JP3632562B2 - 圧電アクチュエータ、時計および携帯機器 - Google Patents

圧電アクチュエータ、時計および携帯機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電アクチュエータ、これを備えた時計および携帯機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電素子は、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や、応答性に優れていることから、近年、圧電素子の圧電効果を利用した各種の圧電アクチュエータが開発されている。この圧電アクチュエータは、圧電ブザー、プリンタのインクジェットヘッド、あるいは超音波モータなどの分野に応用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圧電素子の変位は印加電圧にもよるが微小であり、サブミクロン程度であるのが通常であり、上述した共振周波数で振動させる場合でも同様である。このため、なんらかの増幅機構によって変位を増幅してロータに伝達することが行われている。しかし、増幅機構を用いた場合、それ自身を動かすためにエネルギーが消費され、効率が低下するといった問題があるとともに、装置のサイズが大きくなってしまうといった問題もある。また、圧電アクチュエータを腕時計などの携帯機器に搭載する場合には、電池駆動されることとなり、低電力で動作することが要求される。
【0004】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、簡易な構成でありながら、低電力での動作が可能な圧電アクチュエータ、これを備えた時計および携帯機器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の圧電アクチュエータは、支持体と、
ほぼ四角形板状の圧電素子と補強部とが積層された振動板と、
前記振動板を前記支持体に対して振動可能に支持する支持部材とを備える圧電アクチュエータであって、
前記支持部材は、前記振動板をその角部で支持するとともに、当該角部と隣り合ういずれか一方の角部が駆動対象と当接するように支持し、
前記圧電素子に電力を供給して伸縮させ、この伸縮により前記振動板を振動させて前記駆動対象と当接する駆動角部が楕円軌道に沿って移動するようにしたことを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に記載の圧電アクチュエータは、請求項1に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記支持部材は、前記振動板の対向する角部の両者で前記振動板を支持しており、
前記支持部材により支持される2つの前記角部を結ぶ線が前記振動板の重心を通ることを特徴としている。
【0007】
また、請求項3に記載の圧電アクチュエータは、請求項2に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記振動板は、当該振動板の重心位置を中心として回転対称の形状であることを特徴としている。
【0008】
また、請求項4に記載の圧電アクチュエータは、請求項2または3に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記駆動角部は、2つの前記角部を結ぶ線に対して前記振動板の面内方向において直交する線上と異なる位置にあることを特徴としている。
【0009】
また、請求項5に記載の圧電アクチュエータは、請求項2ないし4のいずれかに記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記振動板における2つの前記角部を支持する前記支持部材の各支持部分は、それぞれ異なる形状であることを特徴としている。
【0010】
また、請求項6に記載の圧電アクチュエータは、請求項2ないし4のいずれかに記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記振動板における2つの前記角部を支持する前記支持部材の各支持部分は、それぞれ異なる弾性率を有するものであることを特徴としている。
【0011】
また、請求項7に記載の圧電アクチュエータは、請求項1ないし6のいずれかに記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記振動板は、ほぼ平行四辺形状であることを特徴としている。
【0012】
また、請求項8に記載の時計は、請求項1ないし7のいずれかに記載の圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータによって回転駆動されるリング状のカレンダー表示車とを具備することを特徴としている。
【0013】
また、請求項9に記載の携帯機器は、請求項1ないし8のいずれかに記載の圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータに電力を供給する電池とを具備することを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
