JP3631701B2 - 多重化装置および帯域制御装置およびプログラムおよび記録媒体 - Google Patents

多重化装置および帯域制御装置およびプログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は通信網に収容される各コネクションの最低帯域の保証を行う装置に関する。本発明は、固定長パケットであるセルを扱うATM(Asynchronous Transfer Mode)通信網に利用する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットやLANの急速な普及から、IPトラヒック等のデータ系トラヒックが指数関数的に増加している。これにともないネットワーク上で輻輳発生頻度が増加しており、ユーザに対するサービス品質の低下が問題となっている。例えば、従来のインターネットでは転送品質を保証しないベストエフォートサービスが主流であったが、ベストエフォートサービスのみでは十分なスループットが得られないケースが増えており、ISP(Internet Service Provider)間や企業間を高速回線で接続する場合に回線毎に最低帯域や遅延品質を保証するようなサービスの要求が今後ますます増加すると考えられる。
【0003】
ユーザ毎に契約している最低帯域を保証するサービスとしてはGFR(Guaranteed Frame Rate)サービスがある。非輻輳時には各ユーザは互いに利用可能帯域(残余帯域)を共有して利用できる。
【0004】
GFRサービスを実現する方式に関しては数多くの提案がなされているが、その一つにWRR(Weighted Round Robin)方式がある。図23はWRR方式の概略を表す図である。WRR方式はコネクション毎にキューを持ち、コネクション毎に重みが付けられており、重みに応じた読出制御を各キューに対して行うことでコネクション間に帯域を分配する。
【0005】
WRRに、帯域を共有する全てのコネクションを収容することによって、収容コネクションの重みに応じて帯域を分配することができる。WRR方式により、最低帯域を保証しつつ、余剰帯域をある規則にしたがってコネクション間に公平に分配することが可能である。
【0006】
しかし、WRR方式のハードウェアの複雑さは収容するコネクション数に比例し、高速化のボトルネックとなる。また、コネクション毎にキューを持つ必要があるため、バッファ部のハード量も問題となる。つまり、WRR方式は高速になり、収容されるコネクション数が増加すると、経済的にGFRサービスを実現することが困難である。したがって、簡易なハードウェア構成でGFRサービスを実現する方式が求められている。
【0007】
簡易なハードウェア構成でGFRサービスを実現する方式として、FIFO−Tagging方式が知られている。この方式では、バッファはコネクション毎に持つ必要はなく、回線毎に一つあればよい。FIFO−Tagging方式ではコネクション毎に網の入り口で網への入力レートを観測し、計測されたレートがMCR(Minimum Cell Rate)以下であれば、そのコネクションのセルはそのまま通過し、MCRを超えていればセルのヘッダ部にタグ(以下、Tag)が付けられる。ここで、MCRとは網がコネクションに対して転送を保証する帯域のことである。
【0008】
FIFOバッファには閾値が設けられており、キュー長が閾値を超えているか否か常に観測している。仮にキュー長が設定された閾値を超えている場合には、ヘッダ部にTagが付けられているセルはFIFOバッファに入る前に廃棄され、FIFOバッファにはTagが付いていないセル、つまり網への入力レートがMCR以下のコネクションのセルのみ通過する。
【0009】
FIFO−Tagging方式では、FIFOバッファの出力速度を収容するコネクションのMCRの合計以上にすることで、輻輳時におけるMCRの保証が可能である。また、非輻輳時、各コネクションのMCRの和を超えた部分の帯域、余剰帯域がある場合には、その帯域は複数コネクションでシェアされる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方式では複数コネクションでバッファを共用するので、各コネクションのMCRの和を超えた部分の帯域、余剰帯域に関しては、FIFOバッファへの入力レートに比例するかたちで各コネクション間に分配されるため、「公平性」という面で問題があった。FIFO−Tagging方式では余剰帯域が生じた場合にその帯域をどのようにコネクション間で分配するかという規定がないため、極端な場合では余剰帯域を一つのコネクションが占有してしまうという不公平な状況が生じるという問題があった。
【0011】
本発明は、このような背景に行われたものであって、通信網に収容されている各コネクションに対し、輻輳時においても契約している最低帯域を保証しつつ、通常時(非輻輳時)には、余剰帯域をコネクション間で公平に分配し、より効率的な網資源の利用を可能にすることができ、また、高速回線においても経済的に実現可能な多重化装置および帯域制御装置およびプログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の観点は、到着する固定長パケットであるセルの属するコネクション1〜kを識別する手段と、当該セルの受付可否を判定する手段と、この判定する手段の判定結果にしたがってセルを多重化する手段とを備えた多重化装置である。
【0013】
ここで、本発明の特徴とするところは、コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎にセルの到着レートRiを検出する手段と、コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段とを備え、セルの到着レートRiにはあらかじめ閾値となる最大レートが設定され、当該最大レートを超えるとほぼゼロになる前記セルの到着レートRiの総和ΣRiの連続関数をβ(ΣRi)とし、前記多重化する手段に1以上のセルが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、前記判定する手段は、許可到着レートACRiを
ACRi=β(ΣRi)・Wi/Wact
として計算する手段と、コネクションi毎のセルの到着レートRiが当該許可到着レートACRi以下のコネクションに属するセルについてはこれを受付許可と判定する手段とを備えたところにある。
【0014】
これにより、本発明の多重化装置は、各コネクションの最低帯域を保証しつつ、余剰帯域を契約しているMCRと網資源の使用状況とを考慮して、コネクション間で分配するため、通信網を有効に使用することができる。また、本発明ではハードウェア構成が簡易なFIFOを採用しているため、高速回線においても経済的に実現可能である。
【0015】
前記判定する手段が受付拒否したコネクションj(jは1〜kのいずれか)の到着レートRjが前記許可到着レートACRjを超えている割合を算出する手段と、この算出する手段により算出された割合に応じた確率で前記判定する手段が受付拒否と判定したコネクションjのセルについてもその一部を受付許可と判定されたセルとみなして前記多重化する手段に蓄積する手段とを備えることができる。
【0016】
これにより、前記許可キュー長を超えたコネクションのセルを急峻に受付拒否する場合と比較すると、ゆるやかなトラヒック制御を行うことができるため、安定したトラヒック制御を実現することができる。
【0017】
前記判定する手段が受付拒否したコネクションj(1〜kのいずれか)の到着レートRjが前記許可到着レートACRjを超えている割合を算出する手段を備え、前記判定する手段は、この算出する手段の算出結果にしたがって少なくとも2個連続して前記コネクションjのセルを受付拒否する手段を備えることができる。
【0018】
また、前記算出する手段の算出結果にしたがって受付拒否したコネクションjのセルについて連続した受付拒否を禁止する手段を備えることもできる。
【0019】
この場合には、前記連続して前記コネクションjのセルを受付拒否する手段と前記連続した受付拒否を禁止する手段とを切替選択する手段を備えることが望ましい。
【0020】
