JP3631839B2 - オイルクーラ付きラジエータタンク - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジエータのタンクにオイルクーラを配置したオイルクーラ付きラジエータタンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車では、ラジエータのタンク内に、エンジンオイル等のオイルを冷却するためのオイルクーラを収容したものが知られており、また、例えば、特公昭47−29216号公報に開示されるように、タンクの外壁にオイルクーラを配置したものが知られている。
【0003】
図8は、この公報に開示されるオイルクーラ付きラジエータタンクを示すもので、このオイルクーラ付きラジエータタンクでは、タンク本体11の外周に間隔を置いて外側プレート13を密閉して配置し、タンク本体11と外側プレート13との間にインナーフィン15を配置して構成されている。
そして、タンク本体11,外側プレート13およびインナーフィン15は、アルミニウムからなり相互にろう付けされている。
【0004】
なお、符号17は、チューブ19が挿通されるヘッダープレートである。
上述したオイルクーラ付きラジエータタンクでは、タンク本体11と外側プレート13との間に、オイルが流通されるオイル通路21が形成されるため、タンク本体11内にオイルクーラを収容する必要がなくなり、シール構造を簡易なものにすることができる。
【0005】
しかし、このようなオイルクーラ付きラジエータタンクでは、タンク本体11の外周に間隔を置いて外側プレート13を配置してオイル通路21を形成しているため、部品点数が多くなり、部品の製造,組立に多大な工数が必要になるという問題があった。
【0006】
そこで、本出願人は、このような問題を解決したオイルクーラ付きラジエータタンクを開発し、先に特願平7−152950号として出願した。
図9は、このオイルクーラ付きラジエータタンクを示すもので、このオイルクーラ付きラジエータタンクでは、アルミニウムの押出し成形により、タンク本体31と共に、タンク本体31の肉部31aに軸長方向に沿って空洞のオイル通路31bが一体に形成されている。
【0007】
このオイル通路31bの軸長方向の両側には、オイル通路31bに連通する一対のオイル流入パイプ33および図示しないオイル流出パイプが配置されている。
そして、タンク本体31の両端には、パッチエンド35がろう付けにより固定され、オイル通路31bが閉塞されている。
上述した、オイルクーラ付きラジエータタンクでは、アルミニウムの押出し成形により、タンク本体31と共に、タンク本体31の肉部31aに軸長方向に沿って空洞のオイル通路31bが一体に形成されるため、オイルクーラーのオイル通路31bを容易,確実に形成することができ、オイル通路31bの気密性を非常に高いものにすることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイルの流量を多くするために、オイル通路31bの断面積を大きくすると、タンク本体31に連続する大きな断面積の空洞部が形成されるため、タンク本体31の剛性が低下するという問題があった。
【0009】
また、オイル流入パイプ33とオイル流出パイプに連通された単一のオイル通路31bによりオイルを流通しているため、パッチエンド35とオイル流入パイプ33との間、また、パッチエンド35とオイル流出入パイプとの間のオイルが流通されず、オイル流入パイプ33とオイル流出パイプとをタンク本体31の端部側に配置する必要があり、オイルクーラ付きラジエータタンクを設計する上でオイル流入パイプ33とオイル流出パイプの配置個所が制限されるという問題があった。
【0010】
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、高い剛性を有し、オイル流入パイプおよびオイル流出パイプの配置個所を自由度高く設計することができるオイルクーラ付きラジエータタンクを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクは、アルミニウムの押出し成形によりタンク本体を形成すると共に、前記タンク本体の肉部に軸長方向に沿って隔壁を介して複数のオイル通路を一体形成し、前記タンク本体の両端にパッチエンドを配置し、前記オイル通路の端部においてこれ等のオイル通路を連通手段により連通してなることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載のオイルクーラ付きラジエータタンクは、請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクにおいて、前記連通手段は、前記オイル通路の間の隔壁の端部に形成される切欠溝からなることを特徴とする。
請求項3記載のオイルクーラ付きラジエータタンクは、請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクにおいて、前記連通手段は、前記パッチエンドの前記オイル通路に対応する位置に形成される凹溝からなることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載のオイルクーラ付きラジエータタンクは、請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクにおいて、前記連通手段は、前記パッチエンドの外側に配置される蓋部材と、前記パッチエンドの前記オイル通路に対応する位置に形成され、前記オイル通路側と前記蓋部材側とを連通する連通口とからなることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載のオイルクーラ付きラジエータタンクは、請求項4記載のオイルクーラ付きラジエータタンクにおいて、前記蓋部材に、オイル流入パイプまたはオイル流出パイプを開口してなることを特徴とする。
【0015】
(作用)
請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、タンク本体を形成するためのアルミニウムの押出し成形と同時に、隔壁を介して複数のオイル通路が形成され、隔壁により隔てられるこれ等のオイル通路が、連通手段により連通される。
【0016】
そして、これ等のオイル通路内を流れるオイルが、オイル通路内を通過する間に、タンク本体内を流れるラジエータ冷却水と熱交換され冷却される。
請求項2記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル通路の間の隔壁の端部に、各オイル通路を連通する切欠溝が形成され、この切欠溝をオイルが通過し、各オイル通路にオイルが流される。
【0017】
請求項3記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、パッチエンドのオイル通路に対応する位置に、各オイル通路を連通する凹溝が形成され、この凹溝をオイルが通過し、各オイル通路にオイルが流される。
