JP3281399B2 - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体通路を成すチュー
ブと熱交換用のフィンとを交互に積層して成る積層型の
熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両に搭載されるラジエー
タ、冷媒凝縮器、オイルクーラ等の熱交換器は、それぞ
れ独自の取付けスペースを持ってエンジンルーム内に配
されており、その取付けスペースにも、熱交換器相互の
干渉を防止する必要等から、余分なスペースが見込まれ
ている。このため、限られたエンジンルーム内に占める
各熱交換器の取付けスペースが大きくなることから、例
えば実開平2−62268号公報では、ラジエータと冷
媒凝縮器のフィンを共有化することで、省スペース化を
図る技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報に
よる従来技術においても、フィン以外の部品(例えば、
チューブ、タンク、コアプレート等)は別個に製造する
必要があり、部品点数や組付け工数の増大を伴うことか
らコスト高となる。本発明は、上記事情に基づいて成さ
れたもので、その目的は、省スペース化の実現ととも
に、コストの低減を図った熱交換器の提供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、流体通路を成
すチューブと熱交換用のフィンとを交互に積層して成る
コアと、このコアの両側に配された一対のタンクとを備
え、前記チューブは、前記コアの前後方向において、そ
の内部が第1の流体が流れる第1流体通路と第2の流体
が流れる第2流体通路とに区画される第1チューブと、
その内部に前記第2流体通路のみが形成される第2チュ
ーブとを有し、前記一対のタンクは、その内部が前記コ
アの前後方向において第1連通室と第2連通室とにそれ
ぞれ区画されており、且つ一対のタンクに形成された前
記第1連通室と前記第1流体通路とが連通し、前記第2
連通室と前記第2流体通路とが連通しており、前記第2
流体通路とフィンによって構成される第2コアの面積
は、前記第1流体通路とフィンによって構成される第1
コアの面積よりも大きいといった技術的手段とする。さ
らに、上下方向において、前記タンクを前記第1連通室
と第3連通室とに区画する仕切板と、その内部が前記コ
アの前後方向において前記第流体通路と第3の流体が
流れる第3流体通路とに区画されており、且つ前記第
連通室が前記第流体通路連通し、前記第3連通室が
前記第3流体通路と連通する第3チューブとを有すると
いった技術的手段とする。
【0005】
【作用】 上記構成より成る本発明の熱交換器は、タン
ク内部及びチューブの内部が、それぞれコアの前後方向
に区画されており、コアの前面側と後面側とで独立した
流体径路が形成されている。従って、コアの前面側と後
面側とでそれぞれ別々の流体(第1の流体と第2の流
体)を流すことが可能となり、2つの熱交換器の性能を
備えることができる。これにより、例えば、コアの前面
側を冷凍サイクルの冷媒凝縮器、コアの後面側をラジエ
ータとして使用することが可能となる。また、一方の流
体通路のみが形成された第2チューブを有しているの
で、第1コア、第2コアの面積の大きさをそれぞれ異な
る大きさとすることができる。
【0006】
【実施例】次に、本発明の熱交換器の一実施例を図1な
いし図3を基に説明する。図1はチューブとフィンの斜
視図、図2はタンクの斜視図、図3は熱交換器の全体構
成図である。本実施例の熱交換器1は、流体通路を成す
チューブ2と放熱用のコルゲートフィン3(以下フィン
と言う)とを交互に積層して成るコアと、その積層方向
の両外側に配置されたサイドブラケット4と、各チュー
ブ2の両端部に接続された一対のタンク5より構成され
ている。そして、この熱交換器1は、コアの前面側と後
面側とでそれぞれ独立した流通経路を有し、さらにコア
の前面側で上下二段にそれぞれ独立した流通径路を有す
るもので、本実施例では、コアの後面側をラジエータ、
コアの前面側上段を冷媒凝縮器、下段をオイルクーラ
(エンジンオイル用、トルクコンバータオイル用)とし
て使用する。
【0007】チューブ2は、断面が長円形状を呈するア
ルミニウムの押出し成形品(引抜き成形品)で、内部に
チューブ2の長手方向を貫く複数の内柱2a(タービラ
イザ)が一体に形成されている。また、コアの中段およ
び下段側に配されるチューブ2B(図3では下側10
本)は、図2に示すように、上段側に配されるチューブ
2A(図3では上側3本)のほぼ2倍の幅を有し、その
幅方向(コアの前後方向)の中央部には、チューブ2B
内をコアの前後方向(図1左右方向)に区画する仕切壁
2bが設けられている。従って、このチューブ2Bは、
仕切壁2bによって、コアの前面側(図1の右側)に第
1流体通路6が形成され、コアの後面側に第2流体通路
7が形成されて、その第1流体通路6および第2流体通
路7は、それぞれ内柱2aによって複数の流通路とされ
ている。なお、コアの上段3本のチューブ2Bは、図1
に示すように、コアの後面側に配されている。
【0008】フィン3は、薄いアルミニウム板を波状に
加工したローラ成型品で、表面には熱交換効率を高める
ためのルーバ(図示しない)が形成されている。なお、
コアの上段側に配されるフィン3Aは、チューブ2Aと
同じ幅に形成され、コアの中段および下段側に配される
フィン3Bは、チューブ2Bと同じ幅に形成されている
(図1参照)。タンク5は、図2に示すように、断面が
大小2つの矩形状を呈するアルミニウムの押出し成形品
で、小断面積側がコアの前面側に配されて第1連通室5
Aとされ、大断面積側がコアの後面側に配されて第2連
通室5Bとされている。第1連通室5Aは、タンク5の
上端からチューブ2の3本目と4本目の間までが切断さ
