JP3631699B2 - 多重化装置および帯域制御装置およびプログラムおよび記録媒体 - Google Patents
多重化装置および帯域制御装置およびプログラムおよび記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は通信網に収容される各コネクションの最低帯域の保証を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットやLANの急速な普及から、IPトラヒック等のデータ系トラヒックが指数関数的に増加している。これにともないネットワーク上で輻輳発生頻度が増加しており、ユーザに対するサービス品質の低下が問題となっている。例えば、従来のインターネットでは転送品質を保証しないベストエフォートサービスが主流であったが、ベストエフォートサービスのみでは十分なスループットが得られないケースが増えており、ISP(Internet Service Provider)間や企業間を高速回線で接続する場合に回線毎に最低帯域や遅延品質を保証するようなサービスの要求が今後ますます増加すると考えられる。
【0003】
ユーザ毎に契約している最低帯域を保証するサービスとしてはGFR(Guaranteed Frame Rate)サービスがある。非輻輳時には各ユーザは互いに利用可能帯域(残余帯域)を共有して利用できる。
【0004】
GFRサービスを実現する方式に関しては数多くの提案がなされているが、その一つにWRR(Weighted Round Robin)方式がある。図15はWRR方式の概略を表す図である。WRR方式はコネクション毎にキューを持ち、コネクション毎に重みが付けられており、重みに応じた読出制御を各キューに対して行うことでコネクション間に帯域を分配する。
【0005】
WRRに、帯域を共有する全てのコネクションを収容することによって、収容コネクションの重みに応じて帯域を分配することができる。WRR方式により、最低帯域を保証しつつ、余剰帯域をある規則にしたがってコネクション間に公平に分配することが可能である。
【0006】
しかし、WRR方式のハードウェアの複雑さは収容するコネクション数に比例し、高速化のボトルネックとなる。また、コネクション毎にキューを持つ必要があるため、バッファ部のハード量も問題となる。つまり、WRR方式は高速になり、収容されるコネクション数が増加すると、経済的にGFRサービスを実現することが困難である。したがって、簡易なハードウェア構成でGFRサービスを実現する方式が求められている。
【0007】
簡易なハードウェア構成でGFRサービスを実現する方式として、FIFO−Tagging方式が知られている。この方式では、バッファはコネクション毎に持つ必要はなく、回線毎に一つあればよい。FIFO−Tagging方式ではコネクション毎に網の入り口で網への入力レートを観測し、計測されたレートがMCR(Minimum Cell Rate)以下であれば、そのコネクションのパケットはそのまま通過し、MCRを超えていればパケットのヘッダ部にタグ(以下、Tag)が付けられる。ここで、MCRとは網がコネクションに対して転送を保証する帯域のことである。
【0008】
FIFOバッファには閾値が設けられており、キュー長が閾値を超えているか否か常に観測している。仮にキュー長が設定された閾値を超えている場合には、ヘッダ部にTagが付けられているパケットはFIFOバッファに入る前に廃棄され、FIFOバッファにはTagが付いていないパケット、つまり網への入力レートがMCR以下のコネクションのパケットのみ通過する。
【0009】
FIFO−Tagging方式では、FIFOバッファの出力速度を収容するコネクションのMCRの合計以上にすることで、輻輳時におけるMCRの保証が可能である。また、非輻輳時、各コネクションのMCRの和を超えた部分の帯域、余剰帯域がある場合には、その帯域は複数コネクションでシェアされる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方式では複数コネクションでバッファを共用するので、各コネクションのMCRの和を超えた部分の帯域、余剰帯域に関しては、FIFOバッファへの入力レートに比例するかたちで各コネクション間に分配されるため、「公平性」という面で問題があった。FIFO−Tagging方式では余剰帯域が生じた場合にその帯域をどのようにコネクション間で分配するかという規定がないため、極端な場合では余剰帯域を一つのコネクションが占有してしまうという不公平な状況が生じるという問題があった。
【0011】
本発明は、このような背景に行われたものであって、通信網内に設置することにより、通信網に収容されている各コネクションに対し、輻輳時においても契約している最低帯域を保証しつつ、通常時(非輻輳時)には、余剰帯域をコネクション間で公平に分配し、より効率的な網資源の利用を可能にすることができ、また、高速回線においても経済的に実現可能な多重化装置および帯域制御装置およびプログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。さらに、パケット交換スイッチ等のノード内に設置することにより、簡単なハードウェア構成を実現し、効率の良いノード内の輻輳回避を実現することができる多重化装置および帯域制御装置およびプログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の観点は、到着するパケットの属するコネクション1〜kを識別する手段と、当該パケットの受付可否を判定する手段と、この判定する手段が受付許可したパケットを多重化する手段とを備えた多重化装置である。
【0013】
ここで、本発明の特徴とするところは、コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎の前記多重化する手段のキュー長Xiを検出する手段と、コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段とを備え、前記多重化する手段にはあらかじめ閾値となる最大キュー長が設定され、当該最大キュー長を超えるとほぼゼロとなる前記キュー長Xiの総和ΣXiの連続関数をα(ΣXi)とし、前記多重化する手段に1以上のパケットが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、前記判定する手段は、許可キュー長AQiを
