JP3634317B2 - ノードおよびネットワークおよびプログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はRTP(Real Time Transport Protocol)、RSVP(Resource Reservation Protocol)等のように、IP(Internet Protocol)網におけるリソースを確保して行う通信に利用する。特に、シグナリング用IPパケットの転送技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットに代表されるIP網は、本来、帯域非保証型のネットワークであるが、通信経路をあらかじめ設定し、しかも利用する伝送速度を予約しておくことにより、オーディオ情報またはビジュアル情報のようなリアルタイム性が要求される情報の連続転送が可能となる。このような要望に応えるために、RTP、RSVPは、IETF(Internet Engineering Task Force)において、既に標準化が行われている。
【0003】
IP網におけるリソース確保には、シグナリング用IPパケット(以下、シグナリングパケットという)が用いられる。発側のノードは、経路設定のリクエストを含んだシグナリングパケットを着側のノードに向けて送出する。シグナリングパケットは、各ノードでリソースを確保しながら着側のノードに到達する。これにより、発側のノードと着側のノードとの間にパスが設定される。
【0004】
このようなIP網におけるリソースの確保では、発側のノードから送出されたシグナリングパケットが、途中のノードでリソースを確保しながら着側のノードに向かうが、このときに、リソースの確保が困難なノードに行き当たった場合には、そのノードからリソースの確保が困難である旨の通知を発側のノードに送出し、発側のノードでは、その通知を受け取ると、パスの設定をリトライするか、あるいは、断念する。
【0005】
なお、本明細書における発側のノードおよび着側のノードとは、データ転送に先立ってパス設定のためのリクエストを送出する側のノードを発側のノードといい、このリクエストの終端先となるノードを着側のノードという。パス設定後におけるデータ転送の際には、発側のノードまたは着側のノードのいずれもがデータ発信元またはデータ受信先になることができる。また、設定されたパスは、単方向パスであっても双方向パスであってもよい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、シグナリングパケットがリソースの確保が困難なノードに行き当たった場合には、そのノードからリソースの確保が困難である旨の通知を発側のノードに送出し、発側のノードでは、その通知を受け取ると、パスの設定をリトライするか、あるいは、断念するしかない。
【0007】
このような場合に、リソースの確保が困難なノードが独自の判断によりシグナリングパケットを迂回させる処理を行うことができれば、発側のノードに対するリソース確保不可通知を省くことができ、速やかなパス設定を行うことができるとともに、リソースの有効利用を図ることができる。しかし、従来は、そのようなノードの独自の判断による迂回処理を実行する手順は無い。
【0008】
本発明は、このような背景に行われたものであって、シグナリングパケットを効率良く転送し、速やかなパス設定およびリソースの有効利用を図ることができるノードおよびネットワークおよびプログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の観点はノードであって、本発明の特徴とするところは、IPアドレスに基づくパスの設定に先立って行われるシグナリング用のIPパケットを転送する際に、次段のノードが当該IPパケット転送のための最適ルートに含まれるノードであり、この次段のノードまでのパスを設定するためのリソースが無いためにパスが設定不可であるときには、パスを設定するためのリソースを有する隣接ノードを前記最適ルートに含まれるか否かに関わらず前記次段のノードに代替するノードとしてパスを設定する手段を備えたところにある。
【0010】
すなわち、発側のノードからのリクエストに応えて最適ルートのリソースを確保できないノードでは、従来ならば、リソース確保不可通知を発側のノードに送出して処理を終了するところであるが、本発明では、最適ルートに含まれていなくても、空き波長を有する隣接ノードに対してパス設定を行う。この隣接ノードは、リクエストを受け取り、自ノードから着側のノードに向かうリソースを確保する。ここでいう最適ルートとは最短ルートであるとすれば、多少遠回りになっても発側のノードにリソース確保不可通知を行うことなく、リソース確保が行えるので、シグナリングパケットを効率良く転送し、速やかなパス設定およびリソースの有効利用を図ることができる。
【0011】
あるいは、本発明の第一の観点はノードであって、本発明の特徴とするところは、IPアドレスに基づくパスの設定に先立って行われるシグナリング用のIPパケットを転送する際に、次段のノードが当該IPパケット転送のための最適ルートに含まれるノードであり、この次段のノードまでのパスを設定するためのリソースが無いためにパスが設定不可であるときには、その旨を前段のノードに通知する手段が設けられ、この通知する手段の通知を受け取った前記前段のノードは、パスを設定するためのリソースを有する隣接ノードを前記最適ルートに含まれるか否かに関わらず次段のノードに代替するノードとしてパスを設定する手段を備えたところにある。
【0012】
前者と後者とを比較すると、後者では、リソース確保不可となったノードの前段のノードに戻り、そこから隣接するノードに対してパス設定を行う。すなわち、リソース確保不可となったノードでは、輻輳状態に陥っている可能性が高い。そのようなノードでリソース確保をリトライしても再びリソース確保不可となる可能性が高い。そこで、既にリソース確保が終了している前段のノードに戻り、そこから隣接ノードへのリソース確保を試みることにより、リソース確保不可となる確率を低く抑えることができる。
