JP3632802B2 - 複合加工装置 - Google Patents

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Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は曲げながら孔開け加工のできる複合加工装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
図５（ａ）〜（ｃ）は従来の押出し材の曲げ及び孔開け加工説明図であり、一般にワークに曲げ及び孔開けを施すには次の手順による。
（ａ）は従来の代表的なベンダーの原理図を示し、ベンダー１００は金型１０１と固定チャック１０２と移動チャック１０３とからなり、ワークとしての中空材１０４を固定チャック１０２と移動チャック１０３とで把持し、移動チャック１０３で矢印▲１▼の如くテンションを掛ける。
（ｂ）において、テンションを掛けつつ、移動チャック１０３を矢印▲２▼の如く移動して、中空材１０４を金型１０１の湾曲面１０５へ押し当てることで、曲げ成形する。
（ｃ）において、ボール盤のドリル１０６，１０７で成形済の中空材１０４に孔１０８，１０９を開ける。
【０００３】
図６（ａ）〜（ｄ）は従来のワークの各種断面を示す図である。ワークに各種の小物部品を取付けたり、ワークを他の部材にボルト等で結合することがあり、このときには、ボルト等を取付けるためにワークに孔を開けるか、クリップを取付ける必要があり、これらの具体例を以下に説明する。
（ａ）は、チャンネル状ワーク１１１をダイ１１２に載せ、パンチ１１３で孔１１４を打ち抜き形成した例を示す。１１５は打ち抜き屑である。
【０００４】
（ｂ）は、矩形断面のワーク１２１をパンチ１２３で打ち抜いた例を示すが、ワーク１２１がアルミニウム合金などの軽合金押出し材の場合は、剛性が小さいため、図示したとおりにパンチ面が下へ湾曲し、この湾曲変形を矯正する作業が必要となり、加工工程が増え、加工費が上がる。そこで、（ａ）のようにワーク１１１をチャンネル状にしてパンチ面を直接的にダイ１１２で受ける必要があるわけである。または、前記図５（ｃ）のように、ドリル１０６，１０７で孔開けをする必要がある。ドリル１０６，１０７であればワークとしての中空材１０４に与える影響がパンチ１２３に比べて軽微であるからである。
【０００５】
（ｃ），（ｄ）は、凹溝１３１の付いたワーク１３２に逆Ｔ字断面のクリップ１３３を取付ける形式のものを示し、押出し成形であれば凹溝１３１は簡単に一体成形できる、ワーク１３２に孔開けを施す必要がない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
図５の例では、曲げ加工機からワークを外し、このワークをボール盤にセットする必要があり、段取りが２回必要となるため加工時間が延びて加工コストが上がる。
【０００７】
図６（ａ），（ｂ）から明らかな如く、ワークが矩形断面であれば、ドリルで孔開けするしかなく、孔が丸孔に限られる。
図６（ｃ），（ｄ）は、凹溝１３１を付けただけ重くなり、材料費が嵩むと共に、構造物の全体重量が増すことになる。
【０００８】
そこで、本発明の目的は、１回の段取りで曲げと孔開けを実施すること、及び孔の形状を任意に選択することのできる技術を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項１は、中子芯金を挿入した中空材に、孔開け機構及び曲げ機構にて孔開けと曲げとを連続して行える複合加工装置であって、中子芯金に、側面に形成した凹部と、先端に連結部材を介して連続的に且つ傾動自在に取付けた傾動芯金とを備え、孔開け機構は、凹部にパンチ又はドリルの先を進入させることで前記中空材に孔を開け、曲げ機構は、曲げ駒を水平軸を介して保持部材に取付け、この保持部材を縦軸を介して旋回輪に取付けることで、曲げ駒の姿勢が３次元的に調整でき、傾動芯金を芯に中空材を曲げ駒でベンデイングする、ことを特徴とする複合加工装置である。
【００１０】
中子芯金をダイにしてパンチ又はドリルで孔を開ける。次に、曲げ機構で曲げ加工を施す。従って、１回の段取りで孔開けと曲げを行なうことができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図１は本発明に係る複合加工装置の斜視図であり、複合加工装置１は、ベッド２と、このベッド２上に設けた孔開け機構１０と、ワーク固定型１９と、ベッド２の出口側に設けた曲げ機構２０と、不図示の中子芯金とからなる。４はワークとしての中空材である。
【００１２】
曲げ機構２０は、マルチベンダーと称するもので、曲げ駒２１を水平軸２２を介して保持部材２３に取付け、この保持部材２３を縦軸２４を介して図示せぬ旋回輪に取付けることで、曲げ駒２１の姿勢が３次元的に調整できるものである。
【００１３】
図２は本発明に係る複合加工装置の断面図である。
孔開け機構１０は、スタンドブロック１１と、このスタンドブロック１１内に上下動可能に取付けたホルダ１２と、このホルダ１２を昇降する油圧シリンダ１３（図１参照）と、ホルダ１２の下面に取付けたパンチ１４，１５，１６とからなる。１１ａ，１１ａはガイド溝、１２ａ，１２ａは突条である。