AQi=α(ΣXi)・Wi/Wact
として計算する手段と、コネクションi毎のキュー長Xiが当該許可キュー長AQi以下のコネクションに属するパケットについてはこれを受付許可と判定する手段とを備えたところにある。
【0014】
これにより、本発明の多重化装置は、通信網内に設置することにより、各コネクションの最低帯域を保証しつつ、余剰帯域を契約しているMCRと網資源の使用状況とを考慮して、コネクション間で分配するため、通信網を有効に使用することができる。また、本発明ではハードウェア構成が簡易なFIFOを採用しているため、高速回線においても経済的に実現可能である。さらに、パケット交換スイッチ等のノード内に設置することにより、簡単なハードウェア構成を実現し、効率の良いノード内の輻輳回避を実現することができる。
【0015】
前記判定する手段が受付拒否したコネクションj(jは1〜kのいずれか)のキュー長Xjが前記許可キュー長AQjを超えている割合を算出する手段と、この算出する手段により算出された割合に応じた確率で前記判定する手段が受付拒否と判定したコネクションjのパケットについてもその一部を受付許可と判定されたパケットとみなして前記多重化する手段に蓄積する手段とを備えることもできる。
【0016】
これにより、前記許可キュー長を超えたコネクションのパケットを急峻に受付拒否する場合と比較すると、ゆるやかなトラヒック制御を行うことができるため、安定したトラヒック制御を実現することができる。
【0017】
前記判定する手段は、受付拒否と判定すべきコネクションjのパケットが前記多重化する手段に存在しないときにはこの受付拒否と判定すべきパケットを受付許可と判定する手段を含むこともできる。
【0018】
すなわち、前記多重化する手段にコネクションjのパケットが存在しないということは、コネクションjのパケットは散発的であることを示している。このような散発的なパケットを受付拒否して廃棄しても連続的なパケットを廃棄する場合と比較して輻輳回避の効果はきわめて低い。したがって、このような散発的なパケットを無意味に廃棄しないようにすることが望ましい。
【0019】
最低保証帯域を超えてネットワークに到着するパケットについてはこれにタグが付与され、前記判定する手段は、受付拒否と判定すべきパケットに前記タグが付与されているときにはこの受付拒否と判定すべきパケットを受付許可と判定する手段を含むことが望ましい。これにより、最低帯域を保証したパケット転送サービスを実現することができる。
【0020】
前記キュー長Xiを検出する手段は、キュー長Xiの所定の変化周期以下の変化周期についてキュー長Xiを検出する手段を含む構成としたり、あるいは、前記キュー長Xiを検出する手段は、単位時間内のキュー長Xiの最大値をキュー長Xiの検出結果として当該単位時間毎に出力する手段を含む構成とすることもできる。これにより、瞬間的なキュー長Xiの変化を吸収し、外乱によるトラヒック制御の誤動作を回避することができる。
【0021】
前記多重化する手段にモニタリングパケットを送出する手段を備え、前記キュー長Xiを検出する手段は、このモニタリングパケットを送出する手段から送出されたモニタリングパケットが前記多重化する手段に入力された時刻と当該モニタリングパケットが前記多重化する手段から出力された時刻との時間差にしたがってキュー長Xiを検出する手段を含むこともできる。
【0022】
これにより、例えば、単にパケット蓄積数に基づくキュー長Xiの検出と比較すると、実際の遅延時間等のパラメータを含めた実効的なキュー長Xiを検出することができる。
【0023】
複数のサービスクラスが設けられ、到着するパケットが属する前記サービスクラスを識別する手段と、コネクションi毎の前記多重化する手段の前記サービスクラス毎のキュー長Xiを検出する手段と、コネクションi毎にあらかじめ定められた前記サービスクラス毎の重みWiの値を保持する手段とを備え、前記判定する手段は、前記サービスクラス毎の許可キュー長AQiを
AQi=α(ΣXi)・Wi/Wact
として計算する手段と、コネクションi毎の前記サービスクラス毎のキュー長Xiが前記サービスクラス毎の当該許可キュー長AQi以下のコネクションに属するパケットについてはこれを受付許可と判定する手段とを備えることもできる。
【0024】
例えば、一つのコネクションに属するパケットをさらにリアルタイム性が重要なパケットと、その他のパケットとにサービスクラスを分類し、リアルタイム性が重要なパケットの方に、その他のパケットよりも重み付けの割合を大きくすれば、リアルタイム性が重要なパケットの読出しをスムースに行うことができるため、ユーザに対するQoS(Quality of Service)を向上させることができる。
【0025】
また、前記判定する手段が受付拒否したコネクションj(1〜kのいずれか)のキュー長Xjが前記許可キュー長AQjを超えている割合を算出する手段を備え、前記判定する手段は、この算出する手段の算出結果にしたがって少なくとも2個連続して前記コネクションjのパケットを受付拒否する手段を備えることもできる。
【0026】
また、前記算出する手段の算出結果にしたがって受付拒否したコネクションjのパケットについて連続した受付拒否を禁止する手段を備えることもできる。
【0027】
さらに、前記連続して前記コネクションjのパケットを受付拒否する手段と前記連続した受付拒否を禁止する手段とを切替選択する手段を備えることもできる。
【0028】
例えば、急激にキュー長Xjが許可キュー長AQjを超えたときには、輻輳発生を回避するために急激なトラヒック制御を行う必要がある。そのような事態が発生したときには、パケットを連続して廃棄することにより対処することができる。反対に、緩やかにキュー長Xjが許可キュー長AQjを超えたときには、緩やかなトラヒック制御を行って安定したトラヒック制御を実現することができる。このような相反する制御形態は、状況に応じて切替えて用いることが望ましい。このような切替制御は、前記判定する手段の付加機能として備えることが望ましい。
【0029】
