JP3630962B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、特に像担持体に電圧を印加した帯電部材を当接させて帯電を行なう帯電方式を用いたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、被記録画像に対応して像担持体である感光体ドラムに形成された静電潜像を、現像剤により現像して用紙等の記録媒体に記録する画像形成装置の小型化が進んできたが、帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングの工程がそれぞれ小型になるだけでは限界があった。また、トナー像をシートに転写した後の転写残トナーはクリーナーによって回収されるが、この廃トナーは環境保護の面からも無いことが好ましい。
【0003】
そこで、上記のクリーナーを取り外し、現像装置によって現像同時クリーニングを行なうクリーナーレス装置が出現している。なお、現像同時クリーニングとは、転写後、感光ドラム上に若干残留したトナーを次工程以後の現像時にかぶり取りバイアスによって回収する方法である。そして、この方法によれば、転写残トナーは回収されて次工程以後用いられるため、廃トナーをなくし、メンテナンスに手を煩わせることも少なくすることができる。またスペースの面での利点も大きく、大幅に小型化できるようになる。
【0004】
一方、低オゾン、低電力等の利点を有することから前述の感光体ドラムの一様帯電装置として接触帯電装置、即ち感光体ドラム(被帯電体)に対し電圧を印加した帯電部材を当接させて感光体ドラムの帯電を行う方式の装置が実用化されてきており、このような方式の帯電装置としては磁気ブラシ方式の装置が帯電接触の安定性という点から好ましく用いられている。
【0005】
そして、この磁気ブラシ方式の接触帯電装置では、導電性の磁性粒子により形成される帯電部材である磁気ブラシを直接マグネット、或いはマグネットを内包するスリーブ上に磁気的に拘束させ、停止、或いは回転しながら感光体ドラムに接触させ、これに電圧を印可することによって帯電が開始される。
【0006】
ここで、感光体ドラムとして通常の有機感光体上に導電性微粒子を分散させた表層を有するものや、アモルファスシリコン感光体などを用いるようにすると、接触帯電部材に印可したバイアスのうちの直流成分と略同等の帯電電位を感光体ドラム表面に得ることが可能である。
【0007】
そして、このような帯電方法を注入帯電と称するが、この注入帯電を用いれば、放電現象を利用したコロナ帯電器を用いることなく感光体ドラムへの帯電を行うことができるので、完全なオゾンレスかつ、低電力消費型帯電が可能となり注目されてきている。
【0008】
ところで、既述したクリーナーレスプロセスにおいては、記録媒体上にトナーを100%転写することは難しく、残った転写残トナーは次行程において帯電部材が感光体ドラムと接触しているために一旦帯電部材内に混入される。ここで、通常トナー粒子の電気抵抗は比較的高いものが用いられているので、帯電部材にトナー粒子が混入してしまうと帯電部材全体、或いは一部の抵抗が上昇してしまい、被帯電対が所望の電位にまで帯電できなくなったり、帯電むらが生じたりしてしまい画像不良が発生してしまうという欠点があった。
【0009】
また逆に、転写残トナーは前画像をそのまま残した形で存在するため、そのまま帯電部材を通過した場合、残画像部分のみ帯電電位が低下したり、次の画像形成のための露光を遮断してしまい、そのままの形で次の現像行程に影響を及ぼしてし、次の画像上で前画像部分が薄くなったり濃く現われたりといった現象、所謂ゴースト現象が生じる。
【0010】
そこで画像形状をそのまま残した転写残トナーを感光体ドラム上で均一分散させるブラシ状の均一化部材や一時的にバイアスの効果を利用した簡易クリーニング部材、一度帯電部材に混入した現像剤を効率的に随時感光体ドラム上に吐き出すバイアスシーケンスや帯電部材の容器構成などが提案されている。
【0011】
しかしながら、磁気ブラシ接触帯電方式を用いた画像形成装置で、帯電部材の長手方向(感光体の母線方向)端部においては磁気ブラシがまばらとなり感光体ドラムと常時接触していないため、均一に帯電することが難しい。従って感光体ドラムの電位は、中央領域のそれよりもかなり低くなってしまう。よって端部領域において、電極スリーブ電位と感光体の表面電位との電位差が大きくなり、磁性粒子が帯電部材から感光体ドラムへ移動してしまうことがある。
【0012】
その結果、長期耐久において帯電部材の磁気キャリアが減少して帯電性能が低下し、また感光体に付着した磁気キャリアは現像器に回収されて現像性能を劣化させたり、画像形成装置本体内にこぼれ落ちて汚染するなどの弊害を生じることになる。
【0013】
