JP3631721B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶表示装置に係わり、特に、液晶表示装置の光源として用いられている冷陰極蛍光灯の光を一定方向に集光するための銀反射シートに適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶表示装置の光源として用いられている冷陰極蛍光灯の光を一定方向に集光するための銀反射シートを有する液晶表示装置は、例えば、図7に示すようなものがある。
【0003】
図7は、前記従来の液晶表示装置の1つである単純マトリックス型液晶表示モジュール(LCM)の分解斜視図である。
【0004】
従来の液晶表示モジュール(LCM)は、図7に示すように、金属板から成る枠状のフレーム701、シリコンスペーサ702、液晶表示パネル(LCD)703、駆動回路基板(SEGP/B)704、モールド705、プリズムシート706、冷陰極蛍光灯(冷陰極管)101、ゴムブッシュ102、導光板103、銀反射シート104、ケーブルコネクタ707、下フレーム708が、同図に示す上下配置関係で積み重ねられて組み立てられる。
【0005】
前記モールド705、プリズムシート706、冷陰極蛍光灯101、ゴムブッシュ102、導光板103、下フレーム708は、液晶表示パネル703に光を照射するためのバックライトを構成している。
【0006】
従来の液晶表示モジュール(LCM)に使用されるバックライトとしては、光を導くための透明な合成樹脂板からなる導光板103の側面に沿って、冷陰極蛍光灯101が近接して配置されるタイプと、液晶表示パネル703の直下に複数本の冷陰極蛍光灯101がそれぞれ平行に配置されるタイプの2つのタイプが知られている。
【0007】
図8は、導光板103の側面に沿って冷陰極蛍光灯101が近接して配置されるタイプのバックライトの図7のA−A線で切った断面図である。
【0008】
図8に示すバックライトは、光を導くための透明な合成樹脂板からなる導光板103の側面に沿って、冷陰極蛍光灯101が近接するように配置する。
【0009】
このように冷陰極蛍光灯101を配置することにより、冷陰極蛍光灯101の光を少しでも多く導光板103に導くと同時に、省スペース化を図っている。
【0010】
更に、導光板103と異なる方向に放射された光を無駄なく導光板に集光させるために、冷陰極蛍光灯101を包むように銀反射シート104が配置されている。
【0011】
図9は、図8に示す銀反射シート104の構造を示す紙面に対して垂直に上からみた一部拡大図である。
【0012】
図9において、901は厚さ38(μm)の透明なポリエチレンテレフタレート(以下、”PET”とする。)のフィルムであり、電気特性としては低周波電気絶縁特性がよく、耐熱性及び、引張り強さ、曲げ強さ、圧縮強さの機械的強さを有する。
【0013】
902は厚さ400(Å)の銀薄膜であり、PET901と共に鏡面を形成する。
【0014】
903は厚さ1(μm)のアクリル系の白コート薄膜であり、904は厚さ15(μm)のアクリル系接着剤である。
【0015】
また、905は厚さ400(Å)のアルミニウム薄膜であり、906は厚さ25(μm)のPETフィルム、907は厚さ2(μm)のポリ塩化ビニル(PVC)の白コート薄膜である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術に示す液晶表示装置では、フレーム701及び下フレーム708はアルミニウム等の金属であることに加え、これら金属部品は外来ノイズによる駆動回路基板704の駆動回路の誤動作防止(外来ノイズ対策)と駆動信号に重畳される高調波が外部に漏れるのを抑える(輻射電波対策)ために、全てグランドに接続されていた。
【0017】
また、駆動回路基板704はプリント基板であるため、多数の銅箔が使用されていることに加え、基板上での外来ノイズ対策および輻射電波対策のためにグランド線が大きな面積を占めていた。
【0018】
さらに、銀反射シート104は、図9に示すように金属である銀薄膜902とアルミニウム薄膜905を有している。
【0019】
その結果、銀反射シート104とグランドに接続される前記金属部品との間に浮遊容量が存在していた。
【0020】
このため、冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104の距離が不十分である場合、冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104の間の浮遊容量が増大し、その結果、冷陰極蛍光灯101から銀反射シート104、フレーム701等の金属部品、電源のグランドへ至る電流経路が形成され、リーク電流が流れてしまうことになり、消費電力を低減させる上で大きな障害となるという問題があった。
【0021】
本発明の目的は、液晶表示装置において、リーク電流を防止し消費電力を低減させることが可能となる技術を提供することにある。
【0022】
本発明の前記目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0024】
液晶表示パネルと、光源と、前記光源を固定する固定手段と、前記光源より放出される光を集光する集光手段と、前記集光手段により集光された光で前記液晶表示パネルを裏面より照射する照明手段とを具備する液晶表示装置であって、前記集光手段は反射シートであり、前記固定手段は、前記光源の両端にかぶせられているとともに前記光源を挟み込む挟持部と、前記光源と前記集光手段との間に位置して前記光源と前記集光手段との間隔を保つとともに前記集光手段の形を整える保持手段とが一体成型されている。
【0025】
【作用】
前述した手段によれば、前記光源と前記集光手段との間隔が近接あるいは接触することなく一定に保持できる。
【0026】
それゆえ、交流高電圧が印加される前記光源と導電物質を含む前記集光手段との近接あるいは接触が原因となる、前記光源と前記集光手段との間の浮遊容量が増大することを防止できる。
【0027】
この結果、前記光源から浮遊容量を介し、前記集光手段に至るリーク電流を最小限に抑えることができる。
【0028】