請求項4記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、外側が蓋部材により覆われるパッチエンドのオイル通路に対応する位置に、オイル通路側と蓋部材側とを連通する連通口が形成され、この連通口をオイルが通過し、各オイル通路にオイルが流される。
【0018】
請求項5記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、蓋部材に開口されるオイル流入パイプまたはオイル流出パイプが、パッチエンドの連通口を介して連通される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第1の実施形態(請求項1および請求項3に対応)を示しており、図において、符号41は、ラジエータのタンク本体を示している。
このタンク本体41は、アルミニウムの押出し成形により矩形筒状に形成されている。
【0021】
タンク本体41の上面411と側面412の肉部41aには、軸長方向に沿って断面長孔状の4本のオイル通路41A,41B,41C,41Dが間隔を置いて形成されている。
これ等のオイル通路41A,41B,41C,41Dは、タンク本体41を形成するためのアルミニウムの押出し成形と同時に形成される。
【0022】
オイル通路41Aとオイル通路41Bとは、隔壁41bにより隔離されている。
また、オイル通路41Bとオイル通路41Cとは、隔壁41cにより隔離されている。
さらに、オイル通路41Cとオイル通路41Dとは、隔壁41dにより隔離されている。
【0023】
タンク本体41の上面411の左側には、オイル通路41Aに連通され、アルミニウムからなるオイル流入パイプ43が配置されている。
また、タンク本体41の側面412の右側には、オイル通路41Dに連通され、アルミニウムからなるオイル流出パイプ45が配置されている。
タンク本体41の両端には、アルミニュウムからなるパッチエンド47A,47Bが配置されている。
【0024】
パッチエンド47A,47Bの内側には、エンドミル加工により、オイル通路41A,41B,41C,41Dを連通する矩形状の凹溝47a,47bが形成されている。
【0025】
そして、オイル流入パイプ43,オイル流出パイプ45,パッチエンド47A、および、パッチエンド47Bは、ろう付けにより、タンク本体41に固定されている。
タンク本体41の底面413には、押出し成形後に軸長方向に所定間隔を置いてチューブ取付孔41sが形成されている。
【0026】
この実施形態のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル流入パイプ43からオイル通路41A内に流入したオイルが、凹溝47aを介してオイル通路41B,41C,41Dに流入され、オイル通路41A,41B,41C,41Dを通過する間にタンク本体41の内側を流れるラジエータ冷却水と熱交換された後、凹溝47bを介してオイル流出パイプ45から流出される。
【0027】
以上のように構成されたオイルクーラ付きラジエータタンクでは、タンク本体41の肉部41aの軸長方向に沿って、隔壁41b,41c,41dを介して4本のオイル通路41A,41B,41C,41Dを一体形成し、オイル通路41A,41B,41C,41Dの端部において、これ等のオイル通路41A,41B,41C,41Dを凹溝47a,47bにより連通したので、軸長方向に沿って形成される隔壁41b,41c,41dによりタンク本体41が補強され、タンク本体41の剛性を従来よりも容易,確実に向上することができる。
【0028】
また、オイル通路41A,41B,41C,41Dの端部において、これ等を凹溝47a,47bにより連通したので、オイルを複数のオイル通路41A,41B,41C,41Dにより流通することができ、オイル通路41A,41B,41C,41Dの任意の位置にオイル流入パイプ43およびオイル流出パイプ45を配置することが可能となり、従来よりも設計の自由度を大幅に向上することができる。
【0029】
さらに、パッチエンド47A,47Bのオイル通路41A,41B,41C,41Dに対応する位置に、これ等を連通する凹溝47a,47bを形成したので、パッチエンド47A,47Bへの簡易な追加工で各オイル通路41A,41B,41C,41Dを容易に連通することができ、従来よりも熱交換効率を確実に向上することができる。
【0030】
図2は、本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第2の実施形態(請求項1および請求項3に対応)を示すもので、この実施形態では、パッチエンド47Aの内側に、オイル通路41A,41Bを連通する矩形状の凹溝47cが形成されている。
さらに、パッチエンド47Aの内側には、オイル通路41C,41Dを連通する矩形状の凹溝47dが形成されている。
【0031】
タンク本体41の側面412の左側には、オイル通路41Dに連通され、アルミニウムからなるオイル流出パイプ45が配置されている。
そして、パッチエンド47Aおよびオイル流出パイプ45は、ろう付けにより、タンク本体41に固定されている。
なお、これ以外の部分は、第1の実施形態と同一に構成されているため、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0032】
この実施形態のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル流入パイプ43からオイル通路41A内に流入したオイルが、凹溝47cを介してオイル通路41Bに流入され、オイル通路41A,41Bを通過した後、さらに、凹溝47bを介してオイル通路41C,41Dに流入され、オイル通路41C,41Dを通過し、そして、凹溝47dを介してオイル流出パイプ45から流出される。
【0033】
以上のように構成されたオイルクーラ付きラジエータタンクにおいても、第1の実施形態とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施形態では、凹溝47bにより、オイル通路41A,41Bとオイル通路41C,41Dとを連通したので、オイルのラジエータ冷却水との熱交換時間を長くすることができ、オイルの熱交換効率を向上することができる。
【0034】
図3は、本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第3の実施形態(請求項1,請求項4および請求項5に対応)を示すもので、この実施形態では、パッチエンド47A,47Bの外側に、アルミニウムからなる蓋部材49A,49Bが配置されている。
蓋部材49A,49Bは、プレス成形により、一面が開放する角皿状に形成され、ろう付けによりパッチエンド47A,47Bに固定されている。
【0035】
パッチエンド47A,47Bには、オイル通路41A,41B,41C,41Dに対応した位置に、打抜き加工により、長孔状に開口する連通口47e,47fが形成されている。
蓋部材49Aには、蓋部材49Aの内側に連通され、アルミニウムからなるオイル流入パイプ43が配置されている。
【0036】
