JP3634032B2 - 投影露光装置及び露光方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程で使用される投影露光装置に関し、特にマスクパターンを継ぎ合わせて感光性の基板上に転写する機能、又は感光性の基板上に重ね合わせ露光する機能を備えた投影露光装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子等を製造するためのフォトリソグラフィ工程で、マスクとしてのレチクルのパターンを感光材料が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上に転写するために、レチクルのパターンを投影光学系を介して基板上の各ショット領域に縮小投影する動作を繰り返す所謂ステップ・アンド・リピート方式(ステッパー方式)の投影露光装置が使用されている。
【0003】
最近は、液晶パネル等の液晶表示素子を製造する際にも、回路パターンの微細化等に対応するため、ステッパー方式の投影露光装置が使用されるようになってきている。但し、例えば1枚の液晶パネルは半導体素子の1つのチップと比べてかなり大きいため、液晶表示素子製造用の投影露光装置では、投影光学系の倍率を大きくする(等倍、更には拡大にする等)と共に、複数枚のレチクルのパターンを正確に継ぎ合わせて基板上に転写するための機構を備えたタイプも開発されている。
【0004】
図8は、従来の液晶表示素子製造用のステッパー方式の投影露光装置の一例を示し、この図8において、レチクル交換機構のレチクルステージ12上に4枚のレチクル46A〜46Dが並べられている。また、レチクルステージ12の下方に順次、投影光学系PL、及びガラス基板等からなり感光材料が塗布されたプレート51を保持するプレートステージ14が配置されている。以下では、投影光学系PLの光軸に垂直にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内の直交座標系をX軸、及びY軸としている。
【0005】
この場合、レチクルステージ12はY方向にスライドして転写対象のレチクルを投影光学系PL上に位置決めすると共に、所定範囲内でX方向、Y方向、及び回転方向にレチクルの位置決めを行う。そのため、レチクルステージ12上に、投影光学系PLの光軸に関してほぼ対称に1対のレチクルアライメント系44A及び44Bが配置され、レチクルアライメント系44A及び44Bがそれぞれ光路折り曲げ用のミラー45A及び45Bを介して、転写対象のレチクルのアライメントマークと、後述の基準マークとの位置ずれ量を検出する。そして、それらの位置ずれ量に基づいて、転写対象のレチクルが例えばプレートステージ14の座標系(ステージ座標系)に対して位置決めされる。
【0006】
一方、プレートステージ14は、X方向及びY方向にプレート51をステッピングし、所定範囲でプレート51を回転すると共に、プレート51のZ方向の位置(フォーカス位置)を調整できるように構成されている。そのため、プレートステージ14のX方向、及びY方向の位置はそれぞれレーザ干渉計15X及び15Yによって例えば0.01μm程度の分解能で常時正確に計測され、この計測結果に基づいて不図示の制御系によってプレートステージ14の移動位置が制御されている。レーザ干渉計15X、及び15Yの計測結果に基づいて定まるプレートステージ14の座標系を、ステージ座標系と呼ぶ。
【0007】
そして、露光時には、不図示の照明光学系からの露光用の照明光のもとで、レチクルのパターンが投影光学系PLを介して例えば等倍でプレート51上の対応するショット領域に反転投影される。更に、このステッパー方式の投影露光装置では、レチクル交換機構のレチクルステージ12を移動することによって、レチクル46A〜46Dを交換しながらプレート51上に順次各レチクルのパターンの投影像を継ぎ合わせて露光することによって、1枚のレチクルのパターンの投影像よりも大きな液晶パネルを形成できるようになっている。
【0008】
また、液晶表示素子もプレート上に複数層の回路パターンを所定の位置関係で積み重ねて形成されるため、プレートの1層目のパターン上に2層目以降のパターンを重ね合わせ露光する際には、これから露光されるレチクルのパターンの投影像に対するプレート上のショット領域(厳密にはこのショット領域内に形成されているパターン)の位置合わせ(プレートアライメント)を高精度に行う必要がある。そこで、図8の投影露光装置には、プレートアライメントを行うためのセンサ等が配置されている。即ち、投影光学系PLの側面には、プレート51上の位置合わせ用のマークの位置を検出するためのオフ・アクシス方式のアライメントセンサ50が配置され、このアライメントセンサ50の検出結果に基づいてプレート51のアライメントが行われる。更に、プレートステージ14上のプレート51の近傍には、基準部材49が配置され、基準部材49の表面にアライメントセンサ50用の基準マーク49、及びレチクルアライメント系44A,44B用の不図示の基準マークが形成されている。
【0009】
これらを用いたアライメントは一例として次のように行われていた。先ず、露光対象のレチクルをレチクル46Bとすると、レチクルアライメント系44A,44Bにより、プレートステージ14の基準部材48上の基準マークとレチクル46B上のアライメントマーク47A,47Bとの相対的な位置ずれ量を計測する。その基準マークの位置はレーザ干渉計15X,15Yにより正確にモニタされているため、レチクルアライメント系44A,44Bの計測値とレーザ干渉計15X,15Yの計測値とから、ステージ座標系においてのレチクル46Bの位置決めが行われる。
【0010】