このように、リーク電流増大の原因となる光源と集光手段との近接あるいは接触を防止することにより、電力消費量を低減することができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の構成について、実施例とともに説明する。
【0030】
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0031】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の液晶表示装置のバックライトの概略構成を示す斜視図である。
【0032】
図1において、101は照明手段である冷陰極蛍光灯、102は冷陰極蛍光灯101を保護及び固定をするためのゴムブッシュ、102aはゴムブッシュ102に設けられた突起部であり保持手段となる。
【0033】
103は冷陰極蛍光灯101からでた光を液晶表示素子全体に照射するための導光体、104は集光手段となり冷陰極蛍光灯101の光を無駄なく導光体102に集光するための銀反射シートを示す。
【0034】
前記銀反射シート104は、従来例で用いている図9に示す銀反射シートと同様の構造である。
【0035】
図2は、前記ゴムブッシュ102の一例を示す斜視図である。
【0036】
図2において、102aは冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104の間に位置することにより冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104の近接あるいは接触を防止すると同時に、銀反射シート104の集光効率が最大となるように銀反射シート104の形を整えるための突起部である。
【0037】
102bは、冷陰極蛍光灯101を弾性力により挟み込み、それを保持する挟持部である。
【0038】
102cは、挟持部102bの冷陰極蛍光灯101を挟み込む力を補うと同時に、冷陰極蛍光灯101の挟み込みを容易に行えるようにするための補助部である。
【0039】
更に、前述した突起部102a、挟持部102b、補助部102cは一体に構成される。
【0040】
次に、図1に示す液晶表示装置のバックライトをB−B線で切った断面図を図3に示し、ゴムブッシュ102の突起部102aの効果を説明する。
【0041】
まず、ゴムブッシュ102の突起部102aが冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104の間に入ることにより、冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104との距離は突起部102aの厚さよりも接近することはなくなる。
【0042】
一方、導電体間に存在する浮遊容量は、その導電体間の距離に反比例するという性質がある。
【0043】
そのため、突起部102aにより冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104との距離が十分に保持されるため、浮遊容量も十分無視できる程度に減少させられる。
【0044】
その結果、冷陰極蛍光灯101から銀反射シート104、フレーム701及び下フレーム708を経由してグランドに至るリーク電流経路内の冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104間を遮断できることになるため、リーク電流を無視できる程度に減少させられることになり、リーク電流による電力消費を防止できる。
【0045】
更に、冷陰極蛍光灯101は突起部102aの外周に沿うように折り返されるため、突起部102aの形状を集光効率が最も良くなるようにすることにより、冷陰極蛍光灯101の発光量を増加させることなくバックライトの輝度を大きくできる。
【0046】
図4は、本実施例1に適応可能なゴムブッシュの他の例を示す斜視図である。
【0047】
図4に示すゴムブッシュ401の突起部401aは、冷陰極蛍光灯101をゴムブッシュ401の挟持部102bと同様に挟み込むことが可能である。
【0048】
更には、銀反射シート101と接する突起部401aの外周は集光効率が最も良くなる形状である。
【0049】
図5は、本実施例1に適用可能なゴムブッシュの一例を示す斜視図である。
【0050】
図5に示すゴムブッシュ501の突起部は、2つの突起部501aと501bより構成される。
【0051】
更には、銀反射シート101と接する突起部501a、501bの外周は集光効率が最も良くなる形状である。
【0052】
以上説明したように、本実施例1によれば、従来問題となっていた冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104の距離が不十分である場合、あるいは接触した場合に冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104間に流れるリーク電流の原因となる浮遊容量が、ゴムブッシュ102に突起部102aを設け、その突起部102aを冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104の間に挟むことにより、冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104との近接あるいは接触を防止できるため著しく減少できる。
【0053】
なお、リーク電流の原因となる浮遊容量を低減するためには、冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104との間隔は、液晶表示モジュールの構造上の制約により制限されるが、少なくとも0.5mm以上であればよい。
【0054】
その結果、以下に示すような効果がある。
【0055】
(1)冷陰極蛍光灯101から銀反射シート104、液晶モジュールの金属部品を介し電源グランドに至るリーク電流を大幅に低減できるので、リーク電流による電力消費量を低減することが可能となる。
【0056】
(2)突起部102aの銀反射シート104に接する部分の形状を変化させることにより、集光効率を上げることができるので、消費電力を増加させることなく輝度を上げることができる。
【0057】