一方、蓋部材49Bには、蓋部材49Bの内側に連通され、アルミニウムからなるオイル流出パイプ45が配置されている。
これ等のオイル流入パイプ43およびオイル流出パイプ45は、ろう付けにより、蓋部材49A,蓋部材49Bに固定されている。
なお、これ以外の部分は、第1の実施形態と同一に構成されているため、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
この実施形態のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル流入パイプ43から蓋部材49A内に流入したオイルが、連通口47eを介してオイル通路41A,41B,41C,41Dに流入され、オイル通路41A,41B,41C,41Dを通過する間にタンク本体41の内側を流れるラジエータ冷却水と熱交換された後、連結口47fを介して蓋部材49Bに流出され、オイル流出パイプ45から流出される。
【0038】
以上のように構成されたオイルクーラ付きラジエータタンクにおいても、第1の実施形態とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施形態では、外側が蓋部材49A,49Bにより覆われるパッチエンド47A,47Bのオイル通路41A,41B,41C,41Dに対応する位置に、オイル通路41A,41B,41C,41D側と蓋部材49A,49B側とを連通する連通口49e,49fを形成し、各オイル通路41A,41B,41C,41Dを連通するようにしたので、オイルが広い空間を通過することができ、流体抵抗を確実に小さくすることができる。
【0039】
図4は、本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第4の実施形態(請求項1,請求項4および請求項5に対応)を示すもので、この実施形態では、パッチエンド47Aの外側に、アルミニウムからなる蓋部材49Aが配置されている。
パッチエンド47Aには、オイル通路41A,41Bに対応した位置に、長孔状に開口する連通口47gが形成されている。
【0040】
さらに、パッチエンド47Aには、オイル通路41C,41Dに対応した位置に、長孔状に開口する連通口47hが形成されている。
蓋部材49Aには、蓋部材49Aの内側を連通口47g側と連通口47h側に隔離するセパレータ51が配置されている。
このセパレータ51は、アルミニウムからなり、ろう付けにより、蓋部材49Aとパッチエンド47Aに固定されている。
【0041】
セパレータ51により隔離される蓋部材49Aの連通口47g側の外面には、蓋部材49Aの内側に連通され、アルミニウムからなるオイル流入パイプ43が配置されている。
一方、蓋部材49Aの連通口47h側の外面には、蓋部材49Aの内側に連通され、アルミニウムからなるオイル流出パイプ45が配置されている。
【0042】
これ等のオイル流入パイプ43およびオイル流出パイプ45は、ろう付けにより、蓋部材49Aに固定されている。
パッチエンド47Bの内側には、オイル通路41A,41B,41C,41Dを連通する断面コの字状の凹溝47bが形成されている。
なお、これ以外の部分は、第1の実施形態と同一に構成されているため、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0043】
この実施形態のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル流入パイプ43からセパレータ51により隔離された蓋部材49A内に流入したオイルが、連通口47gを介してオイル通路41A,41Bに流入され、オイル通路41A,41Bを通過した後、さらに、凹溝47bを介してオイル通路41C,41Dに流入され、オイル通路41C,41Dを通過し、そして、連通口47hを介してセパレータ51により隔離された蓋部材49A内に流出し、オイル流出パイプ45から流出される。
【0044】
以上のように構成されたオイルクーラ付きラジエータタンクにおいても、第1の実施形態とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施形態では、凹溝47bにより、オイル通路41A,41Bとオイル通路41C,41Dとを連通したので、オイルのラジエータ冷却水との熱交換時間を長くすることができ、オイルの熱交換効率を向上することができる。
【0045】
図5は、本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第5の実施形態(請求項1および請求項2に対応)を示すもので、この実施形態では、オイル通路41A,41B,41C,41Dの隔壁(図1に符号41b,41c,41dで図示)の両端部に、エンドミル加工により、切欠溝41e,41f,41g,41h,41i,41jが形成されている。
【0046】
タンク本体41の両端には、アルミニュウムからなるパッチエンド47A,47Bが配置されている。
そして、パッチエンド47A,47Bは、ろう付けにより、タンク本体41に固定されている。
【0047】
なお、これ以外の部分は、第1の実施形態と同一に構成されているため、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
この実施形態のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル通路41A,41B,41C,41Dの隔壁(図1に符号41b,41c,41dで図示)の両端部に、各オイル通路41A,41B,41C,41Dを連通する切欠溝41e,41f,41g,41h,41i,41jを形成したので、タンク本体41への簡易な追加工で各オイル通路41A,41B,41C,41Dを容易に連通することができ、従来よりも熱交換効率を確実に向上することができる。
【0048】
図6は、本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第6の実施形態(請求項1および請求項2に対応)を示すもので、この実施形態では、オイル通路41A,41Bの隔壁(図1に符号41bで図示)の左側端部に、切欠溝41eが形成されている。
さらに、オイル通路41C,41Dの隔壁(図1に符号41dで図示)の左側端部には、切欠溝41gが形成されている。
【0049】
タンク本体41の側面412の左側には、オイル通路41Dに連通され、アルミニウムからなるオイル流出パイプ45が配置されている。
なお、これ以外の部分は、第5の実施形態と同一に構成されているため、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
この実施形態のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル流入パイプ43からオイル通路41A内に流入したオイルが、切欠溝41eを介してオイル通路41Bに流入され、オイル通路41A,41Bを通過した後、さらに、切欠溝41h,41i,41jを介してオイル通路41C,41Dに流入され、オイル通路41C,41Dを通過し、そして、切欠溝41gを介してオイル流出パイプ45から流出される。