A.全体構成
まず、図1は、本発明の一実施形態に係る圧電アクチュエータを組み込んだ腕時計のカレンダー表示機構の主要構成を示す平面図である。圧電アクチュエータA1は、面内方向(図の紙面と平行な方向)に伸縮振動する振動板10およびロータ100から大略構成されている。ロータ100は地板103に回転自在に支持されるとともに、振動板10の角部と当接する位置に配置されており、振動板10に生じる振動によってその外周面が叩かれると、図中矢印で示す方向に回転駆動されるようになっている。
【0015】
次に、カレンダー表示機構は、圧電アクチュエータA1と連結しており、その駆動力によって駆動される。カレンダー表示機構の主要部は、ロータ100の回転を減速する減速輪列とリング状の日車50から大略構成されている。また、減速輪列は日回し中間車40と日回し車60とを備えている。
【0016】
ここで、上述したように振動板10が面内方向に振動すると、振動板10と当接しているロータ100が時計回り方向に回転させられる。ロータ100の回転は、日回し中間車40を介して日回し車60に伝達され、この日回し車60が日車50を時計回り方向に回転させる。
【0017】
B.圧電アクチュエータの構成
次に、本実施形態に係る圧電アクチュエータA1について説明する。図2に示すように、圧電アクチュエータA1は、2組の対辺の長さが異なるほぼ平行四辺形状の振動板10と、この振動板10を地板103(図1参照)に支持する支持部材11とを備えている。
【0018】
振動板10のロータ100側の角部35は、ロータ100側に向けて突設されたステンレス鋼等からなる突起部36を有しており、この突起部36がロータ100の外周面に接触している。このような突起部36を設けることにより、ロータ100との接触面の状態等を維持するために突起部36に対してのみ研磨等の作業を行えばよいので、ロータ100との接触部の管理が容易となる。
【0019】
また、図示のように本実施形態では、突起部36は、平面的に視てロータ100側に突出した曲面形状になされている。このようにロータ100と当接する突起部36を曲面形状にすることにより、ロータ100と振動板10の位置関係がばらついた(寸法ばらつきなどによる)場合にも、曲面であるロータ100の外周面と曲面形状の突起部36との接触状態がさほど変化しない。従って、安定したロータ100と突起部36の接触状態を維持することができる。
【0020】
振動板10のロータ100側の角部35と隣り合う角部135,136には、それぞれ支持部材11の一端部37が取り付けられている。各支持部材11の他端部38は、ネジ39により地板103(図1参照)に支持されている。この構成の下、各支持部材11は、その弾性力によって振動板10をロータ100側に付勢した状態で支持しており、これにより振動板10に設けられた突起部36はロータ100の側面に当接させられている。ここで、振動板10は平行四辺形状であるため、支持部材11に支持される角部135,136を結ぶ線Sは、振動板10の重心Gを通るようになっている。そして、突起部36が設けられた角部35は、この線Sと振動板10の面内方向において直交する直交線T上からずれた位置になるように振動板10が支持されている。
【0021】
また、図示のように、いずれか一方(図の上方)の支持部材11の地板103への固定位置、つまりネジ39が端部38を止める位置は図の左右方向に調整できるようになされている。これにより、振動板10の支持位置の調整等を行えるようになっており、突起部36がロータ100を押圧する力等を調整することができる。
【0022】
図3に示すように、振動板10は、2つの平行四辺形状の圧電素子30,31の間に、これらの圧電素子30,31とほぼ同形状であり、かつ圧電素子30,31よりも肉厚の小さいステンレス鋼などの補強板(補強部)32を配置した積層構造となっている。このように圧電素子30,31の間に補強板32を配置することにより、振動板10の過振幅や外力に起因する振動板10の損傷を低減することができる。また、補強板32としては、圧電素子30,31よりも肉厚の小さいものを用いることにより、圧電素子30,31の振動を極力妨げないようにしている。
【0023】
上下に配置された圧電素子30,31の面上には、それぞれ電極33が配置されている。この電極33を介して圧電素子30,31に電圧が供給されるようになっている。ここで、圧電素子30,31としては、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT(商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛((Pb(Zn1/3−Nb2/3)03 1−x−Pb Ti 03 x)xは組成により異なる。x=0.09程度)、スカンジウムニオブ酸鉛((Pb((Sc1/2Nb1/2)1−x Tix)) 03)xは組成により異なる。x=0.09程度)等の各種のものを用いることができる。
【0024】
C.圧電アクチュエータの動作
