JP3633274B2 - 樹脂組成物及び接着フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キノリン環を含む重合体と熱硬化性樹脂から成る樹脂組成物、該樹脂組成物より構成される絶縁材料及び接着フィルムに係り、特に高温特性、電気特性、成形性及び被接着物との接着性に優れ、低吸湿率である層間絶縁膜用の樹脂組成物及び該樹脂組成物より構成される絶縁材料及び接着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品の層間絶縁膜としては脱水縮合型のポリイミド樹脂が種々用いられている(特開昭63−222444号公報)。上記ポリイミド樹脂は、耐熱性、機械特性等に優れている反面、前駆体のポリアミック酸ワニスは、−5℃以下の冷蔵保管が必要であり、保管安定性に欠ける。また、350℃以上の高温での硬化が必要であり、かつ硬化物は吸湿率が大きいという問題を有している。更に、被接着物との接着性に劣る、代表的な導体である銅を用いた場合、加熱中に反応する等の問題を有し、信頼性の観点からも問題を有している。
【0003】
上記の対応として、近年キノリン環を含む重合体の検討がなされ、米国特許第4,000,187号、米国特許第5,017,677号、米国特許第5,247,050号等に合成法が記載されている。また他の従来例として特開昭62−265286号公報が挙げられる。
【0004】
キノリン環を含む重合体は、比誘導率、誘電正接が小さく電気特性に優れ、低吸湿性で、かつ高温における安定性は良いものの、被接着物との接着性が悪い、成形性に劣る、溶剤に溶けるため多層化が困難である等の問題を有している。特に多層配線基板の絶縁材料やLSIの層間絶縁膜等に用いる場合、多層化する際、予め溶媒に溶かしたキノリン環を含む重合体を用いて絶縁層を形成した後、次の層を同様に溶媒に溶かしたキノリン環を含む重合体を用いて絶縁層を形成するが、予め形成した絶縁層が溶媒に溶解し、多層化することが困難である。また、上記の問題を解決するため、溶媒を取り除いた半硬化のフィルムを形成し、加熱、加圧下で成形する方法が考えられるが、上記フィルムは加熱、加圧下で成形しても流動性を示さず、現在では、多層化用絶縁材料として適用が難しい。
【0005】
前記キノリン環を含む重合体を多層配線基板の絶縁材料やLSIの層間絶縁膜等に用いる場合、例えば、予め溶媒に溶かしワニスを形成し、塗布した後乾燥して溶媒を除去し、スパッタや化学メッキ等で導体を形成し繰り返すことにより多層配線基板等を形成することができる。しかし、この方法では工程数が多い、導体との接着性が悪い、高多層化が困難で、かつLSI等の半田付け工程等で剥離を生じ、信頼性にかける等の問題を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、電気特性、低吸湿性、高温における熱安定性を損なうことなく、成形性に優れ、かつ、導体、樹脂、セラミックス等との接着力が高い樹脂組成物及び接着フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の要旨は次のとおりである。
第1の発明は、(A)構造中に下記の一般式(1)で示されるキノリン環を含む重合体と、(B)下記の一般式(2)で示されるビスマレイミド化合物を必須成分とする樹脂組成物である。
【0008】
【化6】
【0009】
式中、Arは少なくとも2個の炭素を含む2価の有機基を示す。
【0010】
第2の発明は、(A)構造中に下記の一般式(1)で示されるキノリン環を含む重合体及び(B)下記の一般式(2)で示されるビスマレイミド化合物を必須成分とする樹脂組成物と、(C)芳香族ジアミン、エポキシ化合物、ポリブタジエン化合物等から選ばれた重合性化合物とを、(D)有機溶媒中に溶解して得られる組成物である。
【0011】
【化7】
【0012】
式中、Arは前記と同義である。
【0013】
第3の発明は、第2の発明における組成物から有機溶媒を除去して得られる樹脂組成物である。
【0014】
第4の発明は、第3の発明における樹脂組成物を加熱硬化して得られる硬化物である。
【0015】
第5の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかにおいて、250℃以下の温度で貯蔵弾性率が107dyn/cm2から102dyn/cm2の値を示す温度域を有し、飽和吸湿量が1%以下、330℃の雰囲気で10分以上の耐熱性及び被接着物との接着力が0.6kgf/cm以上を有する樹脂組成物である。
【0016】
第6の発明は、第1の発明乃至第5の発明のいずれかにおいて、キノリン環を含む重合体として、下記の一般式(3)又は一般式(4)で示されるキノリン環を含む重合体を用いることを特徴とする樹脂組成物である。
【0017】
【化8】
【0018】
ここで、一般式(3)又は一般式(4)の中で、R’は、各々単独に、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ホルミル基(−COR)、エステル基(−COR若しくは−OCOR)、アミド基(−NRCOR若しくは−CONRR)、ヘテロアリール基、シアノ基又は2つがつながって形成される不飽和結合を含んでいてもよい2価の炭化水素基を示し(ただし、Rは水素原子、アルキル基又はヘテロアリール基である。)、nは各々独立に0から5の整数であり、Xは単結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO2−、−A−、下記一般式(7)、又は−Q−を示し(ただし、qは1から3の整数であり、Aは、−Ar−O−Ar−(ただし、Arはアリーレン基である。)、−Hr−(ただし、Hrはヘテロアリーレン基である。)、−CO−Ar−、−Ar−S−Ar−、−Ar−SO−Ar−、−Ar−又は−Ar−Q−Ar−であり、Qは、L1−C−L2であり、L1及びL2は、メチル基、トリフルオロメチル基、又はそれらが結合する炭素原子と共に、L1とL2がつながって形成される、不飽和結合を含んでもよい又は不飽和結合で置換されていてもよい、2価の炭化水素基である。)、Z’は単結合又はアリーレン基を示し、Yは、−O−又は−O−A−O−を示す。
【0019】
【化9】
【0020】
第7の発明は、第1の発明乃至第6の発明のいずれかにおいて、ビスマレイミド化合物が、一般式(5)又は一般式(6)(式中、R1〜R10は水素原子、CH3、C2H5、CF3又はC2F5を示し、互いに異なってもよく、nは0又は1から4の整数で、互いに異なってもよい。)で示される構造を有する樹脂組成物である。
【0021】
【化10】
【0022】
第8の発明は、第3、第5、第6又は第7の発明における樹脂組成物を用いることを特徴とする接着フィルムである。
【0023】
第9の発明は、第8の発明において、有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン、キノリン、シクロペンタノン及びm−クレゾールから成る群より選ばれる少なくとも一種の有機溶媒を用いることを特徴とする接着フィルムである。
【0024】
第10の発明は、第8及び第9の発明において、有機溶媒を除去するに際して、最終乾燥温度が150℃〜220℃で乾燥することを特徴とする接着フィルムである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0026】
ポリキノリン環を含む重合体において、接着力、成形性及び高多層化等を得るには、加熱、加圧下の成形過程で溶融し、被接着物と密着し、更に変形することが不可欠である。そのためには、予め、加熱、加圧下の成形過程で溶融し被接着物と密着して変形する接着剤を介して用いればよいが、これでは接着剤の影響を受けやすく、ポリキノリン環を含む重合体で得られた、吸水率が小さく、高温での安定性が優れており、電気特性に優れている等の優れた特性を得ることができない。上記を解決するため、硬化過程における流動現象について検討した結果、流動は加熱により溶融した熱硬化性樹脂によってポリキノリン環を含む重合体が溶解し、流動することを見出した。
【0027】
こうした観点から、(B)前記の一般式(2)で示されるビスマレイミド化合物とポリキノリン環を含む重合体の組み合わせを検討した結果、(A)前記の一般式(1)で示されるポリキノリン環を含む重合体は、250℃における弾性率が107dyn/cm2以上であるにも係わらず、溶融した(B)前記の一般式(2)で示されるビスマレイミド化合物によく溶解し、弾性率が大きく低下してプロセッシングウィンドゥを有することを見出した。
【0028】
ここで、プロセッシングウィンドゥとは、(B)前記の一般式(2)で示されるビスマレイミド化合物の硬化過程において、樹脂が軟化してから硬化するまでの温度と時間を示し、プロセッシングウィンドゥを有するものは、接着性や成形性に優れた材料であり、プロセッシングウィンドゥを有する樹脂は、絶縁材料として多くの用途に用いられる。
【0029】
また、(A)前記の一般式(1)で示されるポリキノリン環を含む重合体と(B)前記の一般式(2)で示されるビスマレイミド化合物以外に、使用目的により(C)芳香族ジアミン、エポキシ化合物、ポリブタジエン化合物等から選ばれる重合性化合物を加えることにより、更に樹脂組成物の機械的特性、被接着物との接着性、成形性等の向上が得られる。特にこれらの樹脂組成物は、予め(D)有機溶媒中に各々の成分を溶解させることで、均一に混合し特性に優れた樹脂組成物が得られる。
【0030】