そこで従来は、磁性キャリアを担持する導電部材の端部と磁性キャリアの端部とを電気的に絶縁する部材を設け、未帯電の感光体ドラム表面と導電部材の導電経路を絶つことにより、これを防止した。つまり磁性粒子に電荷が注入されることがなくなり、また磁性粒子に付着電界が働かなくなるので磁性粒子が感光体ドラムに付着しなくなる。これにより、磁性粒子の回収が可能となり、長期にわたって安定して良好な画像形成が行えるようになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の画像形成装置よりもさらに長期にわたって安定して良好な画像形成を行うことのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、像担持体と接触する磁性粒子を担持して、トナーの極性と同極性の電圧を印加することにより前記像担持体を帯電する帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された前記像担持体に潜像を形成する像露光手段と、前記潜像をトナーにより現像する現像手段と、像担持体上のトナーを転写材に転写する転写帯電部材と、前記像担持体の回転方向の前記転写帯電部材の下流側で前記帯電部材の上流側に位置し、トナーの極性と逆極性の電圧を印加する逆極性補助帯電手段と、を有し、転写後の像担持体上のトナーを前記帯電部材で回収する画像形成装置において、前記像担持体の母線方向における前記磁性粒子を担持する領域の両端部及び端部外側をトナーの極性と同極性の電圧を印加することにより帯電する補助帯電部材を有し、前記補助帯電部材は前記帯電手段と一体に配置され、前記像担持体の回転方向の前記帯電部材の下流側で、かつ前記現像手段の上流側に配置されていることを特徴とするものである。
【0016】
また本発明は、前記補助帯電手段は、導電性ファーブラシであることを特徴とするものである。
【0017】
また本発明は、前記補助帯電手段に前記帯電部材に印加される電圧と同じ電圧を印加することを特徴とするものである。
【0020】
また本発明のように、像担持体に電圧を印加した帯電部材を当接させて帯電を行なうと共に、補助帯電手段によって像担持体の母線方向における現像剤担持領域の両端部及び両端部外側を帯電することにより、像担持体の現像剤担持領域の両端部及び両端部外側に磁性キャリア及びトナーが付着しないようにして現像剤の回収効率を高めるようにする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図であり、同図において、1は像担持体である感光体ドラム、9a、9bは原稿台ガラス10に載置された原稿Gに露光して感光体ドラム上に潜像を形成する像露光手段を構成する走査光学部及びポリゴンミラーである。
【0023】
ここで、本発明に用いられる感光体ドラム1としては、通常用いられている有機感光体等を用いることができるが、望ましくは、有機感光体上にその抵抗が109 〜1014Ω・cmの材質を有する表面層を有するものや、アモルファスシリコン感光体などを用いると、電荷注入帯電を実現でき、オゾン発生の防止ならびに消費電力の低減に効果がある。また、帯電性についても向上させることが可能となる。
【0024】
そこで本実施の形態においては、負帯電の有機感光体で、直径30mmのアルミニウム製のドラム基体上に第1〜第5の5つの層を下から順に設けた感光体ドラム1を用いた。
【0025】
ここで、第1層は下引き層であり、アルミニウム基体(以下、アルミ基体という)の欠陥等をならすために設けられている厚さ20μmの導電層である。また、第2層は正電荷注入防止層であり、アルミ基体から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たすものである。なお、この第2層はアミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって1×106 Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ1μmの中抵抗層である。
【0026】
また、第3層は電荷発生層であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。また、第4層は電荷輸送層であり、ポリカーボネイト樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することができず、電荷発生層で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0027】
さらに第5層は電荷注入層であり、絶縁性樹脂のバインダーにSnO2 超微粒子を分散した材料の塗工層である。具体的には絶縁性樹脂に光透過性の絶縁フィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電化)した粒径約0.03μmのSnO2 粒子を樹脂に対して70重量パーセント分散した材料の塗工層である。なお、このように調合した塗工液をディッピング塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法、ビーム塗工法等の適当な塗工法にて厚さ約3μmに塗工して電荷注入層とした。