あるいは、前記判定する手段が受付拒否と判定したコネクションjのパケットに前記算出する手段により算出された割合に応じて一定時間の遅延を与えた後に前記多重化する手段に蓄積する手段を備えることもできる。
【0030】
これにより、パケットの廃棄を行わなくともRTT(Round Trip Time)が大きくなり、パケット送出元に対して送出レートを下げさせる効果が期待できるため、パケットを廃棄してしまう場合と比較してトラヒックを有効に利用することができる。
【0031】
あるいは、コネクション識別番号があらかじめ複数のグループに分類され、前記判定する手段は、受付拒否と判定すべきパケットのコネクション識別番号が所定の前記グループに属するパケットについてはこの受付拒否と判定すべきパケットを受付許可と判定する手段を含むこともできる。これにより、緩やかなトラヒック制御を行い安定したトラヒック制御を実現することができる。
【0032】
本発明の第二の観点は、本発明の多重化装置を備えたことを特徴とする帯域制御装置である。本発明の多重化装置を帯域制御装置に備えることにより、通信網に収容されている各コネクションに対し、輻輳時においても契約している最低帯域を保証しつつ、通常時(非輻輳時)には、余剰帯域をコネクション間で公平に分配し、より効率的な網資源の利用を可能にすることができ、また、高速回線においても経済的に実現可能な帯域制御装置を実現することができる。
【0033】
本発明の第三の観点は、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、本発明の多重化装置の機能を実現させることを特徴とするプログラムである。あるいは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、本発明の帯域制御装置の機能を実現させることを特徴とするプログラムである。
【0034】
本発明の第四の観点は、本発明のプログラムが記録された前記情報処理装置読み取り可能な記録媒体である。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明実施例の多重化装置を図1および図12を参照して説明する。図1は本発明実施例の多重化装置のブロック構成図である。図12はモニタリングパケットを用いるキュー長検出を説明するための図である。
【0036】
本発明は、図1に示すように、到着するパケットの属するコネクション1〜kを識別するコネクション識別部1と、当該パケットの受付可否を判定する受付判定部5と、この受付判定部5の判定結果にしたがってパケットを一時蓄積するFIFO型のバッファ6とを備えた多重化装置である。
【0037】
ここで、本発明の特徴とするところは、複数コネクションのパケットがバッファ6に蓄積されている中からコネクションi毎のバッファ6のキュー長Xiを検出するキュー長監視部7および仮想キュー管理部3と、コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持するコネクション情報格納部2とを備え、バッファ6にはあらかじめ閾値となる最大キュー長Qmaxが設定され、当該最大キュー長Qmaxを超えるとほぼゼロとなる前記キュー長Xiの総和ΣXiの連続関数をα(ΣXi)とし、バッファ6に1以上のパケットが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、許可キュー長計算部4は、許可キュー長AQiを
AQi=α(ΣXi)・Wi/Wact
として計算し、受付判定部5は、コネクションi毎のキュー長Xiが当該許可キュー長AQi以下のコネクションに属するパケットについてはこれを受付許可と判定するところにある。
【0038】
本実施例では、複数コネクションが混在して一つのバッファ6に蓄積されている状況下における実際のバッファ6のキュー長に対してキュー長監視部7および仮想キュー長管理部3によりコネクションi毎にバッファ6のキュー長Xiを検出したものを仮想キュー長という。以下では、説明を簡単にするために、仮想キュー長を単にキュー長XiまたはXjということにする。
【0039】
受付判定部5は、受付拒否したコネクションjのキュー長Xjが前記許可キュー長AQjを超えている割合を算出し、この算出された割合に応じた確率で受付拒否と判定したコネクションjのパケットについてもその一部を受付許可と判定されたパケットとみなしてバッファ6に蓄積することもできる。
【0040】
あるいは、受付判定部5は、受付拒否したコネクションjのキュー長Xjが前記許可キュー長AQjを超えている割合を算出し、この算出結果にしたがって、2個連続して前記コネクションjのパケットを受付拒否したり、あるいは、連続した受付拒否を禁止したりする。この受付拒否ポリシの切替選択は、ユーザが任意に行うことができる。例えば、算出された割合が所定の値を超えているときには少なくとも2個連続して前記コネクションjのパケットを受付拒否し、また、この算出された割合が所定の値以下であるときには受付拒否したコネクションjのパケットについて連続した受付拒否を禁止することもできる。
【0041】
また、受付判定部5は、受付拒否と判定すべきコネクションjのパケットがバッファ6に存在しないときにはこの受付拒否と判定すべきパケットを受付許可と判定することもできる。
【0042】
最低保証帯域を超えてネットワークに到着するパケットについてはこれにタグが付与され、受付判定部5は、受付拒否と判定すべきパケットに前記タグが付与されているときにはこの受付拒否と判定すべきパケットを受付許可と判定する。
【0043】
受付判定部5は、受付拒否したコネクションjのキュー長Xjが前記許可キュー長AQjを超えている割合を算出し、受付拒否と判定したコネクションjのパケットに算出された割合に応じて一定時間の遅延を与えた後にバッファ6に蓄積することもできる。
【0044】
キュー長監視部7は、キュー長Xiの所定の変化周期以下の変化周期についてキュー長Xiを検出する。あるいは、キュー長監視部7は、単位時間内のキュー長Xの最大値をキュー長Xiの検出結果として当該単位時間毎に出力する。
【0045】
