JP3633020B2 - 塗装装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、壁などの被塗装面に塗料を塗布する塗装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トンネルの壁面を塗装するには、作業者がローラーや刷毛に塗料を付け、これを壁面等に当てて塗布するか、空気圧を利用した吹き付け機等により塗料を壁面等に吹き付けるのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ローラー等で塗布するものにあっては、作業者がローラー等に塗料を付けながら塗布していくため、その作業効率が低いばかりか、特に、壁に塗料を塗布する場合に、作業者に過酷な労働を強いていた。また、人手により塗布していくため、塗料の塗りこぼしや塗りむらを生じていた。
【0004】
一方、吹き付け機等により塗料を吹き付けるものにあっては、単に塗料を壁面等に吹き付けるだけであるため、壁面等が凹凸部を有する場合に、その凹凸部に塗料が十分に塗り込められず、塗こぼしを生じることがある。このことは、特に、粘性の高い塗料を吹き付ける場合に生じていた。このため、パテやパテ状の高粘度塗料を凹部に塗り込み、凹部を埋めたりする必要があった。
【0005】
また、壁面に吹き付ける場合には、塗料が垂れてこれが固まり、仕上がり外観を損ねるという問題があった。
【0006】
そこで、この発明は、凹凸部を有する被塗装面に対しても、凹凸部を埋めならしつつ、容易かつ十分に塗料を塗布することができるとともに、凹凸部のない仕上がり外観が良好な塗装装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、被塗装面上を走行するベースを備え、該ベースの走行方向において前側位置に、供給された塗料を前記被塗装面上に流出させる流出孔が長手方向に沿って複数穿孔された塗料流出管を、前記被塗装面に平行で前記走行方向と直交するする方向に配設し、該塗料流出管より走行方向において後側に微振動する振動装置を配設し、前記被塗装面に当接された状態で、該振動装置により振動されて前記塗料流出管の各流出孔から流出された前記塗料を前記被塗装面に拡散させて擦り込むように塗布するシート状のブラシマットを、前記塗料流出管から前記振動装置に渡って着脱自在に配設すると共に前記流出孔に対応した開口を形成し、該ブラシマットの裏面が前記塗料流出管の周囲に取付けられて前記塗料が前記流出孔から前記開口を通じて前記被塗装面側に流出するように設けると共に、該ブラシマットの裏面が前記振動装置に取付けられて該振動装置による振動を前記ブラシマットに伝達するように設け、更に、該ブラシマットより走行方向において後側に、前記ブラシマットにより塗布された前記塗料をならすへら部材を配設した塗装装置としたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記ブラシマットは、前記ベースの走行方向の前側位置における部分が捲くられて前記塗料流出管に取付けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記振動装置は前記ベースに線細工バネ部材により可動自在に支持され、前記線細工バネ部材は捻り部が両端部に形成されると共に、前記振動装置に固定される振動装置側固定部と、前記ベースに固定されるベース部側固定部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
【作 用】
請求項1に記載された手段によれば、被塗装面に流出された塗料が、微振動するブラシマットによって振動を加えられて、流動化すると同時に、被塗装面に擦り込まれるように塗布されるため、大きな凹凸部を有する被塗装面に対しても塗りこぼしなく、かつ、均一に塗布することができる。
【0011】
また、従来の吹き付け方式の場合と異なり、塗料を被塗装面に擦り込むように塗布していくため、塗料が垂れて仕上がり外観を損ねることがない。特に、ブラシマットによって塗布された塗料がへら部材によりならされるため、塗料が垂れず、かつ、滑らかな仕上がり面にすることができる。
【0012】
さらに、この塗装装置を自動車等に搭載して、順次移動させながら塗装していくようにすることにより、全く人手によらず、迅速に自動塗装を行うことができる。
【0013】
一方、請求項2に記載された手段によれば、ブラシマットが塗料流出管から振動装置に渡って配設され、かつ、流出孔に対応した開口がブラシマットに形成されているため、流出孔から流出した塗料がブラシマットの外に洩れることなく、ブラシマットによって拡散されるため、塗料を迅速に塗布し、塗料洩れによる塗料の損失を防止することができる。
【0014】