【0028】
一方、図1において、31は磁気ブラシ帯電方式を用いた帯電器(以下、帯電器という)であり、この帯電器31は、内部に固定マグネットが設けられた回転自在の外径16mmの非磁性スリーブ31a上に、磁界によってブラシ状に形成された磁性粒子よりなる磁気ブラシ31bを有するものであり、非磁性スリーブ31aの回転に伴い磁気ブラシ31bの先端から磁性粒子が搬送されるようになっている。
【0029】
なお、この非磁性スリーブ31aは感光体ドラム1に対しカウンター方向に回転しており、本実施の形態においては感光体ドラム1の回転速度100mm/secに対し150mm/secの速度で回転している。また、本実施の形態においては、この帯電器31の、感光体ドラム1に対して形成されるニップ幅を略6mmになるよう調整している。
【0030】
そして、非磁性スリーブ31aに帯電電圧を印加することにより、磁性粒子から電荷が感光体ドラム1上に与えられ、帯電電圧に対応した電位に帯電される。なお、回転速度については速いほど帯電均一性が良好になる傾向にある。
【0031】
一方、磁性粒子の磁性キャリアとしては、平均粒径が10〜100μm、飽和磁化が20〜250emu/cm3 、抵抗が1×102 〜1×1010Ω・cmのものが好ましく、感光体ドラム1にピンホールのような絶縁の欠陥が存在することを考慮した場合、1×106 Ω・cm以上のものを用いることがより好ましい。さらに、帯電性能を良くするにはできるだけ抵抗の小さいものを用いる方がよいことから、本実施の形態においては平均粒径25μm、飽和磁化200emu/cm3 、抵抗が5×106 Ω・cmのものを用いた。
【0032】
ここで、磁気キャリアの抵抗値は、底面積が228mm2 の金属セルに磁気キャリアを2g入れた後、6.6Kg/で加重し、100Vの電圧を印加して測定している。
【0033】
また、磁性粒子としては、樹脂中に磁性材料としてマグネタイトを分散し、導電化、及び抵抗調整のためにカーボンブラックを分散して形成した樹脂キャリア、或いは、フェライト等のマグネタイト単体表面を酸化、還元処理して抵抗調整を行ったもの、或いはフェライト等のマグネタイト単体表面樹脂でコーティングし抵抗調整を行ったもの等が用いられ得る。
【0034】
図2は、この帯電器31に、周波数が1000Hzで矩形状の交番電圧を印加したときの印加バイアスの振幅と1周目帯電電位を示すものである。なお、同図において、aは帯電器31に印加するDCバイアスを示しており、重畳するACバイアスの振幅を大きくすることにより、印加DCバイアスと1周目帯電電位の差は小さくなる。さらに詳しく説明すると、帯電器31に印加したバイアスのDC成分をVdcとし、このとき帯電された感光体ドラム1上の表面電位をVsとすると、これらの差分である△V=|Vdc−Vs|が略40V以下になると帯電の均一性も良好になる。
【0035】
そこで、本実施の形態においては、直流電圧−700Vに対して矩形状の交番電圧1000Hz、800Vを重畳したバイアスを帯電器31に印加することにより良好な帯電性を得ることが出来た。
【0036】
図1において、4は現像手段である2成分磁気ブラシ現像用の現像装置であり、この現像装置は図3に示すように、現像スリーブ11、現像スリーブ11内に固定配置されたマグネットローラー12、撹拌スクリュー13,14、現像剤を現像スリーブ11表面に薄層形成するために配置された規制ブレード15、現像容器16を備えている。
【0037】
ここで、現像スリーブ11は、少なくとも現像時においては、感光体ドラム1に対し最近接領域が約500μmになるように配置され、現像剤が感光体ドラム1に対して接触する状態で現像できるように設定されている。
【0038】
なお、本実施の形態において用いた2成分現像剤は、トナー粒子として粉砕法によって製造された平均粒径6μmのネガ帯電トナーに対して平均粒径20nmの酸化チタンを重量比1%外添したものを用い、磁気キャリアとして飽和磁化が205emu/cm3 の平均粒径35μmのものを用いた。また、トナー粒子と磁気キャリアとを重量比6:94で混合したものを現像剤として用いた。
【0039】
次に、感光体ドラム1に形成された静電潜像を、この現像装置4を用いて2成分磁気ブラシ法により顕像化する現像工程と現像剤に循環系について以下説明する。
【0040】
まず、現像スリーブ11の回転に伴いN2 極で汲み上げられた現像剤は、S2 極→N1 極と搬送される過程において、現像スリーブ11に対して垂直に配置された規制ブレード15によって規制され、現像スリーブ11上に薄層形成される。ここで、薄層形成された現像剤が現像主極S1 極に搬送されてくると、磁気力によって穂立ちが形成され、この穂状に形成された現像剤によって静電潜像を現像する。