次に、アライメントセンサ50により、基準部材48上の基準マーク49の位置を計測する。この計測値とレーザ干渉計15X,15Yによりモニタされている座標値とから、ステージ座標系に対するアライメントセンサ50の計測値のキャリブレーションが行われることになる。そして、プレート51上の1層目に対する露光時には、例えば図8に示すように、1枚の液晶パネルの原画パターンを4枚のレチクル46A〜46Dのデバイスパターンに分割し、各レチクル46A〜46Dのデバイスパターンの投影像をそれぞれ所謂画面継ぎ方式でプレート51上に転写する。その画面継ぎ方式では、プレート51上の隣接するショット領域間に隙間が生じないようにプレート51が位置決めされると共に、各レチクルの露光時にそれぞれ上述のレチクルアライメント系44A,44Bを用いたアライメントが行われる。
【0011】
更に、プレート51上の2層目以降にレチクルのデバイスパターン像を露光する際には、アライメントセンサ50によってプレート51上の各ショット領域に付設されている位置合わせ用マークの位置を計測し、この計測結果に基づいてプレート51のアライメントを行った後に重ね合わせ露光が行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように例えば1枚の液晶パネルの原画パターンを複数枚のレチクルのデバイスパターンに分割し、各レチクルをレチクルアライメント系44A,44Bを用いてアライメントして画面継ぎを行いながら露光する方法には、以下に示すような不都合がある。
【0013】
先ず第1に、投影光学系PLが理想的な光学系であると仮定し、レチクル上のアライメントマークの位置と実際に露光されるデバイスパターン(露光パターン)の位置との間に誤差(描画誤差)が生じている場合を考える。この場合のレチクルの位置決めは、上述の如くアライメントマークを基準として行われるため、実際の露光パターンの投影像はその誤差相当分だけプレート上でずれて露光されることになって、プレート上の隣接するショット領域の投影像間で位置ずれが生じて、画面の継ぎ誤差が生ずる。また、その位置ずれは重ね合わせ露光する際の重ね合わせ誤差ともなる。
【0014】
次に、レチクル上のアライメントマークと実際の露光パターンとには誤差がなく、投影光学系PLに倍率誤差等がある場合を考える。それが、例えば線形倍率誤差であれば、例えば図8において、2眼のレチクルアライメント系44A,44Bによってプレートステージ14上の2つのマークの位置を投影光学系PLを介して検出することによって、その線形倍率誤差を計測できる。従って、例えば投影光学系PL内の所定のレンズ間の気体室内の気体圧力を制御する機構、又は所定のレンズを光軸方向に移動する機構等からなるレンズコントローラを介してその線形倍率誤差を相殺するように投影光学系PLの倍率を制御することによって、その線形倍率誤差は補正可能である。しかしながら、非線形な倍率誤差、即ち所謂ディストーションが存在する場合には、その非線形な倍率誤差は補正しきれないため、実際の露光パターンの投影像はその倍率誤差相当分だけプレート上でずれて露光される。
【0015】
このように何れの場合でも、結果的に画面継ぎを行う部分での継ぎ誤差又は重ね合わせ露光を行う場合の重ね合わせ誤差が生じて、十分な性能を有する液晶表示素子が製造できなくなるという不都合があった。また、半導体素子等を製造する際に使用される投影露光装置においても、レチクルのパターンに製造誤差が含まれている場合や、投影光学系に非線形な倍率誤差が含まれている場合等には、重ね合わせ誤差等が生ずるのは同様である。
【0016】
本発明は斯かる点に鑑み、画面継ぎ方式での露光、又は重ね合わせ露光を高精度に行うために、レチクル上の実際の転写用のデバイスパターンの製造誤差や投影光学系のディストーション等を含めた形で投影像の歪等の状態を高精度に計測できる投影露光装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の投影露光装置は、例えば図1〜図4に示すように、転写用パターン(PA)の形成されたマスク(11)を露光光(IL)で照明する露光用照明光学系(1〜10)と、その露光光のもとでマスク(11)のパターンを感光性の基板(13)上に投影する投影光学系(PL)と、基板(13)を位置決めする基板ステージ(14)と、この基板ステージの位置を計測する位置計測手段(15X)と、を有する投影露光装置において、基板ステージ(14)上に配置され所定の基準パターン(17)が形成された基準部材(16)と、その露光光のもとで投影光学系(PL)を介して投影される転写用パターン(PA)の一部のパターンの光学像(33A)の内で基準パターン(17)を介した光束を受光する光電変換素子(22)と、を備え、この光電変換素子の検出信号に基づいてその転写用パターンの一部のパターンの光学像(33A)の位置を検出するものである。
【0018】
斯かる本発明によれば、マスク(11)の転写用パターン(PA)、即ち実際のデバイスパターンの投影光学系(PL)による投影像の内で基準パターン(17)を経た光束が光電変換素子(22)で受光され、その投影像に対して基準パターン(17)を走査して、位置計測手段(15X)の計測値、及び光電変換素子(22)の検出信号を並列に取り込むことによって、実際のデバイスパターンの投影像の位置が検出される。即ち、デバイスパターンの描画誤差、及び投影光学系(PL)のディストーション等を含んだ形で、デバイスパターンの投影像が露光される位置が検出される。この検出結果を設計データと比較することによって、その投影像のスケーリング(線形伸縮)やディストーション、及びローテーション等の補正量が求められる。これらの補正量に基づいて、それぞれ投影光学系(PL)の線形倍率やディストーションの補正、及びマスク(11)若しくは基板(13)、又はそれらの双方(11,13)の回転角若しくは位置の補正を行うことによって、画面継ぎ方式での露光、又は重ね合わせ露光を高精度に行うことが可能になる。