また、請求項3に記載された手段によれば、振動装置をベースにバネ部材により可動自在に支持することにより、ベースの被塗装面への押し付け力が変化した場合であっても、このバネ部材がその力の変動を吸収するため、ブラシマットの被塗装面への押し付け力を均一にし、常に、円滑な微振動を維持させ、均質な塗装を行うことができる。
【0015】
【実施例】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1から図8は、この発明の一実施例を示すものである。
【0017】
まず、この塗装装置10の全体の構成を説明すると、図1に示すように、箱状のベース1に二機の振動装置2が支持され、ベース1の走行方向に対して前側位置(以下「前方」という)に塗料流出管4が配設されている。この振動装置2と塗料流出管4とに渡って、これらを覆う形でブラシマット3が装着されている。また、ベース1の走行方向に対して後側位置(以下「後方」という)の側壁には、へら部材8が取り付けられている。
【0018】
詳細に説明すると、図1に示すように、ベース1には平板状の基板5が取り付けられ、この基板5の四隅にはキャスタ6、7が取り付けられている。このキャスタ6、7として、ベース1の前方の二つのキャスタ6には、回転式のキャスタが用いられ、後方の二つのキャスタ7には固定式のキャスタが用いられており、これにより塗装装置10の方向転換ができるようになっている。
【0019】
振動装置2は図2および図3に示すように、略直方体を呈しており、その振動面2aには、ブラシマット3を着脱可能に装着するための面ファスナ12が張り付けられている。また、塗料流出管4が配設される側の振動装置2の側面には、塗料流出管4を取り付けるための取付片14がボルト締結されている。この取付片14は、図2に示すように、L字状を呈しており、後述する塗料流出管4の止め輪15の抜け止めをする突起14aが形成されている。なお、この振動装置2の微振動の仕方として、塗装条件や塗料の種類に応じて、平面往復運動、平面回転運動、上下運動、および、これらの複合運動するものが選択されている。このような振動装置2が、線細工バネ29、および、ブラケット31を介してベース1に支持されている。
【0020】
即ち、線細工バネ29は、直径が2mm程度のバネ線材を大略ひし形に折曲させて形成され、図4に示すように、ブラケット31にネジ止めされる内径5mm程度に1回捻られた計4箇所のベース部側固定部であるブラケット側固定部29a…、上部左右に設けられて振動装置2にボルト止めされる、内径5mm程度に1回捻られた2箇所の振動装置側固定部29b、29bが形成されると共に、両端部には内径25mmの大径捻り部29c、29cが形成されている。
【0021】
左右一対のブラケット側固定部29a、29aの間隔は20mm程度、各振動装置側固定部29b、29bの間隔は80mm程度、振動装置側固定部29bとブラケット側固定部29aとの間隔は46mm程度に形成されている。
【0022】
このような線細工バネ29が、図5に示すように、コ字状を呈するブラケット31の一対の側壁面部31aに取り付けられている。このようにブラケット31に取り付けられた線細工バネ29に振動装置2が取り付けられ、図3に示すような振動装置ユニット11とされる。このようにユニット化した二つの振動ユニット11が、ブラケット31に取り付けた植え込みボルト32を介して、ベース1に取り付けられている(図2参照)。
【0023】
塗料流出管4には、図6に示すように、適当間隔で流出孔4aが穿孔されている。この各流出孔4aの大きさは、各流出孔4aから流出される塗料の量が均一になるように決定されている。この流出孔4aの近傍には、面ファスナ16が張り付けられ、この面ファスナ16の流出孔4aに相当する部位には、開口16aが形成されている。また、塗料流出管4の上部には、前記取付片14を取り付けるための止め輪15が溶接されている。なお、この塗料流出管4が取付片14を介して振動装置2に取り付けられているため、塗料流出管4を支持する部材を別途ベース1に設ける必要がなく、簡単な構造とすることができる。また、振動装置2が上下動した場合でも、これに追従して塗料流出管4も上下動するため、振動装置2と塗料流出管4との相対距離の変化によるブラシマット3の剥離を起こすこともない。
【0024】
ブラシマット3は、図2等に示すように、シート状を呈しており、ブラシ3aは、比較的毛足が短く、また、強く押し付けた場合でも、横に寝ないような比較的硬質の樹脂材で作られている。また、ブラシ3a面と反対面には、前記面ファスナ12、16と噛み合う面ファスナ13が張り付けられている。この面ファスナ13とブラシマット3には、それぞれ開口13a、および、3bが流出孔4aに相当する部位に形成されている。
【0025】
