JP3634698B2 - インクジェット記録装置及びそのノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置及びそのノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクを常に噴出しインク粒子を発生させて印字を行う連続型インクジェット記録装置のノズルは、特開平5−212862号公報に記載されているように、噴出するインクに所定の振動を圧電体により与えることにより、インクの粒子化を行う。そして、インクの流体的共振や機械的共振を用いて、圧電体の振動を増幅するように設定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のノズルは、オリフィスが取り付けられたオリフィスプレートと、本体の端面に円形の凹部とを有し、その凹部に着脱可能な円環型の圧電体を設け、インク室のインクを加振している。その円環型の圧電体は電圧が印加されると軸方向に振動可能である。
【0004】
しかしながら、上記円環型の圧電体は、軸方向振動だけでなく径方向振動も発生しており、そのためインクの粒子化が安定せず、径方向振動を除去する必要があった。また、圧電体とインクが接触しているため、圧電体の圧電性が劣化するため、所望の振動変位が得られなくなる問題があった。
【0005】
本発明の目的は、インクチャンバ内のインクを、圧電体の軸方向の振動で効率よく、かつ安定して加振できるインクジェット記録装置及びそのノズルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明におけるインクジェット記録装置のノズルの特徴とするところは、インクチャンバ内のインクに振動を与え、オリフィスよりインクを噴出させる加振部を、振動を発生する円筒形状の圧電体と、該圧電体の軸方向端部に取り付けられ発生した振動をインクチャンバ内のインクに伝える加振部材とで構成し、さらに圧電体の内周面と外周面に、内面電極と外面電極とをそれぞれ独立して形成すると共に、内面電極に対し外面電極が対向しない電界未形成部を形成し、電界未形成部で加振部材を接着固定することにある。
【0007】
具体的には本発明は次に掲げるノズル及び装置を提供する。◆
本発明は、インクチャンバ内のインクに振動を与え、オリフィスより前記インクを噴出させる加振部と、該加振部を保持する保持部材とを備えたインクジェット記録装置のノズルにおいて、前記加振部は、前記振動を発生する円筒形状の圧電体と、該圧電体の軸方向端部に取り付けられ前記発生した振動を前記インクチャンバ内のインクに伝える加振部材とで構成され、さらに前記圧電体の内周面と外周面に、内面電極と外面電極とをそれぞれ独立して形成すると共に、前記内面電極に対し前記外面電極が対向しない電界未形成部を形成し、前記電界未形成部で前記加振部材を接着固定するように構成されていることを特徴とするインクジェット記録装置のノズルを提供する。
【0009】
好ましくは、前記加振部材は、前記保持部材に外周部を保持されたダイヤフラムである。
【0010】
好ましくは、前記インクチャンバに供給するインクの流路を、前記圧電体の円筒内を介し前記ダイヤフラムの中央部を貫通して設ける。
【0011】
好ましくは、前記加振部材は、前記保持部材に設けられたシリンダに嵌められたピストンである。
【0012】
好ましくは、前記加振部は、前記オリフィスを備えたオリフィスプレートと、該オリフィスプレートに取り付けられ前記振動を発生する円筒形状の圧電体と、前記オリフィスプレートの内側に設けられた前記インクチャンバに前記インクを供給する流路とで構成され、前記オリフィスプレートは、前記圧電体で発生した振動を前記インクチャンバ内のインクに与える。
【0013】
また、本発明は、圧電体の振動をインクチャンバ内のインクに与え、オリフィスよりインクを噴出してインク粒子を発生するノズルと、前記インク粒子を所定の記録信号に応じて帯電して偏向することにより記録媒体上に印字を行う偏向制御手段とを備えたインクジェット記録装置において、前記ノズルは、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のインクジェット記録装置のノズルであることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態例に係るインクジェット記録装置及びそのノズルを、図を用いて説明する。
【0015】
まず、本発明の一実施の形態例に係るインクジェット記録装置の概略構成を、図13を用いて説明する。
【0016】