次に、(A)前記の一般式(1)で示されるポリキノリン環を含む重合体と(B)前記の一般式(2)で示されるビスマレイミド化合物以外に、使用目的により(C)芳香族ジアミン、エポキシ化合物、ポリブタジエン化合物等から選ばれる重合性化合物を、予め(D)有機溶媒中に、均一に溶解させた後、有機溶媒を除去して、樹脂組成物を得る。上記樹脂組成物は、無溶剤型となり、例えば、フィルム状に形成することにより、マルチチップ用の有機薄膜多層配線板、多層プリント配線板等の絶縁材料として適した樹脂組成物となる。
【0031】
(A)一般式(1)で示されるポリキノリン環を含む重合体と(B)前記一般式(2)で示されるビスマレイミド化合物以外に、使用目的により(C)芳香族ジアミン、エポキシ化合物、ポリブタジエン化合物等から選ばれる重合性化合物を、予め(D)有機溶媒中に均一に溶解させた後、有機溶媒を除去し、樹脂組成物から成る樹脂組成物は、250℃以下の温度で貯蔵弾性率が107dyn/cm2から102dyn/cm2の値を示す温度域を有することから、成形性に優れている。
【0032】
また、飽和吸湿量が1%以下であり、加熱時に揮発分の影響が少なく、被接着物との剥離、膨れ等が起こりにくい。更に、330℃の加熱雰囲気下で10分以上の耐熱性を有しており、例えばマルチチップモジュール多層配線基板等の耐熱性を必要とされる絶縁層に用いた場合、電子部品接続時(300℃〜330℃/5分位)に、ピン接続温度(330℃/10分位)の加熱工程を経るプロセスを有する製品等に適用が可能となる。更に、被接着物との接着力が0.6kgf/cm以上を有することから、信頼性の面でも優れている。以上の観点から、本発明の樹脂組成物は、成形性、低吸湿性、耐熱性及び被接着物との接着性に優れており、必要とされる特性に対して均一性のとれた絶縁材料となる。
【0033】
(A)前記一般式(1)で示されるキノリン環を含む重合体について検討を重ねた結果、(A)前記一般式(3)及び(A)前記一般式(4)の構造を有したキノリン環を含む重合体と、(B)前記一般式(2)の構造を有したビスマレイミド化合物を組み合わせた場合、硬化過程で(B)前記一般式(2)の構造を有したビスマレイミド化合物が均一に溶解して流動し、被接着体と密着して優れた接着性が得られ、機械特性に優れた樹脂組成物を提供できることを見出した。
【0034】
また、(B)前記一般式(2)で示されるビスマレイミド化合物の構造について検討を重ねた結果、キノリン環を含む重合体と、(B)前記一般式(5)又は(6)の構造を有したビスマレイミド化合物を組み合わせた場合、キノリン環を有する重合体の特徴を最も損なうことなく、硬化過程で(B)前記一般式(2)の構造を有したビスマレイミド化合物が均一に溶解して流動し、被接着体と密着し優れた接着性が得られ、機械特性に優れた樹脂組成物及び接着フィルムを提供できることを見出した。
【0035】
本発明で用いる(A)キノリン環を含む重合体としては、例えば、2−(2−フルオロフェニル)−5−フルオロ−4−フェニルキノリン単位を含む重合体、2−(4−フルオロフェニル)−5−フルオロ−4−フェニルキノリン単位を含む重合体、4−(2−フルオロフェニル)−5−フルオロ−4−フェニルキノリン単位を含む重合体、2−(4−フルオロフェニル)−7−フルオロ−4−フェニルキノリン単位を含む重合体、2,4−ジフルオロキノリン単位を含む重合体、2,5−ジフルオロキノリン単位を含む重合体、2,7−ジフルオロキノリン単位を含む重合体、2,7−ジフルオロ−6−フェニルキノリン単位を含む重合体、4−(4−フルオロフェニル)−7−フルオロキノリン単位を含む重合体、6,6’−ビス〔2−(2−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリン〕単位を含む重合体、6,6’−ビス〔2−(4−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリン〕単位を含む重合体、6,6’−ビス〔2−(4−フルオロフェニル)−4−tert−ブチルキノリン〕単位を含む重合体、6,6’−ビス〔4−(4−フルオロフェニル)−2−フェニルキノリン〕単位を含む重合体、6,6’−ビス−2−フルオロキノリン単位を含む重合体、6,6’−ビス−4−フルオロキノリン単位を含む重合体、6,6’−ビス〔4−(4−フルオロフェニル)−2−(2−ピリジル)キノリン〕単位を含む重合体、6,6’−ビス〔4−(4−フルオロフェニル)−2−(メチル)キノリン〕単位を含む重合体、6,6’−ビス〔2−フルオロ−4−フェニルキノリン単位を含む重合体、オキシ−6,6’−ビス〔2−(4−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリン〕単位を含む重合体、1,4−ベンゼン−ビス−2,2−〔2−(4−フルオロフェニル)キノリン〕単位を含む重合体、1,4−ベンゼン−ビス−2,2−(4−フルオロキノリン)単位を含む重合体、1,4−ベンゼン−ビス−2,2−〔4−(4−フルオロフェニル)キノリン〕単位を含む重合体、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピリデン−ビス−〔(4−フェノキシ−4−フェニル)−2−(4−フルオロキノリン)〕単位を含む重合体等が挙げられる。これらの重合体は、単独又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0036】
(B)ビスマレイミド化合物としては、例えば、N,N’−エチレンジマレイミド、N,N’−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N’−ドデカメチレンビスマレイミド、N,N’−m−キシリレンビスマレイミド、N,N’−p−キシリレンビスマレイミド、N,N’−1,3−ビスメチレンシクロヘキサンビスマレイミド、N,N’−1,4−ビスメチレンシクロヘキサンビスマレイミド、N,N’−2,4−トリレンビスマレイミド、N,N’−2,6−トリレンビスマレイミド、N,N’−3,3−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、3,3−ジフェニルスルホンビスマレイミド、4,4−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルフィドビスマレイミド、N,N’−p−ベンゾフェノンビスマレイミド、N,N’−ジフェニルエタンビスマレイミド、N,N’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−(メチレン−ジテトラヒドロフェニル)ビスマレイミド、N,N’−(3−エチル)−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−(3,3−ジメチル)−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−(3,3−ジエチル)−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−(3,3−ジクロロ)−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−トリジンビスマレイミド、N,N’−イソホロンビスマレイミド、N,N’−p,p’−ジフェニルジメチルシリルビスマレイミド、N,N’−ベンゾフェノンビスマレイミド、N,N’−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−ナフタレンビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(1,1−ジフェニル−シクロヘキサン)−ビスマレイミド、N,N’−3,5−(1,2,4−トリアゾール)−ビスマレイミド、N,N’−ピリジン−2,6−ジイルビスマレイミド、N,N’−5−メトキシ−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,2−ビス(2−マレイミドエトキシ)エタン、1,3−ビス(3−マレイミドプロポキシ)プロパン、N,N’−4,4−ジフェニルメタン−ビス−ジメチルマレイミド、N,N’−ヘキサメチレン−ビス−ジメチルマレイミド、N,N’−4,4’−(ジフェニルエーテル)−ビス−ジメチルマレイミド、N,N’−4,4’−(ジフェニルスルホン)−ビス−ジメチルマレイミド、N,N’−4,4’−(ジアミノ)−トリフェニルホスフェートのN,N’−ビスマレイミド等に代表される2官能マレイミド化合物、アニリンとホルマリンとの反応生成物(ポリアミン化合物)、3,4,4’−トリアミノジフェニルメタン、トリアミノフェノール等と無水マレイン酸との反応で得られる多官能マレイミド化合物、トリス−(4−アミノフェニル)−ホスフェート、トリス(4−アミノフェニル)−ホスフェート、トリス(4−アミノフェニル)−チオホスフェートと無水マレイン酸との反応で得られるマレイミド化合物、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−クロロ−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−ブロモ−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−プロピル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−イソプロピル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−ブチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−sec −ブチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−メトキシ−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3−クロロ−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3−ブロモ−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔3−クロロ−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔3−ブロモ−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、3,3−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ペンタン、1,1−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3,5−ジメチル−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3,5−ジブロモ−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3−又は5−メチル−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン等の芳香族ビスマレイミド化合物があり、特に上記のものに限定されるものではない。また、単独又は2種以上の成分を併用することが可能である。
【0037】
本発明の(C)重合性化合物のうちの芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4−ジアミンジフェニルメタン、4,4−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4−ジアミノジフェニルスルホン、ビス−(4−アミノフェニル)メチルホスフィンオキシド、ビス−(4−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、ビス−(4−アミノフェニル)メチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−キシリレンジアミン、1,1−ビス(p−アミノフェニル)フラン、p−キシリレンジアミン、6,6’−ジアミノ−2,2’−ビピリジル、ジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4−ジアミノジフェニルスルホン、ビス−(4−アミノフェニル)メチルホスフィンオキシド、ビス−(4−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、ビス−(4−アミノフェニル)メチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−キシリレンジアミン、1,1−ビス−(p−アミノフェニル)フラン、p−キシリレンジアミン、2,2−ビス〔3−プロピル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−イソプロピル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−ブチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−sec −ブチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−メトキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔3−ブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔3−ブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、3,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ペンタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3,5−ジメチル−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3,5−ジブロモ−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3−又は5−メチル−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等があり、特に上記のものに制限されるものではない。なお、芳香族系化合物を用いたのは脂肪族系化合物に比べ耐熱性の点で有利であるためである。
【0038】
(C)重合性化合物のうちのエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、4,4’−(1,2−エポキシエチル)ビフェニル、4,4’−(1,2−エポキシエチル)ビフェニルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、N,N’−m−フェニレンビス(4,5’−エポキシ−1,2−シクロヘキサンジカルボジイミド)等の2官能エポキシ化合物、p−アミノフェノールのトリグリシジル化合物、1,3,5−トリ(1,2−エポキシエチル)ベンゼン、テトラグリシドキシテトラフェニルエタン、フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂の3官能以上のエポキシ化合物、ヒダントイン骨格を有するエポキシ化合物、臭素化エポキシ化合物のようなハロゲン原子を含むエポキシ化合物等の少なくとも1種が用いられる。
【0039】
(C)化合物のうちのポリブタジエン化合物としては、例えば、1,2−ポリブタジエン、環化1,2−ポリブタジエン、エポキシ変性1,2−ポリブタジエン、末端エポキシ化1,2−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエングリコール、1,2−ポリブタジエンカルボン酸、ウレタン変性1,2−ポリブタジエン、マレイミド化1,2−ポリブタジエン、末端アクリル変性1,2−ポリブタジエン、末端エステル変性1,2−ポリブタジエン化合物等の少なくとも1種が用いられる。
【0040】
(D)有機溶媒としては、例えば、メチルセロソルブ、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、キノリン、シクロペンタノン、m−クレゾール、クロロホルム等から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
【0041】
本発明において、(A)成分のキノリン環を含む重合体と(B)成分のビスマレイミド化合物の配合割合は、(A)成分のキノリン環を含む重合体が30重量%〜99.9重量%、(B)成分のビスマレイミド化合物が0.1重量%〜70重量%であることが好ましい。(A)成分のキノリン環を含む重合体を30重量%以下にすると、流動性は優れる反面、機械特性が劣り、目的とするフィルム化が困難となり、かつ多層化時に絶縁部にクラックが発生する等の問題が生じる。
【0042】
本発明において、(A)成分のキノリン環を含む重合体と(B)成分のビスマレイミド化合物の配合割合は、ナイフコーティング、バーコーティング等で接着フィルムの製造を意図する場合には、両者を合計した固形分全体に対し、(A)成分のキノリン環を含む重合体が30重量%〜70重量%であることが更に好ましい。一方において、スピンコーティング法等により低誘電率の多層層間絶縁膜の製造を目的とする場合には、両者を合計した固形分全体に対し、(B)成分のビスマレイミド化合物が0.1〜30重量%含むことが望ましく、5〜30重量%が特に望ましい。(B)成分を5重量%以下にすると機械特性は優れる反面、溶媒に対する溶解性が大きくなり、多層化時絶縁部にクラックが発生することがある。
【0043】
また、本発明において(C)成分の重合性化合物を加える場合、全体樹脂成分に対し、40重量%以下が望ましい。(C)成分を40重量%以上加えると成形性や接着性に優れる反面、耐熱性に劣るという問題が出てくる。
【0044】
本発明において、(A)成分のキノリン環を含む重合体と(B)成分のビスマレイミド化合物とから成る樹脂化合物、又は(A)成分のキノリン環を含む重合体と(B)成分のビスマレイミド化合物と(C)成分の重合性化合物とから成る樹脂組成物を得る方法としては、予め(B)成分のビスマレイミド化合物及び(C)成分の重合性化合物を加熱溶融させ、それから(A)成分のキノリン環を含む重合体を加え、均一に混ぜ合わせた後、硬化させて樹脂組成物を得る方法が挙げられる。しかし、一般的には、(D)有機溶媒に(A)成分のキノリン環を含む重合体、(B)成分のビスマレイミド化合物及び(C)成分の重合性化合物を均一に混合させ、ワニスとして得る方法が適している。更に、ワニスから溶媒を取り除くことによりフィルム化することも可能である。
【0045】
本発明における接着フィルムは、例えば、上記したワニスをポリイミドあるいはポリエステル等の基材フィルム上に一定の厚さで流延・塗布した後、100℃〜250℃の間で乾燥した後、基材から引き剥がすことにより得られる。
