JP3634331B2 - 自転車変速機変速用の補助装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自転車変速機に関するものであり、より詳しくは、自転車変速機の変速操作を補助するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ディレイラやハブ変速機のような自転車変速機の操作に必要な操作を軽減するために、種々の装置が開発されてきた。特にディレイラ型変速機の操作を補助するのに適したような装置の例が、米国特許第5358451号に示されている。リアディレイラの操作を補助するための該公報に記載された装置は、常に運動する複雑な可動部を備えており、運動量を増加させるとともに該構成部材の早期の摩耗を招く可能性のあるものである。フロントディレイラの操作を補助すべく該公報に記載された装置は、2つだけのフロントスプロケットに適応するものである。しかしながら、多くの自転車は2以上のフロントスプロケットを備えている。従って、2以上のスプロケットと共に使用できるような補助装置が望まれている。また、常に運動する可動部の数を最小限にすることも、有用なことである。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は、自転車変速機の変速操作を補助するための装置に関するものである。従来技術の装置と同様に、該装置は2つのフロントスプロケットに適応することができるが、更に、該装置は2以上のフロントスプロケットにも適応することができる。さらに、本発明による全ての技術的貢献を認識するための臨界ではないが、開示された実施形態は、常に動く可動部の数を最小限に抑え、内部的な応力および部材の摩耗を削減するものである。
【0004】
本発明の第1の実施形態において、これに限定されるものではないが、自転車変速機の操作を補助するために回転体からの力を利用する補助装置は、装着部材と、該装着部材に連結された入力伝達部材とを備えてなり、該入力伝達部材は第1入力位置、第2入力位置および第3入力位置へと移動するように構成されてなる。出力伝達部材は前記装着部材に連結されており、前記入力伝達部材の第1入力位置、第2入力位置および第3入力位置とそれぞれ対応するような第1出力位置、第2出力位置および第3出力位置へと移動するように構成されてなる。回転体係合部材は、回転体係合位置と回転体非係合位置との間を移動し、運動伝達部材は、前記回転体係合部材から出力伝達部材へと運動を伝達するために備えられる。スイッチング機構は、前記入力伝達部材が第1入力位置、第2入力位置又は第3入力位置のいずれか1つにあり、且つ前記出力伝達部材が対応した第1出力位置、第2出力位置又は第3出力位置にないときに、前記回転体係合部材を回転体係合位置へ移動させ、前記入力伝達部材が第1入力位置、第2入力位置又は第3入力位置のいずれか1つにあり、且つ前記出力伝達部材が対応した第1出力位置、第2出力位置又は第3出力位置にあるときに、前記回転体係合部材を回転体非係合位置へ移動させるように備えられる。
【0005】
本発明の他の実施形態において、自転車変速機の操作を補助するために回転体からの力を利用する補助装置は、上述した部材の多くを備え、2以上のギアに適応し又はしないものとし得る。該実施形態において、入力伝達部材と出力伝達部材は、回転軸に対して回転するように装着部材に連結されている。該回転軸は、入力伝達部材および出力伝達部材とで共通となっており(必然的なものではないが)、それによってこれら2つの部材が適当な対応位置にない場合に検知し易いものとなる。
【0006】
本発明の他の実施形態において、自転車変速機の操作を補助するために回転体からの力を利用する補助装置は、第1の実施形態として挙げた部材の多くを備え、且つ上述した実施形態のように、2以上のギアに適応し又はしないものとし得る。該実施形態では、スイッチング機構は、前記入力伝達部材が前記第1入力位置又は第2入力位置へ移動し、且つ前記出力伝達部材が対応する第1出力位置又は第2出力位置に移動しないときに、回転軸の方向に移動するような軸スライド部材を備えている。とりわけ、斯かる特徴によれば、該スイッチング機構を側方へ分散し得るものとなる
【0007】
【発明の実施の形態】
【0008】
図1は、自転車変速機に、変速操作を補助するための本発明に係る補助装置14の特定の実施形態を組み込んだ自転車10の側面図である。自転車10は、あらゆるタイプとすることができ、本実施形態では自転車10は、トップチューブ22と、ヘッドチューブ24と、該ヘッドチューブ24から下方へ延びるダウンチューブ26と、トップチューブ22から下方へ延びるシートチューブ30と、ダウンチューブ26とシートチューブ30の接合部に配設されたボトムブラケット32と、トップチューブ22から後方且つ下方へ延びる一対のシートステー34と、ボトムブラケット32から後方へ延びる一対のチェーンステー38からなる典型的なフレーム18を備えている。フォーク42はヘッドチューブ24に回転可能に支持されており、ホイール46はフォーク42の下端に回転可能に支持されている。フォーク42およびホイール46の回転方向は、周知の方法でハンドルバー50によって制御される。