【0013】
本発明の第二の観点は、本発明のノードを備えたことを特徴とするネットワークである。
【0014】
本発明の第三の観点はプログラムであって、本発明の特徴とするところは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、ノードを制御する装置に相応する機能として、IPアドレスに基づくパスの設定に先立って行われるシグナリング用のIPパケットを転送する際に、次段のノードが当該IPパケット転送のための最適ルートに含まれるノードであり、この次段のノードまでのパスを設定するためのリソースが無いためにパスが設定不可であるときには、パスを設定するためのリソースを有する隣接ノードを前記最適ルートに含まれるか否かに関わらず前記次段のノードに代替するノードとしてパスを設定する機能を実現させるところにある。
【0015】
あるいは、本発明の第三の観点はプログラムであって、本発明の特徴とするところは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、ノードを制御する装置に相応する機能として、IPアドレスに基づくパスの設定に先立って行われるシグナリング用のIPパケットを転送する際に、次段のノードが当該IPパケット転送のための最適ルートに含まれるノードであり、この次段のノードまでのパスを設定するためのリソースが無いためにパスが設定不可であるときには、その旨を前段のノードに通知する機能を実現させ、この通知する機能の通知を受け取った前記前段のノードに相応する機能として、パスを設定するためのリソースを有する隣接ノードを前記最適ルートに含まれるか否かに関わらず次段のノードに代替するノードとしてパスを設定する機能を実現させるところにある。
【0016】
本発明の第四の観点は、本発明のプログラムが記録された前記情報処理装置読取可能な記録媒体である。本発明のプログラムは本発明の記録媒体に記録されることにより、前記情報処理装置は、この記録媒体を用いて本発明のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本発明のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接前記情報処理装置に本発明のプログラムをインストールすることもできる。
【0017】
これにより、コンピュータ装置等の情報処理装置を用いて、シグナリングパケットを効率良く転送し、速やかなパス設定およびリソースの有効利用を図ることができるノードおよびネットワークを実現することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明実施例のノードおよび光パスネットワークを図1ないし図3を参照して説明する。図1は本実施例のノードの要部ブロック構成図である。図2は第一実施例のパス設定手順を説明するための図である。図3は第二実施例のパス設定手順を説明するための図である。
【0019】
(第一実施例)
第一実施例は、図1に示すように、IPアドレスに基づくパスの設定に先立って行われるシグナリング用のIPパケットを転送する際に、次段のノードが当該IPパケット転送のための最適ルートに含まれるノードであり、この次段のノードまでのパスを設定するためのリソースが無いためにパスが設定不可であるときには、パスを設定するためのリソースを有する隣接ノードを前記最適ルートに含まれるか否かに関わらず前記次段のノードに代替するノードとしてパスを設定するパス設定可否判定部1およびパス設定部2を備えたことを特徴とするノードである。
【0020】
図2の例では、発側のノード→…→A→B→C→D(実線)→…→着側のノードが最適ルートであるが、ノードBでノードCへのパスを設定するためのリソースが無いために、パス設定可否判定部1はパスが設定不可と判定する。続いて、パス設定可否判定部1は、隣接する他のノードEに対するパス設定可否判定を行った結果、リソースがあり、パスが設定可能であると判定する。
【0021】
第一実施例では、このような場合には、パス設定部2は、最適ルートであるか否かに関わらず、リソースを有する隣接ノードに対してパスを設定する。図2の例では、発側のノード→…→A→B→E→F→H→G→D(破線)→…→着側のノードという経路が設定される。この経路は、最適ルートと比較すると多少遠回りであるが、ノードBからリソース確保不可通知が発側のノードに送出され、発側のノードがパス設定をリトライする場合と比較すると、速やかにパス設定が行える点で十分優れている。
【0022】
(第二実施例)
第二実施例は、図1に示すように、IPアドレスに基づくパスの設定に先立って行われるシグナリング用のIPパケットを転送する際に、次段のノードが当該IPパケット転送のための最適ルートに含まれるノードであり、この次段のノードまでのパスを設定するためのリソースが無いためにパスが設定不可であるときには、その旨を前段のノードに通知するパス設定可否判定部1が設けられ、このパス設定可否判定部1の通知を受け取った前記前段のノードは、パスを設定するためのリソースを有する隣接ノードを前記最適ルートに含まれるか否かに関わらず次段のノードに代替するノードとしてパスを設定するパス設定可否判定部1およびパス設定部2を備えたことを特徴とするノードである。
【0023】
図3の例では、発側のノード→…→A→B→C→D(実線)→…→着側のノードが最適ルートであるが、ノードBでノードCへのパスを設定するためのリソースが無いために、パス設定可否判定部1はパスが設定不可と判定する。
【0024】
第二実施例では、このような場合には、ノードBのパス設定可否判定部1は、ノードAに対してパス設定不可通知を行う。この通知を受けたノードAのパス設定可否判定部1は、隣接する他のノードIに対するパス設定可否判定を行った結果、リソースがあり、パスが設定可能であると判定する。
【0025】