【0041】
そして、この後N3 極、N2 極の反発磁界によって現像スリーブ11上の現像剤は、現像容器16内に戻される。なお、現像スリーブ11には電源S2から直流電圧及び交流電圧が印加されるようになっており、本実施の形態では直流電圧として−500V、交流電圧としてVpp=1500V,Vf=2000Hzが印加されている。
【0042】
一般に二成分現像法においては交流電圧を印加すると現像効率が増し、画像は高品位になるが、逆にかぶりが発生しやすくなるという危険も生じる。このため、通常、現像装置4に印加する直流電圧と感光体ドラム1の表面電位間に電位差を設けることによって、かぶりを防止することを実現している。
【0043】
一方、図1において、Pは記録材、7は転写手段である転写装置であり、この転写装置7により、現像装置4によって現像されたトナー像は転写材である記録材Pに転写される。なお、記録材Pは給紙搬送装置8から感光体ドラム1の回転と同期をとって適正なタイミングを持って感光体ドラム1とベルト71がつくる転写部へ搬送される。
【0044】
ここで、この転写装置7は、駆動ローラー72及び従動ローラー73間に懸架され、図中矢印D方向に回動される無端状のベルト71と、転写帯電ブレード74とを備えたものである。
【0045】
そして、ベルト71により搬送される記録材Pに対し、転写帯電ブレード74によりベルト71の内側から感光体ドラム1方向に加圧力を発生しつつ、不図示の高圧電源より給電されることで記録材Pの裏側からトナーと逆極性の帯電を行うことにより、感光体ドラム上のトナー像を順次記録材Pの上面に転写する。
【0046】
なお、本実施の形態においては、ベルト71として膜厚75μmのポリイミド樹脂からなるものを用いたが、ベルト71の材質としてはポリイミド樹脂に限定されるものではなく、ポリカーボネイト樹脂や、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリウレタン樹脂などのプラスチックや、フッ素系、シリコン系のゴムを好適に用いることができる。厚みについても75μmに限定されるわけではなく、大略25〜2000μm、好ましくは50〜150μmのものが好適に用いられ得る。
【0047】
また、転写帯電ブレード74としては抵抗が1×105 〜1×107 Ωで、板厚が2mm、長さ306mmのものを用い、この転写帯電ブレード74に+15μAのバイアスを定電流制御により印加して転写を行った。
【0048】
なおこのようにしてトナー像が転写された記録材Pは定着器6へと搬送され、この定着器6において熱定着された後、排出される。
【0049】
一方、トナー像転写後の感光体ドラム1の表面には、転写残トナーが残留している。そして、この転写残トナーを、そのまま帯電器31を通過させると、前述のゴースト現象が発生してしまう。また、感光体ドラム1と接触した磁気ブラシ下を転写残トナーが通過しても、ほとんどの場合前画像の形状を留めたままであり、適正な帯電条件における磁気ブラシ31bの設定下では均一に分散しているようなことはなかった。
【0050】
そこで、感光体ドラム1の回転に伴い帯電領域に到達した転写残トナーを磁気ブラシ31bにとりこみ、前画像の履歴を消してしまうことが必要となる。このとき、直流電圧を磁気ブラシ31bに印加するのみでは帯電器31へのトナーの取り込みは十分に行われないが、交番電圧を磁気ブラシ31bに印加すると感光体ドラム1と帯電器間の電界による振動効果によって、比較的帯電器31ヘのトナーの取り込みが容易に行なわれる。
【0051】
しかしながら、帯電領域に到達した転写残トナーの帯電量によって磁気ブラシ31bヘの取り込みが非常に困難な場合が生じる。つまり転写残トナーが帯電している以上、磁気ブラシ31bと感光体ドラム間の電位差や、トナーと感光体ドラム間の鏡映力が取り込み性に大きく影響してくる。
【0052】
ここで、帯電器31の印下電圧に対し、通過する感光体ドラム1の表面電位は等しく帯電されることが理想であるが、実際帯電器31の接触部にも幅があり、最終的にはほぼ等しい電位に帯電されるとしても接触部通過初期には十分な帯電が得られていないため、そこに帯電器31とドラム間の電位差が生じている。
【0053】
なお、本実施の形態の場合、帯電器31のVdcを−700Vと設定しているため、接触部通過初期でドラム表面電位がそれより低い領域では正帯電トナーは磁気ブラシ方向へ取り込まれ易いが、負帯電トナーは取り込まれない。また、転写残トナーの帯電量が極端に大きく、ドラムとの鏡映力が大きすぎてもドラム上に残ってしまう。
【0054】
よって本来負帯電性のトナーではあるが転写残トナーは正帯電されていることが望ましい。但し正帯電されていなくても、帯電量の絶対値が十分小さければ、磁気ブラシ31bによって強制的にかきとられる効果は期待できる。