【0019】
この場合、光電変換素子(22)を基板ステージ(14)とは別体の支持部材(23)上に取り付け、基準部材(16)の基準パターン(17)を介した光束を光電変換素子(22)に導くリレー光学系(19,20,21)を設けることが望ましい。これによって、光電変換素子(22)が熱源となるような場合でも、基板ステージ(14)に悪影響を与えることがない。
【0020】
また、本発明による第2の投影露光装置は、本発明の第1の投影露光装置と同じ前提のもとで、例えば図7に示すように、基板ステージ(14)上に配置され所定の基準パターン(17)が形成された基準部材(16)と、その露光光と同じ波長域の照明光(IL)で基準パターン(17)を投影光学系(PL)側に照明する計測用照明光学系(41,43,21A,20,19)と、その照明光のもとで投影光学系(PL)を介してマスク(11)上に投影される基準パターン(17)の光学像を転写用パターン(PA)の一部のパターンを介して受光する光電変換素子(22A)と、を備え、この光電変換素子の検出信号に基づいて転写用パターン(PA)の一部のパターンの光学像の位置を検出するものである。
【0021】
即ち、この第2の投影露光装置では、マスク(11)のパターンの投影像を基準パターン(17)を介して検出する代わりに、基準パターン(17)の投影光学系(PL)による投影像の光束をマスク(11)のパターンを介して検出することによって、実質的にマスク(11)のパターンの投影像の位置を検出している。従って、第1の投影露光装置と同様に実際のデバイスパターンの描画誤差、及び投影光学系(PL)のディストーション等を含んだ形で、実際にデバイスパターンの投影像が露光される位置が検出される。
【0022】
これらの場合において、基板ステージ(14)を駆動して基準部材(16)の基準パターン(17)をマスク(11)の転写用パターン(PA)の光学像の像面で走査したときに光電変換素子(22;22A)から出力される検出信号に基づいて、その転写用パターンの一部のパターンの光学像の位置を検出するようにしてもよい。この場合、基板ステージ(14)の位置計測手段(15X)の計測精度とほぼ同じ計測精度でその光学像の位置が検出される。
また、本発明の露光方法は、マスク(11)上の転写用パターンを感光性の基板(13)上に露光する露光方法において、本発明の何れかの投影装置装置を用いて、その転写用パターンの像をその感光性の基板上に形成する工程を含むものである。この発明によれば、例えば転写用のパターンの投影像の位置が正確に検出され、この検出結果に基づいて画面継ぎ又は重ね合わせ露光のための位置合わせが行われる。
この場合、検出されたその光学像の位置の検出結果に基づいて、その投影光学系による投影像の補正量を求める工程と、この補正量に基づいて、その投影光学系の補正、並びにそのマスク及びその基板の内の少なくとも一方の回転角又は位置の補正を行う工程と、を備えることが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による投影露光装置の実施の形態の一例につき図1〜図6を参照して説明する。本例は液晶表示素子製造用のステッパー方式の投影露光装置に本発明を適用したものであり、図1において図8に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
【0024】
図1は、本例の投影露光装置の概略構成を示し、この図1において、例えば超高圧水銀ランプよりなる露光用の光源1からの照明光は、楕円鏡2で集光されミラー3で反射された後、インプットレンズ4を経て不図示の波長選択フィルタに入射する。そして、波長選択フィルタを通過した露光用の照明光(例えば波長436nmのg線、波長405nmのh線、波長365nmのi線、又はこれらの内の2波長が混った光束等)ILがフライアイレンズ5に入射する。なお、露光用の光源としては、他の放電ランプ、又はエキシマレーザ光源等も使用できる。
【0025】
露光時には、フライアイレンズ5から射出された照明光ILは、第1リレーレンズ6、可変視野絞り(レチクルブラインド)7、第2リレーレンズ8、光路折り曲げ用のミラー9、及びコンデンサレンズ10を経て均一な照度分布で、レチクルステージ12上に保持されたレチクル11の下面(パターン形成面)のパターン領域PAを照明する。可変視野絞り7の配置面はレチクル11のパターン形成面と共役であり、可変視野絞り7によってレチクル11上の照明領域が設定される。その照明光ILのもとで、レチクル11のパターン領域PA内のデバイスパターンが、両側(又はウエハ側に片側)テレセントリックな投影光学系PLを介して例えば等倍でプレート13上の1つのショット領域に投影露光される。図1では、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。
【0026】
プレート13は、プレートステージ14上に保持され、プレートステージ14のX方向及びY方向の座標はそれぞれX軸のレーザ干渉計15X、及びY軸のレーザ干渉計15Y(図8参照)により計測され、計測されたX座標MD及びY座標は、装置全体の動作を統轄制御する主制御系24に供給されている。レーザ干渉計15X等の計測値に基づいて定まる座標系が「ステージ座標系」である。更に、投影光学系PLの側面にオフ・アクシス方式で、且つLSA(レーザ・ステップ・アライメント)方式のアライメントセンサ50が配置され、アライメントセンサ50の検出結果が主制御系24に供給されている。LSA方式では、非計測方向に所定ピッチで配列された点列状の位置合わせ用マークとアライメントセンサ50からスリット状に照射されるレーザビームとを相対走査することによって、その位置合わせ用マークの位置検出を行う。
