傾向指数に基づく教師の評価手法の例を示す説明図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態に係る試験結果分析装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図23】合計得点と問題分野別の正答率(もしくは得点率)との関係を表す問題分野別正答率(もしくは得点率)曲線についての説明図である。
【図24】学力診断コメントの作成に用いられる学力要素の例を示す説明図である。
【図25】学力診断コメントのデータベース構造を示す説明図である。
【図26】分野別の指数とそれに対応するコメントの表示例を示す説明図である。
【図27】文法学力要素に関する得点指数とそれに対応するコメントの表示例を示す説明図である。
【図28】小問別の指数とそれに対応するコメントの表示例を示す説明図である。
【図29】クラス別の学力診断表の例を示す説明図である。
【図30】クラス別、小問別の学力診断表の例を示す説明図である。
【図31】クラス内の生徒の成績順位に関連付けされた学力診断表の例を示す説明図である。
【図32】正答率曲線の作成の他の例を示す説明図である。

Claims (18)

  1. それぞれ配点がなされた複数の問題が含まれる試験を実施することにより得られた、複数の受験生についての試験結果を分析するための試験結果分析装置であって、
    前記試験を実施することにより得られた、各問題に正答したか否かを示す各受験生ごとの回答情報を記憶する回答情報記憶手段と、
    前記回答情報記憶手段に記憶された少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、前記試験の結果取得された合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、その受験生グループ内で何人の受験生が各問題に正答したか、その割合を示す値を、各問題の正答率として算出する問題別正答率算出手段と、
    前記算出された各問題の正答率を、各問題ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、前記合計得点と前記各問題の正答率との関係を示す曲線を、問題別正答率曲線として求める正答率曲線算出手段と、
    前記各問題ごとの問題別正答率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、その受験生の能力評価を問題別に行い、その評価結果を出力する評価手段と
    を備えたことを特徴とする試験結果分析装置。
  2. 前記評価手段は、
    前記問題別正答率曲線と前記評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、
    その受験生が正答した問題については、その受験生と同じ合計得点を有する受験生グループ内での正答率が低くなるほど、値が大きくなるように指数化された指数値を正答指数として求め、
    その受験生が誤答した問題については、その受験生と同じ合計得点を有する受験生グループ内での正答率が高くなるほど、値が小さくなるように指数化された指数値を誤答指数として求め、
    それら求められた正答指数および誤答指数を前記評価結果として出力する
    ようになされていることを特徴とする請求項1に記載の試験結果分析装置。
  3. 試験で試そうとしている能力要素を複数に分類して階層的に構成した能力要素マップのデータを格納する能力要素データベースと、
    前記能力要素マップ中の各能力要素が、前記各問題に対してどの程度の割合でかかわっているかを示す、前記各問題と前記能力要素マップとの対応関係のデータを格納する対照表データベースと
    をさらに備え、
    前記評価手段は、さらに、
    前記対照表データベースを参照して、前記評価対象となる受験生の前記問題別の正答指数および誤答指数を、各問題がかかわっている能力要素に分解して割り振り、その結果得られた指数値を能力要素別に集計したものを、その受験生の能力要素別の学力指数として求める
    ようになされていることを特徴とする請求項2に記載の試験結果分析装置。
  4. 前記評価手段は、
    複数回の試験結果から、前記能力要素別の学力指数を求める
    ようになされていることを特徴とする請求項3に記載の試験結果分析装置。
  5. さらに、
    各受験生についての、前記問題別の正答指数および誤答指数または前記能力要素別の学力指数に基づいて、前記正答指数および誤答指数または前記能力要素別の学力指数が同じ数値幅に属する受験生グループを、似た学力傾向を持つ受験生グループとみなして抽出する抽出手段
    を備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の試験結果分析装置。
  6. 前記評価手段は、さらに、
    前記問題別正答率曲線の曲線形状に基づいて、各問題の評価を行う機能を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の試験結果分析装置。
  7. 前記複数の受験生は、2以上の受験生群ごとに異なる教師によって担当されるものであり、
    前記評価手段による評価結果を、前記各受験生群を担当する教師ごとにまとめ、その各教師ごとの評価結果を比較することにより、各教師の分析、評価を行う手段をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の試験結果分析装置。
  8. 受験生の学力に応じた複数のコメントを記憶するコメント記憶手段と、