同軸となるように装着された複数のフリーホイールスプロケット(図示せず)を備えたリアホイール54は、シートステー34とチェーンステー38の接合部に回転可能に支持されており、複数のフロント(チェーンホイール)スプロケット62を支持するペダルアッセンブリ58は、ボトムブラケット32に回転可能に支持されている。チェーン66は、複数のフロントスプロケット62の一つと、リアホイール54に装着された複数のフリーホイールスプロケットの一つとを拘束している。フロントディレイラ70は、チェーン66を一のフロントスプロケット62から他のそれへと移動させ、リアディレイラ74は、チェーン66を一のフリーホイールスプロケットから他のそれへと移動させる。これらの操作は良く知られたものである。本実施形態では、フロントディレイラ70は、補助装置14に連結された引張および解放用のワイヤ78によってコントロールされ、補助装置14はボーデンタイプのコントロールケーブル82によってコントロールされる。リアディレイラ74は、ボーデンタイプのコントロールケーブル86によって慣用的な方法でコントロールされる。
【0009】
図2は、補助装置14の部分透視図であり、図3は、図2に示された補助装置の分解図である。該実施形態において、補助装置14は、フロントディレイラ70の操作を補助するために、ボトムブラケット32中に回転自在に装着され且つペダルアッセンブリ58によって回転されるクランク軸90の回転力を利用する。補助装置14は、上部枠体100及び104並びに下部枠体106(図3には示さず)を備えている。上部枠体100及び104は、各々開口部108及び112を有し、且つそれらはボトムブラケット32の開口部と一直線となっており、互いにネジ116によって締め付けられている。主として下部枠体106によって形成される空間に配設される部材は、装着部材120、124、126及び128であり、これらは、装着部材128の開口部136を通り且つ中空ボルト144の開口部140を通り且つ装着部材120のネジ穴148中へ延びるネジ132によって互いに連結されている。該アッセンブルユニットにおいて、中空ボルト144の頭部152は、装着部材124と装着部材120の筒状部156との間に挟まれており、中空ボルト144の軸部160は、装着部材124の開口部164を通って延び、中空ボルト144のネジ部168は、装着部材126のネジ穴172にねじ込まれ、中空ボルト144の端部は、装着部材128の側面に当接している。装着部材128は、ボルト174及びワッシャ175によって自転車に取り付けられる。
【0010】
入力伝達部材176は、該入力伝達部材176中の開口部192及び装着部材120中の開口部196を通って延びる筒状ベアリング188によって支持されている。よって、入力伝達部材176は、回転軸Xを中心として回転するように、装着部材120、124、126及び128に対して回転自在に取り付けられる。入力伝達部材176は、入力伝達部材176と装着部材120との間に周知の方法で固定されたバネ200によって、装着部材120、124、126及び128に対して反時計回りの方向へ付勢されている。入力伝達部材176は、入力制御ワイヤ巻き面180と、ネジ204、ワッシャ208及びワイヤ受け部材212とからなるワイヤ連結部材184とを備えている。ネジ204は、インナーワイヤ80が入力伝達部材176とワイヤ受け部材212との間に硬く挟まれるように、入力伝達部材176のネジ穴216にねじ込まれる。そして、インナーワイヤ80は、該インナーワイヤ80を引くと入力伝達部材176がバネ200による付勢力に抗して時計回りに回転し、該インナーワイヤを放すと入力伝達部材176がバネ200の付勢力によって反時計回りに回転するようにワイヤ巻き面180を巻くように構成されている。本実施形態では、3つのフロントスプロケット62があるために、入力伝達部材176は3つの区別された入力位置へ移動することが必要となる。
【0011】
入力駆動部材220が入力伝達部材176とともに回転するように、該入力駆動部材220は、装着部材124のスロット228を通るようにして延び且つ入力伝達部材176の保持スロット(図示せず)上へと延びる一対の連結タブ224を備えている。入力駆動部材220の駆動アーム230は、中間リング236から延びる支柱232に連結され、Cクリップ240でそこに固定される。中間リング236に回転自在に取り付けられるローラー形状の位置検知部材係合部材245及び246は、位置検知円弧を決定する位置検知部材244の内周面と係合する。位置検知部材244の連結耳部252は、他の位置検知部材260の連結タブ256に連結される。位置検知部材260は、楕円型の内周面263と、ツメ案内面を決定する外周面268と、制御面272及び276を備えている。位置検知部材244と位置検知部材260とは、ともに装着部材126から延びる枢支軸264に枢着されており、且つそれらは、連結タブ256と、装着部材126から延びた突出部279との間に連結されたバネ278によって、反時計回りの方向へ付勢されている。本実施形態の位置検知部材244及び260は、位置検知ユニットとみなすことができる。
【0012】