へら部材8は、図2に示すように、バネ特性を有する鋼板製の芯板8bと、これを挟む形で接着されているゴム材8aより構成され、芯板8bがベース1の側壁にちょうナット17により取り付けられている。そして、ブラシマット3が被塗装面20に押し付けられた際に、ゴム材8aの先端部がしなるように、へら部材8の高さ、および、固定位置が決定されている。このように、へら部材8は、芯板8bを有するため、ゴム材8aの厚みをさほど厚くすることなく、へら部材8全体の剛性を高くすることができるとともに、その先端部がゴムで構成されているため、滑らかに被塗装面20をならすことができる。
【0026】
一方、図7は、このような構成からなる塗装装置10を自動車18に搭載して、トンネル内の側壁面である被塗装面20を塗装している状態を示している。
【0027】
即ち、自動車18に搭載されたクレーン19に支持装置21が取り付けられ、この支持装置21に塗装装置10が自在継手(図示せず)を介して取り付けられて、これにより、塗装装置10が旋回できるようになっている。また、基板5と支持装置21との間に4つのコイルスプリング22が配設され、これらコイルスプリング22により塗装装置10を被塗装面20に接触させる姿勢に付勢している。
【0028】
次に、このような構成よりなる塗装装置10の作用について説明する。
【0029】
まず、自動車18をトンネルの側壁面20に沿わせ、クレーン19を操作して塗装装置10のブラシマット3を側壁面20に当接させるとともに、支持装置21の自在継手を回動操作して、塗装装置10の進行方向が略水平方向になるように(一対の回転式キャスタ6が自動車18の進行方向に位置するように)、塗装装置10の向きを調整する。
【0030】
この状態で振動装置2は、その自重により下方に垂れ下がろうとするが、一対の線細工バネ29により、その垂れ下がりが防止できるため、振動装置2の振動面2aに取り付けられたブラシマット3が側壁面20に略面接触した状態となる。ちなみに、線細工バネ29の代わりに単なるコイルスプリングを配設した場合には、振動装置2の垂れ下がりが生じ、ブラシマット3が側壁面20に片当りして、塗料の塗布が均一にされないこととなる。
【0031】
その後、塗料供給装置(図示せず)から塗料流出管4に塗料を供給するとともに、振動装置2を駆動させる。と同時に、自動車18を塗料供給量に合わせた適当な速度で前進させていく。すると流出孔4aから流出した塗料が、ブラシマット3と側壁面20との間に吸い込まれ、ブラシマット3の微振動により塗料が側壁面20に拡散、塗布されていく。
【0032】
このとき、図8に示すように、側壁面20に凸部20aや凹部20bがある場合でも、塗料に微振動が加えられて塗料の流動性が高まることとともに、ブラシ3aが凸部20aや凹部20bに当接された状態で微振動をするため、凸部20aや凹部20bの側部に対しても、漏れなく塗料を拡散、塗布することができる。特に、このことは、粘性の高い塗料に対しても同等の効果が得られるため、従来の吹き付け方式や手作業による場合と比べ、洩れのない、かつ、均一な塗装をすることができる。
【0033】
さらに、図8中符合20cで示すような深穴が側壁面20にある場合でも、ブラシ3aの微振動が、この深穴20c中の空気抜きの作用をし、塗料がこの深穴20c中に流動しやすくなる。この結果、このような深穴20cに対しても漏れなく塗料を拡散、塗布することができる。
【0034】
一方、塗布された塗料は、へら部材8によりならされる。このため、塗料が垂れず、かつ、滑らかな仕上がり面にすることができる。
【0035】
このように、トンネル内を走行しながら自動塗装していき、出口に達したところでクレーン19により塗装装置2の位置を移動し、再び、自動塗装を行っいく。これを順次繰り返し、側壁面20全体の塗装を終了する。
【0036】
このように、被塗装面20に流出された塗料が、微振動するブラシマット3によって振動を加えられて、流動化すると同時に、被塗装面20に擦り込まれるように塗布されるため、凹凸部20a、20bまたは深穴20cを有する被塗装面20に対しても、塗りこぼしなく、かつ、均一に塗布することができる。
【0037】
また、従来の吹き付け方式の場合と異なり、塗料を被塗装面20に擦り込むように塗布していくため、側壁面から塗料が垂れて仕上がり外観を損ねることがない。特に、ブラシマット3によって塗布された塗料がへら部材8によりならされるため、塗料が垂れず、かつ、滑らかな仕上がり面にすることができる。
【0038】
さらに、この実施例のように、塗装装置10を自動車18に搭載して、順次移動させながら塗装していくようにすることにより、全く人手によらず、迅速に自動塗装を行うことができる。
【0039】
一方、ブラシマット3が塗料流出管4から振動装置2に渡って配設され、かつ、流出孔4aに対応した開口3bがブラシマット3に形成されているため、流出孔4aから流出した塗料がブラシマット3の外に洩れることなく、ブラシマット3によって拡散されるため、塗料を迅速に塗布し、塗料洩れによる塗料の損失を防止することができる。