【0050】
以上のように構成されたオイルクーラ付きラジエータタンクにおいても、第1の実施形態とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施形態では、切欠溝41h,41i,41jにより、オイル通路41A,41Bとオイル通路41C,41Dとを連通したので、オイルのラジエータ冷却水との熱交換時間を長くすることができ、オイルの熱交換効率を向上することができる。
【0051】
なお、上述した実施形態では、タンク本体41を矩形筒状に形成し、底面413にチューブ取付孔41sを一体に形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、図7に示すように、一面が開口するタンク本体71の開口部71aにチューブ73が挿通される板状のヘッダプレート75を配置しても良い。
【0052】
また、上述した実施形態では、タンク本体41に4本のオイル通路41A,41B,41C,41Dを形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、タンク本体の形状に応じ、オイル通路または隔壁の断面積を変化させ、所定の剛性を得られるように設計することが望ましい。
さらに、上述した実施形態では、パッチエンド47A,47Bにエンドミル加工により凹溝47a,47b,47c,47dを形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、プレス加工により凹溝を膨出形成しても良い。
【0053】
また、上述した実施形態では、オイル通路41A,41B,41C,41Dを連続した断面形状で形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、多穴管形状に形成しても良い。
さらに、上述した実施形態では、タンク本体41の外周面を平坦に形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、ラジエータに要求される仕様に応じて、外周面にフィンを一体形成し、熱交換効率を高めることもできる。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、タンク本体の肉部に軸長方向に沿って隔壁を介して複数のオイル通路を一体形成し、オイル通路の端部において、これ等のオイル通路を連通手段により連通したので、軸長方向に沿って形成される隔壁によりタンク本体が補強され、タンク本体の剛性を従来よりも容易,確実に向上することができる。
【0055】
また、オイル通路の端部において、これ等を凹溝により連通したので、オイルを複数のオイル通路により流通することができ、オイル通路の任意の位置にオイル流入パイプおよびオイル流出パイプを配置することが可能となり、従来よりも設計の自由度を大幅に向上することができる。
請求項2記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル通路の間の隔壁の端部に、各オイル通路を連通する切欠溝を形成したので、タンク本体への簡易な追加工で各オイル通路を容易に連通することができ、従来よりも熱交換効率を確実に向上することができる。
【0056】
請求項3記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、パッチエンドのオイル通路に対応する位置に、各オイル通路を連通する凹溝を形成したので、パッチエンドへの簡易な追加工で各オイル通路を容易に連通することができ、従来よりも熱交換効率を確実に向上することができる。
請求項4記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、外側が蓋部材により覆われるパッチエンドのオイル通路に対応する位置に、オイル通路側と蓋部材側とを連通する連通口を形成し、各オイル通路を連通するようにしたので、オイルが広い空間を通過することができ、流体抵抗を確実に小さくすることができる。
【0057】
請求項5記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、蓋部材にオイル流入パイプまたはオイル流出パイプを開口したので、オイルのタンク本体への流入時、また、タンク本体からの流出時の流れ抵抗を低減でき、タンク本体内のオイルの流通を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第2の実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第3の実施形態を示す斜視図である。
【図4】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第4の実施形態を示す斜視図である。
【図5】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第5の実施形態を示す斜視図である。
【図6】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第6の実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの他の実施形態を示す側面図である。
【図8】従来のオイルクーラ付きラジエータタンクを示す断面図である。
【図9】従来のオイルクーラ付きラジエータタンクを示す斜視図である。
【符号の説明】
41 タンク本体
41a 肉部
41b,41c,41d 隔壁
41e,41f,41g,41h,41i,41j 切欠溝
41A,41B,41C,41D オイル通路
43 オイル流出パイプ
45 オイル流入パイプ
47a,47b,47c,47d 凹溝
47e,47f,47g,47h 連通口
47A,47B パッチエンド
49A,49B 蓋部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジエータのタンクにオイルクーラを配置したオイルクーラ付きラジエータタンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車では、ラジエータのタンク内に、エンジンオイル等のオイルを冷却するためのオイルクーラを収容したものが知られており、また、例えば、特公昭47−29216号公報に開示されるように、タンクの外壁にオイルクーラを配置したものが知られている。
【0003】
図8は、この公報に開示されるオイルクーラ付きラジエータタンクを示すもので、このオイルクーラ付きラジエータタンクでは、タンク本体11の外周に間隔を置いて外側プレート13を密閉して配置し、タンク本体11と外側プレート13との間にインナーフィン15を配置して構成されている。
そして、タンク本体11,外側プレート13およびインナーフィン15は、アルミニウムからなり相互にろう付けされている。
【0004】
なお、符号17は、チューブ19が挿通されるヘッダープレートである。