ワイヤ巻き部材の形状とされた出力伝達部材280は、組み立て状態において装着部材124に接触する筒状ベアリング284に支持されるため、該出力伝達部材280は回転軸Y回りに回転するものとなる。本実施形態において、回転軸Yは、回転軸Xと一致している。出力伝達部材280は、ワイヤ巻き溝286と、ワイヤ連結部材の機能によりケーブルエンドビード(図示せず)をそこへ受けるためのケーブルエンドストップ288(図7)とを備えている。本実施形態では、3つのフロントスプロケットを備えているため、出力伝達部材280は3つの区別された出力位置へ移動する必要がある。接触部材290及び292は、以下に述べる方法で中間リング236の内周面と係合するために、出力伝達部材280の一面に取り付けられる。ラチェット298は、出力伝達部材280とともに回転するように、出力伝達部材280中の保持スロット(図示せず)へ延びる一対の連結タブ302を有している。ラチェット298は、一連の(例えば3つの)駆動歯306と、駆動面及び位置保持面を規定する一連の(例えば3つの)位置保持歯310とを備えている。
【0013】
ツメ歯315及び316を有する位置保持ツメ部材314は、装着部材126から延びる枢支軸318に回転自在に支持されている。位置保持ツメ部材314は、Cクリップ322によって枢支軸318上に保持されており、上述と同様の手段によってバネ326によって時計回り方向に付勢されている。位置解放板330は、組み立て状態において装着部材126に接触する筒状ベアリング334に回転自在に支持されている。位置解放板330には、ツメ解放突起338、ツメ係合突起342、及び駆動ツメ受けリセス346として形成されたツメ解放部位が備えられている。位置解放板330は、位置解放板330から延びる付勢アーム351と装着部材126から延びる付勢アーム352との間に連結されたバネ350によって反時計回りの方向に付勢されている。装着耳部358を有する運動変換板354として形成された運動伝達部材は、装着部材126上で対応する装着耳部362と、枢支軸366を介して回転自在に連結されている。運動変換板354は、以下に述べるようにして機能する駆動タブ370を備えている。
【0014】
駆動軸400は、装着部材100に形成された開口部408に装着される筒状ベアリング404を通って延び、ベアリング334、284及び188を通って延び、図4に示したように装着部材120から出て、装着部材104の側面に配設されるベアリング412で終わる。軸スライド部材としてのプッシュロッド416は、駆動軸400の中央穴420を通って延びている。枢支軸426をそこから延ばしているツメ連結部材424は、駆動軸400の一端に配設された対応する連結溝432と噛み合う連結タブ428によって、駆動軸400に回転しないように連結されている。運動伝達ツメ部材436は、Cクリップ440によって枢支軸426に回転自在に支持されており、バネ444によって時計回り方向に付勢されている。他のツメ連結部材448は、駆動軸400の他端に配設された対応する連結溝456と噛み合う連結タブ452によって、駆動軸400に回転しないように連結されている。連結タブ452の径方向内側端部は、固定ネジ460をそこへねじ込んで受けるために、螺刻面が形成されている。解放制御タブ466および付勢タブ467を有する解放制御部材464は、ツメ連結部材448上の対応する装着ツメ472と係合する装着耳部468により、ツメ連結部材448に回転自在に取り付けられている。本実施形態において、解放制御部材464は、ツメ保持部材とみなすことができ、付勢タブ467と固定ネジ460との間に装着されたバネ476によって、時計回りの方向に付勢されている。ツメ連結部材448、即ち駆動軸400は、ツメ連結部材448と装着部材104から延びるバネ支持部484との間に装着されるバネ480によって、反時計回りの方向へ付勢されている。
ツメ板488、492及び496は、締付具500及び504によって互いに締め付けられており、ツメ板488及び496は、枢支軸508を介してツメ連結部材448に回転自在に取り付けられている。ツメ板488、492及び496は、全体として、ツメ板496とツメ連結部材448との間に連結されたバネ512(本実施形態では、ツメ移動部材とみなし得る)から時計回りの付勢力をうける回転体係合ツメ部材498を構成する。弓形のツメ制御面517(本実施形態では、他のツメ保持部材とみなし得る)及び弓形の解放制御面518を有するツメ制御部材516は、枢支軸520を介して装着部材104に回転自在に連結され、さらに解放制御面518と装着部材104との間で枢支軸520の周りに取り付けられるバネ524によって、図3において反時計回りの方向の付勢力を受ける。ツメ制御面517は、締付具500から延びる相補的なツメ制御面526と係合する。
【0015】
本実施形態では、回転体係合ツメ部材498、ツメ連結部材448、駆動軸400、ツメ連結部材424、ツメ436及びラチェット298は、軸90回りの回転運動を出力伝達部材280へ伝達するための運動伝達機構の構成要素である。さらに、本実施形態では、ツメ制御部材516、解放制御部材464、プッシュロッド416、運動変換部材354、位置検知部材244及び260、中間リング236及び入力駆動部材220は、入力伝達部材176が第1入力位置、第2入力位置又は第3入力位置のいずれかにあり且つ出力伝達部材280が対応する第1出力位置、第2出力位置又は第3出力位置にはないとき、回転体係合ツメ部材498を回転体係合位置にまで移動させ、さらに、入力伝達部材176が第1入力位置、第2入力位置又は第3入力位置のいずれかにあり且つ出力伝達部材280が対応する第1出力位置、第2出力位置又は第3出力位置にあるとき、回転体係合ツメ部材498を回転体非係合位置にまで移動させるためのスイッチング機構の構成要素である。