【0055】
実際、転写残トナーは転写時の剥離放電等により、帯電極性が反転してしまうことも多いが、等しい転写効率であっても、転写電流によって転写残トナーの帯電量分布は大きく異なり、また長期にわたり使用すると現像剤自体が劣化し、転写効率が低下してくるため、負帯電のままドラム上に残るトナー比率も増えてくる。そこで転写電流を強めたり、転写残トナーを反対極性に帯電せしめる手段を持つことが好ましい。
【0056】
このため、本実施の形態においては、転写帯電ブレード74と帯電器31の間に設けた毛足長さが6mm、導電性繊維のレイヨンのブラシ32を感光体ドラム1に当接させるようにした。このとき、感光体ドラム1との当接ニップは7mmであった。さらにこのレイヨンのブラシ32に帯電極性とは逆のプラス500Vの直流電圧を印加した。
【0057】
これにより、負極性の転写残トナーは一時的にこのブラシ内に捕獲され、除電された後再び感光体ドラム上へ送りだされる。この際、ブラシ表面にトナーが蓄積してくると、保持量の限界に達し、除電されたトナーから次々と感光体ドラム上へと戻されてゆく。
【0058】
したがって帯電器31と感光体ドラム1の接触部に侵入するトナーは帯電極性と逆極性のもの、もしくは除電されて帯電量の低いものに限られ、磁気ブラシ31bにほぼ回収されることになる。この時点で前画像の履歴は失われ、ゴーストが発生する直接的要因が除去される。
【0059】
ところが、いったん磁気ブラシ31bに回収されても正帯電されたままであると、磁気ブラシ31bと感光体ドラム1の電位差の関係は前述したとおりであるため吐き出されることなく磁気ブラシ内に蓄積し、トナーの抵抗値等にもよるが、帯電器31に所定量以上のトナーが混入すると、交番電圧を重畳した場合において帯電能が低下してしまう。また、仮に帯電器31の遠心力等で感光体ドラム上に吐き出されたとしても、正規の負極性帯電でなければ非画像部において現像装置4で回収されず、残ってしまう。
【0060】
そこで一旦磁気ブラシ内に取り込まれたら今度は正規の負帯電トナーに転じてはじめて長期安定したクリーナーレスプロセスが完成する。これは、トナーと磁気ブラシキャリアの摩擦帯電系列が、トナーの方が負極性寄りにある組み合わせを設定することにより実現することができる。
【0061】
本実施の形態においては、バインダー樹脂にポリエステルを用いたネガトナーに対し、注入帯電キャリアとしてフェライト等のマグネタイト単体表面樹脂でコーティングし抵抗調整を行ったものを用いた。
【0062】
上記のような構成において、帯電キャリアは転写残トナーを回収し、吐き出す訳であるが、従来は既述した図2のbに示す磁気ブラシ31bの範囲のみの帯電を行っていた。
【0063】
ここで、感光体ドラム1の長手方向(感光体の母線方向)端部においては、磁気ブラシ内に混入した転写残トナーが感光体ドラム上に戻されても、帯電領域は現像領域よりもマージンをとって広めに構成されているため、回収、リユースすることができない。
【0064】
また、感光体ドラム1はさらにマージンをとって磁気ブラシ31bよりも広く、その帯電領域の外側の未帯電領域に磁気ブラシ31bから直接、或いは磁気ブラシ31bから離れて浮遊するある程度正規電荷を保持した現像剤が付着、蓄積してしまい、感光体交換時に交換者の手を汚してしまうという不都合を生じたり一度に多量のトナーが落下して記録媒体を汚してしまう危険性も生じる。また、端部においては磁気ブラシ31bがまばらとなり感光体ドラム1と常時接触していないため、均一に帯電することが難しい。
【0065】
従って感光体ドラム1の電位は、中央領域のそれよりもかなり低くなってしまう。よって端部領域において、電極スリーブ電位と感光体ドラム1の表面電位との電位差が大きくなり、磁性粒子が磁気ブラシ31bから感光体ドラム1へ移動してしまうことがある。
【0066】
このことから、端部からはき出されたトナーや、帯電しきれず電気的に付着する磁気キャリアをなくすために感光体ドラム端部も一様に帯電する必要が生じる。
【0067】
そこで、本発明においては図4及び図5に示すように、感光体ドラム1の母線方向における現像剤担持領域の両端部及び両端部外側の感光体ドラム上を帯電する手段として補助帯電部材である補助帯電ブラシ100を設けるようにした。なお、本実施の形態においては、補助帯電ブラシ100として毛足長さが6mm、導電性繊維のレイヨンの導電性ファーブラシを用い、感光体ドラム1に当接させるようにした。このとき感光体ドラム1との当接ニップは7mmであった。
【0068】
そして、このレイヨンの補助帯電ブラシ100に磁気ブラシ31bと導通させ、磁気ブラシ31bと等しいバイアスを印加し、図2のcのような帯電電位構成とした。
【0069】