例えば、急激に到着レートRjが許可到着レートACRjを超えたときには、輻輳発生を回避するために急激なトラヒック制御を行う必要がある。そのような事態が発生したときには、セルを連続して廃棄することにより対処することができる。反対に、緩やかに到着レートRjが許可到着レートACRjを超えたときには、緩やかなトラヒック制御を行って安定したトラヒック制御を実現することができる。このような相反する制御形態は、状況に応じて切替えて用いることが望ましい。このような切替制御は、前記判定する手段の付加機能として備えることが望ましい。
【0021】
前記判定する手段が受付拒否したコネクションjの到着レートRjが前記許可到着レートACRjを超えている割合を算出する手段を備え、前記判定する手段が受付拒否と判定したコネクションjのセルに前記算出する手段により算出された割合に応じて一定時間の遅延を与えた後に前記多重化する手段に蓄積する手段を備えることができる。
【0022】
これにより、セルの廃棄を行わなくともRTT(Round Trip Time)が大きくなり、セル送出元に対して送出レートを下げさせる効果が期待できるため、セルを廃棄してしまう場合と比較してトラヒックを有効に利用することができる。
【0023】
前記判定する手段は、受付拒否と判定すべきコネクションjのセルが前記多重化する手段に存在しないときにはこの受付拒否と判定すべきセルを受付許可と判定する手段を含むことができる。
【0024】
すなわち、前記多重化する手段にコネクションjのセルが存在しないということは、コネクションjのセルは散発的であることを示している。このような散発的なセルを受付拒否して廃棄しても連続的なセルを廃棄する場合と比較して輻輳回避の効果はきわめて低い。したがって、このような散発的なセルを無意味に廃棄しないようにすることが望ましい。
【0025】
最低保証帯域を超えてネットワークに到着するセルについてはこれにタグが付与され、前記判定する手段は、受付拒否と判定すべきセルに前記タグが付与されているときにはこの受付拒否と判定すべきセルを受付許可と判定する手段を含むことができる。これにより、最低帯域を保証したセル転送サービスを実現することができる。
【0026】
コネクション識別番号があらかじめ複数のグループに分類され、前記判定する手段は、受付拒否と判定すべきセルのコネクション識別番号が所定の前記グループに属するセルについてはこの受付拒否と判定すべきセルを受付許可と判定する手段を含むことができる。これにより、緩やかなトラヒック制御を行い安定したトラヒック制御を実現することができる。
【0027】
前記判定する手段は、所定周期毎に各周期毎に計算された許可到着レートACRiに基づき受付可否判定を行う手段と、受付許可したコネクションiの到着レートRiが許可到着レートACRiよりも小さいときにはその差分を次周期の許可到着レートに加算した値を次周期の許可到着レートとする手段とを備えることができる。
【0028】
これにより、トラヒックが時間的に偏っている場合に、トラヒックが小さい時間帯の余剰分をトラヒックが大きい時間帯に振り分けることができ、コネクションのスループットを向上させることができる。
【0029】
前記判定する手段は、受付許可したコネクションiの到着レートRiが許可到着レートACRiよりも小さいときにその差分を他の受付拒否したコネクションjの許可到着レートACRjに加算することによりそのコネクションjが受付許可となるときにはその差分をコネクションjの許可到着レートACRjに加算してコネクションjのセルを受付許可と判定する手段を備えることができる。
【0030】
これにより、特定のコネクションにトラヒックが偏った場合に、トラヒックが小さいコネクションから許可到着レートを譲り受けることができ、ネットワーク全体としてスループットを向上させることができる。
【0031】
前記判定する手段は、所定周期毎に各周期毎に計算された許可到着レートACRiに基づき受付可否判定を行う手段を備え、この所定周期は、許可到着レートACRiの大きさに反比例した長さに設定されることができる。
【0032】
すなわち、許可到着レートACRiが小さい場合には、輻輳発生等の悪影響を及ぼす事態が発生する確率が低いため、きめ細かな制御をしなくともよいので、比較的長い許可到着レートACRiの変更を行い、反対に、許可到着レートACRiが大きい場合には、輻輳発生等の悪影響を及ぼす事態が発生する確率が高いため、きめ細かな制御を必要とするため、比較的短い周期で許可到着レートACRiの変更を行う。これにより、常時、きめ細かな制御を実施する場合と比較して制御を簡素化することができる。
【0033】
前記判定する手段は、所定周期毎に各周期毎に計算された許可到着レートACRiに基づき受付可否判定を行う手段を備え、この所定周期は、異なるコネクション毎に位相が異なるように設定されることができる。
【0034】
これにより、全てのコネクションが同時に輻輳制御されたり、解除されたりせず、安定化した制御を行うことができる。
【0035】
同様の効果を期待できる構成としては、前記判定する手段は、乱数を発生させる手段と、この乱数に対応して複数のコネクションのうちのいずれかを選択する手段と、この選択する手段により選択されたコネクションについて所定周期毎に各周期毎に計算された許可到着レートACRiに基づき受付可否判定を行う手段とを備えることができる。
【0036】
さらに、同様の効果を期待できる構成としては、コネクション識別番号があらかじめ複数のグループに分類され、前記判定する手段は、複数の前記グループのいずれかを順次選択する手段と、この選択する手段により選択されたグループのコネクション識別番号に相当するコネクションについて所定周期毎に各周期毎に計算された許可到着レートACRiに基づき受付可否判定を行う手段とを備えることもできる。
【0037】
前記到着レートRiを検出する手段は、到着レートRiの所定の変化周期以下の変化周期について到着レートRiを検出する手段を含むことができる。これにより、瞬間的な到着レートRiの変化を吸収し、外乱によるトラヒック制御の誤動作を回避することができる。
【0038】
このときに、前記到着レートRiを検出する手段は、所定の時間間隔をおいて到着レートRiを検出する手段を備えてもよい。これにより、さらに到着レートRiの変化を緩やかに検出することができるため、外乱によるトラヒック制御の誤動作を回避することができる。
【0039】
同様の効果を期待できる構成としては、前記到着レートRiを検出する手段は、単位時間内の到着レートRiの最大値を到着レートRiの検出結果として当該単位時間毎に出力する手段を含むことができる。
【0040】
前記到着レートRiを検出する手段は、最低帯域が保証されたAF(Assured Forwarding)クラスのセルの到着レートから最大帯域から高速転送を行うEF(Expedited Forwarding)クラスのセルの到着レートを減算した値を減算するカウンタを備えることができる。
【0041】
すなわち、最大帯域からEFクラスのセルの到着レートを減算することにより、AFクラスのセルに許容される帯域が残る。この帯域に応じた読出レートでAFクラスのセルの到着レートを減算したときに、カウンタ値が増加する傾向にあれば、到着レートが読出レートよりも大きいことを示す。また、カウンタ値が変化しないか減少する傾向にあれば、到着レートが読出レートと等しいか小さいことを示す。このようにしてカウンタ値の増減を観測することにより、到着レートRiを検出することができる。
【0042】
前記到着レートRiを検出する手段は、到着セルを多重化する手段と、この到着セルを多重化する手段から前記許可到着レートACRiに基づき仮想的にセルを読出す手段と、前記到着セルを多重化する手段のセル蓄積数にしたがって到着レートRを検出する手段とを備えることができる。
【0043】
すなわち、仮想的に許可到着レートACRiでセルを読出し続けているところへ、到着セルを入れると、許可到着レートACRiよりも到着レートが大きい場合には、セル蓄積数が増加する。反対に、許可到着レートACRiよりも到着レートが小さい場合には、セル蓄積数が減少する。このセル蓄積数の増減を検出することにより到着レートRiの大小を推定することができる。
【0044】
