JP3634430B2 - 自発光道路鋲 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自発光道路鋲に関する。詳細には、太陽電池で発電した電力で発光体を点滅発光させる自発光道路鋲に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、太陽電池で発電した電力で発光体を発光させる自発光道路鋲は、実公平4−12092号公報、実公平5−40094号公報に記載あるように、知られている。この公報記載の自発光道路鋲は、太陽電池と、太陽電池で発電した電気を蓄える蓄電池と、発光体と、夜間発光体を点灯させる制御回路とを備えたものである。この自発光道路鋲に使用される発光体は発光ダイオードが使用され、通常、一定の光量で一定時間点灯させるようになっている。
【0003】
又、太陽電池で発電した電力を蓄える蓄電池としては、二次電池である鉛蓄電池やNi−Cd畜電池が利用されている。そして、この蓄電池の電池容量は、数日間発光体にエネルギーを供給可能に設計されている。又、この蓄電池に蓄えられた電力は雨天等悪天候が続いた場合にも発光体に供給されるようになっている。この自発光道路鋲を道路の中央分離帯や車道と横断歩道との境界に取り付けると、夜間、この自発光道路鋲が光るのでドライバーや歩行者によく判り、危険表示や視線誘導を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、悪天候が長期間続き、蓄電池の残存電力が少なくなり電圧が低下した場合には、発光体が発光しなくなる。又、深い放電が進行すると、鉛電池の場合には、「サルフェーション現象」が生じ、電極表面に硫酸亜鉛が析出し、再充電ができなくなるし、Ni−Cd蓄電池の場合には、「メモリー現象」が生じ、電池容量が初期の電池容量から徐々に小さくなるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、悪天候が長期間続いても発光体が夜間点滅発光し、しかも、深い放電が進行しても蓄電池に悪影響のない自発光道路鋲を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになしたものであって、太陽電池と、太陽電池で発電した電力を蓄える電気二重層コンデンサと、太陽電池で発電した電力を所定電圧にし電気二重層コンデンサに充電させる充電定電圧回路と、発光体と、発光体に電気二重層コンデンサの電力を所定電圧にして供給させる放電定電圧回路と、夜間に発光体を点灯させる昼夜判別回路と、電気二重層コンデンサから供給された電力を制御して発光体を点滅発光させる発光パターン制御回路とを備え、前記発光パターン制御回路は、晴天で電気二重層コンデンサに電力が充分蓄えられているときには点滅発光のデューティー比を所定の標準デューティー比にして発光体を点滅発光させ、悪天候が続き電気二重層コンデンサに蓄電された残存電力が少なくなると、点滅発光のデューティー比を小さくして夜間の消費電力を少なくし、発光体が一晩中点滅発光するように制御するものであることを特徴とする自発光道路鋲であり、又本発明は、昼間に太陽電池で発電した電力を電気二重層コンデンサに蓄え、夜間にその電気二重層コンデンサに蓄えた電力で発光体を点滅発光させる自発光道路鋲であって、晴天で電気二重層コンデンサに電力が充分蓄えられているときには点滅発光のデューティー比を所定の標準デューティー比にして発光体を点滅発光させ、悪天候が続き電気二重層コンデンサに蓄電された残存電力が少なくなると、点滅発光のデューティー比を小さくして夜間の消費電力を少なくし、発光体が一晩中点滅発光するように制御する発光パターン制御回路を備えていることを特徴とする自発光道路鋲である。
【0007】
本発明に使用する発光体は、電力によって光を発するものであれば、いかなるものでもよいが、発光ダイオードが最も好ましい。又、本発明に使用する電気二重層コンデンサの容量は大きいと不経済であり、小さいと発光体が一晩中動作しない。従って、発光体を標準点滅発光で一晩中動作できる容量の電気二重層コンデンサが好ましい。ここで標準点滅発光とは、デューティ比(on時間/on時間+off時間)を10%以上の適当な標準値にしたときの発光である。
【0008】
本発明に使用する太陽電池の容量は大きいと不経済であり、小さいと電気二重層コンデンサを満充電できない。従って、一年間を通じての平均的な日射量日に電気二重層コンデンサを満充電できる容量の太陽電池が好ましい。
本発明における発光パターン制御回路とは、悪天候が続き残存電力が少なくなると、デューティー比をこの悪天候に合わせて小さくして夜間の消費電力を少なくし、発光体が一晩中点滅発光するように制御するものである。
【0009】
即ち、電気二重層コンデンサの充電量は端子電圧とはリニア関係にあるので、発光パターン制御回路では、電気二重層コンデンサの端子電圧値で残存電力を推定し、この推定値から悪天候の夜間で発光体を一晩中点滅発光させるための最適デューティーを決定し、このデューティー比で発光体を点滅発光するように制御するのである。
【0010】
【作用】