インク供給経路21は、インク16を貯めておくインク容器1と、インク16を圧送する供給ポンプ2と、インク圧力を調節する調圧弁3と、インク流路の開閉を行う電磁弁4と、フィルタ5とからなり、ノズル6にインク16を供給する。
【0017】
ノズル6は、励振源(図示せず)に接続しており、インク16を加振することによりインク粒子8を規則的に発生する。本実施の形態例では、68[kHz]で駆動する。
【0018】
帯電電極7には、記録信号源(図示せず)が接続されており、帯電電極7に記録信号電圧を印加することによって、ノズル6より規則的に噴射するインク粒子8を帯電する。
【0019】
上部偏向電極9には高電圧源(図示せず)が印加され、下部偏向電極10は接地されている。そのため上部偏向電極9と下部偏向電極10との間に静電界が形成されており、帯電したインク粒子8はその帯電量に応じて偏向され、印字が行われる。
【0020】
インク回収経路22は、ガタ−11と、フィルタ12と、回収ポンプ14とからなり、帯電電極7で帯電されない記録に関与しないインク粒子8を回収し、インク16を再利用するためにインク容器1へ戻す。
【0021】
インク循環経路23は、ノズル6から電磁弁15を介してインク回収経路22に至るインク流路であり、ノズル6内のインク16をインク容器1に還流させる。
【0022】
次に、本発明の第1の実施の形態例に係るノズルであり、かつ図13のインクジェット記録装置に用いられるノズルを、図1を用いて説明する。
【0023】
ノズル6は、ボディ25と、このボディ25の先端に取り付けたオリフィスプレート29と、ボディ25の基端に取り付けたベース38によって筐体を構成する。
【0024】
インク供給経路21は、ボディ25とオリフィスプレート29に設けられ、ボディ25に接続された継ぎ手43を通して加圧されたインク16を供給する。そして、インク16は、オリフィスプレート29に設けたインクチャンバ27に導かれ、オリフィスプレート29にあるオリフィス28から噴出する。
【0025】
オリフィスプレート29は、ボディ25とネジで締結されており、取り外しが可能である。そのため、オリフィスプレート29とボディ25のシールはOリング32,33で行っている。
【0026】
インクチャンバ27内のインク16に振動を与える加振部は、圧電体31と、ダイヤフラム30と、カウンタウェイト26とで構成され、保持部材であるボディ25に保持されている。
【0027】
圧電体31には、その一端をダイヤフラム30に、別の一端にはカウンタウェイト26が接着固定されている。圧電体31は、加振部の高次の共振周波数をあげるために軽いほうがよく、変位効率を上げるために薄い方がよい。また、接着強度をあげるため接着面積が広くとれる形状とする必要がある。そのため、圧電体31は円筒形状をしている。円筒形状であるため剛性も大きい。
【0028】
圧電体31には、図11に示すように、内外面に電極が設けられている。内面側の電極51は、内面全面と円筒部の端面53に設けられている。また、外面電極52は、内面電極51との間で電気的絶縁を保つために、0.5mmの間隔を持っている。
【0029】
ダイヤフラム30は円板形状で、ボディ25とカラー24にてダイヤフラム30の外周部を挟むことにより固定されている。カラー24は、円筒形状であり、ベース38で押さえられている。ダイヤフラム30とボディ25とオリフィスプレート29とでインクチャンバ27を形成し、圧電体31とインク16とが接触しないようにしている。
【0030】
ダイヤフラム30の中心部には圧電体31を固定するための凸部30cがある。凸部30cは圧電体31の円筒内部に嵌められ、圧電体31はダイヤフラム30の凸部30cで接着される。接着部は、図11に示す圧電体31の端部53及び、圧電体31に電界がかからない電界未形成部54の内面側とし、接着剤はエポキシ系接着剤を使用するのがよい。また、銀ペーストのような導電性の接着剤を用いてもよい。
【0031】
これは、電界がかからない電界未形成部54では変位が発生しないため、接着部に圧電体31の歪みにより発生する歪み応力を低減し、圧電体31の軸方向振動の信頼性を向上させている。
【0032】
インク16に伝達する振動は、ダイヤフラム30の撓み変位によるものなので、圧電体31の軸方向振動のみとなる。またダイヤフラム30によりインク加振面積を増加しているので、効率よくインクに振動を伝達することができる。
【0033】
剛性と振動絶縁の観点からダイヤフラム30の厚みは、0.5mm程度以下であればよく、本実施の形態例では0.5mmとした。この結果、加振部の低次の共振周波数は30[kHz]程度で、駆動周波数68[kHz]と十分離れているので、駆動周波数での振動を安定にできる。