また、図12に示すように、バッファ6にモニタリングパケットを送出するモニタリングパケット挿入部8を備え、キュー長監視部7は、このモニタリングパケット挿入部8から送出されたモニタリングパケットがバッファ6に入力された時刻と当該モニタリングパケットがバッファ6から出力された時刻との時間差にしたがってキュー長Xiを検出することもできる。
【0046】
また、複数のサービスクラスが設けられ、コネクション識別部1では、到着するパケットのコネクションと共にそのパケットが属する前記サービスクラスも同時に識別し、仮想キュー管理部3では、コネクションi毎のバッファ6の前記サービスクラス毎のキュー長Xiを検出し、コネクション情報格納部2では、コネクションi毎にあらかじめ定められた前記サービスクラス毎の重みWiの値を保持し、受付判定部5は、前記サービスクラス毎の許可キュー長AQiを
AQi=α(ΣXi)・Wi/Wact
として計算し、コネクションi毎の前記サービスクラス毎のキュー長Xiがサービスクラス毎の当該許可キュー長AQi以下のコネクションに属するパケットについてはこれを受付許可と判定することもできる。
【0047】
また、コネクション識別番号をあらかじめ複数のグループに分類しておき、受付判定部5は、受付拒否と判定すべきパケットのコネクション識別番号が所定の前記グループに属するパケットについてはこの受付拒否と判定すべきパケットを受付許可と判定するようにすることもできる。前記グループの分類例としては、コネクション識別番号の偶数または奇数で分類することができる。
【0048】
本発明の多重化装置は、図14に示すように、ネットワークに設けることにより、帯域制御装置(UPC:Usage Parameter Control)として用いることができる。また、パケット交換スイッチ内に設けることにより、当該スイッチ内のバッファの輻輳の回避にも利用できる。
【0049】
本発明の多重化装置または帯域制御装置は、情報処理装置であるコンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置に、本発明の多重化装置または帯域制御装置の機能を実現させるプログラムをコンピュータ装置にインストールすることにより実現できる。このプログラムは記録媒体に記録され、コンピュータ装置はこの記録媒体の記録内容を読み取ることにより本発明のプログラムをインストールしたり、あるいは、本発明のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接本発明のプログラムをインストールする。
【0050】
以下では、本発明実施例をさらに詳細に説明する。
【0051】
図14は本発明を適用して最低帯域保証サービスの提供を行うネットワークの構成図である。発側ユーザは着側ユーザへとネットワークを通してパケットを送出する。ネットワークはユーザに対して契約している最低帯域までの転送レートの保証を行う。ネットワークの各リンクには複数ユーザが収容されており、余剰帯域に関しては料金や最低保証帯域などに基づいて決められる重みにしたがってユーザ間に分配される。
【0052】
まず、発側ユーザがネットワークにパケットを送出すると、ネットワークの入側エッジに位置するレート観測装置でユーザのネットワークへのパケット送出レートが計測される。パケットの送出レートが最低保証帯域を超えていれば、パケットのヘッダにTagが付けられ、最低保証帯域以下で送出されるパケットに関してはそのままネットワークへと送出される。Tagが付けられていないパケットをネットワーク内で廃棄することなく着側ユーザまで転送することで最低帯域の保証を行う。本発明の多重化装置は中継ノード内に位置し、複数ユーザで共用しているリンク帯域を各ユーザに重みにしたがって分配するという処理を行う。
【0053】
(第一実施例)
本発明第一実施例を図1ないし図11を参照して説明する。本発明の多重化装置は、図1に示すように、コネクション識別部1、帯域制御部10、バッファ部11から構成されている。コネクション識別部1では到着したパケットのヘッダからコネクションを識別する。帯域制御部10では、そのコネクション情報をもとに帯域制御に関する処理を行う。バッファ部11は単純なFIFO型のバッファ6でリンクに収容されている全ユーザ間で共用されている。
【0054】
バッファ6にはキュー長監視部7が接続されており、バッファ6のキュー長とパケット入出力時に入出力パケットに関する情報を前段の仮想キュー管理部3に伝達する。ここで、入出力パケットに関する情報とは、バッファ6に入力またはバッファ6から出力されるパケットのパケット長およびそのパケットが属しているコネクションの識別番号を含む。
【0055】
入力回線側からパケットが到着すると、コネクション識別部1でパケットのコネクション識別が行われ、後段の帯域制御部10に送られ、バッファ6に入力するか否かの判定を行い、廃棄と判定されたパケットはその場で廃棄され、廃棄と判定されなかったパケットは後段のバッファ部11へと入力されFIFO規範にしたがって出力回線へと出力される。
【0056】
本発明では帯域制御部10でのパケット廃棄に基づく帯域制御が重要な役割を果たす。したがって、帯域制御部10の処理について詳細に説明する。帯域制御部10は、仮想キュー管理部3、許可キュー長計算部4、コネクション情報格納部2、受付判定部5により構成されている。
【0057】
仮想キュー管理部3では、キュー長監視部7からの情報をもとにバッファ6のキュー長とコネクション毎のキュー長とを算出する。仮想キュー管理部3はコネクション情報格納部2と接続されており、算出されたコネクション毎の仮想的なキュー長はコネクション情報格納部2に記録される。
【0058】
各キュー長の算出方法について説明する。まず、バッファ6のキュー長の算出に関しては、キュー長監視部7から伝達されるキュー長情報をそのまま仮想キュー管理部3に保持するだけである。次にコネクション毎の仮想キュー長の算出方法であるが、初期状態ではバッファ6は空であるため、各コネクションの仮想キュー長はゼロである。バッファ6にパケットが入力されると、そのパケットのパケット長とコネクション識別番号とがキュー長監視部7を通して伝達される。その情報をもとに仮想キュー管理部3はコネクション識別部1にアクセスし、該当コネクションの仮想キュー長に送られてきたパケット長を足し込むという処理を行う。パケット出力時にはこれとは逆に仮想キュー長から伝達されたパケット長を減算するという処理を行う。