【0027】
また、投影光学系PLにレンズコントローラLCが接続され、レンズコントローラLCは投影光学系PL内の所定のレンズを光軸AXに平行な方向に微動させたり、そのレンズを光軸AXに垂直な平面に対して傾斜させたりすることによって、投影光学系PLの線形倍率、及び所定のディストーション特性等の結像特性を変化させることができる。本例では、後述のようにレチクル11のデバイスパターンの描画誤差も含めて投影像の倍率誤差、及びディストーションが計測されるため、主制御系24ではそのように計測される倍率誤差、及びディストーションを補正するように、レンズコントローラLCを介して投影光学系PLの結像特性を制御する。
【0028】
さて、本例では、プレートステージ14上のプレート13の近傍にガラス基板よりなる光透過性の基準部材16が固定され、プレート13の表面と同じ高さになるように保持された基準部材16の表面に基準パターン17が形成されている。
図2はその基準部材16の表面のパターン配置を示し、この図2に示すように、基準部材16の表面の遮光膜中に小さな正方形の開口パターンよりなる基準パターン17が形成され、基準パターン17の近傍にY方向に所定ピッチで配列された点列状のX軸のLSA基準マーク18X、及びX方向に所定ピッチで配列された点列状のY軸のLSA基準マーク18Yが形成されている。LSA基準マーク18X,18Yは、LSA方式のアライメントセンサ50の検出結果のキャリブレーションを行う際に使用される。
【0029】
図1に戻り、基準部材16の底部のプレートステージ14の内部に、基準パターン17を投影光学系PL側から通過した照明光を受光するリレー光学系の一部が配置されている。即ち、そのリレー光学系において、基準部材16の基準パターン17を通過した照明光は、ミラー19で反射されて集光レンズ20を経て光ファイバ21の一端に導かれる。また、光ファイバ21の他端は、プレートステージ14とは独立の支持台23上に固定されたフォトマルチプライア、又はフォトダイオード等の光電変換素子22の受光面の直前に固定され、基準パターン17を通過した照明光がミラー19、集光レンズ20、及び光ファイバ21よりなるリレー光学系を介して光電変換素子22で受光されるようになっている。この場合、プレートステージ14はX方向、Y方向にステッピング移動するため、光ファイバ21はプレートステージ14の移動量以上の長さの可撓部を有している。また、光電変換素子22で入射光を光電変換して得られる検出信号SAが主制御系24に供給されている。
【0030】
プレートステージ14の位置はレーザ干渉計15X等によって計測されているため、レーザ干渉計からのレーザビームの光路の空気揺らぎや、レーザビームを反射する移動鏡の熱変形等を小さくしてレーザ干渉計の計測誤差を低減するためには、プレートステージ14の内部には熱源をできるだけ減らすことが望ましい。また、プレート13等の温度上昇を小さくするためにも、プレートステージ14の内部の熱源を少なくすることが望ましい。そのため本例では、熱源となり得る光電変換素子22をプレートステージ14とは別の支持台23上に固定している。従って、プレートステージ14の位置が高精度に計測され、プレート13等の温度上昇を抑制できる。
【0031】
また、ミラー19、集光レンズ20及び光ファイバ21よりなるリレー光学系の開口数は、投影光学系PLによるレチクルのデバイスパターンの投影像(光学像)の情報を全て検出できるように設定することが望ましい。つまり、そのリレー光学系の開口数は、少なくとも投影光学系PLの持つ開口数よりも大きくしておくことが望ましい。
【0032】
次に、本例で基準パターン17を介してレチクル11のパターン領域PA内のデバイスパターンの投影像の位置を検出する方法につき説明する。この場合、図1において、プレートステージ14を駆動することによって、投影光学系PLの露光フィールド内に基準部材16の基準パターン17を配置しておく。そして、露光時と同様に露光用の照明光ILでレチクル11のパターン領域PAを照明する。これにより、そのパターン領域PA内のデバイスパターンの投影光学系PLを介した投影像が基準部材16上に投影され、その投影像の内で基準パターン17と重なる部分の光束が光ファイバ21等を介して光電変換素子22で受光される。
【0033】
この状態で主制御系24は、プレートステージ14を駆動して、基準パターン17をそのデバイスパターンの投影像の像面上でX方向、Y方向に走査しつつ、光電変換素子22からの検出信号SAと、X軸のレーザ干渉計15Xの計測値及びY軸のレーザ干渉計の計測値とを並列に取り込む。このように取り込まれた検出信号SA、及びレーザ干渉計15X等の計測値から後述のようにレチクル11のデバイスパターンの投影像の各部のステージ座標系における位置が求められる。
【0034】
このように基準パターン17によって投影像を走査しているため、その基準パターン17の形状や大きさは、露光されるデバイスパターン及び製造されるデバイスの性能に起因する要素に応じて決定される。一例として、図1の投影露光装置で転写するデバイスパターンが、液晶ディスプレイにおいて使用されている薄膜トランジスト(以下、「TFT」と略称する)のデバイスパターンである場合につき説明する。
【0035】