【0034】
カウンタウェイト26は、圧電体31の一端に接着固定され、その重量により特に加振部の高次の共振周波数を調節することができる。高次の共振周波数をより高く設定する場合、カウンタウェイト26はなくてもよい。本実施の形態例では、カウンタウェイト26の重さが0.1[g]で、高次の共振周波数は100[kHz]であり、カウンタウェイトがない場合では、120[kHz]である。カウンタウェイト26と圧電体31との接着も、上記同様に圧電体31の端部53及び、圧電体31に電界がかからない電界未形成部54の内面側で行っている。
【0035】
圧電体31と励振源(図示せず)との接続は、リード線(図示せず)で行っている。内部電極51とリード線を接続するため、カウンタウェイト26は円筒形状をしている。別の方法として、内部電極51は、ダイヤフラム30とカウンタウェイト26に接触しているため、内部電極側のリード線をダイヤフラム30とカウンタウェイト26に接続してもよい。また、図12に示すように、内面側の電極51を外面側にまで折り返すようにすれば、内部電極51とリード線との接続は外部電極52側で行える。
【0036】
次に、インク16の噴出を安定にするために行うインクチャンバ27内のエアや異物をインク循環経路23で除去する方法について説明する。まず、インク供給および循環制御回路について、図14を用いて説明する。
【0037】
CPU300は、本実施の形態例のインク供給及び循環の制御を司る中央演算処理装置である。ROM320は、CPU300が動作するのに必要なプログラムや制御データを記憶する読み出し専用のメモリである。RAM310は、プログラム実行途上でCPU300が扱うデータ等を一時的に記憶する書き換え可能なメモリである。
【0038】
バスライン400は、CPU300からのデータ、アドレス信号、コントロール信号全てを含む信号ラインである。インターフェース回路330は、データ、アドレス信号、コントロール信号等の入出力を仲介する。
【0039】
ポンプ制御回路350は、CPU300からの命令に基づいて供給ポンプ2、回収ポンプ14の駆動制御を行う。
【0040】
弁制御回路340は、CPU300からの命令に基づいて電磁弁4,15の開閉の動作制御を行う。
【0041】
クロック発生器390と分周回路380、カウンタ回路370とラッチ回路360は、タイマーを構成する。分周回路380は、クロック発生器390から出力される信号を分周する。カウンタ回路370は、分周回路380で分周された信号を計数する。カウンタ回路370は、CPU300の命令によりリセットが可能で、分周回路380の分周割合は、CPU300の命令により変更可能である。
【0042】
13は励振源、16は記録信号源、410は入力装置である。
【0043】
次に、インク循環制御について、図15を用いて説明する。
【0044】
CPU300は、入力装置410から装置起動の命令を受けると、ステップ100の処理を行う。まず回収ポンプ14と供給ポンプ2を起動し(ステップ100)、電磁弁4と電磁弁15を開き(ステップ110)、インクをインク供給経路21からノズル6に供給する。電磁弁15は開いている状態なのでインクはノズル6より噴出せず、インク回収経路23にてインク容器1に回収される。
【0045】
次に、インク循環時間を設定するタイマーをリセット後に始動させ(ステップ120)、このタイマーが設定値に達すると(ステップ130)、ステップ140に処理を移行し、電磁弁15を閉にする(ステップ140)。よってインクチャンバ27内のインク16が加圧され、オリフィス28からインク16が噴出する。
【0046】
励振源13から励振電圧を出力して圧電体31に印加する(ステップ150)。励振電圧が印加された圧電体31は、伸縮振動し、その軸方向の振動が、ダイヤフラム30を振動させ、インクチャンバ27内のインク16を加振し、オリフィス28より噴出するインク16を規則的に粒子化する。これによりインク粒子8は印字可能な状態となり、装置起動の処理は終了する。
【0047】
このようにインク循環を行うことにより、インクチャンバ27、インク供給経路21及びインク循環経路23のエアや異物を除去でき、安定的にインク噴出ができる。
【0048】
図2は、本発明の第2の実施の形態例に係るノズルの構成を示す。このノズル6の特徴は、ダイヤフラム30に連結部30a及び圧電体支持部30bを形成し、ダイヤフラム30の外周部でボディ25に固定する薄鍔構造である。
【0049】