【0059】
図2はコネクション情報格納部2の一例で、仮想キュー管理部3で算出されたコネクション毎の仮想キュー長に関する情報、コネクションの重みに関する情報が格納されている。
【0060】
次に、許可キュー長計算部4は、仮想キュー管理部3およびコネクション情報格納部2からバッファ6のキュー長に関する情報と、コネクション毎の仮想キュー長、重みに関する情報を受け取り、それらをもとに許可キュー長を計算する機能を持つ。ここでコネクションの許可キュー長とはバッファ6への入力が認められる最大キュー長を表す。
【0061】
コネクションiの許可キュー長AQiの計算方法について具体的に説明する。コネクションの重みをWi、現在のバッファ6のキュー長をΣXiとすると、AQi=α(ΣXi)・Wi/Wactで計算される。α(ΣXi)はある連続関数で、図3ないし図9のグラフはキュー長の関数α(ΣXi)の一例である。横軸にキュー長ΣXiをとり、縦軸に関数α(ΣXi)の値をとる。Wactはアクティブなコネクションの重みの和である。ここでアクティブなコネクションとは仮想キュー長がゼロより大きなコネクション、つまり少なくとも一つ以上のパケットがバッファ6に入っているコネクションのことである。
【0062】
関数α(ΣXi)はキュー長がある閾値(図ではQmax)を超えるとゼロとなる。つまりキュー長がある閾値を超えた場合には、輻輳であると判定され、各コネクションの許可キュー長はゼロとなる。
【0063】
例えば、図3の例では閾値Qmaxを超えない範囲では、関数α(ΣXi)は一定の値をとり、閾値Qmaxを超えたときには関数α(ΣXi)はゼロとなる。すなわち、閾値Qmaxを超えない範囲で許可キュー長AQiはコネクションの重みに比例して分配される。
【0064】
図4の例では、キュー長ΣXiがゼロから閾値Qmax未満の所定の値までの間で、途中までは関数α(ΣXi)は緩やかに減少し、閾値Qmaxに近付くにつれて急に減少し、閾値Qmaxではゼロとなる。すなわち、許可キュー長AQiはキュー長ΣXiが小さいときには、コネクションiの重み以上に分配されるが、キュー長ΣXiが所定の値を超えると急峻に許可キュー長AQiの分配率が低下する。
【0065】
図5の例では、キュー長ΣXiと関数α(ΣXi)の値とがリニアに反比例する。すなわち、許可キュー長AQiはキュー長ΣXiにリニアに反比例する。最も単純かつ基本的な制御例である。
【0066】
図6の例では、キュー長ΣXiと関数α(ΣXi)の値とが二次関数にしたがって反比例する。すなわち、許可キュー長AQiはキュー長ΣXiが小さいときには大きいが、キュー長ΣXiが増加するとともに急に減少を始め、キュー長ΣXiが閾値Qmaxに近付くにつれて減少が緩やかになる。これにより、キュー長ΣXiが増え始めた時点でトラヒックの増加を強く抑えることができる。
【0067】
図7の例では、キュー長ΣXiと関数α(ΣXi)の値とが図6に示す二次関数とは逆転した二次関数にしたがって反比例する。すなわち、許可キュー長AQiはキュー長ΣXiが小さいときには大きいが、キュー長ΣXiが増加するとともに徐々に減り始め、キュー長ΣXiが閾値Qmaxに近付くにつれて減少が急になる。これにより、キュー長ΣXiが閾値Qmaxに近付くにつれてトラヒックの増加を強く抑えることができる。
【0068】
図8の例では、キュー長ΣXiと関数α(ΣXi)の値とが段階的に反比例する。すなわち、許可キュー長AQiはキュー長ΣXiが小さいときには大きいが、キュー長ΣXiが増加するとともに徐々に減り始め、所定のキュー長ΣXiから急に減り始め、キュー長ΣXiが閾値Qmaxに近付くにつれて再び減少が緩やかになる。これにより、キュー長ΣXiがゼロと閾値Qmaxとの中間付近にあるときにトラヒックの増加を強く抑えることができる。
【0069】
図9の例では、キュー長ΣXiと関数α(ΣXi)の値とが図8の例とは逆転して段階的に反比例する。すなわち、許可キュー長AQiはキュー長ΣXiが小さいときには大きいが、キュー長ΣXiが増加するとともに急に減り始め、所定のキュー長ΣXiから緩やかに減り始め、キュー長ΣXiが閾値Qmaxに近付くにつれて再び急に減り始める。これにより、キュー長ΣXiがゼロから増え始めた時点と閾値Qmaxに近付いた時点とでトラヒックの増加を強く抑えることができる。
【0070】
また、キュー長ΣXiとしては現在のキュー長(パケット到着時のキュー長の瞬間値)を用いるとしているが、キュー長ΣXiとして一定時間内のキュー長の平均値を採用してもよい。
【0071】
受付判定部5は許可キュー長とコネクション毎の仮想キュー長から到着したパケットをバッファ6へ入力するか廃棄するかの判定をする。図10は確定的な廃棄処理を行うパケット到着時の処理フローを示すフローチャートであるが、図10に示すように、仮想キュー長Xiが許可キュー長AQi以下であればバッファ6に入力し、許可キュー長AQiを超えていれば、Tagが付けられているパケットは廃棄し、Tagが付けられていないパケットはバッファ6へ入力することにより、常に各コネクションの最低帯域は保証しつつ、バッファ6の占有率が公平になるように制御する。
【0072】
また、仮想キュー長が許可キュー長を超えていた場合には、上記のように確定的にパケット廃棄するのではなく、確率的にパケット廃棄することも可能である。図11は確率的な廃棄処理を行うパケット到着時の処理フローを示すフローチャートであるが、図11に示すように、許可キュー長をAQi、仮想キュー長をXiとすると、廃棄確率Pは、
P=(Xi−AQi)/Xi
で与えられる。つまり、仮想キュー長が許可キュー長を超えた場合には、超えた割合だけ落すというものである。確率的な廃棄によって帯域制御することで、一つのコネクションに注目した場合には、仮想キュー長が許可キュー長を超えたときでも、連続してパケットが廃棄される現象が、確定的にパケット廃棄する場合よりも減少するため、TCPのレート制御との親和性が高くなるといえる。バッファ6へと入力されたパケットはFIFO規範にしたがって出力回線へと出力される。
【0073】
