JP3634787B2 - 包装材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、再粘着可能な包装材料及びそれを利用した容器の蓋と包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
カップ等の容器は、シート状の蓋がヒートシールされているものが多い。しかしながら、ヒートシールされたものは、消費者等がこれを剥してしまうと再び接着することはできない。そのため、中身の一部を残して保存する場合等は、ラップ等で容器全体を包んだりする必要があり、極めて不便である。
また、海苔やお茶のような湿気を嫌うものの包装は、開封して一部を取り出した後、再び封をすることができるものが望まれるが、包装袋は、一旦開封してしまうと、再度封をするのは困難である。ファスナーを具備している包装袋もあるが、製造工程が複雑になり、コスト的にも不利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ヒートシールを剥した後に、容易に再粘着できるような包装材料を提供することである。本発明の他の目的は、一旦容器から剥した後も、再度粘着させてシールすることが可能な容器の蓋を提供することである。本発明のさらに他の目的は、開封した後に、容易に封をすることが可能な包装袋を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、包装のシール面に熱接着性と再粘着性を同時に付与することにより、本発明の目的が達成されることに想到し、本発明を完成させた。即ち、本発明は以下のとおりである。
【0005】
1.基材の少なくとも一方の表面の全部又は一部にヒートシール層が形成され、さらに該ヒートシール層の表面の全部又は一部に再粘着可能な層が形成されてなる再粘着可能な包装材料、
2.基材の少なくとも一方の表面の全部又は一部に、ヒートシール性と再粘着性を同時に有する層が形成されてなる再粘着可能な包装材料、
3.ヒートシール性と再粘着性を同時に有する層が、スチレン1〜50質量%とジエン系炭化水素99〜50質量%からなるランダム共重合体の水素添加物を含んでなるものである前記2の包装材料、
4.シート又はフィルム状の請求項1又は2の包装材料よりなり、少なくとも容器とのシール面において、ヒートシール性と再粘着性を有する容器の蓋、
5.前記1又は2の包装材料よりなり、周辺部の全部または一部がヒートシ−ルされてなる包装袋、
6.被包装材料の取り出し口に相当するヒ−トシール部分のヒートシール強度が他のヒートシール部分のそれよりも小である前記5の包装袋。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、ヒートシールとは熱伝導を利用して過熱・接着する狭義のヒートシールのみならず、超音波シール、高周波シールのような熱融着でシールするものは全て含むものとする。
【0007】
本発明における基材としては、紙、プラスチック、金属等のシート、フィルム、箔等が用いられる。プラスチックとしては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が例示できる。基材は積層材であってもよい。例えば、異種プラスチック同士、プラスチックとアルミニウム箔、プラスチックと紙等の積層材が挙げられるが、これらに限定されない。また、基材にはアルミニウム等の蒸着が施されてあってもよい。
【0008】
本発明の包装材料は、ヒートシール性と再粘着性の両者を具備するが、その手段としては、ヒートシール性を有する層の表面の全部又は一部に再粘着性を有する層を形成するか、又はヒートシール性と再粘着性の双方の性質を有する層を形成することである。
【0009】
前者の方法においては、ヒートシールをする際に熱圧着により再粘着可能な層が排除され下層のヒートシール層が露出してヒートシールされる。ヒートシール層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、変性ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂が用いられる。基材がポリオレフィン樹脂等のヒートシール可能な層である場合は、ヒートシール層を別途形成する必要はなく、基材表面がヒ−トシール層となる。基材が紙やアルミニウム等のヒートシール性を有しないものである場合は、ラミネートやコーティング等の公知の方法によりヒートシール層を形成すればよい。再粘着性を有する層としては、公知の再粘着性樹脂をラミネート又はコーティング等することにより形成することができる。
【0010】
後者の方法は、基材の一方の面の全体又は一部、例えばシール部分にヒートシール性と再粘着性の双方の性質を有する材料をラミネートやコーティング等の公知の方法により形成する方法で、好ましい方法である。
【0011】
ヒートシール性と再粘着性の双方の性質を有する材料としては、スチレン1〜50質量%とジエン系炭化水素99〜50質量%からなるランダム共重合体の水素添加物が挙げられる。好ましくはASTM D1238(230℃、2.16kg)によるメルトフロー・インデックスが2〜10のものである。ジエン系炭化水素としてはブタジエン、イソプレン等が例示できる。このようなスチレン・ジエンランダム共重合体の水素添加物としては、例えばJSR株式会社のDYNARON(登録商標)HSBRシリーズが挙げられる。このようなスチレンとジエン系炭化水素からなるランダム共重合体の水素添加物は、一旦粘着させた後剥離したものを、再度粘着させても、粘着強度はあまり変化せず、粘着と剥離を繰り返し行うことができる。従って、包装材料として用いた場合、ヒートシールを剥した後も、ヒートシールした以外の部分の再粘着性を利用して再度封をすることができる。スチレン・ジエンランダム共重合体の水素添加物は、ポリオレフィン樹脂のブレンド等により変性されていてもよい。ポリオレフィン樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、アイオノマー等が用いられる。スチレン・ジエンランダム共重合体の水素添加物とポリオレフィン樹脂の比率は、質量比で100〜60:0〜40が好ましい。
