JP3634070B2 - 屋上緑化設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、陸屋根に設置された屋上緑化設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、陸屋根構造とされたビルの屋上や一般住宅のベランダ等の屋上床面に、花卉、観葉植物あるいは灌木等の植物を栽培するための緑化設備を設置することが盛んになっている。
【0003】
従来、この種の設備では、図4(イ)のように、屋上緑化設備(21)が、植栽域(Ra)と非植栽域(Rb)とを、例えばレンガ、コンクリートブロック、あるいはGRC・ブロック等を水密に並べた仕切(22)によって区分し、植栽域(Ra)には土壌(S)を充填して、各種の植物(P)を栽培するようになされている。
【0004】
そして、図4(ロ)い示すように、この屋上緑化設備(21)は、屋上床面(F)の勾配の頂点(t)に位置するように設置されることはまれで、多くの場合、勾配の傾斜面(r)に設置されるから、屋上床面(F)に降った雨水が屋上緑化設備(21)に流れを阻まれて、その上手に水溜まり(v)となってとどまり漏水の原因となるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記のような従来の問題点を解決して、屋上床面に設置した屋上緑化設備の位置に関わりなく、屋上床面の非植栽域の雨水を容易に配水できることができる屋上緑化設備を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、表面に防水シートが敷設された屋上床面上に、枠状に仕切を設けて植栽域と非植栽域とに区分してなる屋上緑化設備において、
上記仕切が、塩ビ鋼板により横断面ハット形状に形成された延長仕切部材と該延長仕切部材と同一断面形状の端部を有する隅仕切部材とを連結することによって構成され、該各仕切部材の下端の左右に張り出す縁部と前記防水シートとの境界部にこれを覆って接合用ベルトが水密に接合されることにより、屋上床面の防水シート上に前記仕切が水密状に設けられると共に、
上記仕切によって区画された植栽域内の防水シート上に、屋上床面の勾配上手側から同下手側に向けて、下面側を開放した逆溝状の水路部材が両端部を上記勾配上手側の延長仕切部材と同下手側の延長仕切部材に設けられた下縁切欠き部に挿入して配置されることにより、植栽域を貫通する排水路が形成され、
更に、前記水路部材と延長仕切部材との間及び防水シートとの間がそれぞれ水密にシールされてなることを特徴とする屋上緑化設備を要旨とする。
【0007】
以下、この発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
【0008】
図1において、(F)は、屋上床面であり、その表面にシート防水による防水工事が施されたものである。
【0009】
(1)は屋上床面(F)に設置された屋上緑化設備であり、土壌(S)が充填されて、花卉、観葉植物あるいは灌木等の植物(P)を栽培する植栽域(Ra)が、仕切(2)によって、非植栽域(Rb)と分離されることにより形成されており、屋上緑化設備(1)内には、その底部に沿って、すなわち植栽域(Ra)における屋上床面(Fa)に沿って、屋上緑化設備(1)の勾配上手(u)の仕切(2)外側面に一端が開口し、勾配下手(d)の仕切(2)外側面に他端が開口する配水路(3)が設置されている。なお、(4)は屋上の勾配の下手端に設けられた雨水用ドレンである。
【0010】
排水路(3)は、図2(イ)(ロ)に示すように、断面形状が半円形あるいはコ字形等の下面を開放した逆溝状の水路部材(3a)(3b)からなるものが用いられる。これらの水路部材(3a)(3b)は、合成樹脂を押出成形したものが好適に適用されるが、その他耐蝕性に優れたステンレス鋼等も適用可能であり、その材質は特に限定されない。
【0011】
【実施例】
以下、この発明を実施例を示す図面にしたがって説明する。
【0012】
まず、この発明の屋上緑化設備(1)は、図3に示すように、陸屋根構造の躯体(5)全面に、断熱材(5a)と歩行用ボード(5b)を介して防水シート(6)が敷設されることにより防水工事が施された、勾配100分の1の屋上床面(F)上に、枠状に仕切(2)を配置して植栽域(Ra)と非植栽域(Rb)とに区分することによって形成されている。
【0013】
前記仕切(2)は、厚さ1.7mmの塩ビ鋼板からなり、横断面形状が塩化ビニル樹脂面を外側にして左右に張り出す縁部(2e)を有する、頂部幅5cm、高さ10cmのハット形状からなる延長仕切部材(2a)と、隅仕切部材(2b)を連結して全体を枠状に配置し、これを防水シート(6)に接合用ベルト(6a)を用いて縁部(2e)を覆い隠すように、接着法または融着法により水密に接合することにより形成されている。
【0014】