【0046】
上記において、用いる溶媒の種類と溶媒を除去する際の最終乾燥温度は特に重要である。上記の溶媒としては、メチルセロソルブ、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、キノリン、シクロペンタノン、m−クレゾール及びクロロホルム等から成る群の1種、あるいはこれらの混合溶媒を用いることができる。本発明における樹脂組成物を十分に溶解し、なおかつ乾燥により十分除去できるように、N−メチル−2−ピロリドン、シクロペンタノン及び/又はm−クレゾールを用いるのが好ましく、同様の理由から、N−メチル−2−ピロリドン及び/又はシクロペンタノンを用いるのが更に好ましい。更には、吸湿しにくくフィルムが白化しにくいという点から、シクロペンタノンを用いるのが特に好ましい。
【0047】
最終乾燥温度は、100℃〜250℃の間であることが好ましい。100℃未満では溶媒を十分除去しにくく、250℃を超えると、(B)成分が熱硬化して、接着時の流動性が低下しやすい。同様の理由で、乾燥温度は150℃〜220℃が好ましく、160℃〜200℃が更に好ましく、160℃〜180℃が特に好ましい。
【0048】
上記の溶媒と乾燥温度により、残存溶媒量が十分に少なく、なおかつ接着時の流動性に優れる接着フィルムを得ることができる。この接着フィルムを加熱、加圧下で被着材に接着した後、200℃以上、好ましくは250℃以上、更に好ましくは280℃以上で熱硬化することにより、吸湿率が小さく、機械特性、被着物との接着性、及び耐熱性に優れた硬化層を形成することができる。また、この際、加熱、加圧による接着と熱硬化を同時に行うこともできる。
【0049】
接着フィルムの厚さに特に制限はないが、絶縁性を十分高くするためには接着フィルムの厚さは1μm 以上であることが好ましく、積層した際の厚さを十分薄くするためには100μm 以下であることが好ましい。同様の理由から、接着フィルムの厚さは5〜50μm であることが更に好ましく、15〜30μm であることが特に好ましい。
【0050】
また、多層層間絶縁膜の厚さも特に制限はないが、平滑な塗膜が得られ易いことから、0.1〜3μm であることが好ましく、0.1〜1μm であることが更に好ましい。
【0051】
本発明の樹脂組成物において、低温硬化、短時間硬化を目的として、必要に応じて有機過酸化物や反応促進剤等を加えることも可能である。
【0052】
【実施例】
(実施例1)
(ポリキノリンの合成)
6,6’−ビス(2−(4−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリン)74.3g(0.124モル、1.03当量)、4,4’−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン)ビスフェノール40.6g(0.121モル、1.00当量)、無水炭酸カリウム25g(0.181モル、1.5当量)、を1リットルのステンレスフラスコに加え、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン450ml、トルエン90mlを加えた。塩化カルシウム管及び水分除去のためのディーンスターク管を付けた水冷式の冷却管、乾燥窒素導入管、メカニカルスターラ、温度計を設置した。オイルバスを使用し、混合物を24時間加熱還流し、更に24時間トルエンと共に系中の水分を留去した。溶液は最初は黄色であったが、段々茶褐色に変わり、この段階で黒色になった。更に反応温度を200℃まで上げ、6時間反応させた。反応溶液は黒色から粘度上昇と共に深青色に変わっていった。N−メチル−2−ピロリドン650mlを加えて希釈し冷却することにより反応を停止した。得られたポリマー溶液を精製するために、水中に投入し沈殿させた。更に、50℃の水中で2時間攪拌し洗浄することを3度繰り返した後、重合体をろ別し、60℃の真空乾燥機で一昼夜乾燥させた。重合体収量:101.1g(89.0%)であった。
【0053】
次に、500ml容3ッ口フラスコに攪拌棒、冷却管、温度計をセットした後、上記重合体を60g、シクロペンタノン280gを入れ、室温で1時間攪拌し溶解させた。更に2,2−ビス((4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパンを60g加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。得られたワニスを室温中(20℃〜23℃)に保存した時の経時変化をE型粘度計VISCONIC型(東京精密社製)を用いて測定した。結果を図1に示す。
【0054】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、そして200℃で20分加熱して乾燥させ、シクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、破断歪、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0055】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第1表及び第2表に示す。
【0056】
(実施例2)
実施例1で得られたワニス50gを用いて、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(パーヘキシン2.5B、日本油脂製)を0.01g加え均一に溶解させた。
【0057】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、シクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、引張強さ、破断歪み、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0058】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25×25(mm)の試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第1表及び第2表に示す。
【0059】
(実施例3)
実施例1で得られたワニス100gを用いて、ジグリシジルエーテルビスフェノールAで変性されたエポキシ変性ポリブタジエン6g、4,4−ジアミノジフェニルメタン0.42gを加え均一に混ぜ合わせワニスを得た。得られたワニスを室温中(20℃〜23℃)に保存した時の経時変化をE型粘度計VISCONIC型(東京精密社製)を用いて測定した。結果を図1に示す。
【0060】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、シクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、引張強さ、破断歪み、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0061】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第1表及び第2表に示す。
【0062】
(実施例4)
実施例1で得られた重合体15gを、攪拌棒、冷却管及び温度計をセットした200ml容3ッ口フラスコに入れ、更にシクロペンタノン70gを加え、室温で1時間攪拌して溶解させた。次に、2,2−ビス(4−(2−トリフルオロメチル−4−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン15gを加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。
【0063】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱乾燥させシクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、引張強さ、破断歪み、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0064】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。選られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第1表及び第2表に示す。
【0065】
(実施例5)
メカニカルスターラ、凝縮器と窒素導入管を付けたディーンスターク管ならびに温度計を備え付けた2リットルの丸底フラスコに6,6−ビス(2−(4−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリン)114.75g(0.1925モル、1.03当量)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン66.0472g(0.18848モル、1.00当量)、N−メチル−2−ピロリドン705ml、トルエン421mlを仕込んだ。反応混合物は窒素雰囲気下で15時間加熱された。トルエンがディーンスターク管によって除かれ、反応混合物は更に200℃で12時間加熱された。反応混合物はN−メチル−2−ピロリドンで希釈され、室温まで冷却された。得られた重合物溶液を3倍容量のアセトンにゆっくり注ぐことにより重合物を凝縮した。重合物を濾過して集め、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、3倍容量の水で凝縮した。重合物の収量は170g(99%)であった。