次に、上記構成の圧電アクチュエータA1の動作について説明する。まず、図示せぬ駆動回路から振動板10に電圧が印加されると、圧電素子30,31が伸縮することによって振動板10が振動させられる。その際、図4に示すように、振動板10が伸縮するように振動させられるようになっており、これにより振動板10は図2中矢印で示す方向に縦振動することになる。このように圧電素子30,31に交流電圧を印加して縦振動を励振すると、振動板10の重量バランスのアンバランスさやロータ100から受ける反力等によって振動板10は幅方向の屈曲振動が誘発されることになる。重量バランスにより誘発される屈曲振動について具体的に説明すると、振動板10が縦振動をした場合、その支点(無負荷時には重心)を中心とした回転モーメントが作用し、振動板10の長手方向と直交する幅方向に揺動することになり、上記のように突起部36が直交線Tからずれた位置にある場合には、上記回転モーメントが作用して屈曲振動が誘発されるようになっている。このような縦振動と屈曲振動とが生じると、振動板10の突起部36におけるロータ100の外周面との接触部分は、図5に示すように楕円軌道に沿って移動させられる。
【0025】
このような突起部36の移動に伴ってロータ100が回転駆動されるようになっている。ロータ100が回転させられることにより、中間車101を介して日車102が回転させられ(図1参照)、表示される日や曜が切り換わるようになっている。
【0026】
以上のように上記圧電アクチュエータA1では、縦振動と屈曲振動とが結合した振動を振動板10に生じさせることにより、突起部36を楕円軌道に沿って移動させてロータ100をより多く駆動することができる。つまり、高効率の駆動が可能となる。
【0027】
ところで、上述したような平行四辺形状の振動板10を用いず、矩形状の振動板を用いた場合にも、その設置条件や寸法の縦横比等を適宜調整すれば、突起部36を楕円軌道に沿って移動させることも可能であるが、以下、本実施形態において平行四辺形状の振動板10を採用した理由について説明する。
【0028】
まず、図6に示すように、矩形状の振動板60を採用し、その長辺の中央付近で支持する構造の場合(圧電素子と補強板との積層構造等は振動板10と同一とする)、幅方向の中心線Cからずれた位置にロータ(図示略)と接触する突起部36を設けるとともに、振動板60の突起部36が設けられた端部と反対側の端部に重量部61を設けることにより、振動板の重量バランスにアンバランスさを持たせ、縦振動によって屈曲振動を誘発させることができる。ここで、矩形状の振動板10の寸法の縦横比を適宜調整すれば、図7中破線で示すようなインピーダンス特性を有する矩形状の振動板を作製することができる。そして、インピーダンスの極小値である縦振動の共振周波数もしくは屈曲振動の共振周波数近傍の周波数で圧電素子を駆動すれば、より大きな振幅の縦振動および屈曲振動が生じ、突起部36がより大きな楕円軌道に沿って移動することになる。さらには、屈曲振動の共振周波数で駆動すれば、より大きな楕円軌道に沿って突起部36が移動し、高効率での駆動が可能であることが本出願人が行った実験等によって確認されている。
【0029】
このように矩形状の振動板60であっても、その寸法の縦横比や突起部36等の配設位置を適宜調整すれば、突起部36が大きな楕円軌道の沿って移動し、高効率での駆動が可能となる。これに対し、本実施形態のように平行四辺形状の振動板10を用いた場合、その寸法等を適宜調整すれば、図7中実線で示すようなインピーダンス特性を有する振動板を作製することができる。矩形状の振動板60のインピーダンス特性と、平行四辺形状の振動板10のインピーダンス特性とを比較すると、振動板10の屈曲振動の共振点におけるインピーダンスの極小値が、振動板60のインピーダンスの極小値よりも小さくなっていることが分かる。そして、上述したように最も高効率が得られると考えられる屈曲振動の共振周波数近傍の駆動周波数の電圧で駆動した場合には、よりインピーダンス値の小さい振動板10が大きな振幅の屈曲振動を生じることになる。実験的にも、図8に示すように、平行四辺形状の振動板10を用いた場合、矩形状の振動板60よりも大きな楕円軌道に沿って突起部36が移動することが確認された。言い換えれば、振動板10では矩形状の振動板60よりも低い電圧で駆動した場合にも、同じ振幅の屈曲振動を誘発させることができる。従って、圧電アクチュエータA1では、矩形状の振動板を有するアクチュエータと比較し、同じ能力を発揮させる場合には、より低電力での動作が可能となるのである。
【0030】
また、上記のように振動板10は角部135,136が支持されるとともに、角部35がロータ100と当接する突起部36を有している。すなわち、振動板10の支持部分における幅方向(図2の略上下方向)の長さよりも突起部36が設けられた角部35の幅方向の長さが小さい、つまり振動板10は支持部分から駆動部である突起部36側に移動するにつれて細くなる形状である。従って、支持部分から離れた細い角部35近傍がより大きく変位することになり、この部分に設けられた突起部36をより大きな楕円軌道に沿って移動させることができる。言い換えれば、同じ変位を得る場合には、矩形状の振動板よりも振動板の平面的な面積を縮小、つまり圧電素子の面積を縮小することができ、これにより低電力化が可能となる。