(3)突起部102aはゴムブッシュ102と一体成型されるため、部品点数を増加させることもない。
【0058】
(4)突起部102aはゴムブッシュ102と一体成型されるため、組立時の作業量の増加を防止できる。
【0059】
(実施例2)
図6は本発明の他の実施例2の液晶表示装置のバックライトの概略構成を示す斜視図である。
【0060】
本実施例2は、前記実施例1におけるゴムブッシュ102の突起部102aに代え、セラミックのスペーサ601を用いた実施例である。
【0061】
次に、前記実施例1と相違する部分について説明する。
【0062】
図6中に示すゴムブッシュ602は、従来用いていたゴムブッシュと同等である。
【0063】
しかしながら、スペーサ601の銀反射シート104と接する面の形状は、前記実施例1における突起部102a同様に集光効率が最も良くなる形状とする。
【0064】
更に、冷陰極蛍光灯101と接する側の形状は、冷陰極蛍光灯101に沿うような形状とする。
【0065】
そして、液晶表示装置組立時に冷陰極蛍光灯101にスペーサ601を接着剤で固定し、銀反射シート104で覆う。
【0066】
すると、前記実施例1の図2に示すように冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104の間にはスペーサ601の厚さ分の十分な間隔を保つことが可能となると同時に、銀反射シート104はスペーサ601の外周に沿うように配置されるため集光効率が最も良くなる形状となる。
【0067】
以上に示すように本実施例2によれば、スペーサ601を設け、そのスペーサ601を冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104の間に挟むように冷陰極蛍光灯101に固定することにより、冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104の近接あるいは接触を防止できるため、冷陰極蛍光灯101と銀反射シート104との間の浮遊容量を著しく減少できる。
【0068】
その結果、冷陰極蛍光灯101から銀反射シート104、液晶モジュールの金属部品を介し電源グランドに至るリーク電流を大幅に低減できるので、リーク電流による電力消費量を低減することが可能となる。
【0069】
更に、スペーサ601の銀反射シート104に接する部分の形状を変化させることにより、集光効率を上げることができるので、消費電力を増加させることなく輝度を上げることができる。
【0070】
また、本実施例のスペーサ601は2個使用しているが、1個以上のスペーサであればよい。
【0071】
本実施例2において、スペーサ601はその材質をセラミックとしているが、ゴムブッシュ602と同じ材質で冷陰極蛍光灯101を挟み込むようにすることも勿論可能である。
【0072】
更には、非導電性の材質であれば使用可能であることは言うまでもない。
【0073】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0074】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0075】
(1)リーク電流を防止し、消費電力を低減することができる。
【0076】
(2)集光手段を最も集光効率がよくなる形状に保持できるため、消費電力を増大させることなく輝度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の液晶表示装置のバックライトの概略構成を示す斜視図である。
【図2】実施例1のゴムブッシュの一例を示す斜視図である。
【図3】実施例1の液晶表示装置のバックライトをB−B線で切った断面図である。
【図4】実施例1に適応可能なゴムブッシュの他の例を示す斜視図である。
【図5】実施例1に適応可能なゴムブッシュの他の例を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例2の液晶表示装置のバックライトの概略構成を示す斜視図である。
【図7】従来の液晶表示装置の一つである単純マトリックス型液晶表示モジュール(LCM)の分解斜視図である。
【図8】導光板の側面に沿って冷陰極蛍光灯が近接して配置されるタイプのバックライトの断面図である。
【図9】銀反射シートの構造を示す紙面に対して垂直に上からみた一部拡大図である。
【符号の説明】
101…冷陰極蛍光灯、102,401,501,602…ゴムブッシュ、102a,401a,501a,501b…ゴムブッシュの突起部、102b…ゴムブッシュの挟持部、102c…ゴムブッシュの補助部、103…導光体、104…銀反射シート、601…スペーサ、701…フレーム、702…シリコンスペーサ、703…液晶表示パネル、704…駆動回路基板、705…モールド、706…プリズムシート、707…ケーブルコネクタ、708…下フレーム、901,906…ポリエチレンテレフタレート(以下、”PET”とする。)のフィルム、902…銀薄膜、903…アクリル系の白コート薄膜、904…アクリル系接着剤、905…アルミニウム薄膜、907…ポリ塩化ビニル(PVC)の白コート薄膜。
Claims (3)
- 液晶表示パネルと、光源と、前記光源を固定する固定手段と、前記光源より放出される光を集光する集光手段と、前記集光手段により集光された光で前記液晶表示パネルを裏面より照射する照明手段とを具備する液晶表示装置であって、
前記集光手段は反射シートであり、
前記固定手段は、前記光源の両端にかぶせられているとともに前記光源を挟み込む挟持部と、前記光源と前記集光手段との間に位置して前記光源と前記集光手段との間隔を保つとともに前記集光手段の形を整える保持手段とが一体成型されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記保持手段は、前記光源を挟持することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記固定手段は、ゴムブッシュであることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
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