【0066】
次に、500ml容3ッ口フラスコに攪拌棒、冷却管、温度計をセットした後、上記重合体を60g、m−クレゾールを280g入れ、室温で1時間攪拌し、溶解させた。更にビス(4−マレイミドフェニル)メタンを60g加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。得られたワニスを室温中(20℃〜23℃)に保存した時の経時変化をE型粘度計VISCONIC型(東京精密社製)を用いて測定した。結果を図1に示す。
【0067】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させm−クレゾールを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを3枚作成した。上記フィルムを用いて、粘弾性測定装置DVA−200型(アイティー計測制御製)で、引張モードで貯蔵弾性率を測定した。結果を図2に示す。このフィルムの貯蔵弾性率は、図2に示すように温度が高くなるにつれて徐々に低下するが、300℃を超えてもなお高い値を保っている。
【0068】
次に、他の1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、引張強さ、破断歪み、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0069】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第1表及び第2表に示す。
【0070】
(実施例6)
実施例5で得られたワニス50gを用いて、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(パーヘキシン2.5B、日本油脂製)を0.01g加え均一に溶解させワニスを得た。
【0071】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、m−クレゾールを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、引張強さ、破断歪み、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0072】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第1表及び第2表に示す。
【0073】
(実施例7)
実施例5で得られたワニス100gを用いて、ジグリシジルエーテルビスフェノールAで変性されたエポキシ変性ポリブタジエン6g、4,4−ジアミノジフェニルメタン0.42gを加え均一に混ぜ合わせワニスを得た。
【0074】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、m−クレゾールを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、引張強さ、破断歪み、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0075】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第1表及び第2表に示す。
【0076】
(実施例8)
実施例5で得られた重合体15gを攪拌棒、冷却管及び温度計をセットした200ml容3ッ口フラスコに入れ、更にシクロペンタノン70gを加え、室温で1時間攪拌し溶解させた。次に、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)−プロパンを15g加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。
【0077】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱乾燥させm−クレゾールを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、引張強さ、破断歪み、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0078】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第1表及び第2表に示す。
【0079】
(実施例9)
6,6’−ビス(2−(4−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリン)74.3g(0.124モル、1.03当量)、メチル−2,4−ジヒドロキシベンゾエートイソプロピリデンジフェノール27.6g(0.121モル、1.00当量)、無水炭酸カリウム25g(0.181モル、1.5当量)を1リットルのステンレスフラスコに加え、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン450ml及びトルエン90mlを加えた。塩化カルシウム管及び水分除去のためのディーンスターク管を付けた水冷式の冷却管、乾燥窒素導入管、メカニカルスターラ、温度計を設置した。オイルパスを利用し、24時間加熱還流し、更に24時間トルエンと共に系中の水分を除去した。溶液は最初は黄色であったが、段々茶褐色に変わり、この段階で黒色になった。更に反応温度を20℃まで上げ、6時間反応させた。反応溶液は黒色から粘度上昇と共に深青色に変わっていった。N−メチル−2−ピロリドン650mlを加えて希釈し冷却することにより反応を停止した。得られたポリマー溶液を精製するために、水中へ沈殿させた。更に、50℃の水中で2時間攪拌し洗浄することを3度繰り返した後、重合体をろ別し、60℃の真空乾燥機で一昼夜乾燥させた。重合体収量は84.0g(87%)であった。
【0080】
得られた重合体15gを攪拌棒、冷却管、温度計をセットした200ml容3ッ口フラスコに入れ、更にシクロペンタノン70gを加え室温で、1時間攪拌し溶解させた。次に、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを15g加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。
【0081】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスバーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、シクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、引張強さ、破断歪み、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0082】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第1表及び第2表に示す。
【0083】
(実施例10)
1リットルのステンレスフラスコに塩化カルシウム管及び水分除去のためのディーンスターク管を付けた水冷式の冷却管、乾燥窒素導入管、メカニカルスターラ、温度計を設置し、溶媒としてm−クレゾール400ml、触媒である五酸化りん340gを加え、窒素気流下で攪拌しながら140℃に加熱し、3時間反応させ重合溶媒を調整した。室温に冷却後、エタノールより再結晶した5−アセチル−2−アミノベンゾフェノン95.71g(0.4モル)を加え、窒素気流下で攪拌しながら120℃に加熱し、48時間反応させた。反応終了後、反応溶媒を大量のトリエチルアミン10%エタノール溶液に注ぎ、反応を停止しポリマーを単離した。ポリマーはエタノールで洗浄し、ソックスレー抽出器でエタノールを除去し、100℃で乾燥した。ポリマー収量は93.7g(98%)であった。
【0084】
得られた重合体15gを攪拌棒、冷却管、温度計をセットした200ml容3ッ口フラスコに入れ、更にクロロホルム100gを加え室温で、1時間攪拌し溶解させた。次に、2,2−ビス((4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパンを15g加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。得られたワニスを室温中(20℃〜23℃)に保存した時の経時変化をE型粘度計VISCONIC型(東京精密社製)を用いて測定した。結果を図1に示す。
【0085】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、クロロホルムを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、引張強さ、破断歪み、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0086】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第1表及び第2表に示す。
【0087】
(実施例11)