上述したオイルクーラ付きラジエータタンクでは、タンク本体11と外側プレート13との間に、オイルが流通されるオイル通路21が形成されるため、タンク本体11内にオイルクーラを収容する必要がなくなり、シール構造を簡易なものにすることができる。
【0005】
しかし、このようなオイルクーラ付きラジエータタンクでは、タンク本体11の外周に間隔を置いて外側プレート13を配置してオイル通路21を形成しているため、部品点数が多くなり、部品の製造,組立に多大な工数が必要になるという問題があった。
【0006】
そこで、本出願人は、このような問題を解決したオイルクーラ付きラジエータタンクを開発し、先に特願平7−152950号として出願した。
図9は、このオイルクーラ付きラジエータタンクを示すもので、このオイルクーラ付きラジエータタンクでは、アルミニウムの押出し成形により、タンク本体31と共に、タンク本体31の肉部31aに軸長方向に沿って空洞のオイル通路31bが一体に形成されている。
【0007】
このオイル通路31bの軸長方向の両側には、オイル通路31bに連通する一対のオイル流入パイプ33および図示しないオイル流出パイプが配置されている。
そして、タンク本体31の両端には、パッチエンド35がろう付けにより固定され、オイル通路31bが閉塞されている。
上述した、オイルクーラ付きラジエータタンクでは、アルミニウムの押出し成形により、タンク本体31と共に、タンク本体31の肉部31aに軸長方向に沿って空洞のオイル通路31bが一体に形成されるため、オイルクーラーのオイル通路31bを容易,確実に形成することができ、オイル通路31bの気密性を非常に高いものにすることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイルの流量を多くするために、オイル通路31bの断面積を大きくすると、タンク本体31に連続する大きな断面積の空洞部が形成されるため、タンク本体31の剛性が低下するという問題があった。
【0009】
また、オイル流入パイプ33とオイル流出パイプに連通された単一のオイル通路31bによりオイルを流通しているため、パッチエンド35とオイル流入パイプ33との間、また、パッチエンド35とオイル流出入パイプとの間のオイルが流通されず、オイル流入パイプ33とオイル流出パイプとをタンク本体31の端部側に配置する必要があり、オイルクーラ付きラジエータタンクを設計する上でオイル流入パイプ33とオイル流出パイプの配置個所が制限されるという問題があった。
【0010】
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、高い剛性を有し、オイル流入パイプおよびオイル流出パイプの配置個所を自由度高く設計することができるオイルクーラ付きラジエータタンクを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクは、アルミニウムの押出し成形によりタンク本体を形成すると共に、前記タンク本体の肉部に軸長方向に沿って隔壁を介して複数のオイル通路を一体形成し、前記タンク本体の両端にパッチエンドを配置し、前記オイル通路の端部においてこれ等のオイル通路を連通手段により連通してなることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載のオイルクーラ付きラジエータタンクは、請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクにおいて、前記連通手段は、前記オイル通路の間の隔壁の端部に形成される切欠溝からなることを特徴とする。
請求項3記載のオイルクーラ付きラジエータタンクは、請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクにおいて、前記連通手段は、前記パッチエンドの前記オイル通路に対応する位置に形成される凹溝からなることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載のオイルクーラ付きラジエータタンクは、請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクにおいて、前記連通手段は、前記パッチエンドの外側に配置される蓋部材と、前記パッチエンドの前記オイル通路に対応する位置に形成され、前記オイル通路側と前記蓋部材側とを連通する連通口とからなることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載のオイルクーラ付きラジエータタンクは、請求項4記載のオイルクーラ付きラジエータタンクにおいて、前記蓋部材に、オイル流入パイプまたはオイル流出パイプを開口してなることを特徴とする。
【0015】
(作用)
請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、タンク本体を形成するためのアルミニウムの押出し成形と同時に、隔壁を介して複数のオイル通路が形成され、隔壁により隔てられるこれ等のオイル通路が、連通手段により連通される。
【0016】
そして、これ等のオイル通路内を流れるオイルが、オイル通路内を通過する間に、タンク本体内を流れるラジエータ冷却水と熱交換され冷却される。
請求項2記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル通路の間の隔壁の端部に、各オイル通路を連通する切欠溝が形成され、この切欠溝をオイルが通過し、各オイル通路にオイルが流される。
【0017】
請求項3記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、パッチエンドのオイル通路に対応する位置に、各オイル通路を連通する凹溝が形成され、この凹溝をオイルが通過し、各オイル通路にオイルが流される。
請求項4記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、外側が蓋部材により覆われるパッチエンドのオイル通路に対応する位置に、オイル通路側と蓋部材側とを連通する連通口が形成され、この連通口をオイルが通過し、各オイル通路にオイルが流される。
【0018】
請求項5記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、蓋部材に開口されるオイル流入パイプまたはオイル流出パイプが、パッチエンドの連通口を介して連通される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第1の実施形態(請求項1および請求項3に対応)を示しており、図において、符号41は、ラジエータのタンク本体を示している。
このタンク本体41は、アルミニウムの押出し成形により矩形筒状に形成されている。
【0021】
タンク本体41の上面411と側面412の肉部41aには、軸長方向に沿って断面長孔状の4本のオイル通路41A,41B,41C,41Dが間隔を置いて形成されている。
これ等のオイル通路41A,41B,41C,41Dは、タンク本体41を形成するためのアルミニウムの押出し成形と同時に形成される。
【0022】