前記屋上緑化設備(1)は排水構造を具備する。この排水構造は、断面形状が図2(ロ)に示されるような横断面コ字形であり、厚さ(s)が0.5cm、高さ(h)が4cm、幅(w)が4cmの下向きに開放した合成樹脂製押出型材からなる水路部材(3b)を用いて構成されている。すなわち、該水路部材(3b)を上記仕切(2)によって区画された植栽域(Ra)の防水シート(6)上に、屋上床面の勾配上手側から同下手側に向けて配置し、かつその両端を勾配上手側の延長仕切部材(2a)と勾配下手側の延長仕切部材(2a)の各下縁切欠き部分(n)に位置するように挿入配置したのち、水路部材(3b)と仕切部材(2a)との間及び水路部材(3b)と防水シート(6)との間の各隙間に、シリコン系の不定形シーリング材(S2 ) を充填し水密にシールすることにより、植栽域(Ra)を勾配上手側から勾配下手側に貫通するトンネル状の排水路(3)を形成したものである。
【0015】
そこで、排水路(3)を形成した上記緑化設備(1)の植栽域(Ra)内に、土壌を充填し、降雨時の非植栽域(Rb)における雨水の流れを観察したところ、勾配上手側の雨水がスムーズに排水路(3)を通り勾配下手側に流れ出て、非植栽域(Rb)に溜まることがなかった。また、植栽域(Ra)では、雨水はもとより灌水した水も、そこから無用に漏れ出すことはなかった。
【0016】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、表面に防水シートが敷設された屋上床面上に、枠状に仕切を設けて植栽域と非植栽域とに区分してなる屋上緑化設備において、
上記仕切が、塩ビ鋼板により横断面ハット形状に形成された延長仕切部材と該延長仕切部材と同一断面形状の端部を有する隅仕切部材とを連結することによって構成され、該各仕切部材の下端の左右に張り出す縁部と前記防水シートとの境界部にこれを覆って接合用ベルトが水密に接合されることにより、屋上床面の防水シート上に前記仕切が水密状に設けられると共に、
上記仕切によって区画された植栽域内の防水シート上に、屋上床面の勾配上手側から同下手側に向けて、下面側を開放した逆溝状の水路部材が両端部を上記勾配上手側の延長仕切部材と同下手側の延長仕切部材に設けられた下縁切欠き部に挿入して配置されることにより、植栽域を貫通する排水路が形成され、
更に、前記水路部材と延長仕切部材との間及び防水シートとの間がそれぞれ水密にシールされてなるものとしたから、屋上床面に設置した屋上緑化設備の位置に関わりなく、屋上床面の非植栽域の雨水を容易に排水することができるという効果があり、しかも植栽域(Ra)では、雨水はもとより灌水した水も、そこから無用に漏れ出すことはないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の屋上緑化設備の実施の形態を示す断面図である。
【図2】図2(イ)(ロ)は、この発明の屋上緑化設備の排水溝造に用いられる水路部材の実施態様を示す横断面図である。
【図3】この発明の屋上緑化設備の具体的な実施例を示す一部切欠斜視図である。
【図4】従来の屋上緑化設備を示すものであり、図4(イ)は平面図、図4(ロ)は図4(イ)のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1…屋上緑化設備
2…仕切
2a…延長仕切部材
2b…隅仕切部材
2e…縁部
3…排水路
3a、3b…水路部材
6…防水シート
6a…接合用ベルト
Ra…植栽域
Rb…非植栽域
F…屋上床面
Claims (1)
- 表面に防水シートが敷設された屋上床面上に、枠状に仕切を設けて植栽域と非植栽域とに区分してなる屋上緑化設備において、
上記仕切が、塩ビ鋼板により横断面ハット形状に形成された延長仕切部材と該延長仕切部材と同一断面形状の端部を有する隅仕切部材とを連結することによって構成され、該各仕切部材の下端の左右に張り出す縁部と前記防水シートとの境界部にこれを覆って接合用ベルトが水密に接合されることにより、屋上床面の防水シート上に前記仕切が水密状に設けられると共に、
上記仕切によって区画された植栽域内の防水シート上に、屋上床面の勾配上手側から同下手側に向けて、下面側を開放した逆溝状の水路部材が両端部を上記勾配上手側の延長仕切部材と同下手側の延長仕切部材に設けられた下縁切欠き部に挿入して配置されることにより、植栽域を貫通する排水路が形成され、
更に、前記水路部材と延長仕切部材との間及び防水シートとの間がそれぞれ水密にシールされてなることを特徴とする屋上緑化設備。
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- 1996-06-17 JP JP15578196A patent/JP3634070B2/ja not_active Expired - Fee Related
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