本発明自発光道路鋲の使用方法の一例を説明しながら作用について説明する。本発明自発光道路鋲は、太陽電池と発光体を路面から顕れるようにして中央分離帯や車道と横断歩道との境界等に埋設する。すると、昼間、太陽光によって太陽電池が発電し、この太陽電池で発電した電力は充電定電圧回路で所定電圧にされて電気二重層コンデンサに充電される。
【0011】
このように、太陽電池で発電した電力を電気二重層コンデンサに蓄えるから、従来のように、鉛蓄電池やNi−Cd畜電池と異なり、残存電力が低下しても電気二重層コンデンサが傷まない。従って、再充電できなくなるとか容量が小さいくなるという問題が発生しない。又、充電定電圧回路で所定電圧にして充電するから、電気二重層コンデンサに効率よく充電でき、電気二重層コンデンサが傷まない。
【0012】
夜になると、昼夜判別回路が感知して電気二重層コンデンサに蓄えられた電力を発光体に供給するようにする。すると、電気二重層コンデンサに蓄えられた電力は放電定電圧回路で所定電圧にされ、発光パターン制御回路で最適デューティー比になされて発光体に供給されて発光体が点滅発光する。
【0013】
このように自発光道路鋲が光るから、夜間、ドライバーや歩行者には中央分離帯や車道と横断歩道との境界がよく判り、危険表示や視線誘導を行うことができる。このように、本発明自発光道路鋲には昼夜判別回路があるから、夜間、発光体に電力を供給して発光体が点滅発光し、昼間、電力を供給しない。従って、電力の消費が少なくなる。
【0014】
発光パターン制御回路では、晴天で電気二重層コンデンサに電力が充分蓄えられているときには標準デューティー比(例えば、デューティー比=10%)にして発光体に供給して発光体が点滅発光し、悪天候が続き電気二重層コンデンサに蓄電された残存電力が少なくなると、デューティー比をこの悪天候に合わせ小さくして夜間の消費電力を少なくし、発光体が一晩中点滅発光するように制御する。
【0015】
このように、発光パターン制御回路があるから、悪天候が続いても、発光体を一晩中安定した明るさで点滅発光させることができる。又、放電定電圧回路が所定電圧にして発光体に電力を供給するから、発光体を傷めることがなく効率よく点滅発光させることができる。
【0016】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。
図1および図2は本発明の一実施例を示すもので、図1は自発光道路鋲の回路ブロック図、図2は自発光道路鋲の構造を示す説明図である。
【0017】
図1および図2において、1は太陽電池であり、この太陽電池1は太陽光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電装置であり、結晶系、アモルファス系、化合物系のいずれでも使用できる。そして、この太陽電池1は図2に示す自発光道路鋲の上面に設けられている。
【0018】
2は太陽電池1で発電した電力を蓄える電気二重層コンデンサであり、この電気二重層コンデンサ2は電気二重層の誘電現象を利用したものであり、数十ファラッドのものが実用化されている。本実施例ではこの実用化されている数十ファラッドの電気二重層コンデンサ2を並列に接続して200ファラッドにして使用する。
【0019】
3は太陽電池1で発電した電力を所定電圧にして電気二重層コンデンサ2に充電させる充電定電圧回路である。即ち、この充電定電圧回路3は電気二重層コンデンサ2に太陽電池1から過電圧が加わって電気二重層コンデンサ2を傷めることを防止する回路であり、本実施例では2.5V以上の電圧が電気二重層コンデンサ2に加わらないようになっている。尚、電気二重層コンデンサ2に過電圧が加わると傷んで、寿命劣化を引き起こす。
【0020】
7は発光ダイオードからなる発光体であり、この発光体7は道路鋲の上面に設けられた前後左右に傾斜した4面にそれぞれ発光ダイオードが3個ずつ、計12個設けられている。
【0021】
4は電気二重層コンデンサ2に蓄えられた電力を所定電圧にして発光体7に供給する放電定電圧回路であり、この放電定電圧回路4によって、一晩中、一定の明るさで発光体7が点滅発光する。
5は、夜間、発光体7を点滅発光させる昼夜判別回路であり、この昼夜判別回路5は夜になったことを感知して発光体7へ電力の供給を開始し、昼になると、発光体7への電力の供給を停止するものである。
【0022】
6は発光パターン制御回路であり、この発光パターン制御回路6は電気二重層コンデンサ2に蓄えられた残存電力によって最適のデューティー比の発光パターンを決定し、この発光パターン比で点滅発光するように発光体7に電力を供給するものであり、本実施例では4ビットのマイコンを使用する。
【0023】
本実施例における電気二重層コンデンサ2の残存電力と端子電圧との関係は表1のようになっている。
【0024】
【表1】
Figure 0003634430
【0025】
そして、図2に示すように、電気二重層コンデンサ2と全ての電気回路21(充電定電圧回路3、放電定電圧回路4、昼夜判別回路5、発光パターン制御回路6を含む)は、シリコーン樹脂で充填し、結露等が原因の誤動作をなくする。
【0026】
次に、この自発光道路鋲の使用方法について説明する。