前記到着レートRiを検出する手段は、前記多重化する手段に蓄積されたコネクション毎のセル数を計数する手段と、このセル数に基づいて到着レートRiを検出する手段とを備えることができる。
【0045】
すなわち、多重化する手段に蓄積された読出しを待つコネクション毎のセル数を検出することにより、到着レートRiの大小を推定することができる。多重化する手段に蓄積された読出しを待つコネクション毎のセルは、実際のネットワークの負荷となるセルであるから、確度の高い到着レートRiの検出を行うことができる。
【0046】
前記到着レートRiを検出する手段は、セル到着間隔の逆数によりレートを検出する手段を備えることができる。すなわち、到着間隔が小さい場合には、頻繁にセルが到着しているので到着レートRiが大きいことを示し、到着間隔が大きい場合には、セルが疎らに到着しているので到着レートRiが小さいことを示す。これにより、複雑な演算を必要とせず、簡単に到着レートRiを推定することができる。
【0047】
到着レートRiにより加算され許可到着レートACRiにより減算されるカウンタと、このカウンタの計数値が閾値を超えた到着セルについてはこれを廃棄する手段とを備えることができる。
【0048】
すなわち、このようなカウンタを設けることにより、判定する手段が受付拒否したセルを廃棄するための構成を実現することができる。
【0049】
また、前記多重化する手段のキュー長を検出する手段を備え、前記閾値はこのキュー長を検出する手段により検出されたキュー長に比例して設定されることができる。
【0050】
すなわち、キュー長が大きくなる場合には、セルが頻繁に到着しているのであるから、閾値を大きくすることによりセル廃棄率を大きくして輻輳発生を回避することができる。
【0051】
また、複数のサービスクラスが設けられ、到着するセルが属する前記サービスクラスを識別する手段と、コネクションi毎にセルの到着レートRiを前記サービスクラス毎に検出する手段と、コネクションi毎にあらかじめ定められた前記サービスクラス毎の重みWiの値を保持する手段とを備え、前記判定する手段は、前記サービスクラス毎の許可到着レートACRiを
ACRi=β(ΣRi)・Wi/Wact
として計算する手段と、コネクションi毎の前記サービスクラス毎のセルの到着レートRiが前記サービスクラス毎の当該許可到着レートACRi以下のコネクションに属するセルについてはこれを受付許可と判定する手段とを備えることもできる。
【0052】
例えば、一つのコネクションに属するセルをさらにリアルタイム性が重要なセルと、その他のセルとにサービスクラスを分類し、リアルタイム性が重要なセルの方に、その他のセルよりも重み付けの割合を大きくすれば、リアルタイム性が重要なセルの読出しをスムースに行うことができるため、ユーザに対するQoS(Quality of Service)を向上させることができる。
【0053】
本発明の第二の観点は、本発明の多重化装置を備えたことを特徴とする帯域制御装置である。
【0054】
本発明の第三の観点は、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、本発明の多重化装置の機能を実現させることを特徴とするプログラムである。あるいは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、本発明の帯域制御装置の機能を実現させることを特徴とするプログラムである。
【0055】
本発明の第四の観点は、本発明のプログラムが記録された前記情報処理装置読み取り可能な記録媒体である。
【0056】
【発明の実施の形態】
本発明実施例の多重化装置を図1を参照して説明する。図1は本発明実施例の多重化装置のブロック構成図である。
【0057】
本発明は、図1に示すように、到着する固定長パケットであるセルの属するコネクション1〜kを識別するコネクション識別部1と、当該セルの受付可否を判定する受付判定部5と、この受付判定部5の判定結果にしたがってセルを一時蓄積するFIFO型のバッファ6とを備えた多重化装置である。
【0058】
ここで、本発明の特徴とするところは、コネクションi毎にセルの到着レートRiを検出するレート検出部8と、コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持するコネクション情報格納部2とを備え、セルの到着レートRiにはあらかじめ閾値となる最大レートが設定され、当該最大レートを超えるとほぼゼロになる前記セルの到着レートRiの総和ΣRiの連続関数をβ(ΣRi)とし、バッファ部11のバッファ6に1以上のセルが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、許可到着レート計算部4は、許可到着レートACRiを
ACRi=β(ΣRi)・Wi/Wact
として計算し、受付判定部5は、コネクションi毎のセルの到着レートRiが当該許可到着レートACRi以下のコネクションに属するセルについてはこれを受付許可と判定するところにある。
【0059】
本実施例では、複数コネクションが混在して一つのバッファ6に蓄積されている状況下における実際のバッファ6のキュー長に対してキュー長監視部7および仮想キュー管理部3によりコネクションi毎にバッファ6のキュー長Xiを検出したものを仮想キュー長という。
【0060】
図22は本発明を適用して最低帯域保証サービスの提供を行うネットワークの構成図である。発側ユーザは着側ユーザへとネットワークを通してセルを送出する。ネットワークはユーザに対して契約している最低帯域までの転送レートの保証を行う。ネットワークの各リンクには複数ユーザが収容されており、余剰帯域に関しては料金や最低保証帯域などに基づいて決められる重みにしたがってユーザ間に分配される。
【0061】
まず、発側ユーザがネットワークにセルを送出すると、ネットワークの入側エッジに位置するレート観測装置でユーザのネットワークへのセル送出レートが計測される。セルの送出レートが最低保証帯域を超えていれば、セルのヘッダにTagが付けられ、最低保証帯域以下で送出されるセルに関してはそのままネットワークへと送出される。Tagが付けられていないセルをネットワーク内で廃棄することなく着側ユーザまで転送することで最低帯域の保証を行う。本発明の多重化装置は中継ノード内に位置し、複数ユーザで共用しているリンク帯域を各ユーザに重みにしたがって分配するという処理を行う。
【0062】
以下では、本発明実施例をさらに詳細に説明する。
【0063】
(第一実施例)
本発明第一実施例を図1ないし図11を参照して説明する。本発明の多重化装置は、図1に示すように、コネクション識別部1、帯域制御部10、バッファ部11から構成されている。コネクション識別部1では到着したセルのヘッダからコネクションを識別する。帯域制御部10では、そのコネクション情報をもとに帯域制御に関する処理を行う。バッファ部11は単純なFIFO型のバッファ6でリンクに収容されている全ユーザ間で共用されている。
【0064】
バッファ6にはキュー長監視部7が接続されており、バッファ6のキュー長とセル入出力時に入出力セルに関する情報を前段の仮想キュー管理部3に伝達する。ここで、入出力セルに関する情報とは、バッファ6に入力またはバッファ6から出力されるセルのセル長およびそのセルが属しているコネクションの識別番号を含む。なお、セル長は一定であるので、セル長の情報は含まず、単に、バッファ6に対するセルの入出力情報を含むこともできる。
【0065】
入力回線側からセルが到着すると、コネクション識別部1でセルのコネクション識別が行われ、後段の帯域制御部10に送られ、バッファ6に入力するか否かの判定を行い、廃棄と判定されたセルはその場で廃棄され、廃棄と判定されなかったセルは後段のバッファ部11へと入力されFIFO規範にしたがって出力回線へと出力される。
【0066】
本発明では帯域制御部10でのセル廃棄に基づく帯域制御が重要な役割を果たす。したがって、帯域制御部10の処理について詳細に説明する。帯域制御部10は、レート検出部8、仮想キュー管理部3、許可到着レート計算部4、コネクション情報格納部2、受付判定部5により構成されている。
【0067】