【0040】
また、振動装置2をベース1に線細工バネ29により可動自在に支持することにより、ベース1の被塗装面20への押し付け力が変化した場合であっても、この線細工バネ29がその力の変動を吸収するため、ブラシマット3の被塗装面20への押し付け力を均一にし、常に、円滑な微振動を維持させ、均質な塗装を行うことができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、被塗装面に流出された塗料が、微振動するブラシマットによって振動を加えられて、流動化すると同時に、被塗装面に擦り込まれるように塗布されるため、凹凸部を有する被塗装面に対しても塗りこぼしなく、かつ、均一に塗布することができる。
【0042】
また、従来の吹き付け方式の場合と異なり、塗料を被塗装面に擦り込むように塗布していくため、塗料が垂れて仕上がり外観を損ねることがない。特に、ブラシマットによって塗布された塗料がへら部材によりならされるため、塗料が垂れず、かつ、滑らかな仕上がり面にすることができる。
【0043】
さらに、この塗装装置を自動車等に搭載して、順次移動させながら塗装していくようにすることにより、全く人手によらず、迅速に自動塗装を行うことができる。
【0044】
一方、請求項2に記載された手段によれば、ブラシマットが塗料流出管から振動装置に渡って配設され、かつ、流出孔に対応した開口がブラシマットに形成されているため、流出孔から流出した塗料がブラシマットの外に洩れることなく、ブラシマットによって拡散されるため、塗料を迅速に塗布し、塗料洩れによる塗料の損失を防止することができる。
【0045】
また、請求項3に記載された手段によれば、振動装置をベースにバネ部材により可動自在に支持することにより、ベースの被塗装面への押し付け力が変化した場合であっても、このバネ部材がその力の変動を吸収するため、ブラシマットの被塗装面への押し付け力を均一にし、常に、円滑な微振動を維持させ、均質な塗装を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す塗装装置の斜視図である。
【図2】同実施例を示す塗装装置の側面図である。
【図3】同実施例における振動ユニットの斜視図である。
【図4】同実施例における線細工バネの正面図である。
【図5】同実施例における線細工バネをブラケットに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】図2における塗料流出管のA−A断面図である。
【図7】同実施例における塗装装置を自動車に搭載して、側壁面を塗装している状態を示す斜視図である。
【図8】同実施例におけるブラシマットのブラシが、被塗装面に押し付けられている状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ベース
2 振動装置
3 ブラシマット
4 塗料流出管
8 へら部材
10 塗装装置
Claims (3)
- 被塗装面上を走行するベースを備え、
該ベースの走行方向において前側位置に、供給された塗料を前記被塗装面上に流出させる流出孔が長手方向に沿って複数穿孔された塗料流出管を、前記被塗装面に平行で前記走行方向と直交するする方向に配設し、
該塗料流出管より走行方向において後側に微振動する振動装置を配設し、
前記被塗装面に当接された状態で、該振動装置により振動されて前記塗料流出管の各流出孔から流出された前記塗料を前記被塗装面に拡散させて擦り込むように塗布するシート状のブラシマットを、前記塗料流出管から前記振動装置に渡って着脱自在に配設すると共に前記流出孔に対応した開口を形成し、該ブラシマットの裏面が前記塗料流出管の周囲に取付けられて前記塗料が前記流出孔から前記開口を通じて前記被塗装面側に流出するように設けると共に、該ブラシマットの裏面が前記振動装置に取付けられて該振動装置による振動を前記ブラシマットに伝達するように設け、更に、該ブラシマットより走行方向において後側に、前記ブラシマットにより塗布された前記塗料をならすへら部材を配設したことを特徴とする塗装装置。 - 前記ブラシマットは、前記ベースの走行方向の前側位置における部分が捲くられて前記塗料流出管に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の塗装装置。
- 前記振動装置は前記ベースに線細工バネ部材により可動自在に支持され、前記線細工バネ部材は捻り部が両端部に形成されると共に、前記振動装置に固定される振動装置側固定部と、前記ベースに固定されるベース部側固定部とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の塗装装置。
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