図3は、TFTの回路パターンを示す拡大図であり、この図3に示すように、TFTの基本的な回路パターンは画素31と、ゲート線33、ソース34、及びドレイン32からなる3つの電極とから構成され、基本的な動作としてソース34とドレイン32との間を流れる電流量がゲート絶縁膜を介したゲート線33に印加される電圧で制御される。そして、TFT方式の液晶ディスプレイをステッパー方式の投影露光装置を用いて画面継ぎ方式で露光して製造する場合に、ゲート線33に対してソース34とドレイン32とが設計値から許容値以上にずれた位置に転写されると、製造された液晶ディスプレイに不要な分割線や輝度むらが現れることが知られている。そのため、TFT用のデバイスパターンを画面継ぎ方式で露光する場合に、隣接するショット領域との境界部で画面継ぎの誤差が大きくなるか、又は重ね合わせ露光する場合に、重ね合わせ誤差が大きくなると、製造される液晶ディスプレイに局所的に輝度むら等が生ずる。
【0036】
一般に、図3に示すようなTFTの回路パターンでは、ソース34、ドレイン32、及びゲート線33の幅は約5〜10μmであり、ソース34とドレイン32との間隔は約5μmで、ゲート線33に対するソース34及びドレイン32の重なり幅は約3〜5μmである。そして、ゲート線33に対するソース34及びドレイン32の重なり幅が液晶ディスプレイの全面で一様であれば輝度むら等は生じないことになる。また、露光時にはゲート線33は或るレチクルのデバイスパターンとして転写され、ドレイン32及びソース34は別のレチクルのデバイスパターンとして転写される。例えば、図8に示したように、プレート上の1層の全面のパターンを形成するために、4枚のレチクルのデバイスパターンを画面継ぎ方式で露光するものとすると、第1組の4枚のレチクルのデバイスパターンを画面継ぎ方式で露光することによって、図1のプレート13の所定の層にゲート線33のパターンが転写され、第2組の4枚のレチクルのデバイスパターンを画面継ぎ方式で露光することによって、そのプレート13の上の層にソース34及びドレイン32のパターンが転写される。
【0037】
そして、輝度むら等の発生を防止するためには、第2組の4枚のレチクルのデバイスパターンを画面継ぎ方式で露光する際に、継ぎ部分でのソース34のパターンとドレイン32のパターンとの間隔を所定の許容範囲内に収めると共に、第2組の4枚のレチクルのデバイスパターンを露光する際のゲート線33のパターン(第1組のレチクルのデバイスパターンとして露光されたパターン)に対する重ね合わせ誤差を許容範囲内に収めればよいことになる。更に詳しく述べると、投影露光装置として、4枚のレチクルを画面継ぎ方式で露光して得られるプレート13上でのゲート線33の中心位置と、4枚のレチクルを画面継ぎ方式で露光して得られるプレート13上でのソース34及びドレイン32の間隔の中心位置とが、プレート13の全面(液晶ディスプレイの全面)で所定の許容範囲で合致することが必要となる。
【0038】
以上のことを考慮すると、本例の投影露光装置において正確に位置を計測しなければならない部分は、ゲート線33に対応する投影像の約5〜10μmの幅の中心位置と、ソース34及びドレイン32に対応する投影像の約5μmの間隔の中心位置ということになる。つまり、基準部材16上で検出対象のデバイスパターンの投影像(光学像)を取り込むための基準パターン17は、例えばソース34とドレイン32との間隔程度の値から、ゲート線33の幅程度の値までの幅、即ち約5〜10μm程度の幅のほぼ正方形の開口とすればよいことになる。その開口が小さ過ぎると、図1の集光レンズ20及び光ファイバ21を有するリレー光学系の開口数(N.A.)を大きくする必要があり、その基準パターン17の開口が大き過ぎると、検出したい部分以外のデバイスパターンの影響を受けてしまう恐れがある。
【0039】
また、基準パターン17をほぼ正方形としたのは、計測方向が2方向で、且つ2方向での検出対象部の幅が同程度であるからである。2方向での検出対象部の幅が異なるときには、基準パターン17を矩形の開口としてもよく、更に計測方向が1方向であれば、基準パターン17を非計測方向に伸びたスリット状のパターンとしてもよい。
【0040】
そして、具体的に、例えば図1のレチクル11に図3のゲート線33用のデバイスパターンが形成され、その投影光学系PLを介した投影像(光学像)が図4(a)の投影像33Aであるとする。このとき、プレートステージ14を駆動することによって、図4(a)に示すように約5〜10μm程度の幅の基準パターン17を位置P1からX方向に投影像33Aを横切って位置P2に移動した後、Y方向に投影像33Aを横切って位置P3に移動する。基準パターン17が位置P1から位置P2に移動する間に、図1の光電変換素子22からの検出信号SAは、図5(a)に示すように変化し、基準パターン17が位置P2から位置P3に移動する間に、その検出信号SAは図5(b)に示すように変化する。図5(a)及び(b)の横軸はそれぞれステージ座標系のX座標(レーザ干渉計15Xで計測される位置)、及びステージ座標系のY座標(Y軸のレーザ干渉計で計測される位置)である。
【0041】
そして、図5(a)及び(b)において、検出信号が谷型に変化する場合のスライスレベルS1を検出信号SAが横切るときの座標の中点を求めることによって、それぞれゲート線33に対応する投影像33Aの幅のX方向の中点の座標X1、及びY方向の中点のY座標Y1が検出される。
同様に、例えばレチクル11に図3のソース34及びドレイン32のデバイスパターンが形成され、それらの投影光学系PLを介した投影像(光学像)がそれぞれ図4(a)の投影像34A及び32Aであるとする。このときにも、プレートステージ14を駆動することによって、図4(b)に示すように基準パターン17を位置P4からX方向に投影像34Aと投影像32Aとの間を横切って位置P5に移動した後、位置P6からY方向に投影像34Aを横切って位置P7に移動する。この結果、基準パターン17が位置P4から位置P5に移動する間に、光電変換素子22からの検出信号SAは、図5(c)に示すように変化し、基準パターン17が位置P6から位置P7に移動する間に、その検出信号SAは、図5(d)に示すように変化する。図5(c)及び(d)の横軸はそれぞれステージ座標系のX座標、及びY座標である。