仮想キュー管理部3では、キュー長監視部7からの情報をもとにバッファ6のキュー長とコネクション毎のキュー長とを算出する。仮想キュー管理部3はコネクション情報格納部2と接続されており、算出されたコネクション毎の仮想的なキュー長はコネクション情報格納部2に記録される。
【0068】
各キュー長の算出方法について説明する。まず、バッファ6のキュー長の算出に関しては、キュー長監視部7から伝達されるキュー長情報をそのまま仮想キュー管理部3に保持するだけである。次にコネクション毎の仮想キュー長の算出方法であるが、初期状態ではバッファ6は空であるため、各コネクションの仮想キュー長はゼロである。バッファ6にセルが入力されると、そのセルのセル長とコネクション識別番号とがキュー長監視部7を通して伝達される。その情報をもとに仮想キュー管理部3はコネクション識別部1にアクセスし、該当コネクションの仮想キュー長に送られてきたセル長を足し込むという処理を行う。セル出力時にはこれとは逆に仮想キュー長から伝達されたセル長を減算するという処理を行う。なお、セル長は一定であるから、キュー長監視部7は、バッファ6にセルが入出力されたときにそのセル長を伝達しなくても、単に、バッファ6にセルが入出力された旨を伝達してもよい。
【0069】
図2はコネクション情報格納部2の一例で、仮想キュー管理部3で算出されたコネクション毎の仮想キュー長に関する情報、コネクションの重みに関する情報が格納されている。
【0070】
次に、許可到着レート計算部4は、レート検出部8およびコネクション情報格納部2からセルの到着レートRiに関する情報と、コネクション毎の仮想キュー長、重みに関する情報を受け取り、それらをもとに許可到着レートACRiを計算する機能を持つ。ここでコネクションiの許可到着レートACRiとはセル到着が認められる最大到着レートを表す。
【0071】
コネクションiの許可到着レートACRiの計算方法について具体的に説明する。コネクションの重みをWi、現在の到着レートをΣRiとすると、
ACRi=β(ΣRi)・Wi/Wact
で計算される。β(ΣRi)はある連続関数で、図3ないし図9のグラフは到着レートΣRiの関数β(ΣRi)の一例である。横軸に到着レートΣRiをとり、縦軸に関数β(ΣRi)の値をとる。Wactはアクティブなコネクションの重みの和である。ここでアクティブなコネクションとは仮想キュー長がゼロより大きなコネクション、つまり少なくとも一つ以上のセルがバッファ6に入っているコネクションのことである。
【0072】
関数β(ΣRi)は到着レートΣRiがある閾値(図ではRmax)を超えるとゼロとなる。つまり到着レートΣRiがある閾値を超えた場合には、輻輳であると判定され、各コネクションの許可到着レートACRiはゼロとなる。
【0073】
例えば、図3の例では閾値Rmaxを超えない範囲では、関数β(ΣRi)は一定の値をとり、閾値Rmaxを超えたときには関数β(ΣRi)はゼロとなる。すなわち、閾値Rmaxを超えない範囲で許可到着レートACRiはコネクションの重みに比例して分配される。
【0074】
図4の例では、到着レートΣRiがゼロから閾値Rmax未満の所定の値までの間で、途中までは関数β(ΣRi)は緩やかに減少し、閾値Rmaxに近付くにつれて急に減少し、閾値Rmaxではゼロとなる。すなわち、許可到着レートACRiは到着レートΣRiが小さいときには、コネクションiの重み以上に分配されるが、到着レートΣRiが所定の値を超えると急峻に許可到着レートACRiの分配率が低下する。
【0075】
図5の例では、到着レートΣRiと関数β(ΣRi)の値とがリニアに反比例する。すなわち、許可到着レートACRiは到着レートΣRiにリニアに反比例する。最も単純かつ基本的な制御例である。
【0076】
図6の例では、到着レートΣRiと関数β(ΣRi)の値とが二次関数にしたがって反比例する。すなわち、許可到着レートACRiは到着レートΣRiが小さいときには大きいが、到着レートΣRiが増加するとともに急に減少を始め、到着レートΣRiが閾値Rmaxに近付くにつれて減少が緩やかになる。これにより、到着レートΣRiが増え始めた時点でトラヒックの増加を強く抑えることができる。
【0077】
図7の例では、到着レートΣRiと関数β(ΣRi)の値とが図6に示す二次関数とは逆転した二次関数にしたがって反比例する。すなわち、許可到着レートACRiは到着レートΣRiが小さいときには大きいが、到着レートΣRiが増加するとともに徐々に減り始め、到着レートΣRiが閾値Rmaxに近付くにつれて減少が急になる。これにより、到着レートΣRiが閾値Rmaxに近付くにつれてトラヒックの増加を強く抑えることができる。
【0078】
図8の例では、到着レートΣRiと関数β(ΣRi)の値とが段階的に反比例する。すなわち、許可到着レートACRiは到着レートΣRiが小さいときには大きいが、到着レートΣRiが増加するとともに徐々に減り始め、所定の到着レートΣRiから急に減り始め、到着レートΣRiが閾値Rmaxに近付くにつれて再び減少が緩やかになる。これにより、到着レートΣRiがゼロと閾値Rmaxとの中間付近にあるときにトラヒックの増加を強く抑えることができる。
【0079】
図9の例では、到着レートΣRiと関数β(ΣRi)の値とが図8の例とは逆転して段階的に反比例する。すなわち、許可到着レートACRiは到着レートΣRiが小さいときには大きいが、到着レートΣRiが増加するとともに急に減り始め、所定の到着レートΣRiから緩やかに減り始め、到着レートΣRiが閾値Rmaxに近付くにつれて再び急に減り始める。これにより、到着レートΣRiがゼロから増え始めた時点と閾値Rmaxに近付いた時点とでトラヒックの増加を強く抑えることができる。
【0080】
また、到着レートΣRiとしては現在の到着レート(瞬間値)を用いるとしているが、到着レートΣRiとして一定時間内の到着レートの平均値を採用してもよい。
【0081】
受付判定部5は許可到着レートACRiとコネクション毎の到着レートRiから到着したセルをバッファ6へ入力するか廃棄するかの判定をする。図10は確定的な廃棄処理を行うセル到着時の処理フローを示すフローチャートであるが、図10に示すように、到着レートRiが許可到着レートACRi以下であればバッファ6に入力し、許可到着レートACRiを超えていれば、Tagが付けられているセルは廃棄し、Tagが付けられていないセルはバッファ6へ入力することにより、常に各コネクションの最低帯域は保証しつつ、バッファ6の占有率が公平になるように制御する。
【0082】
また、到着レートRiが許可到着レートACRiを超えていた場合には、上記のように確定的にセル廃棄するのではなく、確率的にセル廃棄することも可能である。図11は確率的な廃棄処理を行うセル到着時の処理フローを示すフローチャートであるが、図11に示すように、許可到着レートACRi、到着レートをRiとすると、廃棄確率Pは、
P=(Ri−ACRi)/Ri
で与えられる。つまり、到着レートRiが許可到着レートACRiを超えた場合には、超えた割合だけ落すというものである。確率的な廃棄によって帯域制御することで、一つのコネクションに注目した場合には、到着レートRiが許可到着レートACRiを超えたときでも、連続してセルが廃棄される現象が、確定的にセル廃棄する場合よりも減少するため、TCPのレート制御との親和性が高くなるといえる。バッファ6へと入力されたセルはFIFO規範にしたがって出力回線へと出力される。
【0083】
図11における擬似乱数Randの生成は、セル到着毎に行われ、廃棄確率Pと擬似乱数Randとを比較した結果に基づき廃棄を実行することにより、実際に廃棄確率Pによる廃棄を実現することができる。例えば、廃棄確率Pが0.5であるときに、擬似乱数Randが0.5よりも大きい値をとる確率もまた0.5であり、擬似乱数Randが0.5よりも大きい場合に廃棄を実行することにより、廃棄確率Pにしたがった廃棄が行われる。
【0084】
本発明の多重化装置は到着レートRiをもとに網の輻輳状態を推定し、輻輳であると判定されれば許可到着レートACRiはゼロに等しくなり、最低保証帯域以下のレートで網に送出されているパケットのみを網は転送する。到着レートRiがある閾値以下のときは、余剰帯域が存在すると判断され、各コネクションは重みに比例した許可到着レートACRiによって、帯域をコネクション間に公平に配分することができる。