れている。タンク5の側面には、各チューブ2の端部が
挿入されるスリット5aが等間隔に形成されている。
【0009】また、第1連通室5Aには、スリット5a
が形成された側面と反対側面に1つのスリット5bが形
成されており、このスリット5bに挿入される1枚の仕
切板5cによって、第1連通室5Aの内部が上下二段に
区画されている。第1連通室5Aおよび第2連通室5B
の上下開口端は、図3に示すように、それぞれキャップ
5d、5eで塞がれる。そして、第1連通室5Aの仕切
板5cより上段側には、冷媒凝縮器用の入口パイプ8と
出口パイプ9(図3参照)が取り付けられ、仕切板5c
より下段側には、オイルクーラ用の入口パイプ10と出
口パイプ11(図3参照)が取り付けられている。ま
た、第2連通室5Bには、ラジエータ用の入口パイプ1
2と出口パイプ13(図3参照)が取り付けられるとと
もに、一方(図3右側)の第2連通室5Bの上端部に
は、ラジエータキャップ14が取り付けられている。
【0010】上記構成を成す熱交換器1は、チューブ2
とフィン3を積層し、その積層方向の両外側にサイドブ
ラケット4を配置してコア組みを行い、コアの両側にタ
ンク5を組付けた後、一体ろう付けにより製造される。
これにより、コアの上段側に配される各チューブ2Aの
流体通路と、コアの中段および下段側に配される各チュ
ーブ2Bの第2流体通路7(コアの後面側)は、左右タ
ンク5の第2連通室5Bとそれぞれ連通されて、コアの
後面側だけで独立した流通径路が形成され、ラジエータ
として構成される。また、コアの中段および下段側に配
される各チューブ2Bの第1流体通路6(コアの前面
側)は、左右タンク5の第1連通室5Aと連通される。
そして、第1連通室5A内が仕切板5cによって上下二
段に区画されることにより、仕切板5cより上段側と下
段側とで独立した流通径路が形成され、コアの前面側で
仕切板5cより上段側が冷媒凝縮器として構成され、仕
切板5cより下段側がオイルクーラとして構成される。
このように、本実施例では、ラジエータ、冷媒凝縮器、
オイルクーラを一体化して、チューブ2、フィン3、お
よびタンク5を共有化したことにより、エンジンルーム
内での取付けスペースを大幅に低減することができる。
また、一体化により、ろう付けを一度で行なうことがで
きる。さらには、タンク5を押出し成形品としたことに
より、従来の熱交換器で必要とされたコアプレートを廃
止することができる。このため、チューブ2、フィン
3、およびタンク5を共有化したことと合わせて、部品
点数の減少および組付け工数の低減を図ることができ
る。なお、本実施例では、ラジエータ、冷媒凝縮器、オ
イルクーラを一体化した熱交換器としたが、ラジエータ
と冷媒凝縮器、あるいはラジエータとオイルクーラとを
一体化した熱交換器としても良い。
【0011】
【発明の効果】 本発明の熱交換器は、チューブ、フィ
ン、タンクの共有化によって、少なくとも2種類の熱交
換器を一体化することができる。従って、各熱交換器の
取付けスペースを1か所に集約して省スペース化を図る
ことができる。また、部品の共有化に伴う部品点数の減
少および組付け工数の低減により、低コスト化を実現す
ることができる。また、第1コアと第2コアの大きさを
異なる大きさとすることによって、各熱交換器に要求さ
れる放熱能力に応じて各熱交換器のコアの大きさを変え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チューブとフィンの斜視図である。
【図2】タンクの分解斜視図である。
【図3】熱交換器の全体構成図である。
【符号の説明】
1 熱交換器 2A チューブ 3 フィン 5 タンク 5A 第1連通室 5B 第2連通室 6 第1流体通路 7 第2流体通路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−202084(JP,A) 特開 昭62−33288(JP,A) 特開 昭63−91488(JP,A) 実開 平2−62267(JP,U) 実公 昭59−28885(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28D 1/053

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体通路を成すチューブと熱交換用のフ
    ィンとを交互に積層して成るコアと、このコアの両側に
    配された一対のタンクとを備え、 前記チューブは、前記コアの前後方向において、その内
    部が第1の流体が流れる第1流体通路と第2の流体が流
    れる第2流体通路とに区画される第1チューブと、その
    内部に前記第2流体通路のみが形成される第2チューブ
    とを有し、 前記一対のタンクは、その内部が前記コアの前後方向に
    おいて第1連通室と第2連通室とにそれぞれ区画されて
    おり、且つ一対のタンクに形成された前記第1連通室と
    前記第1流体通路とが連通し、前記第2連通室と前記第
    2流体通路とが連通しており、前記第2流体通路 とフィンによって構成される第2コア
    の面積は、前記第1流体通路とフィンによって構成され
    る第1コアの面積よりも大きいことを特徴とする熱交換
    器。
  2. 【請求項2】 上下方向において、前記タンクを前記第
    1連通室と第3連通室とに区画する仕切板と、 その内部が前記コアの前後方向において前記第流体通
    路と第3の流体が流れる第3流体通路とに区画されてお
    り、且つ前記第連通室が前記第流体通路連通し、
    前記第3連通室が前記第3流体通路と連通する第3チュ
    ーブとを有することを特徴とする請求項1記載の熱交換
    器。
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