1リットルのステンレスフラスコに塩化カルシウム管及び水分除去のためのディーンスターク管を付けた水冷式の冷却管、乾燥窒素導入管、メカニカルスターラ、温度計を設置し、溶媒としてm−クレゾール400ml、触媒である五酸化りん340gを加え、窒素気流下で攪拌しながら140℃に加熱し、3時間反応させ重合溶媒を調整した。室温に冷却後、エタノールより再結晶した5−アセチル−2−アミノベンゾフェノン95.71g(0.4モル)を加え、窒素気流下で攪拌しながら120℃に加熱し、48時間反応させた。反応終了後、反応溶媒を大量のトリエチルアミン10%エタノール溶液に注ぎ、反応を停止しポリマーを単離した。ポリマーはエタノールで洗浄し、ソックスレー抽出器でエタノールを除去し、100℃で乾燥した。ポリマー収量は93.7g(98%)であった。
【0088】
得られた重合体15gを攪拌棒、冷却管、温度計をセットした200ml容3ッ口フラスコに入れ、更にクロロホルム100gを加え、室温で1時間攪拌し、溶解させた。次に、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを15g加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。
【0089】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、クロロホルムを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、引張強さ、破断歪み、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0090】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分放置し膨れの有、無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第1表及び第2表に示す。
【0091】
(実施例12)
実施例1で得られた重合体18gを攪拌棒、冷却管、温度計をセットした200ml容3ッ口フラスコに入れ、更にシクロペンタノン70gを加え、室温で1時間攪拌し、溶解させた。次に、2,2−ビス(4−(2−トリフルオロメチル−4−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを12g加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。得られたワニスを室温中(20℃〜23℃)に保存した時の経時変化をE型粘度計VISCONIC型(東京精密社製)を用いて測定した。結果を図1に示す。
【0092】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、クロロホルムを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、引張強さ、破断歪み、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0093】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第1表及び第2表に示す。
【0094】
(比較例1)
攪拌機付きの1リットルの3ッ口フラスコに攪拌棒、冷却管、温度計をセットした後、2,2−ビス((4−ジアミノフェノキシ)フェニル)プロパン41.0gを採り、N−メチル−2−ピロリドン415mlを加えて溶解した。次に氷水で冷却しながら、3,3,4,4−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物を少量づつ溶解し、4時間反応させポリアミック酸ワニスを得た。更に200ml容3ッ口フラスコ攪拌棒、冷却管、温度計をセットした後、得られたワニス100gをフラスコ中に採り、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンを10g加え30分間攪拌し目的のワニスを得た。得られたワニスを室温中(20℃〜23℃)に保存した時の経時変化をE型粘度計VISCONIC型(東京精密社製)を用いて測定した。結果を図1に示す。
【0095】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、N−メチル−2−ピロリドンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、引張強さ、破断歪み、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0096】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、表1に示す。結果を第1表及び第2表に示す。
【0097】
(比較例2)
200ml容3ッ口フラスコに攪拌棒、冷却管、温度計をセットした後、実施例5で得られた重合体15gとm−クレゾール80gを入れ、室温で1時間攪拌し、溶解させてワニスを得た。得られたワニスを室温中(20℃〜23℃)に保存した時の経時変化をE型粘度計VISCONIC型(東京精密社製)を用いて測定した。結果を図2に示す。
【0098】
次に、200mm×200mm×2(mm)のパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、m−クレゾールを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを3枚作成した。上記フィルムを用いて、DVA−200型粘弾性測定装置(アイティー計測制御製)で、引張モードで貯蔵弾性率を測定した。結果を図2に示す。
【0099】
次に、他の1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、引張強さ、破断歪み、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。
【0100】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25×25(mm)の試料を切り出し、330℃の半田浴に10分放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第1表及び第2表に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
(実施例13)
(ポリキノリンの合成)
6,6’−ビス(2−(4−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリン)74.3g(0.124モル、1.03当量)、4,4’−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン)ビスフェノール40.6g(0.121モル、1.00当量)及び無水炭酸カリウム25g(0.181モル、1.5当量)、を1リットルのステンレスフラスコに加え、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン450ml、トルエン90mlを加えた。塩化カルシウム管及び水分除去のためのディーンスターク管を付けた水冷式の冷却管、乾燥窒素導入管、メカニカルスターラ、温度計を設置した。オイルバスを使用し、混合物を24時間加熱還流し、更に24時間トルエンと共に系中の水分を留去した。溶液は最初は黄色であったが、段々茶褐色に変わり、この段階で黒色になった。更に反応温度を200℃まで上げ、6時間反応させた。反応溶液は黒色から粘度上昇と共に深青色に変わっていった。N−メチル−2−ピロリドン650mlを加えて希釈し冷却することにより反応を停止した。得られたポリマー溶液を精製するために、水中へ投入し沈殿させた。更に、50℃の水中で2時間攪拌し洗浄することを3度繰り返した後、重合体をろ別し、60℃の真空乾燥機で一昼夜乾燥させた。重合体収量は101.1g(89.0%)であった。
【0104】
次に、500ml容3ッ口フラスコに攪拌棒、冷却管、温度計をセットした後、上記重合体を108g、シクロペンタノン280gを入れ、室温で1時間攪拌し溶解させた。更に2,2−ビス((4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパンを12g加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユービレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、そして200℃で20分加熱して乾燥させ、シクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。
【0105】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25×25(mm)の試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第3表に示す。
【0106】
(実施例14)
実施例13で得られたワニス50gを用いて、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(パーヘキシン2.5B、日本油脂製)を0.01g加え均一に溶解させた。200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、シクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。
【0107】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25×25(mm)の試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第3表に示す。