【0085】
また、前述の実施例によれば、ハードウェア構成が簡易なFIFOバッファでGFRサービスを実現しつつ、WRR方式等のようなコネクション毎に個別にバッファを持ってセルの読出制御を行う方法と同様に余剰帯域を公平にコネクション間の分配することが可能である。また、一つのバッファを多数のコネクションで共用するため、コネクション毎に個別にバッファを持つ方式に比べて、統計多重効果により必要なバッファ量を削減できるという利点もある。
【0086】
(第二実施例)
本発明第二実施例は図1に示す受付判定部5の機能として、受付判定部5が受付拒否したコネクションjの到着レートRjが許可到着レートACRjを超えている割合を算出し、この算出された割合が所定の値を超えているときには少なくとも2個連続してコネクションjのセルを受付拒否し、この算出された割合が所定の値以下であるときには受付拒否したコネクションjのセルについて連続した受付拒否を禁止する。
【0087】
すなわち、急激に到着レートRjが許可到着レートACRjを超えたときには、輻輳発生を回避するために急激なトラヒック制御を行う必要がある。そのような事態が発生したときには、セルを連続して廃棄することにより対処することができる。反対に、緩やかに到着レートRjが許可到着レートACRjを超えたときには、緩やかなトラヒック制御を行って安定したトラヒック制御を実現することができる。
【0088】
(第三実施例)
本発明第三実施例は図1に示す受付判定部5の機能として、受付拒否と判定すべきコネクションjのセルがバッファ6に存在しないときにはこの受付拒否と判定すべきセルを受付許可と判定する。
【0089】
すなわち、バッファ6にコネクションjのセルが存在しないということは、コネクションjのセルは散発的であることを示している。このような散発的なセルを受付拒否して廃棄しても連続的なセルを廃棄する場合と比較して輻輳回避の効果はきわめて低い。したがって、このような散発的なセルを無意味に廃棄しないようにする。
【0090】
(第四実施例)
本発明第四実施例は図1に示す受付判定部5の機能として、受付拒否と判定したコネクションjのセルに一定時間の遅延を与えた後にバッファ6に蓄積する。この一定時間は、到着レートRjが許可到着レートACRjを超えた割合に応じて可変する。
【0091】
これにより、セルの廃棄を行わなくともRTT(Round Trip Time)が大きくなり、セル送出元に対して送出レートを下げさせる効果が期待できるため、セルを廃棄してしまう場合と比較してトラヒックを有効に利用することができる。
【0092】
(第五実施例)
本発明第五実施例は図1に示す受付判定部5の機能として、コネクション識別番号があらかじめ複数のグループに分類され、受付拒否と判定すべきセルのコネクション識別番号が所定の前記グループに属するときにはこの受付拒否と判定すべきセルを受付許可と判定する。例えば、コネクション識別番号が偶数または奇数のいずれか一方のセルについてはこの受付拒否と判定すべきセルを受付許可と判定する。これにより、緩やかなトラヒック制御を行い安定したトラヒック制御を実現することができる。
【0093】
(第六実施例)
本発明第六実施例は図1に示す受付判定部5の機能として、受付判定部5は所定周期毎に各周期毎に計算された許可到着レートACRiに基づき受付可否判定を行い、この所定周期は、許可到着レートACRiの大きさに反比例した長さに設定される。
【0094】
すなわち、許可到着レートACRiが小さい場合には、輻輳発生等の悪影響を及ぼす事態が発生する確率が低いため、きめ細かな制御をしなくともよいので、比較的長い許可到着レートACRiの変更を行い、反対に、許可到着レートACRiが大きい場合には、輻輳発生等の悪影響を及ぼす事態が発生する確率が高いため、きめ細かな制御を必要とするため、比較的短い周期で許可到着レートACRiの変更を行う。これにより、常時、きめ細かな制御を実施する場合と比較して制御を簡素化することができる。
【0095】
(第七実施例)
本発明第七実施例は図1に示す受付判定部5の具体的構成例の実施例であり、受付判定部5は、図12に示すように、到着レートRiにより加算され許可到着レートACRiにより減算されるカウンタを備え、このカウンタの計数値が閾値を超えた到着セルについてはこれを廃棄する。
【0096】
このときに、閾値を固定して用いる場合と、閾値を可変して用いる場合とがある。閾値を可変して用いる場合には、図2に示すコネクション情報管理部2の仮想キュー長を参照し、図13に示すように、前記閾値はこの仮想キュー長に比例して設定することにより、仮想キュー長が大きくなる場合には、セルが頻繁に到着しているのであるから、閾値を大きくすることによりセル廃棄率を大きくして輻輳発生を回避することができる。
【0097】
また、閾値を固定して用いる場合には、前述したように、許可到着レートACRiが到着レートRiにほぼ反比例して変化するので、多数のセルが到着している場合には、許可到着レートACRiは低い値をとり、カウンタの減算率が小さくなり、計数値はすぐに閾値を超えるのでセルの廃棄率も大きくなることから輻輳発生を回避することができる。
【0098】
(第八実施例)
本発明第八実施例は図1に示すレート検出部8の機能として、到着レートRiの所定の変化周期以下の変化周期について到着レートRiを検出する。これにより、瞬間的な到着レートRiの変化を吸収し、外乱によるトラヒック制御の誤動作を回避することができる。
【0099】
また、到着レートRiの検出を単位時間毎に区切り、単位時間の区切りの一つおき、あるいは二つおき、といったように検出タイミングを疎らに設定することもできる。これにより、緩やかな到着レートRiの検出結果を出力することができる。
【0100】
(第九実施例)
本発明第九実施例は図1に示すレート検出部8の機能として、単位時間内の到着レートRiの最大値を到着レートRiの検出結果として当該単位時間毎に出力する。これにより、第六実施例と同様に、瞬間的な到着レートRiの変化を吸収し、外乱によるトラヒック制御の誤動作を回避することができる。
【0101】
また、第七実施例においても到着レートRiの検出を単位時間毎に区切り、単位時間の区切りの一つおき、あるいは二つおき、といったように検出タイミングを疎らに設定することもできる。これにより、緩やかな到着レートRiの検出結果を出力することができる。
【0102】
(第十実施例)
本発明第十実施例は図1に示すレート検出部8の具体的構成例を図14を参照して説明する。レート検出部8は、図14に示すように、最低帯域が保証されたAF(Assured Forwarding)クラスのセルの到着レートから最大帯域から高速転送を行うEF(Expedited Forwarding)クラスのセルの到着レートを減算した値を減算するカウンタを備えることにより実現できる。
【0103】
すなわち、最大帯域からEFクラスのセルの到着レートを減算することにより、AFクラスのセルに許容される帯域が残る。この帯域に応じた読出レートでAFクラスのセルの到着レートを減算したときに、カウンタ値が増加する傾向にあれば、到着レートが読出レートよりも大きいことを示す。また、カウンタ値が変化しないか減少する傾向にあれば、到着レートが読出レートと等しいか小さいことを示す。このようにしてカウンタ値の増減を観測することにより、到着レートRiを検出することができる。
【0104】
(第十一実施例)
本発明第十一実施例は図1に示すレート検出部8の具体的構成例の実施例であり、レート検出部8は、図15に示すように、到着セルを一時蓄積するFIFO型バッファを備え、この一時蓄積した到着セルを許可到着レートACRiに基づき仮想的にセルを読出し、セル蓄積数にしたがって到着レートRiを検出する。
【0105】
すなわち、仮想的に許可到着レートACRiでセルを読出し続けているところへ、到着セルを入れると、許可到着レートACRiよりも到着レートが大きい場合には、セル蓄積数が増加する。反対に、許可到着レートACRiよりも到着レートが小さい場合には、セル蓄積数が減少する。このセル蓄積数の増減を検出することにより到着レートRiの大小を推定することができる。
【0106】
(第十二実施例)