【0031】
さらに、上記のような平行四辺形状の振動板10は、重心Gを中心軸として180度回転させた場合に重なる形状、つまり回転対称の形状である。従って、圧電素子の伸縮により励起される振動板10の一次の縦振動の節が角部135,136を結ぶ線Sとほぼ一致する。このように振動板10をその振動の節の位置で支持することにより、支持部材11が振動板10の振動の妨げとなることを低減し、より大きな振幅の振動を得る、つまりより大きな楕円軌道に沿って突起部36を移動させることができる。
【0032】
また、振動板10の振動の節を境界とし、両側(角部35側とその反対側)になるにつれてほぼ同じように細くなる形状であるため、いずれか一方側の形状が大きく異なっている場合(例えば、図9参照)と比較して安定した振動が得られると考えられる。
【0033】
また、矩形状および平行四辺形状以外の形状の振動板を用いた場合にも、高効率化や低電力化が可能となる形状も考えられうるが、本実施形態のように平行四辺形状の振動板は、ダイシング等による切断作業が容易である。また、低電力化や高効率での駆動を可能とするために、何らかの構成部品を付加したりする必要もなく、形状を平行四辺形状にするといった簡易な方法で実現することができる。
【0034】
以上のように駆動効率のさらなる向上する点、低電流での動作を可能とする点、駆動を安定させる点、製造が容易になる点といった4つの点を考慮し、本出願人は、上記のような平行四辺形状の振動板10を採用しているのである。
【0035】
D.変形例
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下のような種々の変形が可能である。
【0036】
(変形例1)
上述した実施形態においては、2組の対辺の長さが異なる平行四辺形状の振動板10を用いるようにしていたが、これに限らず、図10に示すように、ひし形状(2組の対辺の長さが同一)の振動板110を用いるようにしてもよい。ここで、振動板110は、その平面形状以外の圧電素子と補強板の積層構造等といった点では、上記実施形態の振動板10と同様である。
【0037】
ひし形状の振動板110の場合に図示のように角部111,112で支持した場合、重量バランスのアンバランスさがほとんどなく、振動板110に縦振動のみが生じ、屈曲振動がほとんど誘発されない。そこで、屈曲振動を誘発するために、本変形例においては、図示のように角部111,112を支持する支持部材11の幅の大きさ(図示の場合、t1<t2)を変え、支持構造のアンバランスさを利用して屈曲振動を誘発している。
【0038】
この構成の下、上述した実施形態と同様に振動板110の圧電素子に駆動電圧を印加すると、圧電素子の伸縮により縦振動が励起されるとともに、支持構造のアンバランスさにより屈曲振動が誘発される。従って、上述した実施形態と同様に突起部36が楕円軌道に沿って移動し、ロータ100を高効率かつ低電力で駆動することが可能となる。
【0039】
なお、この変形例においては、支持部材11の端部37の幅を変えることにより、支持構造をアンバランスとして振動板110に屈曲振動が誘発されるようにしていたが、同じ形状ではあるが弾性率の異なる支持部材11を用いて支持構造をアンバランスにして屈曲振動を誘発させるようしてもよい。また、上記変形例においては、支持部材11の幅全体を変えるようにしていたが、支持部材11の端部37近傍の幅を変えるだけでもよい。
【0040】
(変形例2)
また、上述した実施形態では、平行四辺形状の振動板10を用いるようにしていたが、これに限らず、ほぼ四角形状の振動板を角部で支持するとともに、支持した角部と隣り合う角部がロータ100と当接するような構造であればよい。例えば、図11に示すような形状の振動板120を用いるようにしてもよい。このような形状の振動板120を用いた場合にも、振動の節近傍で振動板120を支持できるとともに、その支持位置から両側(図の左右側)が細くなる形状であるため、上述した実施形態と同様に低電力で高効率の駆動が可能となる。
【0041】
(変形例3)
また、上述した実施形態では、ロータ100を回転駆動する構成となっていたが、これに限らず、駆動対象を直線駆動する構成であってもよい。
【0042】
(変形例4)
また、上述した実施形態では、この圧電アクチュエータA1を腕時計のカレンダー機構に搭載した場合について説明したが、この圧電アクチュエータA1は低電力で高効率の駆動が可能であるため、これ以外にも電池駆動される携帯機器などに搭載するようにしてもよい。
【0043】
(変形例5)