【0016】
インナーワイヤ80が引かれたときの補助装置14の動作が図5乃至13Cに示されている。図5、6A及び6Bに示したように、インナーワイヤ80の引っ張りは、入力伝達部材176がバネ200の付勢力に抗して、出力伝達部材280(本実施形態では)に対してシフトアップ位置にまで時計回りに回転する要因となる。これは、入力伝達部材176と入力駆動部材220とが一体として共に回転するため、次に、入力駆動部材220を時計回りに回転させる要因となる。入力駆動部材220の駆動アーム230は、直ちに中間リング236を時計回りに回転させるが、図6Bに示したように、中間リング236の内周面294が出力伝達部材280上の接触部材290と接触すると、接触部材290は支点として作用し、一致した回転軸X及びYに対して中間リング236を偏心回転させる。その結果、中間リング236は、右方向へ向かう力の成分を有することとなり、ローラー246は位置検知部材244に抗して右方向へ向かう力を発揮し、位置検知部材244及び260は、枢支軸264で反時計回りに回転する。この位置検知部材244及び260の反時計回りの回転は、位置検知部材260の制御面276が入力伝達部材176に対して径方向に移動する要因となり、出力伝達部材280が装着耳部358を上方(スイッチオン位置とみなし得る)へ押動する要因となり、従って、駆動タブ370がプッシュロッド416を押圧すように運動変換板354が反時計回りに回転することとなる。
【0017】
図7および8に示したように、駆動タブ370はプッシュロッド416を右へ移動させ、プッシュロッド416は付勢タブ467に抗して解放制御部材464を反時計回りに回転するように押す。これは、解放制御タブ466を下方へ回転させ、続いて、ツメ制御部材516の重量がバネ524の付勢力に打ち勝つためにツメ制御部材516を時計回りに回転させることとなる。ツメ制御部材516の時計回りの回転は、ツメ制御面517を上方へ移動させる要因となり、バネ512の付勢力が作用する結果、回転体係合ツメ部材498が回転体係合位置にまで時計回りに回転するのを許容する。この位置において、回転体係合ツメ部材498は、軸90と一体的に回転(反時計回り)するように備えられた回転体534上に形成された2つの歯530の双方と係合し得る。こうして、回転体係合ツメ部材498は、回転体係合部材として機能し得る。
【0018】
図9A乃至9Cは、装置14が補助動作を開始したときの該補助装置の図である。これらの図は、チェーン66が最も小さいフロントスプロケット62を拘束しており、次のより大きいスプロケットへ変更される際の状態に対応したものである。図9Bに示したように、回転体係合ツメ部材498は回転体係合位置にあり、回転体534上の歯530の一つと接触している。位置検知部材260が、図9Cに示したような反時計回りに回転した位置にあるとき、楕円形の内周面263は、ツメ案内面268が右方向へ移動してラチェット298の駆動歯306を露出させること、さらに、運動伝達ツメ部材436を案内して最も近い駆動歯306と係合させることを許容する。このとき、位置保持ツメ部材314のツメ歯316は、最も右の位置保持歯310の右側に位置する。
【0019】
図10Aおよび10Bは、回転体係合ツメ部材498が回転体534とともに移動し始めたときの運動伝達機構の作用を説明している。これらの図に示されているように、回転体534の反時計回りの回転は、ツメ連結部材448と駆動軸400とを時計回りに回転させる要因となる。これは、続いてツメ連結部材424と運動伝達ツメ部材436とを最も近い駆動歯306に係合させ、ラチェット298を出力伝達部材280とともに時計回りに回転させる要因となる。そして、出力伝達部材280は、フロントディレイラ70が作動するようにワイヤ78を引く。同時に、ツメ歯316は上方へ且つ最も右側の位置保持歯310を超えるように上昇する。
【0020】
図11A及び11Bは、該回転体係合ツメ部材498が回転体534と非係合状態となったときの、運動伝達機構の作用を説明している。この状態において、回転体係合ツメ部材498は既に回転体534の歯530と非係合の状態となっており、ラチェット298は、ツメ歯316が上昇しているが中央の位置保持歯310を越えないようなところまで回転している。このとき、駆動軸400及びツメ連結部材448は、バネ480によってツメ連結部材448上に及ぼされる付勢力によって、反時計回りに回転し始める。
【0021】