【0042】
そして、図5(c)において、検出信号が山型に変化する場合のスライスレベルS2を検出信号SAが横切るときの座標の中点のX座標、及び図5(d)において対応するスライスレベルを検出信号SAが横切るときの座標の中点のY座標を求めることによって、ソースとドレインとの間隔の中点のX座標X2、及びY座標Y2が検出される。
【0043】
以上のように、基準部材16の基準マーク17でレチクル11の実際のデバイスパターンの投影像を走査したときに得られる光電変換素子22の検出信号SAにより、レチクル11のデバイスパターン内の例えばゲート線等の特定の部分パターンの投影像(光学像)のプレートステージ14上への投影像の中心位置が求められることになる。このようにして、レチクル11の全体のデバイスパターン中の複数個の特定の部分パターンについてそれぞれ投影像の位置を求め、求められた位置を設計上の目標位置と比較することによって、投影像のスケーリング(線形伸縮)、ローテーション(回転)、及び部分的な位置ずれ量であるディストーションが求められる。このようにして求められるディストーション等は、レチクル11のデバイスパターンの描画誤差、及び投影光学系PLの線形倍率誤差やディストーションの影響等を含んだ実際のディストーション等である。その後、プレート13上の1層目への露光時には、設計上の目標値を基準として、また、重ね合わせ露光を行う際には、プレート13上の重ね合わせの対象の回路パターンのスケーリングや位置ずれ量のデータを基準として、スケーリング、ローテーション、及びディストーションの補正量を求める。
【0044】
その後、スケーリングについては、そのスケーリングの補正量分だけレンズコントローラLCを介して投影光学系PLの線形倍率を補正する。また、ローテーションについては、そのローテーションの補正量分だけレチクル11又はプレート13を回転する。更に、ディストーションについては、単純なディストーションについてはレンズコントローラLCを介して補正できる場合がある。また、レンズコントローラLCだけでは補正できないディストーションが残存しているときには、画面継ぎ誤差、又は重ね合わせ誤差が最小となるようにレチクル11、又はプレート13のX方向、及びY方向の位置を微調整する。更に、画面継ぎ方式で且つ重ね合わせ露光を行う際には、例えば図3のようなTFTのデバイスパターンを転写するのであれば、デバイスパターンの各部でそれぞれソース34とドレイン32との間隔の中心とゲート線33の幅の中心とが許容範囲内で合致するようにレチクル11、又はプレート13の位置を微調整すればよい。
【0045】
以上のように本例では、レチクル11の転写対象のデバイスパターンの投影光学系PLを介した投影像の位置の計測値に基づいて、投影光学系PLの線形倍率、所定のディストーション、レチクル若しくはプレートの回転角、及びレチクル若しくはプレートの位置を調整しているため、画面継ぎを行う際の誤差、及び重ね合わせ露光を行う際の重ね合わせ誤差を極めて小さくできる。
【0046】
なお、図1の実施の形態では、集光レンズ20で集光された照明光が光ファイバ21を介して直接光電変換素子22に導かれているが、その間の光路上に更に補助的なリレー光学系を配置してもよい。
図6は、そのように補助的なリレー光学系25を配置した図1の変形例の要部を示し、この図6において、基準部材16の基準パターン17を通過した照明光ILは、ミラー19及び集光レンズ20を経てほぼ平行光束となった後、第1リレーレンズ26Aによって視野絞り27の開口上に一度集光される。即ち、視野絞り27の配置面は基準パターン17の形成面と共役であり、視野絞り27によって、図2に示す基準部材16上のパターンの内で、LSA基準マーク18X及び18Yを通過した光束を遮光する。そして、視野絞り27を通過した照明光は、第2リレーレンズ26Bを経て光ファイバ21の一端に入射する。ミラー19から光ファイバ21の一端まではプレートステージ14の内部に組み込まれ、第1リレーレンズ26A、視野絞り27、及び第2リレーレンズ26Bから補助的なリレー光学系25が構成されている。
【0047】
また、光ファイバ21の他端から射出される照明光が集光レンズ28によって光電変換素子22の受光面に集光される。光ファイバ21の他端、集光レンズ28、及び光電変換素子22は、プレートステージ14とは別体の支持台23Aに固定されている。その他の構成及び動作は図1と同様であるため、その説明を省略する。本例によれば、補助的なリレー光学系25中に視野絞り27を配置して基準パターン17を通過する照明光以外の光束を遮光しているため、基準マーク17以外の他のパターン等による迷光の影響が除去されて、より高精度にレチクルのデバイスパターンの投影像の位置を検出できる。
【0048】
次に、本発明の実施の形態の他の例につき図7を参照して説明する。図1の実施の形態では、レチクル11のデバイスパターンの投影光学系による投影像を基準パターン17を介して受光してその投影像の位置を検出していた。これに対して本例では逆に、基準パターン17の投影光学系PLによる投影像をレチクル11のデバイスパターンを介して受光することによってそのデバイスパターンの投影像の位置を検出するものであり、図7において、図1に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
【0049】