オイル通路41Aとオイル通路41Bとは、隔壁41bにより隔離されている。
また、オイル通路41Bとオイル通路41Cとは、隔壁41cにより隔離されている。
さらに、オイル通路41Cとオイル通路41Dとは、隔壁41dにより隔離されている。
【0023】
タンク本体41の上面411の左側には、オイル通路41Aに連通され、アルミニウムからなるオイル流入パイプ43が配置されている。
また、タンク本体41の側面412の右側には、オイル通路41Dに連通され、アルミニウムからなるオイル流出パイプ45が配置されている。
タンク本体41の両端には、アルミニュウムからなるパッチエンド47A,47Bが配置されている。
【0024】
パッチエンド47A,47Bの内側には、エンドミル加工により、オイル通路41A,41B,41C,41Dを連通する矩形状の凹溝47a,47bが形成されている。
【0025】
そして、オイル流入パイプ43,オイル流出パイプ45,パッチエンド47A、および、パッチエンド47Bは、ろう付けにより、タンク本体41に固定されている。
タンク本体41の底面413には、押出し成形後に軸長方向に所定間隔を置いてチューブ取付孔41sが形成されている。
【0026】
この実施形態のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル流入パイプ43からオイル通路41A内に流入したオイルが、凹溝47aを介してオイル通路41B,41C,41Dに流入され、オイル通路41A,41B,41C,41Dを通過する間にタンク本体41の内側を流れるラジエータ冷却水と熱交換された後、凹溝47bを介してオイル流出パイプ45から流出される。
【0027】
以上のように構成されたオイルクーラ付きラジエータタンクでは、タンク本体41の肉部41aの軸長方向に沿って、隔壁41b,41c,41dを介して4本のオイル通路41A,41B,41C,41Dを一体形成し、オイル通路41A,41B,41C,41Dの端部において、これ等のオイル通路41A,41B,41C,41Dを凹溝47a,47bにより連通したので、軸長方向に沿って形成される隔壁41b,41c,41dによりタンク本体41が補強され、タンク本体41の剛性を従来よりも容易,確実に向上することができる。
【0028】
また、オイル通路41A,41B,41C,41Dの端部において、これ等を凹溝47a,47bにより連通したので、オイルを複数のオイル通路41A,41B,41C,41Dにより流通することができ、オイル通路41A,41B,41C,41Dの任意の位置にオイル流入パイプ43およびオイル流出パイプ45を配置することが可能となり、従来よりも設計の自由度を大幅に向上することができる。
【0029】
さらに、パッチエンド47A,47Bのオイル通路41A,41B,41C,41Dに対応する位置に、これ等を連通する凹溝47a,47bを形成したので、パッチエンド47A,47Bへの簡易な追加工で各オイル通路41A,41B,41C,41Dを容易に連通することができ、従来よりも熱交換効率を確実に向上することができる。
【0030】
図2は、本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第2の実施形態(請求項1および請求項3に対応)を示すもので、この実施形態では、パッチエンド47Aの内側に、オイル通路41A,41Bを連通する矩形状の凹溝47cが形成されている。
さらに、パッチエンド47Aの内側には、オイル通路41C,41Dを連通する矩形状の凹溝47dが形成されている。
【0031】
タンク本体41の側面412の左側には、オイル通路41Dに連通され、アルミニウムからなるオイル流出パイプ45が配置されている。
そして、パッチエンド47Aおよびオイル流出パイプ45は、ろう付けにより、タンク本体41に固定されている。
なお、これ以外の部分は、第1の実施形態と同一に構成されているため、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0032】
この実施形態のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル流入パイプ43からオイル通路41A内に流入したオイルが、凹溝47cを介してオイル通路41Bに流入され、オイル通路41A,41Bを通過した後、さらに、凹溝47bを介してオイル通路41C,41Dに流入され、オイル通路41C,41Dを通過し、そして、凹溝47dを介してオイル流出パイプ45から流出される。
【0033】
以上のように構成されたオイルクーラ付きラジエータタンクにおいても、第1の実施形態とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施形態では、凹溝47bにより、オイル通路41A,41Bとオイル通路41C,41Dとを連通したので、オイルのラジエータ冷却水との熱交換時間を長くすることができ、オイルの熱交換効率を向上することができる。
【0034】
図3は、本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第3の実施形態(請求項1,請求項4および請求項5に対応)を示すもので、この実施形態では、パッチエンド47A,47Bの外側に、アルミニウムからなる蓋部材49A,49Bが配置されている。
蓋部材49A,49Bは、プレス成形により、一面が開放する角皿状に形成され、ろう付けによりパッチエンド47A,47Bに固定されている。
【0035】
パッチエンド47A,47Bには、オイル通路41A,41B,41C,41Dに対応した位置に、打抜き加工により、長孔状に開口する連通口47e,47fが形成されている。
蓋部材49Aには、蓋部材49Aの内側に連通され、アルミニウムからなるオイル流入パイプ43が配置されている。
【0036】
一方、蓋部材49Bには、蓋部材49Bの内側に連通され、アルミニウムからなるオイル流出パイプ45が配置されている。
これ等のオイル流入パイプ43およびオイル流出パイプ45は、ろう付けにより、蓋部材49A,蓋部材49Bに固定されている。
なお、これ以外の部分は、第1の実施形態と同一に構成されているため、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
この実施形態のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル流入パイプ43から蓋部材49A内に流入したオイルが、連通口47eを介してオイル通路41A,41B,41C,41Dに流入され、オイル通路41A,41B,41C,41Dを通過する間にタンク本体41の内側を流れるラジエータ冷却水と熱交換された後、連結口47fを介して蓋部材49Bに流出され、オイル流出パイプ45から流出される。
【0038】