図12A乃至12Cは、回転体係合ツメ部材498がスタート位置へ向かって移動する際の補助装置14の図であり、図13A乃至13Cは、シフト操作が完了したときの補助装置14の図である。図12A乃至12Cに示したように、駆動軸400及びツメ連結部材448は、反時計回りに回転し、運動伝達ツメ部材436は駆動歯306から非係合となり、ラチェット298及び出力伝達部材280は、フロントディレイラ70に組み込まれた戻りバネによってワイヤ78に作用する付勢力により、反時計回りに回転する。出力伝達部材280は図9A乃至9Cに示された位置よりも正味に時計回りに回転した位置にあるため、接触部材290は、もはや中間リング236の内周面294に対して支点として作用せず、中間リング236のローラー245は、位置検知部材244を時計回りに回転させるべく位置検知部材244の内周面248を押圧しない。その時、位置検知部材260の制御面276は、もはや運動変換板354の装着耳部358を押し上げることなく(スイッチオフ位置にあるとみなし得る)、運動変換板354は時計回りに回転し、図12Aに示したように、プッシュロッド416は左方向へ移動し解放制御部材464はバネ476の付勢力によって時計回りに回転し、ツメ制御部材516は反時計回りに回転し、ツメ制御面517は、回転体係合ツメ部材498を反時計回りに回転させて図13Bに示したような回転体非係合位置にまで回転するように締付具500のツメ制御面526を押し下げる。さらに、ラチェット298は、位置保持ツメ部材314のツメ歯316がバネ326の付勢力の下で図13Cに示したように最も右の位置保持歯310の左側に接触して、出力伝達部材280の位置を保持するまで回転する。
【0022】
本実施形態においては、ラチェット298及び出力伝達部材280は、初め所望の位置を越えて回転してから所望の位置まで戻ることに注目すべきである。これは、いわゆる“オーバーシフト”の効果を生じ、フロントディレイラ70はチェーン66を目的となるスプロケットを越えて移動させ、その後所望の位置、即ち、通常、目的のスプロケット上となる中央位置へ戻す。一般的には、手動のディレイラ操作によってなされるこの効果は良く知られており、チェーンを小さいスプロケットから大きいスプロケットへ移動させようとする際に時折好ましいものである。もちろん、用途に応じて、該機構はそのような現象を除いて設計することも可能である。
【0023】
インナーワイヤ80が解放された際の補助装置14の作用が、図14乃至19Cに示されている。インナーワイヤ80を解放することは、入力伝達部材176及び入力駆動部材220をバネ200の付勢力に従い、(本実施形態では)出力伝達部材280に対してシフトダウン位置にまで反時計回りに回転させる要因となる。入力駆動部材220の駆動アーム230は中間リング236を反時計回りに回転させるが、図14に示したように、中間リング236の内周面294が出力伝達部材280の接触部材292に接触すると、接触部材292が支点として機能し、中間リング236を、一致した回転軸XおよびYに対して偏心的に回転させる要因となる。その結果、ローラー245は、位置検知部材244に対して左方向に向かう力を発揮し、そして、位置検知部材244及び260を枢支軸264で時計回りに回転させる要因となる。この位置検知部材244及び260の時計回りの回転は、位置検知部材260の制御面272が左側の装着耳部358を上方へ押し上げる要因となり、駆動タブ370がプッシュロッド416を押圧するように、運動変換板354を反時計回りに回転させる。
【0024】
この時の補助装置14の操作は、ワイヤ80が引かれた際の操作と類似しているため、相違点についてのみ説明する。主な相違は、運動伝達ツメ部材436の操作にある。位置検知部材244及び260が時計回りに回転するため、位置検知部材260のツメ案内面268は、図15Bに示したように、運動伝達ツメ部材436がラチェット298の駆動面306と係合しないように左へ移動する。その結果、図16Bに示したように、運動伝達ツメ部材436はツメ案内面268に沿って、駆動面306をバイパスし、図17Bに示したように、運動伝達ツメ部材436が位置解放板330のツメ係合突起342に係合するまで移動する。そして、運動伝達ツメ部材436は、ツメ解放突起338がツメ歯316の左側面を押圧するように、位置解放板330を回転させ、こうして、位置保持ツメ部材314が枢支軸318に対して反時計回りに回転する要因となる。ツメ歯316が最も右の位置保持歯310の先端を通過すると、ラチェット298は、図18Bに示したように、中央の位置保持歯310がツメ歯315に捉えられるまで反時計回りに回転する。運動伝達ツメ部材436がツメ係合突起342から離れてスタート位置に戻るように移動すると、位置解放板330は、ばね350の付勢力によって反時計回りに回転し、よって、ツメ解放突起338は歯316から離れる方向へ回転する。これは、続いて、位置保持ツメ部材314を図19Bに示したような最終位置にまで時計回りに回転させることを許容するものである。
【0025】
本実施形態に係る補助装置の一つの利点は、該補助装置が如何なる数のフロントスプロケットに対しても設計し得ることである。さらに、中間リング236、ローラー245および246、接触部材290及び292、そして位置検知部材244及び260の設計により、ライダーは、一度に、2以上のギアをシフトすることができる。より詳しくは、ライダーが、フロントスプロケット62の最も小さいものから最も大きいものへと(第1入力位置から第3入力位置へと)、2以上のギアをシフトするために入力伝達部材176を回転させるためにワイヤ80を引くと、中間リング236は、出力伝達部材280が第2出力位置へ回転した後にも接触部材290及び292の支点効果が残るような位置へとさらに回転する。こうして、突出部(歯)530がそれを過ぎて回転した後には、回転体係合ツメ部材498は対応する突出部530と非係合となるが、出力伝達部材280の第3出力位置への回転の要因となるべく、もう一度回転体係合ツメ部材498が突出部530の一つと係合するまで、回転体係合ツメ部材498は回転体係合位置に留まる。一旦、出力伝達部材280が第3入力位置に対応する第3出力位置にまで到達すると、接触部材290及び292の支点効果は終わり、該システムは上述したように、空転状態へ戻る。