以上のような構成において、画像比率20%の画像を用いて画出し耐久試験を行ったところ、感光体ドラム端部に磁気キャリアが付着することなく、また端部から吐き出たトナーが付着することなく10万枚の長期に渡り、磁気ブラシ31bは逐次転写残トナーの回収、はきだしを続け、帯電能の低下もみられず良質な画像を安定に維持した。また、感光体ドラム端部下部に磁気キャリアやトナーがこぼれ落ちるということがなかった。
【0070】
これにより、転写残トナーを帯電器31で一度回収して前画像の履歴を消し、且つ積極的に再び端部を除く感光体ドラム1上に吐き出して帯電器31の汚染を防止すると共に、現像装置4で回収することが可能となる。
【0071】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、補助帯電手段により像担持体の母線方向における現像剤担持領域の両端部及び両端部外側を帯電することにより、像担持体の現像剤担持領域の両端部及び両端部にトナーや磁気キャリアが付着するのを防止することができると共に、像担持体端部下部に磁気キャリアやトナーがこぼれ落ちるのを防止することができる。これにより、現像剤の回収効率を高めることができ、長期にわたって安定して良好な画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図。
【図2】上記画像形成装置の磁気ブラシ帯電装置による感光体の帯電電位を示す説明図。
【図3】上記画像形成装置の2成分現像装置の概略構成を示す断面図。
【図4】上記磁気ブラシ帯電装置の断面図。
【図5】上記磁気ブラシ帯電装置の全体図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
4 現像装置
6 定着器
7 転写装置
9a 走査光学部
9b ポリゴンミラー
31 帯電器
31a 非磁性スリーブ
31b 磁気ブラシ
100 補助帯電ブラシ
P 記録紙
Claims (3)
- 像担持体と接触する磁性粒子を担持して、トナーの極性と同極性の電圧を印加することにより前記像担持体を帯電する帯電部材を有する帯電手段と、帯電処理された前記像担持体に潜像を形成する像露光手段と、前記潜像をトナーにより現像する現像手段と、像担持体上のトナーを転写材に転写する転写帯電部材と、前記像担持体の回転方向の前記転写帯電部材の下流側で前記帯電部材の上流側に位置し、トナーの極性と逆極性の電圧を印加する逆極性補助帯電手段と、を有し、転写後の像担持体上のトナーを前記帯電部材で回収する画像形成装置において、
前記像担持体の母線方向における前記磁性粒子を担持する領域の両端部及び端部外側をトナーの極性と同極性の電圧を印加することにより帯電する補助帯電部材を有し、前記補助帯電部材は前記帯電手段と一体に配置され、前記像担持体の回転方向の前記帯電部材の下流側で、かつ前記現像手段の上流側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記補助帯電手段は、導電性ファーブラシであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記補助帯電手段に前記帯電部材に印加される電圧と同じ電圧を印加することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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JP35586097A JP3630962B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 画像形成装置 |
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JP35586097A JP3630962B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 画像形成装置 |
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JP35586097A Expired - Fee Related JP3630962B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 画像形成装置 |
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JP (1) | JP3630962B2 (ja) |
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- 1997-12-24 JP JP35586097A patent/JP3630962B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11184208A (ja) | 1999-07-09 |
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