ダイヤフラム30と圧電体支持部30bとは、連結部30aを介して連結されている。連結部30bの外径は、ダイヤフラム30、圧電体支持部30bの外径より小さい。圧電体支持部30bには凸部30cがあり、圧電体31は圧電体支持部30bと凸部30cで接着されている。接着部は、第1の実施の形態形態と同様に、圧電体31の端部53及び圧電体31の電界未形成部54の内面側としている。
【0050】
圧電体31の他端には、カウンタウェイト26が接着されている。カウンタウェイト26の重量を変えることにより、加振部の高次の共振周波数を調節できるが、共振周波数を高く設定する場合、カウンタウェイト26はなくてもよい。薄鍔構造にすることにより、ダイヤフラム30の剛性を低減でき、加振部の低次の共振周波数は10[kHz]程度、高次の共振周波数は第1の実施形態と同じで駆動周波数68[kHz]と十分離れているので、振動は安定である。
【0051】
図3は、本発明の第3の実施の形態例に係るノズルの構成を示す。第1の実施形態例と異なる点は、インク16の流路構成を変えている点である。ダイヤフラム30には継ぎ手43が一体に形成され、ダイヤフラム30の中心部を貫いてインクチャンバ27と連通ずるインク供給経路21が設けられている。インク供給経路21は圧電体31及びカウンタウェイト26と接することなく、圧電体31は、ダイヤフラム30に接着されている。ダイヤフラム30の中心部にインク供給流路21を設けているので、ノズルの小型化が可能となる。
【0052】
図4は、本発明の第4の実施の形態例に係るノズルの構成を示す。このノズル6は、第3の実施の形態例のノズルの流路構成を変えたものであり、インク供給経路21を加振部側21aと継ぎ手側21bに分離した例である。ダイヤフラム30と連結するインク供給経路21aは、スペーサ35に設けたOリング47で支持され、ベース38に設けられたインク供給経路21bと接続されている。
【0053】
ベース38には、継ぎ手43とOリング48が設けられている。ペーサ35は継ぎ手43が設けられたベース38とボディ25とで挟持される。また、この実施の形態例のように、ダイヤフラム30の支持をボディ25とオリフィスプレート29とで行ってもよく、Oリング34は、オリフィスプレート29に設けた溝に嵌められている。このような構成にすると、圧電体31の軸方向の振動は、継ぎ手43の影響を受けることなく、ダイヤフラム30を介してインクチャンバ27内のインクに伝達することができる。
【0054】
図5は、本発明の第5の実施の形態例に係るノズルの構成を示す。このノズル6は、第3の実施の形態例のノズルの加振部を第2の実施の形態例の薄鍔構造にしたものである。これにより、さらに加振部の振動安定化が行える。
【0055】
図6は、本発明の第6の実施の形態例に係るノズルの構成を示す。このノズル6は、第3の実施の形態例のノズルに、インク循環経路23を設けた例である。インク循環経路23は、ダイヤフラム30と干渉しないようにボディ25とオリフィスプレート29に設けられている。そして、ボディ25とオリフィスプレート29の継ぎ目には、ボディ25側にOリング33を設け、シールを行っている。循環方法は、第1の実施形態と同じでよい。
【0056】
これにより、インクチャンバ27の気泡や異物等を取り除くためのインク16の循環が行え、安定したインク噴出が可能となる。ただし、インク循環経路23からインク16をインクチャンバ27に供給し、インク供給経路21からインクを回収してもよい。
【0057】
図7は、本発明の第7の実施の形態例に係るノズルの構成を示す。このノズル6は、第6の実施の形態例のノズルの加振部を第2の実施の形態例の薄鍔構造にしたものである。これにより、さらに加振部の振動安定化が行える。
【0058】
図8は、本発明の第8の実施の形態例に係るノズルの構成を示す。このノズル6は、加振部をピストン37、Oリング36、圧電体31、ベース38で構成したことを特徴とする。ピストン37は圧電体31に接着されており、圧電体31の振動をインク16に加える。
【0059】
ピストン37は、円柱形状をしており、側面にはOリング26が入る溝が設けられている。Oリング26は、材料がEPDMで、線径0.8mmのものを使用し、ピストン37に設けられた溝に嵌められている。そしてOリング26を嵌めたピストン37は、ボディ25に設けた円筒形のシリンダに嵌められ、インクチャンバ27内のインクが圧電体31側に侵入しないような封止構造となっている。なお、Oリング26を固定する溝をボディ25側に設けるようにしてもよい。
【0060】
圧電体31の他端はベース38と接着されている。ベース38には、鍔状に周囲に張り出した鍔部38aがあり、ボディ25とベース押さえ39で鍔部38aを挟持して、加振部を固定している。
【0061】