図7は、本例の投影露光装置の要部を示し、この図7において、フライアイレンズ5と第1リレーレンズ6との間に、露光用の照明光学系の光軸に対して斜めに挿脱自在に両面ミラーよりなる分岐シャッタミラー41が配置されている。そして、主制御系24Bが駆動部42を介して随時、分岐シャッタミラー41をフライアイレンズ5と第1リレーレンズ6との間の露光用の照明光ILの光路上に配置できるように構成されている。
【0050】
図7において、分岐シャッタミラー41を露光用の照明光ILの光路から外した状態では、照明光ILがレチクル11のパターン領域PAを照明し、その照明光ILのもとでパターン領域PAのデバイスパターンが投影光学系PLを介してプレート13上の対応するショット領域に投影露光される。一方、図7に示すように、分岐シャッタミラー41が露光用の照明光ILの光路上に配置された状態では、分岐シャッタミラー41のフライアイレンズ5側の面で反射された照明光ILは、集光レンズ43によって光ファイバ21Aの一端に導かれる。光ファイバ21Aの他端がプレートステージ14の内部に固定され、その光ファイバ21Aの他端から射出された照明光ILが集光レンズ20、及びミラー19を経て、プレートステージ14上に固定された基準部材16の基準パターン17を底面側から照明する。
【0051】
そして、プレートステージ14を駆動して、基準パターン17を投影光学系PLの露光フィールド内に配置した状態で、基準パターン17を通過した照明光は、投影光学系PLを介してレチクル11のパターン領域PAにその基準パターン17の投影像を形成する。その基準パターン17の投影像の光束の内で、パターン領域PA内のデバイスパターンを通過した光束が、コンデンサレンズ10、ミラー9、第2リレーレンズ8、可変視野絞り7、及び第1リレーレンズ6を経て分岐シャッタミラー41の第1リレーレンズ6側の面に入射し、その分岐シャッタミラー41で反射された光束が光電変換素子22Aの受光面に入射する。その光電変換素子22Aで入射光を光電変換して得られる検出信号SBが主制御系24Aに供給されている。その他の構成は図1の投影露光装置と同様である。
【0052】
本例においては、基準パターン17の投影像がレチクル11上のデバイスパターン中の透過部、又は遮光部と重なっていると、光電変換素子22Aからの検出信号SBのレベルがそれぞれ高レベル、又は低レベルとなる。そこで、主制御系24Aでは、プレートステージ14を駆動して基準パターン17を投影光学系PLの露光フィールド内でX方向、Y方向に走査させて、検出信号SBとプレートステージ14のレーザ干渉計によって計測される座標値(ステージ座標系の座標値)とを並列に取り込むことによって、基準パターン17がそのデバイスパターン中の特定の部分パターンと重なるときのステージ座標系のX座標、及びY座標を検出する。この場合、基準パターン17から射出され投影光学系PLを通過した照明光ILがその特定の部分パターンと重なる状態では、逆にその特定の部分パターンからの照明光ILは投影光学系PLを介して基準パターン17に入射する。
【0053】
従って、図7の投影露光装置で得られる座標値は、図1の投影露光装置で得られるレチクル11のデバイスパターンの投影像(光学像)の位置を示す座標値と同一であり、図7の投影露光装置によっても、実質的にレチクル11のデバイスパターン中の特定の部分パターンの投影像(光学像)の位置を検出できる。その後、その検出結果に基づいて投影光学系PLの線形倍率等の補正や、レチクル11又はプレート13の位置等の補正を行って露光を行うことにより、画面継ぎ方式で露光を行う際の継ぎ誤差、及び重ね合わせ露光を行う際の重ね合わせ誤差を小さくできる。
【0054】
なお、上述の実施の形態では、プレートステージ14を駆動して基準パターン17側を走査しているが、基準パターン17の位置を固定して、レチクルステージ12を駆動してレチクル11側を走査してもよい。このようにレチクル11側を走査する場合には、投影光学系PLのディストーションが一定であるため、レチクル11のデバイスパターンの描画誤差のみを分離して検出することができる。
【0055】
また、例えば図1の例では光電変換素子22はプレートステージ14とは別体の支持台23上に固定されているが、光電変換素子22として発熱量の少ない素子を使用する場合等には、光電変換素子22をプレートステージ14の内部に配置してもよい。
更に、上述の実施の形態では開口パターンよりなる基準マーク17が使用されているが、例えば無反射膜中に形成された反射パターンより基準マークを形成して、この基準マークで反射された照明光を受光するようにしてもよい。
【0056】
また、本発明による投影露光装置は、液晶表示素子のみならず、半導体素子等の製造用としても広く使用できることは明らかである。このように、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0057】
【発明の効果】
本発明の第1の投影露光装置によれば、マスク上の転写用パターンの一部のパターンの投影像(光学像)の光束を基準パターンを介して受光しているため、そのマスク上の転写用のパターン(実際のデバイスパターン)の投影像の位置を直接検出できる。即ち、マスク上の実際のデバイスパターンの製造誤差や投影光学系のディストーション等を含めた形で投影像の歪等の状態を高精度に計測できる利点がある。また、その計測結果に基づいて投影光学系の線形倍率やディストーション、又はマスク若しくは感光性の基板の回転角や位置等を調整することによって、画面継ぎ方式での露光を行う際の継ぎ誤差や重ね合わせ露光を行う際の重ね合わせ誤差を小さくできる。また、本発明では、露光用の照明光学系を計測用の照明光学系として兼用できるため、構成が簡略である。
【0058】