また、図12に示すような形状の振動板420を用いるようにしてもよい。同図に示すように、この振動板420は、上記実施形態における振動板10と比較して、ロータ100側の角部35とその反対側の角部35aがカットされた形状となっている。この角部35,35aには、それぞれ突起部36,36aが設けられており、全体としてほぼ平行四辺形状になされている。そして、この突起部36の変位により上記実施形態と同様にロータ100を回転駆動している。このように角部35,35aがカットされた形状の振動板420は、振動板10と比較して角部35の先端幅が太くなるため、振幅は振動板10よりも小さくなるが、剛性は振動板10よりも向上することになる。従って、振動板10よりも高トルクでのロータ100の駆動が可能となる。従って、低速高トルク駆動を行う場合には、本変形例のような形状の振動板420を用いればよい。一方、高速駆動を行う場合には、上述した実施形態における振動板10を用いるようにすればよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡易な構成でありながら、低電力での動作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る圧電アクチュエータを備えた時計のカレンダー表示機構の主要構成を示す平面図である。
【図2】前記圧電アクチュエータの全体構成を示す平面図である。
【図3】前記圧電アクチュエータの構成要素である振動板を示す側断面図である。
【図4】前記振動板が縦振動する様子を示す図である。
【図5】前記振動板の振動時における前記振動板の角部に設けられた突起部の軌道を説明するための図である。
【図6】前記圧電アクチュエータによる作用効果を説明するために比較する形状が矩形状の振動板を示す平面図である。
【図7】本実施形態に係る前記圧電アクチュエータの前記振動板の振動周波数とインピーダンスとの関係と、前記矩形状の振動板の振動周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフである。
【図8】本実施形態に係る前記圧電アクチュエータの前記振動板に設けられた前記突起部の軌道と、前記矩形状の振動板に設けられた突起部の軌道とを示す図である。
【図9】前記圧電アクチュエータによる作用効果を説明するために比較する振動板を示す平面図である。
【図10】前記圧電アクチュエータの変形例の全体構成を示す平面図である。
【図11】前記圧電アクチュエータの他の変形例の全体構成を示す平面図である。
【図12】前記圧電アクチュエータのその他の変形例の全体構成を示す平面図である。
【符号の説明】
10……振動板、11……支持部材、30……圧電素子、31……圧電素子、32……補強板、33……電極、35……角部、36……突起部、37……端部、100……ロータ、110……振動板、120……振動板、135……角部、136……角部、A1……圧電アクチュエータ

Claims (9)

  1. 支持体と、
    ほぼ四角形板状の圧電素子と補強部とが積層された振動板と、
    前記振動板を前記支持体に対して振動可能に支持する支持部材とを備える圧電アクチュエータであって、
    前記支持部材は、前記振動板をその角部で支持するとともに、当該角部と隣り合ういずれか一方の角部が駆動対象と当接するように支持し、
    前記圧電素子に電力を供給して伸縮させ、この伸縮により前記振動板を振動させて前記駆動対象と当接する駆動角部が楕円軌道に沿って移動するようにした
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記支持部材は、前記振動板の対向する角部の両者で前記振動板を支持しており、
    前記支持部材により支持される2つの前記角部を結ぶ線が前記振動板の重心を通る
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記振動板は、当該振動板の重心位置を中心として回転対称の形状である
    ことを特徴とする請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記駆動角部は、2つの前記角部を結ぶ線に対して前記振動板の面内方向において直交する線上と異なる位置にある
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記振動板における2つの前記角部を支持する前記支持部材の各支持部分は、それぞれ異なる形状である
    ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  6. 前記振動板における2つの前記角部を支持する前記支持部材の各支持部分は、それぞれ異なる弾性率を有するものである
    ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  7. 前記振動板は、ほぼ平行四辺形状である
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータによって回転駆動されるリング状のカレンダー表示車と
    を具備することを特徴とする時計。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータに電力を供給する電池と
    を具備することを特徴とする携帯機器。
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