ワーク固定型１９は詳細な内部機構は省略するが、前記曲げ機構２０で中空材４を曲げる際に中空材４を必要に応じて固定する役目を果たす部材である。
【００１４】
中子芯金３０は後端にロッド３１、側面に凹部３２，３３，３４、先端に傾動自在に傾動芯金３５，３６を取付けたものであり、中空材４に挿入する部材である。なお、中間の連結用傾動芯金３５は省略して、先端の傾動芯金３６を直接中子芯金３０に取り付けても良い。又、先頭の傾動芯金３６は上下のみならず左右（図面表裏）方向へも移動可能にピボット連結したものである。
【００１５】
以上の構成からなる複合加工装置の作用を次に説明する。
図２において、スタンドブロック１１及びワーク固定型１９にストレートの中空材４を矢印▲３▼の如く押込み、先端を曲げ駒２１に差し入れる。ただし、このときには曲げ駒２１は線Ｌ１上にある。この中空材４に矢印▲３▼に従って、傾動芯金３６が曲げ駒２１に臨むまで中子芯金３０を挿入する。なお、予め傾動芯金３５，３６及び中子芯金３０を中空材４に挿入したものを、スタンドブロック１１及びワーク固定型１９に押し込んでもよく、作業順序は本例に限るものではない。
【００１６】
次に、曲げ駒２１を矢印▲４▼の如く移動して中空材４を曲げ、以降、図示せぬ押出し機構で中空材４のみを矢印▲３▼の如く低速で押出す。そうすれば、中空材４を連続的にベンデイングすることができる。なお、このときには、中子芯金３０を横移動せぬように止めておく。具体的には凹部３２〜３４がパンチ１４〜１６に対向する位置に達したら、ロッド３１で移動を制限する。
次に、中空材４の所定部分がスタンドブロック１１に達したら、ホルダ１２を素速く下げ、パンチ１４〜１６を凹部３２〜３４へ進入させるようにして中空材４を打ち抜く。
【００１７】
図３は本発明の技術で製造した中空材の一例を示す図であり、例えば、中空材４は曲り梁であり、途中に角孔４１，丸孔４２，楕円孔４３が開いている。
即ち、パンチ１４〜１６及び凹部３２〜３４の形状を変更することで、任意の形状で且つ大きさの開口を形成することができ、図２に示した通り中子芯金３０がダイの作用をなすので、中空材４に撓みなどが発生しないことを特徴とする。
【００１８】
図４は本発明の複合加工機の変形例を示す断面図であり、孔開け機構１０にドリル４５〜４７を採用したものであり、他の構成は図２と同じであるから符号を準用して詳細な説明は省略する。
すなわち、中空材４の所定箇所にドリル４５〜４７で孔を開けることができる。
【００１９】
図２〜４の例では中空材４の上面に孔を開けたが、孔は中空材４の側面、下面にも開けることができる。
また、パンチ１４〜１６、ドリル４５〜４７の数は任意である。
【００２０】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項１は、中子芯金を挿入した中空材に、孔開け機構及び曲げ機構にて孔開けと曲げとを連続して行える複合加工装置であって、中子芯金に、側面に形成した凹部と、先端に連結部材を介して連続的に且つ傾動自在に取付けた傾動芯金とを備え、孔開け機構は、凹部にパンチ又はドリルの先を進入させることで中空材に孔を開け、曲げ機構は、曲げ駒を水平軸を介して保持部材に取付け、この保持部材を縦軸を介して旋回輪に取付けることで、曲げ駒の姿勢が３次元的に調整でき、傾動芯金を芯に中空材を曲げ駒でベンデイングする複合加工装置である。
中子芯金をダイにしてパンチ又はドリルで孔を開ける。次に、曲げ機構で曲げ加工を施す。従って、１回の段取りで孔開けと曲げを行なうことができ、加工時間の短縮と関連設備の小型化とが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る複合加工装置の斜視図
【図２】本発明に係る複合加工装置の断面図
【図３】本発明の技術で製造した中空材の一例を示す図
【図４】本発明の複合加工機の変形例を示す断面図
【図５】従来の押出し材の曲げ及び孔開け加工説明図
【図６】従来のワークの各種断面を示す図
【符号の説明】
１…複合加工装置、２…ベッド、４…中空材、１０…孔開け機構、１４〜１６…パンチ、２０…曲げ機構、２１…曲げ駒、２２…水平軸、２３…保持部材、２４…縦軸、３０…中子芯金、３１…ロッド、３２〜３４…凹部、３５…連結部材（傾動芯金）、３６…傾動芯金、４５〜４７…ドリル。

Claims (1)

  1. 中子芯金を挿入した中空材に、孔開け機構及び曲げ機構にて孔開けと曲げとを連続して行える複合加工装置であって、
    前記中子芯金は、側面に形成した凹部と、先端に連結部材を介して連続的に且つ傾動自在に取付けた傾動芯金とを備え、
    前記孔開け機構は、前記凹部にパンチ又はドリルの先を進入させることで前記中空材に孔を開け、
    前記曲げ機構は、曲げ駒を水平軸を介して保持部材に取付け、この保持部材を縦軸を介して旋回輪に取付けることで、前記曲げ駒の姿勢が３次元的に調整でき、傾動芯金を芯に中空材を前記曲げ駒でベンデイングする、
    ことを特徴とする複合加工装置。
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