【0026】
上述した内容は、本発明の様々な実施形態のうちの一つの記載であるが、本発明の思想および範囲から逸脱することなく、更なる変更を行うことができる。例えば、種々の構成部材の大きさ、形状、位置又は方向を所望のように変更することができる。一の部材による機能は、二又はそれ以上によって果たし得る。全ての利点が特定の実施形態において同時に達成される必要はない。従来技術からみて独特であり、それ一つだけ又は他の特徴との組み合わせによる全ての特徴は、そのような特徴が具体化された構造的及び/又は機能的概念を含んだ、出願人による更なる発明の別な開示とみなすべきである。このように、本発明の範囲は、開示された特定の構造や、ある構造又は特徴にはじめの焦点をあてた態様によって制限されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、自転車変速機に、変速操作を補助するための本発明に係る装置を組み込んだ特定の自転車の側面図である。
【図2】図2は、自転車変速機の変速のためになされた本発明に係る補助装置の特定の実施形態の拡大した部分透視図である。
【図3】図3は、図2に示された補助装置の分解図である。
【図4】図4は、図2に示されたスイッチング機構の一部を示した組み立て図である。
【図5】図5は、図4に示したスイッチング機構の分解図である。
【図6】図6Aおよび図6Bは、入力伝達部材が時計回りに回転したとき、位置検知部材の作用を示した正面図である。
【図7】図7は、該スイッチング機構の作用を示した側面図である。
【図8】図8は、該スイッチング機構と運動伝達機構との相互作用を示した分解図である。
【図9】図9Aは、該装置が補助動作をしている際の該補助装置の側面図である。図9Bは、図9Aの9B−9B線断面図である。図9Cは、図9Aの9C−9C線断面図である。
【図10】図10Aおよび図10Bは、回転体係合ツメ部材が回転体とともに回転している際の、運動伝達機構の作用を説明したものである。
【図11】図11Aおよび図11Bは、回転体係合ツメ部材が回転体から非係合状態にある際の、運動伝達機構の作用を説明したものである。
【図12】図12Aは、回転体係合ツメ部材がスタート位置にまで戻ることを示した補助装置の側面図である。図12Bは、図12Aの12B−12B線断面図である。図12Cは、図12Aの12C−12C線断面図である。
【図13】図13Aは、シフト操作が完了した際の補助装置の側面図である。図13Bは、図13Aの13B−13B線断面図である。図13Cは、図13Aの13C−13C線断面図である。
【図14】図14は、入力伝達部材が反時計回りに回転する際の位置検知部材の作用を示した正面図である。
【図15】図15Aおよび図15Bは、該装置が補助動作をしている際の、運動伝達機構の作用を説明したものである。
【図16】図16Aおよび図16Bは、回転体係合ツメ部材が回転体とともに回転している際の運動伝達機構の作用を説明したものである。
【図17】図17Aおよび図17Bは、回転体係合ツメ部材が回転体から非係合状態となった際の運動伝達機構の作用を説明したものである。
【図18】図18Aおよび図18Bは、回転体係合ツメ部材がスタート位置まで戻る際の運動伝達機構の作用を説明したものである。
【図19】図19Aおよび図19Bは、シフト操作が完了した際の運動伝達機構の作用を説明したものである。
【付号の説明】
14 補助装置
90 クランク軸
120、124、126、128 装着部材
176 入力伝達部材
220 入力駆動部材
236 中間リング
244 位置検知部材
245、246 ローラー(位置検知部材係合部材)
260 位置検知部材
280 出力伝達部材
290、292 接触部材
298 ラチェット
314 位置保持ツメ部材
330 位置解放板
338 ツメ解放突起
342 ツメ係合突起
354 運動変換板
400 駆動軸
416 プッシュロッド
424 ツメ連結部材
436 運動伝達ツメ部材
448 ツメ連結部材
464 解放制御部材
498 回転体係合ツメ部材
516 ツメ制御部材
X、Y 回転軸

Claims (34)

  1. 自転車変速機の操作を補助するために回転体からの力を使用する補助装置であって、
    装着部材と、
    該装着部材に連結された入力伝達部材であって、少なくとも第1入力位置、第2入力位置及び第3入力位置へ移動する該入力伝達部材と、
    前記装着部材に連結された出力伝達部材であって、前記入力伝達部材の第1入力位置、第2入力位置および第3入力位置に各々対応した第1出力位置、第2出力位置及び第3出力位置へ移動する該出力伝達部材と、
    回転体係合位置と回転体非係合位置との間を移動する回転体係合部材と、