以上のように構成されたオイルクーラ付きラジエータタンクにおいても、第1の実施形態とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施形態では、外側が蓋部材49A,49Bにより覆われるパッチエンド47A,47Bのオイル通路41A,41B,41C,41Dに対応する位置に、オイル通路41A,41B,41C,41D側と蓋部材49A,49B側とを連通する連通口49e,49fを形成し、各オイル通路41A,41B,41C,41Dを連通するようにしたので、オイルが広い空間を通過することができ、流体抵抗を確実に小さくすることができる。
【0039】
図4は、本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第4の実施形態(請求項1,請求項4および請求項5に対応)を示すもので、この実施形態では、パッチエンド47Aの外側に、アルミニウムからなる蓋部材49Aが配置されている。
パッチエンド47Aには、オイル通路41A,41Bに対応した位置に、長孔状に開口する連通口47gが形成されている。
【0040】
さらに、パッチエンド47Aには、オイル通路41C,41Dに対応した位置に、長孔状に開口する連通口47hが形成されている。
蓋部材49Aには、蓋部材49Aの内側を連通口47g側と連通口47h側に隔離するセパレータ51が配置されている。
このセパレータ51は、アルミニウムからなり、ろう付けにより、蓋部材49Aとパッチエンド47Aに固定されている。
【0041】
セパレータ51により隔離される蓋部材49Aの連通口47g側の外面には、蓋部材49Aの内側に連通され、アルミニウムからなるオイル流入パイプ43が配置されている。
一方、蓋部材49Aの連通口47h側の外面には、蓋部材49Aの内側に連通され、アルミニウムからなるオイル流出パイプ45が配置されている。
【0042】
これ等のオイル流入パイプ43およびオイル流出パイプ45は、ろう付けにより、蓋部材49Aに固定されている。
パッチエンド47Bの内側には、オイル通路41A,41B,41C,41Dを連通する断面コの字状の凹溝47bが形成されている。
なお、これ以外の部分は、第1の実施形態と同一に構成されているため、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0043】
この実施形態のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル流入パイプ43からセパレータ51により隔離された蓋部材49A内に流入したオイルが、連通口47gを介してオイル通路41A,41Bに流入され、オイル通路41A,41Bを通過した後、さらに、凹溝47bを介してオイル通路41C,41Dに流入され、オイル通路41C,41Dを通過し、そして、連通口47hを介してセパレータ51により隔離された蓋部材49A内に流出し、オイル流出パイプ45から流出される。
【0044】
以上のように構成されたオイルクーラ付きラジエータタンクにおいても、第1の実施形態とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施形態では、凹溝47bにより、オイル通路41A,41Bとオイル通路41C,41Dとを連通したので、オイルのラジエータ冷却水との熱交換時間を長くすることができ、オイルの熱交換効率を向上することができる。
【0045】
図5は、本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第5の実施形態(請求項1および請求項2に対応)を示すもので、この実施形態では、オイル通路41A,41B,41C,41Dの隔壁(図1に符号41b,41c,41dで図示)の両端部に、エンドミル加工により、切欠溝41e,41f,41g,41h,41i,41jが形成されている。
【0046】
タンク本体41の両端には、アルミニュウムからなるパッチエンド47A,47Bが配置されている。
そして、パッチエンド47A,47Bは、ろう付けにより、タンク本体41に固定されている。
【0047】
なお、これ以外の部分は、第1の実施形態と同一に構成されているため、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
この実施形態のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル通路41A,41B,41C,41Dの隔壁(図1に符号41b,41c,41dで図示)の両端部に、各オイル通路41A,41B,41C,41Dを連通する切欠溝41e,41f,41g,41h,41i,41jを形成したので、タンク本体41への簡易な追加工で各オイル通路41A,41B,41C,41Dを容易に連通することができ、従来よりも熱交換効率を確実に向上することができる。
【0048】
図6は、本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第6の実施形態(請求項1および請求項2に対応)を示すもので、この実施形態では、オイル通路41A,41Bの隔壁(図1に符号41bで図示)の左側端部に、切欠溝41eが形成されている。
さらに、オイル通路41C,41Dの隔壁(図1に符号41dで図示)の左側端部には、切欠溝41gが形成されている。
【0049】
タンク本体41の側面412の左側には、オイル通路41Dに連通され、アルミニウムからなるオイル流出パイプ45が配置されている。
なお、これ以外の部分は、第5の実施形態と同一に構成されているため、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
この実施形態のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル流入パイプ43からオイル通路41A内に流入したオイルが、切欠溝41eを介してオイル通路41Bに流入され、オイル通路41A,41Bを通過した後、さらに、切欠溝41h,41i,41jを介してオイル通路41C,41Dに流入され、オイル通路41C,41Dを通過し、そして、切欠溝41gを介してオイル流出パイプ45から流出される。
【0050】
以上のように構成されたオイルクーラ付きラジエータタンクにおいても、第1の実施形態とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施形態では、切欠溝41h,41i,41jにより、オイル通路41A,41Bとオイル通路41C,41Dとを連通したので、オイルのラジエータ冷却水との熱交換時間を長くすることができ、オイルの熱交換効率を向上することができる。
【0051】
なお、上述した実施形態では、タンク本体41を矩形筒状に形成し、底面413にチューブ取付孔41sを一体に形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、図7に示すように、一面が開口するタンク本体71の開口部71aにチューブ73が挿通される板状のヘッダプレート75を配置しても良い。
【0052】
また、上述した実施形態では、タンク本体41に4本のオイル通路41A,41B,41C,41Dを形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、タンク本体の形状に応じ、オイル通路または隔壁の断面積を変化させ、所定の剛性を得られるように設計することが望ましい。