ピストン37には、中心部に圧電体31固定するための凸部37aがある。この凸部37aは圧電体31の円筒内部に嵌められ、圧電体31はピストン37の凸部37aで接着される。接着部は、圧電体31の端部53及び圧電体31に電界未形成部54の内面側としている。これは、電界がかからない電界未形成部54では変位が発生しないため、接着部に圧電体31の変形により発生する歪み応力を低減できるためである。
【0062】
ベース38と圧電体31との接着は、上記と同様に、ベース38側は凸部38b、圧電体31側は圧電体31の端部53及び圧電体31に電界がかからない電界未形成部54の内面側で行なっている。
【0063】
圧電体31と励振源13の接続は、リード線で行っている。内部電極51は、ダイヤフラム30とベース38に接触しているため、内部電極側のリード線をダイヤフラム30とカウベース38に接続してもよい。また、図12に示すように、内面側の電極51を外面側にまで折り返すようにすれば、内部電極51とリード線との接続は外部電極52側で行える。
【0064】
このような構成にすることにより、圧電体31の振動変位は、ピストン37を介してインク16に効率よく伝達することができる。
【0065】
図9は、本発明の第9の実施の形態例に係るノズルの構成を示す。ベース38を圧電体支持部38c、連結部38d、鍔部38aで構成したものである。圧電体支持部38cより外径が小さい連結部38dで鍔部38aに連結することにより鍔部38aの剛性を低減し、さらにベース押さえ39に鍔部38cが干渉しないように隙間46を設けている。
【0066】
これにより、第2の実施の形態例と同様に、ボディ25やベース押さえ39とを振動絶縁することができるので、加振部の振動を安定化することができる。剛性と振動絶縁の観点からダイヤフラム30の厚みは、前述したように、0.5mm程度以下であればよい。
【0067】
図10は、本発明の第2の実施の形態例に係るノズルの構成を示す。インクチャンバ27内のインクに振動を与える加振部は、圧電体31、オリフィスプレート29、カウンタウェイト26で構成されている。圧電体31は円筒形状であり、その一端をオリフィスプレート29に、別の一端にはカウンタウェイト26が固定されている。
【0068】
カウンタウェイト26は、その重量を変えることにより、加振部の共振周波数を調節できるが、共振周波数を高く設定する場合、カウンタウェイト26はなくてもよい。
【0069】
圧電体31には、図11に示すように、内外面に電極が設けられている。内面側の電極51は内面全面と円筒部の端面53に設けられている。また、外面電極52は内面電極51との間で電気的絶縁を保つため、0.5mmの間隔を持っている。
【0070】
オリフィスプレート29は、円板形状で、その中心部には圧電体31を固定するための凸部42と、パイプ44を支持するハウジング41がある。この凸部42は圧電体31の円筒内部に嵌められ、圧電体31は凸部42で接着される。接着部は、圧電体31の端部53及び圧電体31に電界がかからない電界未形成部54の内面側としている。また、カウンタウェイト26と圧電体31との接着は、上記と同様に、圧電体31の端部53及び圧電体31に電界がかからない電界未形成部54の内面側で行っている。
【0071】
圧電体31と励振源13の接続は、リード線で行っている。内部電極51は、オリフィスプレート29とカウンタウェイト26に接触しているため、内部電極側のリード線をオリフィスプレート29とカウンタウェイト26に接続してもよい。また、図12に示すように、内面側の電極51を外面側にまで折り返すようにすれば、内部電極51とリード線との接続は外部電極52側で行える。
【0072】
インク供給経路21は、パイプ44内に設けられ、その一端には継ぎ手43が設けられている。パイプ44には、Oリング36が嵌まる溝があり、Oリング36が嵌められている。パイプ44内のインク供給経路21は、継ぎ手からストレートになっており、Oリング36を超えたところで、直角に曲がり、流路40を形成している。
【0073】
流路40からインク16は、オリフィスプレート29のハウジング部41、パイプの一端45、継ぎ手43に設けたOリング36で形成されたインクチャンバ27に流入する。そしてオリフィスプレート29にあるオリフィス28からインク16が噴出する。
【0074】
オリフィスプレート29の外周部は、ボディ25固定されており、オリフィスプレート29の中央部が軸方向に振動する。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、インクチャンバ内のインクを、圧電体の軸方向の振動で効率よく、かつ安定して加振できるので、オリフィスより噴出するインクの粒子化が安定し、ノズルの信頼性を向上させることができる。