    該回転体係合部材から前記出力伝達部材へ運動を伝達するための運動伝達機構と、
    前記入力伝達部材が第1入力位置、第2入力位置又は第3入力位置のいずれか1つにあり、前記出力伝達部材が対応した第1出力位置、第2出力位置又は第3出力位置にないときには、前記回転体係合部材を回転体係合位置へ移動させ、前記入力伝達部材が第1入力位置、第2入力位置又は第3入力位置のいずれか1つにあり、前記出力伝達部材が対応した第1出力位置、第2出力位置又は第3出力位置にあるときには、前記回転体係合部材を回転体非係合位置へ移動させるようなスイッチング機構と、
    を備えてなることを特徴とする補助装置。
  2. 前記入力伝達部材が、入力制御ワイヤと連結する入力制御ワイヤ連結部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の補助装置。
  3. 前記入力伝達部材が、入力制御ワイヤ巻き面を備えたことを特徴とする請求項2記載の補助装置。
  4. 前記出力伝達部材が、出力制御ワイヤと連結する出力制御ワイヤ連結部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の補助装置。
  5. 前記出力伝達部材が、出力制御ワイヤ巻き面を備えたことを特徴とする請求項4記載の補助装置。
  6. 前記運動伝達機構が、
    前記出力伝達部材と連結された駆動面を有するラチェットと、
    該駆動面と係合するための運動伝達ツメ部材と
    を備えてなることを特徴とする請求項1記載の補助装置。
  7. 前記運動伝達機構が、前記回転体係合部材が回転体と係合したときに回転するような駆動軸を備えており、前記運動伝達ツメ部材が該駆動軸に連結されていることを特徴とする請求項6記載の補助装置。
  8. 前記回転体係合部材が、前記駆動軸に連結された回転体係合ツメ部材を備えていることを特徴とする請求項7記載の補助装置。
  9. 前記ラチェットが一連の位置保持歯を有してなり、更に、前記出力伝達部材を選択位置に保持するために該一連の位置保持歯のうち選択された一つと係合する位置保持ツメ部材を備えてなることを特徴とする請求項8記載の補助装置。
  10. 前記回転体係合ツメ部材が前記駆動軸の一端に連結され、前記運動伝達ツメ部材が該駆動軸の他端に連結されていることを特徴とする請求項9記載の補助装置。
  11. 前記入力伝達部材が入力伝達部材回転軸に対して回転するために前記装着部材に連結され、前記出力伝達部材が出力伝達部材回転軸に対して回転するために前記装着部材に連結されていることを特徴とする請求項1記載の補助装置。
  12. 前記スイッチング機構が、前記入力伝達部材及び出力伝達部材に作動的に連結された位置検知部材を備えてなり、
    該位置検知部材は、前記入力伝達部材が第1入力位置、第2入力位置又は第3入力位置のいずれか一つにあり、前記出力伝達部材が対応した第1出力位置、第2出力位置又は第3出力位置にないときにはスイッチオン位置へ移動し、
    前記入力伝達部材が第1入力位置、第2入力位置又は第3入力位置のいずれか一つにあり、前記出力伝達部材が対応した第1出力位置、第2出力位置又は第3出力位置にあるときにはスイッチオフ位置へ移動するように構成されたことを特徴とする請求項11記載の補助装置。
  13. 前記回転体係合部材が、回転体係合ツメ部材を備えていることを特徴とする請求項12記載の補助装置。
  14. 前記スイッチング機構が、
    前記回転体係合ツメ部材を前記回転体係合位置へ移動させるツメ移動部材と、
    前記スイッチング機構がスイッチオフ位置にあるときに前記回転体係合ツメ部材を前記回転体非係合位置に保持し、前記スイッチング機構がスイッチオン位置にあるときに、前記ツメ移動部材が前記回転体係合ツメ部材を前記回転体係合位置にまで移動させるのを許容するようなツメ保持部材
    とを備えたことを特徴とする請求項13記載の補助装置。
  15. 前記位置検知部材が、前記入力伝達部材に対して径方向に移動することを特徴とする請求項14記載の補助装置。
  16. 前記スイッチング機構が、更に前記位置検知部材の径方向の運動を、少なくとも部分的に入力伝達部材の回転軸方向へ変換するための、運動変換部材を備えてなることを特徴とする請求項15記載の補助装置。
  17. 前記スイッチング機構が、更に前記運動伝達部材と前記ツメ保持部材との関連運動を生じさせるためのプッシュロッドを備えたことを特徴とする請求項16記載の補助装置。
  18. 前記入力伝達部材の回転軸が、前記出力伝達部材の回転軸と一致していることを特徴とする請求項15記載の補助装置。
  19. 前記スイッチング機構が、更に前記位置検知部材と係合する位置検知部材係合部材を備えた中間リングを備えてなり、該中間リングが前記入力伝達部材によって回転されることを特徴とする請求項18記載の補助装置。
  20. 前記スイッチング機構が、更に前記中間リングに偏心回転を生じさせるような接触部を備えていることを特徴とする請求項19記載の補助装置。
  21. 前記接触部が、前記出力伝達部材と連結されていることを特徴とする請求項20記載の補助装置。