本発明第十二実施例は図1に示すレート検出部8の具体的構成例の実施例であり、レート検出部8は、図16に示すように、バッファ6に一時蓄積されたコネクション毎のセル数を計数し、このセル数に基づいて到着レートRiを検出する。
【0107】
すなわち、バッファ6に蓄積された読出しを待つコネクション毎のセル数を検出することにより、到着レートRiの大小を推定することができる。バッファ6に蓄積された読出しを待つコネクション毎のセルは、実際のネットワークの負荷となるセルであるから、確度の高い到着レートRiの検出を行うことができる。
【0108】
図16に示すレート検出部8は、コネクションi毎に到着するセルによって加算され、コネクション情報格納部2の仮想キュー長に基づき読出されたコネクションi毎のセルによって減算されるカウンタを設ける。セル数検出部はこのカウンタの値を監視してバッファ6におけるコネクション毎のセル数を検出する。到着レート推定部では、このセル数を基づき到着レートRiを推定する。
【0109】
具体的には、バッファ6のセル数が大きいコネクションiは、到着レートRiも大きいと推定し、バッファ6のセル数が小さいコネクションiは、到着レートRiも小さいと推定する。したがって、到着レートRiが大きいときには、許可到着レートACRiが小さくなるように制御され、到着レートRiが小さいときには、許可到着レートACRiが大きくなるように制御されるのであるから、仮想キュー長に基づき許可到着レートACRiを制御する構成を実現することができる。例えば、仮想キュー長に反比例して許可到着レートACRiが制御される。
【0110】
(第十三実施例)
本発明第十三実施例は図1に示すレート検出部8の具体的構成例の実施例であり、レート検出部8は、セル到着間隔の逆数によりレートを検出する。すなわち、到着間隔が小さい場合には、頻繁にセルが到着しているので到着レートRiが大きいことを示し、到着間隔が大きい場合には、セルが疎らに到着しているので到着レートRiが小さいことを示す。これにより、複雑な演算を必要とせず、簡単に到着レートRiを推定することができる。
【0111】
(第十四実施例)
本発明第十四実施例は帯域制御方法についての実施例であり、図1に示す受付判定部5は、所定周期毎に各周期毎に計算された許可到着レートACRiに基づき受付可否判定を行い、受付許可したコネクションiの到着レートRiが許可到着レートACRiよりも小さいときにはその差分を次周期の許可到着レートに加算した値を次周期の許可到着レートとする。
【0112】
図17に第十四実施例の帯域制御フローを示す。到着レートRiと許可到着レートACRiとを比較し(S1)、到着レートRiが許可到着レートACRi以下であれば(S2)、コネクションiの到着セルは受付許可となる(S3)。また、到着レートRiが許可到着レートACRiよりも大きければ(S2)、コネクションiの到着セルは受付拒否となる(S6)。コネクションiの到着セルが受付許可であるときに、到着レートRiと許可到着レートACRiとの差分ΔACRをとり(S4)、この差分ΔACRを次回の許可到着レートに加算する(S5)。
【0113】
これにより、トラヒックが時間的に偏っている場合に、トラヒックが小さい時間帯の余剰分をトラヒックが大きい時間帯に振り分けることができ、コネクションのスループットを向上させることができる。
【0114】
(第十五実施例)
本発明第十五実施例は帯域制御方法についての実施例であり、図1に示す受付判定部5は、受付許可したコネクションiの到着レートRiが許可到着レートACRiよりも小さいときにその差分を他の受付拒否したコネクションjの許可到着レートACRjに加算することによりそのコネクションjが受付許可となるときにはその差分をコネクションjの許可到着レートACRjに加算してコネクションjのセルを受付許可と判定する。
【0115】
図18に第十五実施例の帯域制御フローを示す。到着レートRiと許可到着レートACRiとを比較し(S10)、到着レートRiが許可到着レートACRi以下であれば(S11)、コネクションiの到着セルは受付許可となる(S12)。また、到着レートRiが許可到着レートACRiよりも大きければ(S11)、コネクションiの到着セルは受付拒否となる(S17)。コネクションiの到着セルが受付許可であるときに、到着レートRiと許可到着レートACRiとの差分ΔACRをとる(S13)。
【0116】
このときに、コネクションjは到着レートRjが許可到着レートACRjよりも大きいために到着セルが受付拒否となるが(S14)、許可到着レートACRjに差分ΔACRを加算することにより、コネクションjの到着セルが受付許可となる場合には(S15)、コネクションjの許可到着レートACRjに差分ΔACRを加算してこれをコネクションjの許可到着レートとする(S16)。
【0117】
さらに、コネクションiの到着セルが受付拒否となったときに、他のコネクションの余剰許可到着レートACRが有り(S18)、この余剰許可到着レートACRをコネクションiの許可到着レートACRiに加算することにより、コネクションiの到着セルが受付許可となる場合には、コネクションiの許可到着レートRiに余剰許可到着レートACRを加算してこれをコネクションiの許可到着レートとする(S20)。
【0118】
これにより、特定のコネクションにトラヒックが偏った場合に、トラヒックが小さいコネクションから許可到着レートを譲り受けることができ、ネットワーク全体としてスループットを向上させることができる。
【0119】
(第十六実施例)
本発明第十六実施例は帯域制御方法についての実施例であり、図1に示す受付判定部5は、所定周期毎に各周期毎に計算された許可到着レートACRiに基づき受付可否判定を行い、この所定周期は、図19に示すように、異なるコネクション毎に位相が異なるように設定される。これにより、全てのコネクションが同時に輻輳制御されたり、解除されたりせず、安定化した制御を行うことができる。
【0120】
(第十七実施例)
本発明第十七実施例は帯域制御方法についての実施例であり、図1に示す受付判定部5は、乱数を発生させ、この乱数に対応して複数のコネクションのうちのいずれかを選択し、この選択されたコネクションについて所定周期毎に各周期毎に計算された許可到着レートACRiに基づき受付可否判定を行う。これにより、第十二実施例と同様に、全てのコネクションが同時に輻輳制御されたり、解除されたりせず、安定化した制御を行うことができる。
【0121】
(第十八実施例)
本発明第十八実施例は帯域制御方法についての実施例であり、コネクション識別番号があらかじめ複数のグループに分類され、図1に示す受付判定部5は、図20に示すように、前記グループのいずれかを順次選択し、この選択されたコネクションについて所定周期毎に各周期毎に計算された許可到着レートACRiに基づき受付可否判定を行う。例えば、偶数のコネクションまたは奇数のコネクションを交互に選択し、この選択されたコネクションについて所定周期毎に各周期毎に計算された許可到着レートACRiに基づき受付可否判定を行う。これにより、第十二および第十三実施例と同様に、全てのコネクションが同時に輻輳制御されたり、解除されたりせず、安定化した制御を行うことができる。
【0122】
(第十九実施例)
本発明第十九実施例を図21を参照して説明する。第十九実施例は、一つのコネクションに属するセルをさらに二つのサービスクラスに分類して取り扱う例である。一つのサービスクラスは、リアルタイム性を重要視するセルに対するリアルタイム(R)クラスであり、もう一つのサービスクラスは、リアルタイム性を重要視しないセルに対するノンリアルタイム(NR)クラスである。
【0123】
第十九実施例を実現するためには、図1に示すコネクション識別部1において、到着するセルのコネクションを識別すると共にそのセルのサービスクラスを識別する。また、仮想キュー管理部3では、バッファ6に蓄積されたセルのコネクションの情報と共にサービスクラスの情報も取得する。これにより、コネクション情報格納部2には、図21に示すようなテーブルを設けることができる。
【0124】