    前記評価手段による評価結果に基づいて、前記コメント記憶手段に記憶された複数のコメントの中から、各受験生の学力に応じたコメントを抽出することで、各受験生の学力に関するコメントを自動生成する手段と、をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の試験結果分析装置。
  9. それぞれ配点がなされた複数の問題が含まれる試験を実施することにより得られた、複数の受験生についての試験結果を分析するための試験結果分析方法であって、
    前記試験を実施することにより得られた、各問題に正答したか否かを示す各受験生ごとの回答情報を、回答情報記憶手段が記憶するステップと、
    前記回答情報記憶手段に記憶された少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、前記試験の結果取得された合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、その受験生グループ内で何人の受験生が各問題に正答したか、その割合を示す値を、問題別正答率算出手段が、各問題の正答率として算出するステップと、
    前記算出された各問題の正答率を、各問題ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、前記合計得点と前記各問題の正答率との関係を示す曲線を、正答率曲線算出手段が、問題別正答率曲線として求めるステップと、
    前記各問題ごとの問題別正答率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、評価手段が、その受験生の能力評価を問題別に行い、その評価結果を出力するステップと
    を含むことを特徴とする試験結果分析方法。
  10. それぞれ配点がなされた複数の問題が含まれる試験を実施することにより得られた、複数の受験生についての試験結果を分析するための試験結果分析プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記試験を実施することにより得られた、各問題に正答したか否かを示す各受験生ごとの回答情報を記憶する回答情報記憶手段と、
    前記回答情報記憶手段に記憶された少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、前記試験の結果取得された合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、その受験生グループ内で何人の受験生が各問題に正答したか、その割合を示す値を、各問題の正答率として算出する問題別正答率算出手段と、
    前記算出された各問題の正答率を、各問題ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、前記合計得点と前記各問題の正答率との関係を示す曲線を、問題別正答率曲線として求める正答率曲線算出手段と、
    前記各問題ごとの問題別正答率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、その受験生の能力評価を問題別に行い、その評価結果を出力する評価手段
    として機能させるプログラムであること
    を特徴とする試験結果分析プログラム。
  11. それぞれ配点と問題分野の設定がなされた複数の問題が含まれる試験を実施することにより得られた、複数の受験生についての試験結果を分析するための試験結果分析装置であって、
    前記試験を実施することにより得られた、各問題に正答したか否かを示す各受験生ごとの回答情報を記憶する回答情報記憶手段と、
    前記回答情報記憶手段に記憶された少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、前記試験の結果取得された合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、同一問題分野に属する問題の合計数とその問題分野において各受験生が正答した問題数との比率を示す値を同一受験生グループについて平均した値、もしくは同一問題分野に属する全問題の配点の合計とその問題分野において各受験生が獲得した得点との比率を示す値を同一受験生グループについて平均した値を、それぞれ各受験生グループについての問題分野別の正答率、もしくは問題分野別の得点率として算出する正答・得点率算出手段と、
    前記算出された各問題分野別の正答率、もしくは各問題分野別の得点率を、各問題分野ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、前記合計得点と前記各問題分野別の正答率との関係を示す曲線、もしくは前記合計得点と前記各問題分野別の得点率との関係を示す曲線を、それぞれ問題分野別正答率曲線、もしくは問題分野別得点率曲線として求める正答・得点率曲線算出手段と、
    前記問題分野別正答率曲線、もしくは前記問題分野別得点率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、その受験生の能力評価を問題分野別に行い、その評価結果を出力する評価手段と
    を備えたことを特徴とする試験結果分析装置。
  12. 前記評価手段は、
    評価対象となる受験生個人の問題分野別の正答率、もしくは問題分野別の得点率と、その受験生が属する前記受験生グループについての問題分野別の正答率、もしくは問題分野別の得点率とを比較し、