この場合、光電変換素子を基板ステージとは別体の支持部材上に取り付け、基準部材の基準パターンを介した光束をその光電変換素子に導くリレー光学系を設けることによって、光電変換素子が熱源となる場合でも基板ステージに対する熱の影響を軽減できる利点がある。
次に、本発明の第2の投影露光装置によれば、基準パターンの投影像(光学像)の光束をマスク上の転写用のパターンを介して受光しているため、実質的にそのマスク上の転写用のパターン(実際のデバイスパターン)の投影像の位置を検出できる。即ち、マスク上の実際のデバイスパターンの製造誤差や投影光学系のディストーション等を含めた形で投影像の歪等の状態を高精度に計測できる利点がある。
【0059】
これらの場合に、基板ステージを駆動して基準部材の基準パターンを転写用パターンの光学像の像面で走査したときに光電変換素子から出力される検出信号に基づいて、その転写用パターンの一部のパターンの光学像の位置を検出することによって、容易にマスク上の転写用パターンの描画誤差や投影光学系のディストーション等を含めた形でその光学像の位置ずれ量を検出できる。
また、本発明の露光方法によれば、例えば画面継ぎ方式の露光又は重ね合わせ露光を高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の実施の形態の一例を示す一部を切り欠いた概略構成図である。
【図2】図1の基準部材16上のパターン配置を示す拡大平面図である。
【図3】薄膜トランジスタ(TFT)の基本的な回路パターンを示す拡大平面図である。
【図4】薄膜トランジスタ(TFT)用のデバイスパターンの投影像の位置を検出する場合の動作の説明に供する図である。
【図5】図4の動作に対応して得られる光電変換素子からの検出信号を示す波形図である。
【図6】図1の投影露光装置の変形例の要部を示す一部を切り欠いた構成図である。
【図7】本発明の実施の形態の他の例を示す一部を切り欠いた概略構成図である。
【図8】従来の液晶表示素子製造用のステッパー方式の投影露光装置の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 光源
11 レチクル
PL 投影光学系
LC レンズコントローラ
13 プレート
14 プレートステージ
15X レーザ干渉計
16 基準部材
17 基準パターン
21,21A 光ファイバ
22,22A 光電変換素子
23,23A 支持台
41 分岐シャッタミラー
Claims (7)
- 転写用パターンの形成されたマスクを露光光で照明する露光用照明光学系と、前記露光光のもとで前記マスクのパターンを感光性の基板上に投影する投影光学系と、前記基板を位置決めする基板ステージと、該基板ステージの位置を計測する位置計測手段と、を有する投影露光装置において、
前記基板ステージ上に配置され所定の基準パターンが形成された基準部材と、
前記露光光のもとで前記投影光学系を介して投影される前記転写用パターンの一部のパターンの光学像の内で前記基準パターンを介した光束を受光する光電変換素子と、
を備え、
前記光電変換素子の検出信号に基づいて前記転写用パターンの一部のパターンの光学像の位置を検出することを特徴とする投影露光装置。 - 請求項1記載の投影露光装置であって、
前記光電変換素子を前記基板ステージとは別体の支持部材上に取り付け、
前記基準部材の前記基準パターンを介した光束を前記光電変換素子に導くリレー光学系を設けたことを特徴とする投影露光装置。 - 転写用パターンの形成されたマスクを露光光で照明する露光用照明光学系と、前記露光光のもとで前記マスクのパターンを感光性の基板上に投影する投影光学系と、前記基板を位置決めする基板ステージと、該基板ステージの位置を計測する位置計測手段と、を有する投影露光装置において、
前記基板ステージ上に配置され所定の基準パターンが形成された基準部材と、
前記露光光と同じ波長域の照明光で前記基準パターンを前記投影光学系側に照明する計測用照明光学系と、
前記照明光のもとで前記投影光学系を介して前記マスク上に投影される前記基準パターンの光学像を前記転写用パターンの一部のパターンを介して受光する光電変換素子と、を備え、
前記光電変換素子の検出信号に基づいて前記転写用パターンの一部のパターンの光学像の位置を検出することを特徴とする投影露光装置。 - 請求項1、2、又は3記載の投影露光装置であって、
前記基板ステージを駆動して前記基準部材の前記基準パターンを前記転写用パターンの光学像の像面で走査したときに前記光電変換素子から出力される検出信号に基づいて、前記転写用パターンの一部のパターンの光学像の位置を検出することを特徴とする投影露光装置。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載の投影露光装置であって、
検出された前記光学像の位置の検出結果に基づいて、前記投影光学系による投影像の補正量を求め、該補正量に基づいて、前記投影光学系の補正、並びに前記マスク及び前記基板の内の少なくとも一方の回転角又は位置の補正を行うことを特徴とする投影露光装置。 - マスク上の転写用パターンを感光性の基板上に露光する露光方法において、
請求項1〜5の何れか一項に記載の投影露光装置を用いて、前記転写用パターンの像を前記感光性の基板上に形成する工程を含むことを特徴とする露光方法。 - 請求項6記載の露光方法であって、
検出された前記光学像の位置の検出結果に基づいて、前記投影光学系による投影像の補正量を求める工程と、
該補正量に基づいて、前記投影光学系の補正、並びに前記マスク及び前記基板の内の少なくとも一方の回転角又は位置の補正を行う工程と、を備えることを特徴とする露光方法。
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