【0076】
また、加振部の低次と高次との共振周波数が駆動周波数と十分に離れているため、安定した振動を得ることができる。
【0077】
さらに、圧電体の接着部に作用する歪み応力の発生を押さえ、圧電体がインクに接触しないので安定した振動を長期に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例に係るノズルの構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態例に係るノズルの構成図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態例に係るノズルの構成図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態例に係るノズルの構成図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態例に係るノズルの構成図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態例に係るノズルの構成図である。
【図7】本発明の第7の実施の形態例に係るノズルの構成図である。
【図8】本発明の第8の実施の形態例に係るノズルの構成図である。
【図9】本発明の第9の実施の形態例に係るノズルの構成図である。
【図10】本発明の第10の実施の形態例に係るノズルの構成図である。
【図11】圧電体の電極構成を示す図である。
【図12】圧電体の他の電極構成を示す図である。
【図13】本発明の一実施の形態例に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。
【図14】図13のインクジェット記録装置のインク供給循環制御回路の構成図である。
【図15】図13のインクジェット記録装置のインク循環制御動作のフローチャート図である。
【符号の説明】
1…インク容器、2…供給ポンプ、6…ノズル、7…帯電電極、8…インク粒子、9…上部偏向電極、11…ガター、16…インク、26…カウンタウェイト、27…インクチャンバ、28…オリフィス、29…オリフィスプレート、30…ダイヤフラム、31…圧電体、37…ピストン
Claims (6)
- インクチャンバ内のインクに振動を与え、オリフィスより前記インクを噴出させる加振部と、該加振部を保持する保持部材とを備えたインクジェット記録装置のノズルにおいて、
前記加振部は、前記振動を発生する円筒形状の圧電体と、該圧電体の軸方向端部に取り付けられ前記発生した振動を前記インクチャンバ内のインクに伝える加振部材とで構成され、さらに前記圧電体の内周面と外周面に、内面電極と外面電極とをそれぞれ独立して形成すると共に、前記内面電極に対し前記外面電極が対向しない電界未形成部を形成し、前記電界未形成部で前記加振部材を接着固定するように構成されていることを特徴とするインクジェット記録装置のノズル。 - 請求項1において、前記加振部材は、前記保持部材に外周部を保持されたダイヤフラムであることを特徴とするインクジェット記録装置のノズル。
- 請求項2において、前記インクチャンバに供給するインクの流路を、前記圧電体の円筒内を介し前記ダイヤフラムの中央部を貫通して設けることを特徴とするインクジェット記録装置のノズル。
- 請求項1において、前記加振部材は、前記保持部材に設けられたシリンダに嵌められたピストンであることを特徴とするインクジェット記録装置のノズル。
- 請求項1において、前記加振部は、前記オリフィスを備えたオリフィスプレートと、該オリフィスプレートに取り付けられ前記振動を発生する円筒形状の圧電体と、前記オリフィスプレートの内側に設けられた前記インクチャンバに前記インクを供給する流路とで構成され、前記オリフィスプレートは、前記圧電体で発生した振動を前記インクチャンバ内のインクに与えることを特徴とするインクジェット記録装置のノズル。
- 圧電体の振動をインクチャンバ内のインクに与え、オリフィスよりインクを噴出してインク粒子を発生するノズルと、前記インク粒子を所定の記録信号に応じて帯電して偏向することにより記録媒体上に印字を行う偏向制御手段とを備えたインクジェット記録装置において、
前記ノズルは、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のインクジェット記録装置のノズルであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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