例えば、コネクション#1についてみると、仮想キュー長としてリアルタイムクラスに属するX1(R)およびノンリアルタイムクラスに属するX1(NR)が記録されている。また、重みとしてリアルタイムクラスの重みW1(R)およびノンリアルタイムクラスの重みW1(NR)が記録されている。重みW1(R)はW1(NR)よりも重く設定されており、リアルタイムクラスに属するセルをノンリアルタイムクラスに属するセルに優先して読出すことができる。
【0125】
これにより、リアルタイム性を重要視するセルの遅延を少なくすることができるため、ユーザに対するQoSを向上させることができる。
【0126】
(その他の実施例)
本発明の多重化装置は、図22に示すように、ネットワークに設けることにより、帯域制御装置(UPC:Usage Parameter Control)として用いることができる。また、セル交換スイッチ内に設けることにより、当該スイッチ内のバッファの輻輳の回避にも利用できる。
【0127】
本発明の多重化装置または帯域制御装置は、情報処理装置であるコンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置に、本発明の多重化装置または帯域制御装置の機能を実現させるプログラムをコンピュータ装置にインストールすることにより実現できる。このプログラムは記録媒体に記録され、コンピュータ装置はこの記録媒体の記録内容を読み取ることにより本発明のプログラムをインストールしたり、あるいは、本発明のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接本発明のプログラムをインストールする。
【0128】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通信網に収容されている各コネクションに対し、輻輳時においても契約している最低帯域を保証しつつ、通常時(非輻輳時)には、余剰帯域をコネクション間で公平に分配し、より効率的な網資源の利用を可能にすることができる。また、高速回線においても経済的に実現可能な多重化装置および帯域制御装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の多重化装置のブロック構成図。
【図2】コネクション情報格納部のテーブル例を示す図。
【図3】関数β(ΣRi)の例を示す図。
【図4】関数β(ΣRi)の例を示す図。
【図5】関数β(ΣRi)の例を示す図。
【図6】関数β(ΣRi)の例を示す図。
【図7】関数β(ΣRi)の例を示す図。
【図8】関数β(ΣRi)の例を示す図。
【図9】関数β(ΣRi)の例を示す図。
【図10】確定的な廃棄処理を行うセル到着時の処理フローを示すフローチャート。
【図11】確率的な廃棄処理を行うセル到着時の処理フローを示すフローチャート。
【図12】第七実施例の受付判定部の具体的構成例を示す図。
【図13】第七実施例の受付判定部の閾値が可変となる具体的構成例を示す図。
【図14】第十実施例のレート検出部の具体的構成例を示す図。
【図15】第十一実施例のレート検出部の具体的構成例を示す図。
【図16】第十二実施例のレート検出部の具体的構成例を示す図。
【図17】第十四実施例の帯域制御フローを示すフローチャート。
【図18】第十五実施例の帯域制御フローを示すフローチャート。
【図19】第十六実施例の帯域制御方法を説明するための図。
【図20】第十八実施例の帯域制御方法を説明するための図。
【図21】第十九実施例のコネクション情報格納部のテーブル例を示す図。
【図22】本発明を適用したネットワーク構成の一例を示す図。
【図23】従来のWRR方式の概要を説明するための図。
【符号の説明】
1 コネクション識別部
2 コネクション情報格納部
3 仮想キュー管理部
4 許可到着レート計算部
5 受付判定部
6 バッファ
7 キュー長監視部
8 レート検出部
10 帯域制御部
11 バッファ部

Claims (13)

  1. 到着するセルの属するコネクション1〜kを識別する手段と、当該セルの受付可否を判定する手段と、
    この判定する手段の判定結果にしたがってセルを多重化する手段と
    を備えた多重化装置において、
    コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎にセルの到着レートRiを検出する手段と、
    コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段とを備え、
    セルの到着レートRiにはあらかじめ閾値となる最大レートが設定され、当該最大レートを超えるとほぼゼロになる前記セルの到着レートRiの総和ΣRiの連続関数をβ(ΣRi)とし、前記多重化する手段に1以上のセルが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、
    前記判定する手段は、許可到着レートACRiを
    ACRi=β(ΣRi)・Wi/Wact
    として計算する手段と、
    コネクションi毎のセルの到着レートRiが当該許可到着レートACRi以下のコネクションに属するセルについてはこれを受付許可と判定する手段と
    を備え
    前記判定する手段が受付拒否したコネクションj(jは1〜kのいずれか)の到着レートRjが許可到着レートACRjを超えている割合を算出する手段と、
    この算出する手段により算出された割合に応じた確率で前記判定する手段が受付拒否と判定したコネクションjのセルについてもその一部を受付許可と判定されたセルとみなして前記多重化する手段に蓄積する手段と
    を備えたことを特徴とする多重化装置。
  2. 到着するセルの属するコネクション1〜kを識別する手段と、当該セルの受付可否を判定する手段と、
    この判定する手段の判定結果にしたがってセルを多重化する手段と
    を備えた多重化装置において、
    コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎にセルの到着レートRiを検出する手段と、
    コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段とを備え、
    セルの到着レートRiにはあらかじめ閾値となる最大レートが設定され、当該最大レートを超えるとほぼゼロになる前記セルの到着レートRiの総和ΣRiの連続関数をβ(ΣRi)とし、前記多重化する手段に1以上のセルが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、
    前記判定する手段は、許可到着レートACRiを
    ACRi=β(ΣRi)・Wi/Wact
    として計算する手段と、
    コネクションi毎のセルの到着レートRiが当該許可到着レートACRi以下のコネクションに属するセルについてはこれを受付許可と判定する手段と
    を備え、
    前記判定する手段が受付拒否したコネクションj(1〜kのいずれか)の到着レートRjが前記許可到着レートACRjを超えている割合を算出する手段を備え、
    前記判定する手段は、この算出する手段の算出結果にしたがって少なくとも2個連続して前記コネクションjのセルを受付拒否する手段を備えた
    ことを特徴とする多重化装置。
  3. 前記算出する手段の算出結果にしたがって受付拒否したコネクションjのセルについて連続した受付拒否を禁止する手段を備えた請求項記載の多重化装置。
  4. 前記連続して前記コネクションjのセルを受付拒否する手段と前記連続した受付拒否を禁止する手段とを切替選択する手段を備えた請求項2または3記載の多重化装置。
  5. 到着するセルの属するコネクション1〜kを識別する手段と、当該セルの受付可否を判定する手段と、
    この判定する手段の判定結果にしたがってセルを多重化する手段と
    を備えた多重化装置において、
    コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎にセルの到着レートRiを検出する手段と、
    コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段とを備え、