【0108】
(実施例15)
実施例13で得られたワニス100gを用いて、ジグリシジルエーテルビスフェノールAで変性されたエポキシ変性ポリブタジエン6g、4,4−ジアミノジフェニルメタン0.42gを加え均一に混ぜ合わせた。200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、シクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。
【0109】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第3表に示す。
【0110】
(実施例16)
実施例13で得られた重合体45gを、攪拌棒、冷却管及び温度計をセットした200ml容3ッ口フラスコに入れ、更にこのシクロペンタノン70gを加え、室温で1時間攪拌して溶解させた。次に、2,2−ビス(4−(2−トリフルオロメチル−4−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン5gを加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。
【0111】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱乾燥させシクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。
【0112】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第3表に示す。
【0113】
(実施例17)
メカニカルスターラ、凝縮器と窒素導入管を付けたディーンスターク管ならびに温度計を備え付けた2リットルの丸底フラスコに6,6−ビス(2−(4−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリン)114.75g(0.1925モル、1.03当量)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン66.0472g(0.18848モル、1.00当量)、N−メチル−2−ピロリドン705ml、トルエン421mlを仕込んだ。反応混合物は窒素雰囲気下で15時間加熱された。トルエンがディーンスターク管によって除かれ、反応混合物は更に200℃で12時間加熱された。反応混合物はN−メチル−ピロリドンで希釈され、室温まで冷却された。得られた重合物溶液を3倍容量のアセトンにゆっくり注ぐことにより重合物を凝縮した。重合物を濾過して集め、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、3倍容量の水で凝縮した。重合物の収量は170g(99%)であった。
【0114】
次に、500ml容3ッ口フラスコに攪拌棒、冷却管、温度計をセットした後、上記重合体を96g、シクロペンタノンを280g入れ、室温で1時間攪拌し、溶解させた。更にビス(4−マレイミドフェニル)メタンを24g加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。
【0115】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させシクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを3枚作成した。上記フィルムを用いて、粘弾性測定装置DVA−200型(アイティー計測制御製)で、引張モードで貯蔵弾性率を測定した。このフィルムの貯蔵弾性率は、図3に示すように温度が高くなるにつれて徐々に低下するが、300℃を超えてもなお高い値を保っている。
【0116】
次に、他の1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。
【0117】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第3表に示す。
【0118】
(実施例18)
実施例17で得られたワニス50gを用いて、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(パーヘキシン2.5B、日本油脂製)を0.01g加え均一に溶解させた。
【0119】
次に、200×200×2(mm)のパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、シクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。
【0120】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25×25(mm)の試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第3表に示す。
【0121】
(実施例19)
実施例17で得られたワニス100gを用いて、ジグリシジルエーテルビスフェノールAで変性されたエポキシ変性ポリブタジエン6g、4,4−ジアミノジフェニルメタン0.42gを加え均一に混ぜ合わせた。
【0122】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、シクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。
【0123】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第3表に示す。
【0124】
(実施例20)
実施例17で得られた重合体24gを攪拌棒、冷却管及び温度計をセットした200ml容3ッ口フラスコに入れ、更にシクロペンタノン70gを加え、室温で1時間攪拌し溶解させた。次に、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)−プロパンを6g加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。
【0125】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱乾燥させシクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。
【0126】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分間放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、この第3表に示す。
【0127】
(実施例21)
6,6’−ビス(2−(4−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリン)74.3g(0.124モル、1.03当量)、メチル−2,4−ジヒドロキシベンゾエートイソプロピリデンジフェノール27.6g(0.121モル、1.00当量)、無水炭酸カリウム25g(0.181モル、1.5当量)を1リットルのステンレスフラスコに加え、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン450ml、トルエン90mlを加えた。塩化カルシウム管及び水分除去のためのディーンスターク管を付けた水冷式の冷却管、乾燥窒素導入管、メカニカルスターラ、温度計を設置した。オイルパスを利用し、24時間加熱還流し、更に24時間トルエンと共に系中の水分を除去した。溶液は最初は黄色であったが、段々茶褐色に変わり、この段階で黒色になった。更に反応温度を20℃まで上げ、6時間反応させた。反応溶液は黒色から粘度上昇と共に深青色に変わっていった。N−メチル−2−ピロリドン650mlを加えて希釈し冷却することにより反応を停止した。得られたポリマー溶液を精製するために、水中へ沈殿させた。更に、50℃の水中で2時間攪拌し洗浄することを3度繰り返した後、重合体をろ別し、60℃の真空乾燥機で一昼夜乾燥させた。重合体収量は84.0g(87%)であった。
【0128】
得られた重合体29.7gを攪拌棒、冷却管、温度計をセットした200ml容3ッ口フラスコに入れ、更にシクロペンタノン70gを加え室温で、1時間攪拌し溶解させた。次に、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを0.3g加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。
【0129】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスバーコータを用い均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、シクロペンタノンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。
【0130】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第3表に示す。
【0131】
(実施例22)