図11における擬似乱数Randの生成は、パケット到着毎に行われ、廃棄確率Pと擬似乱数Randとを比較した結果に基づき廃棄を実行することにより、実際に廃棄確率Pによる廃棄を実現することができる。例えば、廃棄確率Pが0.5であるときに、擬似乱数Randが0.5よりも大きい値をとる確率もまた0.5であり、擬似乱数Randが0.5よりも大きい場合に廃棄を実行することにより、廃棄確率Pにしたがった廃棄が行われる。
【0074】
本発明の多重化装置はキュー長をもとに網の輻輳状態を推定し、輻輳であると判定されれば許可キュー長はゼロに等しくなり、最低保証帯域以下のレートで網に送出されているパケットのみを網は転送する。キュー長がある閾値以下のときは、余剰帯域が存在すると判断され、各コネクションは重みに比例したバッファの占有によって、帯域をコネクション間に公平に配分される。
【0075】
また、前述の実施例によれば、ハードウェア構成が簡易なFIFOバッファでGFRサービスを実現しつつ、WRR方式等のようなコネクション毎に個別にバッファを持ってパケットの読出制御を行う方法と同様に余剰帯域を公平にコネクション間の分配することが可能である。また、一つのバッファを多数のコネクションで共用するため、コネクション毎に個別にバッファを持つ方式に比べて、統計多重効果により必要なバッファ量を削減できるという利点もある。
【0076】
(第二実施例)
本発明第二実施例は図1に示す受付判定部5の機能として、受付判定部5が受付拒否したコネクションjのキュー長Xjが前記許可キュー長AQjを超えている割合を算出し、この算出された割合が所定の値を超えているときには少なくとも2個連続してコネクションjのパケットを受付拒否し、この算出された割合が所定の値以下であるときには受付拒否したコネクションjのパケットについて連続した受付拒否を禁止する。
【0077】
すなわち、急激にキュー長Xjが許可キュー長AQjを超えたときには、輻輳発生を回避するために急激なトラヒック制御を行う必要がある。そのような事態が発生したときには、パケットを連続して廃棄することにより対処することができる。反対に、緩やかにキュー長Xjが許可キュー長AQjを超えたときには、緩やかなトラヒック制御を行って安定したトラヒック制御を実現することができる。
【0078】
(第三実施例)
本発明第三実施例は図1に示す受付判定部5の機能として、受付拒否と判定すべきコネクションjのパケットがバッファ6に存在しないときにはこの受付拒否と判定すべきパケットを受付許可と判定する。
【0079】
すなわち、バッファ6にコネクションjのパケットが存在しないということは、コネクションjのパケットは散発的であることを示している。このような散発的なパケットを受付拒否して廃棄しても連続的なパケットを廃棄する場合と比較して輻輳回避の効果はきわめて低い。したがって、このような散発的なパケットを無意味に廃棄しないようにする。
【0080】
(第四実施例)
本発明第四実施例は図1に示す受付判定部5の機能として、受付拒否と判定したコネクションjのパケットに一定時間の遅延を与えた後にバッファ6に蓄積する。この一定時間は、キュー長Xjが許可キュー長AQjを超えた割合に応じて可変する。
【0081】
これにより、パケットの廃棄を行わなくともRTT(Round Trip Time)が大きくなり、パケット送出元に対して送出レートを下げさせる効果が期待できるため、パケットを廃棄してしまう場合と比較してトラヒックを有効に利用することができる。
【0082】
(第五実施例)
本発明第五実施例は図1に示す受付判定部5の機能として、あらかじめコネクション識別番号を複数のグループに分類しておき、受付拒否と判定すべきパケットのコネクション識別番号が所定のグループに属するときには、そのパケットを受付許可と判定することができる。例えば、偶数または奇数のいずれか一方のパケットについてはこの受付拒否と判定すべきパケットを受付許可と判定する。これにより、緩やかなトラヒック制御を行い安定したトラヒック制御を実現することができる。
【0083】
(第六実施例)
本発明第六実施例は図1に示すキュー長監視部7の機能として、キュー長Xiの所定の変化周期以下の変化周期についてキュー長Xiを検出する。これにより、瞬間的なキュー長Xiの変化を吸収し、外乱によるトラヒック制御の誤動作を回避することができる。
【0084】
(第七実施例)
本発明第七実施例は図1に示すキュー長監視部7の機能として、単位時間内のキュー長Xiの最大値をキュー長Xiの検出結果として当該単位時間毎に出力する。これにより、第六実施例と同様に、瞬間的なキュー長Xiの変化を吸収し、外乱によるトラヒック制御の誤動作を回避することができる。
【0085】
(第八実施例)
本発明第八実施例を図12を参照して説明する。第八実施例としては、図12に示すように、バッファ6にモニタリングパケットを送出するモニタリングパケット挿入部8を備え、キュー長監視部7は、このモニタリングパケット挿入部8から送出されたモニタリングパケットがバッファ6に入力された時刻と当該モニタリングパケットがバッファ6から出力された時刻との時間差にしたがってキュー長Xを検出する。
【0086】
これにより、単にパケット蓄積数に基づくキュー長Xiの検出と比較すると、実際の遅延時間等のパラメータを含めた実効的なキュー長Xiを検出することができる。
【0087】
(第九実施例)
本発明第九実施例を図13を参照して説明する。第九実施例は、一つのコネクションに属するパケットをさらに二つのサービスクラスに分類して取り扱う例である。一つのサービスクラスは、リアルタイム性を重要視するパケットに対するリアルタイム(R)クラスであり、もう一つのサービスクラスは、リアルタイム性を重要視しないパケットに対するノンリアルタイム(NR)クラスである。
【0088】
第九実施例を実現するためには、図1に示すコネクション識別部1において、到着するパケットのコネクションを識別すると共にそのパケットのサービスクラスを識別する。また、仮想キュー管理部3では、バッファ6に蓄積されたパケットのコネクションの情報と共にサービスクラスの情報も取得する。これにより、コネクション情報格納部2には、図13に示すようなテーブルを設けることができる。
【0089】