    セルの到着レートRiにはあらかじめ閾値となる最大レートが設定され、当該最大レートを超えるとほぼゼロになる前記セルの到着レートRiの総和ΣRiの連続関数をβ(ΣRi)とし、前記多重化する手段に1以上のセルが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、
    前記判定する手段は、許可到着レートACRiを
    ACRi=β(ΣRi)・Wi/Wact
    として計算する手段と、
    コネクションi毎のセルの到着レートRiが当該許可到着レートACRi以下のコネクションに属するセルについてはこれを受付許可と判定する手段と
    を備え、
    前記判定する手段が受付拒否したコネクションjの到着レートRjが許可到着レートACRjを超えている割合を算出する手段を備え、
    前記判定する手段が受付拒否と判定したコネクションjのセルに前記算出する手段により算出された割合に応じて一定時間の遅延を与えた後に前記多重化する手段に蓄積する手段を備えた
    ことを特徴とする多重化装置。
  6. 到着するセルの属するコネクション1〜kを識別する手段と、当該セルの受付可否を判定する手段と、
    この判定する手段の判定結果にしたがってセルを多重化する手段と
    を備えた多重化装置において、
    コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎にセルの到着レートRiを検出する手段と、
    コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段とを備え、
    セルの到着レートRiにはあらかじめ閾値となる最大レートが設定され、当該最大レートを超えるとほぼゼロになる前記セルの到着レートRiの総和ΣRiの連続関数をβ(ΣRi)とし、前記多重化する手段に1以上のセルが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、
    前記判定する手段は、許可到着レートACRiを
    ACRi=β(ΣRi)・Wi/Wact
    として計算する手段と、
    コネクションi毎のセルの到着レートRiが当該許可到着レートACRi以下のコネクションに属するセルについてはこれを受付許可と判定する手段と
    を備え、
    前記判定する手段は、受付拒否と判定すべきコネクションjのセルが前記多重化する手段に存在しないときにはこの受付拒否と判定すべきセルを受付許可と判定する手段を含む
    ことを特徴とする多重化装置。
  7. 到着するセルの属するコネクション1〜kを識別する手段と、当該セルの受付可否を判定する手段と、
    この判定する手段の判定結果にしたがってセルを多重化する手段と
    を備えた多重化装置において、
    コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎にセルの到着レートRiを検出する手段と、
    コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段とを備え、
    セルの到着レートRiにはあらかじめ閾値となる最大レートが設定され、当該最大レートを超えるとほぼゼロになる前記セルの到着レートRiの総和ΣRiの連続関数をβ(ΣRi)とし、前記多重化する手段に1以上のセルが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、
    前記判定する手段は、許可到着レートACRiを
    ACRi=β(ΣRi)・Wi/Wact
    として計算する手段と、
    コネクションi毎のセルの到着レートRiが当該許可到着レートACRi以下のコネクションに属するセルについてはこれを受付許可と判定する手段と
    を備え、
    最低保証帯域を超えてネットワークに到着するセルについてはこれにタグが付与され、
    前記判定する手段は、受付拒否と判定すべきセルに前記タグが付与されているときにはこの受付拒否と判定すべきセルを受付許可と判定する手段を含む
    ことを特徴とする多重化装置。
  8. 到着するセルの属するコネクション1〜kを識別する手段と、当該セルの受付可否を判定する手段と、
    この判定する手段の判定結果にしたがってセルを多重化する手段と
    を備えた多重化装置において、
    コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎にセルの到着レートRiを検出する手段と、
    コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段とを備え、
    セルの到着レートRiにはあらかじめ閾値となる最大レートが設定され、当該最大レートを超えるとほぼゼロになる前記セルの到着レートRiの総和ΣRiの連続関数をβ(ΣRi)とし、前記多重化する手段に1以上のセルが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、
    前記判定する手段は、許可到着レートACRiを
    ACRi=β(ΣRi)・Wi/Wact
    として計算する手段と、
    コネクションi毎のセルの到着レートRiが当該許可到着レートACRi以下のコネクションに属するセルについてはこれを受付許可と判定する手段と
    を備え、
    コネクション識別番号があらかじめ複数のグループに分類され、
    前記判定する手段は、受付拒否と判定すべきセルのコネクション識別番号が所定の前記グループに属するセルについてはこの受付拒否と判定すべきセルを受付許可と判定する手段を含む
    ことを特徴とする多重化装置。
  9. 到着するセルの属するコネクション1〜kを識別する手段と、当該セルの受付可否を判定する手段と、
    この判定する手段の判定結果にしたがってセルを多重化する手段と
    を備えた多重化装置において、
    コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎にセルの到着レートRiを検出する手段と、
    コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段とを備え、
    セルの到着レートRiにはあらかじめ閾値となる最大レートが設定され、当該最大レートを超えるとほぼゼロになる前記セルの到着レートRiの総和ΣRiの連続関数をβ(ΣRi)とし、前記多重化する手段に1以上のセルが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、
    前記判定する手段は、許可到着レートACRiを
    ACRi=β(ΣRi)・Wi/Wact
    として計算する手段と、
    コネクションi毎のセルの到着レートRiが当該許可到着レートACRi以下のコネクションに属するセルについてはこれを受付許可と判定する手段と
    を備え、
    前記到着レートRiを検出する手段は、最低帯域が保証されたAF (Assured Forwarding) クラスのセルの到着レートから最大帯域から高速転送を行うEF (Expedited Forwarding) クラスのセルの到着レートを減算した値を減算するカウンタを備えた
    ことを特徴とする多重化装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の多重化装置を備えたことを特徴とする帯域制御装置。
  11. 情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、請求項1ないし9のいずれかに記載の多重化装置の機能を実現させることを特徴とするプログラム。
  12. 情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、請求項10記載の帯域制御装置の機能を実現させることを特徴とするプログラム。
  13. 請求項11または12記載のプログラムが記録された前記情報処理装置読み取り可能な記録媒体。
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