1リットルのステンレスフラスコに塩化カルシウム管及び水分除去のためのディーンスターク管を付けた水冷式の冷却管、乾燥窒素導入管、メカニカルスターラ、温度計を設置し、溶媒としてm−クレゾール400ml、触媒である五酸化りん340gを加え、窒素気流下で攪拌しながら140℃に加熱し、3時間反応させ重合溶媒を調整した。室温に冷却後、エタノールより再結晶した5−アセチル−2−アミノベンゾフェノン95.71g(0.4モル)を加え、窒素気流下で攪拌しながら120℃に加熱し、48時間反応させた。反応終了後、反応溶媒を大量のトリエチルアミン10%エタノール溶液に注ぎ、反応を停止しポリマーを単離した。ポリマーはエタノールで洗浄し、ソックスレー抽出器でエタノールを除去し、100℃で乾燥した。ポリマー収量は93.7g(98%)であった。
【0132】
得られた重合体24gを攪拌棒、冷却管、温度計をセットした200ml容3ッ口フラスコに入れ、更にクロロホルム100gを加え室温で、1時間攪拌し溶解させた。次に、2,2−ビス((4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパンを6g加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。
【0133】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、クロロホルムを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解介し温度を測定した。
【0134】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第3表に示す。
【0135】
(実施例23)
実施例22で得られた重合体24gを攪拌棒、冷却管、温度計をセットした200ml容3ッ口フラスコに入れ、更にクロロホルムを100g加え、室温で1時間攪拌し溶解させた。次に、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを6g加え、1時間攪拌し目的のワニスを得た。
【0136】
次に、200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、クロロホルムを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを2枚得た。得られた1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。
【0137】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第3表に示す。
【0138】
(比較例3)
攪拌機付きの1リットルの3ッ口フラスコに攪拌棒、冷却管、温度計をセットした後、2,2−ビス((4−ジアミノフェノキシ)フェニル)プロパン41.0gを採り、N−メチル−2−ピロリドン415mlを加えて溶解した。次に氷水で冷却しながら、3,3,4,4−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物を少量づつ溶解し、ポリアミック酸ワニスを得た。更に200ml容3ッ口フラスコ攪拌棒、冷却管。温度計をセットした後、得られたワニス100gをフラスコ中に採りビス(4−マレイミドフェニル)メタンを10g加え30分間攪拌しワニスを得た。
【0139】
次に200mm×200mm×2mmのパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、N−メチル−2−ピロリドンを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを3枚作成した。上記フィルムを用いて、DVA−200型粘弾性測定装置(アイティー計測制御製)で、引張モードで貯蔵弾性率を測定した。次に、1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。
【0140】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25mm×25mmの試料を切り出し、330℃の半田浴に10分放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第3表に示す。
【0141】
(比較例4)
200ml容3ッ口フラスコに攪拌棒、冷却管、温度計をセットした後、実施例17で得られた重合体15gとm−クレゾール80gを入れ、室温で1時間攪拌し、溶解させた。
【0142】
次に、200mm×200mm×2(mm)のパイレックスガラス板に0.025mm厚のポリイミドフィルム(ユーピレックス25S、宇部興産製)を、耐熱テープを用いて貼った。更に、得られたワニスを、バーコータを用いて均一に塗布し、100℃で20分、200℃で20分加熱して乾燥させ、m−クレゾールを除いた厚さ約0.030mmのフィルムを3枚作成した。上記フィルムを用いて、DVA−200型粘弾性測定装置(アイティー計測制御製)で、引張モードで貯蔵弾性率を測定した。このフィルムの貯蔵弾性率は、図3に示すように温度が高くなるにつれて徐々に低下し、300℃近傍で急激な低下を示した。次に、他の1枚のフィルムを用いて、プレス中で加熱硬化させ樹脂硬化組成物を得た。上記樹脂硬化組成物を用いて、1kHz での比誘電率、誘電正接、ヨウ化カリウム飽和状態(湿度約70%)に48時間放置時の吸湿量を測定した。上記樹脂硬化組成物を用いて熱天秤TA−2950型(TAインスツルメント社製)を用いて、分解開始温度を測定した。
【0143】
また、乾燥した1枚のフィルムの上下に0.012mm厚さの銅箔を介し加熱硬化し、両面銅付きの樹脂硬化組成物を得た。この際、フィルムの接着面からのはみ出し具合を目視評価し、フィルムの加熱硬化時における流動性の指標とした。さらに、得られた両面銅付きの樹脂硬化組成物から25×25(mm)の試料を切り出し、330℃の半田浴に10分放置して膨れの有無を確認した。更に、銅と樹脂硬化組成物のピール強さ(接着力)も確認した。硬化条件、測定条件等を、第3表に示す。
【0144】
【表3】
【0145】
【発明の効果】
本発明によれば、電気特性、低吸湿性、高温における熱安定性、成形性に優れ、かつ接着力の高い樹脂組成物及び接着フィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例のワニスの粘度とワニスの放置日数の関係を示す図である。
【図2】実施例及び比較例の加熱乾燥したフィルムの加熱時の貯蔵弾性率の関係を示す図である。
【図3】実施例17及び比較例4それぞれの樹脂硬化組成物の貯蔵弾性率の温度依存性を示す図である。
【符号の説明】
1 実施例1のワニスの粘度
2 実施例3のワニスの粘度
3 実施例5のワニスの粘度
4 実施例10のワニスの粘度
5 比較例1のワニスの粘度
6 実施例5の100℃で20分、200℃で20分乾燥したフィルムの貯蔵弾性率
7 実施例5の250℃で60分乾燥したフィルムの貯蔵弾性率
8 比較例2の100℃で20分、200℃で20分乾燥したフィルムの貯蔵弾性率
9 実施例12のワニス粘度
10 実施例17の樹脂硬化組成物の貯蔵弾性率
11 比較例4の樹脂硬化組成物の貯蔵弾性率
Claims (10)
- 請求項2記載の組成物から前記有機溶媒を除去して得られる樹脂組成物。
- 請求項3記載の樹脂組成物を加熱硬化して得られる硬化物。
- 250℃以下の温度で貯蔵弾性率が107dyn/cm2から102dyn/cm2の値を示す温度域を有し、飽和吸湿量が1%以下、330℃の雰囲気で10分以上の耐熱性及び被接着物との接着力が0.6kgf/cm以上を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂組成物。
- (A)キノリン環を含む重合体が、下記の一般式(3)又は一般式(4)で示される、請求項1、2、3又は5記載の樹脂組成物。
R’は、各々単独に、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ホルミル基(−COR)、エステル基(−COR若しくは−OCOR)、アミド基(−NRCOR若しくは−CONRR)、ヘテロアリール基、シアノ基又は2つがつながって形成される不飽和結合を含んでいてもよい2価の炭化水素基を示し(ただし、Rは水素原子、アルキル基又はヘテロアリール基である。)、
nは0から5の整数であり、
Xは単結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO2−、−A−、下記一般式(7)、又は−Q−を示し(ただし、qは1から3の整数であり、Aは、−Ar−O−Ar−(ただし、Arはアリーレン基である。)、−Hr−(ただし、Hrはヘテロアリーレン基である。)、−CO−Ar−、−Ar−S−Ar−、−Ar−SO−Ar−、−Ar−又は−Ar−Q−Ar−であり、Qは、L1−C−L2であり、L1及びL2は、メチル基、トリフルオロメチル基、又はそれらが結合する炭素原子と共に、L1とL2がつながって形成される、不飽和結合を含んでもよい又は不飽和結合で置換されていてもよい、2価の炭化水素基である。)、
Z’は単結合又はアリーレン基を示し、
Yは、−O−又は−O−A−O−を示す。
- 請求項3、5、6又は7記載の樹脂組成物を用いた接着フィルム。
- 有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン、キノリン、シクロペンタノン、m−クレゾールから成る群より選ばれる少なくとも一種の有機溶媒を用いることを特徴とする請求項8記載の接着フィルム。
- 有機溶媒を除去するに際して、最終乾燥温度を150℃〜220℃で乾燥することを特徴とする請求項8又は9記載の接着フィルム。
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