例えば、コネクション#1についてみると、仮想キュー長としてリアルタイムクラスに属するX1(R)およびノンリアルタイムクラスに属するX1(NR)が記録されている。また、重みとしてリアルタイムクラスの重みW1(R)およびノンリアルタイムクラスの重みW1(NR)が記録されている。重みW1(R)はW1(NR)よりも重く設定されており、リアルタイムクラスに属するパケットをノンリアルタイムクラスに属するパケットに優先して読出すことができる。
【0090】
これにより、リアルタイム性を重要視するパケットの遅延を少なくすることができるため、ユーザに対するQoSを向上させることができる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通信網内に設置することにより、通信網に収容されている各コネクションに対し、輻輳時においても契約している最低帯域を保証しつつ、通常時(非輻輳時)には、余剰帯域をコネクション間で公平に分配し、より効率的な網資源の利用を可能にすることができる。また、高速回線においても経済的に実現可能な多重化装置および帯域制御装置を実現することができる。さらに、パケット交換スイッチ等のノード内に設置することにより、簡単なハードウェア構成を実現し、効率の良いノード内の輻輳回避を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の多重化装置のブロック構成図。
【図2】コネクション情報格納部のテーブル例を示す図。
【図3】関数α(ΣXi)の例を示す図。
【図4】関数α(ΣXi)の例を示す図。
【図5】関数α(ΣXi)の例を示す図。
【図6】関数α(ΣXi)の例を示す図。
【図7】関数α(ΣXi)の例を示す図。
【図8】関数α(ΣXi)の例を示す図。
【図9】関数α(ΣXi)の例を示す図。
【図10】確定的な廃棄処理を行うパケット到着時の処理フローを示すフローチャート。
【図11】確率的な廃棄処理を行うパケット到着時の処理フローを示すフローチャート。
【図12】モニタリングパケットを用いるキュー長検出を説明するための図。
【図13】第九実施例のコネクション情報格納部のテーブル例を示す図。
【図14】本発明を適用したネットワーク構成の一例を示す図。
【図15】従来のWRR方式の概要を説明するための図。
【符号の説明】
1 コネクション識別部
2 コネクション情報格納部
3 仮想キュー管理部
4 許可キュー長計算部
5 受付判定部
6 バッファ
7 キュー長監視部
8 モニタリングパケット挿入部
10 帯域制御部
11 バッファ部
Claims (12)
- 到着するパケットの属するコネクション1〜kを識別する手段と、
当該パケットの受付可否を判定する手段と、
この判定する手段が受付許可したパケットを多重化する手段と
を備えた多重化装置において、
コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎の前記多重化する手段のキュー長Xiを検出する手段と、
コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段と
を備え、
前記多重化する手段にはあらかじめ閾値となる最大キュー長が設定され、当該最大キュー長を超えるとほぼゼロとなる前記キュー長Xiの総和ΣXiの連続関数をα(ΣXi)とし、前記多重化する手段に1以上のパケットが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、
前記判定する手段は、許可キュー長AQiを
AQi=α(ΣXi)・Wi/Wact
として計算する手段と、
コネクションi毎のキュー長Xiが当該許可キュー長AQi以下のコネクションに属するパケットについてはこれを受付許可と判定する手段と
を備え、
前記判定する手段が受付拒否したコネクションj(jは1〜kのいずれか)のキュー長Xjが前記許可キュー長AQjを超えている割合を算出する手段と、
この算出する手段により算出された割合に応じた確率で前記判定する手段が受付拒否と判定したコネクションjのパケットについてもその一部を受付許可と判定されたパケットとみなして前記多重化する手段に蓄積する手段と
を備えたことを特徴とする多重化装置。 - 到着するパケットの属するコネクション1〜kを識別する手段と、
当該パケットの受付可否を判定する手段と、
この判定する手段が受付許可したパケットを多重化する手段と
を備えた多重化装置において、
コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎の前記多重化する手段のキュー長Xiを検出する手段と、
コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段と
を備え、
前記多重化する手段にはあらかじめ閾値となる最大キュー長が設定され、当該最大キュー長を超えるとほぼゼロとなる前記キュー長Xiの総和ΣXiの連続関数をα(ΣXi)とし、前記多重化する手段に1以上のパケットが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、
前記判定する手段は、許可キュー長AQiを
AQi=α(ΣXi)・Wi/Wact
として計算する手段と、
コネクションi毎のキュー長Xiが当該許可キュー長AQi以下のコネクションに属するパケットについてはこれを受付許可と判定する手段と
を備え、
前記判定する手段は、受付拒否と判定すべきコネクションjのパケットが前記多重化する手段に存在しないときにはこの受付拒否と判定すべきパケットを受付許可と判定する手段を含む
ことを特徴とする多重化装置。 - 到着するパケットの属するコネクション1〜kを識別する手段と、
当該パケットの受付可否を判定する手段と、
この判定する手段が受付許可したパケットを多重化する手段と
を備えた多重化装置において、
コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎の前記多重化する手段のキュー長Xiを検出する手段と、
コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段と
を備え、
前記多重化する手段にはあらかじめ閾値となる最大キュー長が設定され、当該最大キュー長を超えるとほぼゼロとなる前記キュー長Xiの総和ΣXiの連続関数をα(ΣXi)とし、前記多重化する手段に1以上のパケットが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、