    前記受験生個人の正答率もしくは得点率が、前記受験生グループについての正答率もしくは得点率に比べて高くなるほど値が大きくなり、逆に、低くなるほど値が小さくなるように指数化された指数値を、問題分野別の学力指数として求め、
    その求められた学力指数を前記評価結果として出力する
    ようになされていることを特徴とする請求項11に記載の試験結果分析装置。
  13. 前記評価手段は、
    複数回の試験結果から、前記問題分野別の学力指数を求める
    ようになされていることを特徴とする請求項12に記載の試験結果分析装置。
  14. さらに、
    各受験生についての、前記問題分野別の学力指数に基づいて、前記問題分野別の学力指数が同じ数値幅に属する受験生グループを、似た学力傾向を持つ受験生グループとみなして抽出する抽出手段
    を備えたことを特徴とする請求項12または13に記載の試験結果分析装置。
  15. 前記複数の受験生は、2以上の受験生群ごとに異なる教師によって担当されるものであり、
    前記評価手段による評価結果を、前記各受験生群を担当する教師ごとにまとめ、その各教師ごとの評価結果を比較することにより、各教師の分析、評価を行う手段をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項11ないし13のいずれか1項に記載の試験結果分析装置。
  16. 受験生の学力に応じた複数のコメントを記憶するコメント記憶手段と、
    前記評価手段による評価結果に基づいて、前記コメント記憶手段に記憶された複数のコメントの中から、各受験生の学力に応じたコメントを抽出することで、各受験生の学力に関するコメントを自動生成する手段と、をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項11ないし13のいずれか1項に記載の試験結果分析装置。
  17. それぞれ配点と問題分野の設定がなされた複数の問題が含まれる試験を実施することにより得られた、複数の受験生についての試験結果を分析するための試験結果分析方法であって、
    前記試験を実施することにより得られた、各問題に正答したか否かを示す各受験生ごとの回答情報を、回答情報記憶手段が記憶するステップと、
    前記回答情報記憶手段に記憶された少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、前記試験の結果取得された合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、同一問題分野に属する問題の合計数とその問題分野において各受験生が正答した問題数との比率を示す値を同一受験生グループについて平均した値、もしくは同一問題分野に属する全問題の配点の合計とその問題分野において各受験生が獲得した得点との比率を示す値を同一受験生グループについて平均した値を、正答・得点率算出手段が、それぞれ各受験生グループについての問題分野別の正答率、もしくは問題分野別の得点率として算出するステップと、
    前記算出された各問題分野別の正答率、もしくは各問題分野別の得点率を、各問題分野ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、前記合計得点と前記各問題分野別の正答率との関係を示す曲線、もしくは前記合計得点と前記各問題分野別の得点率との関係を示す曲線を、正答・得点率曲線算出手段が、それぞれ問題分野別正答率曲線、もしくは問題分野別得点率曲線として求めるステップと、
    前記問題分野別正答率曲線、もしくは前記問題分野別得点率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、評価手段が、その受験生の能力評価を問題分野別に行い、その評価結果を出力するステップと
    を含むことを特徴とする試験結果分析方法。
  18. それぞれ配点と問題分野の設定がなされた複数の問題が含まれる試験を実施することにより得られた、複数の受験生についての試験結果を分析するための試験結果分析プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記試験を実施することにより得られた、各問題に正答したか否かを示す各受験生ごとの回答情報を記憶する回答情報記憶手段と、
    前記回答情報記憶手段に記憶された少なくとも一部の受験生の回答情報に基づいて、前記試験の結果取得された合計得点の同じ、またはその合計得点が同じ得点幅に属する受験生グループごとに、同一問題分野に属する問題の合計数とその問題分野において各受験生が正答した問題数との比率を示す値を同一受験生グループについて平均した値、もしくは同一問題分野に属する全問題の配点の合計とその問題分野において各受験生が獲得した得点との比率を示す値を同一受験生グループについて平均した値を、それぞれ各受験生グループについての問題分野別の正答率、もしくは問題分野別の得点率として算出する正答・得点率算出手段と、
    前記算出された各問題分野別の正答率、もしくは各問題分野別の得点率を、各問題分野ごとにすべての受験生グループについてまとめ、それにより得られる、前記合計得点と前記各問題分野別の正答率との関係を示す曲線、もしくは前記合計得点と前記各問題分野別の得点率との関係を示す曲線を、それぞれ問題分野別正答率曲線、もしくは問題分野別得点率曲線として求める正答・得点率曲線算出手段と、
    前記問題分野別正答率曲線、もしくは前記問題分野別得点率曲線と、評価対象となる受験生の各問題ごとの回答情報とに基づいて、その受験生の能力評価を問題分野別に行い、その評価結果を出力する評価手段
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