【0012】
本発明の包装材料が接着する被接着材、例えば容器の材質は包装材料とヒートシール可能なものであれば差し支えなく、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂等、あるいはこれらの1種以上を用いた積層材を例示できる。
【0013】
図1は本発明の蓋を用いた容器の断面図である。1は容器の蓋、2は蓋の裏面に形成したヒートシール性と粘着性を有する層、3は容器本体である。蓋は本体に21の部分でヒートシールされている。開封するときは、蓋を容器本体より物理的に剥す。剥した後は、ヒートシール部は最早粘着性を有しないが、その他の部分は再粘着性を有するので、蓋の周辺22を容器本体に圧着することにより粘着させて、再度封をすることができる。以後、蓋と容器本体の剥離・粘着を繰り返すことが可能である。
【0014】
図2は本発明の包装袋の正面図である。袋4は、裏面にヒートシール性と再粘着性を同時に有する層が形成された長方形のフィルムを、当該層形成面を対向させ、4辺5a、5b、5c、5dをヒートシールしてなる。袋の開封口となる辺5dは、開口しやすいように、温度等のヒートシール条件を調整することにより他の3辺よりも弱くヒートシールされていることが好ましい。辺5dを開口した後は、袋全体あるいは辺5dの近傍を両面から圧着することより、両面を粘着させて再度封をすることができ、以後開封と粘着による閉封を繰り返すことができる。
なお、図2において、辺5aまたは5bにおける辺5dよりわずか下方に切り欠きをいれて、辺5dにほぼ平行に切り裂くことにより開封するように構成してもよい。この場合は、辺5dのシール強度を他の辺よりも小さくする必要はない。
【0015】
【実施例】
以下に実施例で本発明を説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されない。
【0016】
実施例1
厚さ12μmのポリエステル(PET)フィルム、厚さ20μmのアルミニウム箔および二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムをドライラミネートしたフィルムに、スチレン10質量%とジエン系炭化水素90質量%からなるランダム共重合体の水素添加物(JSR株式会社 DYNARON1320P、メルトフロー・インデックス3.5)をTダイによる押出しラミネートにより40μmの厚さにラミネートした。
このフィルムを、シール温度を変化させてポリプロピレン試験片に接着し、T字Peelで剥離強度を測定した。シール条件は、圧力2kgf/cm2、圧着時間2秒、測定条件は、100mm/minである。結果を表1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】
実施例2
実施例1と同様にして、常温で剥離・接着を4回繰り返して剥離強度を測定した。結果を表2に示した。
蓋材として用いる場合、ヒートシ−ル強度は1000〜1500gf/15mm、ヒートシール剥離後の粘着強度(常温圧着)は50〜200gf/15mm程度が適当と考えられる。従って、実施例1、2の結果よりこのフィルムは蓋材として適したものであることが分かる。
【0019】
【表2】
【0020】
実施例3
実施例1のフィルムの各種プラスチック試験片に対するヒートシ−ル強度を測定した。シール条件は温度200℃である以外は実施例1と同様である。結果を表3に示した。この場合、PETはヒートシール強度が低く、被接着材としては不適である。
【0021】
【表3】
【0022】
実施例4
実施例1のフィルムを、2枚DYNARON1320P側を対向させて常温および200℃で実施例1と同様の条件で接着し、剥離強度を測定した。結果を表3に示した。
包装袋として用いる場合、ヒートシ−ル強度は約1000〜3000gf/15mm、ヒートシール剥離後の粘着強度(常温圧着)は約50〜200gf/15mm程度が適当と考えられる。従って、このフィルムは包装袋用として適したものである。
【0023】
【表4】
【0024】
【発明の効果】
本発明の包装材料は、ヒートシール性と再粘着性を有する層を具備しているので、ヒートシールを剥離した後も、繰り返し再粘着することが可能である。従って、包装用の蓋や袋として用いると、開封後に再度簡単に封をすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓋を用いた容器の断面図である。
【図2】本発明の包装袋の正面図である。
【符号の説明】
1 蓋
2 ヒートシール性と粘着性を有する層
3 容器本体
4 包装袋
Claims (5)
- 基材の少なくとも一方の表面の全部又は一部に、ヒートシール性と再粘着性を同時に有する単一相である層が形成されてなる再粘着可能な包装材料。
- ヒートシール性と再粘着性を同時に有する単一相である層が、スチレン1〜50質量%とジエン系炭化水素99〜50質量%からなるランダム共重合体の水素添加物を含んでなるものである請求項1の包装材料。
- シート又はフィルム状の請求項1の包装材料よりなり、少なくとも容器とのシール面において、ヒートシール性と再粘着性を有する容器の蓋。
- 請求項1の包装材料よりなり、周辺部の全部または一部がヒートシ−ルされてなる包装袋。
- 被包装材料の取り出し口に相当するヒ−トシール部分のヒートシール強度が他のヒートシール部分のそれよりも小である請求項4の包装袋。
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