この自発光道路鋲は、太陽電池1と発光体7を路面から顕れるようにして中央分離帯等に埋設する。すると、昼間、太陽光によって太陽電池1が発電し、この太陽電池1で発電した電力は充電定電圧回路3で所定電圧にされて電気二重層コンデンサ2に充電される。
【0027】
夜になると、昼夜判別回路5が感知して電気二重層コンデンサ2に蓄えられた電力を発光体7に供給するようにする。すると、電気二重層コンデンサ2に蓄電された電力は放電定電圧回路4で所定電圧にされ、発光パターン制御回路6で最適のデューティー比になされて発光体7に供給されて発光体7が点滅発光する。
【0028】
発光パターン制御回路6では、晴天で電気二重層コンデンサに電力が充分蓄えられているときには標準デューティー比(例えば、デューティー比=10%)にして発光体7に供給し、発光体7が点滅発光し、悪天候が続き電気二重層コンデンサ2に蓄電された残存電力が少なくなると、デューティー比をこの悪天候に合わせ小さくすることによって夜間の消費電力が少なくし、発光体7が一晩中点滅発光するように制御する。
【0029】
【発明の効果】
本発明自発光道路鋲は夜間点滅発光するから、この自発光道路鋲を中央分離帯や車道と横断歩道との境界等に取り付けると、ドライバーや歩行者に良く判り、危険表示や視線誘導を行うことができる。
【0030】
本発明自発光道路鋲は、太陽電池で発電した電力を電気二重層コンデンサに蓄電するから、従来のように、鉛蓄電池やNi−Cd畜電池と異なり、残存電力が低下しても電気二重層コンデンサが傷まない。従って、再充電ができなくなるとか電池容量が小さくなるという問題が発生しない。
【0031】
この電気二重層コンデンサは所定電圧以下であれば、太陽電池の出力端子に直接接続して充電でき、特別な充電電圧の制御回路が不要であり、従って、構成が簡単であり、効率よく充電できる。又、従来の鉛蓄電池のように補水等のメンテナンスが不要である(通常、10年程度メンテナンス不要である)。又、内部化学反応を伴わないのでサイクル寿命が長く、そのため、電気二重層コンデンサを交換する必要が少なく経済的である。又、電気二重層コンデンサは、残存電力と端子電圧とはリニアな関係にあるので、残存電力の検出が容易で正確である。
【0032】
本発明自発光道路鋲には発光パターン制御回路があるから、悪天候が続いても、デューティー比を小さくして消費電力を少なくすることができ、従って、発光体を一晩中安定した明るさで点滅発光させることができるし、日射条件の悪いビルの谷間や山間地域においても、一晩中安定した明るさで発光体を点滅発光させることができる。
【0033】
本発明自発光道路鋲には充電定電圧回路があるから、電気二重層コンデンサを傷めることなく太陽電池で発電した電力を電気二重層コンデンサに効率よく充電することができる。又、本発明自発光道路鋲には放電定電圧回路があるから、発光体を傷めることなく効率よく点滅発光させることができる。更に、本発明自発光道路鋲には昼夜判別回路があるから、発光体に夜間電力を供給し、昼間は電力を供給しない。従って、電力の消費を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、自発光道路鋲の回路ブロック図である。
【図2】自発光道路鋲の構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1 太陽電池
2 電気二重層コンデンサ
3 充電定電圧回路
4 放電定電圧回路
5 昼夜判別回路
6 発光パターン制御回路
7 発光体

Claims (2)

  1. 太陽電池と、太陽電池で発電した電力を蓄える電気二重層コンデンサと、太陽電池で発電した電力を所定電圧にし電気二重層コンデンサに充電させる充電定電圧回路と、発光体と、発光体に電気二重層コンデンサの電力を所定電圧にして供給させる放電定電圧回路と、夜間に発光体を点灯させる昼夜判別回路と、電気二重層コンデンサから供給された電力を制御して発光体を点滅発光させる発光パターン制御回路とを備え、前記発光パターン制御回路は、晴天で電気二重層コンデンサに電力が充分蓄えられているときには点滅発光のデューティー比を所定の標準デューティー比にして発光体を点滅発光させ、悪天候が続き電気二重層コンデンサに蓄電された残存電力が少なくなると、点滅発光のデューティー比を小さくして夜間の消費電力を少なくし、発光体が一晩中点滅発光するように制御するものであることを特徴とする自発光道路鋲。
  2. 昼間に太陽電池で発電した電力を電気二重層コンデンサに蓄え、夜間にその電気二重層コンデンサに蓄えた電力で発光体を点滅発光させる自発光道路鋲であって、晴天で電気二重層コンデンサに電力が充分蓄えられているときには点滅発光のデューティー比を所定の標準デューティー比にして発光体を点滅発光させ、悪天候が続き電気二重層コンデンサに蓄電された残存電力が少なくなると、点滅発光のデューティー比を小さくして夜間の消費電力を少なくし、発光体が一晩中点滅発光するように制御する発光パターン制御回路を備えていることを特徴とする自発光道路鋲。
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