さらに、上述した実施形態では、パッチエンド47A,47Bにエンドミル加工により凹溝47a,47b,47c,47dを形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、プレス加工により凹溝を膨出形成しても良い。
【0053】
また、上述した実施形態では、オイル通路41A,41B,41C,41Dを連続した断面形状で形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、多穴管形状に形成しても良い。
さらに、上述した実施形態では、タンク本体41の外周面を平坦に形成した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、ラジエータに要求される仕様に応じて、外周面にフィンを一体形成し、熱交換効率を高めることもできる。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、タンク本体の肉部に軸長方向に沿って隔壁を介して複数のオイル通路を一体形成し、オイル通路の端部において、これ等のオイル通路を連通手段により連通したので、軸長方向に沿って形成される隔壁によりタンク本体が補強され、タンク本体の剛性を従来よりも容易,確実に向上することができる。
【0055】
また、オイル通路の端部において、これ等を凹溝により連通したので、オイルを複数のオイル通路により流通することができ、オイル通路の任意の位置にオイル流入パイプおよびオイル流出パイプを配置することが可能となり、従来よりも設計の自由度を大幅に向上することができる。
請求項2記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、オイル通路の間の隔壁の端部に、各オイル通路を連通する切欠溝を形成したので、タンク本体への簡易な追加工で各オイル通路を容易に連通することができ、従来よりも熱交換効率を確実に向上することができる。
【0056】
請求項3記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、パッチエンドのオイル通路に対応する位置に、各オイル通路を連通する凹溝を形成したので、パッチエンドへの簡易な追加工で各オイル通路を容易に連通することができ、従来よりも熱交換効率を確実に向上することができる。
請求項4記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、外側が蓋部材により覆われるパッチエンドのオイル通路に対応する位置に、オイル通路側と蓋部材側とを連通する連通口を形成し、各オイル通路を連通するようにしたので、オイルが広い空間を通過することができ、流体抵抗を確実に小さくすることができる。
【0057】
請求項5記載のオイルクーラ付きラジエータタンクでは、蓋部材にオイル流入パイプまたはオイル流出パイプを開口したので、オイルのタンク本体への流入時、また、タンク本体からの流出時の流れ抵抗を低減でき、タンク本体内のオイルの流通を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第2の実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第3の実施形態を示す斜視図である。
【図4】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第4の実施形態を示す斜視図である。
【図5】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第5の実施形態を示す斜視図である。
【図6】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの第6の実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明のオイルクーラ付きラジエータタンクの他の実施形態を示す側面図である。
【図8】従来のオイルクーラ付きラジエータタンクを示す断面図である。
【図9】従来のオイルクーラ付きラジエータタンクを示す斜視図である。
【符号の説明】
41 タンク本体
41a 肉部
41b,41c,41d 隔壁
41e,41f,41g,41h,41i,41j 切欠溝
41A,41B,41C,41D オイル通路
43 オイル流出パイプ
45 オイル流入パイプ
47a,47b,47c,47d 凹溝
47e,47f,47g,47h 連通口
47A,47B パッチエンド
49A,49B 蓋部材
Claims (5)
- アルミニウムの押出し成形によりタンク本体(41)を形成すると共に、前記タンク本体(41)の肉部(41a)に軸長方向に沿って隔壁(41b,41c,41d)を介して複数のオイル通路(41A,41B,41C,41D)を一体形成し、前記タンク本体(41)の両端にパッチエンド(47A,47B)を配置し、前記オイル通路(41A,41B,41C,41D)の端部においてこれ等のオイル通路(41A,41B,41C,41D)を連通手段により連通してなることを特徴とするオイルクーラ付きラジエータタンク。
- 請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクにおいて、
前記連通手段は、前記オイル通路(41A,41B,41C,41D)の間の隔壁(41b,41c,41d)の端部に形成される切欠溝(41e,41f,41g,41h,41i,41j)からなることを特徴とするオイルクーラ付きラジエータタンク。 - 請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクにおいて、
前記連通手段は、前記パッチエンド(47A,47B)の前記オイル通路(41A,41B,41C,41D)に対応する位置に形成される凹溝(47a,47b,47c,47d)からなることを特徴とするオイルクーラ付きラジエータタンク。 - 請求項1記載のオイルクーラ付きラジエータタンクにおいて、
前記連通手段は、前記パッチエンド(47A,47B)の外側に配置される蓋部材(49A,49B)と、前記パッチエンド(47A,47B)の前記オイル通路(41A,41B,41C,41D)に対応する位置に形成され、前記オイル通路(41A,41B,41C,41D)側と前記蓋部材(49A,49B)側とを連通する連通口(47e,47f,47g,47h)とからなることを特徴とするオイルクーラ付きラジエータタンク。 - 請求項4記載のオイルクーラ付きラジエータタンクにおいて、
前記蓋部材(49A,49B)に、オイル流入パイプ(43)またはオイル流出パイプ(45)を開口してなることを特徴とするオイルクーラ付きラジエータタンク。
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JPH09243288A (ja) | 1997-09-19 |
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