  22. 前記位置検知部材が位置検知円弧を構成するように円周上に延びた表面を備えており、前記位置検知部材係合部材が該位置検知円弧と係合し、前記接触部が該中間リングの内周面と係合するように構成されていることを特徴とする請求項21記載の補助装置。
  23. 前記位置検知部材係合部材がローラーを構成していることを特徴とする請求項22記載の補助装置。
  24. 前記運動伝達機構が、
    前記出力伝達部材に連結された駆動面を有したラチェットと
    該駆動面と係合するための運動伝達ツメ部材と
    を備えてなることを特徴とする請求項12記載の補助装置。
  25. 前記ラチェットが一連の位置保持歯を有してなり、更に、前記出力伝達部材を選択位置に保持するために該一連の位置保持歯のうち選択された一つと係合する位置保持ツメ部材を備えてなることを特徴とする請求項24記載の補助装置。
  26. 更に、位置保持ツメ部材を解除するための解除部材を備えてなることを特徴とする請求項25記載の補助装置。
  27. 前記入力伝達部材が前記出力伝達部材に対してシフトアップ位置へ回転し、前記入力伝達部材が前記出力伝達部材に対してシフトダウン位置へ回転することを特徴とする請求項26記載の補助装置。
  28. 更に、ツメ案内部材を備えており、該ツメ案内部材は、前記入力伝達部材が前記シフトアップ位置又はシフトダウン位置のいずれか一方へ回転したときに前記運動伝達ツメ部材を前記ラチェットの駆動面と係合するように案内し、且つ前記入力伝達部材が前記シフトアップ位置又はシフトダウン位置の他方へ回転したときに前記運動伝達ツメ部材が前記解除部材と係合するように案内することを特徴とする請求項27記載の補助装置。
  29. 前記入力伝達部材は、シフトアップ位置へ向かって第1の方向へ回転し、且つ該入力伝達部材は、シフトダウン位置へ向かって該第1の方向とは反対の第2の方向へ回転することを特徴とする請求項28記載の補助装置。
  30. 前記ツメ案内部材が、前記位置検知部材に連結されていることを特徴とする請求項29記載の補助装置。
  31. 前記ツメ案内部材が、前記位置検知部材と一体となっていることを特徴とする請求項30記載の補助装置。
  32. 前記入力伝達部材が第2入力位置に位置し、前記出力伝達部材が第2出力位置に位置し、且つ前記入力伝達部材が少なくとも前記第1入力位置又は第3入力位置のいずれか一方へ移動するとき、前記出力伝達部材が対応する第1出力位置又は第3出力位置へ移動することを特徴とする請求項1記載の補助装置。
  33. 自転車変速機の操作を補助するために回転体からの力を使用する補助装置であって、
    装着部材と、
    回転軸に対して回転するように該装着部材に連結された入力伝達部材であって、少なくとも第1入力位置と第2入力位置へ移動する該入力伝達部材と、
    回転軸に対して回転するように前記装着部材に連結された出力伝達部材であって、前記入力伝達部材の第1入力位置と第2入力位置に各々対応した第1出力位置と第2出力位置へ移動する該出力伝達部材と、
    回転体係合位置と回転体非係合位置との間を移動する回転体係合部材と、
    該回転体係合部材から前記出力伝達部材へ運動を伝達するための運動伝達機構と、
    前記入力伝達部材が第1入力位置又は第2入力位置のいずれか1つにあり、前記出力伝達部材が対応した第1出力位置又は第2出力位置にないときには、前記回転体係合部材を回転体係合位置へ移動させ、前記入力伝達部材が第1入力位置又は第2入力位置のいずれか1つにあり、前記出力伝達部材が対応した第1出力位置又は第2出力位置にあるときには、前記回転体係合部材を回転体非係合位置へ移動させるようなスイッチング機構と、
    を備えてなり、前記スイッチング機構が、更に前記位置検知部材の径方向の運動を、少なくとも部分的に入力伝達部材の回転軸方向へ変換するための、運動変換部材を備えてなる
    ことを特徴とする補助装置。
  34. 自転車変速機の操作を補助するために回転体からの力を使用する補助装置であって、
    装着部材と、
    該装着部材に連結された入力伝達部材であって、少なくとも第1入力位置及び第2入力位置へ移動する該入力伝達部材と、
    前記装着部材に連結された出力伝達部材であって、前記入力伝達部材の第1入力位置及び第2入力位置に各々対応した第1出力位置及び第2出力位置へ移動する該出力伝達部材とを備え、
    該入力伝達部材及び出力伝達部材は回転軸に対して回転するように構成されており、
    前記入力伝達部材が第1入力位置又は第2入力位置のいずれか1つにあり、前記出力伝達部材が対応した第1出力位置又は第2出力位置にないときには、前記回転体係合部材を回転体係合位置へ移動させ、前記入力伝達部材が第1入力位置又は第2入力位置のいずれか1つにあり、前記出力伝達部材が対応した第1出力位置又は第2出力位置にあるときには、前記回転体係合部材を回転体非係合位置へ移動させるようなスイッチング機構を備え、
    該スイッチング機構は、前記入力伝達部材が前記第1入力位置又は第2入力位置へ移動し且つ前記出力伝達部材が対応する第1出力位置又は第2出力位置に移動しないときに、回転軸の方向に移動するような軸スライド部材を備えたことを特徴とする補助装置。
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