前記判定する手段は、許可キュー長AQiを
AQi=α(ΣXi)・Wi/Wact
として計算する手段と、
コネクションi毎のキュー長Xiが当該許可キュー長AQi以下のコネクションに属するパケットについてはこれを受付許可と判定する手段と
を備え、
最低保証帯域を超えてネットワークに到着するパケットについてはこれにタグが付与され、
前記判定する手段は、受付拒否と判定すべきパケットに前記タグが付与されているときにはこの受付拒否と判定すべきパケットを受付許可と判定する手段を含む
ことを特徴とする多重化装置。 - 到着するパケットの属するコネクション1〜kを識別する手段と、
当該パケットの受付可否を判定する手段と、
この判定する手段が受付許可したパケットを多重化する手段と
を備えた多重化装置において、
コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎の前記多重化する手段のキュー長Xiを検出する手段と、
コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段と
を備え、
前記多重化する手段にはあらかじめ閾値となる最大キュー長が設定され、当該最大キュー長を超えるとほぼゼロとなる前記キュー長Xiの総和ΣXiの連続関数をα(ΣXi)とし、前記多重化する手段に1以上のパケットが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、
前記判定する手段は、許可キュー長AQiを
AQi=α(ΣXi)・Wi/Wact
として計算する手段と、
コネクションi毎のキュー長Xiが当該許可キュー長AQi以下のコネクションに属するパケットについてはこれを受付許可と判定する手段と
を備え、
前記判定する手段が受付拒否したコネクションj(1〜kのいずれか)のキュー長Xjが前記許可キュー長AQjを超えている割合を算出する手段を備え、
前記判定する手段は、この算出する手段の算出結果にしたがって少なくとも2個連続して前記コネクションjのパケットを受付拒否する手段を備えた
ことを特徴とする多重化装置。 - 前記算出する手段の算出結果にしたがって受付拒否したコネクションjのパケットについて連続した受付拒否を禁止する手段を備えた請求項4記載の多重化装置。
- 前記連続して前記コネクションjのパケットを受付拒否する手段と前記連続した受付拒否を禁止する手段とを切替選択する手段を備えた請求項4または5記載の多重化装置。
- 到着するパケットの属するコネクション1〜kを識別する手段と、
当該パケットの受付可否を判定する手段と、
この判定する手段が受付許可したパケットを多重化する手段と
を備えた多重化装置において、
コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎の前記多重化する手段のキュー長Xiを検出する手段と、
コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段と
を備え、
前記多重化する手段にはあらかじめ閾値となる最大キュー長が設定され、当該最大キュー長を超えるとほぼゼロとなる前記キュー長Xiの総和ΣXiの連続関数をα(ΣXi)とし、前記多重化する手段に1以上のパケットが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、
前記判定する手段は、許可キュー長AQiを
AQi=α(ΣXi)・Wi/Wact
として計算する手段と、
コネクションi毎のキュー長Xiが当該許可キュー長AQi以下のコネクションに属するパケットについてはこれを受付許可と判定する手段と
を備え、
前記判定する手段が受付拒否したコネクションj(1〜kのいずれか)のキュー長Xjが前記許可キュー長AQjを超えている割合を算出する手段を備え、
前記判定する手段が受付拒否と判定したコネクションjのパケットに前記算出する手段により算出された割合に応じて一定時間の遅延を与えた後に前記多重化する手段に蓄積する手段を備えた
ことを特徴とする多重化装置。 - 到着するパケットの属するコネクション1〜kを識別する手段と、
当該パケットの受付可否を判定する手段と、
この判定する手段が受付許可したパケットを多重化する手段と
を備えた多重化装置において、
コネクションi(iは1〜kのいずれか)毎の前記多重化する手段のキュー長Xiを検出する手段と、
コネクションi毎にあらかじめ定められた重みWiの値を保持する手段と
を備え、
前記多重化する手段にはあらかじめ閾値となる最大キュー長が設定され、当該最大キュー長を超えるとほぼゼロとなる前記キュー長Xiの総和ΣXiの連続関数をα(ΣXi)とし、前記多重化する手段に1以上のパケットが蓄積されているコネクションiの前記重みの和をWactとし、
前記判定する手段は、許可キュー長AQiを
AQi=α(ΣXi)・Wi/Wact
として計算する手段と、
コネクションi毎のキュー長Xiが当該許可キュー長AQi以下のコネクションに属するパケットについてはこれを受付許可と判定する手段と
を備え、
コネクション識別番号があらかじめ複数のグループに分類され、
前記判定する手段は、受付拒否と判定すべきパケットのコネクション識別番号が所定の前記グループに属するパケットについてはこの受付拒否と判定すべきパケットを受付許可と判定する手段を含む
ことを特徴とする多重化装置。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載の多重化装置を備えたことを特徴とする帯域制御装置。
- 情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、請求項1ないし8のいずれかに記載の多重化装置の機能を実現させることを特徴とするプ ログラム。
- 情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、請求項9記載の帯域制御装置の機能を実現させることを特徴とするプログラム。
- 請求項10または11記載のプログラムが記録された前記情報処理装置読み取り可能な記録媒体。
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