ノードAのパス設定部2では、最適ルートであるか否かに関わらず、リソースを有する隣接ノードに対してパスを設定する。図3の例では、発側のノード→…→A→I→E→F→H→G→D(破線)→…→着側のノードという経路が設定される。この経路は、最適ルートと比較すると多少遠回りであるが、ノードBからリソース確保不可通知が発側のノードに送出され、発側のノードがパス設定をリトライする場合と比較すると、速やかにパス設定が行える点で十分優れている。
【0026】
第二実施例の特徴は、パス設定不可となったノードがその前段のノードにその旨を通知し、通知を受けた前段のノードが隣接ノードにパスを設定する手順にある。すなわち、パスが設定不可となったノードでは、輻輳が発生している可能性が高いので、そのようなノードで、隣接ノードへのパス設定を試みても、成功率は低いという考えから、輻輳が発生している可能性の低い前段のノードに戻り、そこから隣接ノードへのパス設定を試みる。
【0027】
(第三実施例)
本実施例のノードは、情報処理装置であるコンピュータ装置を用いて実現することができる。すなわち、コンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置に、ノードを制御する装置に相応する機能として、IPアドレスに基づくパスの設定に先立って行われるシグナリング用のIPパケットを転送する際に、次段のノードが当該IPパケット転送のための最適ルートに含まれるノードであり、この次段のノードまでのパスを設定するためのリソースが無いためにパスが設定不可であるときには、パスを設定するためのリソースを有する隣接ノードを前記最適ルートに含まれるか否かに関わらず前記次段のノードに代替するノードとしてパスを設定するパス設定可否判定部1およびパス設定部2に相応する機能を実現させるプログラムをコンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置を第一実施例のノードを制御する装置に相応する装置とすることができる。
【0028】
あるいは、コンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置に、ノードを制御する装置に相応する機能として、IPアドレスに基づくパスの設定に先立って行われるシグナリング用のIPパケットを転送する際に、次段のノードが当該IPパケット転送のための最適ルートに含まれるノードであり、この次段のノードまでのパスを設定するためのリソースが無いためにパスが設定不可であるときには、その旨を前段のノードに通知するパス設定可否判定部1に相応する機能を実現させ、このパス設定可否判定部1の通知を受け取った前記前段のノードに相応する機能として、パスを設定するためのリソースを有する隣接ノードを前記最適ルートに含まれるか否かに関わらず次段のノードに代替するノードとしてパスを設定するパス設定可否判定部1およびパス設定部2に相応する機能を実現させるプログラムをコンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置を第二実施例のノードを制御する装置に相応する装置とすることができる。
【0029】
本実施例のプログラムは本実施例の記録媒体に記録されることにより、コンピュータ装置は、この記録媒体を用いて本実施例のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本実施例のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接コンピュータ装置に本実施例のプログラムをインストールすることもできる。
【0030】
これにより、コンピュータ装置を用いて、シグナリングパケットを効率良く転送し、速やかなパス設定およびリソースの有効利用を図ることができるノードおよびネットワークを実現することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シグナリングパケットを効率良く転送し、速やかなパス設定およびリソースの有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のノードの要部ブロック構成図。
【図2】第一実施例のパス設定手順を説明するための図。
【図3】第二実施例のパス設定手順を説明するための図。
【符号の説明】
1 パス設定可否判定部
2 パス設定部
10、A〜I ノード
Claims (4)
- IPアドレスに基づくパスの設定に先立って行われるシグナリング用のIPパケットを転送する際に、次段のノードが当該IPパケット転送のための最適ルートに含まれるノードであり、この次段のノードまでのパスを設定するためのリソースが無いためにパスが設定不可であるときには、
その旨を前段のノードに通知する手段が設けられ、
この通知する手段の通知を受け取った前記前段のノードは、パスを設定するためのリソースを有する隣接ノードを前記最適ルートに含まれるか否かに関わらず次段のノードに代替するノードとしてパスを設定する手段を備えた
ことを特徴とするノード。 - 請求項1記載のノードを備えたことを特徴とするネットワーク。
- 情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、ノードを制御する装置に相応する機能として、
IPアドレスに基づくパスの設定に先立って行われるシグナリング用のIPパケットを転送する際に、次段のノードが当該IPパケット転送のための最適ルートに含まれるノードであり、この次段のノードまでのパスを設定するためのリソースが無いためにパスが設定不可であるときには、
その旨を前段のノードに通知する機能を実現させ、
この通知する機能の通知を受け取った前記前段のノードに相応する機能として、パスを設定するためのリソースを有する隣接ノードを前記最適ルートに含まれるか否かに関わらず次段のノードに代替するノードとしてパスを設定する機能を実現させる
ことを特徴とするプログラム。 - 請求項3記載のプログラムが記録された前記情報処理装置読取可能な記録媒体。
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